異常本丸調査室の日常(〆)

え？ああ、連れは今俺の代わりにポーカーというものをやっている。あんたも分かっているとは思うが、どうやら俺は賭け事が全くダメなようでな。
【言いつけ通りに花札の場所に戻ってくると先程優しくしてくれた人はまだいたようで声を掛けて話をしているものの、内心はポーカーのことで頭がいっぱいになっていて】

・・・・・・じゃあ、全部頂こうかな。私の連れをカモにしたんだもの、相応の対価は頂くよ？好きにベットもレイズもすればいい、チェックとフォールドだけは許さないけど。さて、次貴方は何を賭けてくれるの？【後輩に手を出そうとした輩の身ぐるみを剥ぎ終えるまであと一枚まで来た】

えっ？俺は顔に出やすいからポーカーは特に苦手だろうって…？俺、そんなに顔に出てたか？！そもそも、顔に出たら良くなかったのか…全然知らなかった…。

なんだ、もう終わり？貴方の賭けられるもの、もう貴方自身しか無くなったね？物も、装束も全部剥ぎ取られて、こんなに弱いのに私の連れに手を出そうとしたの？【そんな後輩を置き去りにポーカーの卓は大騒ぎである】

なんだかパーカーの方が騒がしいな。すまない、話し相手になってくれてありがとう。また機会があれば話をしよう。
【こちらまで歓声が聞こえてきたようで何かあったのかとその場を離れポーカー会場へと駆けていった】

ああ、さっきは彼の目を対価にしようとしたんだっけ？じゃあ次にあなたが負けたらその目を頂こうかな？あら？逃げるつもり？その服も無い姿で？【紅葉傘の周囲に山のように金銀財宝が積み上げられ相手が着ていた服も並べられている、紅葉傘の嘲笑に周囲のどよめきが止まない】

…！すごいことになってるな。

ほら、ほら！！まだ終わらせないよ？次はどうするの？もう身一つしかないあなたは何を賭けるの？貴方の装束だけでも取り戻すために貴女は何を賭ける？【完全にハイになっている紅葉傘】

お、おい…。その辺でやめておけ。変に騒ぎになれば他の連中からも目をつけられるぞ。相手も反省してるようだし、俺は別に気にしてないから。【これ以上騒ぎが続くと面倒な神などに目をつけられかねないと判断したのか止めようとしている】

君が言うなら辞めようか、お前の服とか興味ないから返してあげる。これに懲りたら変なこと考えないことね

すまない、助かった。あんた、この手のものは本当に得意なんだな…すごいと思う。

あーお前やっぱり気が付いて無かったね。お前顔に出るから分かりやすいし、手札覗かれてたのよ。だから全部まるっと毟り取っておいたんだけど、君いる？【背後に並べられた金銀財宝の類を示しながら】

先程も似たようなことを言われた…。いや、俺はそういったものに興味がないからな。次の賭けで来た際のために置いておけばいいんじゃないか？

じゃあ倉庫に置いておくか。あ、後輩君見て見て。綺麗な織物もある、帰ったらその辺の葛籠の中身確認してみよ

ああ、そうだな。帰ったら見てみよう。

目当ては全部済ませた、君が興味あるなら好きな卓で遊んでから帰るかい？ほら資金は山ほどある【先ほど巻き上げた分を示しながら】

いや、もういい。俺に賭け事は向いてないのは分かったからな。
絡まれないうちに帰ろう、俺が良いカモになるのは知られてるだろうしな。

もう誰も君をカモにしないと思うけど、だってした末路がアレだし。まぁ戻ったらある程度ルールを勉強しようか、次も来るわけだし。
じゃあ政府に戻ろう

【調査室にて】

やっと帰って来れたと思うとホッとするな。あんたのおかげで全裸になる必要もなかったし、これで装飾課の本科から怒られなくてすみそうだ。

あ、君からこの織物その装飾課の山姥切長義に渡しなよ。多分引っ繰り返って驚くから。この織物とこの糸とこっちの反物も持っていってあげな。