人間 2024-09-29 13:36:37 ID:88fede34f |
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か、かわいい~っ……異性だと尚更、人間さんから触られることに不慣れで戸惑い甲斐があります。
是非NLで、私も人外のロルが初めてになるのでお互いゆっくり進めていきましょう。
そろそろキャラを練っても良い頃と思っているのですが、ご希望の逆に避けてほしい要素はございますでしょうか…?
困らせ甲斐あり過ぎで逆に困ってしまうくらいかわいいですね…!そしてお互い不慣れ同士と分かり安心しました。練習とでも思ってゆっくりお相手頂けましたら幸いです、よろしくお願いいたします…!
そうですね、萌は前述した通り大きい子で、萎えは最強設定、過度に女々しい…でなければ大丈夫かと思われます。此方も作成していこうと思いますが、萌萎はありますでしょうか?現時点ふわっと想像しているのは、30代前半のダウナー寄りな長身の魔術研究者、みたいな子を作成しようと思っております。どこか気になる点ありましたら遠慮なくご指摘の程よろしくお願いいたします…!
萌萎、了解しました。私も板主さんの挙げてくださった様な極端な設定やあとは受け身がちな子に苦手意識があるのですが、板主さんの提供される人間さんなら大丈夫かと思っております!
萌は提示いただいた人間さんがちょうどで、高身長の女性キャラが大好きです。大人らしい落ち着きが研究職にぴったりだと思いますし、特に気になる点もございません。
ではこちらの人外のプロフィールの方を作成して参ります!でき次第投下しますので、少しの間お待ちください…!
ご返答ありがとうございます。問題なさそうでよかった…といいつつ、実際書き起こしてみたらなんとも利己的な人間が出来上がってしまった為お手隙の際にでもご確認いただけますと幸いです…!
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名前:オバナ
種族:人間
性別:女性
年齢:32歳
性格:
マイペース且つ楽観主義。何かに興味を持ったり作業に熱中しだすと周りへの注意が散漫になる。その為頻繁に道に迷ったり、体の限界に気がいかず食事もせずに夜通し活動して体力が尽きるなど自己管理能力が非常に頼りない。話し方に覇気は無く物言いも無遠慮なところがある為、人との付き合いは得意な方では無いが本人がそこまで気にしていない。
容姿:
淡い黄褐色の髪は肩甲骨あたりまで無造作に伸びており邪魔な際は手首に巻いて常備させてる髪ゴムでひとつに束ねる。
瞳は苅安色で脱力したように重たく伏せ気味の目付き。自分から見て左目元にある縦に二つ連なった黒子が特徴的。
176cmと長身な体。動きにくくならないようサイズがちょうどの暗い臙脂色のタートルネックに下は黒のタイトな7分丈のズボン、ショート丈のブーツを履いている。上からはお世辞にも清潔とは言い難い、薄汚れ着古された白衣を羽織っている。白衣には町の人の善意で縫ってもらった痕があり、所々継ぎ接ぎになっている。
備考:
人外さんの住む森から少し離れた小さな町で魔物に対する防衛系統の魔術や魔道具の開発や研究を行うしがない研究者。決して優秀なわけでも秀才なわけでもありはしないが熱意がある分、時間を費やして生み出される術や道具の数々は数を打てば当たるのと同じで稀に人の役に立ったりもする。人付き合いは記述した通り上手くは無い為、町の人からは悪人でないことは分かるが関わりにくい人物程度の認識で留まっている。ちなみに本人としては「人の役に立つ<<<<魔物への好奇心」の方が強いため善人気質でもない。
ここ百数年の間で突如見かけることとなった魔物とも人とも違う存在、人外に強い興味を抱き、近くに住んでいる人外さんを知るやいなや都合がいいと言わんばかりに足繁く通うようになる。
引きこもっている分、当然ではあるものの体力や腕力は皆無に等しい。魔術は人より多少扱える程度で、壊滅的な運動神経を補う程度にしか能力はない。
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問題や不備、気になる点などなど何かありましたら遠慮なくご指摘ください…!
人外さんのプロフィール、楽しみにしております!
名前:フレイ・デュー
種族:人外種/異形頭
性別?男性型
年齢:71歳 同族内では若い方
容姿:首から下の身長が220cm、異形部分も合わせると240~260cmほど。頭部の箇所には大きな赤い炎が灯っており、首元とは数cm離れて存在している。体は高密度のガスを人型に形成し保っていて一見すると空洞だが、体内へ触れると空気の重みによるぬるい感触が感じられるとか。襟元に金糸の刺繍を入れた白いシャツに黒いベストと同色のスラックス、焦げ茶の革靴とフォーマルで露出の無い格好が多い。手の形が分かるよう革の黒手袋をし、彼から見て右手に2つと左手に1つ、古びて光沢を失った金の指輪を手袋の上から嵌めている。
性格:他人に流されない軸を持った芯のある性格で、街の近くに住み続けたり偏見を気にしなかったり自信のある振る舞いを見せる。それが傲慢に偏ることはなく、人間に崩される分には気にせず窘める程度。人が犬猫に邪魔をされても怒らないような気が立つほどのことではない。誰かといると気丈に振る舞おうと弱みは見せず、一人で過ごしたほうが気が楽。自ら人脈を広げる事もしないためどちらかというと内向的。
人間というより人間の手工芸に興味があり、アンティークや骨董品集めが趣味。好き嫌いは無いが、美しいもの見たさで長生きしてほしいと願い魔物から守ってあげている。
備考:有機物と魔力の反応で生まれるガスと、そのガスで燃える炎が彼の種族の実体。そのため頭部の部品は付け替えが可能で、彼は底の空いたガラス製のランタンか南瓜を顔型にくり抜いた置物を主な異形部にしている。
中で灯る炎は触れても仄かに暖かい程度だが、意思やガスの量次第では業火にも変えられる。水や風に晒されても簡単には消えないため一部の人間には便利がられ、火を分け与える商売が成り立つほど。だが客の民家で火事が起き、人間側の不信感から商売は衰退。他の種族のように街と距離を置いて過ごすようになる。彼はその商売を一番長く続けていた家の生まれで、人間の近くの森に住んでいるのもその名残り。小さな屋敷に住み、危険性を自覚して火を売ることはしなくなったが、代わりに魔力による薬品の生成、森の管理などで生活費を得ている。
「ねぇお嬢さん、それは売れ残りかな?なら僕に買い取らせてくれ。あぁ…埃は被っているけれど良い品だ。」
「……フレイは家を留守にしています、また今度お越しくださーい。」
プロフィール拝見しました!オバナちゃんかわいい…質問や不備等特に無く、お話しできることが楽しみです!
こちらの人外のプロフィールについても、何かあればお伝えくださいませ…!!
素敵な人外さん…!!フレイさんに居留守使われたい~!
こちらのプロフィールの確認もありがとうございます、問題なさそうでよかったです…!フレイさんの方もプロフィール拝見させて頂きましたが不備や問題等ありません。とても詳細に素敵な設定ありがとうございます!
では早速物語の方始められたらと思うのですが、始まり方は出会いからか、それとも既に出会って暫くしてからの日常からのどちらかになるかなと思うのですが、どちらにいたしましょうか?もし他に導入のご希望ありましたら仰ってください!
あと続けてで申し訳ないのですが、先ロルは特に希望なければオバナの方から始めさせて頂こうと思いますがよろしいでしょうか…?
確認ありがとうございます。問題無さそうで安心しました!
既に出会って暫くの方が“困る困らせる”に躊躇いが無さそうで良いかなと気になっております。オバナちゃんの雰囲気も知りたかったので、ぜひ出だしのロルをお願いしたいです…!
承知いたしました、では出会ってから1ヶ月程経ってる、くらいの時期を想定して先ロル投下させていただきます!
また分からないことなどありましたらお互い遠慮なく相談できますと幸いです。改めて、よろしくお願いいたします!
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(町から陽が隠れ始め、焼けた色から夜空の色へと変わる刻。昼間の活気は徐々に静まっていき、道沿いに構えていた商いの灯りが落ちた代わりに民家の窓から温かな光が滲み始める。いつもと変わりない町の風景を眺め、対照的に冷たく見える灯りも何も灯されていない自身の家を一瞥すれば、季節の変わり目を感じる夜風の心地いい冷たさに外套代わりに羽織った白衣を揺らして足先をいつもの場所へと続く道へ、慣れた様子で進ませる。手に握らせている籠は中身がある様子で、重みのあるような揺らした方でふらふらと歩くも中身は差程大事そうに扱うでもなくごろごろとぶつかるような音を微かに立てている。この中身は誰のためのものか、それは町の人なら誰でも知っている。だがその手土産を渡す相手には、この町の者は誰も近寄りはしない。)
___こんばんは。私だ、オバナだよ。この扉を開けてはくれないかい。
(町から少し離れた森の入口、振り返れば小さな規模の町灯りがぼやりと浮かんで眺めはいいだろう。暗く、心做しか町よりも冷えた空気を感じる森の奥へと歩みを進め暫く。木々の中、少し拓けた場所があったなら小さな屋敷が顔を覗かせるだろう。町の方と同じく窓から溢れる光を確認すると玄関の戸を空いている方の手を擡げととん、と適当なリズムで指の背を使って音を奏でる。薄らと浮かべた弧を描く口元がいつもと変わらぬ挨拶を告げたのなら、その扉越しから返ってくるだろうか反応を待つように半歩ほど下がって応答を待ち。)
(ぜひぜひ、相談していきましょう。こちらこそ、よろしくお願い致します…!/返信不要)
…悪いけれど家主は留守なようだ。もうすぐ日も落ちるし早めに街へ帰ることをおすすめするよ、お嬢さん。
(昼のうちに製薬を終え書斎で買い取ったアンティークの指輪を磨いていた頃、次第に自身の頭の炎が強い光を放つようになり、窓から差し込む陽が落ちていったことに気付く。既に磨き終えたものをしまい作業を中断し夕食でも作ろうと部屋を出たところで、玄関の向こうからノックの音が聞こえた。この家の扉を叩く者は最近だと彼女しかいない。扉の向こうに構える面倒事を予測してしまい、拒否するように居間のカーテンを閉めつつ煌々と燃えていた炎は少し背を小さしていた。案の定聞いたことがある声が名乗りを上げていて、自身の予想が当たったことが何だか癪に思える。彼女を覚え始めるなんて、自分にとっては少しも嬉しくない。それに、もう日が落ちるというのに今彼女を迎えると帰りが危ないだろう。人間を真夜中の森に放るわけにはいかない。なんでこの日暮れ頃に訪れるのかという文句が出かけるも、それだと話を続けて少しでも彼女の相手をしてしまう。ぐっと言葉を飲み込み、それよりも早く帰らせたほうが良いと扉へ向けて居留守を使って。)
(戸の奥から返ってくる、最近聞き馴染んだその声は存在を証明していると同時に矛盾な言葉を連ねていて思わず息が零れる。すんなり中へと招いてくれたことは今まで一度だってない。否、あったのは最初の訪問の時だけだったか。今ではすっかり馴染みあるこの返しが板についてきたと、思い返してまた浅く笑みを浮かべ。)
ああ……ふふ、それは残念。
では不思議で親切な声のお方。いつも通り、君が私の話し相手になってはくれないだろうか?
(窓から滲んでいた灯が淡くなったのを視界の端に感じ、拒まれていることを察してはいるもののこうして返答はしてくれるのだから拒絶まではされてないだろうと、都合のいい解釈で話を繋げていけば籠を持つ手を掲げ、再び声をかける)
君の食事姿が見たくてね、少しではあるが手土産もある。今日は夕食を一緒にどうだろう?…それとも、重たい荷物を持たせてこのまま外で待ちぼうけにさせるつもりかい?
(自分にとっての重たい、の基準が一般的にいえばそうでもないことは相手にも知られているやもしれないが、そう彼の良心へ訴えかけるよう、微塵も気にはかけてもいなさそうな活気のない声色が姑息な言葉を投げ。相手からは見えもしないだろうが、首を傾げ問いかけるように戸の方へと気力のない瞳がじ、と視線を注ぎ続けるだろう)
へぇ…魔が悪い。待つんじゃなくて大人しく帰れば良いのに。
(彼女の誘いを耳にすると、扉の向こうで聞こえないくらいの小声で呟く。彼女くらいになればこちらの生活リズムでも把握していそうだが、話を聞くに偶然自分の食事前に訪れることができたのだろう。夕食の準備が手短で済むことは悔しいけれど好都合で断りにくく、彼女がいる扉の前に立つと腕を組んでは片方の手で頭を抱え己のランタンを小突いて悩む。少し話を呑みそうになるが、負けじともう一度、今度は聞こえるような声で改めて帰宅を促すことにした。だがこれで諦める奴ではないこともこれまでの行いで何となく察せられる。このままだと外の明かりが一層無くなっていくばかりで危ない、指を止めては諦めてドアノブへ手を伸ばした。)
仕方ない……なら、その手土産だけ頂いておこうか。重いものが無くなって良いだろ?
(だが、扉を開けるも素直に出迎えるつもりは無かった。ドアノブから扉へ手を移し、中途半端に半開きにしては頭を覗かせる。半分とはいえ暗い森の中で炎の光を拡散するランタンは明るく、見下げた彼女の顔が照らすには十分。予想していた相手がいたことが明らかになり、炎が不満を示すように膨らみぼふりと空気を取り込む音が鳴った。彼女、そして手土産の包まれた篭へ首を俯かせていくとしばらく籠を眺め中身を見定める。小ぶりのものだとは思うが、何を持ってきたのかまでは分からない。歓迎の意を示さず籠へ手を差し出せば揶揄うように首を傾げて。ランタンの持ち手が共に傾き、ガラス面に当たって笑い声のような軽い音を立てた。)
(先日、彼との他愛もない会話で出た食事を摂ることがあるというほんの些細な話。それを聞いて好奇心が疼かないはずもなく、一般的な家庭ならば日が落ち食事の支度を始める時間に訪れれば食事がまだの彼と会えるだろうと踏んで来た訳だが、言葉から察するに自身の予想は当たっていたようだ。どのような食事を摂るのかは詳しく聞いてもきっと答えてはくれないだろうと聞かなかった為に想像で選択した、なんの関連性もないような突拍子もない物達が幾つか入った混沌とした籠の中を整理するように手先で弄っていると、帰そうとする返事が扉越しに聞こえ視線を少し向けたも顔は籠の方へと向けまま。「食事姿を見たいと言ってるだろう?帰ってしまっては見れないじゃないか」と彼の想像通り頑なな意志を示す。籠から顔を上げたのは、すぐ前方にある扉がキィ、と音を立てて開いたと気付いた時。)
こんばんは、フレイ。今日はランタンか。可愛いね。
(彼の縦に長い体躯に合わせるように少し大きく設計されたその扉から覗く顔は人間とは違う、炎の頭。その灯りは町で見たものとは異なり命を感じる。何よりも温かく美しいと感じ見ていて心地がいい。ランタンの中で感情を表すようにして小さく爆ぜるような音が聞こえるもそれがどのような感情を意味するのか察する努力や気は微塵もなく興味深そうに覗き込む。揺るがない意志への返事よりも先に、頭部を飾る物が時折違うことに注意が行き彼なりのお洒落なのだろうかと考えると特に脳を介さずに愛らしいと言う旨を思ったままに送り。そして後から遅れて、彼からの帰宅を促す返答に漸く言葉を紡げば乏しい表情筋でもわかる程度には眉をやや下げ、まるで困ったかのような表情を作り)
なら…そうだな。私が今、君にその籠を渡して帰ったとしよう。そしたら私は後日、空になったその籠を受け取りにくる口実を作れてしまうのだけれど…それでも良かったかな?……なに、食事姿を見させてくれれば帰るから。頼むよ。
………分かったから、その顔を辞めてくれる?
(差し出した手に彼女の持つ籠が移されることはなく、ちらりと顔を窺うとどうやら自身の頭部に釘付けで。可愛い という言葉は弱々しさも含まれているみたいであまり好きではなかったが、瞳に己の炎が写り褒め言葉を伝えられるのに悪い気はしなかった。どれくらい前かは忘れてしまったが、古物商から見繕って使いやすいよう改良をした大きめのランタン。今尚手入れをしている分思い入れがあり、その魅力が彼女にも少しは伝わったのだろう。なんて、まさかその言葉が自分自身に贈られているとは普段言われないためか気付くことがなかった。まるで自分の来訪が面倒がられていることを自覚しているような口ぶり、それすらも利用してくる諦めの悪さにまた片手で頭を抱えると、数秒黙り込んで思考を巡らせる。今回で彼女が満足すれば暫くは安寧が保たれるかもしれない。埒が明かない話に仕方が無く折れる動機ができてしまい、半開きの扉を人一人通れるほどに開け直した。彼女を部屋へ招きつつ、下がり眉を見兼ねては眉間に人差し指の腹を当てる。まるでこちらに非があると言われているようで気に食わない表情をそのまま軽く額へ指を上げて無理矢理直してから、中へ案内するため彼女へ背を向けて。)
それと、街ならまだしも明かりのない森に人一人を放るわけにはいかない。…食べ終わった後、どうしようか考えよう。
(屋敷の中へ招き玄関から居間へ、そこに置いているソファーに座るよう彼女を促す。屋敷にしては小さく、部屋数も少ない。そこで此処は本来はホールとして扱うべき空間だったが、家具を置いて広々と寛げるようなリビングとして整えた。とはいっても次第に自分が集めた絵画や振り子時計、置物類に段々と占拠され始めているのだが。ソファーや机は自分に合わせたもので、彼女にしては大きいかもしれないが、まぁ使えるだろう。それに話を聞いてる限り彼女自身が食事をする訳では無さそうだ。自分も向かいのソファーに座れば背凭れに背を預け、先程の閉めたカーテンを見やり空の具合を窺った。彼女は用が済んだから帰ると言うが、自分の管理する森は時折魔物の目撃情報や痕跡が見つかる場所。土壌が豊かで良い野草や果実が採れるということでもあるのだが、危険性も充分ある。視界の悪い夜は尚更。発言を窘めてはどうしようか考えるが、浮かんだ選択肢はどれも彼女の興味を引きそうで口を閉じる。うっかり話して、今みたいに好奇心から行動を起こされては堪らない。「ところで、その籠の中身は?結局何を持って来たんだ。」誤魔化すように改めて彼女の抱える籠を指差した。)
(悩む姿を見ると気苦労する彼の気も知らず、おかしげに唇同士のほんの少し開いた隙間からふっと吐息が漏れ出て微かな笑みを零す。人と同じように表現しないだろう、自分と異なる頭がうんうんと唸ってるように悩んでいる姿は眺めていて面白い。などと正直に言った日には、暫く扉越しにも返事をしてくれなくなるだろうから言わないでおこうと、滲み出ている面白がっている自身の態度には気づきもしないまま胸の内に言葉は秘め。好かれたいなど贅沢なことは思わないが、ただ突き放されてしまうのは嫌だとそれは明確にわかっている。少しきつく脅せば払えるだろう厄介も、この人外は威嚇すらする気配もない。高い位置から見下ろされる瞳のない視線も、眉間の間へと触れる指先の感触もどれも威圧的なものは感じれず、正された眉の位置を確かめるように自身の指先でなぞるように触れると、「わかったよ」と生気のないやや低い声色が緩んだ口元から返事をし。ようやく見えた全身は人の形といえど大きなもので、少なくとも町でこの大きさの人間はまず居ないだろう高さに視線が不躾にも舐めるように彼を見詰め、案内されるままに玄関へ進むと扉を締める。何度か文字通りに邪魔しに来ている為、徐々に見慣れてきてはいるも彼の私生活を汲み取れるほどに知りはしない。促された先の比較的大きなソファにほんの少しだけ気をつけながら腰を下ろし、前に来た時から何かコレクションは増えてるだろうかとゆっくりとした動きで視線を室内へと彷徨わせた)
私が魔物から怪我を負わされたとしても、それはこの時間に来た私の自己責任であって君のせいじゃない。町の人も分かって……、…否、少し軽率だったね。すまない。
(座る際、巻き込んだ白衣の裾を正しながら彼の話に耳を傾ける。大半の人間が抱く人外への印象というのは“意思疎通が可能な人間では無い謎の何か”。根も葉もない噂などすぐに発生しては根強く残るものもあれば泡のように儚く消えるものもありなんともいい加減で、彼の不安要素を消すつもりで連ねていた言葉だったが続けようとしたところで声は止まった。有害な魔物もいれば無害な個体だっている。それは人間も同じことで、未知へ対する漠然とした不安感を向けている者が多いのは事実だろう。それを痛いほど感じとっているのは彼らのはずだと思い返せば軽はずみな発言であったと体を向き直して謝罪を添え。「そうだね、後で少し考えようか」と掠れた声で彼の提案に同意を示すと、ふと膝上へと乗せていた籠の中身を問われ、特別勿体ぶるわけでもなくすんなりと籠の中身を彼と自分の間に置かれたテーブルの上へ披露するよう置いていき。)
人外がどのような物を食べるのか知らないからね。人間が食べる一般的な食事と、人間も魔物もよく好む食材と…あとは火に入れるようなものを。
(焼きあがってから少し時間が経っているだろう半分のサイズのバケットに、その中へ挟むための具材だろうハムやチーズ、そしてレタスの入った入れ物。それと別の入れ物の中には、生肉がサイコロ状と薄くスライスされたものと2種類の形状が詰め込まれた物。続いて出てきたものは細い枝木、そして最後に赤ワインの入った小さめの瓶を置けば「さ、どれが好き?」と、卓上へと並べられた混沌な食材達を前にやや弾んだ声で問いかけ)
ただ君の身を案じただけだよ?何を謝っているんだか。
(珍しくしおらしくなった声に彼女に何かを察され気遣われたけど気がした。大方、街の人を出した途端黙ったのだから自分達と彼女達の間にある関係についてだろう。だが別に、自分自身は彼等の言動に逐一傷付くような柔いプライドは持ち合わせておらず、利害の一致や程良い距離を保っているおかげで過激な態度の人間のことなんてもう記憶にも無い。特に気にしていなかった。自分の言葉を違う風に受け取られていたからには、気まずい空気を無視して流すには不服で、こちらは至って普通の調子で彼女を心配していた旨を伝え。)
……さて、これらは食べられる。といっても生の肉や枝はあまり好きじゃないね。ワインは、液体で摂取が難しい上に酒のアルコールが身体に混ざって…。悪いが君が頂いてくれ。
(彼女の勘違いを正しつつ、前のめりになり目の前にいる出された食材を3種類に分けていく。彼女の反応は興味無く、それぞれを指差しわざわざ観察に来た彼女へ解説を始めた。1つは日頃から食べるもので、見ればバゲットやハムなど人間が食べるものとそう変わりない。2つ目が生肉と枝、食べられるが時間が掛かったり得られるエネルギーが少ないものだ。頭の炎で燃やしたり体内へ取り込んだり、彼の種族にとって食事は魔力と合わせてガスを生じさせることで、普通の炎のように燃やせれば良いとはいかない。食事の効率が悪いものがこれに当たった。炎や体内で数分から長時間でも保持する必要がある分、液体は扱いが難しい。それにアルコールがガスに混じって酔う…とまるで自分の弱点を晒すようなことを言いそうになると言葉を濁す。ワインの瓶のみ端に置いて除けては好んで食べる食材を集めて彼女へ改めて確認し、)
これならカスクートでも作れそうだ。少し待ってくれれば調理してくるけれど…君は本当に見ているだけで良いの?
(/背後です。也中に失礼します…!フレイのお食事の話、理解しづらかった遠慮なく仰ってください。ご都合主義寄りで考えていて、現実じゃ難しいこととか書いていると思うので…。)
(意外にも種族という大きな括りの問題ではなく、自分個人の心配と言うだけらしい内容にやや驚いた様子で返す言葉が直ぐに出てはこず数秒の間が空く。自分が怪我をすれば恐れて森へ寄り付かなくなるかもしれない、いくらでも危険に晒せばいいものを彼はそんな風に捉えやしないのだと眉を少し下げ、対照的に口角は僅かに上がると「なんだ、なら自惚れてしまってよかったのか。君に心配してもらえるくらいに私と君との距離は縮まっている、と。」などと、目を細めて確認するように問いかけ。数え切れない人間の中の一人にすぎやしなくとも、今彼の気を逸らせているのはここにいる自分なのだと思うと実に愉快だ。そう趣味の悪い若干の優越感にも似た感情に浸っては馬鹿らしいかと自嘲気味に浅く鼻を鳴らして。)
へえ、食べられないものは特になし……腹持ちの良さは関係しそうだけど、好きじゃない…というのは味や食感の好みもある?
(懐の内ポケットから手のひらに収まる程度の使い古されたメモ帳を取り出せば付属していたペンを手に取り使い込まれた紙の上を走らせる。口が存在しない彼がどこから摂取して燃料とするのか実に興味深いと、食事の概念は自分達と似ているのかどうか質問を投げかけて。自分達と同じように調理された食事を好むのはただの効率の良さなのか、味覚など食事自体を嗜好として楽しんでいるからなのかは気になると、好まれないを理由に除けられた木枝やワインへ視線を落としてから相手の揺らめく炎に目を向ける。アルコールを火に与えれば勢いが強まる、つまりは彼に与えると酔って火のコントロールが難しくでもなるのではないかと予想してみたが、そもそも液体は彼の体質上合わないらしいと返されれば無理にも飲ませられず。「酔った君の姿を見てみたかったんだけど…次はアルコールが入った固形物の食べ物を用意しておくよ」と諦め悪く再挑戦を表明し、返された小ぶりの瓶を手に取って。相手から自分の方は観察だけでいいのかと改めて確認がくると、籠の中へワインを仕舞いながら首を縦にゆるりと動かし)
ああ、私は大丈夫。君に集中したいからね。気遣いありがとう、フレイ。
(一緒に食事をした方が彼にとっては落ち着いて食事がとれるのだから都合がいいのだろうが、自分には腹を満たすよりも有意義なことがあるのだと包み隠す様子もなく相手への観察が最優先であることを告げて薄く微笑み掛け。「私になにか手伝えることはあるかな」と、調理をさせる手間や押し切って入れてもらったことへの詫びも兼ねて訊ねると籠を床へと下ろして調理をしに立ち上がるだろう彼へすぐ立ち上がれるよう少し腰を浮かし)
(/お世話になっております!私が誤った解釈をしていなければ恐らく今のところは問題ないかと思われます…!ファンタジーな世界なので、不思議な原理でなんとなく取り込んでる、くらいふわふわして大丈夫と思ってたくらいなのでしっかりめに食事について書いてくださってて見ていて楽しいです。ありがとうございます…!オバナの方から色々幼児のようになんでなんでと質問攻めになったらすみません、いい感じにスルーしていただいて全然大丈夫ですので…。あと今更ではありますが、此方の方で違った風に解釈してるかもと感じた場合も指摘しにくいかもしれませんが、遠慮なく仰っていただけますと幸いです。)
いいや、客人に手伝いなんてさせられない。そうだな…その疑問を自分で考えてみてはどうかな。
(“距離が縮まっている” と言われ、また変な勘違いを起こしていそうだと思うも、もう訂正するのも面倒。彼女がいつもの調子に戻れたのなら良く、投げ掛けられた問いに否定も肯定もしなかった。食材から自身が説明する言葉を忙しなく記録する彼女へ視線を移す。自分にとっては至極当たり前のことなのだが、彼女にとってこの情報の何が魅力的でこうも夢中にさせるのか不思議だ。自身の脚に肩肘を付き、カンデラの下部を支えるように己の頭部に手を添える。彼女自身は性格には難あるが、人間が何かに熱中する姿というのは見ていて飽きない。その末に生まれるものに強く惹かれる。彼女のメモ帳はいずれ何に変わるのだろう、彼女の質問を話半分で聞き入れつつ想像を膨らませた。メモをし終えた彼女が立ち上がろうとするとこちらも立ち上がり、指先を軽く肩に添える。あのような訪れ方といえど彼女は自分の屋敷に招いたお客様で、もてなされる側だ。とはいえ彼女の行動力を抑えられる気もせず、時間を潰せるものを考えては提案してみて。)
僕に聞くのも良いけれど、考察するというのも大事だろう?食事の手伝いより、その方が研究者らしいじゃないか。
(肩に添えていた手を離し食材を抱えながら言葉を続ける。自分へ興味を持たれ視線を向けられることに悪い気はしないが、質問に答え続けていては彼女の言う事を何でも聞いているようで気に食わない。彼女への悪戯心というより自分のプライドがそうさせるのだろう、簡単に答えをあげては面白くなかった。彼女との交流は1ヶ月程は経っているが素性はまだよく分かっていない。だが必ず白衣を身につけているあたり、何かしらの研究職なのではないだろうか。そんな考えから提案をし、首を傾げては持ち手が揺れて軽い音を鳴らす。自分に表情というものはないが、この音が聞こえてくるときは大抵面白いと感じるときだった。何か言い返される前に逃げるように食卓の先にある厨房へ背を向けると、扉を閉め切る前にふと振り返って、「アルコール類はお断りだよ。」と酔った姿を見せる気はない主張だけしておいた。)
(/良かったです…!つい色々考えてしまっていたので安心しました。オバナちゃんもぐいぐい来てくれて可愛くて、全然質問だらけといった感覚はありません。むしろ色々言葉を返したくなる…フレイが何て返すのか考えるのが楽しいです。
今のところ気になるところは無く…強いてご相談するなら也についてで、次に自分が返すときには調理中のロルは省いて運ぶところから始めようかなと思っております。展開を少し飛ばしてもよろしいでしょうか…?
此方へも何か質問やご相談等あった際はお気軽に仰ってください。)
(メモをとっている合間、こちらからの自惚れた発言に反応がなかったのに面白がるよう息を吐くようにして笑う。きっと何かしらの反応があったならあれやこれやと彼のリアクションを楽しむため、茶化すような言葉を続けていたのだろうからその点でいえば自分にとって残念だと僅かに肩を竦め。ペンを走らせている姿を見られてるとも知らず顔を上げ、立ち上がろうとしたも直ぐに相手の方から掛けられた気遣いに重たい瞼を一度瞬かせる。肩へと触れた彼の指先に反応して筋肉が強ばるとぴたりと停止し、相手から力を込めたわけでもないのにソファへ再び腰を落とすとまるで落ち着きのない子どもの気を逸らすかのように宥められじ、と注視する。ふとまだ手に持ったままのメモへ視線を移し、何か考えるように顎元へと手を添えるように構えるのは言いくるめられてるような気もするが彼の提案にも一理あると思ったからだ。座ったことによりより高く位置するガラス内の炎に視線を擡げ、カン、と高く鳴る持ち手の音はどこから愉快そうに聞こえるのは気のせいか。表情を感じる音色に喉奥で微かに笑い声を立て。)
ならお言葉に甘えるよ。ところで、後で答え合わせは___
(そう言いかけた頃にはもう既に部屋を移動しようとしている彼の長い脚が扉の方へ進んでいることだろう。離れていく彼の後ろ姿は人間と異なる頭部や大きな体を持っていようとわかり易い態度で面白い。上手く逃げられてしまったと肩を震わせていると、続く念を押す言葉に「残念」と届いたかも分からないような短い返答を放っては一人になってしまった室内。夜の森はやけに静かで、彼から提案された考察に思考を巡らすには丁度いいと切り替えてる最中、そういえばと先の発言を思い返す。自分は彼に研究者とはまだ自己紹介していなかったような、と過去の接触でどのような会話をしていたか思い出しては首を捻る。単純に普段着の感覚で羽織っていた白衣で推測されてるとは思ってもいなかったようで、何故わかったのだろうかと回答者もいない故に灯台もと暗しのまま考えを巡らせる。そもそも彼を知ることに夢中で自身の身分証明が不十分故に、彼が警戒心を解けないままなのではないか、少しでもその壁を崩すためには必要なコミュニケーションが不足しているのではと結論づき、彼が部屋に戻ってきたのなら突拍子もない話を投げつけるだろう)
フレイ、私は今まで君に不信感を与えてしまっていたと推測してみた。どの程度の個人情報を開示すれば君は私に心を開いてくれる?
(正にそういうところなのではないかと、そう返されて仕方の無い問いかけだが顔は真剣そのもの。思考を覗くことができる能力がない限りは突然なんなんだと困惑しかねない、それこそ不信感を持たれても仕方の無い質問をしていることに気付かず。彼がソファへと戻るまで待てない様子で、この問題は早々に解決せねばとタイミングを急いで)
(/お返事遅くなってしまいすみません…!
ああよかった…そう言っていただけて嬉しいです…!初手から色々と困らせられて夢が叶って幸せです、ありがとうございます…!
調理中ロル省くのは全然問題ないです、むしろ短縮できて其方の方がスムーズに進んでいいと思いますので有難いです。ありがとうございます!
そして今回のロル、フレイさんが調理から戻ってきた前提で先に触れてしまってすみません…もしやりにくかったらご指摘ください…!)
(厨房へと姿を消し、久しぶりの一人の空間に気を緩めて一息つく。一人で過ごす時間か多いからかこうして誰かと話し続けるだけでも気力が削がれている気がして、それなら彼女の来訪を断ってしまえば良かったのに、と過去の行いを悔やむような考えが脳裏を過ぎった。森に放ってどうなろうと自分には関係が無いし、重ね重ね向けられる質問に逐一答える必要だって無い。なら何故…もしかして、彼女との会話を楽しんでいるのだろうか。事実、提案だけ残してはまた戻った時にどんな答えが聞けるか期待している自分がいる。彼女は人間のうちの一人程度に思っていたのだが、他の人間相手にここまで付き合う自分を想像できない。 少し、ほんの少しだけ彼女を特別視しているのかも。絆されてきていることを自覚してきたところで、黙々と手を進めていた調理が終わった。作業中はつい思考に耽ってしまうと己の癖を反省しつつ、3等分にしたカスクートを皿に移す。生憎此処は元は誰も訪れない屋敷で、来客向けに出せるものは無い。けれど彼女なら見過ごしてくれるだろう。自分が使うものしかトレイには乗せず厨房を後にした。)
君が話したいのであれば聞こう。けれど君、僕の食事風景に集中したかったんじゃないの?
(厨房を出るや否や名前を呼ばれ、驚きでソファーへ向かう足が止まった。きっと彼女なりに何らかの思考回路を経て辿り着いた行動だと思うが、前後の関連性が見られない。そもそも不信感なんて人間を前に抱いていなかった。信頼をしているとも言えない、可もなく不可もなくといった具合だ。でも何故か彼女には自分が不信がっているように見えるらしく、理解し難い言動も含めて「なんでそうなるかなぁ…。」とため息まじりに項垂れる。自分が残してきた問いはどこへいったのかと聞くとまた頭を抱える羽目になりそうで、改めて彼女の向かいへ座り直して調子を仕切り直す。正直なところ自分は人付き合いが得意じゃなく、彼女の問いに正確に答えられる気はしない。かと言って“不信”という言葉を否定して自ずと良い方に捉えられても不服だ。机に皿を移し、ランタンの金具を緩める。切迫詰まった様子の彼女にお構い無く食事の用意を進め、此方から質問を被せては答えをはぐらかした。)
(/全然、お手隙の際にお返事なさってください…!
板主さんにも楽しんで頂けているようで安心しました!ロルも続けやすくて問題ありません。合わせてくださってありがとうございます。
また展開などでご相談があれば背後が出てくるかと思いますので、その際はよろしくお願いします!)
(本来の自分ならひとつの物事に集中する、はずなのに。彼の前ではまるであれやこれやと興味の移る幼子のようだと彼からの指摘によって気付いたのか短く声を零し、上がっていた熱を下げるよう言葉を飲み込み。彼のことになると知りたいことが多すぎるからだろうか。質問をする度に気紛れはあるだろうが、彼は大半のことに答えてくれる。それは今まで物言わぬ対象への研究ばかりだった自分にとってコミュニケーションをとれる相手なんていなかったからいつもと違う行動をとってしまうのか。端的に言ってはしゃいでる、なんて幼稚極まりない態度を表に出していたのだと思うとなんとも情けないと思考を整理し、気が収まったのか落ち着いた面持ちで対面へと座った彼へ向き)
……うん、そうだった。君のことになると次から次へと興味が尽きなくてね、聞きたい事や試したい事が沢山ある。とはいえ、順番にだね。
(複数の検証や同時に質疑応答を行うことは不可能ではないにしてもそれでは個々の記録の質を落としてしまいかねない。確実なものとするには半端な状況下では彼にも失礼だと改め、ついでにちゃっかりと後々他のことも試させてもらうことを添えては口角を分かりにくく持ち上げ薄らと笑みを作り。彼が持ってきた皿上のカスクートがどのようにして彼のエネルギーに変換されるかをまずは拝見させて貰おうと、ソファへ掛けていた腰を少し前へと移動し、膝上へ腕を置いて前のめりに近い体勢になるとメモはいつでもとれるよう構えたまま、彼の所作を見逃さすまいと頭部を覗き込むよう注視し。落ち着いて食事もできないだろうその視線に訴えがあるのなら改善を考えるだろうが、それまでは無遠慮な視線が彼を捉えて離さず。頭部へと伸びた手指に瞳が追従して、食事をするための準備をしていることは分かるものの前から疑問に思っていた、何かを制御するために頭部へ被せる物を用意しているのだろうかと持っていたペン先を自身の額辺りまで持ち上げ、とんとんと頭部を指すようにして問いかけ)
こうして見ると、君がいつも変えてる“それ”は人間でいうところの帽子やマスクみたいだね。感覚としては一緒なのかな?オシャレ…とか、そういった感覚?
(/お言葉に甘えてそうさせていただきます…ありがとうございます…!そちら様もリアル優先で、ご無理なさいませんよう…!
お優しいお言葉…!そう言っていただけてとても安心しました。人外pl様のロル、とてもやりやすくて楽しいです。ありがとうございます。
またこうやって気軽に相談頂けましたら幸いです。引き続きよろしくお願いいたします!)
(自分の言葉を素直に聞き入れ静かになる姿に満足気に笑みを漏らす。いつも通う骨董屋の店主と静かに話すの心地良いが、こうして落ち着きのない若い人間と話すのも見ていて飽きが来ず良いものだ。見る分には良い。だが、勝手に色々巻き込んでくるのは勘弁してほしい。そのため彼女の呟いた思索を見過ごせず「ちゃんと僕の許可をもらってくれよ、勝手に試さず。」と釘を差す。簡単に許可を出すかは内容次第、その時の己の気分次第。今日はたまたま食事時のタイミングが良く受け入れただけで、このまま調子に乗られては困る。一言伝え切ると、正面のランタンのガラス面を扉のように開いた。彼から見て右に付いていた蝶番が軋み、外の空気を取り入れた炎が膨張し鈍い音を立てた。)
あぁ、それが近い。僕はこれがお気に入りで、何も被らずに過ごす者もいる。
(左手を皿ヘ伸ばしつつ、前のめりになる姿勢に合わせて右手をガラス面に添え勝手に閉まらないように抑える。何気無い所作だが、これもひとつひとつ彼女は見てくるのだろう。人間の前で食事の様子を見せたことは無く、緊張からいつも以上に丁寧に振る舞いたくなる。行儀を気にして頭部は外さず、ゆっくりカスクートを一欠片炎へ放った。炎が食材に触れ、形を合わせるように膨らんでは包んでいく。時折魔力による燃焼で光がちらつき、それが収まると火は落ち着いて。燃える様は感覚として伝わり、ガスに混じる成分で食材の違いを見分けられる。彼女の質問をきっかけに感覚を研ぎ澄ませてみたのだが、これが味や食感にあたるのだろうか。流石に辛味や刺激物には気付けそうだが、人間よりも機能は鈍いように思えた。そうやって一口に集中していたからか、つい先に彼女に聞かれた質問に答え忘れてしまった。次の一口を炎へ放るとその指で彼女の真似をし、ランタンのガラスを軽く小突いて遅れて答える。どこが魅力かも口走りそうになるも、きっと求められている情報ではない。“お気に入り”の一言に留め、もう1つの自分がよく使う頭部のことを思い浮かべた。街、更に市街へ出るときのために拵えたものだ。)
あとは…カボチャのもあるか。顔のある、君たちに近しいもの。可愛らしいだろう?
(好き勝手にはさせないと隙なく刺された釘にぴくりと肩を震わすと一筋縄ではいかないかと眉根を軽く寄せる。静かな空間、自分と相手しかいない中でガラス面が開く際の甲高い金属の軋む音が繊細ながらも大きく聞こえる。頭部へと溶けて消えるようにして取り込まれていく様子は食事と言うには見慣れない光景で、自分の指先を同じように入れれば養分として吸収されていくのか、はたまた魔力だけ器用に吸収されるのかと目を瞬かせ。焚き火とはまた違った燃焼、まるで火が生きているようなその動きが気力のない瞳へと反射され心做しか活力を取り戻してるようにみえる。「炎の部分であればどこからでも同じように食事ができるの?」と、側面や背面からでも同様に取り込めるのかどうかを問い掛けると手元のメモに簡易的な相手の自画像のランタンらしき輪郭を描き、その中にある炎を記すと矢印を追加して先程確認した事象を記録していき。)
うん、さながら魔除けのイベントのようで良いと思うよ。ただ偶には何も無しで会ってくれても嬉しいんだけど…それは君達にとって恥ずかしいとか、そういう意識がある?
(室内の収集する物の趣味と言い、彼自身の身なりと言い。傍から見ている分に美的感性や拘りはあるように感じる。頭部のそれをお洒落というだけの感覚で被っているのであれば外すことも容易のはずだが、外した姿を拝んだ記憶があまりない。人間とは違う感覚でそれを身につけているのではないかと推測し問い掛けると、少し腰を持ち上げ中腰気味に立ち上がり、揺らめく炎の頭部へ向かって好奇心のままに指先を伸ばし。避けられたのならそのまま手を引っこめて腰をソファへと落とすだろうが、拒まれなければ炎の表面を指先で撫でるように動かそうか。)
君が普段扱う炎と対して変わらないよ。
(火が食材を取り込んでいく感覚にぼんやりと気を取られつつ、彼女の興味を孕んだ眼差しを受ける。自身の炎が瞳に光を作り、いつも重く瞼によって伏し気味だった目がどことなく活気付いて見える。好奇心旺盛でそれに見合う気力もあるはずだが、彼女がこの一面を見せるのは自分の観察をする時ぐらいなのだろう。他に目を向ければ良いものをどうしてここまで自分に夢中なのか、ふと疑問が湧いた。けれど次々に投げ掛けられる質問に此方から尋ねる隙は無さそう。当たり前に思える様な細かなことまで聞かれ、自分達が如何に特殊なものと思われているのか実感した。当たり前で通じるような質問はこれからもされるかもしれない、そう思うと簡潔にのみ答え、あとは相手の想像力に委ねることにした。)
…なんだ、お腹が空いたならそう言えば良いのに。僕が食べ切る前で良かったねぇ、ほら。
(表情が付いていることに惹かれたのだが、彼女には伝わらず催し物の方を言われてしまった。思えば相手はランタンにも可愛いという言葉を選ぶ感性を持つ、完璧な同意は求められない気がした。残りの一欠片、カスクートを手に取り炎へ運ぼうとしたところでまた尋ねられる。細かく1つ1つ、何だが自分の素性を暴かれている心地だ。頭部を付ける理由はガスが篭って火を保ちやすいとか光を拡散して灯りになるとか。それに、と先程自分が伝えた言葉を思い返す。人間の街の近くに住む以上、自分が炎であることは他の仲間よりも気を遣った方が良い。「そうだね…、」と返答に悩んでいる間を埋めようと呟く。ふと彼女の気配に驚き思考を止めた。脚を机代わりに頬杖を付いていた姿勢から背を正し、頭部を伸ばされている手から避ける。触れても危険はないが、自分であれ火に対する距離感ではないことは確かだ。けれどここで窘めて、また人間との関係を気遣われても良い気はしない。代わりに食べようとしていたカスクートを差し出し、彼女の手を掴んでは手の平を上にしてそれを置いた。そのまま両手で彼女の手を包み受け取るように伝える。空腹かは知らないが、空気を重くするよりかはこうして誤魔化した方が過ごしやすい。それにいつも振り回される彼女を此方が振り回すようで愉快でもある。どう反応するかを楽しみに背凭れに背を預け、小さく笑い声を漏らした。)
(日常で無意識下にとっている行為を物珍しそうに観察されるのは気分を害するのかどうか、自身がそこまでの気遣いができるのならきっとここまで利己的には動かない。様々な研究者はいるだろうがその中でも自分本位な欲で動くタイプの人間と自負している分、迷惑な話だろうが彼から何度溜息を聞いたとて構わなかった。親切にも質疑に答えてくれる彼の真意は人間と友好的に接したいとどこかで考えているからなのか、それとも単なる気紛れか。相手からすれば自分など脅威でもなかろうにと彼の厚意に甘えて乗り込んでいることは棚に上げ、返された答えに釣られるように視線を炎の輪郭の揺らめきにあわせて僅かに動かす。まだ世の中の危険物を知らない無知な赤子の如く、その灯火に魅了され伸ばした手が避けられると、無礼だったと肩を竦ませ身を引こうとする。だが引こうとした体は素直に動くことはなく、相手から手を一瞬掴まれ後ろへ引くことが一度阻まれ体が強ばり、驚いたように流暢に質問していた言葉も途切れた。そして続くあやすかのような物言いで、両手の中へと持たされた1切れ。掴まれた手の感触を思い返しとっくに離れた手袋に隠された大きな手に、視線が彷徨ったあと燃ゆる灯に顔を上げ)
……君の中の感触を確かめようと思ったんだ、けど…行儀が悪かった?
(彼の気遣いを察せず手元の欠片を食すことはなく一瞥した後、先程触れようと手を伸ばしたその灯りがどういった表情を持って揺れているか確認する。だが聞こえた笑い声にただ茶化されただけかと安堵を含んだ笑みが浅く吐かれ、引こうとした体勢を戻さず奥の背凭れへ引っ込んでしまった相手の方へ少しでも近付こうと、行儀も考えず机に膝を乗せてまで前のめりになり。持ったままだった手元の欠片を彼の頭部へ与えるように差し出すと、「もっと近くで食べる姿を見てもいいかな」そう伝え首を傾げ、くん、と促すようにその欠片を少し前へと突き出してみる。日常的な人との関わりがない自分に彩りを与えるのはいつでも机や本の上の研究ばかりで、今まで物言わぬ対象としか関わっていなかった中で見つけた、自我を持つ相手。知り得ないことの連続と会話することの楽しさを覚えていることは明確で、意志の疎通ができなかった研究対象達と比べ何処か不思議な心地だと目前で燃ゆる未知の存在にも、自身の不明瞭なこの感情にも興味が尽きない。彼へ差し出したカスクートを突き返されようが大人しく受け取ろうがその距離は注意を受けるか、食事を見終えるまで離れる様子はなく、再び夜の森の静けさを痛感し。)
(彼女の目線や口元を見れば驚き困惑している様子がはっきり伝わり、表情の変化に満足しているとバツが悪そうに彼女が手を伸ばした理由を話した。中の感触と言われても空気に触った心地なんてあるのだろうか。試す前から結果が想像できそうなこと意味が無いように思うも、研究者を前に無意味さを訴えるのは止した方が良い。それに自分が窘めてたかったのは行儀の悪さについてでは無い。「勝手に試さず、と僕は言った筈だ。」と言葉を思い返す。触られそうになったことに驚きはしたものの、第一は彼女の安全を考えてのことだ。呆れからため息混じりに言いつつ、耳に入る自身の声色が威圧的になっていないか心配だった。あまり気にしていないように見せようと手袋に付いたパン屑を皿に払い、再び寛いでは脚を組む。此方があまり怒っていないように、相手もパンを頬張りながらでも聞いてくれればよかった。)
…それで君の好奇心が収まるのなら、どうぞ。
(にしたても、食べ物を与えれば多少は大人しくなるなんて考え、まるで子供を相手にしているみたいだ。実際何でも気になって質問をする様子は見た目の歳相応とは言い難く、大人らしい落ち着きは見られない。けれどその活き活きとした眼差しが自分を飽きさせないのも確かで、何かに夢中になり続けられることに惹かれていた。ただその自分の好きな人間の営みの1つに自分がこうして巻き込まれることになるとは思いもしなかった。もう諦めるだろうと此方が突き放せば相手も離れるというお互い程良く距離を置いた関係に慣れた考えをしていたのだが、更に一歩、机という垣根を越えようとしてまで此方に詰め寄られたことに驚きよりも興味の方が勝る。困惑はあれど、どうしてそこまで自分に熱量を注ぐのか理解できないからこそ面白みを感じられる。少し気を許しては先程まで行儀を気にしていたにも関わらずまた自由な振る舞いをされてもそれを窘める気にはならなかった。それに今度はしっかり尋ねてから行動できている。甘い判断に自分らしくないと頭の隅で考えるも、此方も相手に応えるように前傾になり、ランタンを相手の手先へ近付ける。“仕方無く”という体で炎へ投げ入れやすいようランタンのガラス面を押さえていた。)
(勝手は許さないと念を押され、理解を意味するように言い訳じみた言葉も零さない。相手からすればただでさえ実験体のように観察されるのは気分を害するだろうに、その上無許可に触れようとされれば更なる不快感を感じかねないだろうと、こちら側の人体に対しての危険性を危惧されてるなど微塵も思わず、互いに向けている配慮への理解は未だ一致せず。「すまない」、そうあっさりとした謝罪だけ添えて彼への接触の機会はこれを機に遠のいてしまっただろうかと伸ばしていた手の力が緩む。人外からすれば些細な期間の中、知り得た彼の人となり(?)から察するに現状は怒っているように見受けられない。その判断は全て頭部の加減や声色で見極めているのだが、これが正しいかも定かではない。如何せん、まだ付き合いとしては短いのだろうと人付き合いとは縁のなかった自分の物差しではなかなか分からない距離感に苦戦している様子で眉をやや顰める。半ば諦め気味に頼んだ許可に、答えが返ってくる前に取り下げてしまおうかと悩んで揺れたも束の間。深く腰かけていた身体をこちら側へと戻し、“仕方無く”と受け入れてくれる姿勢を見せた相手に浅い皺を刻んでいた眉が上がって、「わ、」と思わずと言った様子で声が漏れる。)
本当に?……ありがとう。
(二、三度は問い返しそうな程驚いた様子で確認をとるも何度も確認を取ればこの機会を失いそうだと一度で留め、少し考える間を置いた後お言葉に甘えてと驚きで半端に開いていた口を柔らかに三日月にして。相手の方から寄ってもらい幾分と与えやすい距離感になっている今、彼の気が変わらない内にと差し出していた欠片を炎へ、ゆっくりと近づけていく。放り込むようなことはせず、食材は指先で摘んだまま取り込んでいくだろうその様子を感嘆に満ちた声を零しながら観察する。先程見た光景と同じように時折眩く光る瞬間手元が照らされ、光を眺めている最中、ふと浮かんだ純粋な疑問にタイミングも考えず「食事中も声を出すことは可能なのかい?」と、手元で取り込まれていく食事中の相手に遠慮もなしに問いかけ)
(此方が注意をすれば直し謝ることができ、その様子に度々興味に負けて周りが見えなくなるところがあるも会話の端々から彼女の人柄の良さを感じられた。だからこそ家に招いたり食事を見せたり、ある程度の自己開示を許容できるのだろう。聞こえてきた謝罪は端的で静かで充分反省しだが落ち込んでもいるように聞える。自分には表情がない分、声色や振る舞いでしか感情を伝える術がない。これで彼女が急に態度を改めてしまったら、と彼女が訪れる前の静かな日々をふと思い出してはどことなくつまらなさを感じてしまった。退屈さに自然と炎が小さくなったのも束の間、珍しく驚いた声が聞こえると呼応するように炎が揺れる。続け様に呆気に取られたまま確認する声が聞こえると普段はしないだろう戸惑い具合に小さく笑みを漏らし、そのまま身を差し出して。)
あぁ話せるよ。…丁度良い、このあとどうするかについてでも話そうか。
(気紛れに動いているため感謝されることは何も無いような気がしてむず痒くつい黙り込んでしまう。ゆっくりと食材が炎に触れる感覚に気付けば、彼女に合わせるように食材を包んでいきまた先程の様に灯りを揺らめかせる。当たり前の光景なのだが、彼女の好奇心は満たせているらしい。それに自分の炎にここまで釘付けになるのも容姿を褒められているようで良い気になる。暫くこのままランタンを傾けてやると邪魔をしないよう静かにし、炎が自然に膨らみ爆ぜる音や燃焼による弾けるような音を楽しんでいた。その静けさを気にせず質問されるも彼女のこと、この無遠慮さにも次第に慣れてきた。身を乗り出した姿勢を支えるように頬杖を付いて答え、食事の前に言ったことを思い出しては「今日はもう帰るの?」と質問を付け足し)
(/引っ込んだばかりなんですけれどすみません…展開のご相談です!
食事の後はどうしましょうか…?個人的にはオバナちゃんを森から街まで送るか屋敷に泊まってもらうかの2つが思い付いているのですが、もし他にご提案があればお聞きかせください…!)
(/中の人からのみの返信失礼します、お世話になっております。ご相談ありがとうございます!
そうですね、その二択以外で特に思い浮かばなかったのでどちらかにできましたら幸いです…!
泊まるとなったらきっと一晩中起きて就寝してる様子を傍で観察したいとか言い出しかねないので帰らせた方がフレイさんの身のためかもしれませんが、後々の展開を考えなくて済むのはお泊まり展開かなとは思うので悩ましく…
図々しくお泊まりしたいとオバナの方から提案してきてそれをフレイさんは断るけど、なんやかんや言いくるめられてお泊まりになるか、ちゃんと断って送って頂くという流れか…
個人的にお泊まりの方が都合いいかもと思っておりますが、いかがでしょうか…?お任せしっぱなしですみません…!)
(/お屋敷が客室もある間取りを想定しているので、言いくるめられる内に何とか別室へ引き離せるかと判断するに落ち着くかと!フレイ、押しが強いと面倒さが勝って折れると思うので…。
寝てくれないか頭を抱えるのもまた描写が楽しめそうで、お泊りする流れで良いと思います。自分の案に付け足してアイデアをくださって助かります。
ロルは板主さんの方から再開していただけると幸いなのですが、可能でしょうか…?此方のを書き直すことも可能です。また他にも窺いたいことがあればお気軽に仰ってください!)
(/折れてくれるのなんとも愛らしい……。ではフレイさんにご迷惑おかけしてしまいますが、お泊まりの方向で進めさせて頂きます…すみません…!こちらこそご提案頂いた上に決めていただけてとても有難いです、ありがとうございます!
ロルこちらの方からで承知いたしました!いい感じに続けられそうなレスだったので全然問題ないです、ありがとうございます!また後々とは思いますが、展開の相談の際はよろしくお願いいたします!/こちらに対してのレスは不要です!)
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(一瞬だけ背を低くした炎。揺れ動いて元の大きさへ戻った瞬間を見ただけで見間違いの可能性もあるだろうが、あれはどの感情を表していたのか。彼と話していて感情的な面は微かにも感じたことは無い。感じ取れていないだけで、自分が想像しているよりも遥かに感情表現が豊かならそれはそれで面白いと独りでに肩を揺らしながらも、人間とは違い食事中でも言葉を紡げると分かるや否や「口という器官はやはりないのか…いや素晴らしい。私は誰と会話するなど特にないだろうが、食事をとりながら有意義な意見交換が叶うなら実に効率的だ」といつも通り彼への考慮も何もない、自身なりの憧れを身勝手に語って。自分に不可能なことをこなせるその未知な生態に勝手な憧れでも抱いてるのだろう、そのまま炎に触れてみたいところだが先程のこともあるからと指に少々の力を込めて制し、相手からの問い掛けに意識を向けた。)
もう、ということは…まだ居てもいい?君さえよければ泊まりたいくらいだよ、私は。
(先に言っていた帰路についての問いかけ。陽はもう落ちきっていて外では虫や鳥の声が微かに聞こえる程に人気はなく穏やかではあるが、夜には巣から出てくる凶悪な魔の生物達に対峙しかねないかを彼は心配してるらしい。防衛の魔術も群れで来られればどうかなるか、対応出来る魔物ばかりがこの森に潜んでいるかも定かではないと可能性を巡らせればいくらでも不安は浮かんでくるのだが、それはそれで死なずに帰れれば情報が収穫となる。悪いことばかりでもないと伝えようにも、彼からすれば自分の家からの帰路で怪我など負わされれば後味がいいものでもないのは事実だろう。ならばと、本音としては彼の日常生活に興味津々なのを隠す様子もなく笑みを含んで相手側の都合も考えず、宿泊の許可を得ようと試み。)
…他の人間と話すことが無いのかい?
(炎が食材を燃やし終わる頃になると首を傾けてぶら下げていたガラス面を戻し金具で取り付ける。これ以上は見せるものも無いと観察対象を取り上げるような心地がしたが、これは自分の炎でありわざわざ彼女のために開け放つ必要も無い。それにまた手を伸ばされるようなことがあっては御免だった。片手間に手先を動かしながら彼女の憧れに耳を傾ける。“自分には無く他人にあるものへの羨望”という気持ちは理解存在に向けることは理解し難い。変わった発言に呆れつつふと彼女の発言が引っかかった。普通の人間とは違うとは度々思っていたが、その人間たちと話す機会が無いからこそ独特な考えを持ち続けていられるのだろうか。疑問が浮上しては興味の赴くまま言葉に出して。)
残念だけど君を泊められる部屋は無いんだ。人を招くことが無くて、客室はきっと埃だらけだよ。
(彼女の返答を待つ瞬間に、相手のプライベートを勝手に思い込むような質問をしてしまったと反省する。無かったことにしようと言い直そうとするも、出たのは訂正の言葉では無くため息で。送る用意をするために尋ねた質問をあまりにも良いように解釈されてしまい、相変わらず図々しい。けれど煩わしいとは感じず、穏便に帰らせようと残念なんて思ってもいない言葉を選んだ。客室はあるにはあるのだがそこを利用したのはたった1,2回ほど。同種族の友人を泊めたぐらいで人間を招いたことは無かった。久しく使っていないそこにも骨董品を幾つか置いている以上ある程度の掃除をしてはいるが、そんな相手にとって都合の良い情報を伝えたくない。寧ろ遠ざけられる事を言えればと軽い嘘を交えて。)
(やはり触れることは叶わないらしい。早々と閉め切られた頭部のガラスに眉を控えめに下げ、「ご馳走様でした」と得をしたことも含め相手へ感謝を込めてそう告げるとそのまま手を引き、乗り上げていたテーブルからも体を戻して一度立ち上がる。)
全くとは言わないがね、必要以上の会話はないかな。あまり外にも出ることは無いし…付き合いは避けてるから。ただ、それでも町の人は優しいよ。
(彼の問いを正確にするならばとガラス内へと閉じられた炎へないその視線を重ねるように首を傾けて言葉を連ねる。己からすれば人の心情、内面を読み解くのはこの世の未知を解き明かすのに等しいほど難しい。正解を知らされる訳でもなくただ複雑な読み合いをするようなやり取りに頭を悩ませられるほど器用でもないと、気楽に話せる相手ができる前に接触を避けてしまうようになったのが原因だろうが、幸いにもここの住民は世話焼きが多いらしいと白衣の継ぎ接ぎの細かな凸凹に指先を這わせ。決して広くは無い小さな規模の町、それなりの人の温情が感じられる穏やかな場所。没頭する姿に妙な噂を立てるでもなく、血縁や友人でなくとも当たり前のように心配してくれるなどお人好しも過ぎると肩を竦ませ、立ち上がったままソファへそのまま座ることはなく踵を緩く浮かせゆっくりと歩を進める。机の外周を回るように足先を進ませ、相手の方へと歩み寄ろうと話を続けながら距離を縮め。)
君が寝る部屋は無いのかい?そもそも睡眠はとる?もしとるのなら一晩中観察したいのだけど、それはダメ?
(極めた図々しさで相手から返す隙も与えないように問いに問いを重ねていき、相手が立ち上がって避けようとしない限りは問いを投げる度にどんどんと大股に歩を進めて距離を縮めていき、問い終えたならぴたりと声を止ませて歩みも緩やかに停止させる。彼が先に言っていた“きっと”という不明瞭な物言いからして恐らく、部屋の管理は怠ってはいないだろうし自分に早く早急に帰って欲しいのだろうことは察せる。ただ夜に自宅へとお邪魔している状況、見れる姿はなるべく見ておきたいと欲が抑えられず。こちらの圧に彼が離れていなければ近くまで縮めた距離で相手のランタンの輪郭を下から上へとなぞるように視線を辿らせるだろうが、彼が離れてしまっているならある程度の距離を保ったまま懐へとメモをしまって空いた手をヒラヒラと振って無害をアピールしてみせて。)
(自分が流そうとした質問に彼女が口を開いたことに驚き、ソファーの肘置きに頬杖を付いて返答を聞いてみる。外出も人付き合いもしないなんて、1ヶ月で何度も自分の屋敷を訪れているくせによく言うものだ。発言に矛盾を感じるも、自分は研究や観察の対象であり人間関係には含まれないのだろうと勝手に納得し、その違和感を突くような言葉を呑み込んだ。彼女の言うとおりこの街に住む人々は温厚で優しい。だからこそ自分が傍で暮らすことができて、間近で人間の営みを愛でることができる。それを彼女も感じられているようで、白衣を大事そうに撫でる姿に仄かに安堵し。人付き合いを心配していた訳では無いが、例え自分が居なくとも彼女の生活が腐ることはなさそう。だとしたら何故、自分にここまで夢中になることへの疑問を一層膨らませ。話しながらも彼女が立ち上がるとランタンが少し上へ傾く。身長差はあれど彼女も人間の中では背の大きい方で、自分が座っていれば頭1つ向こうの方が高さが勝っていた。先程勝手に炎を触ろうとしたこともあり、彼女が無遠慮に近付いてくることに警戒しては姿を追い見失わないようにして。)
幾ら客人いえど人の寝室にまで入ってくるのは頂けない。…泊まるのなら、この客室で大人しく休むこと。
(ソファーに脚を組みながら次々に投げ掛けられる質問にまるで重量で押されるように頭部を反対へ傾け、気が済むまで聞き流し丁寧に答えることは無く。彼女の顔に自身の炎から拡散された柔い光が掛かるほど距離が近くなると立ち上がり、さり気なくそれ以上の接触を避ける。すぐに背を越し見下ろす形になれば自ずとランタンも彼女の視界から遠退いた。ソファーから離れると手のひらを見せ何もしない意思を伝えられるも、その為に離れたのではない。相手の素振りを一瞥しつつ歩みを進め1つ部屋の前へと向かう。質問に答えることを窘めながらも断り、扉の隣へ立つと代わりにと言いたげに条件を設けて。これ以上断っても休めない夜が長引くだけ。そう思うと彼女の宿泊は仕方無く了承することにしたが、日が昇るまでずっと相手にする気はない。部屋で大人してもらうことに少しでも彼女が納得できる理由はないか言葉を付け足し。)
人間を泊めるなんて普段はしないんだ、それだけでも君にとっては貴重な経験になるだろう?
(ひとりであの町で住み始めてもう何年となるが、町中への露店へ買い出しに行くことの方が少なく倒れて診療所へ行く方が回数は多かっただろう。そう思えばここへ通うようになってからは体力もよくついた方かもしれないと視線を伏せ思い返し、温かながらも数人は混じる異分子を拒みたがる者や、単なる心配から送られる視線は未だ少なくない。森へ行けば子どもたちも真似をしかねないから控えてほしいとまで言われ、森の魔物については過去の被害をこれでもかと言い聞かせているだろうに誰が真似るものかと一蹴したこともあった。その忠告は遠回しに、それだけの意味で森へ入らせたくないという意図を感じたと同時に、ここへ訪れることへの邪魔をされたようで気に入らなかったのだと、今思い返して客観的になれば実に幼稚だったと、相手の方へ無害を示すために見せていた掌を戻して何やら考えるような仕草をとっては指先を顎にあてがい。いつもと違い身長差が逆転してこちらを見上げるようにランタンの持ち手が少し後ろのガラスに軽く当たるような音を確認すると、どことなく優越感に似た何かが滲む。愛らしいと思ったも束の間、目前へ着く頃にはもう座ってもいない彼が高い位置から見下ろすいつもの状態に自然と顎を持ち上げ腕を解いて下ろし。)
……うん、そこまで言われれば仕方ない。泊まらせて貰えるなんて思ってもいなかったからね、嬉しいよ。
(此方の接近から逃れるように離れゆく灯りに視線が釣られて動く。自身の図々しさに自覚はあれど後悔はしてないと言わんばかりに相手からの説得のひと押しに少し間を置いて口端を弛ませ、どこか薄らとにやついた面構えで納得したと意志を伝える。本来ならば急な来訪の上宿泊など、同種関係なく傍迷惑だろう、しかもこんな交流期間も少なく遠慮を知らない人間相手なら尚更だ。親切な彼の対応や寛大さに感謝すべき状況にも関わらず、あわよくばと欲を紡げば先程まで彼が座っていたソファの背もたれへと手を這わせ、あるかないかも分からない温もりを探すように触れやって)
ちなみに君もここで休めば私は君の寝室には入らず、寝姿を観察することが出来て利害が一致すると思うんだけれど…そこまでは流石に気を許せないかい?
今回きりだよ。そもそも昼に来れば良いものを…。
(まるで此方が譲歩しているような言い方になってしまったことだけ腑に落ちないが、彼女が自分の条件を飲み込んでくれたことに安心し胸を撫で下ろした。思ってもいないなんて言うが言い出したのは相手の方で、駄目元でも押せば要求が通るなんて勘違いはされたくなくて念を押す。泊めるのはこれが最初で最後、やむを得ずやっていることだ。釘を刺すとどうしてこんなことになったのかを思い返し、やはり彼女に原因があることに帰ってくる。自分がお人好しだからなんてものではなくまるで調子が狂わされているよう、壁に凭れると片手でランタンの頭部を抱え、彼女の都合の良いばかりに事が進んでいる現状に不服さを漏らした。)
あぁ…言っておくが僕は寝ないよ。今日中に手入れを済ませたい品があるからね。
(これ以上言葉を続けると説教をしているみたいで、彼女を受け入れた手前長々と不満を伝えるようなことはしたくなかった。泊めて厄介事が増えるのは困るが、彼女だからと特別追い払う理由も無い。俯かせた頭部を上げると彼女を見遣り、どうしてつい甘く彼女の要望に答えてしまうのかと考え込む。自分が目端を細める相手とは真反対に考えを巡らせていることが可笑しく、“知らなくても良い”とひとまず結論を出すことを放棄した。ソファーを撫でる動きに気付けば数秒、普段とは逆に此方が観察するように見ていた視線を外し期待に背くことを伝えて。元々夕食後に昼に行っていた続きをするつもりだったのだし、彼女の欲深さを窘めるものでもない。ただ相手にとって想定外の発言である自覚はあり、振り回す心地が面白かった。反応を窺う前に尋ねては重心を預けていた壁から離れ先に客室の扉を開ける。頭を覗かせ中を一瞥すると改めて室内が使えそうな状態であることを確認し、「何か必要であれば言ってくれ。」と彼女を置いて話を進め。)
(/お世話になっております、中の人からで失礼します…!お返事遅くなってしまっててすみません…!
リアルの方がバタバタしてしまいまだお返事が考えられておらず、早くて明日の夜頃に返信出来るかもという状況です、すみません…。お待たせしている上にご連絡もこうして遅くなってしまい大変申し訳ありません…もう少々お待ち頂けますと幸いです…!/こちらへの返信はなくても大丈夫です…!)
(友好的に接するためなのか彼の気まぐれか、それはさておきどちらとしても彼の寛容な対応に心底感謝はしている。それがあまり表へと誠実な言動として表現しきれておらず彼へ届いているのかは定かではないが、きっと彼ならば感謝をするくらいならば次からは行動にもう少し配慮を見せて欲しいと望まれてしまうか。その要望は非常に難しく恐らく制御出来ない、ときっと彼を困らせるような答えしか出ないだろうからと、彼の渋々と零した言葉に肩を柔く震わせ、「そうだね、睡眠の質を下げては万全な君に会えなくなってしまうから」と悪びれもない様子で返答する。ただ、彼から続いた答えによって自身の認識が誤っていたことがわかるとソファへ触れていた手がぴたりと動きを止め、あからさまに興味に釣られた眼差しを向け。)
寝ない、というのはいつも?それとも今日だけの話?睡眠を必要としない…?エネルギーさえとれば休息もなしに動き続けられるということかい?
(次々に疑問が浮かんでは問いかけへと変わって彼へ投げられていく。睡眠をとるのならばどのようにしてとるのか、その炎の形が変わったり、はたまた一時的に消灯のように消えたりでもするのだろうかと想像を膨らませていただけにそもそも寝ない、などと意外な返答に驚きを隠せず、彼が部屋の確認して此方へ向き直ったところへ無遠慮に質問攻めをまたもしてしまう。声のトーンこそ落ち着いているが、1ヶ月近く接してきた彼からすれば此方が年甲斐もなく高揚しているということは伝わっているだろう。手のかかる子どもとそれを寝かしつけようとするベビーシッターのような構図、後から気付いてハッとする。いい大人がと羞恥心が沸き起こったわけでなく、彼自身のことになると探究心に突き動かされて自制が効かなくなることに力が籠って僅かに上がっていた肩を鎮め。一人で研究に没頭してばかりになるとこうして相手のいるような状況の時にどうしても歯止めが効かなくなる。口元へ蓋をするかのように手指を添えて、先のように距離を詰め寄ろうとした足先に力を込めて制すると相手へ笑いかけるように目を細めて。)
すまない、君のことになるとどうも夢中になってしまう。また今度この話は聞かせてくれるかな?…それとも君が手入れの片手間に話し相手になってくれるなら、喜んでお願いしたいけれど。
(/お待たせしてしまい申し訳ありません…引き続き、よろしくお願いいたします…!/こちらもお返事不要です、度々すみません…!)
おや、よく抑えられた。
(部屋の中を確かめている間に投げ掛けらたのは自分の身を案じた言葉で、一見心配されているようだが実際は観察への影響を気にしたもの。相変わらずの自分本位さに肩を落としつつ振り返ると、此方への興味が篭った双眸と視線が合った。目と言うものは持ち合わせていないが、それでも今彼女が視界の真ん中に己を捉えていることが察せられ、見覚えのある空気に既にランタンを後ろへ傾ける。予想していた通り、堰を切ったように忙しなく彼女の口が回るといくつもの質問が向けられた。1つの言葉を皮切りによく何個も疑問が思いつくものだと感心すら湧いてくる。これで窘めるのも何度目かなんて聞き流しながら考え、言葉が途切れたのを見計らって口を出そうとしたところで彼女が自分の口元を抑えている姿に気付き呆然とし。普段ならこのまま距離を詰めるところを、その場に留まり、自分の特質を自覚してはにかむ様子が珍しく驚きで反応が数秒遅れる。これも自分が度々物申してきたからだろうかと思えば、自制のできた彼女に此方から歩みを進めて軽く頭に手を置いて。上記を添え、そのまま軽く頭を撫でる。自分からすれば彼女は充分子供らしく、出来たことはしっかり褒めてやろうと思えた。)
君も万全な状態が良いんじゃない?眠気眼で尋ねられても、答える気にはなれないな。
(あからさまに喋らないよう口元を手で抑える姿が面白く、相手は必死なのだからと笑い声がもれないよう肩を竦ませるのみで。頭に置いていた手を離すと彼女が持ち掛けてきた約束には「…まぁ、僕が覚えていたら。」とはぐらかす。食事についても睡眠についてもだが、エネルギーを補給したり消費を抑えたりする点では人間となんら変わりない。話すことが無いようにも思え、何か尋ねられても興味を擽る回答は出せる気がしなかった。当たり前のことに何をそんなに夢中になるのやら、きっと彼女の中では自分が相当異質な存在に見えているのだろう。それでも人間との会話というものは面白く、こうして話し過ぎないようにと気遣いが出来るようになった様を見るとまた相手してやっても良いなんて勝手に判断を下す。暫く空に彷徨わせていた掌を相手の肩に置くと、自身は彼女の後ろに立つように。前へ、客室への道を開けては自分より彼女のほうが睡眠を取るべき種であることを考え上記を伝え。)
(/お返事不要とのことでしたが、失礼します。
お返事遅れる際に背後のみでもお伝えいただけて助かりました…!お手隙の際にお返事なさってください。自分も返信が遅れてしまいすみません…。お互い無理せず、ゆっくり進めていけたら幸いです。)
(混じり気のない褒め言葉を向けられる機会は少なく、その上相手側から珍しく詰められた距離に息を微かに呑み込む。遠くへ位置するその灯火に顎を上げ視線を向けようとしたも、不意に頭上へと翳され差した影がそのまま降りてきて、大きな掌に頭を撫でられると視線もある程度の位置で止まり。驚きに体が固まり、撫でられ小さく揺れ動く感触とそれに比例して揺れる視界で状況を把握するとなんとも言えない心地に上を見ようと上がっていた顎が徐々に下へと落ちていき、視線も相手から外れていく。幼い頃以来の感触は、気恥しさに似通った感情の隅に嬉しさも入り交じっているようなと、蓋の役割をしていた口元を触れる手指の温度がやや高まったような気がした。頭上へ置かれていた時間は長くはなく、離れた感覚の後でゆっくりと手を下ろし、熱も落ち着いた様子で相手を見遣ろうとするもそのまま後ろへ隠れてしまうように移動した相手へ視線が追うことは適わず。)
君がいれば夜通しの研究は難しそうだな、健康的な生活を送れてしまいそうだ。
(隣接する客室へ促されるよう置かれた肩への重み、これもまた久しくぶりだとむず痒い。その手をとって絵本を読み聞かせてもらうような時期が自分にも少なからずあったことを懐かしむように思い返しふと笑って、少しだけ身を捩って肩越しに相手を見上げる。前へと進めば、その手は簡単に離れるだろうか。少しの間を要し、名残惜しそうに緩やかな足取りで客室の方へ進むと扉をくぐる直前、足を止め半身を相手の方へと振り向かせば片手を擡げ軽やかに左右に揺らして見せて)
ありがとう。おやすみなさい、フレイ。
(/温かいお返事、ありがとうございます…!そう言っていただけますと本当に有難いです、ありがとうございます…そちら様もご無理ない範囲で…!
あとちょっと迷った上で最後の描写を消してしまいましたが、ここで特別行動がなければオバナは客室へ入って大人しく就寝するかと思うので、このまま別れそうであればご都合いいように翌日に飛んでいただくか、私の方で翌日に飛ぶロルに繋げるようなロルでお返事頂ければ幸いです…!(難解説明で申し訳ありません…!) 中の人から続けて長々とすみません…!)
(後ろから彼女の頭を見下ろしながら、肩に手を置いた時の感覚を思い返す。想像していたより手を降ろしたような気がして、彼女が普段よりも小さく感じられた。自分が人間よりも大きな背丈を持つことは重々分かっていた。影が落ち、何もしなくても無条件に怖がらせやすいことも。だから人気のない森の中で過ごしたり街へ出る際は頭部を変えたり、ある程度の配慮はしているのだが、彼女はそんなのを一切気にせず自分に興味の目を向けてくる。むしろ炎がよく観察できるなんて考えるだろうか。不思議で珍しい、却って面白い…なんて、視界から外れているのを良いことに見定めるような感情を向けていた。徐ろに頭が動き此方を振り返る素振りに気が付くと、それを隠そうと頭を斜め下へと逸らす。口振りからして寝ずに研究に没頭することもあるらしい、適当な生活に呆れてはため息が漏れ、手から肩が離れたことに気付き改めて顔を向ける。彼女の清々しい笑みが見えると不思議と嫌に思えず、退屈を遠ざけてくれた自由な振る舞いを受け入れるよう手を振り返し「あぁ、おやすみ。」と短く挨拶を。しんと静まった空間から彼女の姿が吸い込まれた扉を暫く眺め、炎が空気を含み膨らむ音で現実に戻されると残っている作業へと意識を向け書斎へ足を運んでいった。)
ーーーー
(今日の内に仕上げるつもりだった指輪を3つ、それと針が止まったことを思い出してリビングの掛け時計も取り外し、ついでに気分転換に置いている骨董品の位置を変えようなんて考える。物に囲まれていると1人だと広い屋敷も色々楽しみ甲斐があって悪くない。時計盤を閉じ、今はどこに何を置いていたか確認しようと書斎を出てようやく、カーテンの隙間から白んだ光が漏れているのに気が付いた。時刻を確認しようとするも、丁度時計は外してしまったところ。書斎に戻って棚に置かれた時計を見ればすっかり朝の時刻を迎えており、時間の経過を自覚した途端、首の上で揺れる炎の勢いが弱まって。寝なくても大丈夫とはいえ、ずっと燃え続けエネルギーを消費すると疲れを感じてしまう。炎が燃えやすいように頭部のランタンを外すと、灯りの大きさも1,2回り大きくなった。人間で言うエネルギーの消費を抑えるための睡眠や息苦しくてネクタイを緩める行為が当てはまるのだろうか、と彼らのことが脳裏を過ぎったところで一時的に泊めている彼女の存在を思い出し小さく声が漏れた。身なりを整える感覚でランタンを被り直し、連日同じ姿になることが気になり手袋の上から嵌めている指輪を他のものと変える。磨いたばかりのも1つ加え、赤い石が己の炎を反射し似た煌めきを放っていた。満足気に眺めてから、リビングを通り客室の前へ。「オバナ、起きているかい?」と扉越しに声を掛ける。ノックもできれば良かったのだが、ガスで満ちた身体でははっきりと扉を叩く音を出すことができなかった。彼女の返事を待ちながらソファーへと歩みを進め、後ろから凭れ掛かりながら彼女を帰す算段を考えて。)
(/お気遣いありがとうございます。自分も忙しいと2,3日以上返信が遅れてしまうかと、一言お伝えするようにいたします;;
翌日に飛ばして朝のフレイ側の描写までさせていただきました。合わせづらさ等あれば遠慮なくお申し付けください!ちなみに朝は何もなければ屋敷からオバナちゃんを帰して一区切りかな…と思っているのですが、何か描写したいことはございますか…?)
(いつの間に落ちていただろう。完全に外界と絶った意識が徐々に戻され始め、暗い視界に滲んだ光に気付いて薄らと瞬きを繰り返し、一度溜め込むように瞼をぎゅ、と閉じてからゆっくりと上げる。覚めてまず目に入ったのは人のものにしては大きな寝台の上、と言うにも全身が乗り切ってはおらず縁に倒れ込むような体勢で突っ伏していたらしい。ゆっくりと体を起こした時にはその妙な体勢で起きるなど思ってなかったか、バランスを崩して床へ雪崩るように倒れ込む。ぼんやりとした意識の中半身を起こせば視線をゆっくりと辺りへ巡らせ、状況を理解したのか掠れた声が「ああ」と漏れでた。昨夜は室内にある骨董品を触れないようにしながら観察したり、見慣れない室内をゆっくり歩き回ったり、手元にあった彼のことを記したメモを眺めて改めて考察したりと眠りに落ちてしまうまでには随分と時間を要した。外から聞こえた小さな鳥のさえずりに擡げた頭が窓枠へ向き、ベッド側へと凭れてやや乱れてしまっていた髪を手探りで感覚的に整える。間もなく聞こえた扉越しの籠った声に少し遅れて動き始めると、床から立ち上がるなり起きて間もない覚束無い足取りで扉の方へと歩み寄り、ドアノブへと手をかけると自重で押し開けるようにして隣室へややだらしのない姿を明かし)
…おはよう、フレイ。ゆっくり寝てしまった。
(戸の先、起きて直ぐに彼の姿を見るのは新鮮で冴えてきた意識の中でじわりと込み上げる心地良さに口角をやや弛め。目覚めて間もなくして誰かと対面し、こうして挨拶を交わす機会などそうないと心地良さの余り、相手が知る由もない不本意にも眠ってしまったことを告げて室内をゆるりと跨ぎ移り。朝にはまた違った姿を見られるのではと不躾な視線が彼が動く度に追いかけるも、身なりに無頓着な研究者は彼が昨日と今日とで指に整えられた装飾が差し替えられたことなど気付きもしないだろう。起きた直後でいつもより低い声に喉を小さく鳴らして調子を整えると、挨拶の続きにと彼の体調を問いかけてみて)
本当に一晩中起きていたの?疲れていない?
(/すみません、また空いてしまいました…!
朝まで描写を飛ばして下さりありがとうございます!とても助かりました…。そうですね、今回の観察させてもらったことや記録をまとめるためにオバナはそそくさと帰りそうかと思うので、そこで一区切りつくのがいいかもしれません。
長々と中の人が出てきてしまっていて申し訳ないのですが、折角なので次の展開についてはこのまま相談させて頂いても宜しいでしょうか…?)
あぁ、見れば分かるよ。良いことじゃないか。
(泊まらせるなんて勿論初めてのことで、彼女が朝に家を訪れたこともない。となると自分の朝の様子を見せるのは今回が初めてになるのだが、特質上シャワーを浴びることが無く朝食も用意も後回しにしている。休んでいないこともあり見た目は昨日とあまり変わりが無く、新しく興味を向けられるものも無いだろうと1つ安堵のため息を付いては肩を落とした。それに呼応するように炎が大きく揺れ、己の身に溜まる疲れを実感する。普段なら一晩程度なら起きていられるはずなのだが、彼女との会話に逐一反応していたせいか一層エネルギーを使ったらしい。けれどその様を客人に見せるもことを己のプライドが許さず、彼女を帰してから、今日一日はランタンを外して過ごそうなんて考えていた。手袋に嵌めた指輪の反射越しに炎の明るさを確認していると、蝶番が軋む音が聞こえ、床の木目から客室へとランタンを向ける。そこから出てきた彼女の姿に呆然として一瞬身を強張らせるも、向こうから口を開かれると我に返ってソファーから身を離して、皺の残った衣服や抑えきれずに跳ねた毛先に言及したい気持ちを堪え「おはよう、お嬢さん。」と挨拶を返し。容姿を気にせずに口元を緩ませる様子に満足に眠れたと分かり安心しつつ、望んでいないような口ぶりに肩を竦めて小さく笑みを零し。)
一晩寝ないことはそう珍しく無いし、特に変化も無いよ。昨日と何ら、変わりない。
(次に言葉が続いたと思えば質問が投げかけられ、寝起きにも関わらず昨夜と同様に研究熱心で呆れてしまう。心配されることは自分の性には合わず、少し見栄を張るくらいが丁度良い。そう思うと彼女を帰す用意をしようと背を向け、玄関口へと足を運びながら答え。選ぶ言葉はどれも間違ってはおらず、頭上の炎も昨晩と同じ大きさで維持しており新たに興味を惹くものは無い。更に尋ねられることを避けて此方から話題を変えると、玄関の扉周りを見渡し、棚の上に飾っていた卓上鏡を近くへ置いて。)
さて、帰るんだろう?せめて身なりを整えてから出て行くと良い。急かすつもりは無いからね。
(/繋げられるロルを送れていて良かったです。返信は続けやすい頻度で大丈夫ですし、背後露出も特に気にならず、度々ご相談出来て寧ろ安心です。このままお話を続けましょう。
そしたらこの展開はどちらかのロルで区切りの良いときに〆ましょうか。朝のオバナちゃん、フレイと真反対の雰囲気がして可愛かったです……!次の展開については、何か描写されたいもの等あれば是非お聞きしたいです。)
(此方を視認するや否や、彼の反応が心做しか堅い気がした。ここでどうしたのかと近付こうとしても、きっとその距離は縮まりはしないだろうと無意識に動きかけた爪先に力を込め。元より活力のない瞼が寝起きのせいか更に伏せがちだったも、その瞳が彼の揺らめいてる炎をじっと観察するよう覗き込むと闇夜の中でなくとも綺麗なものだと飽きることの無いその動きに意識を奪われてる最中、返された挨拶に顎を上下に小さく動かすとやっと集中が途切れる。こちらと違い休息を取ってないだろう相手に向けた心配に彼自身問題は無いといった通り、一見して不調は確認できない。肉体の構造も知らなければ服下がどうなっているのかすら知りもしない自分からすれば、その言葉を疑うことも出来なく言われるがまま納得するよう肩を竦ませ、「信じるよ」と一言添えた。そしてまるで予防線かのようにそれ以上の追撃を許すまいと、自身の近くへ鏡を置かれ紡がれた言葉に一度彼の炎を瞳に反射させてから鏡へ移す。窓の反射も利用せず、無造作に整えた髪が整いきれておらず服も訪れたばかりとは違い皺が出来てしまっているのを鏡越しに漸く確認できると、彼がこちらを見て反応してたことを思い返して謎が解けたとばかりに再び彼の方へゆっくりと視線を擡げ。)
ふふ、これは酷い。……じゃあ服は自分でやるから、髪の方を整えてくれるかな。その方が早く終わるだろう?
(くつくつと喉奥で笑い掠れた声でそう返すも何を思ったか、少し考えるように視線を逸らして黙ること数秒。悪戯気にもう一度視線を合わすと、さも効率化を図ろうというそれらしい理由を述べて身支度を手伝わそうと小首を傾げて目を細め。妙な間でも訪れたなら、冗談だと軽く笑って己で整え出そう。)
(/お気遣いありがとうございます…お言葉に甘えて大分こちら都合な返信速度にさせて頂いております、すみません…。
わわ、ありがとうございます…!朝からフレイさんに挨拶してもらえる世界線に飛びたい。
そうですね、いい所で切って次の展開に…(と言いつつ少し困らせたくてぶっ込んでしまってすみません)。次の展開悩ましいですね…町にお出かけはハードルが高そうではありますが、外で会える機会があったらな、とふんわり思っていますが…。何かやりたい事あったりしますでしょうか…!)
何で僕に……。櫛なんて置いていないというのに…いや、少し待ってて。
(客室の前で迎えてからずっと向けられていた此方を探る視線が鏡へと移され、いつも通りに保っていた炎が安堵のため息の代わりに空気を包み揺れる。その前に一言、研究にはそぐわない言葉を返され彼女が不服な様子が伝わるも、察しの悪い振りをしランタンを傾けた。後は鏡で容姿を整えてもらい見送るだけ、自分の役目を終えた気でその場で後ろ手を組み鏡を見遣る彼女を見下ろしていたところでまた此方へ双眸を向けられ、必要性が無さそうな頼まれ事に戸惑い肩を竦めて。腕を前へと移し組み直し、そのまま頭を抱えるように片方の手をランタンへと添え、嫌では無いものの使役されることが癪で返答に悩む。それでも雑に済ませるという考えは無く、自分の集めた小物の1つを思い出すと徐ろに書斎へと足を運んだ。)
これ、前に迎えた品なんだけれど…使える者の手に渡った方が物も本望だろ。ま、夕食のお礼とでも思って貰ってくれ。
(書斎から琥珀色の小箱を片手に戻ると、玄関前でそれを開いて見せる。中には鼈甲で作られた櫛がクッションに包まれ収められていた。炎に当たると現れる艶に全体に広がる模様の濃淡、櫛先を照明に透かすと薄く光が透けて繊細な技巧が窺える品で、確かに自分が惚れて購入したものなのだが、生憎使う機会は無く仕舞われたままだった。箱の質を見るに美術品というよりも日用品に近い価値のもので、実用性を見出し相手へ贈っても問題は無いだろう。自分が直接彼女を整えることはしなかったが、手入れに気を遣う性分が彼女の無頓着さを見過ごせなかった。気を遣わせないためにも贈る口実を考え、使うことを促すよう箱を開いたまま鏡の隣へ置いておく。彼女の言う効率性なんてものは考えに無く寧ろ彼女を引き止めてしまったが、物が真価を発揮出来る場所を見つけられたことで声色は明るかった。)
(/私も日が空くときがあるので、お気になさらず。強いて言うなら長く空くときに一言頂けると嬉しいぐらいなのですが、以前伝えて下さったこともあって不安等もございませんので…!
自分もついフレイに物を贈らせてしまい…困らせられる度、彼はどう返すか考えるのが楽しいです。
外だと、日用品や骨董品のために町へ出たり、薬品作りを市街の人に頼まれた時にはそちらへ出ることもあると思います。希望とは少し違うかもしれませんが、オバナちゃんの外出時と合うものがあればそちらで進める方針でいかがでしょう…?)
(この巫山戯た要求に対し呆れたように一蹴されるだろう、そう想像していた為早々と衣服から整えようと白衣の襟元に手をかけていたも束の間、紡がれた反応は案の定かと思いきや、予想外にも部屋外へと消えていった姿を横目で追い頭上に疑問符を浮かべる。彼が部屋から出ていき数分も経たない内に戻ってくると、彼の手元には先程までなかった箱がその大きな手に収まっていた。コレクションの内の一つらしいが、本来の用途とは別として手元に置いていたのだろう。迎える、その表現が収集した数々の品達が如何に彼にとって大切なものか物語るようだとふと微笑む。だが以降の言葉は想像していなかったと、いつもの低めの声音からワントーン上がったような声が問い返すように短く上がり。)
え____ふ、あははっ。君は本当に優しいね。そうか、うん…そう言ってくれるなら有難く頂戴しようかな。
(本来なら馬鹿らしいと、そんな一言で終えられる戯れにも彼は誠実に返してくれる。押しかけられている側の立場であれば詫びの品を受け取るべきだというのに、またもおかしげに、今度は声に出して笑い声を。思わず出てしまったとばかりの笑い声は彼の前で晒したことはなかっただろうか、一呼吸置いて落ち着かせると彼からの厚意を嬉しそうにして受け取ろうと傍へ置いてもらったその櫛へ手指を伸ばす。今までこういった物への知識や関心はなかったものの、程よい厚さの櫛は朝陽の光を透かして綺麗にその色を魅せ、彼の炎の近くで照らせばより深くその模様を浮かばせ綺麗だろうかと想像が膨らんだ。自身の跳ねた毛先に櫛先を通し、鏡を見ながらある程度身支度を整えられたなら役目を終えた櫛を撫でるように触れ、箱の中へ仕舞うと借りていた鏡を相手の方へ返すよう手に持って「これもありがとう」と礼を添えてその大きな掌へと手渡し。返却が済めば琥珀色の箱を閉じ、長居をしてしまっては彼のことを記録する時間も減ってしまうかとその箱を昨日夕飯を入れて運んできた籠の中へ移して向き直り)
それでは邪魔したね。昨日は夜遅くにすまなかったよ、私にとってとても有意義な時間になった。…櫛のお礼もしたいって口実で、また会いに来てもいいかい?
(/すみません、ありがとうございます…。連絡気をつけるよういたします…!
綺麗な櫛を頂いてしまった~!押しかけたのに贈り物までくださるなんて寛大すぎるフレイさん…。
フレイさんの外出事情ありがとうございます!いえいえ、外で会える機会があればと思っての希望だったので完璧です。オバナは食料が無くなった時や魔道具用の材料を補充する際に町や森に出てくることがあるので、タイミングが合えばフレイさんを見かけるなり勝手についてまわれるかなと…フレイさんが落ち着いて見て回れなくなるのは可哀想ですが…)
(櫛の持ち主を見つけることができて満足し早速使われている所を見ようと彼女の反応を窺うも、いきなりの贈り物に驚かせてしまったのだろうか、少しの間が空いてしまった。不思議に思い首を傾げていると、沈黙を割くように相手から高笑いが起き今度は此方が虚を突かれる。ただ相応しいであろう者へと贈っただけだが褒められることは嬉しく、受け取っても貰えるようで、小さく笑みを溢しては彼女の髪を梳く櫛へと視界を移した。窓から差し込む日も相俟って暖かく穏やかな一時に、櫛と共にその画をつくるのは彼女であり、寝ずにいた疲労を忘れ人の営みについ惹かれる。目線というものを持たずともまじまじと眺め過ぎていると傾く視線に気付かれてしまいそうで適当な方向へと顔を背けて。)
…お礼ならもう受け取ったよ?それにそんなまどろっこしいことをせずとも、来たいのであれば来ればいい。僕がいるとは限らないけど。
(彼女の方から声をかけられると与えられた感謝へ短く声を返し、小箱が籠の中へと仕舞われていく所を見届ける。身なりに無頓着だが、物を杜撰に扱うことも無いとこれまでの付き合いから人の良さは見て取れ、あの櫛もきっと大事に扱ってくれることだろう。昨晩は人を泊めることに抵抗があったものの、こうして人が紡ぐものの一片を見ることが出来た。思わぬ収穫に気を良くしお礼の提案に片手を胸前で軽く振ると、“既にお返しは与えられている”と答え。建前で訪れられても態々意図を組むのが面倒で、人付き合いの丁寧さからか離されたように感じる距離を此方から詰めては万が一のときは逃げられるよう一言付け足す。言及される前に人間が使うには高い位置にあるドアノブへ手を掛け、先に扉を開けそのままくぐれる程に高い位置で抑え。最後に反省の色を示す彼女に念を押して。)
僕も、悪くはなかった…けど、次からは帰すからね。今だって気を付けて帰るんだよ。
(/着いてきてくれる姿、身長差が堪らないです…!
オバナちゃんの買った物を見て彼女の研究分野や彼女自身に興味を持つきっかけになると良いなと思ったのですが、お互い街へ買い物に出たところに出くわすのはどうでしょうか?フレイは薬品の材料を買った帰り、あわよくば骨董屋に寄ろうとしていたところだと着いて来るオバナちゃんに困って丁度良いと考えております!)
(/中の人からのみのお返事で申し訳ありません…レスが遅くなるという連絡になります、連絡が遅れてしまいすみません…!20日中までにお返事できるかと思うので、もう暫くお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません…。
併せての返信で申し訳ないのですが、次展開のご提案ありがとうございます…!鉢合わせからのついてまわられて困っちゃうフレイさんが可愛すぎるので是非其方でお願いしたいです!次レスでオバナはお暇するはずなので、数日後に外でばったりと言う展開まで飛ばしてしまおうかと思います。もしこちら問題ありましたらご指摘をお願いいたします…!
では最初の方に記載した通りこちらの都合で申し訳ありませんが、レスの方はもう暫くお待ちください…!)
(使い方を知らない訳でなくとも、使う機会のない彼らからすれば本来の用途通りに使用している姿を目の前で見るのはやはり物珍しく感じるのだろうか。自分たちにとっては至って普通の日常的行為のそれを興味深そうに見られると不思議なものだと、どことなく感じる視線のような気配に心做しかいつもより丁寧に髪を梳いた気がした。だがそれも気のせいだったか、終えた時には彼の頭はこちら側とは別に向いてるのを見るだろう。反射するその炎がどこを見ていたのか、そして自分は自意識過剰だったかと独りでに若干の気恥しさを感じていたも刹那、此方からの問いに対して返ってきた答えは予想していたものとは違って穏やかなもので。少しは叱られでもするだろうか、など悪賢い子どものような思考で構えていたために意外な返答だ、と嬉しそうに喉を震わせ。)
ふふ、わかった。君の良心をこれ以上利用はしないよ。…それじゃ、君も戸締りに気をつけて。
(自分が扉を叩いた時、返事をしなければそこで追い返しもできただろうに。それでも扉の奥から返事をしてくれたのは何故かというのは、親切で温かな彼に聞くのは意地が悪い質問だろう。早く帰るようにと扉を抑えるも、忠告の最後に心配を添えてくれる見送りの言葉におかしそうに眉を下げてこちらからもお返しの言葉を送る。行きとは違った重さの籠を手元に、温かな陽光の下を鼻歌でもか細く零してしまいそうな程浮ついた気分で帰路に着いた。)
_________
(彼の家で世話になってから数日。泊まった際に記録していたメモを基に読みやすくなるよう本程の大きさがある紙束に書きまとめ、着想を得た魔道具の発案や魔術への応用の可能性を別紙へ記す。発案したものの実現が可能かどうかの検証をするにも材料は有限。恐れず回数をこなして検証をしては材料にも限度があるため首を絞めてしまう。なるべく少ない検証数で抑えるためにもどうすれば実現可能に近付けるかを長考し、書き直す時間に比例して紙の数が増えていく。日が昇っては沈むを数回見送り体力が限界を迎え、気絶するように眠った時には床や机上が書き尽くされた紙で埋まっていた。次に意識が戻った時、視界に広がる紙の世界に気付いたならまたかと言いたげに浅く溜息を零し、現実逃避をするように浴室へ眠気眼のままのそりのそりと逃げ込む。暫くしてまた再会する室内は当然景色が変わっている訳もなく肩を落とした。今はこの部屋に入る気が起こらないと、乾かした髪に鼈甲の櫛先を梳かせながらぼんやりと考えを巡らすも片してからでなければ検証に移ることも難しい事実に行き着き眉を顰め。材料の補充をしてから考えようと身を翻せば、見たくない現実を背に身支度を始め出した。)
____…案外不足物が多い…、……ん?
(小さな町でも昼下がりは賑わい、普段なら家の中から程よく聞こえる心地良い人々の声を聞いていたが今は周囲から直に聞こえる。前に買い出しに出たのはいつだったかと考えを巡らせるとついでに浮かぶのはあれもこれもと足りてなかった材料のこと。今手に持っている空の籠に、足りていない材料とすっかりなくなった食料の補充も計算すれば自分の体力で家まで持って帰れる気がしないと顎元に手を添えて思案し、台車でも持ってくればよかったかと考えてる最中。視界端に捉えるには収まりきらないような大きなシルエットに気付きはたと意識を向ける。見慣れたような、だがこの町で見かける機会はあまりなかったと見知ったその姿に考え事は一度片隅へ置き、躊躇なく歩み寄ると横へ着き、覗き込むようにして声をかけた)
先日は世話になったね、フレイ。こんにちは。買い物にきたのかい?
(/お待たせしました!どこかお店を覗いてるところでも、向かってる最中に出くわしたでも大丈夫なように描写してみましたが、もしやりにくかったりしましたらご指摘いただければ修正しますので遠慮なく仰ってください。
長らくお待たせしてしまい申し訳ありません…!引き続き、よろしくお願いいたします!)
(彼女を見送ると屋敷の中はしんと静かになり、見慣れた風景に戻るのはいとも容易く早かった。ランタンを外しゆっくりと過ごして1日を終えると、次の日には体調は万全な状態に。丁度、森近くの町の更に隣にある地区から薬剤作りの依頼が来ていたことを思い出し、食卓で炎へ朝食を放ると屋敷の2階の作業場へ歩みを進めた。そこへ置いていた手紙を見れば園芸に使う薬が欲しいのだそうで、作物を守る獣除けそれも魔獣にも効くものが欲しいらしい。後ろに並ぶ棚を眺めては使えそうな素材を思い浮かべ、小さな引き出しからそれぞれ取り出し机へ並べ次第に意識は仕事へと澄まされていった。__庭でもあるのだろうか、一人からの依頼にしては頼まれた薬剤の量は多く、数日経って作り終える頃には空になった引き出しが幾つか見受けられた。空白が気になり、次の日には南瓜の被り物へと頭部を変えて買い物へ。町を抜けて市街地へ出れば怪訝そうな目も増えるも、もう慣れたもの。そう思っていたのだが、見慣れた町へ戻ると一息、自然とため息が漏れてしまった。)
………………やぁ、オバナ。こんなところで会うとは奇遇だ。
(薬草や調合に使う素材をまとめた紙袋を片手に抱えながら、そういえば前に骨董屋を赴いたのは何時だったか、ふと思い出した記憶に道の中程で足を止めた。最近は小物を買うことが多く、通りにある店へは顔を出していなかったはず。大きいものを扱うからか物の入れ替わりも落ち着いており、こうして気まぐれに思い出した際に寄るくらいが丁度良いのだろう。行く先を屋敷から変えようと外へ意識を向けたところで前方から向かってくる見慣れた背丈の人影に気付き、調子が狂わされてか被り物の中で炎が大きく揺れた。何か行動を取ろうとする前に素早く傍へ寄られてしまい、見覚えのある声色に口調に空いた手で被り物を抱える。けれど無視が出来る程の冷酷さは持ち合わせておらず、面倒だと分かっているせいで少し迷った後に南瓜から手を離し彼女へ軽く振ってみせ。尋ねられれば答え、態々横に並ぶ理由が分からず彼女へ体を向き直し。相手の空の籠を見やるに自分とは逆の状態なのだろう、早々に会話を切り上げ別れてしまおうと適当に言い切ると骨董屋へと踏み出した。)
あぁ、仕事で使うものを幾つか…いいや、此処へは買い物というより寄り道に。君はこれから向かうところかな?良いものが買えると良いね。
(/新しい場面の出だし、ありがとうございます!お店に向かう最中という風にさせていただきました。
自分も返信は遅い方かと思うので、也もゆっくりお互いの無理のないように進めて行ければと思います。こちらこそ、よろしくお願いします…!!/返信不要)
おや、私の顔を忘れてしまったのかと思った。
(掛けた挨拶に対し何か思い悩むかのようにして長い合間を要した後、漸く聞こえた返事にくつくつと喉を震わせ。自分を見てこの様子なら相手が何を思ってるかなど決まってるだろうに、思ってもない冗談で返すのは些か意地が悪いだろうかとおかしげに眉をやや顰めて口元が薄く弧を描いて。下から覗いた相手の頭部は、以前話していた魔除けに使われるような南瓜の怪人でも模したような彫り方がされており、表情が変わることなど当然なくともある程度何を考えてるかの想像がつくのがまた面白い。比較的自分達に馴染みのあるその頭部でも人間の成人男性よりは頭ひとつもふたつも高い位置にあるその頭が、参った、と言いたげに困惑する姿がどこか愛らしく見え。そんな事を素直に告げてはただでさえ詰まることのない距離が更に開いていってしまうことだろうと言葉を飲み込み、律儀に応対する彼の人の良さに微塵でも配慮をするのであれば紡がれた言葉の意図を汲み取ってやるべきだろうが、離れるつもりは毛頭ないと口に出していなくとも分かるほど躊躇なく彼が足を一歩踏み出しのならその後ろにさも当然かのようにして足先を向け。)
そう、私も買い物…なのだけれど、それより気になることができてしまった。君がどんな物に関心があるのか、普段どのような過ごし方をしているのか、とても興味深い。荷物が少ない今のうちなら体力のない私でも負担は無いだろうし、同行してもいいだろうか?
(清々しい微笑で図々しくも今しがた用事の優先順位が変わったと彼からすれば一層頭を抱えるだろう悩みの種を無慈悲に植え。気にせず買い物をしてくれ、そうと言わんばかりの位置からついてこようとし、控えめな問いかけに反して意思は固いと感じさせるその微笑は彼にどう映るのか。先日邪魔した時よりも彼の素顔が分かりにくいその南瓜頭の中のゆらめきを間近に観察したいが避けられてしまっては機会を逃してしまう。距離は今のままに、彼からの反応を伺うように下から少し見上げる程度に視線を注いで。)
それなら買い物に向かうべきじゃないかな?僕の用事に付き合った後ではきっと疲れてしまう。何せ、此処から暫くは歩くだろうからね。
(人外種である自分にこうも積極的に詰め寄る人間なんて、思い当たるのは1人しかいない。けれど言葉1つ1つに噛み付いていたらきりが無く、軽く振った手を降ろし終えるとお互いの用事へと歩みを進めた。挨拶とはそれくらいほんの一瞬に交わすものなはず。だと言うのに、自身が踏み出した1歩に合わせて後ろから重い革の靴音が聞こえてきた。音の主は誰なのかなんて容易に予想でき、間もなく声が聞こえてきて答え合わせになる。幾度も聞いたことのある声にため息を漏らすと、後ろを振り返ることなく首を傾げて心配する素振りをして。体力が無いと自覚しつつも好奇心に身を振り回すなんて呆れつつ、あくまで建前、距離があるという程でもない道のりでも断る理由を作るには丁度良かった。)
まぁ、それでもいいと言うのであれば好きにすると良い。……ゆっくり歩いてやろうか?
(自身の背中に注がれる視線へは市街地で浴びせられたものとは違い不思議と平然としていられた。それに此方から忠告はしたものの、これまで一度湧いた彼女の興味を抑えられた覚えは無い。歩きながら思考を巡らせては炎がそれに応えるように左右へ揺れ、ゆっくり中央へ真っ直ぐ伸びる火柱に戻れば後ろへ振り返って。見ればやはり後ろにいたのは彼女で、となると追い払うなんてことも難しいだろう。足を止め、肩を竦めては諦観交じりに選択を相手に委ねることにした。それに骨董屋やそこにある品々を人に見せることに少しの嬉しさもあった。櫛を贈った際に実際に人が使う様子を見ることができ、その画は今も記憶に強く残っている。人が創る物が好きなことは自覚しており、それを使う生活の一部から暖かさが感じられ魅入られるのも納得がいく。彼女が自分ではなく並べられる商品にも目を向けてくれたらなんて期待を抱き、歩幅の差から空いた距離に気付くと片手を南瓜の口元にやりながら尋ねて。)
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