用心棒の小娘 2024-10-05 18:32:43 |
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※お相手様決定済です
※下記再掲となります
「ちゃあんと取ってこいは出来たか?」
「──」
「返事くらいせぇ──はいはい、頷いただけイイコイイコ」
お兄さんに飼われているように見える少女が用心棒側だったりする治安の悪い中華系の裏路地にあるアングラなお店が癖でして…!(早口)
提供は用心棒少女(予定)でございます。無口で淡々としている黙っているとお人形のような華奢な女の子が、少し大きめの武器をぶんぶん振り回して真っ赤に染まったりなんかして飼い主の所に戻って「褒めて!(無言の圧)」をしたりします。年齢は15~18程度を想定していますが、要相談で…
募集はこんな少女を拾って用心棒に育ててくれた飼い主のお兄様でございます。ちょーっと色々と引っかかりそうなお店の店主をやってらしたりすると非常に癖にぶっ刺さります。
命令ならば命をかけてやっちゃう用心棒ちゃんと、そんな用心棒ちゃんは使い捨ての道具だからなぁとすり減らす気満々ながらつい可愛いがってしまう不器用な飼い主様とハートフルとは程遠い物語はいかがでしょう…
当方ロルの長さは短~で長くなってしまいがちです
※
二人の出会い(関係性)については、ご提案いただいたとおりに「拾われたから」というのみのものが素敵かと思い
下記、先んじて小娘のプロフィールを置かせていただきます…
お互いの過去や、今後の関係性など含めご相談させていただけますと幸いです
用心棒娘
名前/宵(ヨイ)
年齢/おそらくは15、16くらい(見た目のみの判断)
容姿/光の入り方で赤と青が混ざったような色に見える瞳(高く売れそう)。猫のような目つきと相まって生意気で挑発的な印象を与えがち。
深い紫色に見える髪を低い位置で一つにまとめている。腰の辺りまでと長めの髪と、目を隠すように長めに切り揃えている前髪、全体的に中性的寄りな雰囲気を持つ。
男物の中華服のようなトップスを首元までしめて、体型や身体の動きなどを隠している。下はゆるっとしたボトムスとブーツ。色は全体的に汚れを目立たせないために黒っぽい。
身長は150cm程度とやや小柄、発育が良い方ではない
性格/飼い主様には恩があるので命令には従う(つもりでいる)、が、根本的には野良猫気質。飼い主は居なくなられたら困るけれど、痛い目見たら心の中で嘲け笑いたいタイプ…後が怖いのでしないだけ。
痛いことも辛いことも好きでは無いが、泣き喚くと状況が悪化することを学んだため我慢することが増えた。甘いものが好き。
武器/その場にあるものなら何でも使う。殴打できるタイプの武器は体重をかけて振れるので好き。弱い毒にも耐性があるが、これは身体を慣らした結果なので辛くないわけではない。
早急なご対応と大変素敵なお部屋の作成、誠にありがとうございます…!不出来な身ではありますが、少しでも主様に楽しんでいただけるよう努めさせていただきたく思います。
また、娘様のプロフィールと募集文の再掲もありがとうございます。一応こちらも飼い主の概要を再掲させていただきます。
・飼い主
冷然とした風貌の無愛想な情報屋。香炉屋を隠れ蓑に薬物や武器の違法売買も行う。元は孤児だったが、店の先代に拾われ都合の良い手駒として育てられた。入念な計画の末に先代の暗殺に成功すると、その地位やネットワーク、店を完全に掌握し今に至る。終始淡々と仕事を行う徹底した合理主義者にして守銭奴であり、自身と似た経歴の用心棒少女に対しても多少思う所こそあれど、基本は役に立つ一手駒程度の認識しかない。
出会いに関してですが、飼い主も腕は立つものの、先代を強襲した際の反撃で片目が弱視となり、用心棒が必要になった。元々密偵や小間使いとして時折孤児を拾う事があり、色々と自身の技術を娘様に仕込んだ所、その才覚に気付きそのまま用心棒に……といった流れが今の所ふわっと浮かんでおりますが、如何でしょうか…?
関係性については、自分が過去同じ立場であっただけに躾や扱いは手慣れているとは思うのですが、完全に一線を引いて手駒として接してはいるので、そこまで娘様に懐かれてはいないかなぁという所感です。ハートフルとは程遠い、との事で多少進展はあれどあくまでも割り切った主従関係でありながら、奇妙な信頼関係を築いていくというのも良いですし、今後何かの切っ掛けで娘様から致命的な裏切りを受けてしまい因果は回る展開も美味しく……。ぜひ主様のご意向や、こちらが挙げたもの以外のご意見などありましたらお伺い出来れば幸いです。
また、こちらも飼い主の詳細なプロフィールを提出させていただきたく思うのですが、何か入れて欲しい要素や、逆に男性の長髪などの苦手な要素はございますか?
こちらこそご移動いただき誠にありがとうございます!
また概要などの再掲もいただきありがとうございました、不束な主にてご迷惑をおかけすることもあるかと存じますがどうぞよろしくお願いいたします
出会いに関してのご提案、とても最高な流れに立ち上がって拍手をしております。ありがとうございます…!
娘の詳細な生い立ちについては、色々なところで売られ買われ捨てられ拾われの身であるイメージでおりますので、ご提案いただいた関係性や出会いはとても理想でございます。
関係性につきましても、娘が全力で尻尾を振ることは無いかと思いますので…主従関係があるから背かないけれど、その関係よりも優先すべき何かがあった時には問答無用で牙を剥くようなイメージで進められたらと考えております。
信頼関係自体は「飼い主である限りは大人しくしている」というものを根底に存在しているだけなので、周りから見ると「立派な主人と番犬」に見えていても当人たちはどちらかと言うと「調教師と猛犬」のような感覚でいたら美味しいなぁと思ったりしております…
裏切り最高です…!例えばですが、小娘の仲間(もっと幼く、街の裏路地で身を寄せあっていた頃)が、大人たちがばら蒔いたとある悪い薬で壊れてしまったり、連れていかれて売り飛ばされる姿を見ていたため、たまたま飼い主から売ってくるように、あるいは持ってくるように言われた薬がソレだと知った時に捨ててしまったり、あるいは取引先で色々やらかしてしまったり…という展開などいかがでしょうか(物語が始まって、ある程度落ち着いてからのことですのでまたご相談させてくださいませ!)
上記のような内容も含めて、小娘の身体にはある程度打撲や火傷痕があっても好ましいなと感じておるのですが、この辺り萌萎などございましたらご教示くださいませ
わたくしの方は特に萎はございません!
事前にご連絡を頂いていたイメージに不備不足ございませんでしたので、本体様のお好みの飼い主をご提供いただけましたら幸いです!
出会いに関しまして、解釈の不一致などないようで安心いたしました…!それではこのまま提案させていただいた設定で進めさせてくださいませ。
調教師と猛犬…!イメージさせていただいていた通りの殺伐とした関係性に大変滾りました。是非ともそのような関係性で行きましょう!
裏切り案も大変美味しいです…何なら小間使いをしていた頃の飼い主が先代の命でかなり直接的に薬をばら蒔いていたり、娘様のお仲間に手を出していても面白いですし、飼い主が因縁の相手と知った瞬間に普段は淡白な娘様の憎悪が煽られたりだとか……。仔細についてはまたその時が参りましたらご相談させてくださいませ。娘様の傷跡についても、特に萌萎等ございませんのでお好きにご設定いただければと…!既に娘様が色々なところで売られ買われ捨てられ拾われの身であり、自身の立ち位置に十分な自覚があるようでしたら今の飼い主側から積極的に傷を付けるような事は無い気もしますが、一方で上下関係を知らしめる為に故意に一つ程度傷を付けていても不自然ではないような思いもあるので、その辺りの傷の有無も含めどうぞ主様のご都合の良いようにご設定くださいませ。
それでは最後に主様のお言葉に甘え、飼い主のプロフィールを以下に好き勝手練ってしまっておりますが、もし何か不都合等ございましたらお気軽にお申し出ください…!
飼い主
名前/朱墨(アケスミ)
年齢/20後半~30前半(孤児であるため不明確)
容姿/身長180cm、細身に見えるが筋肉質な身体。冷ややかな切れ長の瞳は暗く淀む灰色。服の下にはあちらこちらに孤児、あるいは用心棒時代の傷跡が多数、特に右目には深い切創の古傷が残り、目立たぬよう斜めに流した前髪と丸いサングラスで隠している。癖のない黒髪は胸元程の長さがあり、細長い筒状の髪留めで緩く一つに垂らす。
服装はゆったりとしたシルエットの黒い羽織風ジャケット。光沢のあるサテン生地が使われたインナーシャツも同色であり、襟元から下に並ぶ中華風の飾りボタンや腰付近で揺れる飾り紐の暗めの赤がアクセントとして機能する。下は黒くタイトなパンツにシンプルな布鞋を着用。現在は少々胡散臭くも上等な衣服と相応の立ち居振る舞いが板に着いてはいるが、生育環境の劣悪さは早々隠し通せるものではなく、些細な所作から時折その悪辣さが伺える。
性格/この世は弱肉強食、金こそが全てを地で行く男。愛や情など目に見えない物を一切信用せず、金品に対してのみ強い執着を見せる。感情を表出させる事の無い冷徹な仕事振りで、損得感情に対する嗅覚は極めて敏感。中華マフィアの幹部などの強者には表面上媚びへつらいつつも虎視眈々と弱味を探り、強者同士の潰し合いを画策して漁夫の利を狙うといった暗躍は十八番である上、弱者はとことん足元を見て死ぬまでしゃぶり尽くすので恨みの種は多い。金稼ぎこそ唯一の趣味にして最大の行動原理であるが、一方で小動物を密かに好ましく思っている節があり、表立って可愛がる素振りは見せないものの、ごく稀に野良猫などに餌付けを行う程度の気紛れは起こす。
備考/スラム生まれの孤児として、日々泥水を啜るような荒んだ生活を送っていた所を先代に拾われる。先代は裏路地にある香炉屋を隠れ蓑に情報屋紛いの仕事や薬物、武器の違法売買等を行っており、自身も密偵から用心棒、主要な仕事の補佐まで諸々仕込まれ重用されていたが、長期間の計画と下準備の末に先代を暗殺。正当な後継として、その地位を完全に我が物とし今に至る。元々腕には相当の自信があったが、先代を強襲した際に右目へ傷を負い、弱視となった事で用心棒が必要に。
多々ご確認いただきありがとうございました!
全体的なイメージと、二人の関係性につきましても大きな齟齬など無いようで安心いたしました…過去の憎むべき相手が飼い主だったときの用心棒の心境を思うとワクワクしますね(?)。また是非、折を見て擦り合わせをさせていただけましたらと思います。
傷につきましてもありがとうございます!折角なので過去の傷と、今の飼い主の躾の痕としての傷とを残させていただこうかと思います…更新を兼ねて下記に修正版のプロフィールを記しますが、更新箇所は最後の備考のみとなっております。
用心棒娘
名前/宵(ヨイ)
年齢/おそらくは15、16くらい(見た目のみの判断)
容姿/光の入り方で赤と青が混ざったような色に見える瞳(高く売れそう)。猫のような目つきと相まって生意気で挑発的な印象を与えがち。
深い紫色に見える髪を低い位置で一つにまとめている。腰の辺りまでと長めの髪と、目を隠すように長めに切り揃えている前髪、全体的に中性的寄りな雰囲気を持つ。
男物の中華服のようなトップスを首元までしめて、体型や身体の動きなどを隠している。下はゆるっとしたボトムスとブーツ。色は全体的に汚れを目立たせないために黒っぽい。
身長は150cm程度とやや小柄、発育が良い方ではない
性格/飼い主様には恩があるので命令には従う(つもりでいる)、が、根本的には野良猫気質。飼い主は居なくなられたら困るけれど、痛い目見たら心の中で嘲け笑いたいタイプ…後が怖いのでしないだけ。
痛いことも辛いことも好きでは無いが、泣き喚くと状況が悪化することを学んだため我慢することが増えた。甘いものが好き。
武器/その場にあるものなら何でも使う。殴打できるタイプの武器は体重をかけて振れるので好き。弱い毒にも耐性があるが、これは身体を慣らした結果なので辛くないわけではない。
備考/小さな切り傷の痕や鞭の痕などを数えればキリがないが、足首と手首、背中に比較的目立つ傷痕がある。足首と手首は過去の売買やらで枷をつけられ擦り続けたせい、背中の痕は過去に今の飼い主に与えられたもの。用心棒という手前、基本的に傷は増える一方ではあるけれど、見える位置に傷がないのは良い腕の証拠
※
そしてプロフィールのご送付ありがとうございました!怪しく魅力的でとても…とても最高です。高身長の飼い主様の隣で、ちんまりと子猫のように立っている用心棒の姿があまりにも…客人が難癖つけたなら、問答無用で喋る口が無くなりそうな不気味な二人組がとても好きです…ありがとうございます!
わたくしの方からは特に追加のご提案などはございませんが、本体様はいかがでしょうか?
ご不都合など無いようでしたら、差し支えないようでしたら用心棒の方から物語を始めさせていただければと考えております。
基本的な世界観、環境としましては、全体的に中華風かつアングラなイメージ。ハイテクな現代というよりは、少しばかり古風な雰囲気で進められたらと考えています。
スタートの時間帯や、シーンなのですが…
朝でしたら何気ない日常…朝起きてきて、あやしくないはずのお茶を飲んで…というような場面、昼でしたら二人で街に買い物に出ている最中に事件に巻き込まれるのも素敵ですし、夜でしたらお使いから用心棒が戻ってきて戦果報告という場面も良さそうかと思っております。
お好みのもの、またはご希望の展開などございますでしょうか!?
一層魅力を増した娘様のプロフィールをありがとうございます…!なんとも可哀想で可愛らしい……あまり情のない関係性ではございますが、何だかんだと理由をつけ可愛がらせていただきたいです。また、飼い主のプロフィールに関しても不都合等ないようで良かったです!こちらからは他に確認事項や提案はございませんので、物語の方に入って行けたらと。
世界観についても承知いたしました。ご提案いただいた何れも心惹かれるものがございますが、折角なので仄暗い内容から物語を始めさせていただきたい為、夜の戦果報告をお聞きしたいです。
お使い内容としては大口の取引相手である中華系マフィアに敵対し、飼い主の取引をも幾度か妨害を行っている新興組織の組員の抹殺。娘様以外に拾って躾ていた孤児が金品を持って逃亡した為、その追跡と抹殺。あるいは単に顧客への薬物や武器売買のお使い、情報の受け渡し、対価の受け取り。密偵なら非合法組織の取引場所や倉庫に忍び込み、取引内容や相手の調査……などなどが浮かびましたが、もし既に主様が考えられている内容がありましたら遠慮なくそちらをお使いいただけますと幸いです!
ご確認いただきありがとうございました!
こちらこそ、情や信頼というよりはあくまでもなけなしの忠誠のようなものしか持ちえない娘ではございますが構っていただけましたら幸いです…!
そして展開のご提案も誠にありがとうございます。個人的にご提案いただいた「逃走した孤児の追跡」が初手から不穏で素敵だ…と感じまして、絡み文に組み込ませていただきます!
導入部分を多く含むため、多少ロル回しが長くなってしまいましたが、お返事は長さを問いませんのでご負担のないようにお相手いただけますと幸いでございます…引き続きよろしくお願いいたします!
(投稿者名は次回から小娘の名前で失礼いたします!)
※
(砂っぽい地面を赤く染める街灯替わりの提灯を頼りにして薄暗い路地裏を目指す。時折怒声や悲鳴や嬌声や呂律の回っていない笑い声が響く仮にもメインストリートを抜けて、一本右へ曲がればそこは比較的静かなものだった。早足とはいえ足音は響かせずに向かうは路地裏の最下層、一つの扉の前で足を止めて自分の身体を軽く確認する。大きな怪我は負っていないし、武器もその場にあったものを使ってきた、盗まれた金品も狂いなく持ち帰ってきた。強いて不要なものを挙げれば、手首に縋るように絡みついてきた手の痕くらいなもので、乾いた血の手形の下には軽く鬱血痕が残っているのだろう。武器で留めを刺すと返り血が気になるからと、最期は指先で細い首を握った結果…これくらいの抵抗は仕方ない。扉に手をかけた一瞬、最後に目にした絶望しきったような元仲間の顔が脳裏に浮かんで…静かな場所で泣き叫んでも誰も助けに来ないのに、と思ったところで、これだけ人の気配のある路地裏でも叫んでも誰も助けてくれないか、と嘲笑うように深呼吸を一つ。今度こそ扉を開けて中へ踏み込み、嗅ぎなれた香草の匂いを身に纏うように奥へ奥へと歩を進めながら、飼い主の姿を探し)
──ただいま戻りました。遅くなってしまって、ごめんなさい
アングラな世界観を完璧に表現した、なおかつ娘様の心中も痛々しい程伝わる大変巧みな初回ロルをありがとうございます…!背後はこの辺りで引っ込ませていただきますが、何かご相談事などございましたらいつでもお呼びください。それでは、これから何卒よろしくお願いいたします!
※
──おかえり。…ちゃんと取って来いは出来たか?
(朱に塗装された扉が開かれると共に、後ろ暗い店の来客としてはあまりに不釣合いな年若い少女を仄かな香煙が招き入れる。壁に沿って並べられた木製の棚には種々の香炉が展示されており、その奥懐にひっそりと佇むのは些か年季の入ったカウンター。その更に奥、龍や雲の模様が複雑に絡み合った重厚な木椅子に腰掛けて、細長い煙管を燻らせる身が正式な出迎えの句を紡ぎ。まるで金属製の筒に落下する煙草の灰諸共、主の感情まで失したかのような淡白さはいつもの事。裾の長い黒色の上衣を揺らして席を立つと、相手の眼前にまで悠然と歩を進め。随分と背丈に差のある小さな頭の天辺から爪先までを視線でざっと撫でては、生者の醜い最後の足掻きだろう手首の赤に一拍ほど留めて。冷然と双眸を細めての一言は叱責と言うより、少女の反応を見る為の煽りといった側面が強く。その返答如何に関わらず、一先ずは合格、と言わんばかりに小粒の宝石が幾らか収まる筈の小袋を貰い受けるべく片手を差し出すだろうか)
思ったよりもかかったな。…同類に憐憫でも誘われたか。
お戯れを──“相談”してくれたらもっと上手に盗む方法を教えてあげられたのにって、少し残念に思った。でも、それだけ。
(飼い主は、なぜだか悪夢を見る前のような足元に溜まる怖さを持っていて…その上その怖さが質量を持っている気すらする。その癖、凡その人間が持っているはずの体温だけ煙のように掴みどころがない。細工が見事な椅子に座っていなかったとしても、多くの人が一歩を踏み込むことを躊躇するだろう。そういう人だ。ゆうらりと立ち上がった影を見上げて少しだけ顎を引く。頭の上から足の先まで、この視線は心配ではなく壊れていないかの検査に近い…と、降ってきた声に思わず顔を上げて灰色の瞳を睨みつけ。仮に取ってこいが出来なかったなら此処へ帰ってくることは叶わない、帰って来なかったとして飼い主が自ら迎えに来る姿も想像出来ず、結局のところ己も、この両手が奪った小鼠の命も手元の小袋に価値で最初から負けている。意地の悪いその口を今すぐ煙管で蓋してやりたい想いを飲み込んで、袋を差し出された手の上に…乗せる手前、小袋を持ったまま数歩分飛び退くように距離を取る。意地悪を言われたのだから、手を噛まれても文句は言えないはずだと両手で小袋を握り締め)
もし──もし、まだ小鼠は生きていて、このままわたしが奴を憐れんで一緒に逃げたら…どうするのですか、朱墨様
それを元手に、二人仲良くささやかな自由を手にすると?…そうまで欲心が働くならやろう、今回の報酬だ。
(少女が如何に薄暗く澱んだ道程を歩んできたか、その一端を直に地を踏んで知っている身として未だにここまでの反骨を瞳に宿すとは恐れ入る。当然ながら他への抑止として、裏切り者はその尽くを抹殺する主義。そんな事は当の下手人たる相手も分かり切っているだろう解をご丁寧に述べるつもりはなく。生半可な躾を施してもいない以上は生来の気質に寄るものが大きいとしても、慣れぬ野良猫のような風情や問答を特段愉快とする嗜好もなければ、面倒な仮定の戯れに付き合う気などないと雑に言葉を放って。もはや妄執と評するべき自身の金への執着を知る者なら吃驚する物言いだろうが、元々妙な素振りのあった手駒の前に、商品にもならない酷く低品質な宝石──正に試金石を転がせて様子を見ただけ。つまりは最初から己の掌中の外にも出られてさえいないのだと、敢えて無防備な背を向けて元の席へと戻る際、付言と共にひらりと背後へ手を振って。例え飼い猫風情のごく可愛らしい物だとして、そこに如何なる爪も牙も早々届かせるつもりなどなく)
……宝石は宝石でも、二束三文の値もつかない。ただのクズ石だがな。
(折られた爪はシーツすら破けない、飼い主の皮膚に傷をつけることもない、広い檻の中で目の前の鍵が揺れるもどかしさにも目をつぶって、引かれる鎖の先に喉を鳴らす…飼い主の片目になった日から、光の下の自由は身を焦がすような恐怖を持って存在している。小袋が飼い主が放り出してしまえる程度の価値で、その程度の自由でも夢のある話だと笑えたとて現実は──その為だけに奪った命と最後の瞬間の手首に回った痛みと見開かれた目と指先に伝わる他人の脈は…悪夢みたいだ。向けられた背中に縋るように歩み寄る。この地獄に落としたのが飼い主だとしても今縋れる蜘蛛の糸もまた目の前の飼い主でしかない、依存でも何でもない単なる事実。こんな時でも許可なく飼い主に手を伸ばすことはせずに、背中に向かって言葉を残し)
…て、手を、武器じゃなくて、手を使ったのは久しぶりで、気が収まらなくて──怒らないで、ちゃんと始末してきたから、取ってこい、出来たから
──跪け。
(元より、多少見目の良い石ころを鼻先へ転がしてやった程度で容易く尻尾を出すような小鼠に籠絡される程、命知らずな愚昧とは本気で思っていない。…ただ、見えぬ首輪の点検に少し鎖を引いたまでのこと。此方が少し背を見せれば途端に弱気が襲ったらしい声を受け、振り返り様に靴裏で地を叩き威圧的な音を浴びせる。もしも相手が命に従ったのなら、一層身長差の開いた距離を僅かに腰を屈めて埋め、緩慢に手を伸ばす事でその頭に触れるだろう。常の静謐な面貌に繕いはないが、声音だけは一転して柔く室内に響かせ、弱った心根に深く染み入るように。例え元凶は自身であっても、他に頼る縁のない者にはこの手の単純な懐柔が存外効くものだ。哀れな少女の頭部を愛でるまではせず、あくまでも軽い接触に留まる手を引くと背筋を伸ばし。さして大きな期待までは孕んでいない、澱のように淀んだ瞳を静かに対面へ落として)
イイコだ。……今日は良くやった。さぞ疲れただろう。洗い場で汚れを落としたら、部屋に戻ってゆっくり休め。
──おやすみなさいませ
(眼前で翻る黒、冷たい靴音、声、大きな影、鼻の奥で思考を奪うような飼い主様の香──脳が意志を放棄するように、そう仕組まれた呪いのようにただ一言で膝から力を抜きその場に折って頭を垂れる。耳の奥で血液が巡る音だけが大きく響いている、水の中にいるように己の吐く息の音さえ遠く思えた。視界の端には己とは違う靴先、有り得ないとは思っても靴先がいつ身体を蹴り上げるか分からないと無意識に筋肉が強張っていき…そうして、そっと頭に触れた手に安堵からか力が抜けて両手すらも床についた。期待はされていないけれど、まだ地獄からは救ってもらえるただそれだけの事実に幸福を感じる己はきっと壊れかけているに違いない。離れた手に導かれるようにふらりと立ち上がり、木製のテーブルに小袋を乗せた…軽い軽いそれは随分と小さかった。頭を再度下げてから棚の奥、隠すように置かれた扉へと足を向け、その途中で一度だけ肩越しに振り向いたなら、今度こそ扉の奥へと姿を消し)
素敵な夜を、朱墨様。せめて夢だけは、幸福なものを、見られますように
……、おやすみ。
(字面としては他愛ない筈の去り際の挨拶に、口許に微かな強ばりを覚えて一拍返答が遅れてしまう。闇夜に消え入るような儚い姿が奥へと消えれば、僅かに眉根を寄せて自らの椅子に腰を下ろし、懐の煙管を再び口に含んで。…自身の経歴すら知らぬ割に、最後に中々どうして角度の鋭い嫌味を刺してくるものだ。己に幸福な夢など、それこそ泡沫。自らの力でここまで上り詰め、欲しい物は全て手に入れた。生まれながらにして失った名誉や尊厳は勿論、それこそ人生をも当にこの手にあるというのに。──どうして、今宵も口渇が収まらない。例えこの小袋が莫大な黄金に溢れたとして、己の際限のない欲は尽きないだろう。あの日あの時この場所で。仕事をしくじり蒼白めいた己を跪かせ、幼い頭頂にさも優しげに添えられた先代の大きな手の感触が、これまでに舐めた辛酸の数々が、まるで汚泥のように脳裏へこびり付いている。皮肉気に片方の口角を持ち上げると、喉奥を鳴らすような笑声を最後に一銭にもならぬ感傷を打ち消して。もう少し夜が更けるまでは、暫しこの場で紫煙を燻らせるだろうか)
少なくとも。…飼い殺しの檻の中で見る夢は、存外悪くないだろうよ。
(/我ながら無駄に独白の激しい〆になってしまって大変恐縮ですが、そろそろ場面転換の頃合いかとお声掛けを失礼します。非常にレベルの高い描写力や、仄暗い殺しの描写、娘様の陰惨な心中を浴びる事が叶い感無量でした……。本当に何度丁重に読み返したことか…。
次回は如何いたしましょうか?こちらとしては既にご提案いただいた朝の日常、昼のお買い物のどちらも等しく魅力を感じるが故に少々決めかねてしまっておりまして……良ければ主様のご意向をお伺い出来ればと思います。加えて、一応こちらも稚拙ながら現時点で思い付いた場面案を置いておきますので、もしも何かお気に召すものがありましたら、次回以降の案として頭の片隅にでもお入れいただけますと幸いです。
①猫会。こっそり飼い主が餌付けを行っていた猫が店周りをうろついている姿を娘様が発見、あるいは直接餌付けを行っている場面をうっかり視認される。猫はこのまま飼ってしまっても良いですし、娘様が猫と戯れても非常に可愛らしいですし、逆に飼い主への意趣返し、鬱憤晴らしに密かに殺したり怪我をさせても美味しいです…!
②同衾会。どうにかこうにか理由を付けて娘様と性的な意味の無い同衾を行いたいという個人的欲望です…。飼い主がスラムで暮らしていた頃は野良猫を抱いて眠ったりしていそうなので、肌寒い夜に娘様を猫に見立てて、あるいは悪夢や仕事などで最高に機嫌が悪い時に癒しを求めて、などなど強引ですが。
③客人抹殺会。以前主様が仰られていた、客人が難癖つけたら問答無用で喋る口が無くなりそうな不気味な二人組、の図があまりにも見てみたかったもので…。何やかんやで訪れた客人を軽やかに抹殺する娘様を是非拝見したいです……)
(/本体から失礼いたします!
こちらこそ、短い期間ながら濃密過ぎる時間を過ごさせていただいております。本当にありがとうございます!冷たく不穏でありながら、依存でも信頼でもないこの中途半端で不安定な関係性がとても…美味しく…本当にありがとうございます。素敵で知的なロルに震えながら毎度お返事を練らせていただいております。
次の展開のご提案、誠にありがとうございます…!どの展開も素晴らしく呻きながら下記記させていただきます…本当にどの展開も美味しく、3→2→1の順に行わさせていただくのはいかがでしょうか!?
3:疲れからか寝て起きたら夕方頃、今日は客人は来ないはずだと思いながら寝ぼけ眼で扉を開けばどうやら新しい香を流通させたいらしい客人がいて──
2:店内は多少散らかったものの、商品に傷がつくこともなく出来上がったのは肉の塊。片付けをして、昨日と同じように「おやすみなさい」と部屋に戻って眠るだけ…のはずだった
1:目が覚めて、珍しいこともあったものだといつもの暗色の服に着替えた朝。ふと飼い主様の姿が隣にないことに気が付き、気配を辿って向かった先にいたのは…猫?
と、娘目線で書かせていただきましたが、どうでしょうか…1の展開を見つつ、猫より己の方がお役に立てるでしょう?と嫉妬ルート、あるいは娘が猫を抱き枕にし始めた結果飼い主様・娘・猫の川の字が完成する夜なども可愛らしいかしら…と考えております。
いかがでしょうか…差し支えないようでしたら、こちらから絡み文を続ける形で落とさせていただきますのでご検討いただけますと幸いです)
(/何とも光栄なお言葉をありがとうございます…!主様もこの関係性を楽しんでいただけているようでほっといたしました。どうにも早めにお返ししようと思うと描写が分かりづらくなりがちな自覚はあるのですが、もしこちらのロルへ何かご質問や疑問等がありましたら本当にいつでも気軽にお言い付けください…!
また、展開に関しましても、まさかの全採用をありがとうございます!雑な素案を綺麗に膨らませてまでいただいて…無論、順序や内容についても異論はございません。猫への嫉妬ルートや川の字が可愛すぎて大層悶えております……恐らく同衾は一回では済まないでしょうし、是非やりましょう!主様のご提案いただいた朝のお茶のお話や買い物にもとても心を惹かれておりますので、もし可能であればその後の3→2→1後のお話にて消化をさせていただければ幸いです。それでは、毎度お言葉に甘えてしまい恐縮ですが、引き続き次のレスをお願いしても宜しいでしょうか?)
(/滅相もないことでございます、本当に名だたる文学に匹敵する表現ばかりで…お返事のスピードに関しましてはどうかご無理のないようにご対応いただけましたら幸いです、急かす意図は全くございません!
展開につきましては本当に素晴らしいご提案あってのことでございます、ありがとうございます。ぜひ、少し距離が縮んだように見える中でお茶をしたり買い物に出たり毒を飲んだり武器を握ったりさせていただけましたら…とても幸せでございます。それでは、僭越ながら続きを落とさせていただきます!本体は一度こちらで失礼いたしますが、また折を見てお声掛けをさせていただくかと存じますので引き続きよろしくお願いいたします)
(喉が引き攣るような感覚に重たい瞼を持ち上げた。小さな窓の向こうに見える空は僅かに朱を孕み、街の様子からして朝日の代わりに夕日に迎えられたようだと軽く乱れた浴衣らしい寝間着の前を合わせて立ち上がる…飼い主様の気配は近くにない。自室の戸を開けば薄暗い廊下は昨夜のまま、一方の先には飼い主様が居るであろう表向きの店が、もう一方には表沙汰には出来ない部屋がある。一先ずは、飼い主様に会う前に顔を洗おうと廊下の隅に備え付けられている流しの桶に両手をつけて、適当に顔に浸した。ぽたぽたと垂れる水滴を寝間着の袖で拭いながら、店の方へと歩いていく──あと数歩のところで足音を消したのは、気配が飼い主様のものだけではなかったからだ。少しだけ開けた扉の隙間から身体を滑らせ、棚の影に身を寄せながら飼い主様とお客人の両人の動きが見える位置へと移動する。お客人は武器を持っているのか、常連か新顔か…パッと見は発育の悪い奴隷にしか見えないであろう己の今の姿が飼い主様の仕事に差し障っては困ってしまう、けれど命令に反応出来ない片目は役立たずだ。獲物を狙う蛇のように、じっと、長い前髪の向こうで宝石のような目を光らせ)
(/本当に多々のご配慮と、確り用心棒をされている可愛らしい娘様の描写をありがとうございます…!つらつらと適当に客人の設定を書き連ねておりますが、NPCの動きや設定の追加、改変などはご都合の良いように行っていただけますと幸いです。それでは、こちらこそ次の場面でもどうかよろしくお願いいたします)
これがその品だと?……とてもそう売れる“香り”とは思えないが。
(そう気怠げに首を緩く振って香炉に蓋をし、カウンター越しに返却した先は馴染みのない魁偉な男が二人。面や首筋に這う仰々しい蛇の刺青を見るに、最近この地域に台頭した新興ギャングの組員だろう彼らが、つい先程猛々しくも腰へ柳葉刀を携え来店したかと思えば。“良い香木を見付けた、これからさぞ流行るだろう”などと、薄ら細まる二対の瞳へ隠し切れぬ剣呑な光がまあギラギラと。手渡された香炉に煙は上っておらず、上蓋を開くと中には小さな氷片のような青白い結晶体──西方に由来する薬物が鎮座していたという次第であり。元よりこの近辺は巨大マフィア白幇の縄張りにある以上、それらを大口の取引先とする身として易々と他の組織の薬物など流せない。破格の見返りでもあるなら耳を貸さないでもないが、如何にも恫喝を下地とする気満々といった雰囲気に内心嘆息を零しつつ、先刻より棚影に隠れる寝坊助娘を泰然と呼んで。…この程度の輩、わざわざ背後を陣取る意味もあるまい。美しくも奇抜な双玉を眼窩に収める愛玩染みたそれを招いたなら、カウンター裏へ密やかに立て掛けた相手好みの鈍器が一本見えるだろうが、未だ開始の音までは出さずに)
…あぁ、うちの猫が見えたようだ。──宵、ここへ。お客人にご挨拶を。
(随分と体躯の良い男達だこと、武器は刃物の様だし様相からして上等な売人というよりは下っ端で使い捨ての駒にもならない肥えた家畜に違いない。一方の飼い主様ときたら、悠然とも言うべきか香炉を冷ややかな目で手持ち無沙汰に眺めているし、これは荒事にならない限り己の出番は無いだろう…などと考えていたのだが。並の人間ならば喜んで逃げ出す空気の中で、当然のように己の名を呼ぶ声。寝間着を整えただけの姿で飼い主様以外の前に出るのは気が引ける…が、聡明な飼い主様のことだ、当然こちらがどういう考えの元で入り込んだかを分かってのことだろう。つまりは“この二人は何かあれば処分して良い。ただし、今は傍で大人しく「待て」だ”という命令だ。棚の影から歩み出て、飼い主様の隠れた目の隣りへと立てば視界の端に己好みの…ただの重たい金属の棒に少々人を傷つけやすい加工がされただけの鈍器を捉える。そのまま、すんっと一呼吸…香炉から知らない匂いがするが、直接摂取する必要のあるものなのだろう。煙だったなら、もっと早くに飼い主様が片付けていただろうし。顔を上げ、前髪の隙間から驚きとも侮蔑とも、あるいは品定めとも取れる顔でこちらを見下ろす客人を見据え…甘えるような多少なり艶やかな表情を浮かべて頭を下げた。貧相な童を囲っている悪趣味な店主だと思われてしまえばいい、と飼い主様への嫌がらせが八割、残りの二割は相手方の油断を誘うための罠のつもりで)
──愛猫の、宵と申します。どうぞ、お好きに可愛がっていただけましたら、嬉しいです
……言いたい事はそれだけか。低廉が過ぎる対価と、実現性に著しく乏しい恫喝は取引に当たらない。…もう少し、まともな交渉の卓に着いてもらおう。
(…本当に、この小娘は良い性格をしている。態とらしくしなを作るようにして振り撒かれる愛嬌の意図は明らかであり、零下にある眼差しを傍らへ落とした後、再び渋々と対面に持ち上げて。嵐の前の静けさを湛える黒衣の店主に、突如するりと入り込んだ奇矯な猫をも合わされば一層場の空気は異質さを増し、眼前の厳つい面々も少々攻めあぐねている様子ではある。しかし、冷静に視覚情報のみを拾えばたかだが片目の効かぬ男と貧弱な少女が一人。直に明白な侮りへと色を塗り替えてはいよいよ撒き散らされる威圧の数々に混じり、箸にも棒にもかかるまい対価と具体性を帯びた加害の予告が提示されて。…もはや話にならない、と対話の打ち切りに伴って懐から煙管を取り出し、悠々迫らぬ態度で吸い口を含む間際。傍らへ短に零したのは相対者二人の殺傷の程度を各々指示する物であり、一服の間に終えよという過度な要求までも言外に含めて)
十と七。
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