Lulu 2025-01-07 16:00:14 |
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須藤がしばらく店の奥でぼーっとしつつ、本を読んでいると、
入口から鈴の音が聞こえた。
(本を閉じ、慌てて小走りで入り口付近にいき、)
「いらっしゃいませ」(おじぎ)
「どこでもお好きな席にお座りください」
と、彼女の吊り目を最大限に落として、頬をゆるませつつ、言うと
目の前で死んだ目で自分のことを見つめ、絶望した顔で立っている男性と目が合った。
( はあ、はずれだ )
彼女は寸時にそう感じ取った。彼女の仕事はこの喫茶店を求めていらっしゃった”お客様 ”に飲み物、軽食を出すだけでは済まないのだ。実は、彼らの話し相手も彼女の仕事であった。
当たり外れは彼女自身が勝手に決めていることだが、確かに悩みの” 闇度 ”があり、
今目の前に立っている彼は10が最大だとすると、8くらいだと思われたのである。
( まあ、がんばりますか。 )
最大限、自分の役目を果たそうと気を取り直した彼女であった。
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