さすらいの旅人さん 2024-09-08 18:25:07 |
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ん…ちょ、ちょっと…!
(貴方のことを信用する、と口に出した後、今貴方はどんな表情をしているのかを見るために視線を上げようとした際に頭に貴方の大きな手が置かれ。突然の事で抵抗することも出来ず、流れに身を任せる形になってしまっていれば犬を思い切り撫でるようにする手つきに今まで撫でられたことなんてなかった為、経験したことの無い感覚に戸惑いながら嫌な感じはせず。口ではやめてほしそうに呟くも耳は撫でやすいように垂れているため本当に嫌がってはいないようで。)
あー…失礼を承知で聞くんだが…耳にも触れてみてもいいか?
(こちらが思っていたよりもずっと大人しく、抵抗もすることなく素直に撫でられ続ける彼女の反応を見れば、あるいは今ならこれも許されるのではないかと、純粋な自身の好奇心からくる欲望のまま、今は敢えて極力触れないよう避けている彼女の頭上にあるふんわりした体毛に覆われた二つの獣人たらしめている部位に熱い視線送り。もちろんそんなに軽々しく触れて良いものかどうかはこれまで獣人という種族とは関わりを持った事は無かったため、場合によってはかなりデリケートな要求である可能性を念頭に置きやや遠慮がちに彼女へと確認をとって)
…いい、ですよ…
(頭を撫でられている最中はやはり気持ちがいいのか目を閉じて、特に撫でられるのが好きな場所を撫でられると耳をぴくぴくと動かし、ふわふわのしっぽを左右に軽く揺らして。どうやら撫でられるのが気持ちいい、というのは本能で植え付けられているものである為、耳やしっぽが動いているということにすら気が付かず。獣特有のふさふさと毛の生えた耳が頭を撫でている最中にも気になって触ってみたいと思っていたのか、遠慮がちに耳を触っても良いかと聞かれると少し考えた末に頷いて。頭すらろくに撫でてもらったことがないため、もちろん耳になんて触れられることはなく、触れさせることになっても嫌がっていただろう。)
良いのか…!?よし、じゃあ触るぞ
(頭を撫でていくうちにどんどん変わっていく反応、しかしながら相変わらず抵抗するそぶりは一切見せずこちらに全てを委ねてくれている彼女の様子からして、見るからにそれが不快感などではなく心地よさからくるものだということがわかれば、最初の印象からここまでの短期間での変化に驚きつつも、こちらの不躾とも思える問いかけに考えるだけ考えてくれる彼女。わずかばかりの無言の時間の後、彼女が出した結論は拒否や難色を示したりといったことは一切なくこちらの要求を全面的に受け入れ飲むというもので、最初は何かの勘違いかと思ったが耳に届いた短い返事はどんなに脳内で反芻してみても他の意味を持つことはなく。彼女本人からの公認を貰ったとはいえ、改めて触れさせて貰おうとすると逆にこちらが緊張してしまって。改めて自身がこれからする行為について口に出して伝えてから、恐る恐るフワフワの耳にそっと優しく触れて「ふわふわだな…それに温かい…」柔らかな体毛に覆われたそれは見た目通り柔らかな手触りで、意外に厚みがあって身体の一部としての存在感をしっかり主張するように彼女自身の温かな体温が手に伝わってきて、夢中になって触れながら感想をそうこぼして)
ん…当然です、身体の一部ですから
(これから触れる、と事前に言われれば自分でしか触ったことの無い場所を人に触れられるのは初めてな為、どのような感覚が襲ってくるのだろうと思いながら身構えていれば、頭から移動した貴方の大きく暖かい手は自分の獣耳に触れて。先程風呂に入れてもらったばかりだからなのだろうか、ふわふわで温かいという感想が貴方の口から零れ落ちれば、そんなのは当たり前だと言いながらも触られている耳の方に頭を傾け、気持ちよさそうに目をつぶっていて。眠くない時でもこうして触られてしまえばすぐに眠りに落ちてしまいそうなほど、耳を触られるというのは案外嫌なものではなく。1番最初に心を許したアイシアに触れられたら擦り寄ってしまうかもしれないな、と思いながら無意識的にもっと触って欲しいと思ったのか、身長の大きい貴方なら余裕で触れることが出来ているのに頭を下げてより撫でやすくしていて。)
………あっ…と、つい夢中になってすまない
(こちらにされるがまま、むしろもっと触って欲しいとアピールするかのように頭を下へと下げる彼女に誘われるままに、抗いがたい触り心地の良さ、少し高めの体温にすっかり虜になってしまい、その後もしばらく無心で最初は片手で触れていたのが気づけば両手を伸ばし両の耳へと、くにくにと触れ続けていて。しばらくの間そうしていたが、やがていくら本人が許可を出したとはいえ女性の身体に流石に触り過ぎだったと、ふと我に帰ると慌てて手を引っ込め、夢中になるあまり我を忘れてこんな失態を演じるなんてらしくないなとそんなことを考えながら僅かに赤面して顔を逸らし、こちらを見据える色味の強い黄色く鋭い目を横目に見ながら、これまでに感じたことのない胸の高鳴りのようなものを感じて「と、ところで…どうだ?屋敷の中のことは覚えられそうか?わからないこととか、心配事があればいつでも俺がアイシアに聞くといい」内に芽生えた名状し難い感情を誤魔化すように小さく一つ咳払いし、大方の案内はこれで済んだため一旦ここで屋敷内部の案内を終える事にすれば、それなりに広い屋敷を少々早足で回ったこともあって、理解が追いついているか心配でそう尋ねつつ、いつでも自分やアイシアを頼ってくれて良いと改めて伝えて)
…もう終わりですか…いえ、その…また触ってもいいですよ…
(片手で片方の獣耳を触られていたが、気がつけば両手でどちらとも触られており、それによって擽ったさと気持ちよさで時々身体をピクッと動かしたり、しっぽを左右に軽く振ったりしていて。暫くすると触れていた手が離れ、もう辞めてしまうのかと小声でぽそっと呟くと、顔がほのかに赤く染まっているのに気が付き、それを見れば獣人とはいえ女性の体に長く触れていたことについて恥じらっているのだと考え。済まない、という貴方の謝罪の言葉に首を横に振り、いくらでも触って欲しいのだと言うことを伝えようとするが、性格上そんなに素直に伝えることなんて出来ず、視線を泳がせ俯きがちに言葉を紡ぎ。「はい、大体のことは覚えられました。…街に行きたいです。獣人ですから、アイシアやご主人様と一緒に出なければなりませんが…」と、屋敷のことについて頷くが、心配事については何かあるようで。それはこの周辺の街に出てみたいということで。だが、獣人ということもあり一人で行けば商売道具にされるのは目に見えているため、貴方やアイシアと一緒に行かなければいけないと口にして。)
街へ…?よし、わかった、それなら俺が付き添おう。ウルが獣人だろうとなんだろうと俺がそばにいて悪事を働くような輩は我が領地には一人だって居ないからな、安心してくれていい
(人間嫌いといった印象の彼女が自ら人が多く居る街へ出たいと申し出るのは正直かなり意外で一瞬困惑するが、せっかく本人が自分の意思で希望を口にしているのだから出来る限り彼女が望むように気持ちを尊重してやりたいと思い、その想いに水を差したくないと考え。自身の領地は他に比べれば住人たちの気性は穏やかで手酷い獣人差別をする者は滅多に居ないと思ってはいるが、それでも自身が一緒に行動すればより確実に彼女の身を守れると思い、自ら同行を申し出れば任せておけと言わんばかりに得意げに胸をドンと叩いて)
そうですか…ありがとうございます。行きましょう
(やはり最初は使用人であるアイシアよりも主人の貴方と行った方がインパクトがあり、もし悪業をする者がいたとしても貴方の身内の者だと分かれば、それ以降手出しする人は現れないだろうなと思い。貴方がこの領地の持ち主ならば、ほかよりも治安が良いのは納得出来て、それに頷き、貴方が直接街に出向いてくれるというのに感謝の言葉を口にする。早速街に出たいという気持ちがあるのか表情はほとんど変わらないままだが、ほんの少しだけ目がキラキラと輝いており、わくわくしている様子で。)
わかったわかった、すぐ支度をするからそう慌てるな
(パッと見、表向きは冷静さを保って見えるが、これまでが極端に感情が抑え気味な印象だっただけに瞳の輝きや、急かすような口調は否応なく目立ってしまい、結果彼女の本心は全て筒抜けと言っても過言ではなく、そんなに街へのお出かけが楽しみなんだなと本人にそう言ってみても恐らく否定されるであろうことは言葉には出さないながらも感じつつ早速外出の準備を始めて。身支度を済ませると、二人でこの屋敷に来る時にも乗り込んだ馬車に再び乗り込んで、彼女を購入した領内唯一の街へとやってきて。比較的治安がいいとはいえやはり獣人と領主である自身の取り合わせはかなり珍しいらしく、多くの住人が様子を窺うように、不思議そうに好奇の視線を送ってきており、大分こちらへの態度は軟化した彼女だがまだ人間への警戒が完全に解けたわけでもないだろう、これだけの衆目に晒されるのはやはり怖かったりするのではないかと考えると自然とこちらから手をそっと握ってしまっていて「行こうか、ウルは街に来て何かしたいことがあったのか?」そうして手を優しく握ったまま、街へ行きたいと申し出た彼女の真意を確かめるよう問いかけて)
あ、慌てていません。ただ外の空気を吸いたいだけです
(まるでわがままを言う子供を落ち着かせるかのような口調で言ってくる貴方に、軽くはしゃいでいる自分の姿を見せてしまったことが恥ずかしく、ぷいっと顔を背けながら拗ねた様子で不貞腐れたように微塵も思っていない言い訳を述べて。身支度を済ませるとこの屋敷に来る際に乗った馬車と同じものに乗り、屋敷に向かってくる時の馬車の張り詰めた空気はどこにもなく、街に早くつくことが待ち遠しいようで外をじっと眺めながらしっぽを揺らす。なんとなく予想はしていたが、やはり獣人と貴族という組み合わせは物珍しいのか住人の視線は自分たちが独占しているような状況で。貴方やアイシアと話したことで少しは人間嫌いが治ったかと思っていたが、そうではないようで。またなにか人間にされるのではないかと怯えながらもそれを公に見せるなんてことはなく、手を握られるだけでは足らず貴方の腕を抱き締めて。「少し街の様子を見たかっただけです。したいことはありません」と先程空気を吸いたかったというのが嘘だとすぐにバレてしまうが、今はそんなことが気にならないくらい住人たちの視線が怖いようで。)
そうか、ならここは俺に付き合ってもらうとするか。はぐれないようにちゃんとついてきてくれよ
(口ではなんでもない風を装っているが腕にしっかりと抱きついてくるその様子から彼女の内心の不安やら恐怖やらが伝わってくるようで、腕に伝わる体温やら柔らかさにどうしても異性であることを意識させられ少しばかり緊張してしまうが、それよりも彼女をこれ以上不安な気持ちにさせてはいけないという想いが僅かに上回り、改めて自分のそばにいれば大丈夫と伝えてはこのまま一緒に少し街を見て回ることを提案して。最初は確かに人間というだけで怖いかもしれないが、それでもこの街の住人は基本的によそ者にもオープンな気の良い人たち揃いだ。外を自由に出歩く獣人というだけで物珍しそうに彼女のことを見ているが自身がそばにいることで領主様の連れなら…と悪意を持った目線を向けている者はこの場には誰も居ないように思えて、人間はみんな獣人にひどい事をするという先入観さえ取っ払ってしまえばきっと彼女にとってもこの街はお気に入りの場所になると確信していて)
はい…っあ、すいません…
(貴方の腕を抱きながら街を歩いていれば住人たちの視線にも慣れてきて心を落ち着かせていると先程から貴方にベッタリくっついていたことに気がついて。無意識だったとはいえ今日出会ったばかりなのに心を許しすぎていたかもしれない、と思うと抱き締めていた腕をバッと離して。だが幾ら住人たちの視線に慣れてきたとはいえ知らない人間に対する恐怖心は収まっておらず、先程貴方からはぐれないようにと言われていたことを思い出せば離した手を貴方の大きな手に自分から触れて。手を繋ぐことも初めてだというのに自分からなんて上手くできるはずもなく、貴方の指をきゅ、と握ることしか出来なくて。)
…どうせ繋ぐならもっとしっかりと、な?
(謝罪と共に腕から離れた温もりを名残惜しむが、こちらからは何も言えずにただすぐ隣の彼女の姿を横目で見るのみで。そうして街の散策を続けていると、控えめに伸ばされる手に指先を遠慮がちに握られて少しだけ驚いて彼女の方を見やるがすぐに表情が綻び、相変わらず厳つい笑顔浮かべながら優しく指先だけを握る手を解いてから、改めて力強く手同士を重ね合わせるように繋いでやって「そういえば…今更なんだが、その格好はどうだ?動きにくくはないか?」彼女の歩幅に合わせてゆっくり歩きながら、ふと思い立ってこちらで見繕ってやった小袖の着心地について尋ねる。彼女は今まではずっと質素な服装であっただろうし、勿論自身も東国の服を身につけた覚えはなくその機能性はどの程度のものなのか想像もつかず気にしていて)
…は、はい…
(貴方の指を握ると、それに慣れないにも関わらず笑顔を浮かべて咎めることもなく最初に街に来た時のように優しく、でも力強く手を握られ。貴方の体格なら歩くのはもっと早いだろうに、貴方よりも小さい自分のことを気遣ってか此方の歩幅に合わせるように歩いているのに気がつくと、やはり貴方は優しいんだなと実感して。次に振られた話はアイシアから渡された別の国の洋服のことで。「動きにくくはありません。ですが、汚してしまわないか心配です…」と激しい運動をする訳では無い為動きやすさは気にしていないが、これまでこんなに綺麗でしっかりとした服を貰ったことはなかった為、汚してしまった時のことを気にしていて。)
心配しなくても多少の汚れぐらいならアイシアがなんとかしてくれる。家事仕事においてあいつの右に出る者はそういないからな
(どうやらせっかくの衣服を汚してしまう事を危惧しているらしい、不安そうに自らの身体へと目線を落として隣を歩く彼女へとアイシアの名前を出して、多少の汚れ程度ならどうにでもしてくれると太鼓判を押して安心させてやろうとして。少し歩き、通りの奥の方にあるパン屋の方から香ばしい焼きたてのパンの匂いが漂ってくればお腹が小さく鳴り「ウル、お腹は空いてないか?俺はパンでも買って食べようと思うが…一緒にどうだ?」空腹を訴えるように自身のお腹に手を当て少しばかり照れくさそうに苦笑浮かべながら、奴隷として酷い扱いを受けていた彼女のこと、満足に食べさせてもらえてなかったのではないかとも思い一緒にパンを買って食べる事を提案して)
そうですか…、それなら安心です
(確かに、貴方が雇っている使用人ならば家事のことの全てができるのも当然だろうなということと、自分が人間へ心を初めて開いた人物であるため納得できて。やはりアイシアには大きな安心感を抱いているのか貴方の口からアイシアの話が出ると口元が緩んで。獣人ということもあってか鼻が人間よりも利くため、少し前からパンの食欲を掻き立てるような匂いを感じていたがパン屋に近づくにつれ貴方もその香りに気がついたのか腹から小さな音を立てたのを聞けば貴方を見つめ。「…はい、是非」と貴方にパンを買って食べないかと誘われると、奴隷として売られていた今日から現在まで何も口にしていないため腹が減っていて。)
よし、そうと決まったらパン屋へ行くとしよう
(こちらへと真っ直ぐに向けられる強調するような黄色、その無垢な輝きに瞳細めると、『是非』と短い言葉でも確かな意思表示をした彼女と繋いだ手をギュッとほんの少しだけ力を入れて握り直し、道の脇に様々な露店や商店の立ち並び人通りもそれなりな通りの奥を目指して歩みを進めて。やがて、木造の落ち着いた雰囲気のパン屋の建物の前に辿り着いて、窓の外からでも様々なパンが棚に陳列されているのが見えて、そのどれもが黄金色に輝いて見え、付近に漂う食欲をそそる香りに特に用事がなくても思わず足を止めてしまいそうで。店の入り口の引き戸に手をかけ開けるとカランカランとドアベルが軽やかに鳴って自分たちを迎え入れ、店内の棚の上にはパンの種類ごとにバスケットの中に敷き詰められており、それが所狭しと並べられているのを見れば「好きなパンをいくらでも選ぶといい」彼女に食べたいと思うパンを好きなだけ思う存分食べさせてやろうと、自由に選ぶよう勧めて)
…ご主人様、私にはなにがなんだかわかりません…。ご主人様が気に入っているものを選んでくれませんか?
(パンの香ばしい匂いとパン屋の建物からも微かに香る木材の匂いが心を安心させてくれるような気がして。店内には数々のパンが並んでおり、自分がこれまで口にしていたパンは質素で殆ど味も香りもしないものだった為、パンというカテゴリーの中だけてもこれほどの量があるのだと感心させられる。恐らく、これまでろくな扱いも受けてもらえなかった自分への思いやりの気持ちで言われた言葉に店内に並べられているパンを見渡した後、困ったように眉を控えめに下げると、店にあるパンで自分の食べたことのあるものなんてないため、貴方に選んで欲しいと頼み。)
そうか、じゃあこれとこれと、後は……
(せっかくの機会だからと良かれと思って選択権を委ねるも、店内をぐるりと見回したかと思えば眉を八の字にして申し訳なさそうに瞳を伏せる彼女。奴隷として自由がないのが当たり前、食事も生きるのに最低限必要なものしか与えられて来なかったであろうこと、理解していたつもりではあったがそれを知った上で想像力が欠如していたことを痛感させられて。結果として困らせる形になってしまったことに酷く罪悪感を覚えれば、贖罪の気持ちを込めて頭にポンと置いた手でわしわしと撫でてやれば、彼女の食べる量などはわからないため両手に抱えるぐらいの大きな紙袋いっぱいのパンを適当に見繕って購入し、食べきれない分はアイシアへのお土産にすればいいかと考えながらパン屋の入り口付近の木製ベンチへと移動して「さあ、食べるとしようか。ここのパン屋のパンはどれも美味いぞ」袋の中からバゲットを一本手に取って豪快に齧って)
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