トピ主 2024-07-26 06:44:45 |
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>520
(レドの咆哮と共に撃ち放たれた青白い光の波が六つの浮遊体を跡形も無く消し飛ばす!それでもまだ破壊衝動を失っていない波が、背後で蠢く敵の親玉を襲って。硬そうな甲殻を引き裂き致命傷とも思えるダメージを与えながらも、六本の脚を地面に付けなんとか踏みとどまった蟲の化物が感情の見えない大きな眼で二人を威嚇し。――レプリカセットの再生を試みる…!)
…百年でも千年でも語り継いであげるよ!…だって私はエルフだからねッ!このままトドメいっちゃうよ!!
(レドの「竜狩り」を学習したアイツらが複製されたら、きっともう勝ち目はないのだから。大っ嫌いな虫みたいな異型に全力で距離を詰め大きく跳躍!…地面から浮いたのはせいぜい50cmくらいだけれど。両手で掴んだ杖を振り下ろして敵の顔面を引っぱたくと同時に、ありったけの魔力を叩き込めば、鋭い閃光と共に生じた爆発音が鼓膜を麻痺させ尖った長耳をぴくぴくさせて。涙目になりながらも、崩れ落ちる敵の身体が視界に入り)
…やっつけた…やっつけたよッ!…アレ?
(レドの竜狩りを喰らった矢先に直接魔力を叩き込まれ硬そうな身体を崩れさせながらも、こちらを道連れにするみたいに掴み掛かろうと長い腕が伸びてきて。魔力はもうスッカラカンの空っぽ。あ、やばい、レド、私死んだ。こんな虫みたいなヤツに………ん、虫…?そういえば私、虫対策した…!自身の左手首に付けた炎の魔力を練りこんだブレスレットを引きちぎって掴み、覚悟を決めてポカッ!と虫親分の身体に小さな拳を叩き付ければ、炎を纏いながら断末魔の奇声を上げて虫親分が灰と化して。――有象無象のアンデッドを生み出していた元凶が朽ち果てたからか、はたまた老朽化が進んだ城に戦闘の衝撃がとどめを刺したのか。ガラガラと天井や城壁が崩れていき、足元が揺れて)
い、イヤアアァァァッ!!レ、レド、生き埋めになる前に逃げるよッ!…ほら、早く!
(もう魔力も体力も全部使い切ったのだからと、長身の彼に手を伸ばすことで、担いで運んでと無言のアピールをして)
(/ペースは全然大丈夫!むしろこっちにあわせてもらってありがとうございます…!かっこよく決めてもらえたので、お言葉に甘えてトドメをば!)
>521
(い、一撃では殺(と)れなかったか。ならもう一発と意気込んだ矢先。ルーシエルが親玉に突撃して、魔力を込めた杖で頭をブン殴っている光景に絶句し、炸裂する閃光を片手で防ぎながら固まって。なっ……!「叩き込んでやる」ってそういう……いや驚いてる場合じゃない、援護しなければ、と慌ててルーシエルに駆け寄れば、彼女の拳で燃え尽きる虫親分を前にして呆然と立ち尽くして。マジかよ、このバケモノを殴り倒したぞこの人……)
……フッ、はははッ……見てるかアーダン、ペトラ。お前たち、とんでもない人を俺の前に遣わして―――!?
クッ、しっかり捕まっててくださいよルーさん。後は俺の仕事だ……デヤアッ!!
(親玉を討ち取った途端に始まった崩落、差し伸べられるルーシエルの小さな手。感傷に浸っている暇は無い、やるべきことはただ一つ。彼女を背負って駆け抜け、瓦礫の降る玉座の間を飛び出し。気合を発しながら刀を振り上げ地面に衝撃波を走らせれば、ウィスプを撒くために閂をかけてしまった扉を粉砕し、大広間へとなだれ込み。このまま突っ切り、急いで入口から脱出する―――切羽詰まった状況、荒い息と汗からレドにも疲労の色が見える。それでも焦っている様子は見られない、むしろどこか落ち着いてすらおり)
―――背中が心地良い。これが生命の暖かさってヤツか……
今度こそ、共に帰るんだ……!
>522
うん、悪いけどお願いするね…って、うわっ、高っ!
(想像以上に高い視界に驚きながらも、広い背中の安定感にやや安堵し…たのも束の間。脱兎の如く凄い速さで来た道を疾走するスピード感に狼狽えて)
ちょっ、レド、そんな急いだら転ぶよっ、って、ドア!ドアにぶつかるー!!
(ブレーキは掛けられず扉が迫ってくれば、反射的に目をギュッと瞑ってしまう。けれども激突する衝撃は訪れず、激しい破壊音に長耳をぴくり。打ち抜かれた扉を振り返って眺めていると、みるみるうちに入口を抜けて。小さくお礼を言って降ろしてもらうと、足が地面の感触を忘れてたみたいに躓いて転んだ後、立ち上がって)
はぁ…ありがと、助かったよ。レド、やっぱりアンタ走るの速いね。
私も本気出せばエルリンピック出場狙えるかなって思ってたけど…ちょっとレベルが違ったよ、へへ。
(怪しげなエルフのスポーツ祭典について語りつつ、ようやく安堵してふにゃっと笑って。ふと後ろを振り向くと、月明かりに照らされた古城の一部が、ゆっくりと崩れながら湖に沈んでいく様子が視界に入って)
…月追いの城…ちょっと壊れちゃったけど…報酬はちゃんと貰えるよね。…とりあえず、帰ろっか?
>523
(無我夢中で崩れ行く城の中を走り抜けると、いつの間にか柔らかな月明りと澄み切った風を肌に感じて立ち止まって。どうやら脱出できたようだ。ルーシエルを背中から降ろし、役目を終えて聖水の光を失った刀を鞘に納めると、優しい笑顔をこちらに向ける彼女へ向き直り)
帰る……?そうか、今度こそ終わったんだな……
(ルーシエルの無事を確認すると緊張の糸が切れたのか、膝から崩れ落ちて地面に座り込んで。子供のようにぺたんと座る姿からは、城の中で見せた荒々しい有り様はどこにも感じられない。うつむきながら乱れた呼吸と吹き出る汗を整え終わると、穏やかな表情で湖面を照らす青白い月を見上げて)
冒険なんて二度としないつもりだったが……これであいつらも許してくれるだろうか。
(/ お返事遅くなっててごめんなさい!お休みに入ったとたん背後が風邪で寝込んでしまって…だいぶ良くなってきたので明日にはお返事できそうです…!)
>524
(その場にへたり込んでしまったレドの姿に、ギルドで出会ったときの様子を重ねてしまって。でも、今目の前にいるのは過去に縛られて自分に嘘を吐いていた青年ではない。そのことは、きっと彼自身だって分かっているハズ。珍しく上からレドを見下ろす形となり、そっと近寄り彼の頭をぽんっと撫で)
ふふ、そーだね。レドの活躍のお陰で無事帰れそうだよ。…許す?初めっから恨んでなんかなかったと思うよ。だから、今のアンタを見たら、喜ぶに決まってるでしょ…!
(痛ててっと左肩を庇うも、そう大したことは無さそう。あとは、来た道を引き返して馬車に拾ってもらって帰ったら、お風呂に入って目一杯寝てから報酬をゲット!ってところ)
ヘヘ、取り分は半分こだからねっ。戻ったらちょっとお休みしてから、夕方とかにギルドで落ち合って報酬もらう手続きしよっかね!
ーー
途中からレスペが鈍くなっちゃって、ごめんなさい!ペースとか合わせてもらって、楽しくやり取りさせてもらいありがとうございましたっ。一旦、この小クエストは完了かなって感じで考えてます!気づけば人も疎になっているこのトピ、また皆さん戻られることを願いつつ…。皆さま、良いお年を!
お久しぶりです…長らく半失踪状態だったトピ主です。やっとリアルの方が落ち着いたので戻ってきました(>_<)
参加者様方には大変ご迷惑お掛け致しました。今現在のお相手様であるミミさんの在籍が確認でき次第本編のご返信をさせて頂こうと思います。
(夕暮れ時のギルドにて、いつもは賑やかな喧騒に包まれているこの空間は、この日に限っては妙な静寂と緊張感に包まれていた。冒険者達の視線の先を辿ると、受付前に特別に設けられた椅子に足を組んでふんぞり返って座る「勇者様」ことレイラの姿があり、運が悪いことにその対応を任されているのは数日前に採用されたばかりの新人受付嬢だったのである。案の定と言うべきか、緊張から言葉を詰まらせ要領の得ない対応を繰り出す受付嬢にレイラは苛立ちを募らせており、殺気立てるだけでは飽き足らず遂には急かすように踵を突きつけて床を抉り、口を開いた。)
いつまで手間を取らせる?私は暇ではないのだが。
(気品を漂わせる美しい容姿とは裏腹に、レイラは威圧するようなその鋭い眼差しと冷たい言葉を一切の容赦なく受付嬢に浴びせる。「すみません…!すみません…!」と受付嬢は繰り返し頭を下げるが、レイラが求めているのは謝罪ではなく依頼の報酬だ。その認識の違いがまたレイラを苛立たせ、思わず握られた拳に力が入る。受付嬢に直接の危害が加えられても可笑しくない状況に、実力差から止めることも出来ない周囲の冒険者は固唾を飲んで見守っていた。
何故報酬が支払われる迄にこれだけの時間を要しているのか、それは受付嬢が新人であることに加えてレイラの稀な冒険スタイルに理由がある。通常の冒険者であれば一つの依頼を終えてはその都度報酬を受け取る。その為報酬の支払いにそこまで時間を要することはないのだが、レイラの場合は長期間大陸中を冒険した末に複数の依頼達成報告を持ち帰ってくるのだ。高位の冒険者故の離れ業だからこそ、目の前のイレギュラーに受付嬢が混乱するのも無理はないだろう。新人ながら基礎を飛ばして応用をさせられているようなものであった。)
(一応絡み文を投下致しました!ギルドの一風景としてリアクションして頂いても、そのまま絡んで頂いても結構です(^-^))
>526
……っ、了解!
ルー、ありがとう。貴方と出会えてよかった……
(自分の頭を撫でる手の優しく温かいこと。仲間を亡くして自暴自棄になっていたけれど、この人に導かれてここまで来れた。また冒険者としてやっていけそうだ……思わず零れ落ちる涙を腕で拭うと、帰路につくルーシエルの小さな背中を見つめながらゆっくり立ち上がり、さらに呟く)
その背中、やはり俺より大きく見える。
尊敬する人が、もう一人できた……
(/長い事この面倒な青年にお付き合いいただきありがとうございました。太陽のように明るいルーシエルさんとの冒険、とても楽しかったです。また交流できることを楽しみにしています!)
>527
(/お久しぶりです。「不死鳥の翼」の物語に関わりたいと思っていただけにご無事で安心しました。準備出来次第 >528に絡みたいと思います!)
>502
外の世界も色々と大変なのですね…ですが、幼いミミさんが温かい村人達に囲まれて、自分なりの幸せを見い出せていたようで何よりです…
(外の世界について多少の見識の広がりを得たティアは、今ほど聞いたミミの過去を交えつつ、しみじみとした様子で感想を語った。信仰によらず幼いミミの身を案じて叱る村人達の人徳の高さにティアは心底関心を寄せているのだろう。その向かいの席で、クレアも同様の感想を抱いたようでウンウンと首を縦に振って感心した様子を見せる。そして、そうこうしている内に馬車は遂に目的地である教会付近に達したようで、窓の外へ目を向けると古びた木造の教会の外壁には「聖女様万歳」と書かれた横断幕が掲げられており、一見すると歓迎ムードを感じられる一幕であるが、不自然な程に周囲は静まり返っており、辺りには出迎えの人間すら見当たらない。一抹の不満を感じつつも馬車は教会の正面で停止した。)
>532
へへ…本当に、私は幸せ者だなって思いますよ。冒険者になったのも、村の皆に恩返しと楽な生活を……あ、教会が見えてきましたね!あそこが目的地ですよね?
(自分の生い立ちについて話し終わり、その生い立ちについて2人の感想や様子、特に村人のことをよく言ってもらうと軽く頬を人差し指でかきながら自分のことのように嬉しそうな表情を浮かべて。親から捨てられたり盗賊に襲われたりもしたが、自分のことを家族同然と見てくれている村人達に囲まれて育った自分は幸せ者だと告げて。冒険者になった理由は村人達に恩返しするためと言いかけたところ、視界の端にある窓に目的地と思われる教会が映りそちらを向いて。自分達が乗る場所が教会近くで止まり案の定この木造の教会が目的地だったようだ…掲げられた横断幕だけ見れば歓迎されてるように見えるが、出迎えをする人間はおらずあまりにも静かすぎることに違和感を覚えて)
……これ、歓迎……されてるんですよね…?
>528
あれは……?ひでぇな。とんだ野良犬じゃないか。
(一年前、仲間を失ったショックで失踪するも、優しいエルフに導かれて舞い戻った冒険者ギルド。その奥のトイレで用を足し戻ろうとした矢先、受付の方から異常な殺気を感じ、壁越しに様子を伺いながら呟き。視線の先にいる殺気の主はご自慢の金ピカ剣を見ずとも分かる。自らが慕うクレアの妹分にして、素行不良で悪名高い「勇者」レイラ・ハートだ。優しさを知らない横暴な振る舞いは、勇者というより飼い主の下から脱走して方々に噛み付く野良犬のよう。不死鳥の翼の面々は自分が冒険者になる前(>447)から見ていたが、クレアさんに叱られて正座させられてたバカ犬が偉くなったもんだ……と呆れて溜息をひとつ吐き)
クレアさんは一体あの駄犬に何を見出だしたんだろうな。まあいい。あの人が愛した「勇者」の器、見てやるか。
(あの増長ぶり、相当甘やかされて育ったのだろうか。当人はもとより彼女をそのように育てた姉貴分のクレアの器量まで疑いたくなる所作の数々は、見れば見るほど眩暈がする。さっさと裏口から脱出したいが今にも受付の子が殴られそう。他の連中もレイラにビビッて動けないらしい。この際だ、「勇者」の器を見てやろうと決めれば、壁から飛び出し受付へと歩を進め)
ホラ、どけよ役立たずども……そこの新入り、この人は報酬が欲しいと仰っている。精算しろ精算!
(総髪、もといクレアにあやかったポニーテールを揺らし、邪魔な冒険者を大きな身体と長い腕で押しのけつつ、ギルドの奥から二人の下へとズカズカ迫り。どうやらレイラは複数持ち込んだ依頼の報酬が欲しいらしい。怯えるばかりの受付嬢を長いまつ毛が覆う灰色の瞳で睨みつければ、声を張り上げ腕を振り、「奥に行って報酬を計算をしろ」と指示を出して)
>533
罠…かもしれませんね…護衛はこの子に任せて私達で先行しましょう。
(ミミと同様に教会の纏う空気に違和感を感じたクレアは、神妙な面持ちで刺客の罠である可能性を告げると、ティアの護衛はユリウスに任せて自身とミミで教会の内部の安全を確かめようと提案した。ユリウスを優しく揺さぶり目を覚まさせるとティアに預けて馬車を出る。)
お気を付けて下さい…
(状況から察するに罠である可能性が大であるが、そのような危険な場所へと二人を送り出すに当たって少しでも気休めになればと思い、二人を真っ直ぐに見据えたティアは自分が言える精一杯の見送りの言葉を送った。)
>534
………フッ…
(予想だにしなかった乱入者の登場にレイラは暫く呆気に取られて沈黙した。周りの野次馬は関心を寄せるまでもない格下共。そう思っていたがどうやら違ったらしい。「勇者」が相対していた人間を了解を得ずして下がらせるなど、単なるお人好しなどではない。俄然、目の前の男の行動に興味を引かれたレイラは先程までの怒りは何処へやら口角を釣り上げ、レドへと視線を向けた。)
貴様、名はなんと言う?
(未だ椅子に腰掛けているレイラは見上げるような姿勢でレドの顔を見据えると、興味津々と言った様子でその真紅の瞳を輝かせながら問いかける。自身を恐れない。それだけでレイラの関心を引くに十分であった。
硬い口調や強さに裏付けられたプライドの高さから誤解を生みがちであるが、一連の行動から窺えることとしてレイラの行動は全て感情に左右されているものであり、そこに一切の「悪意」はない。突き抜けた「純粋さ」こそが彼女の根底にあり、例えるなら子供がそのまま大きくなったような人間である。)
>535
そうだね、その方がいいかも…ありがとうございます聖女様。必ず戻りますね…
(クレアの言う通り、罠の可能性がある…先程自分達を襲撃したエルフの仲間が潜んでいるかもしれない。戦闘になった時のことを考えてショットガンを取り出しやすいところに装備して、こちらに精一杯の見送りの言葉をかけてくれたティアの方を向き「大丈夫、なんとかなる」というように笑みを浮かべながらお礼を言ってクレアに続いて馬車から出て)
待って、クレア。さっき剣が折れちゃったでしょ、代わりにコレを使って。大丈夫、強度面は安心していいよ…!
(ダンテのような実力者が潜んでいた場合、クレアの寿命を喰らうあの東刀を使わなければならないだろう…そんな危険な刀を何度も使わせる訳にはいかないと思い、能力で作った剣をクレアに渡して。目立った装飾はないが、クレアの折れた剣と形状が似ており折れる心配はないと自信がありそうな表情を向けながらそう告げて)
>536
……!これは「勇者」レイラ・ハート様。出過ぎた真似をして申し訳ございません。
(殺気が消えた。妹分が罪の無い子に乱暴したと聞いたクレアさんが悲しむなんて事態は避けられた、と安心して一呼吸。していたらレイラが随分好意的に声をかけてきたのにハッと驚いて視線を合わせ。この勇者様、ギルドも頭が上がらない聖教国、いや教皇の後ろ盾があることで有名だ。権力を笠に着て弱者を虐げるド屑相手に一戦交える覚悟でいたが、そういう奴ではないらしい。むしろ案外度量がありそうだと判断すれば、レイラに向かって敬語を使い、目の前に駆け寄って)
俺……おっと、私はBランクの冒険者、レドと申します。御目通り叶いましたこと、光栄に存じます。閣下。
(レイラの背丈くらい長い、朱色鞘の東刀を腰から外して地面に置き、片膝付いて跪きながら名乗り出て。恭しい態度を取りながらも声はハキハキ、姿勢もぴしりと決めて、恐れやへつらいの態度は一切見せない。どうやら苗字すら持たない平民の出で、しかもBランク。地位も名誉も無い身の上でありながら平然と勇者の前に現れたようだ)
>537
…!ありがとうございます。…では行きましょうか…
(剣を受け取ると、その握り心地が愛用していた剣にかなり近い事に驚き、にこやかな笑みを浮かべて礼を言った。そして、教会の扉の真正面に歩みを進めると一呼吸置いて気持ちを落ち着かせて、慎重に扉を開いた。)
(ギイッと音を立てて開かれた扉の先には鉛のような血の匂いが充満しており、床や壁が鮮血で染められ、無数のエルフや司祭達が力尽き倒れている地獄絵図が広がっていた。教会の最奥に目を向けると、巨大な十字架の真ん前でダンテが息も絶えだえに、生き残った僅かなエルフやシスターを守るように背後に匿いつつ、明らかに只者ではない何者かと交戦していた。扉が開かれたことに気が付いたダンテはこちらに視線を向けると声高らかに叫ぶ。)
クレアッ…!それと嬢ちゃん…!手ェ貸せ!今は争ってる場合じゃねぇ…!
(ダンテの訴えに、明らかな異常事態であることを察したクレアは神妙な面持ちでミミへ目を向け、共闘するか否か視線で問いかける。あくまで自分達の任務はティアの護衛である為、シスターや刺客であるエルフを見捨てる事が賢明な判断だが、それでもクレアは目の前の命を見捨てたくない。しかし自らの勝手な判断でミミを危険に晒すことは出来ず、こうしてミミの意志を確認しているのだろう。)
>538
ほう…レドか、覚えておこう。
(レドの恭しい態度を前にして自尊心が満たされたレイラはニマニマと満足そうに頬を緩めた。この勇者様あまりに単純だ。持ち上げてさえいればおそらく大抵の行動をコントロール出来そうなものである。クレアが甘やかしていたのもこう言った純粋で危うい面から母性が刺激されてのものだろう。そして、しばらくして自身の頬が緩んでいることに気が付いたレイラは首をブンブンと横に振ると平静を装い何時もの仏頂面でレドの名を復唱する。普段は他人に関心を抱かないレイラが名前を復唱する辺り、余程レドの立ち回りが気に入ったのだろう。)
しかし意外だな…私の見立てではAランク相当かと思ったのだが、あまり依頼は受けないのか?
(レドのランクを聞いたレイラは心底不思議そうに首を傾げた。剣士としてその最高峰と呼べる域まで鍛錬を詰んだレイラの目にはどうしても目の前の男がBランクに収まるような器には見えなかったのである。真っ当に依頼を受けて実績を重ねていればAランクには既に到達していそうなものであるが、あまり依頼は受けていないのだろうかと思案した。)
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