異常本丸調査室の日常(〆)

【花纏本丸にて】

ここだな、言われた通り花が凄く咲いているな…。
こんなに綺麗なのに有害なのか。
…とにかく、藤棚を探そう。

そうだね、美しい薔薇には棘があると言うし綺麗なものほど怖ろしいのかもね【「でも、前より濃くなっている。これは、人間が長時間滞在できる場所じゃない」と思っている紅葉傘】

藤棚には着いたが…こんなに広いとはな。
とある場所、と言われてもこれは少し時間がかかりそうだ。

虱潰ししかないんだけどさ、もう少しここは出現率高い、みたいなポイント欲しいよね。ここ凄く広いし・・・・・・・。

ああ、そうだな。
そのとある物が何かも分かっていないのが少し困るな…。

・・・・・・え？探しているのは櫛、でしょ？さっきここに来る前自分で確認してたよね？？意識混濁起こしてる？？これ何本か分かる？？【慌てた様子で指を三本立てる紅葉傘】

…え？そうだったか…？
すまない、少しぼんやりしてたようだ。

指は3本…に見える。

視覚情報は問題なし、か。念のため一度戻って浄化班に視てもらう？相性の有無ってあるし、無理はすることないよ。とりあえず、一度ゲートの方に戻ろう？

ああ、分かった。
なあ…さっきからあんな木の下に、女の人なんていたか？

・・・・・・戻ろう、今すぐに。この場に居るのは私と君だけ、君は何も見ていない。ただ君は体調を崩して、浄化班に行くから政府に帰るんだ。目を閉じていても良い。ここに居るのは私と君だけ、声を、出してはいけない。

【時の政府浄化班にて】

─え、そんな事言っていたか？…石切丸、すまない。ここ数時間の記憶が何故か曖昧なんだ。

花纏とは相性最悪ってところかな、ならあそこは私一人で行くか。後回しにして、借景本丸かな。

まぁ、そういう相性は結構あるしね。気にしない方向で行こう。ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ、毒性が上がってる。この短時間で、ガスマスク有でこれか・・・・・・。

アイツ目を覚ましたかな、様子見に行かないと。

…なるほど、バグにより元から見えないものが見えやすいことが原因と考えられるのか。
花纏には近づかない方がいいと…。だが、俺の通過儀礼でもあるんだろう…？
…そうだな、そこは話し合わないと分からない。

お、目が覚めたみたいだね。これ何本か分かる？【ピッと二本の指を立てる】

ああ、すまなかった。迷惑をかけたようだな。
指は…2本だな。

よし、大丈夫そうだね。今日は大事を取って休む？それとも借景本丸に行く？

いや、このまま借景本丸に向かう。

了解、花纏はこっちで引き受けることになったから。

借景本丸は、他の本丸の景色を借りてくるから借景なんだけど時々所謂異常本丸の景色とか俗にいうブラック本丸つまり瑕疵本丸の景色とかの場合もあって、異常本丸ならウチのデータベースと照合して未確認だったら何処か判明するまで調査、瑕疵本丸なら監査にエスカレする感じかな。大抵はほのぼのする景色なんだけど

頼むからほのぼのとしたものであってほしいが、それは行ってからしかわからないし、彼方の趣味もあるだろうからな。
確か借景本丸はその風景をメモするんだったか…？

そう、法則を見付けたいらしいんだけども今のところそういうのは見付かって無くて。統計のために記録を取っているの。