何故こんなことになってしまったか知っている。だが、遅すぎた。
今となってはもはや些細な事だ。
止められない。
知ってのとおり、基底の現実は混沌の海にかき消える。
"こうだったかもしれない"の海の泡となってしまうのだ。
真現実の本質は多元宇宙にある。選択肢が分岐宇宙を作り出す。可能性は新たなる現実である。
かつては言うまでもなく遍く無数の平行世界は分かたれていた。
しかしこれからは違う。
螺旋の宇宙たち。それは確実に収束し続けている。
其れによって起こり得る有りえない邂逅が、有りえない衝突が、有りえない疎通がどう作用するかなど推測すら困難だろう。
数学的現実を鮮やかに着色して表現していた。――美しい。青い海が泡だっては消えていく。まぶしい黄色の螺旋が波間に浮いている。そして、気づいた。螺旋たちが収束している。色褪せてゆく。
―かつての円環、既に此処には存在しないメビウスの帯から切り離された新たな理の中で、今再び有り得ざる者達の邂逅、そして群像劇が幕を上げる。
貴方はこの混沌の中で
何を見て
何を想い
そして何を成すか
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