契約者は双子の弟(〆)

わかんない…なんか、すっごく美味しそうな匂いして、気付いたら怜夏噛んでて…オレ、怜夏に痛い思いさせちゃった…(相手の言葉に、顔を赤くしつつ、必死に説明しては、相手に痛い思いをさせたくないと思っていたため、自分がさせてしまったとしょんぼりしていて)

ううん、びっくりして涙でただけだよ（相手がしょんぼりするとそう言って大丈夫だと言い「僕が美味しそうだったのかな、それかお腹すいた？」と尋ねて）

…！怜夏、美味しそうな匂いするっ！(相手の言葉に、何故だろうと思いつつ、相手の首筋に顔を近づけては、匂いを嗅いで見ては、美味しそうと言い、「他の悪魔から怜夏守んなきゃ！」と呟き)

え、そうなの…？(冗談で言ったが、美味しそうと言われると驚き、相手の呟きに顔を赤らめると「お、美味しそうって食べたい美味しいってこと…？」と尋ねて)

あ、大丈夫だよ、絶対怜夏のこと食べないから！(相手の匂いはとても魅惑的で、すぐにでも食べたいところだが、絶対に食べないと伝えて)

う、うん…？（相手の言葉に、美味しそうの意味を理解して何故なのか不思議に思いながら頷くと「でも、近付いたら食べたくなっちゃうの？」と好奇心で相手に抱きついてみて）

う…美味しそう、温かい…(相手が抱きつくと、充分すぎるほどの匂いがして、少し悶えつつ、抱きつかれている温かさからか、また眠気が襲い始めていて)

あ、ダメだよ起きて！（相手が眠そうにするとすぐ離れ「もうちょっとで起きる時間だから起きてて」と言って）

はぁい…(相手に起きてるように言われ、素直に返事をしては、なんとか寝ないように頑張っていて)

僕お弁当作ってくるね（相手にそう言ってからキッチンに行くと、お弁当と朝食を作り、ふと相手は基本食事は要らないけど美味しいご飯も一緒に食べるためそれと同じ感覚なのだろうかと考えながら用意して）

んぇ？親父から？(相手がキッチンへと行くと、それを見送り、自分はゴロゴロとしていたが、魔界にいる父から電話がかかってきて、それに出ては会話をしていて)

怜央にぃ、ご飯…（相手が電話していると知らずに起きて来ない相手を呼びに行くと電話中で、慌てて静かにして）

…えっ、それ本当？うん、わかった(父からの用件を聞いたあと、匂いについて尋ねれば、人間の魂を食べないからだと言われ、少し困惑し、どうすればと考えては、電話を終えて、少しぼんやりとしてしまい)

あ、あの…怜央にぃ（相手がぼーっとしてると相手に近付き「話聞いちゃったんだけど、僕お手伝いとかできない…かな？」と相手に尋ねて）

！き、聞いてたんだ…(相手に呼ばれ、ハッとしては、相手から手伝いたいと言われ、少し気まずそうにして、「オレたち悪魔と契約したとしても、人間には変わりないから、空腹になったら匂いを感じやすいんだって。それで、解消するには、人間の魂食べなきゃいけないみたい」と素直に話して)

人間の魂以外は難しいの…？（人間の魂と聞いて自分の魂がいっぱいあれば相手にあげたいが、一個しかないし今あげたら相手と一緒に居れないと思うと嫌で、だからと言って他の人の魂を簡単にあげれないため他にないのかと尋ねて）

今のとこ、それしかないみたい(尻尾を垂らしながら、しょんぼりとして言い、「怜夏のは、何があっても絶対食べないから」と伝えて)

うん、でも他に何か手段あるなら僕頑張るから（相手の言葉に頷いてから「朝ごはんできたから食べよう」と言って）

うん、頑張って探してみる(相手の言葉にそう言っては、相手の手を引きつつ、「ご飯食べ行こ！」と言い)

いただきます（相手と一緒にご飯を食べながら「悪魔って大変なんだね」と思ったことを述べて）

うーん、オレは元々剣術とか好きだったし、人間の魂食うくらいかな(相手に大変と言われると、自分にとってはどれも楽しいものや当たり前な為、大変なのは魂を食べなければならない事くらいだと言い)

剣術ってかっこいいね…！（相手が剣を使っているのを想像してかっこいいといい「魂って美味しくないの？」と大変だった理由はまずいからかなと思い尋ねて）

うーん、その人によって変わるから味は問題ないけど、俺も人間だったからさ、申し訳なくて…(食べ進めながら、魂について言い、「オレは極悪人しか食わないけど、綺麗な魂を好む奴とか、色々いるんだ」と話して)

そうなんだ…じゃあもしかして美味しそうな僕は極悪人？（相手の人間では分からない話を聞くのはワクワクしてしまい、自分を美味しく感じたのならそうなのだろうかと目を輝かせて尋ねて）

食べるのは極悪人限定なだけで、魂持ってる奴は美味しそうな匂いするよ(相手の言葉に、首を横に振りつつ話しては、「人間も、料理はどれも美味しそうな匂いするけど、その人の好きな物食うじゃん？それと同じだよ」と言い)

確かに…さすが怜央にぃ例えが上手だね（相手の言葉に納得して頷くと、相手の例えを褒め、ご飯を食べ終えたため学校の用意をして）

どっかにいねぇかな、食ってもいいくらいの極悪人(相手より少し後に食べ終われば、そう呟いては、支度をし始めて)

…刑務所とか？（悪い人を想像すると、刑務所にいる人だろうかと思い呟いたが「でも、学校が優先だよ」と言って相手に今日の分のお弁当を渡して）

わかってるって、じゃあ行こ！(相手から弁当を受け取れば、カバンに入れて、鞄を持つと、行こうと言い)

うん！今日は部活はどれにするの？（相手と一緒に外に出ると部活はどうするのかも気になって尋ねて）

今日は陸上かな(相手と手を繋いで歩きつつ、部活について言い、「後は剣道と、柔道もしてみたいんだよね」と楽しそうに話して)

ふふ、いっぱいだね（相手がしてみたい部活が多くあるため微笑ましく思い「また差し出し持っていくね」と言って）

てことは、今日もお菓子作ってくれんだな！(相手の言葉に、目を輝かせて、楽しみに取っておこうと思い、あえて何を作るのか聞かず、相手と繋いでいる手を緩く振りつつ歩いていて)

うん！今日は何作るかお楽しみにね（相手の言葉の大きく頷き「でも、甘いの食べ過ぎだね」と少し笑って）

お腹ぽよぽよになったら、かっこ悪いし、守れなくなっちゃう！(相手の言葉にハッとした様子で、太ってしまうと焦り、「部活でいっぱい動かなきゃ！」と言い)

じゃあお菓子分頑張って動いてね（相手のそんな姿を少し想像しながらくすくすと笑い、頑張ってと言っていると学校について）

うん、いっぱい頑張る！(相手の言葉に頷きつつ、教室に着くと席に座り、クラスメイトの男子に告白について聞かれては、「オレは怜夏といなきゃだから振ったに決まってんだろ」と言うと、筋金入りのブラコンだと揶揄されていて)

えへへ…（相手がブラコンと揶揄され、自分も嫌じゃないのかと聞かれると首を横に振り「嬉しいからいいんだ」と言うと兄弟揃ってブラコンだと言われて）

流石に風呂は別々だっての(風呂や寝るのも一緒にしそうと言われ、苦笑しつつ風呂は別々だと言い)

うち狭いからね（相手の言葉に補足すると一緒に寝るのは否定しなかったと言われて肯定するように頷いて）

やだよ、絶対家に呼ばなぁい(今度家に行きたいと言われたが、べーっとしながら嫌だと言い)

怜央にぃがダメって言うし…だめ（相手がダメだと言って自分の方に話を振られたがダメと言って笑って）

ふふーん、残念だったな(相手にダメと言われ、つまらなさそうにするクラスメイトに、勝ち誇ったような顔で言い)

ほらもう先生くるよ（相手の勝ち誇った顔にくすくすと笑ってからもうすぐ授業が始まると言って）

怜夏、授業頑張ろうな(チャイムが鳴ると、相手にそう言って頭を撫でて、授業が始まると、授業を受けていて)

…（授業を受けつつ、相手の横にずっといる自分が妬ましいのか女子の悪口が微かに聞こえてきて、きっと羨ましいんだなとどこか余裕があって聞き流していて）

…(授業を受けていれば、悪口を言う声が聞こえ、ノートの端を破り、『アイツら喰っていい？怜夏の悪口言う奴は極悪人みたいなもんだし』と書いて、相手に渡して)

！（相手のノートの端の紙に慌てて『だめだよ、あれくらいじゃきっとお腹も膨れないよ』と言って指でバツを作って渡して）

…(ダメだと言われ、少しむっとして、じーっと相手を見つめていて)

…だ・め（相手が見つめてくると、負けじと見つめながら口パクで再度ダメだと言って）

わかったよぉ…(相手の様子から、本当にダメなのかとわかり、渋々諦めて)