異常本丸調査室の日常(〆)

ええと手順手順、この場合はまず審神者執務室が機能していないから外部から本丸IDを凍結させる方法を使うから、本丸IDにミスが無いこと、生存者がいないこと、歴史修正主義者及び時間遡行軍が居ないことを確認したのち、緊急シェルター内部にある端末を使い本丸の全データを抹消して本丸から撤退、その後政府で凍結処理・・・・・・。


この本丸の緊急シェルターは、離みたい。また庭を突っ切ると遠回りになるけど、どうする？





あれ、でも術式の多重共鳴ってこんなに簡単に起きるっけ？

……手順が多いんだな、そのうち覚えることになるだろうが…今回はあんたに任せた。

確かに先程も少し距離があったし、今回はこのまま離れに向かおう。

…あんたが先ほど言った話だと、確かに簡単に起きそうな気はしないな。

んー、なんか違和感が凄いなぁここ。
私には分からないけど、私たち以外に生きてる存在は居る？

ついでにいうとこの系統の手続きは本になるほどあるよウチ

…いや、流石にそんなはずはないと思うが…。
─止まれ。何か音が聞こえなかったか？

それなら無事に帰れたらその本を読むとしよう。

音？私には、特に聞こえなかったけど。
報告書では審神者以外で安否確認が取れていなかったのは今剣だけ、他の刀剣は全部折れてるのが確認されている。
どうする？移動する？私たちは調査結果さえ持って帰れればお咎めは受けないから、このまま正規のゲートから脱出することも可能だけれども

だが、離れに行かなければ凍結処理が出来ないはずだ。
それに俺の勘違いかもしれない…このまま進もう。

そうね、再調査までの間に更なる問題が起きても困るし

うぅ怖い、怖すぎる。離は地図だとそろそろ見えてくるはずだけど

…やはりこの本丸全体狂っているんだな。勘違いではなく、先程から誰かの笑い声がする。
きっと楽しかった頃の思い出が現象として現れたんだろう。

この角を曲がったあたりか…？

うん、その角を曲がると渡り廊下があってその向こうに離があるみたい。
ええと、時間が逆行して平和な頃に戻ってるのだとしたら早くしないと遡行軍の襲撃が始まっちゃう
この場合の遡行軍は実態のある存在じゃないからそのまま凍結処理を進めて大丈夫なはず・・・・・・

ああ、だとしたら急ごう。
離れは…ここだな、入るぞ。

中は、問題ないかな。端末を起動して、全データ抹消だからアクセスキーは・・・・・・。よし、入れた。
あとは本丸内に生体反応及び霊体反応が無いか確認して、全データを抹消して、ゲートから出れば完了。

最初の仕事にしてはちょっと大掛かりになってしまったけど、きっとこのまま問題は起きないはず。

確かに大掛かりな仕事だったな…。
問題もなさそうなら報告も兼ねて帰ろう、こんな所に長居する必要はもうないだろう？

早く帰ってお茶にしようか、多分食堂室にお菓子があると思うからゆっくり休もう。

生体反応及び霊体反応無し、全データ抹消完了、全術式の凍結開始を確認、審神者が此処から逃げたから緊急シェルターのゲートはもう使えないから来た時と同じゲートから帰ろう。

ああ、そうだな。
…予想以上に疲れた…。

まぁ、このくらいのハプニングは結構起きるよ。私たちが調査に赴くときは一番乗りだからね。

さて、確かゲートはあちらの方だったよね

ああ、あちらの方向で間違いない。
当たり前なんだろうが、凍結処理をした途端に全体の雰囲気が変わった気がするな。
…まあ、この本丸が死んだからなんだろうが。

まぁ目覚めることのない眠りを死と表現するなら、そうだね
中々詩的な表現ね

調査室に戻ったら報告書の書き方を教えて、くらいかなぁ。今日はなにも壊してないし、始末書は書かなくて平気なはず。

なんだ、いつも何か壊してるような言い方だな。
まさかあんた…触れたものを壊していくたいぷか？

えーと、そ、その辺は気にしないで
対して壊してないし・・・・・・

ふ、そうか。
そら、後少しでゲートに着くぞ。