2024-10-23 22:00:18 |
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>マルガレーテ
ごきげんよう、マルガレーテ。あんたっていっつもいっつも庭にいるわね。だからそんなあんたに聞くわ──この花、見たことある?
( あふれる緑を踏み分けてようやく見つけた、白薔薇と見紛う銀糸の少女。幼い"愛娘"ならきっと深窓のお嬢様か姫様の役を与えただろう、憂いと気品がないまぜになった横顔へ、気後れしてなるものかとつんつんに気取った声をかけ。古井戸の錆びから身を守るように胸に抱くのは、よく似た赤茶色をした革張りの古書。その表紙にあしらわれた金の蔓薔薇模様が彼女の目に入るよう、もう2、3歩大股に歩み寄っては、ひときわ大きな薔薇の絵をこつんと叩いて指し示す。女王のドレスを思わせる幾重もの花弁を纏う花。野の花とは比べものにならない華やかさにすっかり魅了され、欲しい欲しいと庭園を探し回ったものの、未だに蕾のひとつも見つからない。ブーツを草露まみれにしてまであてどなく彷徨うよりは、庭に馴染み深い彼女に助けを乞うたほうがマシ。その結論に至るまでの徒労を思い出したのか、気品などかけらもないぶすくれた顔でぶつくさと言葉を付け足して )
蔓は、そこらへんに生えてるのと同じ形でしょ。つまりここは薔薇園で、薔薇だってどっかに咲いてるはずなのよ。絶対。
(/遅ればせながら絡ませていただきました!可憐なマルガレーテお姉様とは正反対の喧しい人形ですが、ご迷惑でなければぜひお相手をお願い致します…!)
>ロザリア
……怪我がないのと綺麗は別よ、お馬鹿さん。地べたに平気で座るような子にはわからないかもしれないけど。
( 何度頬をなぞっても不安や怯えは拭い去れず、強ばった表情で相手の指先を受け入れる。されるがままに手を退かし、血の気のない少女のかんばせをひたと見上げることしかできない。そんな状態は物言わぬ人形だった頃の記憶を嫌でも思い出させるけれど、あどけない口調は同じでも、彼女は"あの子"のように自分を突き放したりはしなかった。綺麗。世界で一番素敵な言葉に身も心もゆるゆる緩み、ほとんど溜め息のような憎まれ口には安堵をたっぷり滲ませて。はしゃぎ、驚き、怒って怯えてほっとして──そうして今度はくたびれた。自我というもののめまぐるしさに起き上がる気力も奪われ、額に添えられた相手の指をやわらかく掴んでは、櫛代わりにして前髪を整える。床に転がっているなどドールの恥。まして首と胴が真逆を向いた恐ろしい姿でと己を咎める気持ちもあるが、地べたにいるのも恐ろしいのも同じだとほのかな仲間意識に甘え。ゴシック調のメイクよりもよほど怖い傷痕からは目を逸らしつつ、気の抜けた様子でぽつぽつ文句を再開し )
こんな汚いとこでぼーっとして。何が面白いのかしら。リリーが踏んづけてたらあんた、足まで欠けちゃってたかもしれないんだからね。
(/こちらこそありがとうございます、初回から不躾な言動ばかりで申し訳ございません…!背後もメイリリーもゴシックな魅力たっぷりのロザリアちゃんが大好きなので貶める意図等は無いのですが、ご不快であればすぐ改めますのでご指摘をお願い致します!)
>グロキシニア
( 朝露に濡らされないようスカートをつまみ上げ、新しく開いた蕾はないかと茂みの根本にしゃがみこみ。この荒れた庭で見つけられる花といえば、鬱蒼とした蔦の影に咲く小さな山野草ばかり。それでも他の人形達に摘み取られるより早く、と神経を研ぎ澄ませていたせいか、とろりと響く不穏な言葉は葉陰越しにも耳に届いて。反射的に立ち上がれば、夜明けの光に淡く輝く、優美な金色を纏った乙女に思わずきゅっと息が止まった。ドールに呼吸などないけれど、そうとしか喩えようのないほどその美しさに射竦められること数秒。ふいに我に返ると悔しげに唇をへの字に歪め、己の理想そのものであるブロンドから同色の鋏へと目を逸らし。憧れにきらめいてしまう瞳は挑むような目つきで隠蔽。反らした胸の前で両腕を組み、さながら庭園の主といったふてぶてしい態度と返事で改めて彼女を見下ろして )
あのね、今はリリーが花を探してるのよ。この三つ編みいっぱいに飾らなきゃいけないの。そのでっかい鋏じゃ花まで切っちゃいそうだもの、庭遊びはリリーのが終わるまで待って。いいでしょ?
(/こんなにも麗しいのにメイド役という、不憫と狂気すらもお美しいお嬢様にいてもたってもいられず絡ませていただきました…!華やかな人形の影に埋もれてしまった者同士お話ができれば嬉しいのですが、淑女には程遠い娘ですので、相性等の問題がございましたら遠慮なく仰ってくださいませ。よろしくお願い致します!)
>ベル
──……、そうよ。そうでしょ。リリーは器用で可愛いの。埃まみれのくせにちゃんとわかってるじゃない。
( 事も無げな微笑みに合わせてきらきらの髪がさらりと揺れる、その愛らしさと憎らしさに空いた掌を握りしめ。受け止めてもらえなかった怒りは照れ隠しのように熱を増す。そうして肩をいからせるほどに、彼女の人形らしい可憐が際立ち、自分の惨めが色濃くなる。とめどないヒステリーの波に地団駄まで踏みかけたくせに、たった二言三言の褒め言葉にぴたりと身動きを止めればまずは平静を装った返答を。浮かれる心を押しとどめるべく高慢ちきに言葉を重ね、それでも気づけば眉間のシワは消えてしまって。聡い彼女に悟られないようコサージュを揺らしてついと顎を反らす、気分はさながら羽帽子をかぶった貴婦人といったところ。素敵なクラシカルドレスの持ち主が大仰なほどに讃えてくれるのだから、己もまた素敵なお姫様なのだという錯覚に胸がふわつくのを止められない。となれば無用な苛立ちや劣等感など消え失せて、クリアになったおつむによって自分が何に憤っていたのか数秒ぶりに思い出し。拳をほどいて触れるのは灰青のケープに絡んだ小さな埃。つまみあげたゴミを睨む目はじっとり据わっているものの、ぼやく口ぶりからはもう激しさが抜けており )
……"可愛い"はわかるのに、どうして平気でドレスも髪も汚せるのかしらね。ベルってすっごく物知りだけど、時々すっごくお馬鹿だわ。
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