ビギナーさん 2024-08-27 21:08:46 |
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なんなんだよ…くそっ
(どうにも調子が狂う。普段であれば口論することはあっても、ここまで一方的に苛立ちをぶつけたりなんてしないというのに、今日の自分はいつも以上に余裕がない。それもこれも急に一つ屋根の下で暮らすなんてことになってしまったからなのだろう、一気に様変わりしてしまった関係にまだ気持ちが追いついていないのだ、そんな胸中の言い知れぬ感情の荒ぶりを鎮めようと、先に戻り所在なさげにソファに座る相手の姿には目もくれずリビングを通って台所へ向かうといつもの癖で換気扇回して煙草に火をつけて)
…!ねぇ、ちょっと。
何堂々と煙草吸ってんのよ。未成年でしょ。
( リビングのソファーに腰掛けテレビをつけるも、妙に落ち着かない。流れてくる映像も、音も今はただただ自分の中に入っては出ていくような感覚になり。そんなこんなで相手が入ってきたことにすぐに気が付くも、テレビを見ている振りをすれば急に響く換気扇のファンの音。それと微かに香るタバコの匂い。ばっとそちらを振り向くとあたかも普通であるかのように煙草を吸っている相手の姿。ソファーから立ち上がり相手の元に近寄れば、いつもの風紀委員の癖できっと睨んで)
なっ…うるせえな、風紀委員だからって家でのことまで口出してくるなよ…!
(ついついいつも家に一人でいる時の癖で煙草に火をつけてしまったが、今は家に口うるさいこいつがいるんだったと、苦虫を噛み潰したような顔になり、責任感が強いのは結構なことだが学校での喫煙ならいざ知らず家で勝手に吸うぐらいなら大目に見ろと、反論してから再び煙草口に咥えようとして)
だめだって、未成年の喫煙は法律で禁じられてるだけじゃなくて、体にも悪い…っ!!
( 本当は家の中だし、口に出すつもりはなかったのだが、もう引くに引けなくなってしまい。どうしたものか、と健康への影響なんて、あげてみながらまた再び吸おうとする途中の煙草を奪おうと手を伸ばして。)
っ!おま、いい加減にっ…!?…ってぇな……危ねえだろ!
(実力行使でこちらの喫煙を止めようと手を伸ばしてくる相手の手から逃れようと煙草を持った手を上に挙げるも、しつこく食い下がってくる相手、体重がかかりバランスを一緒に崩せば後方に尻餅をつくように倒れ込み、相手が怪我をしないようその身体をなんとか抱き止めると声を荒げて)
…っ!!
あ、ぁ、ごめん…っ!
( 必死になりすぎて倒れ込んだところは何が起きたのか全く理解が及ばず。抱きとめられていることを認識すると一気に心臓がバクバクと音を立てて、顔を真っ赤にしてはすぐさま相手の上から退き、謝罪を。相手に怪我はなかっただろうかと心配そうに相手の方を見て)
ったく…火事にでもなったらどうすんだよ…。それで、怪我は…?
(手にした煙草はなんとか手放さないままで、床に落として火がついたりといった二次被害は避けることが出来て、こんな事態になって尚喫煙を続ける気にはなれず、ゆっくり立ち上がると一口しか吸えてない煙草を灰皿がわりの空き缶へと押し込んで、改めて相手の方を見て、相変わらず口調はぶっきらぼうなまま気遣いの言葉を投げかけ)
…、ごめんなさい。
怪我は無い…、桐谷も大丈夫だった?
( よくよく考えれば火のついたものを取り上げようなんて、危ない行為であることは明確。今回ばかりは非は自分にあると認め、素直に謝り。相手とこんな風に言い争いになるとどうも冷静でいられない。こちらを気にかける言葉に、大丈夫だと伝え、逆に相手は何も無かっただろうかと心配そうな目で)
あ?……当たり前だろ、俺はそんなやわじゃねえんだよ
(元はと言えば悪いのは自分で自らの反発が招いた事態だというのに、それにも関わらず素直に謝罪をした上に、身体の心配までしてくる普段とは違った殊勝な態度に困惑して。相手を抱き止め尻餅をついた際に床についた左手の手首に若干の違和感があったが弱味は見せまいと、すぐ後ろに手を回してそう強がって)
…そう。
でも、煙草は絶対よくない。私がいる前で吸ったら取り上げるから!
( 相手が手首を痛めているなんて知らず。謝ったが煙草に関しては自分は間違ったことは言っていないとそう言えばまたソファーへと戻りテレビを観て。そうこうしているうちに先程頼んだものが来たのかインターホンが鳴り )
あーあー、分かったよ、いちいち説教垂れるな…!
(しおらしく感じられたのもほんの一瞬のことで、すぐにいつものずけずけした物言いでこちらの非行を咎めてくれば煩わしそうに耳をおさえて、これから毎日家でもこんな調子が続くのかと憂鬱な気持ちもありながらも、本当に今日から一つ屋根の下で暮らすんだなと、なんとも言えない複雑な感情を抱きながら横目で相手の方をチラッと見て。それからすぐに宅配のピザが届いた事を知らせるインターホンの音が耳に届くとすぐに目線を外してそのまま玄関へ向かい、二人分のピザを左手を庇うように右手を器用に使ってリビングへ運んできてテーブルの上に置いて)
…、ありがとう。
( 自分の言うことにはウザそうにしながらも了承してくれたことに少しだけため息をついて。ピザを受け取りに行きテーブルまで運んでくれれば、一応礼を言ってから袋や、箱を開けて。ふと、先程からやたら左手を隠そうとする仕草に、不自然さを覚えると相手の方を見て)
ねぇ、やっぱり左手けがしたんじゃないの
っ…何ともねえって言ってんだろ
(こちらの付け焼き刃での誤魔化しをあっという間に見抜き、目ざとく指摘をしてくる相手に、たじろぎ語気を強めて否定するが、このタイミングで冷静さを欠いてしまった時点で認めているようなものだという自覚はなく、何ともないと言い張りながらピザを一切れ手にとって口に運ぼうとして)
…、ほんっとに、素直じゃないんだから。
( 相手の様子に図星なのを感じ取れば呆れたように溜息をつき。「いただきます」と手を合わせ、自分もひとつピザを手に取りそれを頬張ると少し冷めてはいるが温かく、美味しい味に感動して。美味しそうにまた1口とそれを食べては。ふと、我に返ったように咳払いをすれば、相手の怪我については食べ終えた後に自分が見ると伝え、後で自分のカバンの中にある救急セットを持ってこようと考えつつ)
…食べ終わったら待ってて、怪我してるとこ見るから。
ヤダとか言わないでよ。
本当お節介な奴だなお前…逃げようにも逃げられねえだろ、同じ家に居るんだから…
(自分にとっては食べ慣れた味、ピザを無感動に腹を満たすためだけに詰め込みながら、どうしてこうも自分にとって何の得にもならないというのに他人のためにここまで労力を割き面倒を背負い込むことが出来るのかと呆れ。不本意ながら同居人としてこれからも顔を合わせ続ける相手、ここで適当にはぐらかして逃げようにも、この先同じようにケガのことに触れられ続けるぐらいなら一回で済ませた方がいいと判断し、諦めて素直にその申し出を受け入れることにして)
お節介なのはもともとなの。わかればよろしい。
…よいしょっと、そしたら手見せて。
( よく周りからも言われるが、お節介だとは自分は思っておらず。困っている人は誰だって助けたいと思ってしまう性分なのだ。それが例え苦手な相手だとしても、だ。相手の意外な返しに少し驚くも、くすくすと笑ってからピザを食べ終えて。ごちそうさまと、手を合わせると先程持ってきたリュックの中から小さな救急セットを取り出し相手の隣へと腰掛け。手を出してと、自分の手の上に相手の左手をのせるように言うと相手の行動を待って。 )
……礼は言わねえからな
(不意打ちのように向けられた笑顔に僅かに高鳴る胸、いつもいがみ合っている相手だが、こんな風に笑うこともあるんだなと新たな一面を見つけて嬉しく感じている自分と、その事実を認めたくない自分、二つの感情がせめぎ合い相手の顔直視出来なくなってしまうとバツが悪そうにそれだけ言って左手を素直に相手の手に委ねて)
…、折れたりはしてないみたい。
とりあえず湿布貼っとくけど、明日も痛むようだったら病院ね。
( 素直に預けてくれた左手をそっと動かしてみたりすれば、やはり一定方向に曲げる時に痛みがあることがわかり。見たところ折れているわけではなさそうなので、一先ず湿布を貼りその上から包帯を軽くぐるっと巻いて固定して。「いいよ」と手を解放すれば、救急セットを片付け。)
……手際いいのな、もっとガサツなのかと思ってたわ
(患部に少し触れて動かし、それだけで大体症状を察したようでテキパキ処置を進める相手の真剣な顔を見ながら、こんな特技もあるんだなと素直に見直しては包帯での固定のおかげもあって多少は痛みも楽になると処置してくれた手元をしげしげ眺めると、素直にお礼を言うのはやはり照れるため、そんな憎まれ口を叩いて目を逸らして)
一言余計なのよ!
( 褒められたようなそうでないような言葉に少しムッとするも、普段相手に対してガサツなのは言い返すことができず、誤魔化すように立ち上がるとテーブルの上のピザの箱や袋を小さくまとめてゴミ袋へ。今日はなんだか疲れたし早く休もうと決めれば、お風呂はどうしようと思い立ち。)
…お風呂、入ってもいい?
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