黒岩晶 2024-10-22 21:37:13 |
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タオル、ここに置いておくから使って。(タオルを持ってお風呂場に来ると浴室に居る相手を見て今更ながら生徒とはいえ家にあげてしまった事への罪悪感が込み上げ意識しない様にと平常心で告げると部屋に戻り救急箱の用意をして相手を待ち)
(軽く頭を下げながらタオルを受け取ると、傷口を綺麗に流してから拭き取り。床を濡らさないように気を付けながら相手が居る部屋へと控えめに入り、どうしていいかわからず少しそわそわした様子で)
黒岩くん、ここ座って?(用意した椅子に相手を座らせズボンの裾を捲り上げ「ちょっとしみるかもしれないけど我慢してね」と前置きすると消毒液を染み込ませたガーゼを傷口にぽんぽん当てながら消毒し大きめの絆創膏を貼り終えると相手を見上げ)応急処置だから痛むようならちゃんと病院に行ってね?
(言われるがまま椅子に座り、大人しく処置をを受け。消毒液が染みて一瞬ぴくっと反応するが、情けない声は出したくなくて堪えて。その後も手際よくテキパキと処置を進める相手を見つめていたが、思ったことを口にし)…ありがとうございます。先生、なんだか慣れてますね。保健室の先生みたい。
ふふ。これくらい普通だよ。(処置を済ませた相手からの中学生らしい感想に思わず笑顔を見せ救急箱を片付けながら「お茶でも飲む…?」と尋ね)
ありがとうございます。…先生、なんだか急に優しいですね。僕、先生の笑顔好きです。(最近は突き放すような態度を取られる事が多かった為、笑って貰えるのが嬉しくて、ほっとしたように本音を口にして)
勘違いしないで。私は黒岩くんの担任として接してるだけだから。(相手の言葉に心が揺れ緩んでしまっていた気持ちを引き締めるかの様に先生として接していると口に出し自分に言い聞かせながら冷蔵庫からお茶を取り出しコップに注ぐと相手に手渡し軽く触れた指先にすら意識してしまい)
それでも先生が笑っていたり、優しかったりすると嬉しいです。(コップを受け取ると「いただきます」と言ってお茶を飲んで。カラカラだった喉が潤い少し緊張が解れたところで、指先が触れた時に僅かに動揺を見せた相手に少し悪戯な質問をしてみたくなり)…先生、僕、今日このままここに泊まってもいいですか。
良い訳ないでしょ。もうすぐ黒岩くんのお母さんから連絡が来ると思うから大人しく待ってて。(相手の思わぬ言葉に一瞬動揺するが平常心で否定し連絡が来ていないかスマホを確認しに自室に行くとコルクボードに飾られた婚約者の写真と棚に置かれた婚約指輪が入った小箱を見て胸をちくちくさせ)
もう少し意識してくれたって…。(相手が一度その場を離れると、少し不満そうに呟いて。連絡なんて来なくていい。家に入れなくて、このままずっと聖ちゃんと一緒にいられたらいいのに。そんな事を考えながらお茶を飲み干し。大人しく椅子に座ったまま辺りを見回し、相手が戻るのを待って)
黒岩くん、お母さんから連絡来たから家まで送るね。(相手の母親から家に戻ったと連絡が来ていて少しホッとした様に車で家まで送ると提案すれば車の鍵を持ち玄関先に向かい)
(その言葉を聞きはっとして立ち上がると、玄関に向かう相手を引き止めるよう後ろから抱き締めて)…まだ帰りたくないです。聖ちゃんと一緒にいたい。
──黒岩くん、何言ってるの?離して…?(後ろから抱き締められ言葉では先生らしく拒否するが相手の腕を振りほどく事は出来ず包まれる温もりに鼓動速まり)
嫌だ、離したら先生との時間が終わる。どうせ先生は明日からまた僕のこと避けるから。(離してしまったらこの幸せな時間が終わってしまう。そう思うと切なさで胸がぎゅっと痛んで。愛しい相手を離したくない気持ちが、抱きしめる力を強くさせて)…もう少しだけ、このままでいさせてください。
避けてなんかないよ?ただ…。(抱き締める力が強くなり何かを言い掛けて止めると相手の手の甲に己の手のひらを軽く重ねて駄目な事だと理解しながらももう少しだけ、と願ってしまい)
…先生。先生は、僕が生徒じゃなかったら僕とのこと少しは考えてくれましたか?僕を好きになってくれましたか?(いつもなら振り払われるだろうが、今は相手からの小さな温もりさえ感じられ、相手への想いが溢れ出し。どうにもならない質問でも相手の気持ちを知りたくて、抱きしめたまま問い掛け)
黒岩くんが生徒じゃなかったら…きっと出逢う事もなかったし好きになる事もなかったかもしれない。でも黒岩くんは私の大事な生徒だから。今はただそれだけ。(相手の質問に曖昧な答えを返すと相手の手を取り向き直ると相手と向かい合い「そろそろ帰らないとお母さんが心配してるよ」と笑顔で述べ)
…っ!(心の奥で少しは期待していたのか誤魔化すようなその答えにカッとなり、相手の方を掴むと背後の壁に押し付け。何か言いたげな視線をぶつけるが、やがて悲しげに視線を伏せ、相手の肩から静かに手を離して)…すみません。帰ります。
え…っ。(肩を掴み背後の壁に押し付けられ相手の何か言いたげな視線と悲しげな表情から相手の心情を察するがこれで良かったんだと自分に言い聞かせ何も言えず、肩から相手の手が離れても肩に残る手の熱と掴まれた感触が残っていて15歳とはいえ男の人なんだと意識してしまうと力が抜けた様にその場に座り込み)
先生…!大丈夫ですか?(突然脱力したように座り込んでしまった相手に驚き、自分も咄嗟に屈んで心配そうに声をかけ)…ごめんなさい、痛かったですよね。こんな風に乱暴にするつもりじゃなかった…。立てますか。(大事な相手を前につい熱くなり驚かせてしまった自分の幼さに嫌悪感を覚えつつ、相手を支えて立たせようとして)
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