異常本丸調査室の日常(〆)

これは、電気系統の分電盤？蔵に設置しているのは珍しい。いや、数的に本丸全体ではなくこの蔵の電気系統だけかなこれは。でもそんな分電盤を置くほど電気を使うようには思えないけど、下に何かあるのかな。そろそろ確認するかな、もう少し探してみるかな


それにしてもあのスイッチ何だったんだろ。もう一回押してみようかな。

…！これは…実験台…。電気はまだ生きているのか。
床に転がっているこれは…同位体の本体ばかりだ…。

…？！扉が閉められた…！
くそっ、このアーム…対刀剣男士用に作られていて敵わない…！

それにしても、音が全然しない。下はどうなってるのかな。分電盤の状況を把握するには、ブレーカーを落とすのが一番だけどこの分電盤変なスイッチが付いてるな。

・・・・・・彼はまだ下で捜索中、つまり。

好奇心は止められない！！この謎のopenと書かれたスイッチは押すべし！！！

た、棚が動いたぁ！？なにこれ、制御室、にしては変な、ガラスの窓が。下が見える造り・・・・・・実験室か、悪趣味なってなんでぇ！？なんで山姥切国広の顕現体が、此処に閉じ込められてたってコト！？ガラス固いから破れないな、刀剣男士なら敗れるかな、ってウチの後輩居ない！！待って、待って待ってあれもしかして被害刀剣じゃなくてウチの後輩の山姥切国広ってコト！？【なお彼女は気が付いていませんが驚いた拍子にマイクのスイッチを押してしまったので「なんで山姥切国広の」のくだりから下に放送されています】

…何だ、あいつの声…？
おい！聞こえてるか！あんた何か押しただろう？！

くっ…！おい、離せ！！
ここにいるのはあんたの後輩だ！！！どうにかしろ！！

はわわわ、何か言ってるけどガラスの所為で何も聞こえない。なんで急にアームとじゃれ始めたの？？猫じゃらしにじゃれる猫みたいな感じなの？？ここ遊び場じゃないんだけどな・・・・・・。だめだな仔猫特集の所為で猫に見える。

ええと、まず此処のパネルを把握するところから始めよう。rock？対刀剣男士拘束具かなこれは。break、壊す、ってことは多分これは押さない方が良いな。これは、delete？システムの初期化かな。watch、ってことは、出た！！モニター復旧した、これで下の音声も拾えるはず。まず遊び場じゃないいことをしっかりと指摘して、よし、ちゃんと威厳ある先輩の声と姿勢を整えたらマイクを探して・・・・・・あっ【すでにマイクがオンになっていることに漸く気が付いた】

俺は猫じゃないし、ここが遊び場でないのも分かっている！！
まるで南泉一文字のようなことを言ってしまったな…。

あんた、なんか変なボタン押しただろう！

変なボタン？ｱｯ・・・・・・リテイク！！！！！！！！！！！！！
リテイクで！！今の、今の無し！！！！マイクのスイッチどれ！？これ、これか！！いったんオフにして、よし大丈夫、大丈夫

変なボタンって、どれ。心当たりが三つある。とりあえず全部もう一回押してみよう、分電盤以外は触って平気だろうから。

ええと、ええと、これと、これと、これか！！

はあ…やっと解放された…。
下手したら実験体にされていただろうな。

【マイクのスイッチが再び入る】

全く、無暗に突っ込むのは愚策だよ。ちゃんと確認をしてから入るべきだったね。
とりあえず、内部の調査はいつ仕掛けが作動するか分からない以上中断すべきだ。一度蔵の方に戻ってきなよ。外見の大きさに比べて中が随分と小さいなとは思ったけど、これは他の蔵も類似の仕掛けがあるかもしれないね

ああ、わかった。


【蔵の方に戻ってきて】

すまなかった、あの部屋に同位体の本体がいくつか転がっていて…もしかしたら、と思ったんだ。だが、あれからはもう霊力を感じなかった。おそらく実験に使われてそのまま…。

なるほどね、此処に出入り口が。蔵が使われているときは分からなかっただろうね、それにしてもよく見付けたね

ここは黒か、他の蔵にも同様の仕掛けがあるかもしれない。行ってみよう、とりあえずこれだけでも政府が審神者を招集して事情聴取くらいはできるけどもこれが「自分たちが去った後に第三者が行ったことだ」と言い逃れが出来るレベルなのも事実。補強材料が欲しい。

…この資料じゃ足りないか？先程あの部屋で見つけたんだ。
内容は呪物に関するものでありがたいことに手書きだ。
筆跡などを調べたら少しは足しになるだろうと思って持ってきたんだが…。

・・・・・・周到なこと。これも補強には足りない、この字は覚えがある。これはへし切長谷部の字ね。記録すら自分の手で書いてない、ここで違法な実験があったことは証明できてもそれの犯人と断定はできない。

でも、逆説的に言えばここを全て浚えば証拠を見付けられる可能性が高まった。こんな大事な資料も回収できてないんだもの、つまり、必ずどこかに粗がある。

ああ、そうだな。次は「ニ」の倉に向かおう。
また何かあるかもしれない。俺は不用意に部屋に入らないし、あんたは頼むから変なボタンや機械に触れないでくれ。

・・・・・・ええ、そうするわ。ただね、好奇心は猫を殺すと分かっていても、その好奇心に従いたくなるの


「二」の蔵も似たような構造ね、埃が凄い。

今度は私が下にするわ、どうも奇妙だけど上の方に重めのものを置いているみたいだから私じゃ動かせ無さそう。

…はあ、そうか。


ああ、わかった。あんたも気をつけてくれよ。

・・・・・・さて、明らかに異常な霊力集中が起こっているこの壁になにか仕掛けがあるのは間違いない。他は一通り改めて手掛かりなし、となるとこの壁自体になにか装置があるはず。

先ほどと同じ可能性もあるか、上に仕掛けがあって連動する形になっている。となるとうっかり何かの拍子に彼がスイッチ押したりしないかなぁ。流石にさっきあったばかりだししないか。

それにしても、なぜ蔵を、実験室を分けたのかしら？一か所にあった方が楽だと思うんだけども


もしかして、用途が違う？刀剣男士以外にも何かしているとしたら対象は審神者以外ありえない。ひょっとしてこのスイッチを見付けやすいのも、それが関係している、とか？刀剣男士の実験室は人間、審神者が管理して刀剣男士に手伝わせていたから山姥切国広が出入り口を見付け人間の私は起動式を見付けられた、とか？いやいや流石に無い、ホラー小説を読みすぎたかな

これは…棚に見せかけた機械だな。微かにモーターの音がする…。
ここの審神者は何を考えて実験ばかりしていたんだ…。

…不用意に触らない方がいいだろうな。

元々刀剣男士は警戒心高いし、そんな偶然あるわけないって。ただまぁ、刀剣男士に起動させるっていうプロセスを必須にするなら仕掛けるのは階段、だよね。特定の段を二回踏んだら起動して審神者を回収～なんて。あはははは、2000年代の漫画コレクションにそんな感じの話があったな影響受けすぎでしょ、わははははは、わは、わははは・・・・・・。


下に降りてくるとき、階段使わないように言っておこうかな・・・・・・。

…おい、2階の方は何かのモーター音がするくらいで他に役立ちそうなものはなかったぞ。そっちはどうだ？

ここの階段、使われてないこともあってかなり老朽化が進んでいるのか…？