異常本丸調査室の日常(〆)

【件の本丸にて】

初期刀の部屋は、はい、此処の見取り図だよ。

初期刀の部屋は、東側の通路沿いみたいだね。

よし、早速行くぞ。


初期刀の部屋は…ここか、あまり物をもたない個体だったようだな。部屋がすっきりとしている…。
とにかく棚などを見ていこう。

なら私はあっちの棚から見て行くよ
んー、特に気になるものは無いな。物が少ないから、簡単に見れる。妙な仕掛けの気配も無いし・・・・・・。

この本丸は設立してどのくらいここで動いていたんだったか…。
年数によっては、あまりのものの少なさに少し違和感を感じるな。意図的に捨てたのか、捨てさせたのか。

確か、五年。丁度区切りが良くてなんとなく覚えていたの。

五年目で例の失踪事故が発生して国替えになったの。

五年にしては確かに少ない、でも個刃の部屋なら物欲が無い個体の可能性もあるわけだし。

そうだよな…。この個体は特にものを持たなかったのかもしれない。
こちらは特に資料になりそうなものはなかった。

そうね、此処は空振りかな？審神者執務室のものは多分審神者が持ち出しているだろうし、本丸の運営に関わるからね。

他に思いつくような場所…人目につきにくい、だが保管には適している所…。
蔵、だろうか…。

・・・・・・蔵に良い思い出が無いなぁ、君が来る前の案件だったけど蔵から大量の穢れがわんさか出て来たことがあるんだよ。そこを調べたら蔵の地下で刀剣男士同士で殺し合わせて蟲毒を作ろうとしててさ・・・・・・。

蔵は、三つ？五年で三つって珍しいな。大抵二つくらいあれば十年は物を収納しても溢れないのに。

…それは、酷いものだな。


確かに多いな。一つずつ見て回っていこう。まずはこの「一」の蔵だな。

因みにこの話の一番怖いオチは生き残ってた刀剣男士の一振りが浄化を受けて政府でバリバリの現役として働いてるってことね


「一」の蔵は、うわ埃凄い。戸は開けたままで良いよね

えっ、そうなのか…？
そういう形で政府で働くこともあるんだな…。


ああ、そうだな。それにしてもすごい埃だが…それだけここが開けられることがなかったと言う事なんだろう。

その刀剣曰く「運命の出会いをした」らしいよ、政府で働くきっかけは。

この蔵二階建てか、私上見てくる。二手に分かれよう、何かあったら声掛けて

ゴホッゴホッ、それにしても放置されていたとしても精々五年程度でしょうに、こんなに埃ってたまるの？

まあ、そいつが助かって今を楽しめているならそれでいいのかもな。

ああ、わかった。

…さて、とりあえず手前のものから退けていきながら見ていこう。

埃っぽいし、本当に物置だったのかも。これといって重要そうなものも無い、か。

これは、布？というよりは反物？裁縫が趣味の刀剣が居たのかしら？

この棚は、本ばかり。それも料理に関するものから写真集まで、関連性が無いあたり共用の本棚だったのかな。部屋に置かないでここに置いていた、の？本丸ごとに違いがあっても可笑しくないからここは不審な点ではないかな・・・・・・？

…はあ、証拠になりそうなものは何ひとつないな。
宴会で使っていたであろう物、年末年始に使いそうなもの…乱雑に置きすぎだ…。

んー、こ、これは猫の写真集！！しかも仔猫特集だ！！はわわ、ハンモニャイトだ可愛い～！！

でも、特に纏まった分類がされてるようには、ん？これは、クリスマスツリー、かしら？かぼちゃの飾り、こっちはハロウィン？

これだけみれば、イベントも手を抜かない遊び心のある審神者みたいだけど・・・・・・。

あいつは何を上で騒いでるんだ…。
ん？これは…何かを下に隠している…？
なるほど、床下にも何かあるという事だな。
こんなに荷物で隠されていたら分かりにくいだろうな。

これは、上に続く梯子？いやここが一面大きな棚だったのか、上のモノを取るための梯子かこれ。

これは、スイッチ？とりあえず押してみるか・・・・・・なにも変わらないか。

んー、他には特に無さそう。蔵に梯子を使うほどの大きな棚を設置するなんて、奇妙なところは多いけども・・・・・・。

っ！？急に扉が開いたんだが…。


埃が尚更すごいな…まあ、汚れるくらいで丁度いいんだが…。
これは…呪物に関する資料…？手書きであるところから何度も試行錯誤したんだろう。

…この奥の扉、気になるが一度あいつと確認した方がいいだろうか…。