勇者と魔王様〆

俺だって真剣なつもりだよ、世の中を良くしたい気持ちは人一倍ある…だが、それ以上に自分の欲に正直でね、ただそれだけのことさ
(そばに歩み寄ってきた相手の手首を不意に捕まえて)

それで真剣？魔王と繋がろうなんて思う奴がかい？
欲なんてなくしなさいよ。
？！なっ、
(煽りながら近づくと手首をつかまれて驚き、)

欲を捨てたらそいつはもはや人間とは呼べん何かだ、勇者だって所詮は自分の正義を全うしたいから戦う、それすら欲望の一つだとは思わんかね？
(顔を吐息がかかりそうな近距離まで近づけて)
それと、勘違いしているようだが俺は魔王と繋がりたいのではなく、繋がりたいと思った相手がたまたま魔王であった、それだけのことだ

ふ、ふん。
まぁ、確かにね。
(距離が近く、少しぴくりと肩を震わす)
…そもそも魔王の私と繋がろうと思うアンタがおかしいのよ。

それは仕方あるまい、どうにも恋情とは御し難いものだ。…もっと噛み砕いて言うのであれば好きになったのだから仕方がないといったところかねぇ
(顔をゆっくり離して、頬を優しく撫でて)

…私はアンタのことが嫌いだわ。
だけど、面白いわね 私の堕とそうとする勇者は初めてだわ。
(にや、と笑う)

魔族の王ともあろう者が気に入らない相手にここまで接近を許したのは迂闊という他ないと思うがね？見たところ筋力は力のある成人男性に少し毛が生えた程度のものだろう。中、遠距離での撃ち合いこそが本分であると思ったのだが、どうかね？
(付け入る隙をこれだけ与えているこの状況、どう言い逃れする？と意地悪く問いかけ)

チッ…
魔力なら人間の何倍もある。
魔法を目の前でやれば人間なんて死の他ない。
私だって考えはある。筋力なんてなくていいのよ。
(はっ、と笑いながら余裕ありげに)
で？私をどうしようと？

なるほど、確かにそれをされては流石の俺もひとたまりもないな。…ならば、その呪文を紡ぐ口を試しに塞いでみるとするかねぇ
(そう言って唐突に唇を奪って)

～～～っ？！！！
(顔が一気に赤くなる)

ほう、魔族もこの行為が持つ意味合いは同じようだねぇ
(キスに赤面した相手の反応を見て、ほくそ笑み)

そ、そうよ…
(口元を隠しながら)

それで？どうかね、俺の真摯な気持ちの一欠片でも伝わっていると嬉しいんだがね
(意外にウブなリアクションに嬉しげにしながら尋ねて)

伝わったけど、気を抜いてたからこんな反応しただけで！
もう何度も同じ手は喰らわないわよ！
(無防備にしちゃっただけ！と慌てて反応のことを否定する)

なら、仕方あるまい。手を変え品を変え、お前がその気になるまで攻め続けるまでだよ
(同じ手が通じないと言うなら、別の手をとるまでと全く諦めるそぶりは見せず)

攻め続けるって、、
私に勝てると？
(睨みながら)

そんなことはわからんさ。ただ…俺は大概しつこく諦めも悪い男なんでね、簡単に敗北を認めてやるつもりもない、覚悟しておくことだ
(フッと小さく笑みを浮かべて、腰辺りに腕を回して)

はっ、笑わせてくれるわね。
人間相手にこの魔王が怯むとでも思ってらっしゃるのかしら？
(にや、と少し口角を上げながら)

怯ませることは出来なくても、不意を突けば赤面させることが出来ることは実証済みだがね？
(少し乱暴に抱き寄せて)

っ…無防備な瞬間を作らなければいいだけの話、よ？！
(抱き寄せられると少し動揺)