異常本丸調査室の日常(〆)

ああ、そのようだ。あちらに行ってみよう。
…道が細くなっている、足を滑らせて海に落ちないように気をつけてくれ。

了解、有難う。

あー、光源が足りないな。懐中電灯じゃ精々足元程度だ。【洞窟の手前で洞窟の中を探ろうと懐中電灯で照らしているが深さも道もあまり分からない・・・・・・】

これは意外と深い洞窟かもしれない。
だが恐らくこの洞窟に何かがあるだろうな。

虎穴に入らずんば虎子を得ず！！行くしかないね

ああ、行こう。
…これ、人の服の一部じゃないか？
【しばらく歩いていると水面に何かが浮いていたようだ。よく見るとそれは布のように見える…。】

・・・・・・これは、審神者就任時に政府が支給している正装の布だ。特殊な織と素材を使ってるから、間違いないと思う。となると、此処が人魚の巣窟なのは間違いないね

…被害がこれ以上増える前に止めるぞ。あんたも何か気になったものがあったら言ってくれ。

そうね、この洞窟は音が凄く反響してるからもし歌う人魚なら不利かもなって思うくらいかな。布だけじゃ何処の審神者かの特定は難しそう・・・・・・。

ああ、だが逆に考えるならば相手も俺たちの居場所がわかってしまうということだな。
そうだな…布だけではどうにもならないだろう。せめて血痕の付いたものや、身分のわかるもの、首だけ置かれてたらわかったかもしれないが…。

その生首、素手で持って帰ることになるんだよね・・・・・・。
人魚が喰ったのなら腹を捌いたら出てきたりしない？

その時は任せろ、俺が素手で持って帰るからな。
一理あるな、その時は俺が捌いてやる。

潮の、匂いだ。人魚相手なら水辺で戦うのは不利だろうけど、仕方ないか。
【私の後輩、逞しいなァと思っている紅葉傘さん】

ああ、状況はあちらの方が有利だろうな。
…水の跳ねる音が聞こえるな。近いかもしれない。

・・・・・・賭けをしない？もしあんたが勝ったら山城国の万屋街で人気のドカ盛りローストビーフ丼好きなだけ奢ってあげる、同期の二振りを連れてきても良いよ、纏めて奢ってあげる。
賭けの内容はこの先の人魚の数、20以上か以下か。私は20以下に賭けるわ。

その賭け、乗った。
俺は20以上だと思う。足元に注意しろ、引き摺り込まれたら俺たちがあいつらの食事になりかねないぞ。

食い気は十分なようでなにより！！
それは君もね、アイツらの食事になったらローストビーフ丼食べられなくなるわよ。
多分、この角を曲がった先が水場になってる。最終確認よ、もし穏便に済むなら穏便に会話をしましょう。会話が出来ない、または交渉決裂した場合は実力行使に出る。推測だけど、人魚自体の知能が高いとは思えないから指揮官に相当する存在が居ると思う、戦闘になったらそいつを確実に撃破したい。
どちらか一方が戦闘不能状態になった場合、自力行動可能の方を残して緊急送還札を使って政府に帰還し報告を行う。要するに君が戦えなくなったら、君は私をこの場に残して撤退するってコト。その逆もしかりだけどね、戦闘可能の方はこの領域内を逃げ回って救援を待つの。
最悪の可能性は、ここに結界を破壊する、もしくは一時的に無効化するナニカがあって人魚がそれを使って他の本丸に移動していたパターン。景趣は使用禁止にしてるから逃げられないと思いたいけど、どこかの本丸に逃げ込まれたら私たちの負けね。

行くわよ【時の政府の許可印が彫り込まれた拳銃の安全装置を外し、角の奥の様子を探りながら】

了解した。

【先に出て様子を見てみるとそこには人魚の姿。どうやら食事中のようで人の腕らしきものを食べているのが確認できた】

あの腕何とか回収するわよ！！【威嚇と言わんばかりに洞窟に銃声が響く、紅葉傘が空砲を一発鳴らした】

了解。そら、受け取れ！
【空砲の音に驚いた人魚たちが腕を投げたのを見ると海の中に落ちる前にそれをキャッチして紅葉傘の方へ投げ。餌を横取りされたと勘違いした人魚たちは当然怒ったようだ】

マジで最低限の成果は得た、もう穏便に話し合いとかできなさそうだからもう全個体撃破くらいの勢いで！！私はこの辺りから射撃で援護するからうっかり流れ弾に当たらないようにして！！【次は実弾の込められた一発が放たれ人魚の群れに着弾する】