さすらいの旅人さん 2024-12-07 15:16:03 |
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っ、ありがとうございますぅ…
(押しやられたスリッパを何とか受け止めると屋内を見回すのもそこそこに手洗いを目指す。次々と投げかけられる質問に、今は答えられる筈ないと言いたげな顔を向けると、声をかけられた相手とは別のもう1人の男の存在に気付く。その男から告げられた言葉に恐らくだが歓迎されているのだろうという意図を読み取ると手洗いに駆け込みーーだが、ドアを閉めた時点で先程までの倦怠感や吐き気は幾分か軽くなっていた。…何故だろう?よく分からず首を傾げながら手洗いから出て、一先ず礼を言おうとタイミングを伺っていて)
…あ、あのう…お手洗いお借りしました…
あー、はいはい。別にいいですよー。
(へらへらとした笑顔のまま、青年の言葉にはぞんざいに手を振って応え─適当に掛けたせいで若干ズレていた眼鏡の位置を指先で直す。継虎は再びの大欠伸と共に青年の顔を見据え、おもむろに自身の履いているスウェットの尻ポケットへと手を突っ込んだ。少しポケットの中を探った後、くしゃくしゃに丸められた─名刺らしき紙切れを取り出し、雑にそれの皺を伸ばしてから青年へと差し出す。名刺には「虎鶫探偵社所長 継虎」と名前のみが記されており、申し訳程度に固定電話の番号が記載されていた。暇そうにしていた御影が再びじっと青年の顔を見据え、「……心霊スポットで、石碑を蹴り倒したんですね。そのせいで呪われた、と…」と納得したように呟くのを聞いたらしい─目を細めながら青年を見つめ)
……そうなんですか?お客さん。
っあ、ありがとうございました…!
(へらへらとした顔を向けられれば、慌てて深く頭を下げ。ゆっくりと顔を上げると同時に男から名刺を差し出される。…酷くしわくちゃだ。受け取りよく見ると場所の名前とーー男の名前だろうか、「継虎」と記載されていた。何処となく緩い雰囲気を纏いながらも、その見つめる眼光からは逃げ出すことの出来ない重厚な空気を感じた。中へ入れてくれた男がまたじっと自分を見て、何やら喋っている。ーー石碑?ーー蹴り倒した?確かにあの日、あの場所で何かの気配を感じて、友人達と慌てて逃げた時に何かに躓いて転け、その際に何かを倒してしまった感覚はあったが…あれが彼の言う石碑、なのだろうか。とにかく話してみるしかない。未だに少し胸悪いのを落ち着けようとゆっくりと胸を摩りながら、口を開き)
…実は、そうなんです。…あ、僕、隣町の図書館で司書してます、朔間碧と言います。先日友人と最近噂の心霊スポットに遊びに行って…その日逃げた時に何か倒してしまったみたいで…それがその、石碑なんですかね?
ほうほう、それはそれは…
(軽薄な笑顔のまま青年の言葉に頷いて返答しつつ─ちらりと御影を見遣り、無言の圧を掛けておく。当の本人は降参だ、と言わんばかりに肩を竦めただけでリビングの方へと戻り、皿の上の焦げたトーストを片付け始めた。その様子に溜息を一つ目を閉じ、青年の後ろに憑いている気配をそれとなく探る。─黒い影、青白い腕、その他諸々─どうやら、中々に大事なものを蹴り倒したらしい。眉間に指先を押し当てながら煙草へ手を伸ばし、火が点いたままのそれを咥えた。白い煙が立ち昇るのを静かに見守った後、先程と何ら変わりのない口調で口を開き)
で、その呪いを解いて欲しいと。…そういうことでよろしいですかねえ?
っそ、そうなんです…もう…何をして貰っても駄目で…友人達はその後特に何とも無かったんです。…あそこに行ったのは本当に興味本位で、イタズラしてやろうとか年甲斐も無く考えて無いですし、祠を倒してしまったのも本当に申し訳ないと思っています。…でも、怖くて…何で俺だけ…
(相手はどうやら、自分の話を聞いてくれているらしいーー怪しい?妖しい?雰囲気はそのままだがーーこれまで何処に行っても対処療法ぐらいしかして貰えなかった自分には、もう頼るものがここしか無いという不安感と、同時にこの人なら本当に呪いを解いてくれるかも知れないという期待感に似たものを感じていた。ひと通り話したところでもし飲めたらとカバンに突っ込んで来たペットボトルの水を取り出して、ひと口飲んでみる。自分の体験こそ稀有だが、こうしてちゃんと話を聞いてもらっている事自体も稀有なのでは無いだろうか。出来るのなら早く、元の生活を取り戻したい。少しだけ余裕の出て来た様子で屋内を見回し、一呼吸置くと口を開いた)
祠を倒して申し訳ありません、お願いします、呪いを解いて下さい!
はいはい、勿論ですよ~。
(青年の深刻さとは裏腹に、相変わらずの軽薄さを纏った笑顔で頷いてみせる。御影の鋭い目線が背中に突き刺さっている気がするが、それは素知らぬ顔で無視しておく。─さて、青年が言うには悪意はなかったとのことだが。視線を青年に向けつつもちらりと御影を見れば、御影はこくりと頷く─どうやら彼の言う事は本当らしい。ここからどうしたものか─と顎に手を当てつつ、形式上の契約の話へと移行して)
…依頼という事でしたら、依頼料を頂く形になりますねえ。…あ、ちなみに。うちは成功報酬制でやってるので…失敗した場合、お代は結構ですよ。
っあ、ありがとうございます!よろしくお願いします!
(どうやら正式に受け入れてくれたらしい様子にほっとして、殆どいつもの調子を取り戻して上記を言い。…だが依頼をして解決を頼むという事なら、相応のお題を払わなければならない。一体いくら請求されるのだろうか。これまでの支払いはぼったくり同然で、暫く貯めてきた貯金を崩さざるを得なくなっているのが現状だ。これ以上身を削っても大丈夫だろうか?今の状況が良くなっても、この先生きていかれないのであればまるで意味がない。悶々と考えていると、成功報酬制、という単語が耳に飛び込んでくる。なるほど失敗する事もあるのか、と良くわからない考えも湧いてしまったので先ずは話を先に進めようとして)
…っ、それで…ここはどういった解呪方法を取っているのですか?
んー?ああ、うちはですねえ…ううん、どう説明したもんかなあ。
(青年の言葉に眉を下げ、ぽりぽりと頭を掻く。本当の事を説明する訳にも行かない─どうしたものかと悩んでいると、それまで無視を決め込んでいた御影がひょっこりと顔を出した。「………貴方が今まで受けてきたような、一般的な方法です。……まあ、少し異なるかもしれませんが」素っ気ない口調でそう告げた後、御影はまた優雅にソファでコーヒーを飲み始める。相変わらずの言葉足らずな助手を苦々しげに眺めつつ、青年に向き直り)
…まあ、死ぬようなことはないんで。安心してくださいねー。……ちょっと目を閉じて、耳も塞いでおいてくださいねえ。
んっ…?…は、はい、解りました…
(相手の説明には少し疑問を抱くものの、深く突っ込んではいけない内容なのかとそれ以上追求する事は辞め。死ぬようなことはない、と言われて少し安堵するが耳と目を塞ぐのには少しばかり躊躇して。ーー当然だ。初めての場所で視覚と聴覚を遮断されて留まること程、怖い状況は無い。『でもきっと、このひとなら自分の状況を何とかしてくれる』という希望を、捨てる理由にはならなかった。言われてから数分後、ゆっくりと目を閉じ耳を両手で塞ぐと、準備完了の合図としてコク、と一回頷き)
…お願い、します
…はあい、じゃあ行きますねえ。
(頷いた青年の様子を一瞥し、穏やかな声を掛けながら御影に向けて手を振る。御影が溜息混じりに手渡してきた煙草に火を点け、ゆったりと煙を吸い込んだ後、ふう、と事務所の天井に向けて白い煙を吐き出せば─事務所の壁に映し出されている自身の影が、ぐらりと揺らいだ。煙草を持っていた方の手が二重にブレたかと思えば、トレーナーから突き出している白い腕が虎のものへと変貌する。咥え煙草でその腕を勢い良く振りかぶり、青年の後ろへと叩き下ろす─どうやら想像していたほど、大した霊では無かったらしい。青年にこびりついていた大量の黒い影があっさりと霧散するのを見届け、再び煙草の煙を吸い込んだ。揺らいでいた影が落ち着き、腕も元の生白い肌をした人間のものへと戻る。─欠伸を一つした後、青年に呼び掛けて)
はい、終わりましたよ~。…どうですか~?
は、はい…
(相手の声掛けに返事をすると、覚悟を決めてより強く目を瞑り耳を塞いだ手に力を込める。そうして待つ事数分、風が起こったかと思うと、自分の肩にかかっている重さがすーっと無くなっていくのを感じた。一体、何をしたんだろう。見てみたいのもあるが、そうしておいて欲しいと言われてしまったのであればそれを破る訳にはいかず。終わったと声がかけられたのでゆっくりと顔を上げると目を開けて両耳から手を離し。本当に終わったんだと実感すると、興奮が抑えられなくなり。「治りました!ありがとうございます!」と叫べば笑顔を相手に向けて。本当は手も握りたかったが、流石に馴れ馴れし過ぎるので辞めて。そうして少し落ち着くと、次に考えるのは代金についてのことで。一体幾ら請求されるのだろうかと少し不安になって)
…あの、それで…お代はいくらに、なりますか…?
ん~?ああ、料金ですね~…ええと。
(へらへらとした笑顔のまま青年を見据え、吸い切った煙草をテーブルの上の灰皿に強く押し付ける─ぐしゃ、と潰れる音を立て、煙草は原型を留めない灰となって灰皿に散った。成功報酬、と適当に宣ったことなどとっくに忘れていたらしく、気の抜けたような声を上げながら御影をちらりと見つめる。我関せずといった雰囲気を漂わせる御影に痺れを切らしたのか─御影~、と一見呑気に呼び掛ければ、大きな溜息を吐き出しつつ御影が青年の方へと歩み寄って声を発し)
……今回の料金は…そうですね、特に想定外の事態も起きませんでしたし…1万円で結構です。
い、一万円、ですか…?
(何だろう、この違和感は。あれだけ満身創痍でやって来たこの場所で、物の数分でこれまでの事が全て解決されてしまった。なのに、自分が払うのは本当に一万円で良いのだろうか。ーーいや、請求する相手がそう言うのだから間違いはないのだろうし、こちらも大金を払いたがっているわけではない。ーーそれにしてもどうしてか、自分の中でもやもやと引っ掛かるものがあるのだ。相手にとっては迷惑な話かも知れないが、それでも聞いてみなくては解らない。財布から万札を1枚取り出して机の上に置き「ありがとうございました」と伝えれば相手の顔を見て)
…あの…もしご迷惑でなければなんですけど。その…報酬の追加としてここの掃除、とか家事とかさせて貰えませんか?私情を挟んで申し訳ないんですけど、子供の頃から探偵とか、そう言うのに興味があって…ついでにお仕事の見学とかさせて貰えたらな、と…
…掃除ですかあ?そうですねえ…
(札を受け取った後に投げられた、青年からの思いもよらない提案に、普段のへらへらとした笑顔が一瞬だけ崩れる─驚いたように目を丸くし、何度か瞬きをした。が、直ぐに普段の表情に戻した後、顎に手を当てて考え込むような素振りを見せていると─御影が涼しい顔をしたまま「良いじゃないですか。…継虎先生、片付けは苦手でしょう?」とりあえず悪意はないようですし─と、最後の言葉は自身にしか聞こえないような声量で耳打ちをしてくる。その言葉に少し考え込んだ後、またへらへらと笑いながら青年を見据えて)
…いえいえ。むしろ、やってもらって良いんですか?助かりますよ~。見学もご自由にどうぞ。
本当ですか!ありがとうございます。じゃあ早速…あ、触っちゃいけない所とか、入ってはいけない部屋はありますか?素人に知られると、困る事もあるでしょう?
(相手から承諾を得た事に嬉しくなり立ち上がると、はっとして真剣な表情になり尋ね。幾ら相手が任せてくれたとしても自分は所詮素人。そう易々と他人の仕事場に踏み込む訳にはいかない。そこは自分も大人なので一歩引く様にして。辺りをじっと見回しながら頭の中では掃除の算段をつけており)
んー、特には。…あ、書斎には入らないでもらえると助かりますねえ。
(青年の言葉にゆったりと首を捻った後、ふと思い出したように手を叩く。青年にはこう言ったが、実際自分は書斎に立ち入られようが別に構わないのだが─御影が怒るのだ。はてさて、あの助手─『サトリ』は一体何を考えているのやら。何処ぞへ引っ込んでしまった御影の顔を思い浮かべて苦笑いをしつつ、呑気な大欠伸を一つ。テーブルに放り出していたコーヒーを一口啜り、へらへらと笑い)
っそ、そうですか。解りました。…あ、他にも何かあったら教えて下さい。極力お仕事の邪魔はしない様に努めますので
(初対面で何だが、この人はいつまで能天気というか…元々こういう接客態度なのだろうか?それとも、自分だから…?いや、取り敢えず今は掃除だ。書類やら道具やら色々なものを詳しくは見ない様にしてどかし始める。自分の足の踏み場が出来てくるとワクワクしてきて、腕まくりをすると肩を回した。まだ怪しい雰囲気は拭えないものの、不思議と彼らと一緒にいると安心感があるのも事実で。ある程度可動域を広げた所で、箒やモップの場所を聞こうと振り返り)
あのー…掃除用具とかって何処かにあります?
>32
(/勝手に侵入してきてなりすますの、やめて下さい。ただ楽しくなりきりを、やり取りをしている人の気持ちを踏み躙って楽しいですか?されたくないならトリップ付けてとか言い返して来そうなので先手打ちますが、そういうものがあるからってなりすましという行為をして個人を識別させて、なりすまされて勝手な事されて自分達だけの世界観を無碍に壊されて傷付いた側の人が苦労しなければならないのか、私には理解出来ません。お相手様(継虎様)におかれましても、レス消費とお目汚し、大変申し訳ありません。>32様、このコメントが不快であればどうぞ削除依頼をして下さい。こちらは今から貴方様のコメントの削除依頼をさせて頂きますので、よろしくお願い致します)
>34
(/本当にやめて下さい。何が楽しいんですか。何かの腹いせのつもりですか?こんな事では貴方の気持ちは晴れないと思いますよ。取り敢えず通報しておきますね。継虎様、お目汚し大変失礼致しました)
(/スペース消費本当にすみません。トリップ字がおかしく、変更いたしました。今後は>35と下記のトリップが朔間碧本体となります。よろしくお願い致します)
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