『蚕繭』 2024-08-25 20:21:07 |
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具体案は私も出ていないので大丈夫です!これから一緒に出していきましょう!!
もうお互い今の二人が最高という事で!ファイナルアンサーです!!
想像するだけで楽しいですね!桑嶋は全然気にしないので何部でも持っていって下さいませ!!桑嶋は見比べる春翔さん見て逆に首傾げてそうですけどね、何が違うのかと言わんばかりに……。
扱い手慣れてくると段々雑になってきそうですね。桑嶋も好きに描かせてもらえて満足するし案外Win-Winなのでは。あっ…じゃあこっそり内緒で……描いてる手を握って「大丈夫」って言ってあげると高確率で止まるんですよ、桑嶋……ここだけの話ですよ……?
んん~そんなに褒められると照れますねえ!!そう本当に、背後の私も手綱が取れるか心配なくらい自己主張してくるんですよ桑嶋って……どうやって生きてたかは……たぶん、運、ですかね……。私の方も早く春翔さんとお話したくて堪りません…!!そわそわが止まらない…!
いやむしろこの、桑嶋が動物見たいって言ったら競馬場連れてってくれそう(ド偏見)な感じがめっちゃ好きです。きしょい事なんてある訳無いじゃないですか!何だったら今後の描写とかに入れて下さっても私喜ぶだけですからね!!?
お気遣い有り難う御座います!此方こそ何か有りましたらばしばし言って下さい!
いえいえ、むしろぐいぐい引っ張って頂けて助かってるくらいです。そうですね…では、失礼ながら先レスして頂いても宜しいでしょうか?別段他意などは無いので、難しければ此方からでも全然構いません。ちなみに此方からの場合は個展の絵画体験コーナーに居座ってる所からになります。
(/扱い慣れてくると変な場所で絵を描いている桑嶋さんに、そこどけって足でげしげしする姿が……。あぁ、背後の意思じゃなくて春翔の意思です!ほんとに!言い訳が止まらない……。えっ!!!なんですかそのハートフルな止め方は!いいこと聞いたので心臓に刻んでおきます。いつか春翔がそうやって止めに行きます。絶対に。
良いところしかないですよ~~!!自己主張の強さを早く目の当たりにしたい……。運で生きてきたのめちゃくちゃ笑いました。その運是非とも分けて欲しい……。
え!なんで分かったんですか!入場料ってことで馬券も買わせますよ!!わーん、入れます!!ピアス弄る描写入れます!!
そう言っていただけて嬉しいです……!ちょこっと前日譚や等も入れたので妙に長くなってしまいましたが長さ云々は特に気にしていないので好きなように綴って頂けたらと大満足です!また背後会話の方もちょくちょく省略して無理ない程度にしていただけたら!!)
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(さながらひまわり畑に生えている一本にすぎない金持ちの女が個展だか何だかを開くらしい。という事を数日前、冷麺を食べている時に聞いたのは記憶に新しい。なんでも‘稀代の天才’らしく、チケットは入手困難だという事で折角だからと誘われたのを財布を失うまいと無碍には出来ずズルズル当日になってしまい。黒地にペイズリーやら花やらが描かれた柄シャツにスキニー、ラウンドのサングラスにチェーンをつけて、ブランドロゴのバケハ、厚底ブーツにベルトを2本巻きつけておしゃれしては炎天下の中デートという名目で嫌々手を引かれ。無理矢理見せられたパンフレットには天に二物を与えられた顔をした若くして成功している例の画家が。なるほど、チケットが即完売する訳だと1人納得していては、いつの間にか冷房の効いた涼しい室内にいて。程々に広い会場には老若男女問わず盛況している様子で、本当に人気があるみたいだが芸術には一切の興味がなくインスタを見ながら女に着いてチラチラ横目に絵を見るだけ。ナイトプールの投稿にハートを押していると知らず知らずの内に絵画体験コーナーに。「おい、んな趣味」という声は女に遮られ。女が声をかけた男は話の内容的にどうやら個展に絵を飾っているがパンフレットに載っていない無名の画家なのか。汚いという印象しか抱けないその男は、手入れされていない髪、崩れそうな身体、ヨレヨレの服も相まって、さながら廃墟のような人間……かも分からない生命体に愛想よく一方的に喋れるなと隣の女に初めての感心を抱き。それも束の間、遠くから女を呼ぶ声が耳に入っては、ちょっと行ってくるとだけ言い残し簡単にこの場に残された気持ちは高級ブティックで母親に放置された子供のよう。)
(/あっ、全然大丈夫です。むしろそのくらい雑な方が桑嶋と関わってく上で丁度良いかと!この場合変な所で描いてる桑嶋に非がありますし、何か不満ならちゃんと言葉にするので!ふふふ、諸々ちゃんと理由あっての止め方ですので、いつかしてもらえる時をお待ちしてます!
私も春翔さんの自由さを早く堪能したいです……。運が無きゃ恐らくその辺の草っ葉の肥料とかになってるような生き方ですもの、桑嶋。いやでも運と顔と画才と引き換えに全部ポンコツになってるような男なので……。
想像通り過ぎて笑いました。それで偶然穴馬の馬券当ててちょっとした騒ぎになってそう……。やったあ!!ピアスの描写楽しみにしてますね!!
先レスから背後会話のお気遣いまで有り難う御座います!大変解りやすくて素敵な文章で既にはしゃぎ散らしてます…此方こそあれこれ詰め込んだらズルズルと長くなってしまったので、どうかお気に召さない点がありましたら言って下さいませ!それでは、これから宜しくお願い致しますっ!!)
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( 個展を開こう、と顔馴染みの美術商にアトリエで声を掛けられたのが暫く前。それから個展会場の設備だとか経営者の方がどうとか、彼是聞かされても正直首を傾げるのみで、自分がした事は精々どの作品を飾るか選んだ程度。しかし、開催の当日迎えに家を訪れた美術商が持ってきたお仕着せのスーツには頭を横に振って、「…嫌です。絵が描きにくいのは着ません。着なきゃ行けないなら、行かないで描いてます。」とはっきり拒否を。それから着る着ないの攻防を朝から長々二時間は繰り返して、先に折れたのは美術商の方、結局今着ている服そのままで会場まで送迎車に乗せられる。暫くして到着した会場内には既に関係者各人がぽつぽつと入っていて、その誰もが小綺麗な格好で言葉を交わしていたが、そんなものより惹かれたのは絵の飾り方。挨拶回りする美術商に背を向け、広い会場をふらふら巡って一足先にその世界を泳ぐうち、行き止まりを振り返った所ではたと足が鈍り、「……皆さん何処でしょう?」一人きょとんとそんな呟きを溢す。だがそのままじっと同じ事を考えていられたのも、絵画体験用のスペースに気付くまでの十秒の間だけ、小さくも真っ白なキャンバスの置かれた席の一つに近寄り腰掛けた後には他のものなど何も思考に入らなくなって。――次に意識を引き戻したのは、己の肩に添えるようにして叩いてきたとあるしなやかな片手。そこで只キャンバスをなぞっていた何も持たない指先を下ろし、伸びた腕の持ち主の方を見上げれば、其処には男性を連れた一人の女性。彼女は確か……そう、いつだったか己の描いた紫陽花と蝶々の水墨水彩画を買った相手。「はい、こんにちは。」掛けられた挨拶に応えはしたが、それ以降は何故やら唇がぎゅっとへの字に曲がるばかり、ただ一方的に浴びせられる話にだんまり息すら止めて。やがて女性が他へと去った所で漸く呼吸を再開すれば、「……香水と化粧、匂いが強いです。」女性との会話で言葉を発しなかった理由を数度の咳と吐き出した後、ふっと目が移ったのは立ち尽くす男性。美術展の来客の中でも一際目立つだろう洒落たその格好へ、じいっと食い入る視線を足元から順に上げていき、その天辺まで辿り着いたと同時に緩やかに腰を上げる。「……きらきらの色ですね。」立ち上がった体躯は少しばかり猫背、そのまま見下ろす髪越しの眼差しは無遠慮に彼を見詰め、「オシドリ、メダカ……孔雀?いえ、シジミ蝶……、」脈絡も無い呟きをぶつぶつ振り掛けた後に、「アンタはあの人の恋人ですか?」これまた唐突と意識が戻ったように目の前の相手へ淡々問い掛けて。)
(/それはよかったです!(?)結構ストレートに物言うし考えるし行動するので、先ほどのレスもめちゃくちゃ失礼なこと言っちゃって大丈夫かな……と涙目でした。不満もいっぱい言われたいし此方も言い返す気満々です!きゃ~~!!気になる!!本当にこんなシチュどうかなとか、イベントもたくさん発生させたいので1日がもっと長ければと心から思います……。
肥料に葉っぱ……すごい、自然環境に貢献してる……。ほんとにステータスの振り方が極端すぎますよね!!桑嶋さんを創造した神の顔を見てみたい!っていう感じですよ!
自分の功績じゃないのに過去一笑顔になるし目に光が入りますよ!!多分まっすぐ家に帰らずに遊び呆けるんだろうなぁ……自分のお金じゃないのに……。そんなハードル上げられたら……ひいひい、
いえいえ!お互いやりやすいように出来ればそれが1番ですので!此方の方こそ桑嶋さんの魅力が詰まりに詰まったものに大変ニコニコしております。此方こそ改めてよろしくお願いします!!)
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(よくよく見ると男の目の前にあるキャンバスは何か描かれた形跡が見当たらず、これが噂のあえて白紙で提出する芸術なのか。と勝手な想像をしている隣で女が喋っている間、男は不機嫌そうに黙っているのに気が付き。確かにこの女は他と比べれば口の稼動が多く相手するのが面倒臭いと1日に何百回思っている故に少しばかりの同情を向けていたがどうやら違う理由らしく。態とらしい咳払いと共に発せられた言葉は理解できないもので。香水臭いはまだ分からなくはないが、流石に化粧品のにおいまで分かるわけがない。関わりたくないものとは関わらないのが1番だとその場から立ち去ろうとするも逃げ場がないように目の前に立ち塞がれては思わず顔を顰める他なく。自身よりも背が高いものの迫力や威圧感は一切感じられず、ただ細長い何かに道を阻まれているよう。しかし、ここまでじっくり観察されるのは耐え難いほど居心地が悪く。きらきらだとか動物?虫?の名前と連なられての意味を見出すことなんて出来るはずもない。所謂電波系と言われるものだろうか。経験上そんな人種と関わると碌な事がないとあからさまに眉間に皺を寄せて、如何にも忌まわしいという顔付きにも関わらずに気にする様子を見せることも無く思ってもみなかった事を問われては「は?」思わず声を上げて仕舞えば暇を持て余し、キャンバスへ向かって下手くそな絵に夢中になっていた子供が数人此方に顔を向けた。その様子を横目に声の調子を落としては「ちげェよ。ただの知り合い。…あんなのと付き合えるわけねェだろ。」と肩をすくめながら失礼な事を失礼だと思わずそう述べて。)
(/失礼な物言いをするのはうちの桑嶋も同じですので…!お互い本音でたくさん話し合って欲しいですね!…ちなみに先程桑嶋が並べた生き物の名前、どれも雌雄の内オスの方が派手なものという共通項がありまして……つまりはそういう事とお察しください。ふふ、私も一日があと20時間くらいあればと思いつつ文を書いております!イベントについては是非是非お話下さい!もう盛りに盛っちゃいましょう!!
逆に運が無きゃ自然くらいにしか貢献出来ないという事でもありますね……。いやもう本当に、神様の手が滑りまくったみたいな才能の分量ですよ。今頃「やっちまったな!」くらいの笑顔浮かべてるかと……。
春翔さんが喜んでるならそれでいっか!!桑嶋もお金に頓着しないからきっと一緒に楽しんでるでしょうし……。あっ大丈夫ですよ、そちら様の思うまま描写して下されば私大満足なので!
ふふ、有り難う御座います!では、お互い楽しみましょう!!)
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( 目の前の男性が不機嫌な事は思慮の外、己の興味あるものをじっと待ち、「…そうですか。」返ってきた答えへ相槌の一声。それから、直球に不躾な物言いをする彼に頷けば、「そうですね。あの人、とてもうるさいです。オレの絵を買う時もさっきも、ずっと関係無い事喋ってました。こっちの顔を見てない人です。話していると不快な時が多いです。」同調を通り越した火の玉ストレート、本人に伝われば間違いなく怒りを買う彼女への印象を、淡々冷静に見えるだけの不満たらたらな口調で捲し立てる。……と、そこまでで言葉が途切れたその拍子、次に視線が移ったのは彼の耳。ホールだらけのそれに怖じる事無く、「……アンタの耳、星空みたいですね。」そんな褒めているのか単に溢れたのかも知れない呟きと共に指を伸ばしかけ――触れるその前に、自身のファーストネームを象る声に身を竦め固める。声のした方向を向く頃には、己の名前を呼んだ張本人、即ち己が意図せず置き去りにした美術商の壮年男性がもう迫ってきていて。“会場の主催に挨拶は?”、そんなお叱りに一歩あからさまに退きながら、「ちゃんと挨拶しました。この人と一緒に居ました。今あっちです。」己の口、女性の同伴者たる彼、それから彼女が去った方を順繰りに指差し、言葉を並べて難を押し返そうと藻掻く。それでもメインの画廊へ戻れと伸ばされる手から逃れるべく、「嫌です。オレこの人と展示回ります。この人が良いです。」もう一度同伴者の男性を指して不意打ちに彼を巻き添えにしつつ、その傍に寄らんと動かした足が、縺れて自らの膝に引っ掛かり――ごしゃっ、と受身もへったくれも無く床へ顔面を強かに打ち付ける形でずっこける。幸いにして傷を作る程ではなかったが、痛みに熱い額を髪ごと掌で押さえてその場にもぞもぞしゃがみ込み、「……嫌です。」尚も強情に拒否を美術商に突き付けながら、もう片方の手で男性の脚に確としがみついて離れず。)
(/ですね~!お互い包み隠すようなことはしない性格っぽいので、それが原因でまた喧嘩とかもよさげ!というかいつかしたいです……。…………!!!なるほどそういう……。わーっ、めっっっっちゃ好きです!なに?銀色?……銀色の?とか思ってた私はあまりにもあほあほすぎて笑っちゃいました。
神様笑っちゃってる~~!いやでも、その神様がいたからこそ今の出会いがあるから感謝……?
桑嶋さんが競馬場で楽しんでる様子……めちゃめちゃ面白すぎません!?大声でいけいけ怒鳴ってる春翔の横で黙々をスケッチしてるのが……。思うままに描写させていただきます……!仲良くなったらぽつぽつ開けた思い出とか語らせたいなぁとか!
これを言おうと思って忘れてたのですが!此方に対する確定ロルは色々やっていただいて構いませんので好き勝手にやってやっていただければ嬉しすぎます!あと此方から出してるサブキャラの女性も好きに動かしていただければ!
この後も女性が戻ってきてもいいし、このまま画廊を回っていただいても美味しくいただきます故……。個人的には2、3枚ほど見て回るのもありかな、とかなんとか!展開任せ間は否めませんが、申し訳ないです…ひい、)
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(自分が言った倍以上の不満を漏らす姿は意外に饒舌なもので。まぁ、あの女が五月蝿いことに関しては否定したり擁護する必要性はないのだが。しかし、何気にそれは特大ブーメランとなって自分に返ってくることはないのか、と思ってしまうが話をややこしくしたくない優しさの上で黙っていることに。頷いたり相槌を打つこともせず目の前の男の声を右から左へ流していると突如此方へ手が伸びてくるのを確認し。一体なんだと身体をのけ反らせながら半歩ほど下がったところで、男はぴたりと静止したようで。その視線の方へ一緒に目を向ければ自分より幾分か歳を取ってる別の男が。特に口を挟むこともせずぼんやり話を聞いているとどうやら、ヤバい方がゴネているらしいが自分には関係ないからと今の内にどこかに逃げ出そうと身体を反転させた矢先にちょうど自分の事が呼ばれた気がした。いや、気がしたじゃなくて顔をそこに向ければ確実に指差されていた。来たくもない画廊に連れてこられ、ましてや炎天下の中、こっちはさっさとラーメン食って帰りたいのに、‘ふざけるな’と言いかけた瞬間に大きな音と共に今まで視界に入っていた枝が消えた。下手くそな絵に集中してた子供もいよいよ此方に寄ってきそうな気配を感じる。視線を下に向ければ立ちあがろうともせずに額を抑え続ける姿。この数分の中で初めて痛がるという人間らしい姿を見た気がする。可哀想な気もするが此方には関係ない事で、慰めの言葉を出すこともせずに再度離れようとしても脚が重い。「……なぁ、こいつマジでなに?」諦めたように額に手を置きながら態とらしく大きなため息を付き、偉いと思われる奴に向かって足元の男を指差してそう尋ね。脚を蹴るように振り落とさないのはせめてもの優しさ。今日ほど女の帰りを祈る日はないだろう。……いつまで経っても戻ってくる気配はないが。)
(/まあ~真正面からぶつかり合うのも時間の問題な感じではありますよねえ……。そういう事です!桑嶋が「(あの女性と)恋人?」って春翔さんに訊いたのもその辺りの関係です!いや私こそめちゃくちゃ解りにくかったよな……って投稿した後に反省しました……。今後も桑嶋語が解りにくかったら直に訊いて下さい!ノリノリで解説しますので!!
神様も笑うっきゃねえですよこんなん。まあ確かに…このお陰で春翔さんにも出会えてるので感謝……?します……?
淡々とした顔してすんごい楽しみますよ桑嶋。そして馬のスケッチもするけど、しれっと春翔さんが怒鳴ってる所もスケッチしてだいぶご満悦の顔(無表情)もしますね!おっ、良いですねえ!楽しみ増えちゃいました!!
あわわそんな事までしちゃって良いんです……?いやもう本当に至れり尽くせりで…ではでは、必要な場面になりましたらそういったのも順次取り入れていかせて頂きます!あ、勿論私の方からもそういったサブの行動や確定ロルなど全然大歓迎ですので、どうぞご遠慮無く……!
このくらい全然構いませんよ!そうですねえ…では折角ですし、“桑嶋と関わると得がある”事を春翔さんに覚えて頂くのも兼ねて、桑嶋の絵をちょっぴり見て回りましょうか。まあ私個人に芸術センスは綿毛ほども無いので、あんまり期待はせずに……ね!では行きましょう!!)
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( ごたごたと騒ぎを起こした終わり、彼と同じく深々溜め息を吐き出した美術商は問われた声に視線をついと上げる。少し疲れた顔で向き合い一つ謝る言葉の後、うちの契約画家だと先ず簡潔に足元に蹲る物体の紹介を。それから自らの名刺を彼に差し出して美術商自身の正体も明かした次、腕を組んで更に表情を渋く顰めながら、『これでもうちじゃ一番の売れ筋だけど、ご覧の通りの訳あり物件でね。』と。本人を目の前に品物のような物言いをする様は、そう割り切らねばやってられないといううんざりとした気苦労がありありと窺える。そのままもう一度画家の方へと目を下ろしはしたが、その“訳あり物件”はやはり相も変わらず其処を動く気配が無い。十秒程度の膠着の末、美術商は腕を解いて手首の時計に目を向け、そこに続けてしがみつかれている彼にまた視線を移し、『悪いんだけど、一時間だけ彼の相手をしてくれるかな。謝礼はするからさ。』そんな文言で諦め混じりの交渉を持ちかける。――その一方で、話題の画家はといえば。大きな音と騒動にすっかり関心を此方に移した子供数人に囲まれて、コーナーに備え付けの筆でつつかれたりパレットで叩かれたり、挙げ句に絵の具の付着した手で髪を引っ張られたりと格好の玩具になり始めていた。「あの、やめっ……やめて下さい…っ、ちょっと、」芋虫だお化けだと囃す声に紛れて若干言葉での抵抗は見せるものの、エネルギッシュな子供相手にやや押し負け気味で、更に負傷部位へやたらと集中攻撃を受ける為、亀のように丸まらざるを得なくなっている模様。)
(/ね~、今のところ個性のぶつかり合いしか起こってないですもんね~~。譲歩という言葉、もしかしてご存知ない?状態……。ぅわ~っ!なるほど雌雄で姿形が変わるから~っ!わーっわーっ!!良すぎて語彙力が……。分かりにくいやつもいっぱい出して欲しいです~!!いかにも桑嶋さんって感じがするので!ノリノリ解説、楽しみです……!
スケッチする姿も見たい~!所構わず一心不乱に描いてる姿も絶対絵になりそう……。すきご満悦(無表情)があまりにも好きすぎる…。表情変化しなさすぎて春翔に困惑させるのも楽しみ。口では楽しんでます、っていうけどどっからどう見ても楽しそうに見えないけど??っていう。
全然しちゃってください!基本NGとか全然ないんで!是非是非色んなことして話を盛り上げてくださいませ~~!!此方こそありがとうございます!
得がありすぎて思わず笑顔。初っ端から春翔が扱いやすいことバレて私は苦笑。桑嶋さんの絵を見るの私はめちゃくちゃ楽しみにしてます!!連れてってくださ~い!!
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はぁ、そっすか。
(まだ足に纏わりつく体温はねっとり不快なことには関わらず。冬だったらいい暖房になったのだろうか、現実逃避した考えを頭の隅に入れながら、差し出された名刺を片手で受け取り、名前すら見ることもせず乱雑にポケットに突っ込み。絵の世界での売れ筋などなに一つとして理解する気もなく、気の抜けたアホ丸出しの返事を。どうやら諦め半分といった表情に心の中で同情してやるも自分と関わる未来は一切合切見えやしないので……「時給換算なら何時間でも」口から出た言葉は先ほどとは違いやる気満々、生気に満ち溢れた青年の声だと自負出来る。多分口角も少しは上がっている筈。個展イコール金持ち、という単純明快な方程式がスロットがの7が揃うようにカシャンカシャンカシャンと出来上がった。___気持ちのいい交渉が(自分の中で)完結したところで、あの男を引っ張るため意識をそちらに戻せばクソガキ共に絡まれている姿。そこまではいいのだが、問題は手にしている汚い絵の具やらなんやら。あからさまにありとあらゆる不快を表した表情を溢せば「おい、クリーニング代出させんぞ。親呼べ、親。」と片脚を器用に持ち上げては遠慮なしにシッシッと追い払うように。この際蹴ったとしても先に喧嘩を打ってきたのは向こうだから関係はない。ワーキャーと蜘蛛の子が散るように逃げる背中に「1人3万用意しとけよ!」と言い残し。残る問題は、……足元に纏わりつくボロボロの妖怪をどうするか。再度額に手を当てては大きなため息。「……さっさと立てよ。行くぞ。」纏わりつかれている脚をぶらぶら揺らしながら目的もなにもない簡素な言葉をぼさぼさの頭に投げかけて。)
(/ですね~…譲歩どころか妥協も遠慮も辞書には無い!って感じですもの……。んふふそこまで言って頂けると嬉しいですね。それでしたらもうじゃんじゃん出しちゃいますね、桑嶋語!解説もその内……。
絵に……なりますかね……?桑嶋、絵を描く時めちゃくちゃ目ぇかっぴらいて独り言オンパレードですけど……。顔隠れてる方が感情豊かに見えるまでありますからね、桑嶋の表情筋の仕事放棄っぷりは。「すごく楽しいですよ。テンション上がってます。(無表情)」とかやって、楽しいなら笑えよってつっこまれる所とか見たいですねえ。
うわ~!!ありがたや~!!ではもう早速いかせて頂きますね!!
春翔さんから大変解り易い笑顔頂いて思わず私まで笑顔です。絵の描写にめちゃくちゃ悩んでお時間取っちゃいました、すいません…!!あ、展開とか時間とか、進めちゃって大丈夫ですので!適当な所で展示巡り切り上げて下さって結構です!!)
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( では宜しく、と彼に任せて去っていく美術商の足音を聞く余裕も無く丸まっていたが、受けていた攻撃が不意に止む。それに恐る恐る顔を上げた所に降ってくる声と揺れる柱、もとい彼の脚。状況を飲み込みかねたのかほんの数秒固まった後、漸くのっそり立ち上がれば、「……ありがとう、です。では行きましょう。」心持ち強張っていた身もあっという間に解け、礼を告げた次の瞬間には彼の手首を掴んで展示へと大股に歩き出す。「今日の個展、夏の絵が欲しいと言われたので、夏に描いた絵を選びました。」声の調子は相変わらず平淡と、しかし滑らかに彼へ言葉が注がれる。それから初めにひょいと視線を移した壁に有るのは人の半身ほどの大きさの額縁と、その中に納められた咆哮する獅子の油彩。「これ、太陽です。」真っ白な背景に赤一色で表されたその絵画を端的に説明しては、またずんずんと彼を引っ張っていく。次に立ち止まったのは、桃色に乳白色、焦茶に緑の彩りで組まれたアクリルのマンダラ図形の前。やや小さめのそれの周りには評論家気取りの中年が表現がどうだ伝えたい事はこうだと好き勝手弁舌して、そのまま居丈高に此方に話を振ってきた。君はどう見る、と問う偉そうな声にかっくり首を傾げてから、筆ではなく指で直に描いたらしい若干歪なその図形を指差して、「………ストロベリー、バニラ、チョコ、抹茶。」色を順に示しながらまた脈絡の無いように聞こえる単語を並べた後、「…アイス食べたい、ですね。」とこれまた滅裂な言葉を。それにぽかんと呆ける中年や周りを余所に、己はがっちり捕まえた共連れの彼と更に画廊の奥へと歩む。「この向こうに、一番気に入った絵があります。」自分が引き回しているという自覚は有るやら無いやら、兎に角矢継ぎ早、彼へ頻りに声を掛ける合間に通路を進む。やがて突き当たりの広い一室まで辿り着いた所で、やっと足が止まる。「これです、一番。」すっと人差し指を向けた先には、一体何メートルかと計りたくなる程に見上げる縦長のキャンバス。そして、その中――まず目に付くのは、青の光に満たされた、人が十人は入れそうな巨大なコップ。次にその内側、夏花を象った尾鰭をひらひら揺らして悠々と泳ぐ氷の琉金達。浮かぶ気泡やコップの表面を流れる水滴まで緻密に描かれた、ひやりと冷たさを湛えたその水彩の紹介を終えて一つ息を吐き。「……でも、此処から居なくなります。」暫し見入った後にぽつり呟いたのは、この絵に買い手が既に付いている事の示唆。「少し寂しいですね。」声の抑揚こそ変わりなかったものの、肩を僅かに落とす様から、その言葉が偽り無い本音である事が窺えるだろうか。)
(/桑嶋語も解説も楽しみ~~!は?って顔する春翔とニコニコで解説を聞いてる背後……。
思ったよりも怖かった……。普段は可愛いのにご飯食べる時だけめっちゃ怖い顔する小動物?無表情にほぼ棒読みで言われたら、ふざけてるだろお前って言いたくなっちゃいます~!!
めっちゃ絵画展に来てる~!と背後は勝手にワクワクしております。
めっちゃ綺麗な絵ばっかりでほぼほぼスルーなのが申し訳なるぐらい……!白い背景に赤の獅子ってめっちゃセンス良すぎません!?!?普通に生で見たかった~~!!ちょっと春翔がこれ以上しょうもないこと言わないように切り上げたいけど、しょうもない事も言わせたくて……。返信に関してはお気になさらず!といいつつも楽しみにしているのは恥ずかしいのでここだけの話で…。)
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(揺らしていた脚から生温かさが消え、代わりに冷房の空気がヒヤッとした。そして加わったのは無遠慮に掴まれた手首に感じる温度。見た目通り握力がないのか振り解けば簡単に離れていきそうな手に従い、早歩きで着いて行き。「へぇー、夏は普通に嫌いだわ」会話のキャッチボールにもならない返しはきっとお互い様で、そしてこれからは興味もない一方的な会話を浴びせられることを考えられないほどバカじゃなく。見せられた絵、大きい檻に入れられたライオンは太陽らしい。特に感想も出ることがなく素通り。次はカラフルな幾何学模様の絵。偉そうに講釈垂れ流すやばそうな男性が此方に話を振ってきたのに対し無意識に舌打ちが出てしまい。そんな事も意に介さず自分の世界を作り上げている男にビビったらしい講釈おじさんを横目に絵のことはすっかり抜け落ちて、帰りに30だか32のアイスを食べるのもありだと頭の片隅に置きながら足を進め。暫くするとどうやら目玉らしき展示物の部屋。見上げるほど大きなキャンパスにはコップの中で泳ぐ金魚。その1匹1匹が自分の顔より大きいものもあり、中々の迫力だと珍しく絵を見て感想が出た。しかしそれ以上はなく、細部に至るまでの表現もなにも気付かなないでぼんやりと眺めているだけ。ぽつぽつ聞こえた言葉はどうやら売れたことを言っているようで。悲しいか嬉しいか何なのか全く感情の想像がつかず、男の前に立っているから表情も仕草も見えず余計に。片脚に体重をかけ、片手はポケット、片手は掴まれたまま。首を傾けても絵から涼しい風が吹いてくる事も心動かされることもない。そんな感性を悔しがる事も悲しがることもなく「ふーん。コレ、いくらで売れんの?」率直に聞いたのは歯に衣着せぬ下世話なこと。男の呟きから時間にして数秒か数分か、はたまた数十分か、ガヤガヤした周辺から切り離されたような空間の静寂を破ったのはいいが隣のブースから女の甲高い声が聞こえたような気がして。其方を振り向くのは少しばかり億劫に思えてしまい、それだったら絵を見ていた方がマシだと心の何処かで思ったような思わないような。)
(/良いですね~…本人は解り易く言ってるつもりの桑嶋と困惑する春翔さん……そしてにこにこの背後…絶妙な対比かと。
魚食べてる時のカワウソか、骨ガムでえぐい狂暴な面になる犬
をご想像下さい。大体それで合ってます。それはもう是非言ってください、正直背後も思ってますので。桑嶋また首傾げるでしょうけど……。
わ~嬉しい~!!獅子の絵は『日の丸』と『夏生まれの星座』をこねこねしてみたもの……と、赤色もライオンもシンプルにイメージとして暑そうだなという単純なそれです!!私も出力出来るものならしたいですね、画力ゼロですけど。
むしろ春翔さんらしいご質問で大変宜しいです。しょうもないなんて事もありませんよ、折角ですし、この辺桑嶋との感覚の差がはっきり出るよな~と対比の描写などさせて頂きました。ふふ、とっても有難いです。私もわくわくどきどきしながらそちら様からのお返事待ってるので、ここだけの話はお互い様ですね。)
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( 誰も彼もが黙って立ち止まり、呆けて見惚れる涼やかな絵画の前。その作者である己も例には漏れず、寂寥を吐き出した後にもまたぼんやり見上げていた。しかし、ふとその例外――絵画そのものに然したる興味を見せない彼から問う声が、トリップしていた此方の意識を引き戻す。「……いくら?」そちらに顔を向け、何処と無くきょとんと面食らった僅かな上擦りが反芻に滲む。それからほんの少し固まり、「……ええと。画商さんは、三百より上で売れたと確か話していました。」淀む音の数秒後にようやっと思い出した様子。無論単位は小銭ではなく札束の額だろうそれを、何でもないような一本調子でさらりと伝え、「アンタと居た人が買った絵も、二十くらいの値段付いてたはずです。」続けて目の前の彼から連想された彼女へ渡した、大きめのノート程しかない、片腕で抱えられるサイズの水彩墨画についても序でに言及して。「…道具が買える値段で充分だと言っているんですけど、いつも聞いてもらえません。」その最後、芋づる式に掘り起こされた美術商への文句も吐き捨てて、漸く口を一度閉じ首を戻す。――と、不意に。やや遠くに聞こえていた女性の甲高い声が、二人分のヒール音と争う声を引き連れて近付いてくるのが耳に入り、今度はそちらへと視線が向く。すれば視界に入るは当然此方に向かってくる女性、それともう一人険しい顔をした老婦人。彼女らを不思議そうにまた頭を傾けぽけっと見ていると、その二人が己へ次々と激しい剣幕で言葉を浴びせてくる。どうも曰く、別ブースにある“かき氷とカラフルな果物で出来た白猫の絵”をどちらが買うかで揉め、相応しい方を作者に尋ねにきた模様。しかし当の作者はといえば、その二人の迫力に気圧されたように三歩ほど後ろへとよろめき、己が連れ歩いた彼の真後ろへすすすと引っ込む。そのまま自身よりもやや低い位置にある両肩へと諸手を置いて身を縮こまらせ、「……絵を売るのはオレじゃないです。画商さんです。」こそこそと彼の背に隠れたその陰から二人を見つつ、ぽつり返す答えは“甲乙判断付かず”。それに余計にヒートアップする口論へ小さな唸りを溢して、「……困りました。恐いです。」彼の背中越し、やはり今一つ緊張感に欠ける茫洋とした物言いで状況に困惑を示しては、更に身体を小さく折り曲げ彼を盾と頼る。)
(/分かりやすいが常人の域越えちゃってるんですよね~。あとは普通に知識が豊富なのも……。
あ~それです!あまりにも凶悪すぎるお顔。でもそれがギャップ萌え……?それはもう言わせていただきます。
わ~~っ!!めちゃくちゃ素敵!確かに言われてみればめちゃめちゃ日の丸の構図ですね、考えられてる……。シンプル暑そうだし、咆哮も力強くて暑そう。今回出てきた絵も美味しそうですとても良かったです。フルーツ盛りだくさんのカキ氷にゃんこ、食べてみたい……。
大変宜しかったら安心です…。その感覚と住んでる世界に勝手に複雑な感情抱かせておきました。色んな価値観の対比も面白そうでいいですね~!わっ、そんなこと言われたらにやけが止まんなく……。いざ話を進めてみると楽しすぎてちょっともう、どうしようもない状態です。語彙力が、……。
めちゃくちゃ話変わるんですけど!仲良くなる前でも後でも、誕生日イベント入れたく。その時が来たらお互い大体どの季節に生まれたか考えたいなぁと!)
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は?300より上?
(耳に入った言葉を馬鹿の一つ覚えみたいに復唱しては目を丸くさせながら男を見やる。その調子は特段嬉しそうでもなく、自慢げでもなく、ただ淡々とした様子なのが逆に癪に障る。あの女が買った絵もそれなりの値段はするようで、絵を描く方も買う方も馬鹿しかいないらしい。何軒もの家を梯子しても3桁貯まるまでは程遠い此方の世界、それに比べて一瞬でポンと3桁入ってくるこの男の世界。その現実は同時に妬ましくも感じる心が何処かに生まれてしまい。横から聞こえてくるブツクサとした恨み節は全く耳に入ることなく、なんとなく上の世界を垣間見たような気がして複雑な、……母親が同級生とキスをしている場面を見たような気分。そんな見たこともない最悪な想像をしていると遠くから聞こえてきた女の声が段々と大きくなってきて。年寄りを引き連れて此方にやってきたかと思えば男の顔を見るや否やすぐに突っかかっていき、これだから人様の迷惑を考えない奴は、とブーメランもびっくりな思考。そんな事を考えているうちに盾にされていた自分の身体。普通に巻き込まないでほしい。男が余計なことを言ったのもあるが、いい歳した大人が言い争う姿は醜いの一言に限る。しかし、このまま女の機嫌が悪くなってしまったら高級ラーメン食って帰って小遣い貰う計画がパーになってしまう。どうにかして鎮める方法はないものか、頭の中の豆電球がピカリと光ってしまった。「……なァ、今度俺のために絵描いてくんね?金払うし。」首を捻って後ろを振り返ると男の頭頂部しか見えず、どれだけ怯えてるんだと心の中で突っ込みを。この男は自分のことを程々に気に入っているという確信のもと、言葉を投げかけ。言い争いはすぐに収まったが矛先は此方に向いたようで、いつの間に知り合った、間に入るな、お前には関係ないだの酷い言われよう。呆れたように本日何回目かのため息をついてはこれまた大きな舌打ちをひとつ。「うるせェ。展示してる絵はババァが買え。んで、俺の絵はお前が買え。」男からは描くと了承なんか得られていないが、遠慮なく人差し指を両方に突きつけては勝手に話を進めていき。)
(/自分が解るから相手も解るだろう、という節はまあ割と大きそうですねえ、桑嶋……何でもかんでも絵の材料として取り込んでるでしょうからねえ…資料室とかで片っ端から読んだ本ぶっ散らかして怒られてる感じもありますけど……。
萌え…ます……?そしたら桑嶋また不本意って顔(無表情)しますけど、もう全力で突っ込みお願いします。
完全にサバンナのイメージに引っ張られてる感は否めないです。多分桑嶋も「あっついですね…」って思いながら描いていたかと。格好いいのも綺麗なのも出したので、後は可愛い絵かなと。食べようとしたらスプーンにじゃれてきそうなのびのび仔にゃんこイメージでお送りしました。
めちゃくちゃざわざわしておられますようで…心中お察しします、春翔さん……お金以外にも食事とか娯楽とか色々価値観の差異ありそうで今後の対比も楽しみですねえ。ふふ、うちの桑嶋もとても生き生きしておりますし、本当に良い方に出会えたな~と毎日小躍りしてますよ。私も桑嶋も語彙溶けちゃいそうです。)
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( 喧々諤々争う甲高い声に身を小さくする姿は、まるで雷に怯える犬。そのままじっと堅牢に固まっていた所へ、目の前の“盾”から思わぬ言葉が振ってくる。「……え、」それまで下げていた首は一気に持ち上がり、既に他の声も姿も何も入らずじっと彼だけを見詰め。それから彼が仲裁した言い合いが鎮火していくまでの間、何か言いたげに、しかし何も言葉にならず口だけが打ち上げられた魚のようにぱくぱく開閉を繰り返す。――言動に変化が起きたのは老婦人が去った後、女性が機嫌を直し始めた頃。盾から退いた脚でそのまま彼の正面へとぐるり移動し、視界に割り込むや否や人を差す為に使われていたその手を今度は両手で捕まえる。「あの、」そこまでしてからやっと声が出て、「何の絵が良いですか。」先程の言葉に今頃了承の返事代わりと、一足飛びの問いを返し、「モチーフは何にしますか?大きさはどのくらいですか?好きな色は?模様は?それと、」そこから更にざばざば遠慮無く絵に関する質問を浴びせていく。彼を掴んだ諸手は今まで引っ張っていた時の比ではない程がっちり力が籠り、話す声も今までになく早口で器用に舌が回る。ついでに質問一つ言い終える度顔は彼にずいずい近付き、最終的にはその鼻先へ伸び放題の髪先が擽る距離まで詰め寄って。「あと、それから、」今女性がどうしているかも、ざわつきに衆目を集めている事も一切シャットアウト、目線も耳もひたすら彼だけに傾倒し、「アンタの名前、聞かせて下さい。」未だ知らず、関心さえ微塵も示していなかった彼の固有名詞に興味津々尋ねては、穴が空くような熱量でじっと視線を注ぎ続ける。)
(/会話のキャッチボールが出来なさすぎるのもまた一興という、あれですよね(?)。あ~、資料室から持ち出してその辺に散らばった本で躓く未来が見える見える……。
答えは沈黙……。不本意(無表情)はもう分かりにくすぎる!背後と共に全力突っ込みさせてください。
ちゃんと暑いって温度は感じられるんだ……!なんとなく気付いたらクーラーつけてない生活を送ってそうだと……。可愛い。そんな絵欲しいぐらいかわいい。脳内ではめちゃくちゃデフォルメされた猫がのび~っとしてたんですけど桑嶋さんはリアル寄りの猫なんだなあと勝手に想像してます。
1日でぽんっと大金が流れ込むような生活にざわめきです。お互い(特に桑嶋さんは)特殊な生き方してるから所謂普通との感覚もまた違うだろうな~と楽しみです!めっちゃ早口~~いきいきしてる~~かわい~~~~って感情が大爆発してます。私もお相手に選んでいただけてよかった~毎日たのしい~!とノリノリで踊っています。)
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(女共の怒りの矛先は己だったりお互いにだったり目まぐるしく変わり、周りの目線は何故気にならないのかと問いたいほどの言い争いを見せられる気分にもなって欲しいもの。次のネイルはどんなデザインにするか、無難に黒の単色が塗られて根元が伸びてきた爪を弄っているといつの間にか言い争いは終わっていたようで。だるそうなババアはどっかに消えていた。意図せず守護対象になっていた男の姿で視界の半分ほどをいきなり遮られ、ひんやりと冷たい手に体温を奪われる。先程とは違い振り解こうにも解けない力はどこから捻出されているのか不思議に思うほどで、間髪入れずの矢継ぎ早にされる質問は右から左へと言葉が綺麗に抜けていき。どうせ絵の事だろうが勢い任せに言ったことでなにも考えていない、というかそもそも興味が無いために答えられることができないというのが正しいのか。一つ言い終わるごとに此方へ近付いてくる顔面は素顔すら見ることが出来ないくらい髪で覆われていて。傍から見れば一種の告白場面のようなものか、変人に絡まれてる哀れな被害者か、どちらかといえば後者の方が望ましい。「……春翔。絵は好きに描けよ。」変わらず無表情のまま簡素に放った言葉。もういいだろ、と言いたげに掴まれた片手を上に上げては間接的に離せの合図。伝わるかは微妙だが。「絵のことはアイツに全部任せるから。」注がれていた視線から外れるよう、状況が分からないまま男の後ろに突っ立っている女を顎で示し。)
(/そうそう、これはこれで…という面白みを味わうのも醍醐味かなと(?)。桑嶋興味ある事以外は全方位不注意ですからね、そらもうドタバタ転ぶし、その度に額を打ちます。
あれです、無表情ってもよく見ると口がきゅって“へ”の字に曲がってるんですよ。まあでも解りにくい事この上無いんですけど。
一応絵描きに大事な感性は人並み以上にあるので暑い寒いとか、眠い痛いとか、色々感じてはいるんですよ。ただ絵が何より最優先で、『絵を描くのに支障無し→じゃあどうでもいいか』、と無関心に放っぽって描き続けて、そのまま全部忘れて何の対処もしないから限界迎えてぶっ倒れるだけで。あと桑嶋はエアコンとかの付け方教わっても、絵に関係無いから覚えてられないんです。私もこんな絵あったらいいな~の気持ちで書いてます。それは…確かに…どう見てもデフォルメ猫ちゃんって空気は無いですね、桑嶋。
そりゃあもう…二人ともその辺の一般人には理解出来ない事も多い生活してるでしょうからねえ。ええ、懐いた相手に一番得意な事頼ってもらえて、桑嶋テンションぶち上がってますよ今。まあ美術商にめちゃくちゃ怒られて回収されましたけど。このまま何も無ければ後日再会する方に持っていきたいと思うのですが、どうでしょうか……!?
あと前レスで誕生日イベントの件スルーしちゃってすいません…!!良いですよね、王道イベントで!仲良くなる前と後で対応全然違いそう……。生まれた季節か~…桑嶋想像つかないな~!ふふ、また楽しみ増えちゃいましたねえ!!)
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( 目の前の顔へ自分の髪をもっさり纏わせる寸前、やっと聞けた一つの答えに動きはぴたり止まる。「…はると。字はどんな、」彼の名を辿々しく繰り返してまた問いを重ねかけた所で、それを遮るように掴んでいた手がぐんと引き上げられ、追い付けなかった両手はいとも簡単と彼を解放する。半端に途切れた声と胸元辺りで固まった諸手の後、示された方と彼を一度ずつ見遣って数秒、彼の思惑通り意識の移った変人はぐるり女性へ身体を反転する。「どんな絵にしますか。画材は?配置は?題材は?」急激に迫ってきた己に目を白黒させる彼女の反応などさっぱり見逃して、先程と同じく次々と質問を浴びせその距離を詰めていく。「教えて下さい。」答えに窮する姿に焦れたのか、その手を取ろうと指を伸ばした矢先――またも響いてきたのは美術商の靴音と己の名を呼ぶ声。反射的に身を竦めた隙に今度は呆気なく捕まって、会場主催への狼藉と失礼へざくざく容赦など何も無い叱責を受ける。「違います、この人がオレの絵を、」何とか事情を伝えんと口を動かすが“言い訳無用”の一言でばっさりと斬られ、全て払い落とされた言葉を結んだ唇の内に飲み込む。そのまま美術商が女性へ謝り倒す合間、ほんの僅か下がっていた顔を向けた先は同伴者の彼。「春翔さん、また今度会いましょう。」この状況で空気を読むことすらしない、ただ今興味を引く彼へ意識を一点集中と声を掛けて、ゆらゆら呑気に片手を振る。その仕草に気が付いた美術商は小さな舌打ちと共に無遠慮にそれを引っ付かんで、この展示場から問題児の画家を引っ張り展示のロビーへと大股に足を向ける。)
(/この場でしか体験できない、という付加価値をつければワンチャン!それを痛そ~って見ながら春翔もその辺に落ちている本で転けるんですよね。分かります。
なるほど、横一文字からへの字に曲がるんですね!って分かるか~~い。(雑つっこみ)
なるほど~。やっぱ絵描きって感性はかなり大事ですもんね。わ、わ……なんというか、あまりに危機感なさすぎて住み込みじゃないと死ぬじゃんこれ状態……。今まで生きてきた運強すぎません!?
どっちかっていうとポップアートよりじゃないですもんね。でも見てみたい気持ちもあったり……。
知らず知らずのうちに懐かれちゃってる~!まさか初対面で絵の依頼するとは思ってもなかったのですが、良い方向に作用して何よりです……!引っ張られて連れて行かれる姿が目に浮かびます。ぜひ~!!また再会の場面を心待ちにしております。
いえいえ!確かに仲良くなる前後でも変わってきそうですよね。こういうのもまた取り入れれたら嬉しいです!桑嶋さんどの季節でも分かる~ってなるし、意外~!ともなります。本当にもう今からやりたいことばっかり言って申し訳な~!って感じなのですがあまりにも楽しみすぎて……。)
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(今まで己の掴んでいた主は今度は女へと標的を変えたようで、先ほどの自分と同じように質問責めに。助け舟を出す義理はなく、ぼんやりと様子を眺めていたら鶴の一声が聞こえてきたようで、当事者たちは一瞬にして静まり。1時間ほど前に見た奴が男を叱っている様子。言い訳も聞かずに、というあたり普段から色々やっているのは明白に分かることで。自分もなるならあの女のようにペコペコ頭を下げられる側になりたいとこの場にはに使わないことを考えていれば男からまた会おう、という言葉。どうせ、今日限りの出会い。またね、と嘘をつく必要もなく。「あぁ、じゃあな。」無理矢理連れて行かれる男の後ろ姿に少しだけ憐れみの視線を送り。「で、今日の俺の活躍は中々のもんじゃね?」くるり、身体を反転させては未だに棒立ちの女に向かって言葉を投げかける。肩に腕を回しては人目を憚らず頬に唇を落として報酬アップを狙い。そんなこんなで行きよりも機嫌を良くした女残しに手を回して個展を後に。)
(/あるかも!まあでも頑張れば…めっちゃ頑張れば会話ぎりぎり成り立つので……。ええ、それ見た桑嶋が「何してるんですか。」ってすっ転んだ体勢のまま聞いて春翔さんにはちゃめちゃに突っ込まれてそう……。
解るわけ無いんだよう……真っ直ぐ言葉にしてくれるのでそれを参考に感情読むっきゃないですね。
恐らく命の危機に遭ったの一度や二度じゃ済まないですね。凄いぎりぎりの所で美術商や依頼人に見付かってる運の良さ……そして本人は起きるや否や「描きます。」とキャンバスに向かおうとする始末…本当に危機察知能力とか全く無いので……。
ですねえ……でも多分自分からはあまり描かないだけで、頼まれたらポップなのもデフォルメも描いてはくれるかと。「こういうの初めて描きますね。」とか言いながらちゃんとお金に見合うものお出ししますよ、きっと。
桑嶋本人的には沢山お話してくれて(出来てない)、一緒に展示見て回るのにお付き合いしてくれて(お金の為)、自分を守ってもくれた(不可抗力)ので好感度上がりましたね。全部桑嶋の主観ですけど……桑嶋普段は全然力無いから多分女性でも子供でも引っ張れますよ。おっ!では場面変えちゃいますね!!
桑嶋はどう考えても絵を贈る未来しか見えない気もしますがね……でも多分何かしらは違いますよ、ええ。そういう春翔さんも我の強さが夏っぽいな~とか気ままさが春っぽいな~とか色々考えちゃいますねえ……。いいえ~!むしろ是非是非たくさんやりましょ~!!)
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( 美術商に手を引かれたその後、車で家まで送られる最中までずっと説教通しだったが、耳は苛立ち声も雑言も弾いてぶつぶつ独り言。それ所か車から降りる事を忘れてしまい、気が付けば座席を引き摺り下ろされ玄関先に放り出されていた。――それから少々の日数が過ぎ。正式にあの女性から美術商を通して依頼を貰い、その構想に本格的に入る前。一人外へと出たまでは良いが、目の前を通り過ぎていった綿毛に気を取られ、それを追いかける内に外出した用もすっかり忘れて。何とか捕まえたそのふわふわの植物を指で摘まんでじっくり観察する其処は、それなりに人目もあるランニングコース付きの大きな公園。明らかな不審者を見る目を向けてくる親子連れなどを余所に、しゃがみ込んでまた暫く思考にトリップする事数時間。雲がどんより垂れ込んで、今にも雨が降ろうかという暗さになった頃に意識は現実に戻り、「……帰りましょう。」などと誰に届く事もない言葉を起立と共に落とす。その足で公園の出入り口まで来た所で――はたと立ち止まり、ゆらりゆらり頭ごと辺りを見回す事数回。「…オレの家は何処でしょう?」どちらもそちらも見覚えの無い景色に首を傾げて悩む時間は数秒程度、「ええと……此方ですか。」連絡道具も何も持たないその身一つ、一番当てにならないポンコツの直感で来た道とは全く違う方向へと、古びたサンダルの底をずりずり擦る音を鳴らして歩いていく。)
(/めっちゃが付く頑張りを要求されてる~~!やばい、間抜けが2人も?最終的には誰も突っ込んでくれなさそうで……。
真っ直ぐにな言葉がストレートに届くといいのですが……。
いつ死ぬかも分からない桑嶋さんに胃を痛めてるのは美術商さんでは……?瀕死になっても描いてる桑嶋さんに一番胃を痛めているのは美術商さんでは!?!?
また誰かを使役して描いてもらうしか……。でも嫌々描かないあたりはちゃんと画家なんだな~と、そういう一面も見れてにっこり。……倒れても描き続ける面こそ画家を感じるのでは……?あれれ?もしかしてやばい人認識が強かった……?
注釈があまりにも仕事してなさすぎません?すごいいいように取ってくれて嬉しい限りです。春翔はそうでもなさそうですが……。ガキンチョにも引っ張られるのか~!体験コーナーでめちゃくちゃ虐められてましたもんね……。めちゃくちゃ迷子~~!!!!
絵を受け取る方もきっとどう受け取るかが変わってきそう~!ねー!春翔だから安直に春でもいいし、裏をついて~とかでも色々考えてると楽しいです。やったー!色々やらせてください!!)
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(片手には某有名店のロゴが入ったショッパーを持ちルンルン気分の帰り道。今日は特に用事もなければ、世話の必要な奴もいない自由な日、久しぶりにホテルに泊まっちゃおっかな~なんてスキップでもしたい気持ち。なんせ今日は待ちに待った休日なのだから。今日はホワイトのノースリーブと薄手のアイボリーのシャツをオフショルに、ライトブルーのスキニーのダメージジーンズ。締め色として黒の低いミュールを。天気予報では30分後に雨が降る予定だと言っていたが、雨雲が太陽を覆い一層辺りが暗くなってきた。なんとなく湿気も家を出た時よりも強くなってきている気がして。雑貨屋に寄るつもりだったが、予定を早めてカフェに行って雨宿りしようと今まで来ていた道を引き返し。確かこの道を行って、とスマホをぐるぐる回しながらマップアプリに表示された行き先を確認しながら歩き。しばらくマップを睨めっこしながら歩いていると人と衝突事故を起こし。いや、お前が避けるよと内心悪態をつきながら「あ、わり、」と謝る気のない謝罪をこぼし、ぶつかった相手を認識すれば忘れていたあの時の記憶が蘇り。やっちまったと大きな後悔が。どうして今日出掛けたのか、どうしてこの道を通ったのか、どうして前を見ずに歩いていたのか、どうすれば過去に戻れるのかを必死に考えるも残念ながらそんな方法は存在しないと天使と悪魔は同意見。ワンチャンこの男が自分の事を忘れているに掛けることに。)
(/ま、まあ今でも意思疏通が全く出来ないわけではないので……。「またやりました。」みたいな感じでお互いのそのそ起き上がる状況…?シュールですね…?
表情が伴わないですからね~…ちょいちょい「ふざけてるのか。」というツッコミ入れられてそうです……。
おっ、大正解です。気軽に生死を行き来してる上にあっちこっちフラフラ、言うことも利かない、人と関われば迷惑かけてる問題児に胃薬手放せない美術商さんが桑嶋の契約画商さんです。……可哀想ですね……。
絵なら全般好きなので、嫌がるなんてまあまず無いですねえ。むしろわくわく楽しみながら描いてくれますよ。やばい人はやばい人なので、今後もその認識で良いと思います。
春翔さんにおかれましては物凄い災難でしたものね…。絵の時以外の腕力は大体あんなです。お化け退治と称した子供からちょいちょいああいう目に遭ってます。“桑嶋の直感”とかいう世界で一番頼れない道標……あまりに多発するから美術商に対策されました。
仲良くなった後ならめちゃくちゃ解り易い感情を絵に籠めてくるんだろうな~とふわふわ妄想しております。こういう何でもない設定とかも考えるの楽しいですよね~!ふふ、勿論ウェルカムです!!)
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( 歩いていく内に空は暗さを増し、湿気を素直に含む癖っ毛は余計にぼわぼわと膨らんで自由奔放に跳ねる。雨が降る気配を間近に感じながらも、のんびりゆったり分かれ道で時折立ち止まっては右左と景色を見回して、「……此方で。」己の行きたいままに従いまた足を踏み出す。そうして何度目かの十字路、丁度角を曲がった瞬間何かにぶつかって、その勢いで身体が二歩程後ろに退いてしまう。幸いと言うべきか石塀に背が当たった為に転ばずに済み、そのまま声のした方を向けば見覚えのある顔が。「……ええと……孔雀の…」遠慮を知らない視線を彼へとじっくり注ぎ、僅かに首を傾げる事数秒、「……春翔さん。」やっと思い出した名を口から溢した次の瞬間、彼の携帯を持つ手をがっと握って一歩大股に近寄り、「お久しぶりです。」先ずは再会のご挨拶を。それから、「困ってます、助けて下さい。」とこれまた率直に捕まえた理由を告げる。「家が何処か解らなくなりました。連れてって下さい。」彼是と一方的に事情を伝える割に、やはり焦った様子も見当たらない淡白な調子。その返事を待つように少しの間沈黙したが、不意に小さな声を上げればもう片方の手で自分のズボンのポッケを探り、「これが家の場所です。」取り出したのは、自身の住所が刻まれた犬猫向けの迷子札。金属製の丸いそれを彼の鼻先へと突き付けて、「お願いします、連れてって下さい。オレじゃ解りません。」有無を言わさない、否、断られるなど微塵も思っていない態度で次々と言葉を進めて救助を彼へ求める。)
(/意思疎通ができる(会話のキャッチボールが不可能)……春翔も春翔でキャッチする気ないのがまた……。その状況もある意味見てみたい気がしますね
あぁ、思ってる以上に可哀想すぎて……。でもどうしよう、頭の中では大型犬をリードで思いっきり引っ張ってる可愛い図しか思い浮かばない……。
わくわく楽しみながら、きっとこれも表情には出てないんですよね……。でも周りにお花が待ってる姿は見える……!
台風が通り過ぎていったと本人談。お化け退治~!桑嶋さんからすれば災難すぎるけど、ちょっと子供が可愛くて。直感が全然当てになってない……。出会い頭で台風に巻き込まれて気持ちは若干涙目になってそうです。そして完璧すぎる迷子札にめちゃくちゃ笑いました。
あ~めっちゃいい!仲良くなったあとだと春翔も普通に喜びます。此方からはなに渡すかな、考えてたのですが何もビジョンが思い浮かばない……。もし他にも色々アイディアがあれば妄想が捗りますので仰っていただけると命に繋がります。)
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(どうやらこの世界には神も仏もいないらしい。信仰心が足りなかったようだ。頭の中ではゲームオーバーの文字がピカピカ輝いている。どうやらぶつかった拍子に石塀に体当たりしたようで、故意とはいえ傷害事件にはならずに済み一安心、とはいかないみたいで。黙って聞いていれば迷子になっらしい。……迷子?このスマホ普及時代に、成人男性が、こんな道のど真ん中で、迷子?連れて行けと言われてもこの男が住んでいる家すら知らないのによく他人に頼れたものだ、と逆に感心してしまうほどで。掴まれた腕の中のスマホは目的地まであと6分の表示が永遠に写し出されているのが見える。無理、と断ろうとした矢先に押し付けられるように出されたドッグタグ……ではないペット用の迷子札。目の前に出されても文字が読めるわけなく、屈しろ焦点はタグの後ろにいる男に合う始末。普通に嫌なのだが。声をかけられた当初から呆れたような面持ちでいることしか出来ず。そもそも孔雀って言われたのは何故なのか。……いや、もしかしたら助けたということで恩ができてあまりにもでかい恩恵が与えられるかもしれない。なんで1発で3桁を稼ぐような人間だ。むしろ何もない方がおかしい。人間は考えている時は自然と斜め上を見るようで、再びピントを男に合わせるや否や「とりあえずそれ貸せ。どうせこの辺だろ……ってうわぁ、お前どっから来てんだよ。」突きつけられた迷子札を奪うように手に取れば住所を確認し。思った以上に遠くから来た男に信じられない、といった表情を向けては正直このまま見捨てても良かったと思える距離を行くことになるのかと少しの後悔が混じり。)
(/今でさえこれですものね……桑嶋はまだ個展の時の春翔さんのお洒落の印象強くて“孔雀”言うてますし……。それはそれで面白い…かも…?
その場合くそでかモップ犬がルンルンで走り回るのを必死になって引っ張る飼い主ですね……。しかも引き摺られ気味……所によっては拒否犬もしてそうです。
お顔には出ないんですよねこれが~!本人的にはふわっふわのお花が大量に舞ってるのですがね。独り言にも多分「楽しいです。」ってめちゃくちゃ溢れてきてますよ。
天災でしかないですもんね、桑嶋。見た目が完全なお化けなので……その辺の木の棒とかオモチャの柔らかい剣とかでポコポコやられてます。風景は覚えられるのに道は覚えられない桑嶋マジック…まあ今後の恩恵に期待して頂く事でチャラに…なりますでしょうか……?多分十回目の迷子辺りで美術商さんが投げ付けた代物です。本当に大変だなあ……。
良いですね~!その辺りは後々にごゆっくりと……。
そうですねえ…やりたい事で一番に思い付くのといえば、桑嶋が揉め事か何かで手を怪我するやつでしょうか。それで慌てる周りと「大丈夫ですよ。」ってきょとんと冷静な桑嶋の温度差とか……?如何です……?)
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( 彼の言葉を珍しく大人しく待つ事少々。動いたその手が己から迷子札を取り去ったのを認め、捕まえていた指も外す。「ありがとうです。」渋いような引いてるような顔つきも見えているのかいないのか、一方的な礼を呑気に告げて彼の案内に付いて歩き出す。その道中、「少し前に外に出ました。そしたら綿毛が飛んでいて、ふわふわしていたので追っかけてました。」という迷子の経緯になっていない経緯やら、「アンタと居た人からお仕事貰いました。壁に飾る小さいのが良いそうです。画材は何でも良いそうなので、パステルと水彩にしました。」と今に全く関係無さそうな、いつぞやの個展で彼と居た女性の話など、一人ぺらぺらと案内役へと流し掛ける。――暫し。暗さの増した空の下、やっと口を止めたかと思えば、だらり垂れていた片手を持ち上げて徐に一方向を指差して。「あれです、オレの家。」流石に自宅の形くらいは覚えていたらしい。指した先には、三世帯の家族が住んでもまだ余裕のありそうな、赤い屋根が特徴のだだっ広く幅を取る平屋。「帰れました、良かったです。」玄関先の軒下まで辿り着き、喜びを一本調子で表した、その直後――ぽつ、と地に斑点を作った雨粒が、もう限界と言わんばかりの勢いで一気に空から落ちてくる。「……すごい音ですね。」そちらに気を取られてぽかんと間の抜けた言葉と共に豪雨を見上げた後、すぐに興味が失せてまた彼へと視線を戻し、「…家、上がりますか?」かくり首を傾げてそう問いながら、鍵の掛かっている気配も皆無に開くドアの内へ自らが先に入っていく。)
(/第一声で孔雀と言われて困惑通り過ぎて何も考えない無の領域に入りかけたところでした……。いつか桑嶋さんを連れてショッピング行きたいなあと企んでいます。ついでにメイクとヘアアレンジやらも……。
いや!かわいい!!飼い主は絶対大変だろうけど見てる側からすれば超絶可愛くて癒されます……。あれ、でも本当は犬じゃなくて……?
わ~っ!めっちゃかわいい!!そんな様子を春翔じゃなくて背後が見たい……。色んな桑嶋さんをください……。
あー!討伐めちゃめちゃ楽しそう!!春翔もその内参加したいと目を輝かせています。あれ?なんだこのいじめっ子……。その風景を頼りにお家までの道を……!かーなーり!期待しております。是非チャラにしていただければ……。美術商さんへの同情しかない。
えー!めちゃめちゃいい!命と同等の代物を怪我したのに平然としている桑嶋さん何者……?春翔が原因で思いっきり怪我させても、その他が原因でも是非……!!!お世話も少しだけさせていただければ命が助かります。)
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(こんな長時間歩くならミュールなんて履くんじゃなかった。……いや、そもそも歩く予定なんてなかったのだから自分のせいではなくこの男のせいでしかない。この労力以上の見返りを貰わなければ割に合わない、というか絶対にキレる。アプリに入れた住所から地図に立ったピンの大体の方向を頼りに歩く最中に後ろから取るに足りない話が永遠に続いてる。「ふーん、」「へー。」と右から左に話している話に適当の相槌を打ちながら視線はこれまたどうでもいい永遠に流れるリールに注がれていて。やっと黙ったかと思えば視界に入った腕が指差す方向。其方に目を向ければ、おおよそ1人で暮らすには広すぎる、……広すぎるの2乗でも言い表せないほどの豪邸で。流石に嘘だろという目線を向けても当の本人は安堵の表情を浮かべているようで嘘ではない様子。とりあえず玄関まで着いて行けば見計らったかのようにタイミングよく雨が降り始め。豪雨としかいいようのない激しさは傘を差しても全身びしょ濡れになることは明白。本来ならこの(もう少し弱いと思っていた)雨をカフェで優雅に凌いでいた筈なのに。無理を言ってまでも雨宿りをさせてもらう他ないと考えていたところにちょうどいいお誘いが。「上がらせてもらうわ。」そう返事すれば無用心にも程がある豪邸へ入る男の後に続き。辺りを見渡せばあまりにも広いが、……色々と絶句するもので。)
(/悪気は無いんですけど、多分桑嶋の目には暫く春翔さんが孔雀に見えてると思います。良いですね~…桑嶋、顔だけは良いからメイクもヘアアレンジも映えそうですし、きっと整え甲斐がある事かと。
これが犬であれば本当に可愛いのですけどね~!実際は犬でもなければ人であるかも怪しいヤバい奴なんですよね……。
言われなくとも此方から押し売りする勢いで色んな桑嶋見せ付けにいきますね!!お覚悟下さい!!
おっと討伐側とは驚きました。春翔さんは助けて下さい…御礼するので……。道を…覚えられたらいいな……!!(期待薄)とりあえずチャラになりそうな物は出したので適当にどうぞ。ねえ、可哀想……そりゃ桑嶋を品物と割り切らないとやっていけないでしょうよ、美術商さん。
その理由は怪我した時に発表させて頂きたく…!怪我の直接的な原因までは考えていませんでしたけど、春翔さんが原因ならお世話もさせ易そうで良いですねえ。今からあれこれ妄想しちゃいます……。)
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( 彼を招いた後もそれが当たり前なのだろう、施錠の動作も無いままノブから手を離し、サンダルを玄関に放ってふらふら中へ。多少よろけた所で壁にぶつかりようもない廊下を裸足で歩いて最初に着くのは、応接間を兼ねたゆったりとしたリビングと其処に併設されたキッチン。「此処、好きに使って良いです。」設備や備品が整っている割には使われた形跡も殆ど無い、宝の持ち腐れ極まりないその場所の使用権を彼へぽんと渡した次、部屋の隅に置かれた棚に山積みになった雑多な物達を指差す。「それからあの辺の、欲しいのがあったら持ってって下さい。オレには解らないものです。あっても困るものです。」……其所は絵を買い取った客から押し付けられた品々を投げておく場。ケース入りの宝飾品やらブランド付きの小物やら、大半にとって価値あるそれらも、画材に関わらなければ己にはスペースを消費するだけのガラクタ同然。「オレは資料部屋行きます。描く絵の題材、決めなきゃいけません。」言いたい事だけつらつらと、何処に何の部屋があるかも告げない不親切な家の案内を終えて腕を垂れ下げ、それでも一応己の所在程度は伝えた後にはもう視線は彼から逸れて。「…オレンジ、ピンク…ペール色……毛玉…綿…シャボン…?」既にぶつぶつ独り言の内に入り込みつつ廊下の更に奥へ向かう――道中、恐らくは自分が散らかしたらしき分厚い資料に躓く事数回、ごしゃっと転ぶ派手な音は個展の時と同じ。しかし今度は直ぐ様立ち上がれば、丁度真横に位置する書庫に足を踏み入れ、資料を彼是漁る傍ら、本と同化仕掛けている床のスケッチブックと鉛筆を手にその場に座り込み、頭に浮かぶものを片っ端からラフに描き起こしてはその辺へぽいぽいと破いて放り投げ、余計に足の踏み場を失くしていく。)
(/お日にち空いてしまいすみません~!!
少しだけ多忙が続いていまして、めちゃくちゃ申し訳ないのですが少しの間此方での本体会話省略させていただければと……。本当にここでの会話も楽しみにしてたので悔しすぎて涙涙です……。)
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(あまりにも雑なセキュリティは某ホームセキュリティを付けていたとしても不安なもので。逆にこんな豪邸は狙わないのか?日本は思ったよりも治安がいい?いや、それでもこの男はなぜ平気な顔していられるのだろうか謎は深まるだけで。車一台通れるぐらいには広いだろう廊下の先。好きにキッチンを使っていいと言われても使う用事がないのだが、という突っ込みはするだけ無駄だろう。使われた形跡もない綺麗なキッチンは誰を待っているのだろうか。男の後をついて行けば部屋の隅を指さされて。「まじ?」と聞き返したものの返事は返ってこずに。一目見ただけでも誰もが知ってるブランドの紙袋やら箱が雑多に積まれている山は流石に全部持ち帰れと言われたら遠慮を覚えてしまうほどの量。しかし、遠慮は一瞬だけですぐに物色を。ざっと見たところメイク用品や服はないらしい。取り敢えずオレンジが特徴的な大きいショッパーにあれやこれやを3、4個、パンパンにならない程度に入れてみては。中は確認していないがきっと価値のあるものだらけだろう。満足気にそれらを眺めていたらいつの間にか男の姿は消えていて。家主が居ても居なくても勝手にするのが常だが、なんとなく好奇心が動いてしまい男を探すついで豪邸の中をうろうろ探索することに。持っていた荷物をその辺に置き去りに。奥へ続く廊下は本やら紙やらでぐちゃぐちゃに散乱しており、ここを真っ直ぐに歩くのは不可能だと誰もが口を揃えて言うだろう。そんな廊下を恐る恐る歩いていたら聞こえる男の独り言と物音。どうやら近くの部屋にいるらしい、と開いた扉の部屋を覗き込むと足場の踏み場もないほど散らかった床が真っ先に目に入ってきて。男が生産しては捨てている紙を男の傍らにしゃがみ込んでは一枚拾い。しかし何を描いているのかすらさっぱり分からず。「なにこれ。」と無意識に呟いた言葉と共に手にした紙を床へと落とし、また新たに生産された紙を拾い上げては首を傾げる始末。この家は玄関もリビングもキッチンもどの部屋も何もかも、今まで見た家の中では1番と言っていいほど広く綺麗で豪華、そしてとっ散らかっている印象しかない。)
(/大丈夫ですよ~~!!
お話についても了解です!何事もリアルが資本、健康が資本です故、此方の事はどうかお気になさらず、また話せる時に楽しくお話致しましょう!)
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( 開いた資料の頁はどれも動物や花の項目。膝を立てて座る己の周りを囲う形で広げたそれを時折捲っては、先程よりも声量も明瞭も落ちた曖昧な呟きを半開きの口の端から溢す。最早何を発しているかも解らないそれと共に生産されるラフは、同じくぐしゃぐしゃと線が曖昧で、手と紙を汚していくばかり。――それがぴたりと止んだのは、本格的に思考に沈む前に聞こえた声の所為。上げた視線が捉えたものは今し方床に放った画案の一枚と、それを眺める孔雀の彼。ほんの数秒程、かっくりと首を大きく傾げた後、「……それはヒヨコです。」絶対使わない英語のテキスト文でも読んだのかというようなシュールな一文が、今度はきちんと人に届く形を持って喉を通る。「そっちが犬、こっちがタンポポ、そこのが桜貝、です。」そのまますっかり黒く染まった手に持つ鉛筆で彼の足元や自身の真横にあるラフ画を順に差して、床を埋めるそれらの紹介を終えれば腕はしゅるしゅる縮こまり。「…アンタと居た人に、“可愛い”絵が欲しいと頼まれています。」それからまた不意に始めるのは、帰路の道中彼へと流しかけたあの女性の依頼の話。「具体的な注文も訊いたのですが、“可愛いもの”としか言ってくれませんでした。困ります。あの人の“可愛い”はオレには解りません。」恐らくは愚痴のつもりなのだろう、不満をぶつけられているスケッチブック上の鉛筆は、何とも言えない不定形な円を描き過ぎて紙を突き破りかけている。「……春翔さんは、あの人の“可愛い”、解りますか?」一通り吐き出し終えたその後に、傍らの彼を髪の向こうからじっと見詰めては、思考の助け船を求めて問い掛ける。)
(ヒヨコ、犬、タンポポ、桜貝。単調な声で指された紙に目を通せば確かに言われたものの絵が描かれていて。床に落ちてる紙を見ていればどうやら女子が好きそうなものばかりなようで。先ほどより小さくなった男から発せられた言葉はあの女が頼んだ絵の事のようで。どんな絵をご所望か、の答えは全て“可愛いもの”と返答したらしい。あまりの馬鹿さ加減に一周回って面白いと失笑してしまい。「ま、なんでも可愛い可愛いって言う馬鹿だから仕方ねェっちゃ仕方ねェけど。」男の口調は段々と強くなっていくのが手に取るように分かり、手元はなにやらぐちゃぐちゃした線が踊っていると思えば紙が見るも無惨な姿に。その様子を無表情で見ているも、面倒な奴が面倒なクライアントを抱えたもんだと小さじより少ない可哀想という感情を抱き。「あー、ちょっと待て。」特に協力や助ける義理はないが色々貰った手前なにかしてやるか、謎に上から目線の思考。インスタには何かあっただろうかとポケットから水色の大理石調のケースが付けられたスマホを取り出せば女のアカウントを開き。「こういうの。」と彼の前にスマホを差し出しては投稿を適当にスクロールして。そこにはアフタヌーンティーや映えを意識したカフェスイーツ、建物やらなんやらの所謂おしゃれな投稿が並んでいて。勿論盛れた自撮り、他撮りが過半数を占めているが。「どーゆうの描くつもり?てかまじで此処に住んでんの?1人で?」なんとなく思ったことを矢継ぎ早に尋ねながら視線はスマホへと注がれていて。)
( 散々愚痴った紙は真っ黒に、鉛筆の芯も随分減って底が見えている。不満一辺倒の変人とは反対に、さっぱりとした淡白な感情を滲ます彼を見詰める事少々、目の前に差し出された画面に自然と意識は移り、そちらへ食い入る勢いの視線を向ける。「……ありがとうです。」そのきらきらとした写真達が去るまでの間と、その後の十秒くらいは暫し無言。それからやっと半開きのままだった口から礼を告げながら、思い悩みを描いた紙を破り放って。また真っ白になった頁にがりがりと筆圧の強い音を立て、今度は迷いの無い線を引いていく途中、掛けられる声にほんの僅かゆらゆらと首を傾げ。「…ヘンゼル、グレーテル。と、アリス、ぐりぐら……」一番始めの質問には童話やら絵本やらに出てくる名を並べ、答えているのか独り言なのか微妙なトーンの低い言葉を。続けて、「……はい。」住居についてはまず簡潔な首肯。「二十歳の時に、もっとたくさん絵を描く場所が欲しいと言ったら、画商さんが整えてくれました。嬉しかったです。でも二階は作りませんでした。うっかり転んで落ちそうだからと。…ちょっと不服です。」そのまま芋づるに引き出されていく記憶を片っ端から話していく調子は内容に反して淡々と、しかし描く手元のリズムは弾んだり鈍く沈んだりと、声よりは余程素直に感情が表れている。「……住んでいるのはオレだけです。画商さんがたまに泊まって、ハウスキーパーさんを呼んだりします。近所の子が入ってた事もあります。画材に触っていたので話しかけたら、後でその子の親にオレも怒られました。…何だったんでしょう。」セキュリティも何もあったものではない、他者の侵入がされ放題のエピソードをつらつらと、そしてそれらに危機感の“き”の字も見当たらない単調な鉛筆の音をBGMを添えて、尤もな怒りの理由を理解しかねる疑問で締める。ついでにラフも完成したのか、ひたすら線を繋いでいた手元もぴたりと止まり、顔は彼の方へ上がって、「春翔さんのお家はどんなですか。」無論彼の事情や背景など知る由も無い、何ともシンプルな関心に若干抽象的な問いを放り投げる。)
(小学生の時に鉛筆で黒くした紙を虫眼鏡と太陽光でじわじわ焦がして燃やしたのがふと思い返された。一緒に遊んだ同級生の名前も顔も今では何一つとして覚えていない。耳に入ってくるのは童話の名前。どれも興味が湧く対象ではないが、あの女は気にいるのだろうか。それすらも今はどうでも良い。二十歳、はたち。二十歳の時は何をしていただろうか、男の話を流しながら少しだけ記憶を思い返して。朝から朝までクラブ、バー、居酒屋、誰かの家、路上で快楽に溺れていた。自分を満たしてくれるものを傍に置いていたかった。4年前の自分はあまりにも愚かだった。比べてこの男はその時から財を成していた。この世の中は才能を手にしている者が優遇される仕組みになっているらしい。多分これらは頑張りだとか努力だとかでは埋められるようなものでもなく。自分よりも下と思っていた者がその実、権力も実力も何もかも持っていた時の劣等感たるや。スマホを握っていた力が無意識の内に強くなっていたことなど自覚出来ず。なんとなしにポツリ、溢れた言葉は感想に近いもの。「お前、いつか殺されるかもな。」例えばハウスキーパーが、画商が、ガキが、女が、知り合いが、強盗が、俺が。その金品目当てにこの男を殺害なんて簡単に出来るし、そもそもそうしなくたって盗むことなら野良猫にだって出来てしまう。それなのに何故この男は平然としているのか、‘普通’に生きている自分には理解不能で。いつの間にかスマホはロックがかかっており、暗くなった画面には感情を宿さないような目と天井の明かりが。さらさら、スーッ、カリカリ、様々な音が流れる空間は慣れないせいもあり居心地が良いとは言えず。やっと止まったかと思えば此方を見てくる男を静かに見つめ返し。「別に、普通。此処の5分の1もねェよ。」本当の事を言うと説明が面倒臭く、それだったら適当に嘘をつけばいいといういつもの常套句。「ま、こんな家に住めれば願ったり叶ったりだけどな。」唐突に着信音が鳴れば画面に表示された名前は最近知り合ったばかりの男の名前で。長いため息をついてからタップで電話出ながら立ち上がり、目の前の男を気にする事なく本や紙を踏まないよう足元を見ながらその部屋から出て行き。)
( 彼の回答へもう一声返す直前、響いた着信音が互いを遮った。気を取り直すよりも先に去っていく彼の足元――己が描き出したものや本を器用に避けていくその様をじっと目で追い掛けていれば、動く事を忘れていた己はあっという間に置いていかれた。「……猫ですね。」しかしそれに慌てる事も無く呑気にぽつり呟きを溢せば、新たに捲った手元の頁にもう一つ描き始める。――その途中で、不意と蘇る彼との会話。「……殺されるのは、困りますね。絵が描けなくなります。絵が描けないと、オレ死んじゃいます。」恐怖でも焦りでもない、聞いた人全てに疑問符を呼び起こすような、本人以外誰も解らない謎かけ同然の淡々とした独り言。届く相手の居ないそれが悄気た鉛筆の音に消されていったその後、手元が止まった代わりに彼が出た部屋の向こうに視線は留まって。「………普通、ですか。」またもテンポのズレた言葉を今頃返し、暫し首を傾げて正面を見詰めた後、徐にのそのそと立ち上がってその部屋から外へ踏み出す。「春翔さん、」廊下をきょろきょろ見回し名を呼ぶ。直ぐには見付けられない姿を追ってそのまま少し徘徊し、やっと視界に彼を認識出来た瞬間に手を伸ばす。「あの、」掴んだのは携帯を持たない側の手首。それから遅れて掛けた声と視線は、真っ直ぐと彼の瞳を向いて。「オレの家、住んでいいです。」そこらの一般人ならきっと世辞か冗談だと流すだろう彼の言葉に、真正面からそう答えをぶつける。その反応も見ない内から、「…いつでもどうぞ。」そう手前勝手に話を締め括り、元より大した力も入っていなかった手をするりと解放して。「オレ、絵を描きに行きます。」正にマイペースそのもの、またぱちり切り替わった思考のまま唐突と言葉を放る。それと殆ど同時、もう雨の音も響かなくなった廊下の更に奥へ裸足の踵を回せば、幾つか有るアトリエの内の一つ、水彩向けの画材を置いてある部屋へふらふらと向かっていく。)
(/桑嶋さん、すきです。突然のオタクのノリで告白失礼しました。
イライラだとか感情が絵に出ちゃうところとか、めちゃめちゃめちゃ言葉数が多いところとか、素直すぎるところとかが好き~!という感じです。
家に来た時に呟いてた、オレンジ、ピンク、ペール……の桑嶋語はもしかして可愛いと思うものを寄せ集めた感じですか……?
一応場面転換をしましたので、この後は本当に好きな展開を入れていただければ嬉しいです!という報告を……。どんな桑嶋さんが見れるのかとても楽しみです……!!)
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(電話の内容は今から遊びに来ないか、という突発的なもので。適当に返事しながらこの後の予定を決めあぐねていると気配もなかった背後から唐突に手首を掴まれて。「は?」と声を上げれば電話の向こうからは此方が急にキレたと勘違いしているようだが弁明するわけもなく。振り向いたその先、髪で見えないが恐らく目が合っているのだろう。そして放たれた言葉は何をどう聞いても理解し難いもので。住んでもいい、来てもいい、とは一体どういう意味か、もしかしたら何かの隠語か、謎か、考えたところで分かるはずもなく。スマホを耳から離し、怪訝そうな顔で首を傾げて「なに、」と口を動かしかけたところで男は此方の反応を待たずとして消えてしまった。ぽつん、と残されては通話もいつの間にか切られており。此処に居続けるのもなんだか落ち着かなくなってきた。持ってきた荷物、増えた荷物を持ってはホテルにでも泊まりに行こうと。雨は止んでいて、外に出ると生温かく気持ち悪い空気がべっとりと肌に纏わりついた。
それから週に1回程、言われたように男の家に勝手に入り込んでは適当にくつろぐことを覚えたよう。一晩泊まる日もあれば半日で帰る日も。特定の家を持たない自分にとっては今までに日々は常に誰かと共にするのが当たり前であり、それに慣れていた。しかし1人になれる場所を提供されるのであれば話は別なようで。漁っていいと許可が出たところから適当なものを奪って、リビングも自分は過ごしやすいように片付けては大きなテレビを占領し、なにも入っていない冷蔵庫に酒をストックし、キッチンにつまみをストックし、庭でタバコを吸い、吸い殻入れのバケツも用意し、誰かに買ってもらった服と化粧品を必要分だけ置いておき、勝手に客間から持ってきた布団を使ってソファで寝て、そして勝手に出ていく自由な生活を堪能。男と出会うことはあったとしてもほんの二言三言交わすだけでそれ以上はない。さて、今日はなんの映画を見ようか、と考えながら鍵のかかっていない男の家へと勝手に上がり込み。)
(/そんな事言い始めたら私も春翔さんの事好きですよ!
桑嶋に巻き込まれながらも自分のペース保ってる強さも、遠慮無いズバズバした物言いも、住みやすい環境整えてる抜け目無さも!全部好きです!
当たりです~!桑嶋的には“淡くてふわふわしたもの・色”が可愛いと思ってるので、今後の服装如何によっては春翔さんの事も「可愛い」と言い出す可能性大です。
ご報告大変有り難い限りです…!
では、このタイミングでちょっぴり春翔さんに介護……もといお世話してもらって、後々のぶっ倒れフラグにしておこうかな……なんて考えてみましたり……。いけますかねこれ……?)
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( 彼が去ってから一週間程度、ラフを元に仕上げた水彩とパステルの混合絵は納品と相成り。ふかふか大きなカステラのかまくらでお茶会をする、猫やウサギなどの小動物を描いたそれが無事女性に“可愛い”と気に入られたのを画商共々見届け、その日は大人しく画商の言う事を聞いて帰路に着く。――それから暫く。変人の言葉通りちょくちょくと来るようになった彼に、家は少しずつ彩られていって。明らかに様相の変わり出した部屋を不審がった画商に一度事情を尋ねられたものの、「たまにエンゼルフィッシュが来ています。」と要領を得ない回答を一言返したのみ。その後も訪れる男と顔を合わせれば少し話をして、此方は絵を描きにアトリエに行き、彼は部屋を気儘に使う。そんな日々が続いていた、とある日。――扉が開閉する音で目を覚ました其処はリビング。それもソファではなくその真後ろ、カーペットの敷かれた床の上に座り込んだ体勢。どうやら思い付きを片っ端からその場で描き起こし、終わった瞬間に眠ってしまったらしい、手には頁の半数を埋めたスケッチブックと芯の削れきった鉛筆が確り握られていた。少々の間ぼんやり俯いてラフを見つめていたが、部屋へ近付いてくる足音に頭を上げて出入口を振り返れば、最近はそれなりに見慣れたその姿が。「……おかえりなさい、です。」画材を置いた両手でソファの背凭れに掴まり、それを支えにずるり這うようにして凝り固まる身を膝立ちまで持ち上げながら、彼と自宅で相対した時に告げるお決まりの惚けた第一声を。だがそこまででもう限界、宛ら引っ掛けられたシャツのようにだらりと上半身を背凭れに垂らし、そのままもぞもぞじたばたと十秒ほど蠢いた後。「……困りました。立ち上がれません。」ぱったり諦めてそう呟いた途端、遅れて目の覚めた腹の虫が思い切り自己主張を始めて、「春翔さん、助けて下さい。絵を描く所に行けません。」しかしそれに当人は構う事無く、その虫の長い大声に負けそうな茫洋とした声で話し掛けては、両手を彼の方にのそのそ伸ばして起立の助力を乞う。)
(/そんな褒められてもちょっと簡単な料理作って出すしか出来ませんよ!!!!!!
当たった!素直に嬉しい!めちゃくちゃかわいい~!どうしよう、森ガール的なファッションも入れようか……もしかして時代が古いですか???
是非是非ぶっ倒れフラグを入れていただければ!それっぽいモノローグも入れておきました……。
それと、こちらの我儘なのですが……もしよければ今後の展開にて桑嶋さんのライバル、知り合い、友達、自称恋人……だったりの画家さんも登場したら話にまた広がりが出ていいかなあとか思ったりしています!)
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(出掛けるでも誰かに会うわけでもなしに今日の服装はゆるい虎のイラストの下にmoneyと書かれたオーバーサイズのTシャツにタックデニムパンツ。化粧をするのも今日は面倒だと日焼け止めを塗って暑さに耐えてマスクだけ。寝癖を隠すための適当な知らないチームのベースボールキャップ。目元は黒縁眼鏡で誤魔化して。ワイヤレスイヤホンからは自動再生で流れるヒップホップが流れている。取り敢えず家へ入るや否やリビングを素通りしてチューハイとポテチを取り出してはルンルン気分でソファへと向かい。すると目に入ったのは脱いだ服をソファの背凭れにかけて放置していた状況と全く同じものが目に入り。耳元ではファファファフアーンとタイミングよくエアホーンが鳴り響いた。「は?なにしてんだよ。」イヤホンを外しながら面倒なことになったと言いたげな表情でそう問いかけて。助けて、と耳に入った言葉からこの場から動けない事を察して。正直このまま放置してもいいのだが、これから過ごす時間に男がこの場所にいたら邪魔故にどかす選択肢以外はなく。半分ぐらいは生理現象の音で消えた声に「しゃーねェな。」と返事しては手にしていたものテーブルに置いては男の両手首を掴んでは斜め上に引っ張って。思った以上に軽かったので逆に此方が倒れそうになるぐらい力を入れていて、下手したら手首抜けるんじゃないかと心配してしまうほど。引っ張るだけで立てるのかは謎だが、少なくともソファからは離れてくれるだろう。「ほら、これで部屋に戻れんだろ。」聞こえた腹の音はこの際無視することに。しかし、自分が来なければこの男は永遠にこの状態だったのだろうか。それとも時間が経てば自力で動けるようになったのだろうか。何にせよ、この男の危機管理能力というか自己に対する意識の低さで今までよく生きてこれたもんだと変な感心を。)
(/えっ!?褒めたらお料理出てくるんですか!是非桑嶋に食べさせてやってくれません!?
流行りましたね森ガール……私としては割と最近な感じありましたけどね…調べたら15年は前でした…。あっ、でもそういうふわふわな格好して下さるなら私も桑嶋も全然大歓迎ですよ!!可愛いのウェルカムです!!!
ありがたや……ありがたや……。ちなみに春翔さんが来なければ、画商さんが来る時までこのまま寝てます、桑嶋。何から何までご迷惑おかけしてすいませんね……。
あ~良いですね~!!それなら陽キャ変人の自称ライバルとか、桑嶋を絵のモデルとして付け狙う自称恋人とか、濃ゆい画家さん達がふわふわ浮かんできたので…いつかご登場させられたらな、と……!)
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( 出迎えの言葉に返事が無い事を気にする素振りは見当たらない。彼の不躾な問いかけに答える形となった両手を伸ばしたまま、それ以上動く気配も皆無な体勢で補助を待つ。やがて思い切り引っ張り上げられた身体は、ぺきぱきぽきんと筋や関節の伸びるオーケストラと共に立ち上がり、二、三歩斜め後ろに蹌踉いてから何とか体勢を安定させる。「どうも、です。」離された両手は縮こまって胸元でだらり、それこそテンプレートのお化けのような形に片付けてやや砕けた礼の言葉を。それから少しだけ視線と意識を下げた先、彼の服に描かれている虎の絵を何秒か見詰め、「……バター…ホットケーキ…」目の前のそれとは全く関係無さそうな呟きをぼんやり溢した後、「……絵を描きに、」いつもの通り、マイペースに行き先の報告をしつつ踵を返した、のだが。踏み出した足は、ゾンビか酔っ払いの方がまだマシと思える千鳥足で大きく上体が揺れる。その滅茶苦茶な動線でそれでも出口まで進んで――ゴツッ、と出口の真横の壁へ、盛大に顔をぶつける。その真っ先の犠牲となったのは鼻のようで、片手でそこを覆って押さえつつ一歩退き、もう一度踏み込めば今度は肩を出口の縁に打つ。「……?部屋から出れません。」首をかくんと傾げ、当然極まりない独り言を呑気な疑問符付きでもごもご吐いた次、三度廊下へ向けた足はリビングを隔てるドアの沓摺りに躓き真正面からすっ転ぶ。「……困ります。絵を描きたいです。」その場に蹲ってそんな言葉を向ける矛先は自らの足。しかしながら一度転んでもう持ち上げられなくなったらしい、諦めずにもぞもぞ丸まり蠢く身体は床に尻餅を付いて余計に自身の状況を悪化させていく。)
(/餌付けなら任せてください!本人曰く、ま、一つ星ぐらいならいけんじゃね?とイキっております。
15年は前……?恐ろしすぎて胸がきゅっとなりました。ちょっと色々アップデート重ねていかなければ……。しかし私も森系は大好きなので着せます!!!!!
寝るときたかぁ……うーん、マイペース!!こちらこそあまりにも雑な対応で申し訳ないです……是非ホットケーキを……。
めちゃくちゃいい~~!!是非、春翔とバチバチに火花散らせられたら……(?)というか遺産目当てだと思われそうでそれもそれでいいですね!(?))
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(なんなんだ。マジで一体なんなんだ。如何にこの男が運動不足であることを実感すると同時に自分は漸く空いたソファにダラダラ腰掛けては適当なサブスクを開いては適当なおすすめを探して。そうしながらポテチとチューハイをカシュっと開けては優雅なリラックスタイム……としたいところ。しかし大きな音に振り向けば、人間初心者のような立ち振る舞いがしっかりと観察できて。もしかしてゲームの世界(しかもまだチュートリアル)に迷い込んだのかと思うほどの操作っぷりはそうそう見れるようなものではないが、特にそんな趣味がある訳でもなく。最終的にその場に蹲り静止した彼を助ける義理は(家を借りているし、いらないらしい高価なものを貰っており大いにあると言っても過言無いのだが面倒なため)無い。それでも雀の涙ほど残っている良心が働いてか、この家に無限に転がっている鉛筆とメモ帳、その辺で見かけた数色の色鉛筆を男の前に無造作に置き。「ほら、これでいいだろ。」とぶっきらぼうに言い放っては元の場所へ戻り。……なんとなく頭から離れないホットケーキ。陳腐な台詞を吐き続ける恋愛映画は目の前を流れるだけで、脳内は甘い香りが漂い、ふわふわで、バターとメープルシロップがトロトロと流れ、ホイップクリームがトッピングされた映像が投影されては。ポテトチップスを食べていた手を止めてはお行儀良く塩辛い指を舐め、少しぬるくなったチューハイ片手にキッチンへと。常備しているホットケーキミックスを使い手際よく作っていけばいつの間にか部屋が甘い香りに包まれて。)
(/自信満々春翔さん可愛い…!!桑嶋が星三つ出すので餌付けたっぷりお願いします!!
流行2009年~12年くらいらしいので……ヒュッて喉鳴りました。どうぞ!!会う度色んなお洒落してる春翔さん素敵なので!桑嶋に「可愛い」言わせてやって下さい!!
寝てる所を発見した画商さんの心臓と胃を痛めさせるまでがセットです。まあ……構われすぎも桑嶋嫌がりそうなので、このくらい雑で宜しいと思います。甘い香りに誘われて来ましたので、適当に対応しちゃって下さい。大体それで大丈夫です。
自称恋人は春翔さんバチバチ睨みますね、絶対。自称ライバルも春翔さんに絡みに行く姿が目に浮かぶよう……。言うて自称恋人も自称ライバルも、桑嶋からは“友人”か“親しめの知り合い”に見えてるので、会話でめちゃくちゃすれ違い起きる事必至ですが……。)
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( 丸まった姿勢から起きても今度は後頭部と背が壁に張り付いて離れない。一向に伸びない膝を掌で擦って叱咤らしき仕草もするが、状況は好転する気配一切無し。呻く独り言は段々と不明瞭な早口と化し、また均衡を保てない身体がずり落ちかけた所へ、ふっと影が差す。――視界に入る場へ置かれたメモ帳に文房具。ぴたり全ての動きを止めてそれらをじっと見詰めた数秒後、目を彼の方へ向ければもうソファに座る所。「…ええと、ありがとう、です。」動作と同じく無音になっていた口から、届くかも解らないか細い礼を遅れて落っことした後は、目の前の道具を握り締めて宣言通りに絵を紡ぎ始める。……暫し。手元にあるのは鉛筆の他、赤と黄色、緑に水色の四色のみ。だが下書き無しに滑らせていく紙上はそれ以上の豊かさで彩られ、出来上がるのはホットケーキの取り合いをする三匹の虎。色鉛筆の淡さでふわふわとメルヘンな画を描き終えた丁度、顔を上げた先に居た筈の彼は姿を消していて。「……何処ですか。」首をふらふら揺らして見回すその鼻を甘い香りが擽って、すかさず腹の虫が二度目の飢餓を声高に叫ぶ。しかしながらやはりそれは気にした素振りも無く、只匂いの源を追うように身体を操作し始めるが、変わらず脚は役立たずな為に壁沿いをずるずる、途中からは床に上体を落として匍匐に成り損なって潰れた体勢で移動を敢行。「……居ました。」大した距離でもないのにそこそこ時間を掛けてやっとキッチンに到着、傍目にはぼさぼさ髪の細い男が人を追って床を這ってくるというホラー真っ青な光景ではあるものの、本人はのんびりと彼の発見に声を漏らす。「何してるんですか。」きっとそれを尋ねたいのはこのお化け擬きの方ではなかろうが、ともあれ先にそう疑問を投げかけながら頭だけを何とか持ち上げ、陸に上がったアザラシのような格好で彼の手先や顔など視線をあちこちと向ける。)
(/それは逆にプレッシャーでは……!?フルコース出さないといけない気がしてくる……。
そんな昔ですか?ほんと数年前に流行ったイメージしか……頭が……。何気にファッションを考えるのが大変なんですけど楽しい節もあったりして。ひぃ~!是非可愛いと言わせます!!
画商さん……なんてかわいそうな……。それにしても移動方法がホラーすぎません!?!?本当に焦げたと言っても端っこがちょっとだけ焼き目強いだけなので何卒……。というかこの調子だと納得いくのが焼けるまで桑嶋さんに回りそうで……、お腹が破裂するまでにはなんとか成功させます。
売られた喧嘩は買いますので是非ばちばちさせてください。でも本当に、なんでたかが友達がアホみたいに絡んでくるんだ?ってなりそうですよね~。)
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(ぷつぷつと表面が歯の奥が痒くなる気持ち悪さになったらフライ返しと勢いでひっくり返して。流石、使われていないフライパンなだけあって表面が均一に綺麗な焼き目が付いていては満足。後は弱火で少し火を通せば出来上がり。ご機嫌に流行りの曲を口笛で吹いたりなんかして皿を取りに行こうと回れ右すると何かを蹴る感覚。「うおっ!?……は、…何してんだよお前、」何を蹴ったのか確認するや否や居ないと思っていたものがそこに在った驚きを隠すことなく半ば叫び声に近い声を上げて。まだバクバクと鼓動が直に聞こえる心臓を押さえ付けようと深く息を吸ってもどうにもならず。何してる、という質問には此方が質問を返して。それにしても余りにも怖すぎやしないか、そもそも床を這いつくばる体力があるなら立てはしないのか、いやそもそもここ男は何をしているんだ、と頭を悩ませていたら焦げ臭いにおいがして。慌てて火を止めたら床に這いつくばる男をひょい、と遠慮なく跨いでは無駄に煌びやかな装飾が施された皿に真っ黒でも無ければ食べれる程度、多少焦げてしまったホットケーキを移し。片面は綺麗に焼き色がついたし推定2cmは超えるふわふわ具合、こんなの店で出したって文句は言われない。焦げてさえなければ。暫くホットケーキと無言で見つめ合っては悔しそうに唇を噛み締め「……食う?」と男の方を一瞥もしないで呟くそうにそう尋ねて。)
(/あ、あわわ…フルコースなんて出されたら卒倒します、背後が。お腹いっぱいになれるものならトーストオンリーでも桑嶋は満足しますので……!
いや本当に……時が経つの早すぎないです…?背後様が楽しいと私も楽しいですねえ。ふふふ、可愛いと言われた春翔さんの反応楽しみにお待ちしております。
桑嶋、疲労も焦りも真っ先に脚に来るので、必然こんなホラーな移動に……背後も書いてて怖かったです。厚さ2センチ越えのホットケーキ…むしろ焦げ目も良いアクセントなのでは…?美味しそう過ぎて桑嶋も夢中ですよ。桑嶋の体格的にもうちょい物を食べた方が良いので丁度良いかと……全部美味しく頂きますので存分に拘って下さいませ。
やったあ!(?)ですねえ~……桑嶋からの紹介だけでは凄まじい誤解が生まれてしまう…自称の方々も多少気の毒……まあそこも込みで恋人やライバル名乗ってるメンタルの強さもありそうですけども。)
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( この床這いのお化けからしても、それは不意打ちの衝撃だったのだろう、彼ほどではないにしろ不明瞭な悲鳴がか細く漏れる。しかし床との接地面が多いからか、うっかり彼の足が当たった枯れ枝は揺れただけ、幸いにして吹っ飛ぶ事は無かった。その痛みだとか文句だとかはすっぽ抜かし、何なら問いに問いを返された事にも何も言わず、おっとりと首を傾げては、「……絵を描き終えたら春翔さんが居なかったので、探してました。」と言葉だけはマトモな答えを。「春翔さんは何を、」それからもう一度投げかけた質問は、受け取ってもらう前に焦げた匂いと共に置いていかれて。口は最後の母音のまま、頭だけをゆらり回して彼の行動を追って、その手際良い動作と悔やむ表情を見詰めている。と、そこに降り掛かった声があまりに予想外だったらしい、沈黙の数秒間彼の横顔とその手元をきょろきょろ視線を泳がせ、「……食べます。」かくんと頷き肯定を返す。続けて直ぐ傍の壁に一旦身を転がし、そこを支えに何とか辛うじて上体を起こしてから芳ばしい香りのするそれを受け取る。――つい先程まで絵に興していたそれより少し色の濃いホットケーキ。ほんの少しの間じいっと見詰めた後、徐に口を目一杯に開いてそれに噛り付く。抵抗無く歯の沈んだ箇所から全てをハムスターの如く頬の内に詰め込み、もぎゅもぎゅとゆっくり咀嚼する事暫し、「ふかふかで、甘くて、美味しいです。」口腔を空にして溢したのは純粋な呟き。まるで子供のようなその物言いの最後、彼の方を見上げながら、「……とてもあったかいです。」些か妙ちきりんに的外れな感想で締め括って。後はもう夢中と言わんばかり、既に三分の一ほど円の欠けた甘いそれに視線を注ぎ、始めと同じ思い切った大きな口で平らげていく。)
(/お待たせして申し訳ないです!!1週間ほど遅れてしまう場合は一報入れさせていただきますが、必ず返信はさせていただきますので……!やりたいシチュエーションが無限にあって時間が足りないと涙しております……。
気付いたら時間が経っていて、また別の意味で頭が……。
ずっと立ちっぱなしだと脚にきますよね~!!めちゃめちゃ浮腫んじゃいますよね!!褒められた春翔がアップを始めてしまいました。調子乗らせたらこんなことになります覚悟してください(?)
あ~素敵な方々と早くお会いしたい……。いい感じに険悪な雰囲気にさせてみたい気もします。桑嶋さんとの絡みも見たいですよね。誰がツッコミするんだろう……。)
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(気に入らなかったソレを手渡せば男の方へは目もくれずに自分の分を作り始めようと余ったホットケーキミックスをボウルへと雑に入れたところで、かなり作るのが面倒になってはこのまま映画に戻ろうかと思った時。後ろから声が届き。褒められて悪い気がする者はいるはずもない。冷蔵庫から牛乳、ヨーグルト、バター、ベーコン、卵を取り出しては早速準備に取り掛かり。キッチンペーパーにヨーグルトを乗せれば適当に水を切って、代わりに気持ち少なめの牛乳、卵、砂糖、なんとなくバニラエッセンスを満足なだけ入れてはざっくりと混ぜて。大体いい感じにフライパンがあったまったところで2、30cmの高さから生地を流して。もう片方のコンロにベーコンを……本当は分厚く大きいものが良かったがストックしてあったものが小さくて薄いものしかなかったため所狭しと並べては火をつけてはすぐカリカリになったため一度別皿に移してから、卵を片手で割り入れて半熟になるまで蓋をして待機。後ろにいる男のことなどすっかり忘れているような振る舞い。それから暫く、大皿に出来上がったふんわりふわふわパンケーキ2枚、その上にカリカリベーコンと半熟目玉焼き。バター、胡椒と粉チーズを思っている倍以上の量をかけたらハワイアンパンケーキの完成。味見はしていないが、するまでもなく美味いことは分かりきっているほどの自信があり。「もう一皿食べるか?食べるよな。」褒めて欲しいとか美味しく食べて欲しいとか、そういった感情はなく。ただただ調子に乗って作ったしまっただけの一皿。有無を言わさず押し付ける態度、勿論返事はイエスしか認めないと言うように視線を合わすはずもなく付け合わせは何かあるか冷蔵庫を確認する始末。しかし何もなかったようで仕方なしに空白が余った皿の端に別添えということで蜂蜜とケチャップを入れた2種類の小皿を置き。)
(/いえいえ大丈夫ですよ~!!私の方もちょっとばかり遅れてしまったので、ここはお相子という事で……。やりたい事と時間の経過が反比例するもどかしさ、辛いですよねえ……。
気をしっかり!まだまだこれからですから!!
足浮腫むと歩き難い事この上無いですよね……桑嶋ってば飯食わなくて力が無いから尚更酷そう……。褒められて調子が乗っちゃう春翔さん可愛いですねえ。いやもう幾らでも覚悟するのでじゃんじゃん調子乗っちゃって下さいませ。
一触即発なぴりぴり感も面白そうですよね。言うて自称ライバルは陽キャなのでワンチャン仲良くなれそう感ありますが。……ツッコミは…強いて言うならライバルさんかな…?画家の中では比較的マトモな側なので…?
餌付けタイムも中々楽しいのですが、お次どうしましょうねえ。このままぶっ倒れにいくのも良いですが、何かワントラップ挟みたい気も……家で画商さんと鉢合わせするとか何処かお出かけするとか……悩みますねえ……。背後様は何かやりたい事などありますか?)
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( 傍目には一心に、はたまた飢えた動物にも見えようかという勢いで口の中をホットケーキで一杯にしては、反して鈍い咀嚼をもちもちと繰り返す。その最後の一口を飲み込もうかという辺り、また辺りに漂い始めるのは塩味の強い香ばしさ。それに釣られたように首をかっくり上げた変人の視界に広がるのは、無駄無く調理を熟していく彼。その姿が動く度にふらふら頭も揺れて手元を追っていた目の前、また新たに皿が現れた事に面食らったのか、ぴたりと一瞬動きを止めはしたものの、「食べます。」再び同じ文言で答える声は、一度目よりもはっきりとした意思を持つ音。皿を受け取った十秒ほどの間、料理を回したり指先でパンケーキをつついたりと弄ぶような仕草を見せた後、やっと具材の乗る一枚を掴んで思い切り頬張る。もごもごと噛み砕き口腔で混ぜたそれを喉に通して、「……美味しいです。」やはり同じ文言の感想が溢れる。「春翔さん、料理上手ですね。凄いです。オレ、こういうの食べた事無いです。こんな味があるんですね。わくわくします、素敵です。」それから雪崩の如く、淡白ながらも言葉をどさどさ重ねて流しながらも確りと食べ進め、ぺろりとすっかり完食し、空になったものをじいっと眺めた後。「……あ、」不意に小皿の内に余ったケチャップや蜂蜜を指先へと付け、それを少し汚れの残る皿の表面に擦り付けていく。――時間にすればものの数分程度、そこに出来上がったのはケチャップのハイビスカス。平素なら“食べ物で遊ぶな”と画商などから叱責を食らう所だが、この場にいるのは自由気儘な彼のみ、よって真っ赤なそれは誰に阻まれる事も無く堂々咲き誇る。「春翔さん、」胃に食物を送った功労か、今度は蹌踉ける事無く立ち上がり、彼の直ぐ隣まで歩んだ所で口を開く。「オレ、アンタの料理好きです。また作って下さい。」先ずは彼を見て真っ直ぐと料理への好意を。それから花を描いたその皿はシンクにそっと置いて。「……絵を描きに行きます。」飽きるようないつも通りの報告をしたその次には、調味料のべたべた付いた手も洗わない内に踵を返す。)
(/またまた遅れて申し訳ないです~!!ちょっと暫く、2ヶ月ぐらいは多忙になってしまい……週末にしか返信出来ないかもで、本当にお待たせして申し訳ないです!時間があまりにも足りなさすぎて……腕と脳味噌をもうワンセット発注しときます……。
ほんとに……。絵を描くのって結構立ち仕事っぽいよな~と思ってるので画家さんは脚強いってイメージなんですけど、なぜか桑嶋さんに関してはそんな長時間立ってられる……!?無理しないで!!って気持ちに……。
ちょっと(かなり)ライバルさんと関わるのが楽しみですね……。でもライバルさんがめちゃくちゃまともなのは想像できますよね~!なんだかんだ世話焼きポジにいそうな感じが。
そうですね~、画商さんに世話代せびるのもいいし、お出かけ……お出かけはハーネス買わなくていいですか!?ただ雑談するゆっくりした時間でもいいし、勝手にアトリエに侵入するのもいいし、他には……何もいいアイディアが己の頭が恨めしすぎる……。取り敢えず寝かしたので思うように動かしてやっていただけたら嬉しいです……!)
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(頼まれてもないし、報酬もないし、人に分け与えるような性分でもないのに豪勢に作りすぎたのはなんとなく気分が良くなったから、多分。余った生地は1枚作るのにも満たないぐらいの極少量だけ、作り足すのは面倒ということでゴムベラでできる限り集めては掌ぐらいの小さなホットケーキを。後ろから聞こえる声は機嫌を良くする褒め言葉がつらつら、やはり自身に対する賞賛の声は誰から貰ったとしても心地よいもので。「んー、まァな。俺が作んだし。」と素っけない言葉でも心なしか弾んでおり。小さい故にすぐ完成したホットケーキを皿に乗せたところで暫く静かだった男が音もなく隣に立っていて。「ま、今度。気が向けばな。」目を落としたシンクに置かれた皿にはハワイアンな落書きが施されており、そこらで見かけるプレートアートよりもクオリティが高く感嘆の声を漏らして。こういうのは写真撮るから食う前に作れよ、と文句を言いたい男は此処にはもうおらず。仕方なくシンクから取り出した皿にだけフォーカスを当てては1枚、適当なタグ付けをしては投稿アプリに載せて。
そんなホットケーキ事件から数日間数週間。頭はガンガン鳴るし胃は重いし、喉は痛いし、脚はまともに動かない。完璧に飲み過ぎ騒ぎ過ぎ食べ過ぎの罪を背負っている。秋に差し掛かったことで淡い赤色に変化した髪色。胸から上は三枡格子、その下は微塵格子。繋ぎ目にはブランドロゴが一周あしらわれたシャツに脚長効果のある黒スキニー、厚底黒ローファーのヒモはとにかく休めるところを探しているようで、電柱にもたれかかりしゃがみ込んでは現在位置を確認する朝の6時半。記憶喪失により何が起こったのかも覚えていないし思い出したくもなく、響く頭を押さえながら近い家を探せば幸か不幸かあの男の家で。半ば嫌々重い腰を上げては目的地へとフラフラ向かい。そして何分かすればいつものようにふかふかの高いソファに横になっては静かに目を閉じて。酒に煙草に香水の臭いがするが関係ない、とにかく今は寝たい一心。)
(/大丈夫です~!!了解しました!私もしょっちゅう不定期に遅れてしまうので……脳と腕の発注は私もしておきたいですね…どこで注文出来るんでしょ……。
大きい作品だと余計に大変そうですよね……絵の時だけやたら力出るんですよ桑嶋。普段は人間初心者の挙動するくせに……。多分絵に関する時は神様が支えてるのでは?
それは本当にそう。ライバルさんは「こいつ絵で勝負以前に早々に天に召される…!」って焦りで何やかんやお世話焼く羽目になってる節はありますね。死なない程度に食べ物差し入れとかしに来るから、会う日はそんなに遠くもないのでは……?
そうか…お出かけにはハーネス必須ですね…!とりあえず今回は家でまったりお話でもして、その内に桑嶋を訪ねてきた画商さんに世話代でもせびります?罪背負って大変怠そうな春翔さんを起こすのは忍びないので……。)
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( ざりざりと擦るような強さで筆をキャンバスに滑らせる音と、不明瞭な声だけが響くアトリエ内。窓から覗く者が居れば亡霊を見たと騒がれかねない様相を纏って動かし続けていた手は、朝日に照らされた辺りでだらんと垂れ下がる。「……出来ました。」縺れたような足の動きでふらふら、少し遠ざかって色を重ねた油彩を見詰めては一つ呟き、使い終わった道具をのっそり片付けている途中、遠くから微かに響いた音に気付いてか身の動きが全て止まる。そのまま三十秒程度停止した後、何事も無く作業を再開し道具の手入れを終えて直ぐ、着ている白シャツで適当に手指を拭いながら廊下へと。――だだっ広い家内、相変わらず安定感に欠ける足取りが目指したのはどうやらリビングらしい。目的地に到着すると頭をぐるり回して室内に視線を巡らせ、そのソファに寝そべる彼を見るなり傍に寄り、立ったまま真上からぬうっと覗き込む。「…おかえりなさい。」いつもの迎え文句を告げた次、移った目線は彼の髪。「……桜…フラミンゴ…」その淡い色にまた平素と変わらず低い独り言を溢してはふらふらと首を傾げ揺らして、「……あ。カエデ。」その一つの単語を落とした瞬間一人勝手に頷き、更にぐっと顔を近付けて暫し眺めた一分後、「具合悪いですか?」物凄い今更、そもそも一番始めに問い掛けても良さそうな言葉を彼に降らせたかと思えば、答えも聞かない内からまた覚束無い千鳥足で彼から離れて部屋を出る。――更に数分後。戻ってきたその両手にはやたらとデカい救急箱。それをソファの真正面にあるテーブルに、でんっと乗せて蓋を開く。あれもこれもと有らん限りの医療品が詰め込まれた其処から、頭痛薬、胃腸薬、解熱剤……兎に角あらゆる薬の瓶や箱を、手に取った順に横一直線に並べ始める。果ては消毒液や湿布まで取り出しテーブルの端から端まで等間隔に置いた終わり、「……どれでしょう?」彼に訊いているのか只の疑問だだ漏れなのか、見当の付かない声を落としてはそのままぼんやりと立ち尽くす。)
(/ほんとにありがとうございます!!頭の中ではこんな感じで返信しよっかな~音符音符と考えているのですが、実際にアウトプットする余裕がなく……。ついでに時間も発注しときますね!アマ??ンで!!
絵の神様が微笑んじゃってる~!しかし絵だけ。でもそんなこと言われたら集中しすぎてる桑嶋さんを大丈夫、って止めるシーンを早く見たいって気持ちが……。
そんな、食べ物を差し入れに来るんだったらお世話係バトンタッチするわって肩ぽんする未来まで…!
そうですね~今回はのんびり回にしましょうか!ちょうどお小遣いももらえてラッキー!変な夢見て起きたら変な現実だった場面からスタートしました。もしかしてまだ夢見てる……?)
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(こんな夢を見た。広く殺風景なアトリエに立っている。目の前には大きなキャンバス。その白地はやけに重たく、見ていると吸い込まれそうな気さえする。気がつくと筆が手の中にあって何か描きたい衝動に駆られる。だが俺の右腕を掴み離さない。見下ろすその眼差しは暗く暗く、まるで底知れぬ海のようだ。俺はこう言った。「描かなければ」男は素直に手を離したが、奇妙なことに、筆はまだ動かない。もう一度キャンバスを見やると、そこには見えない何かが覆い被さっているかのようだった。その瞬間、耳元で男が、「描いても、アンタが知るのはほんの一片」と囁いた。その声を振り払おうとすると勝手に腕が動き始めた。キャンバスをガンガンと音を立てながら縦横無尽に滑り、黒い線が次第に人の形へと変わり、やがてひとつの顔が現れた。その顔はこちらを静かに見つめこう言った。「アンタの求める世界はなんですか。」俺は一言何もないと答えた。そのうちアトリエは病院の一室となり、硬いベッドの上で……。
目が覚めると若干の見知った天井と病院臭い空気が漂っていて。相変わらずガンガン響く頭を振りながら「ん゛ぁ゛~~……」と不機嫌な獣のような声をあげては上体を起こして。目の上がひたすらに痛い。痛すぎる。脳内メーカーはきっと‘痛’の感じが所狭しと並んでいるだろう。そんな中、眩しさに耐えながら視界を広げれば、夢にも出てきた男が何やらお店屋さんごっこの準備をしている途中で。何がそんなに必要なのかと疑うほど大きい救急箱からあれよあれよと出される医薬品の数々、さながら薬局のよう。知識がないのか、自分の症状が分かっていないのか男の呟いた言葉はそのまま空気の中に紛れては粒子となって消えてしまい。取り敢えず頭痛薬を手に取っては「……みず、もってきて。」とカスカスに掠れた声で男に頼み。果たして無事に届けてくれるか疑問ではあるが、その間にも頭痛薬のパッケージを確認しては規定量プラス2つをプチプチと。そして頭痛に効くとは到底思えないが、目の前にあったからという理由で冷えピタを額に貼っては一時的なひんやり感を余裕のない身体で楽しみ。)
(/限り無く私と一緒で親近感湧きますね……アウトプットしようと文字と見詰め合ってると寝落ちする事も多いですし……。やった!これで沢山お話書けます!!
絵以外の事は特に無かった事にされました、神に。それはもう私も見たいです~!春翔さんが如何にしてその“大丈夫”というまでの行動に繋がるのか……この過程も見たいです……。
そんなんされたらライバルさんも「絵の勝負しに来てんの!!」って春翔さんとのお世話係押し付け合いになりそう……そしてそれを見ながら「仲良いですね。」と呑気に喋る桑嶋……ツッコミ不在か……?
了解です!!具合悪い時って変な夢見ますもんね…でもしかしこれは恐らく(確実に)桑嶋の行動が夢に影響している……現実と地続きの夢とか怖いな…?しかも春翔さんにお触りまでしちゃってごめんなさいね……。)
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( 問い掛けの言葉と共に首を傾げたままの格好で、舟でも漕いでいるのか単に疲労で直立出来ないのか、かっくりこっくり身体が揺らめく。それが止んだのは不意に威嚇の唸りに似た声が上がった瞬間。髪に埋もれる視線はまたじっと彼へと向けられて、「……お水ですね。」掠れていても言葉はきちんと聞き取れたらしい、頷く仕草と共に単語を繰り返しては、くるりキッチンへ踵を返す。――その際いっぺん転んだのは概ねいつもの事、のそのそふらふらと歩いた先の目的地で足を止め、少々の間動きを止める。「……ええと…お水…」零れた声が霧散して消えた後漸く冷蔵庫の前に歩を進め、その中からミネラルウォーターのボトルを一本、未開封のまま取り出す。それを両手に握り胸元に抱きながら帰ってきたリビングのソファー前、「どうぞ。」とぎりぎり空いていたテーブルの端に乗せた動作のまま、すとんと床に座って彼の目の前を陣取る。それから並べた薬を手前から順に鈍々しい動きで眺めていった次、彼の方へまた顔を戻して、「頭、痛いですか。」これまた無遠慮な視線と質問が飛ぶ。しかしながら相変わらず答えを聞かぬ内からもう少し手前に距離を詰めたかと思えば、徐に上げた指先が彼の頭――正確には額に貼られた冷却シートの上に乗る。そのままするすると其処を弱々しい力で擦る事数秒程、その手を明後日の方向へと放るように離す。そんな何やら謎の行動をもう二回程、シートを擦る所からご丁寧に行い。やがてその手も下ろして、「……飛んでいった痛みって、何処に行くんでしょうか。」脈絡も無いそんな疑問らしい呟きを茫洋と漏らしながらソファーの足元に寄り掛かり、いつに無く近い距離で昆虫観察宜しくじいっと彼を見詰め続ける。)
(/返信、次の土日には出来るはずなので何卒……!!待たせてしまい申し訳ないです!!お詫びに春翔が最近得た気付きを披露します……。)
やば、風呂ン中で腹鳴るとクソ響くんだけど。笑うわ。
(?)
(/大丈夫ですよ~!!此方は桑嶋がタンポポで花占いし始めたの眺めつつのんびりお待ちしておりますので、焦らずゆっくりお返事下さいませ…!)
(/たんぽぽで花占いなんてファンシーすぎ~!と微笑ましく思ったら普通にたんぽぽ?マーガレットじゃなくて?と腰を抜かしました。お待たせしました!!!
何気にこうして返信が出来る喜びにかられているんですが、いつも読み返すと日本語がきしょくて申し訳ない気持ちになっています。
こちらからも初お触り……?多分初ですよね!ちょっと背後がドキドキしながらなのですがまだ、まだ許容範囲内ですよね……?馴れ馴れしいとは思いつつも、まぁ!春翔はそういうキャラだし!と微笑ましく見てやってほしいです。(?))
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(いい歳にもなってはしゃぎすぎた事を今更ながら後悔するが、何一つとして記憶には残っていないあたり再度繰り返してしまう運命になるのは明白で。「……ん、さんきゅ。」まだ覚醒しきってない頭で水を受け取っては手に出していた複数の薬を一気に飲み干しては。若干喉に引っかかる感じはいつものことなので無視。即効性の即の字さえも書かれていないパッケージ。金持ちなんだからもっといいの常備しとけよ、という文句は心の内秘めておき。深く長い溜息をつきながら男の言葉をぼんやりと意味を介さず聞いていて。すると飛んできたのは意外にも腕。ひょろにガリとはいえ、自分よりも図体のデカい男に痛いの痛いの飛んで行け、とされたところで痛みは変わらず。むしろ増してきたような気さえも。「さぁな。少なくとも薬が効くまでは俺の中に留まってるわ」返した言葉は夢も希望もへったくれもないもので。いつにもなく近い距離、これがこの男じゃなかったらそこそこな雰囲気に……なったとしても今はそんな気分ではない。よく見れば手入れをしてないことは迷惑なのにふわふわな癖毛、体躯も相まっていいものを持っているのに生かしきれていない。腕を伸ばしてはその髪を一房手に取り「お前は、ほんと勿体無いよな。」1文字ずつ噛み締めるようにそう伝えては。またこの前のように感情に飲まれてしまうのを防いだのは爆音の着信音。音を切るようすぐに通話に出ては「いやいい、パス。……また今度な」と早々に切っては明るい画面から目を背けるようスマホをソファの上へと乱雑に置き。未だガンガン鳴り響く頭の中を何とか鎮めるようにぼんやりと遠くを見つめ。)
(/身近に生えてるのがタンポポだったので……ちみちみちみ…と一枚一枚丁寧に千切って春翔さんが来る日を占ってました桑嶋です。此方こそ!!
きしょい事とかある訳ないじゃないですか!私だって誤字だの消し忘れだのが見付かって悶えてるのに……どれだけ推敲してもあるんですよね……。何故……?
初めてですね!!桑嶋パーソナルスペースとか無いので全然許容範囲です!なんなら桑嶋の方が春翔さんより馴れ馴れしい気がしますし……何せ初対面で春翔さんの脚にしがみついたド変人ですし……今もベタベタ触りまくってしまって申し訳無いです。あ、画商さんはどのタイミングで呼んじゃっても構いませんので、この状況にご満足頂けましたらいつでもどうぞ!!)
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( 疑問への返答は聞いているのかどうか怪しい所だったが、流石に髪に触れたものには気が付いた素振りを。ほんの微かに頭が揺れて、恐らくは毛先を取るその手へ視線が向いている。丁度絵具汚れの無い細く柔らかいそれは容易く彼の指に絡み、かっくり揺らした首に合わせてふわふわと頼りなく漂う。「……もったいない。」普段と変わらないぼんやりとした声が、多くを籠められたようなその言葉を反芻した後、意味あるものを返したのは彼と彼の携帯が黙り込んでから。「画商さんもアンタと居た人も、レイさんもユウさんも、みんなそう言いますね。」ほんの少し、よくよく見ないと解らない程の角度で唇の端を下げて、彼の知る人物の他の誰かの名も晒しぽつぽつ言葉を重ね、「……雲に隠れる星空の方が、勿体ないです。」最後に付け加えたそれは脈絡がちゃんと繋がっているような、いつも通り滅裂なような。何とも言い難いそんな締めの次にまた彼の視界へぬうっと割り込んで、暫しその体勢で停止した後、再び伸ばした手は彼の頭に。力の入っていない五指をわさわさと髪の毛の内に侵入させたかと思えば直ぐに引き抜き、互いの中間に宙ぶらりんに置いたまま何か顔は探る仕草を取る。その視線がやがて固定した先は恐らく垂れ下がった彼の手、それを甲側から鷲掴むようにやんわり右手で覆い、「……大丈夫ですよ。」感情が今一つ読み取れないボヤけた声で、そう呟き程の気休めを溢す。そのままにぎにぎ、強弱を付けたなけなしの握力にて弄ぶ動作を繰り返す内、「……ねむいです。」仮にも気遣いらしき素振りを見せた五分前は何処へやら、その一言の後には途切れ途切れの細い寝息が唇から漏れ始めていた。)
(/お待たせしました!!!2週間も!!!もう暫く忙しくないと思いますので、お待たせすることはないと思います思いたい……!本当にやりたいことがありすぎて進まないのがもどかしく……誰のせいかと言われたら私なので罵って……いや、つらいから罵るのは無しで……。代わりに夢オチセロリを首に巻かせときましたので何卒…(?)
めちゃめちゃ行動かわいい~!小動物みある~~と背後は超ニコニコです。本当はまつ毛なげ~とかやりたかったんですけど、それはちゃんと素顔見た時に取っておこうかな、と!というかいつ素顔お披露目会します!?というかというか!新しく出た名前ってもしかしての……??きゃーっ!!ちょっと1人で大興奮してます。)
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(今まで出会った奴の中の大半が所謂変と分類されるような人間ばかりだった。しかし、ある程度人間を保っていて、話も大体は通じる生き物だったために扱いには長けていたと自負している。だが、この男は一体なんなんだと疑問が湧くほど未だ掴みきれない。言葉を表出したと思えば理解できないような遠回しや抽象的なもの。動いたと思えば意図がつかめず、いつも置いてけぼりにされてしまう。今回だってそうだ。「自らの意志で隠れてるわけじゃない恒星とは違うだろ。」男の素顔も知らないが、それを抜きにしても髪質や長身を活かせる体型、声も全て武器になるというのに何もかも捨ててしまっている現状。もしも腕が折れたら、絵が描けなくなってしまったら。そんなことを微塵も考えていなさそうな生活は誰も指摘しないのだろうか。だとしたらかわいそう、と思ってしまうが今は口出しすることもなく。そんな気持ちが伝わったのかなんなのか、撫でられた頭に握られた手に伝えられた言葉に目を丸くしてしまい。あまりにも突拍子のない出来事にかける言葉も見当たらず、暫く少し気まずいような時間を過ごしてはいつしか目の前で遠慮なしに寝息を立てる男に「……なんなんだよ」と思わず声を漏らしてしまい。
気付けば男がセロリを片手に此方へとにじり寄っている。なに、と声をかける間もなく俊敏な動きで首にその葉っぱを巻いてきた。……なんで?「は?」と目を覚ましたと同時にピンポーンと間抜けなチャイムの音が鳴り響き。ぼんやりと目も頭も覚めないまま取り敢えず二度寝しようかと再びソファへ横たわり。)
(/お疲れ様です~!!いや本当に……頑張っていらした背後様を罵るなど出来るわけがありません……!!ネギみたいにされたセロリ…ちゃんとお花の言葉で返そうと思ったのですが、気が付いたらセロリ持たせてました。
寝てる飼い主の周りにオモチャお供えするワンちゃん感あるよな~と私も後々見返して思いましたね。“まつ毛なが……”もいずれやりましょうね!私も早くお顔お披露目したいのですが…そうですねえ……まず同居切っ掛けのぶっ倒れイベント経てから、その次にお顔お披露目で如何でしょう…!
ええ!例の自称のお二方に御座います!!まだお顔見せは先になるでしょうが、名前だけでも!と出番フラグだけ拵えちゃいました!!)
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( 二人分の寝息が合奏されて暫く。合いの手のように鳴ったチャイムの発信源――変人画家“蚕繭”の担当画商は、もう二度程ボタンを押した後に十秒待って、その間に一切の反応が無い事に深々溜め息を吐き出しながら屋内にずかずか踏み込む。来たぞ、と声を掛けた所で静寂が返ってくるのも慣れたもので、そのまま奥のアトリエへと進みかけた所で視界に入ったリビングの状況にぎょっと硬直する。『ったく…何してたのかね、コレ……』テーブル一杯に並べられて一部乱れている薬達、近くにはペットボトルが転がって、更にその傍の床に横たわっている見覚えしかない枯れ枝。大方いつもの奇行の果てに寝こけてるんだろうと適当に思考を片付け、取り敢えずパンやらお握りやらが詰め込まれた差し入れのコンビニ袋をその辺に置き、変人を起こそうと爪先をリビングに向けて――今頃ソファを陣取る人物に気付く。『うお不審者…っ、』思わず口を衝いて出た素直過ぎる感想の後で、まじまじその人物の顔を見詰めて怪訝に眉を顰める。『……いや、何処かで見たような…?』どちらにしろこの家には不自然な存在と対峙した事に意識が向いていた為だろうか、足元の変人に唐突に足首を掴まれて飛び上がる程にビビり。「……そのひと、春翔さんです。頭痛いから寝てます。」此方の心臓がまだ治まらない内にダイイングメッセージを言うだけ言って、ごつっとまた床に額を伏せて眠った画家の姿は死体そのもの。何がどうだの欲しい情報は何一つ入らず、此方も頭痛がしそうな思いの画商は片手で自らの顔半分を押さえ込みつつ、『……コレの知り合い、か?』自称恋人、ライバルとも遭遇する“類は友を呼ぶ”の典型例を見た経験から彼是と心構えをする深呼吸の後、コレと床で熟睡する男を一瞥してから再度ソファの彼を窺う。)
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