常連さん 2024-07-14 19:32:31 |
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ッは、そりゃどうも?
…あァ、有り難い…恩に着るぜ。
(新たな"飼い主"の後を追う片手間に─首根っこを掴んでいる、中年男の贅肉が目立つ腕肉に犬歯を突き立てて齧る。人間の脂肪分特有の、脂っこくしつこい風味と妙に柔らかく歯が沈む、嫌な食感に眉を顰めつつも─口内のそれを咀嚼し、ごくんと嚥下した。そうこうしている内に、何処か店らしき場所へと案内されたかと思えば─この飼い主は、自身を風呂に入れると宣う。その言葉に応える口元には狡猾な笑みを湛えたまま、肉を噛みちぎられた中年男の死骸をそこらの床へぽい、と放っては─飼い主の手招きに大人しく従って)
はい、じゃあ服脱いで。スーツはカゴ、靴はゴミ箱、アクセサリーはこっちの箱ね。脱いでる間に新しい服持ってくるからお利口さんにしといてね。
(後ろから飼い犬が着いてくる気配を確認すると店の奥にある脱衣所に足を踏み入れる。カゴ、ゴミ箱、アクセサリーボックス代わりの箱を順番に指さすと服を脱いで待つように伝えた。飼い犬が着ているスーツは彼の体にピッタリで、質のいいものであるのも分かり捨てるには忍びない。綺麗にすればまた使えるだろうと考えつつ、血の着いた靴は処分だなと指示を出すと洗濯の間、飼い犬が着る服を探しに少し脱衣所を後にした。飼い犬は自分より背が高いため商品になるものから似合う服と飼い犬を示す首輪を手に取ると脱衣所へと戻って)
…おう。…ッは…久々だな。
(飼い主の言葉に軽く答えた後、言い付け通りに着ていた服を仕分け─小綺麗なバスルームへ足を踏み入れた。湯船に体を横たえ─暫くの間は久々に感じる湯の温かさに目を細めていたが、ふと気になって自身の髪に触れる。こびりついた血は既に固まり、白髪の一部が赤黒い毛の束を形成していた。苛立ち混じりの小さな舌打ちと共に一旦湯船を出、手近にあった─恐らくシャンプーと思われる容器を乱暴に引っ掴み、自身の髪をわしわしと洗い始める。束になっていた髪が解ける頃にはすっかり濡れ鼠のような風体で、脱衣所のバスタオルで髪を拭いていたが─飼い主の姿にちらりと一瞥をくれ、目線を上げて)
…ありがとよ、すっきりした。
……どういたしまして。もぅ、お利口さんにしててって言ったのに勝手にお風呂入って…明日は髪洗ってあげるからちゃんと"待て"するんだよ。
(衣服と首輪を持って戻れば目に入ったのは濡れ鼠になった飼い犬で。何も言わずもと支度ができる利口さと自分が綺麗にしたかったのに待てが出来なかったことにむっと不満げに眉を寄せてしまった。拾ったからこそ世話したいという独占欲が湧き出ていたが出鼻をくじかれたためか、持ってきた衣類を洗濯機の上に乗せると不満げな顔を隠さないまま飼い犬の元へと近づき髪を乾かすバスタオルに手を伸ばす。こちらを見る青い瞳を真っ直ぐに見つめ返したままバスタオルに包まれた顔を両手で挟むと、鼻先がくっつくまで顔を近づけ飼い犬への欲をチラつかせて)
僕は自分の所有物は自分でメンテナンスしないと気が済まないんだ。君は僕の飼い犬なんだから、僕にお世話されなさい。
…come desiderate, Maestro?(仰せのままに、ご主人様?)
(接近してきた不機嫌そうな飼い主の顔に動揺するでもなく、その場で軽く一歩足を引いて─目前の美貌に、何処となく挑むような雰囲気の笑みを浮かべてみせた。─どうやらこの飼い主は、自身を管理したいらしい─最早数えるのも忘れたが、何番目かの飼い主と同じ性癖の持ち主である、今の飼い主を品定めするように目を細め、綺麗な顔をした飼い主の全身をまじまじと見回し)
…bene, ti lascio gestire la situazione.(…いいぜ、管理させてやる。)
んふふ、いいこ。次に悪いことしたらお仕置きだよ。…さ、着替えたらドライヤーしてあげるから…おいで。
(目の前の飼い犬は飼い主に噛み付く癖は無いらしい。こちらを見定めるような目はまだ自分を信用していないことを示していたがまだ拾ったばかりであるし、これからその目を蕩けさせるのも悪くない。聞き馴染みのない言葉だが理解できるときゅう、と目を細めて微笑みわしゃわしゃと髪を乾かすように頭を撫でる。勿論、忠告を破った時の注意も忘れずに。ざっと乾かし終えれば洗濯機の上に置いていた服から首輪を手に取り、服を指さす。急ごしらえのスウェットだが、まぁこの際は仕方ない。着替えをするように服を指さし指示をすると、自分はドライヤーとブラシ等のヘアケア用品を手に取り着替えの終了を待って)
…おう、悪いなァ。
(髪に触れられると擽ったそうに目を細めたものの─自身から飼い主が離れた後、乱された髪を軽く整える。指し示された通りの服に袖を通し、着心地を確かめるように肩をぐるぐると回した。─悪くない、言外にそう述べるかのように笑みを深くして頷き─満足したらしい後は飼い主の方へと歩み寄ったかと思えば、少々屈んでから大人しく頭を下げ、乾かしやすい体勢を取り)
Good boy、お利口さん。熱かったら教えてね。
(着替えが終わったら椅子でも用意しようかと思っていたところ、飼い犬は従順な姿を見せるように屈んで頭を下げた。その姿に柔らかく、嬉しそうに笑みを零すと飼い犬の頭を優しく撫で賛辞を送る。撫で終わればヘアオイルを手に適量のせ、体温で温めてから毛先から順に馴染ませるように梳かしていく。ふわりと香る匂いはキツくない金木犀の香りで、どこかスパイシーさも兼ね備えてる匂いに鼻歌でも歌いそうなご機嫌な様子で飼い犬のくせっ毛に指を通していった。ドライヤーを使う前には一声かけ、自分の手のひらで温かさを確認すると飼い犬の髪の毛にあてて乾かしていき)
熱かねえよ、丁度良い。
(送られた称賛の言葉には少し眉を上げただけで応えた後、再び目を細めては─自身の髪に触れる飼い主の手を、今度は心地良さそうに享受する。やはり今のところは何番目かの飼い主と同じ、丁寧な髪のケアに大方は身を委ねつつも─ドライヤーが髪に触れると、一瞬だけ熱気に驚いたかのようにびくり、と身を跳ねさせた。が、それからは先程と同じように大人しくされるがままになっており)
ん、それなら良かった……よし、髪の毛はおしまい。あとはこれ…と。
(ドライヤーの温風が当たると驚いたように体が跳ねていたが熱くないというので安心して乾かした。少しすればすっかり乾いて指通りもいいため、櫛を使って髪の毛を整えると満足したように頷いて。納得のいく出来に安心して首輪に手を伸ばすと飼い犬の首にまきつけ苦しくないようベルトをしめた。飼い犬の瞳と同じ色の革の首輪は高級感を漂わせながら飼い犬の首をぴったり彩り、似合う様子に満足げだ。喉元と首輪の間に指を入れ数回引っ張り苦しさや強度を確かめると飼い犬を立たせてキッチンへと移動して)
さぁご飯にしよう。Come わんちゃん。
…ッは、
(どうやら髪の手入れが終わったらしい。一旦頭から離れていく手の感触に、屈んでいたせいで固まった膝を起こそうとした時─首筋に少々固い革製の何かが触れ、吐き出そうとした息が詰まった。急所への接触に反応して、咄嗟に身体がびくりと強張るものの─すぐにそれが首輪だと気付いたらしい。しかもちらりと一瞥してみれば、丁寧なことに─自身の青い目と同じ色だ。満足気に離れる飼い主に助け起こされ、キッチンへと移動する─飯を恵んで貰えるらしい。飼い主の好意は有り難いのだが─自身は根っからのカニバリストだ。"普通の飯"を恵まれても、美味い不味いの区別はつかない。一応はそのことを断っておいて)
…悪ぃな、俺ァ人間しか食ったことねェんだ。気の利いた感想なんざ言えねぇが、それでも良いか?
構わないよ。それにそういう人用の材料もここには用意してあるから安心してね。…はい、じゃあお座り、待て。
(好き嫌いなんて個それぞれで、拾ったばかりの飼い犬がどんなものが好きかはまだ分からない。だからこそ感想なんてものは求めていなく、ただ腹が膨れれば今回は自分的には満足だった。キッチンに着くとふかふかとしたクッションを床に置き、それを指さして飼い犬に指示を出す。躾の効いた目の前の犬ならば最後まで確認しなくてもできるだろうと座るのを確認することなく調理台へと向かう。この飼い犬が特殊な趣向を好んでいるのは出会いから察しており、裏社会には飼い犬のような人肉に好みを示す人種は僅かにいてその人用の肉も完備していた為食事の準備をしようと冷蔵庫を開ける。先程スウェットと共に持ってきて置いた肉を手馴れた様子で調理し始めて)
とりあえずステーキでいい?野菜も付けるけど残しちゃダメだよ。
…come desidera, Maestro?(仰せのままに、ご主人様?)
(どうやら要らぬ心配だったらしく、飼い主の返答と言い付けに─言葉を返す代わり、先程のように眉を少しばかり持ち上げて応える。床に置かれたクッションへも─何の抵抗をするでもなく腰を下ろし、大人しく飼い主の料理が終わるのを待った。程無くして漂ってきた、肉の焼ける匂いの心地良さに緩く目を細める。料理が完成するのを待つ間、きょろきょろと室内を見回して)
はーい、お待たせ。あれ、どうしたの?何か気になるものでもあった?
(ステーキはレア、野菜はボイルしておいたものをドレッシングであえ…それぞれを1口サイズに切り分けて皿へ盛り付ける。あとはディナーロールと、インスタントだがコーンスープでいいだろう、と火傷しない温度で用意するとおぼんに乗せ飼い犬が座る近くにあるテーブルに乗せ、飼い犬の前に椅子を用意して座る。お利口にお座りして待つ飼い犬は部屋に興味を持ったようでキョロキョロと見回している姿を微笑ましく思い、声をかけて)
(待たせて悪ィな、ちっと顔出しが遅れちまった。)
…いや?大抵はどっかに放り込まれて、飯だけ食わされてたからなァ…新鮮なんだよ。
(飼い主の声に反応してぴたりと目線を止め、それを─ゆったりと飼い主の方へ向ける。狡猾そうな笑みを口元に湛えたまま、大したことでも無いと言いたげに両肩を軽く竦めてみせた。くつくつ、と乾いた笑い声を上げた後、料理にちらりと目線を投げては─飼い主からのコマンドを待つように首を傾げ)
(/大丈夫だよ。気にしないで)
勿体ない。こうやって食べさせるのも、一緒に食べるのも楽しいのにね。…さ、わんちゃんご飯だよ。あーん。
(この部屋の中に飼い犬の興味を引くものはなく、ただこの状況に新鮮さを覚えていたようでなんだ、と肩透かしを食らった気分だった。だが、飼い犬からこれまでの境遇を聞けばついつい勿体ないと零し、飼い犬と戯れられる時間を楽しめばいいのにと述べればその飼い犬から次の行動を待つ仕草が見られた。フォークにステーキを刺すと飼い犬の口元へと近づけ"あーん"と言いながら自分も口を開けて見せて)
…
(近付くフォークを一瞥した後、大人しく口を開いた。─確か、前の飼い主はここで─フォークを持つ手ごと噛んでやったのだったか。今回はそうすることはせず、フォークの先端に突き刺さった肉だけを器用に引き抜く。適度に脂の乗った食感に目を細めつつ、飼い主にちらりと目線を投げて)
美味しいかい?
(行儀のいい飼い犬は歯がフォークにあたる音も立てずにステーキを口に入れると目を細めていたので味付けに問題は無いようだった。じぃ、と観察していればくっきりとした目つきに細い枝が乗りそうなほど豊かなまつ毛、整った顔立ちに飼い犬の素材の良さを感じていい拾い物をしたものだと己の観察眼に優越感を感じて。すると飼い犬と目が合ったので、パンをちぎってまた差し出しながらこてりと緩く首を傾げて問いかけて)
…おう。
(久方振りのまともな食事に目を細めていると、掛けられた飼い主からの声に応えつつ─差し出されたパンも大人しく口に含む。無言で咀嚼しながら自身の手を何度か握り、動きを確かめるような所作をしており)
ふふ、それなら良かった。喉に詰まらせないよう気をつけて食べてね。
(食事に毒でも入っているのか警戒されるかと思ったがそんなことはなく、大人しくしてくれるのでとりあえず一安心はしていた。頭を撫でて褒め倒す気持ちを抑えつつ野菜やスープなども差し出すと、飼い犬の手が動いているのが視界に写りどうしたのかと尋ねて)
どうしたんだい?手でも痛めた?
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