154 2024-10-21 23:20:12 |
通報 |
…、ッ───!ぐ、~…っ。オレが、負けるとか。嗚呼、…くそ。しくじった。今回は化け物斬りに譲ってやるにゃ。それで、オレはお前に何すりゃいいのやら。( 着々縮まる距離伴いふと仄か触れた箇所に呆気取られ、ぱちり両瞳が丸く。視界めいっぱい輝き広がる色彩に浸り忘我とは口吐けず、完敗認めざるを得ない状況に渋々降参と。掌押されるままクッション背預け温順に言問い、さらりと指通り好い彼の横髪手戯れを眼見上げて。 )
少しの間、猫殺しくんには俺専用の洋風座布団になってもらうよ。……───想像していた通り温かくて良い香りがするな。優判定を与えよう。( 脚の間に割って入り込むと身体を横にして預け、すっと双眸閉じて心地好い彼の体温を感じながら特命調査での判定を真似て評価を口に。 )
どーせアレだろ、夕餉食い逸れてオレに夜食作れだの、早朝とか万屋に買出し行けッつう───ん"、に"ゃ…ッ?!…おっ、ま、~…!硬ぇだけの座布団に何の需要あんだよ。なあ、監査官殿。聞きてえことがあるんだが、良いですかにゃ。( 思い当たる候補を幾つか上げた一瞬きの間、ふわりと鼻腔擽る好い香りに加え内番衣装越し伝う体温に赤面ぶわ。そっと片腕伸ばし、にぼし絵柄ブランケットを手掴み取り彼の後背すっぽり覆い被せて。 )
俺にとってはこの上ない代物だよ。…っふふ、急に畏まってどうかしたのかな?答えられる範囲で良ければどうぞ。( 彼の懐の中は想像以上に心休まる場所で安心する香り包まれながらブランケットにすり、と控えめに頬を寄せて。珍しく敬語を使う様子にくすくす笑み溢すとゆっくり瞳を向け。 )
よく言うぜ、ッたく…どうも未だ昨夜の酒が抜けてねえらしい。オレの柄じゃねえって、笑い話でも一つくれてやらァ。…、こうやって日重ねる毎に言葉乗せて。人の身得てからにゃあ。化け物斬り見てると、なんつうか。追求心尽きねえ。何も一から十と言わねえし、何処か薄い回想でも顕現した当初のお前もいつか見てみたい、にゃ。…あ"ー、それはそうと。お前の好む色と何でも構わねえから気に入る動物聞かせてくれ。…、因みに猫は却下だかんな。( 片手の置き場所に困り宙天うろうろと彷徨い、一息吐いて気落ち着かせるように視線合わせ。 )
成る程、つまり猫殺しくんは俺の全てが見たいという訳か。叶えられる要望ではあるから、そう遠くない内に見せてあげられそうだ。……まさか先手を打たれるとは。猫を選べないとなると梟かな。瞳の構造が猫と同じだからね。好む色は瑠璃色。───それで。当然、君も好きな色と動物を話してくれるんだろう?( 彷徨う手を取ると感触を楽しむように触れたり、ついと指先滑らせたりと戯れて。 )
…や、言い方。語弊あんだろ、にゃ。──まあ、強ち違いねえけど。これじゃあ何方が勝者か分かんなくなっちまうか。…うえ、マジで猫だったのかよ。へえ、梟か。そりゃ良い、初耳。瞳の構造…、なるほど。何でオレまで巻き込まれんだよ、別に良いけどにゃあ。やっぱ動物だったら獅子…は、なんとなく当て嵌まるヤツ居るし、虎とか。色は柳緑、オレの眼色と後もう一色。足したのがこの色合、なんて。( 手摘まれては為されるが儘に、瞳細め自制うぐ。悪戯気に反対側の片掌で彼の頬うりうり。 )
ははっ、相変わらず好ましい反応を返してくれるね。始まりから終わりまで見たい、という意味だろう?俺としても君と色々な世界線に触れたいと感じた。それが理由だよ。虎か…。柳緑とは少し意外だが良い色、……、遠回しな告白と受け取る事にしよう。───さて、猫殺しくんで心が満たされたから物語の続きを持ってくるよ。素敵な一時をくれてありがとう。( 頬を弄んだ報復とばかりに微笑みと共に告げるとブランケットを丁寧に畳み傍らへ置いて立ち上がり、さらりと指先で横髪を梳くように撫でて。 )
───!おッまえ、にゃあ~…!誰の所為だと思って、…?ふは、終わりなんざ来るかよ。もしオレが鍵個体なら先に本丸顕現してる筈だろうし、新刃の化け物斬りが諸々やらかすところを最前線で見といてやるから安心して良いぜぇ。言えば虎も五虎退と被っちまってるか。おー、オレも良い色だ…って、!は、…?!ンなわけ、…っ!妙な解釈止めろ、最後まで話聞きやがれにゃーッ!嗚呼、そりゃ何より。あんま日頃も根を詰め過ぎんじゃねーぞ、部屋戻ったらとっとと寝ちまえ。赤疲労にでもなった暁にゃあ、また面拝みに来てやるよ。( 口乗せにまんまと誤信、動揺混じりに弁明並べて。髪先の感触を片眼綴じ、ひらりと手振り彼の見送りを。 / 〆 全文蹴り推奨! )
───……まさか刀を顕現させるとはね。君が居なければ俺は確実に折れていた。…ありがとう。
( 重圧によりまともに呼吸が出来ず身体に食い込む爪の鋭い痛みを遠くで感じながら次第に薄れていく意識の中で、せめてこの身が彼がこの場を離れるまでの時間稼ぎになれればと複数の物体が融合した獅子の脚に触れた瞬間月明かりに照らされた刃の軌跡を残して獅子の首が宙を舞う光景がまるでスローモーションのように流れて。この歪な世界に降り立ってから久方ぶりに目にする刀を振るう彼の姿は刀身の煌めきのように美しくも力強さがあり一瞬見惚れそうになるが、重力に従って崩れ落ちる獅子の身体を横に避けて急速に取り入れる酸素に多少の苦しさから生理的な涙で視界が滲むのも構わず傍に寄るとハンカチを取り出してそのまま流れる血を止めるように彼の左眼にそっと当てながら功労を称えて。 )
ばーか…勝手に折れんじゃねえにゃ。お前が引き延ばしてくれたから、オレ諸共助かったんだよ。!───っ、直ぐ戻っから此処で待っててくれ、にゃ。
( 獅子の形骸を真っ二つに頭部が血飛沫舞いながら地転び落ちると軽く血振るいて納刀し、振り向き際に蹌踉めく足許を支えるよう片掌伸ばし肩口抱き留め起立姿勢から直ぐ双両その場屈み込ませて。暫し重圧の負荷により酸欠状態ながらも此方へ称する言葉を聴けば不器用混じり薄ら口端緩み、獅子の撃破を成し遂げれたのは決して自刃一振では無く彼の助力添えが有ってこそだと指腹触れ涙滴滲む目尻拭い。私物の四方織地を用い止血施してくれる所作に身任せ、大人しく左眼綴じる間際──ドクン、と強く心魂が拍動高鳴り覚え。身弾く素振りで先程の脳裏焼き付く光景消えず、目の前に酷く惹き付けられてしまう丹紅香り漂い。同刻に獅子の屍骸蠢く胴部から引き千切り類似蛇尾がずるりと抜け出し、咄嗟反射で彼の前面を片腕遮り一隻を柄添えるも複雑に頭部形成と肉塊繋げた垂体撓る鱗片が勾玉を腹籠り蛇行逃亡先は古朽ちる小売店らしき場所。奪われた翡翠勾玉を取り戻す為、周囲見渡して既に屍群や猛獣の気配無い事を視認後に立ち上がり跡追い駆け出して。 )
!、猫殺しくん、もしかして───……っ、分かった。君なら問題無さそうだが、くれぐれも遅れを取らないように。
( 酸素欠乏の影響か上手く脚に力が入らず蹌踉けてしまうが肩口に寄り掛かるようにして支えられ、自然と無理のない体勢を取らせてくれた細かな気遣いが嬉しくてつい口元が綻び。此方を安心させる笑顔とはまた違いどこかぎこちなさがありながらも喜びからくる心からの笑みと目元を拭う仕草に胸がとくりと鳴り。刀剣男士として顕現して以降初めて交わした言葉を思い返し、刀として共に在った時代よりも仲が深まっているのだと実感すればじわじわの胸の内に温かいものが広がっていき。止血出来た事を確認するとハンカチをしまい、頬に付いた土埃の存在に気付いて拭おうと腕を伸ばすが弾かれるようにして距離を置く彼の表情に何か異変が起きているのだと瞬時に悟り。脳裏に過るのはこの世界の異物とも呼べる存在、そしてそれと混じる事で起きる不調和。言及しようと口を開いた刹那、彼に庇われた事によって嵌合体の一部が個体に変貌を遂げたのだと遅れて気付き。共に追跡しようと立ち上がるが、武器が手元に無い状態では足手纏いになるだけだと判断し素直に従う事にして。 )
───は、…っ、…あ。悪足掻きたァ、良い度胸じゃねーか…にゃ。せめて、まだ…動ける、うちに。早くこれを彼奴の元まで、…──…ッ、!
( 本来ならばサファリパーク入園前に人々が和気藹藹と立ち寄る賑わい通り場所であろう小売店も今や廃街同様に電灯途絶え何処からか隙間風流れる寂寥感の店内、大型猛獣含み屍骸群れ等が一斉に押し寄せたのか自動門扉の跡形も無く至る所へ硝子粉々に砕け散る前面の真下で歩み進め。じゃり、と靴裏踏み鳴らすも周囲聞こえてくるのは異臭叢がる蛆翅音次いで奇声呻き響くバックヤードの奥部。刻経過と身体が鉛のように重く、視界霞んでゆく左眼は彼の指先感触を情馳せ鞘越し本刃強く握り締め。身体蝕む穢れ染まり定命尽きるのが先か、意志抗えば抗うほど次第に呼気荒く無造作転がる一体の屍骸纏う血溜まりに本能耐え兼ね霊力渇望と焼き切れそうな喉許抑えながら鉄扉蹴破り、其処には蛇尾の肉片が墨泡と散り勾玉が二つ。翡翠並び新たな縹色、単彩異なれど形状酷似となれば対併せ揃えた瞬時。眼前に拡がる一輪の紅、───隠君子。全身巡る心動と大きく見開いた瞳孔の先で迷霧綻ぶ華菊を最後に意識暗転、淡い檸檬色の萌黄から神気淀む銀朱へ異質滲み禍々しい墜ち神化と変貌遂げ更なる黒血求めて降り立ち。 )
此処には居ない、か。それなら奥の方か別の場所に……───っ!猫殺しくん、俺の事が分かるかな?
( 彼一振りで行かせて正解だったのか、幹に背を預けて雲間に覗く月を見上げながら悶々とした感情を抱いて。直ぐ戻ると残された言葉の通り待っていたが一向にその気配が感じられず不足の事態が起きたのではないかと疑問が浮上して。あの蛇に遅れを取るなどとは到底考えられない。となれば先程垣間見えた別の何かと混ざってしまったのか。その考えに行き着くと同時に身体が動き出し彼の後を追うように小売店へ足を踏み入れ。散乱した硝子片や倒れた商品棚には目もくれず奥へ奥へと進み、暗闇の中で蹲る姿を見付けるなり両肩に手を置いて顔を覗き込むと黄水晶のように煌めき透き通る色が燃える夕焼けの空を彷彿させる色に染まった瞳が視界に入るな否や手首を拘束し組み敷いて。どうかまだ中に彼の存在があって欲しい、そんな微かな希望を抱きつつ焦燥を押さえ込み飽くまでも冷静に呼び掛け。 )
トピック検索 |