名無しさん 2024-09-04 22:22:15 |
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そこまでとはいかずとも、……まあまあ。
( 貴族というやたらと規模感の大きな言葉がぽんと飛んでくるとは思わず、はぁ?と呆れて。それでも真っ向否定することはなく、曖昧な返事ではあるがそれなりに裕福だということはさらりと認めた。経営者である親父の恩恵を受けているだけで、自慢するようなことでもない。本当の貴族なら根を詰めて働かなくていいのだろうな。行き場のない羨望心が芽生えたところで、プルタブを開ける音に思考を引き戻される。気付けば料理も出揃って、彼も席に着いたようだ。自分もハイボールを手に取り「おう」と短く返しながら、正面ではなく少し横から伸びてきた缶と乾杯をして。一気に呷ると、顔に皺を寄せて「~っ」と声にならない声を出す。久しぶりのアルコールが沁みているらしい。自身はかなり酒飲みだが、はて相手はどれほどかと気になって。進んで酒に手を伸ばした様子から、抵抗感があるようには見えなかった。しかし無理に付き合わせるのも納得いかず )
酒は飲める方か?あんまりって言うんなら何本か持ち帰るけど。もちろん飲みてえなら好きなだけ飲めよ。
うーん、あんま飲んだことねえわ。__晩酌もしねえし、飲み会とかもあんま行かなかったしな。( ビールを一口、二口と喉へ流し込む。そもそも酒を飲む機会はほぼなく、格好つけてビールなんて言ってみたはいいものの、飲んだ覚えも2回ほどしかない。喉を通る感覚に、これがのどごしかとやや眉間に皺を寄せながら感じてみる。と、聞こえてきた問いに今まさにほぼ初めてレベルです。なんて言えず、少し考えるそぶりをしながら一言答える。何もなく飲んでいない、と言うと酒が嫌いと思われるかもしれない。彼の酒を飲み気分よくなっているところを見た手前、気兼ねなく飲んでほしいとも思う。そこに、飲むのが嫌いな奴がいたら飲み難いだろうと、酒を飲まない理由を並べてみる。思えば食卓はほとんど1人で、飲む相手もいなかった。今この空間は自分にとっては異様な光景だ。そう思うと同時に幸せさえ感じていた。2人なら、食事も美味しく感じるし、酒だっていくらでもいけそうだ、今日ならば何でも話していいとさえ思ってしまうくらいだった。久しぶりの酒を勢いよく何度も口にしながら豪快に飯を食らう。うん、1人の飯より何百倍も美味い。頬を緩ませながら口いっぱいに米を頬張りはじめる。先ほどの返答にまた付け足すように口を開き )
でも、あれだ。動いた後のビールは美味いもんだな。
( / 背後で失礼します!一つ提案なのですが、今気持ちよく食事をしていますが、このままお酒を飲み続けているうちに実は瀬戸があまり酒に強くなく寝てしまう、または酔ってベロベロ状態になる。そこを介抱してもらうことで初めてのお泊まりへと繋げていくのはどうでしょうか。お互いに酒も入っていろんな話し始めて、泊まるうちに絆されていく、という感じで考えてみました。ご意見お聞かせください。 )
…っは、そうだろ?ま、美味いと感じるなら結構だ。
( 日常的に飲酒する習慣はないらしく、それでも苦手意識なく飲めているようで心做しかほっとして。酒の苦味が口に合わなかったり、体質的に受け付けないような奴も少なくない中で、その旨みを見出せるなら酒を嗜む素質はあるだろう。労働後の飲酒ほど気持ち良いもんはない、それが分かるならこいつは良い飲み相手になれそうだと思った。会社の飲み会では上司に気を遣い心ゆくまで飲めないことが多いが、彼が相手なら何も取り繕う必要はない。美味い酒とあたたかいメシ、文句無しの心地よい空間に酔いしれ、気分は上々。そしてふと、自分が酒好きになったのはいつ頃かと記憶を遡って。本来ならば法律で飲酒を禁じられている未成年のときの記憶が呼び起こされ、ぽろりと口が滑った。しまった、と思った時にはもう遅い。失言をした自分が悪いというのに、相手をじっと睨み圧をかけて )
俺はまぁ、そこそこ飲む方でな。中学生のとき初めて飲んで──あ、いや、なんでもねえ。今のは忘れろ。
( / それ最高ですね…!一気に距離が縮まりそうです!ぜひその展開でお願いしたいです。浅倉の方はグレていた学生時代の飲酒について告白してしまいましたが、反応はお任せします…( 未成年飲酒、ダメ絶対 )
ははっ、悪い奴。( 語り出した彼の言葉は自分とは住む世界が違うような話で。学生の頃から口にしていたことを話し始めたが途中でやめ、こちらを睨みつける目と合う。所謂未成年飲酒の自白について思うところがあったのだろう、忘れろと言われれば少し目を丸くする。真面目そうに見えて学生時代はやんちゃだったのだな、と、未成年飲酒のことより彼の学生時代を想像し笑みが溢れいじるように一言。意外、というかいいとこの坊ちゃんが反抗してたのかな、なんてかわいいところもある。話をしながら酒を飲む手はどんどん進んでいく。いつの間にか一本を飲み終え、二本目へと手を伸ばしていく。頭がふんわりとしてくる感覚と眠気が少し押し寄せてくる。と同時に普段から喋らない反動からか、無意識に口が開き聞かれてもいないのに自分の身の上話を始めていく。机に肘をつき頬杖ついて彼の酒へと目を向けながら頬はほんのり赤く色づいてきて )
俺さ、こーゆー食卓、憧れてたんだよ。なんか、あったけえ感じすんだろ。俺、実家にいたって独りだったから。
( / 承諾感謝いたします!ではこのように進めていきます。飲酒についてのお気遣いありがとうございます。一応いじってみましたが、話は続けなくても大丈夫ですよ。お任せいたします! / 蹴推薦 )
……まぁ、気持ちは分かる。出会ったばっかのヤツとこんな時間を過ごしてんのはよく分かんねえけど。これも縁か。
( 失言を揶揄われたが、本気で引かれるより笑い飛ばしてくれた方がよっぽどマシだと苛立ちはせず。相手を睨みつけていた視線を他所に逸らして、流石に大人気なかったかと反省しながら酒を一口。再度相手に視線を戻す頃には、いい感じに出来上がってきたのか色白い肌を赤に染めながら徐に語り出す声が聞こえてきて。彼が言う感情には自分にも覚えがある。実家にいた頃、家族で顔を合わせ食卓を囲むことはあった。しかし、それはお世辞にも賑やかな団欒とはいえず、冷え切った空気が流れた形だけのもの。会話もなく、食器と食器が触れ合う無機質な音だけが鳴り響いて、食事を終えた者から静かに去っていく。それが日常だった。実家には何人か使用人がいて、常に人がいた。ゆえに孤独そのものを感じることはなくても、居心地が良い空間とはいえず寂しさはあった。もしかして、彼も。自分と全く同じとは言わずとも、似た境遇であたたかな食卓に憧れを抱いたのだろうか。過去の話が地雷だったら怖えな、なんて思いつつも、今更口を閉じることもできず相手の言葉を拾い上げ、説明を強いて )
俺の話聞かせてやったんだ、お前の昔話も聞かせろよ。実家で独りって、なんかあったのか?
家族の中に、俺はいなかったんだな。両親は俺を認識してねえみたいだったし、姉と妹は俺の存在が邪魔だったと思う。( 話し始めたのは自分だったが、詳しいことを話す気はなかった。でも、彼になら。そう思った。自分と同じような気がしたから。ビールを口に含み喉を鳴らすように飲み込む。溜息と共に出てきた過去の話。自嘲しながら話していく。自分が家族の一員でなかったのに何か理由があったのか、それすらわからないが、あの時、確実に家族の殆どが自分から離れていたと思う。食事は用意されていなかった、ほしいものはバイトをして手に入れるしかなかった。保証されていたのは屋根の下で暮らせるということだけだった。旅行にも自分は連れて行ってもらえなかった。思い出すと少し胸が痛んでくる。酔いが回ってきたせいもあるのか、目が薄く閉じていく感覚と体が熱をもつ感覚があった。最近感情的になることなんてなかったが、話をしているうちに悲しみや寂しさが込み上げてきて、俯く。長い吐息のあと急に立ち上がり恥ずかしそうに苦笑いする。彼にこんな話をして感傷に浸ってしまったことがたまらなく恥ずかしかった。追加の酒をと冷蔵庫へ向かえば、ふらつく足が床を蹴らずバランスを崩し壁へ体をぶつけ、そのままへたれこむように倒れ )
あー、酔った。たぶん。
……。
( 黙って話を聞いた。ただ無表情で、声をくぐもらせていく相手を見つめていた。右手に持った缶を呷る気にはなれない。酒の肴にもならないような話を引き出したことを、少しだけ後悔した。猫を被った自分なら、他人の不幸話を聞いてどんな反応をしただろう。同情するように眉を下げ、その背中を撫でて慰めるようなことをしたのだろうか。しかし、今の俺にはそれができなかった。自分なんかの手が、彼を慰められるとは到底思えなかった。左手を見つめ、空を固く握りしめる。乾燥した手のひらと同じくらい、心は乾いている。話しにくい過去なら断りゃいいのに、律儀に話しやがって。不器用な自分を惨めに思う気持ちは、いつしか相手を責める言葉に変わっていて。責任転嫁も甚だしい。何か不用意な言葉をかけ、余計に傷つけたくもない。それならいっそ、何も言わないに越したことは……ぐるぐると考え込んでいると、突然立ち上がった相手に驚き視線を上げて。こいつ、こんなに赤い顔をしていたか。疑問を持った頃には、相手はその場でこけて壁に体を打ちつけていて。「…お、おい、大丈夫かよ」流石に心配になり、彼に近づいて遠慮がちに顔を覗き込み。酔った、という声に「だろうな」と反射的に返して。立ち上がらせようと彼の脇の下に腕を通し、体を支えて。これまであまり見せることがなかった心の脆い部分を知って、やけに熱い体温も相まって、何故だか、落ち着かない。こんな言葉が慰めになるわけがない。分かっているというのに、声をかけずにはいられなかった )
これ以上飲むのはやめた方がいい。水でも飲め。それと、何があったのかは知らねえし、どんな言葉をかけるのが適切なのかも分からねえ。過去のこと掘り返した俺も悪いが……その、あんまり、気に病むなよ。
悪いな、気い遣わせた。__ずっと、探してたのかもな。何もかも断ち切って、逃げて…、やっと、探してたものに会えたような気分になった。浅倉が、俺の探してたもの、持って、た………。( 支えられればその体を彼に預けて息を吐く。合わない視点で彼の目を探す。薄く目を開け、酔ったことと、自分の過去を知ったこと、どちらに対しても迷惑をかけてしまった。気に病むな、と彼の言葉で少し救われた気がした。心がスッと軽くなって、酔ってるのもあってか素直な気持ちが口から出てくる。彼との出会いは、自分が待ち望んでいたものなのかもしれない。何も飾ることなく、自分と同じ時を一緒に過ごしてくれる相手。それが彼なのかもしれないと。でも、こんなことを言ってしまったら彼は自分を重く感じてどこかへ行ってしまうかもしれない。不安もあった。体をもたれながら、相手のシャツを握り、途切れ途切れに言葉を紡いでいく。視点と共に頭もゆらゆらと落ちていく。完全に俯いたとき、言葉も同時に途切れてしまった。何かがプツンと切れたように目を閉じて眠りについてしまい )
は?せ、瀬戸……っ、クソ、なんなんだよ…。
( 意味不明な言葉の数々を耳にして「どういう意味だよ」と聞き返す前に、力が抜けて重くなった全身に寄りかかられて。一瞬気絶したのかと疑うほど唐突なことで、その肩を揺すりながら名前を呼んだ。返ってきたのは穏やかな寝息だけ。酒に慣れてないと知ってから、眠り落ちる可能性はゼロではないと予想はしてた。しかし実際に目の前ですやすやと眠られては、やはり困惑は隠しきれない。成人男性の体重を支えるのも疲れてきて、ひとまず寝かせて安静にさせようとソファまで運んで。その寝顔を見つめ、先ほどの言葉を思い返す。まだ俺達、会うの二回目だろ。なにが「俺の探してたものを持ってた」だ…。この出会いは運命なんてロマンチックなもんじゃない。ただの偶然に過ぎない。きっと、俺とお前じゃなくてもなり得た。俺以外でも、よかったんだ。そうして自分を納得させなければ、絆されてしまいそうだった。こんなに人と深く深く繋がろうとしているのは、初めてのことだからだ。態度には出ないが、俺も存外酒が回っている。頭を冷やすべきだと判断して、財布だけ持って部屋を出る。ちょうど近所にあった営業時間ギリギリのドラッグストアに駆け込んだ。二日酔いによってどんな症状が引き起こされるか確認するまで分からないため、どの症状にも対応できるよう、胃腸薬や頭痛薬、栄養ドリンクや水を購入して。足早に部屋へ戻ると、まだ寝ている様子の彼に近づいて。ソファを背に床に腰を下ろすと、思わず漏れた溜息は深く重いものだった。しかし、嫌々やっているように見えて、これがあの日の恩返しになるならと満更でもなく思う自分のことを引っ叩きたくなった。皿も酒も片付けなきゃならないが、そろそろ体力の限界だ。静かな部屋の中、自嘲のような言葉を一言吐くと、意識を手放した )
───はぁ……何やってんだ、俺は。
__っ、ん。( 少しの気持ち悪さが込み上げてきて目を覚ます。意識を失ったのはいつだったか、重い頭を起こしながら鈍器で殴られるような感覚の痛み。これが二日酔いなるものか。前頭部を押さえるように体を起こしては自分がソファに寝ていたことに気づく。最後の記憶は台所へと向かう途中だったか。そこからは何も覚えていない、というより寝てしまっていたのか。胃がもたれるような感覚にトイレへと向かおうとすれば、自身の近く、ソファを背に眠りについている相手を見つける。ああ、自分を運んでそのままここで眠ってしまったのか、悪いことをしたな。とりあえず謝罪するのは彼が起きてからにしようと起こさないよう慎重にソファから降りてトイレへと向かう。気持ち悪さはあるものの、嘔吐にまではいかなかったが胃のむかつきは残ったまま。水道で顔を洗い、歯を磨く。鏡を見て自分の目と目が合う、もすぐに晒すように横を向く。変なことを口にしていたのは記憶にあった。彼に重荷を預けてしまうような、そんな言葉。でも、自分の言葉に嘘偽りなどなかった。彼が、本当に自分の欲しかったものを探していた暖かさをもってきてくれた。もう会えなくなるだろうか、こんな面倒なやつとは付き合いきれないと彼は厄介に思うかな。部屋の空気を入れ替えるように窓を開ける。さて、彼が起きたらなんて言おうかと彼の寝顔を覗きながら首を傾げて思案して )
んー。昨日は、ごめん??うーん、すまなかった?
……なにしてんだ。
( 人の気配を感じ取り、意識が浮上した。そっと瞼を開くと、男の顔がドアップで視界に映っていて。声も出さずに喫驚すると、寝起き特有の掠れた声を出し訝しげに睨みつけ。睡眠中の人間の前で何をぶつぶつと呟いていたのか、寝ぼけていて内容まで聞き取れなかったが、不審な行動をしていたのは確かで。元来の寝起きの悪さも相まって、かなり物騒な面持ちを引っ提げたまま。床に座り姿勢悪く眠ったためか、がちがちに凝り固まった首や肩をゆっくりと動かし状況を確かめる。昨日の記憶が抜けている…ことはなく、改めて彼の顔を見ると、昨日の発言を思い出し何故か胸が締め付けられて。居た堪れなくなりまともに顔が見れず、1時の方向に余所見して。突然ふと思い出したかのように「…てか俺、寝ちまって……まずい、今日も仕事だ」と起きて数十秒で社畜脳が覚醒して。一度自宅に戻りシャワーを浴びて出勤しなければ…。限られた時間内でいかに効率良く動けるか、脳内で計画を立て始め。そしてずっと無視していた彼に、なるべく淡白に薬のことや、今後の予定を伝えて )
ああ、その……体調は平気か?昨日お前がぶっ倒れた後、薬とか買ってきたから適当に飲んどけ。俺はそろそろ帰らなきゃならねえから、悪いけど二日酔い野郎の世話は無理だ。
うわっ、起きてんなら声かけろよ。( 寝ていると思っていた相手が目を開け声を出すものだから驚き後ろに尻もちをつく。というより、目付き怖っ。相変わらず外面からは想像もつかない表情や態度にどんだけ猫かぶって外出てんだ、なんて思いながら、素でいてくれることにちょっとした優越感を覚える。昨日からどうも気持ちがふわふわしているようだ。彼の反応に好感を持ち過ぎている。あまり人と深く関わっていいことなどないのに、それは自分が1番知っているはずなのに。絆されていく気持ちに気づかないふりをする。ふと彼の発言に我に返り自分も時計を見る。朝に出勤する、といっても自分は10時頃だ。社会人の彼とは生きている時間が違うのだ。彼の急いでいる姿とは打って変わってのそのそと机の上を片して、台所の洗い物に手をつけ始める。端的に要件を述べられれば「 あ、 」と呼び止めるように声を出す。水道で濡らした手を気にせず帰ろうとする彼を見つめて、少し強張った声で )
体調は、若干頭痛い…、薬、ありがとう。飲んでみる。__あ、と、また飯作って待ってる。だから、来いよ。
……鍋。鍋料理が食いてえ。次は作り置きじゃなくて出来立てでな。
( ささっと身だしなみを整えて荷物をまとめ、はやる気持ちで玄関先まで向かうと、呼び止める声に振り向いて。また来てくれと言う彼は少し緊張しているようだった。赤裸々な過去の話を知られたくせに、酔い潰れた姿を見られたくせに、また俺を誘うのか。どれだけ"あたたかな食事"とやらに貪欲なんだ。正直、今後もこの付き合いを続けていけば、もう1人では生きていけなくなりそうで。こっちに来いと手を伸ばされると、その手を払いのけて拒絶したくなってしまう。以前までの自分なら、きっともう、また会いたいなんて思考にはならない。しかし、彼に見つめられれば、思考回路に異常が生じるように、情が沸々と湧き出て。気付けば、不意に食べたいと思った料理名が口を衝いて出た。シンクの前にいる相手の肩を小突き「また来るから、不安そうな顔すんな」とささやかに笑いかけて。だんだんとらしくない言動に羞恥心を持ち始めたのか、少し頬を染めると「ちゃんと休めよ!」とやけに優しげな捨て台詞を残し、回れ右して玄関から逃げるように外へ出て行った )
( / 背後失礼します。一旦ここで区切り場面転換をしたいと思うのですが、時間経過は数日ほどか、それとも数週間、数ヶ月ほど進めた方がよいかご意見を聞かせてくださると嬉しいです。どちらにしても、だんだんと会うことが当たり前になって「もういっそ一緒に住んだ方が…」と同居の流れに持っていきたいと思っています!
…時間かかっても文句言うなよ。( 自分の弱いところを、情けないところを曝け出した昨日の晩。自分はこんなにも素でいていいのだろうかと考える。恥ずかしいところを見せてしまった。それでも、彼といたいのは人と離れていたついこの間の自分とは違うから。人の温もりを知ってしまった。彼の不器用な優しさに触れてしまったから。自分の心を救ってくれる彼にできることは食事を提供することだけ。引き止める言葉がそれしかない自分を情けなく思う。もっと立派な人間であれば、彼の隣にいてもいいのだろうな。それでも、振り返る彼を見て期待してしまう。こんな自分が隣にいてもいいのだと、言ってくれているようで。彼の言葉に声が出ない。そんなもの、いつだって、どんなときだって作ってやる。唯一できた人との繋がりを無理にでも繋ぎ止めておきたかった。でも、即答できるほど自分に自信はない、もしかしたら見限られるかもしれない。巡る不安に押しつぶされそうになりながらも、肩を小突かれたことで意識を戻す。笑みと共に聞こえた言葉に胸が詰まる。たった2度、一緒に食事をしただけ。交わした会話だって多くない、それでも、彼が自分をわかってくれているような気がした。吹っ切れるように歯を見せるように笑みを浮かべ悪態を吐く。頬を染める彼を見て可愛らしいところもあるのだと気づけば、また笑顔を。彼の背中を見送り自分も台所へと戻った )
いや、どうなんだ。( 食事が取れないほど忙しい彼のことだ。電話をしたって出ないだろうし、忙しい中誘うわけにもいかない。自分のように責任もないバイトとは立場が違う。だが、もう数ヶ月も音沙汰なしだ。不安になるなと言っていたわりにはもう忘れたのかと思ってしまうくらいだ。いや、数ヶ月と言っても1ヶ月だが。まあ、遠距離恋愛中の恋人ですらそんなに頻繁には会わないか、恋人でもない自分たちが1ヶ月会わないのなんて当たり前なのか。自分の中で整理しながらも、やはり寂しいもので。こんな寂しい思いをするなら出会わなければよかった、なんてどっかの失恋ソングの歌詞みたいなことを考えながら、コンビニの前の駐車場に立ち息を吐く。寒さが一層増してきて、吐いた息は白く消えていった )
( / ご相談ありがとうございます。勝手に1ヶ月空いたことにしてしまいました。頻繁に会うのもいいと思うのですが、時間を空けたことによってお互い大切な存在になっていたことに改めて気づく的な雰囲気を作ろうかなと…!また受け身のように貴方様を待ってしまっていること、申し訳ないです。このまま放っておいてこちらから電話をするのもいいなと思いつつ、ご意見を聞くまではと何となく待機状態ですので、ご相談できればなと思います。
同居の流れとてもいいと思います。当たり前になるにつれて距離もどんどん縮まってくると尚いいですね! )
……腹減ったな。
( タクシーに揺られ、シートの上でだらしなく伸びながら薄暗い景色が流れる車窓を眺めて。ぽつりと呟いた声は運転手に届かないほどの音量だったが、腹の音は聞かれたかもしれない。ついさっき機内食で満たしたはずが、やはり誤魔化しは効かないようだ。海外出張から帰って、真っ先に食べたい味といえば。そう自分に問うと思い出す顔があった。最後に彼と食事をしたのは、ちょうど1ヶ月前。あの後すぐ出張が決まり、特に一報を入れずに海外へ飛び立った。温暖な地域で1ヶ月間過ごしていたため、日本の寒さには堪えるし、なにより日本食が恋しい。何度も、何度も、彼が作る料理の味を求め口寂しい気持ちになった。そして彼が酔い潰れた日のことを思い出す。帰り際に彼が見せた視線、言葉、表情。どれも脳裏に焼き付いて、フラッシュバックしては形容し難い感情を残していく。もはや料理だけではなく、彼自身のことまで意識しているような気がして参った。トモダチ付き合いは、昔から苦手だ。それを拗らせたまま大人になって、1ヶ月会ってない奴にどう連絡をすればいいのか分からず歯痒い思いをしてるなんて、子供の頃の自分自身が聞いて呆れるだろう。何ひとつ成長してなくて悪かったな。経験不足なんだから仕方ないだろ。疲労ゆえに脳内で自分自身と言い合いながらも、やるべきことは分かっていた。後は腹を括るだけ。また会いに行くと言ったのは俺の方だ。彼はきっとその言葉を信じてくれている、はずだ。冷えた指先でスマホの画面を叩いていき『久しぶり。元気か?』とメッセージを入力すると、一瞬躊躇いながらも彼へと送信して )
( / 時間経過について了解しました!こちらは海外出張に行っていたということで、しばらく連絡もできず…という風にしてみました。
受け身でも全然大丈夫……と言いたいところですが、勇気を振り絞って電話をかける瀬戸さんが見てみたい!と思ってしまいまして、すぐには顔を出さず連絡だけ入れてみましたがいかがでしょうか。もし返しにくい場合は遠慮なく仰ってくださいね。
浅倉?__はああー。なんだよ。( 何かするわけでもなく、ただ駐車場で立ち尽くしているとズボンのポケットが震えた。元々連絡を取ってる人なんていない、公式からの連絡くらいしか自分に興味を示す者などいなかった。この1ヶ月、振動に何度もドキドキさせられた。どうせ待ち望んでいる相手からの連絡ではない、そう決め込んでズボンからスマホを取り出し連絡を見る。気怠そうに見つめたスマホに表示された名前を復唱する。見間違えるわけもない、正真正銘待ち望んでいた彼の名だ。何が起きたか理解できないようじっとスマホを見つめる。理解したときには崩れるように腰を下ろして大きなため息を。1ヶ月も連絡を取っていなかったのに、元気か?だって。自分の様子を確認するようなじれったい連絡に落胆するように言葉をこぼすも、内心満更でもないような嬉しさがこみあげる。今自分は頬があがりだらしない顔をしているだろう、そう思えば第三者から顔が見えないように腕で顔を隠す。安堵した。彼は自分を忘れたわけではないのだと、噛み締めるようにスマホを強く握った。にしては、なんなのだ。久しぶり?元気だった?彼は前回何の連絡もなしに訪れてきたのにどうにも距離感がある。少しの苛立ちに身を任せて気づいたら彼の連絡先を調べ通話ボタンを押していた。何を話すかなんて決めていなかったが、勢いでやってしまった。通話を押して彼を呼び出す音が聞こえたとき我に返り焦る。かけたからには切ってしまったら気分などよくないだろう、出ないでくれ!と願いながらも話がしたい気持ちもあり、スマホをじっと見つめながら彼が出るのを待ち )
( / 海外出張!かっこいいですね。さすがです。とても素敵です、ありがとうございます。
いえいえ、ありがとうございます。電話っていいですよね。なんか気恥ずかしい感じがあってとても大好きです!返してみました。このあと要件を伝えていくつもりです。よろしくお願いします。 / 蹴推薦 )
もしもし?悪いな、急に連絡して。驚いたか?
( メッセージを送った後、緊張を誤魔化すためか否か、意味もなく画面をスワイプして退屈を凌いでいた。すると、唐突に着信音が鳴りどきりと心臓が跳ねる。なぜ電話を?と考える間もなく、画面に触れていた指が緑色を押して、通話中の文字が表示された。慌ててスマホを耳に当て、電話越しにいるであろう彼へ口先だけの謝罪をして。その声色は明るく、彼と連絡がついたことへの喜びが滲み出ていた。文面での返事ではなく、早急に電話をかけたのはきっと、前触れのない連絡を受け戸惑ったせいだろうと予想していた。自分が彼の立場だとしたら、同じことをしただろうから。そんな衝動的な電話だとすれば話題には困るだろうと、少しの沈黙すらも気まずく感じさせないよう、自身の近況を伝えて )
海外出張があったんだよ。ついさっき帰ってきて、今タクシーの中。そっちは?
驚いた…、海外出張か。俺は、コンビニの前。( 電話口に聞こえてきた声に肩を揺らす。自分で電話をしておいて話し始めるのは向こうだった。突拍子もない電話に彼が丁寧に自分の疑問に思ってることを伝えてくれる。どうして連絡がなかったのか、コンビニに来なかったのはどうしてか。全てが解決してしまった。何を話そうか、なんて考えながら彼からの問いに呆然と答えて、自分の現在位置を伝えていく。いつだって、何かきっかけをくれるのは向こうからだった。コンビニにきたのも、今回連絡をくれたことも。今日こそは自分から彼にきっかけを作りたい。不安だったあの時間、彼が自分を遠ざけていたわけではないことを確認したかった。「 あのさ、 」小さく話し始めて一度息を吐き出す。肺に溜まった空気を全部出し切っては、次は肺の中目一杯に空気を送り込むように息を吸えば、先ほどより大きく勢いある声で )
今日、鍋するからうち集合な!待ってっから。何時になってもいいから、こいよ。
驚いた…、海外出張か。俺は、コンビニの前。( 電話口に聞こえてきた声に肩を揺らす。自分で電話をしておいて話し始めるのは向こうだった。突拍子もない電話に彼が丁寧に自分の疑問に思ってることを伝えてくれる。どうして連絡がなかったのか、コンビニに来なかったのはどうしてか。全てが解決してしまった。何を話そうか、なんて考えながら彼からの問いに呆然と答えて、自分の現在位置を伝えていく。いつだって、何かきっかけをくれるのは向こうからだった。コンビニにきたのも、今回連絡をくれたことも。今日こそは自分から彼にきっかけを作りたい。不安だったあの時間、彼が自分を遠ざけていたわけではないことを確認したかった。「 あのさ、 」小さく話し始めて一度息を吐き出す。肺に溜まった空気を全部出し切っては、次は肺の中目一杯に空気を送り込むように息を吸えば、先ほどより大きく勢いある声で )
今日、鍋するからうち集合な!待ってっから。何時になってもいいから、こいよ。
……っふふ、おう。ちょうど食いたかったんだよ、お前の料理。このまま向かうから、ゆっくり作っててくれ。
( コンビニ前に居るという報告に仕事終わりだろうかと考えていると、電話越しの硬い声が何か言い出そうとしていることに気付き、意識が集中して。次の瞬間、あまり声を張ることがなかった彼が大きな声量で食事に誘ってきて、なんだか可笑しくて笑い声が漏れた。人見知りこそしないが、外交的ではない彼の性格と声色からして、勇気を振り絞り誘ってくれたんだろう。鍋というチョイスも、1ヶ月前に自分が食べたいとねだったもので。なんともいじらしく感じてしまい、安心させるように素直な言葉で返事して。それが大層甘く蕩けた声に聞こえたのか、運転手に「彼女さんですか?」と問われて思わず顔を歪めて。しかし、特に否定も肯定もせず「どうでしょうね」と誤魔化した後に彼の住所を伝えた。───タクシーを降り、彼が住むアパートまでスーツケースを引きずりながら歩いて行く。扉の前で立ち止まり、ふと、改まって呼び鈴を押すのは初めてだと気がついて。妙な緊張感のせいで早まった鼓動を落ち着かせるように息を吐いて、ピンポン、とチャイムを鳴らして )
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