案内人 2024-07-22 02:51:14 |
通報 |
( >38 ) : ゼノ
──ますたー、おなじの。
( 雨模様の日は街の様子も異なる。面相を隠せる雨傘を差せる点においても出歩いて損はない、街中の人々の動向を観察した帰り道。偶然視界の端に映った看板に掲げられた名前は、某左腕の馴染みだと小耳に挟んだものと一致する。何かしら収穫があれば僥倖と静かに戸を開けばそこにはつい今しがた脳裏に浮かべた人物がまさに、思わず自分の幸運に瞳瞬かせ。足音も鳴らぬ滑らかな足取りで隣の席へ静かに腰掛ければ同時に注文も済ませる。首領亡き今の左腕の価値体系はまだわからない、意図して僅かに稚拙な呂律で知能の拙劣さを匂わせつつ、友好感情を示す注文も果たした上でゆらり緩徐に首傾け視線向けながら話し掛ければ諸々の反応を伺って。 )
……おいし?
( >41 ) : ノア
……此処に居なきゃいけない?
( 緊急連絡と慌ただしい気配に淡々と外出の支度を始める。構成員が奔走する中出口に向かって歩を進めれば、ソファに横たわる人影を視界に収め。今迄はこういった有事の際、身を潜めることが多いが現在その確認を取れる双腕が見当たらない。視認出来る中では恐らくソファ上の人物が最も全貌を把握し判断を下せるだろうと思い及べば頭頂部の方へと穏やかに近寄って。そ、と掌が上を向いた相手の指の隙間に、下に向けた自身の指を指し入れるように滑らせ触れる。あくまで微かに撫でる程の力を指に込め握り覗き込むように見下ろせば、するりと肩から長髪が滑りカーテンの如く双方の顔のみを遮断させて。相手の信条が自身の利益なことは把握している、故に敢えて主語を設けず含意を匂わせた質問を、ゆったりした物言いで投げ掛けて。 )
_______________
今はまだ、上手な身の振り方がわからないから。先にこれだけ。余裕が出来次第また、此方から情況発信するかもしれないけれど……会いに行くのも性に合ってるから、その時はどうぞご愛顧を。
トピック検索 |