凛央 (りお) 2024-08-08 21:50:30 |
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別に普通にしていいスよー?…遠慮なくどーぞ
(少し興奮した様子から一変、咳払いをして淑やかな仕草に戻った相手を見て苦笑して返し。その後自分も爪楊枝を持ってひとつ口に運ぶと、美味しさを噛み締める様にして)
ん…やっぱ、美味しい
ええ…まこと美味しゅうございますわ
(団子を一つ、また一つと口へと運び、みたらしの甘塩っぱいタレと団子自体の素朴な甘さ、その絶妙なコンビネーションに舌鼓を打ち、この上なく満ち足りた内心を現すように尻尾をユラユラ揺らし、吐息混じりに幸福感を滲ませ感想を述べて。宵闇を拠り所とする者たちにとって特別な夜の邂逅、思いがけない贈り物を賜ったことへの礼を言い)
ご馳走様でした。妖力も満ちる美しき月の夜に、このような心の糧まで与えてくださって…御礼申し上げます
喜んで貰えたなら良かったです。…あの、ひとつお願いがあるんですけど…
(喜んでいる様子の相手に少し安堵し、にこ、と笑顔を向けて。パックやら爪楊枝やらを片付けながら、もしかしたら今なら了承してくれるかも知れない、と思いかねてから興味のあった事について聞いてみて)
…しっぽと耳…触ってみて良い、すか?
なんという命知らず、この私にそのような願いを口に出来るのは、世の中広しと言えど貴方ぐらいのものでしょう。本来であればそのような戯言を二度と口に出来ぬようにしてやっても良いところですが…今宵、貴方が相手であれば特別に我が身を委ねましょう
(大妖怪としての格の高さを自他ともに認める存在、この身に軽々しく触れたいなどと宣うのは、余程の無知か愚か者か…。然し乍ら、眼前の吸血鬼はそのいずれにも当て嵌まらない、己が何者であるか、知った上でそう要求しているのだ。瞳をスゥッと細めその顔を見遣り、真意を見定める、冗談や酔狂で言っている風ではなく、物怖じした様子も一切ない、本当にただ知的好奇心を満たす為にそんな事を言っていると理解するが、不思議と不快感はなく、むしろ今夜は気分がいい、気まぐれに戯れに付き合ってやるのも良いだろうと、僅かにベンチに座る身体をずらし背を向けるような格好になると、まるでこちらから誘うように尾をヒラリと動かして)
いい、って事スよね…?やったー、んじゃあ、遠慮なく…
(一瞬怒っている様に見え、もし襲われる様な事が有れば逆に首に齧り付き血を吸い尽くして仕舞えば良いとも考えていたが、返ってきたのは思ったより好感触な反応で、少し安堵し。身体をずらしこちらを誘う様に尻尾を揺らす相手に応じる様に自分の手をそっと伸ばして触れ、感嘆を漏らし)
失礼しまーす…おぉ、つやつや…
良い審美眼をお持ちのようで…どんなに素晴らしき芸術も、見る者の目に濁りがあっては、その真贋はわからぬものです
(艶やかな体毛に包まれた、九尾を九尾たらしめんとする、身体の一部に触れる手の感触に意識を集中しながら、他の化け狐よりも蠱惑的で美しいと自負する毛並みに感銘を受けているのが伝わる感想に耳を傾けると、すっかり気を良くしたのか、ご満悦といった様子で得意げに高説を垂れ、背筋を伸ばして姿勢を正し、しばらく相手にしたいようにさせて)
っへへ、良いなぁ…俺もなんかこう、はっきりそれって解る何かが欲しかったスわ…だって吸血鬼って言ったって他と違うとこなんてこの牙だけっスもん…
(暫く触って満足したのか、最後にすーっと流れる様にしっぽに触れると手を下ろし。相手は九尾なのだから当然だが、口に出さなくてもその尻尾と耳で自分が誰なのか相手に知らしめる事ができるが、対する自分は吸血鬼という種族の証明になるのは外見だけで言えばその牙のみで、それも口の中にあるが故自ら見せなければ相手の視界に映る事は無く、他は何ら変わらない為その観点からいけば相手の事がとても羨ましい為、ため息混じりに上記を述べて)
ふむ、しかし有名税と言いましょうか、名が知れ渡るにつれて、容姿一つで素性が容易に知れてしまうというのは枷にもなるものですよ
(一目見て何者かがわかる特徴に、知名度までもが加わると、望むと望まざるとに関わらず、常に注目され、警戒される。相応に格が備わったのだと言えば聞こえはいいかもしれないが、身動きは取り辛くなり、不用意に動けば面倒ごとに巻き込まれる機会も増えたりと、決して良いことばかりではないのだ、と相手が羨んでいるものは実情、そういった類のものであると、訳知り顔で夢もかけらもなくそう語り)
普段の軽い散歩にすら気を遣う始末ですが…それ故に、貴方とのひと時は心地よいのです。私を『私』であると知りながら、恐れず畏れない…そのような存在はこの世に数えるほどにしかいませんわ。…そして、その中でも親しき者となると…たった一人
うぇ?それって、もしかして…
(有名であるという事は確かに名誉な事だが、裏を返せば、有名な自身にとっては、些か良い事ばかりではないのかも知れない。さすれば相手の話にも一理あるなと考えていた所にまさかの発言で変な声が出てしまい。まだ相手の言っている人物が自分だと確定した訳では無いのに少し照れてニヤついてしまい、それを隠す様に俯き。段々と相手が孤高の存在である事、自分がそれと対等に言葉を交わしている事に妙な高揚感が湧き上がりニヤついた顔が暫く戻らず、俯いたままで続け)
…桜姫さんも色々と大変、なんスね…
ええ…しかし私にはこの名も、肩書きも、重荷であると同時に誇り………って、なんです?…そのようなニヤけ面で…
(世に存在を脅かす者は無く、一度行動を起こせば絶大な発言力と影響力を持つ、多くの持たざる者にとって、そんな有り様は確かに煌びやかで、悩みなどなく、常に満ち足りた生を謳歌しているようにも見えるかもしれない。しかし、実際にはその立ち位置に見合うだけの重圧もある訳だが、それら全てを一身に受け、背負う労力に見合う価値を持つ自らの財であると、表情にもそんな自意識の高さ、気高さのようなものを覗かせるのも束の間、先程からどうにも気になるその緩みきった顔を咎めつつも困惑し、眉根を寄せて)
え、えへへ…別に何でもないですよ…
(相手にニヤけ顔を咎められると本意を隠す様に誤魔化して。相手の言う親しき者、という中に自分が入っているかも知れないと思っているなんて自惚れた事は言えずにいて。時計を見るとそろそろ日が出始める頃だったので、立ち上がりながら)
そろそろ、帰りますね。消滅すんのはごめんなんで
…左様でございますか、では私も隠世へと戻ることにいたしましょう
(言われて東の空を見れば、輝く明けの明星、間も無く夜が明け、夜闇を統べる我が友はこれより暫しの休眠へと入るようだ。当初の目的であった月見は十分に楽しめた、この上は己もここに留まり続ける理由はなく、また退屈な隠世の我が住処へと帰ろうかと、腰をスッと浮かせ立ち上がると真っ赤な唐傘を広げ、一歩踏み出そうとして、はたと足を止めて振り返り)
また気が向けば私の屋敷を尋ねていらしてください、貴方が強く念じればいつでもお迎えにあがります。…その際には、お茶を一服差し上げますわ。
それではご機嫌よう
(深々お辞儀をして身を翻すと桜吹雪が舞って、視界を遮り、刹那その姿は夢幻の如く消え失せていて)
そうですか…はい、また今度
(振り返り別れの挨拶を述べたと思えば相手はいつの間にか消えていなくなっており。公園にひとり残されれば自宅へ帰ろうと歩を進めて。月が沈みかけている薄ら明るくなり始めた空の下を小走りで自宅へ向かいながら相手の言葉を繰り返して)
強く念じれば、か…我ながら凄い人と知り合ったもんだな…
はぁ…なんであんな事言われないといけないのかな…
(次の日、昨日と同じ位の時間にベンチに座り、ひとり考える。それはバイト先の上司の事で、明らかに相手のミスなのに管理がなっていないと怒られてしまったのだ。その場で言い返せば良かったのだが、そんな勇気は無かった。輸血パックを片手に大きくため息をつき)
桜姫さん…今日は会えないかな…
呼ばれ、出で来て早々、いきなり辛気臭い顔を見せられる羽目になろうとは思いもしませんでしたわ
(待ち人の我が名を呼ぶ声に呼応するように、この熱暑の季節には似つかわしくない、桜の花の香が、ふわりと優しい風に乗って吹き抜ける。夜空を彩る星々と月、夜闇を照らすには少々心許ない淡い光を背に、真っ赤な唐傘と煙管を片手に、まるで初めからその場に在ったかのように、静かに佇み。己を呼び出した友の翳りのある表情を見遣って、それを揶揄するように口を開けば、煙管をふかし、ぷかぷか煙を燻らせ、吐息を一つ。ベンチの上、彼の隣に丁度一人分開いたスペースに、断りも入れずに腰掛けると横目でチラリ、目線だけを向けて)
まあ、吐き出したい想いがおありでしたら受け止めましょう。但し…共感や同情をお求めでしたら、期待はしないことです、私は他人の悲哀や苦悩には興味関心がありませんので…故に、聞くだけです
…本当に願ったら来てくれるんスね…あ、今日は苺大福ありますけど食べます?
(自分で会いたいと願ったにも関わらず相手が舞い降りてきた事に若干驚き。相手が話を聞いてくれるならと買っておいた袋からパックを取り出し、相手に見せ。聞いて欲しいと思っていた話だが相手の顔を見るとそんな気持ちはいつの間にかなくなっていて、純粋に美味しい和菓子を2人で食べたいという気持ちに変わっていて)
…大した事ねー話ですよ。上司のミスを自分のせいにされるなんて、よくある話、っスよね
ええ、勿論、有り難く頂戴致しますわ。しかし、せっかくの甘味、どうせならお供に茶の一つでも欲しいところですね
(先日に続き、自身をもてなす為用意していたのであろう、真っ白な求肥に包まれた餡子と真っ赤で甘酸っぱい苺の組み合わせが、絶妙な現世の和菓子の味わいに想いを馳せると、表情や口調は、大した変化なく、淡々と受け答えしながらも、尾は口ほどに物を言う…とでも言うべきか、ワサワサと揺れ動かして受け答え。前回のみたらしよりも更に、甘みも強い菓子は、茶と共に楽しみたいと、ささやかでありながら、それでも確り願望を口にして)
どうでしょう?先日の約束通り私の屋敷にてお茶と共に甘味を愉しむというのは?
っはは、やっぱ判り易いって良い事ばっかりじゃ無いスね…あ、お邪魔して良いんスか?…あんまり長く居られないと思うんですけど、それでも良ければ、是非!
(自分が提供したものに対して口調とは裏腹に態度と仕草で嬉しさを示す相手を見て苦笑し。誘いの言葉には時計をちら、と見て日の出までの時間を逆算すると続けて上記を述べ。そうと決まれば早速!と立ち上がり荷物をまとめ)
善は急げ、ですよ!
何やら、不愉快な思考が流れてきた気が致しますが…まあ、良いでしょう。それでは、いざ…
(過日に聞いたような言い回しで、微笑ましげに、軽く揶揄するようなニュアンスを含んだ物言い、自身の後背へ向けられる視線、総合的に見て小馬鹿にされているのでは、と眉を顰めるが、決して長くはない夜明けまでの数刻、一分一秒ですらも惜しいため、この場では不問に付すことにして。やおら立ち上がり、唐傘を広げ、身体ごと真っ直ぐ向き直るとたおやかに手を差し伸べて)
私の手をとってくださいませ。一時の胡蝶の夢へ貴方を誘いましょう
お、まさか桜姫さんの手をとれるとは…これはレアイベですね…じゃ、失礼します…
(怒ってしまったかと思った相手は立ち上がり自分に手を差し伸べてきたのでほっとし、この状況は美女が自分に手を差し伸べているという至極珍しい状況なのではと思い上記を述べて。ひと言断りを入れるとすっと相手の手をとり)
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