巨大都市ネオ・エリュシオン(ファンタジー/日常）

>32 エイドさん

……この診療所の評判にも納得だ。貴方のような方が居てくれると患者は心強いだろうな。

（彼女の言葉や対応から伝わる患者に寄り添う姿勢は医療従事者として素晴らしいものだと感銘を受け、表情を和らげると同時に素直な賛辞を述べて。医療技術には詳しくない為か彼女の光る右目を不思議な感覚で見遣りながら話を聞いていたが、ふと怪我の理由を尋ねられては昨日の失敗と己の不甲斐なさを思い出し、僅かに眉間に皺を寄せると獣人特有の頭に生えた耳も気落ちした様に垂れており。）

…自警団のパトロール中にトラブルが起きてな。街の外れで魔法実験をしていた学生の作ったゴーレムが上手く制御出来なかったらしく暴れていたんだ。無事収める事は出来たが、この通り一撃貰ってしまった。

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>34 シエンさん

…ヘえ。ここが魔法使いがやってる診療所……あ、どーも。生憎アタシは患者じゃないんだけど、ちょっとお医者様にご相談があってね。話聞いてくれない？

（次の方と呼ぶ声に反応して診察室に入ってきたのは、自らを患者ではないと告げる通り誰が見ても怪我一つなく健康体であろう狼獣人の少女。患者でないなら帰れと追い出されてしまうかもしれないが、何か用事があるらしく医者である彼を見据えては勝手気ままに言葉を述べて。）