異常本丸調査室の日常(〆)

本霊の本丸に繋がっているのが分かってしまえばいないとは思いたいが悪用するような奴らもいるかもしれないしな。死んだほうがマシ、と思うような罰は誰も受けたくないだろうし俺も気をつけよう。

なんか、昔は本霊世話役とかいたらしいんだけどその世話役が敵に寝返って場所が漏れたことがあるらしいんだよね。だから私たちが年に二度ご機嫌伺いに行くの。

大役を背負っていたのに寝返るとは…なかなかやるな。
なあ、機嫌を伺いにいくのに手ぶらでいいのか？今更感もあるが…。

室長曰く、未だに見せしめとして政府のどっかに晒されてるらしいけど。

持ち込むのも持ち出すのもどっちも手間が凄くかかるから、基本持って行かないの。あと、ぶっちゃけた話全員分用意すると、経費が・・・・・・。

晒し上げか…。確かに一番効果がありそうだ。

確かにそう言われるとそうなってしまうか。まあ、今までもそれで大丈夫だったのならそのままで良さそうだ。

ええと、なんだっけ。あー、晒し首？って言ってたかな。生きたまま晒し首みたいなものだって。

まぁ、ご機嫌伺いで何か希望されたら後日神祇庁の職員が手順に則って捧げるってわけ。見えた、あの社の中だよ。

ははっ、酷いことをする。見せしめになるな。

よし、行くか。

じゃあ行こうか、まぁ最低限の礼節は守ってね

分かってる。

ここだな…本霊の本丸ということだけあって、空気が違いすぎる…。

重い、というよりは厳か、かな。会う気がある人ない人いるから大広間に向かおうか。会う気があったり何か希望する品がある人はそこに居るから。

分かった。大広間は…調査票に書かれたマップによるとこちらだな。

そうそう、そっちであってるよ。大きい建物だから、地図では近くても距離あるんだよねぇ

やっと着いたな…大広間はここか。

…すまない、時の政府より遣わされた異常本丸調査室の山姥切国広だ。この度も定期視察の許可をくれたようだな、感謝す…。
。…本科、の本霊もいらっしゃったんですね………。
【大広間には初期刀、山姥切長義、日光一文字などの本霊が集まっていたようで山姥切長義の本霊と目があった途端に今までの態度が一転し萎縮してしまったようだ！】

お前、何処の山姥切長義にもこんな感じなの・・・・・・？そこまでおっかなびっくりにならなくても良いんだよ・・・・・・？ほらほら今はお仕事の時間だよ、仕事が出来る姿を山姥切長義に披露するいい機会だぞ【こそこそと耳打ちしながらさり気無く日光一文字の本霊の視線から逃げるように後輩の陰に隠れる、どうも日光先輩への恐怖故に日光一文字全てが苦手のようだ】

同期の本科はともかく、本霊なんかには初めて会うから本能的に…。
へ、本霊の本科…うわ、何をするんだ…！
【写し故の本能について話そうとしているといつの間にか近寄ってきていたようで「おや、俺の写しの分霊がやってきたね。お仕事頑張ってるんだね、偉いなあ」と揉みくちゃにされている…なお、山姥切国広の本霊は眺めているだけのようだ…。】

・・・・・・まぁしばらく様子見するか、悪い感情から絡まれているわけでもないし【すすすっと大広間の隅に移動する】

俺は可愛がられる為にここに来た訳じゃないんだ！
仕事を、仕事をさせてくれ…！
【周りで眺めていた日光や初期刀までもが寄ってきたと思えばここに刀剣男士が来るのも久しぶりだからね～、分霊の割にいい服着てるじゃん、と絡まれ続けているがこれが仕事なのか…？と思い始めた山姥切国広さん】

【後輩にあれこれが集中している間に先に設備確認の仕事を澄ませるべく大広間から逃走した紅葉傘、なんで礼服を着せて来たって？間違いなく本霊の興味がそっちに引かれるからである。つまり、後輩を囮にした酷い先輩である】

分かった、分かったからとりあえず離れてくれ！
俺は逃げないし話もするから…！え？お菓子？いいのか？
【この山姥切国広、孫のように見られがちなのかここでも話し相手をしてくれる代わりにお菓子をやろうと言われたようで】

照明、空調、結界、電気系統にも異常無し。道場を含めた建物の修繕も、不要。確認するのはこんなものか、さて後輩は今どうなってることやら。