座敷童子 2024-06-15 20:24:36 |
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(「いいのいいの」と頷きながら相手がスリッパを準備する様子を見守り、それが終わると再度手招きしながらぱたぱたと廊下を走っていく。
廊下の先にある広いお座敷部屋の一角には可愛らしい人形など数々の玩具が置かれており、おそらく座敷童子の力にあやかろうとした人間がくれたものなのであろう。そして、その反対の壁には立派な神棚が設置されており、部屋にある家具同様に古いながらも埃などは積もっていないようだった。
そのまま神棚の下まで小走りでたどり着くと、近くに置いてあった踏み台を寄せてよじ登り、神棚の三社の扉を開く。本来ならば御札が置いてあるはずの場所だが、そこに御札は無く、澄んだ翠色のビー玉に似た玉が1つ置かれていた。)
……ボクね、お掃除はいつもしてるんだけど、コレには触ったことないの。ボクは、人にとっていいものなのか悪いものなのか分からないから、大事なお守りに触ったらダメなんじゃないかなって思って。
でもね、人を守るものなのに、人じゃないボクとずっと一緒は可哀想なの、だから、お兄ちゃんにあげる。
(/上げていてだきありがとうございます!)
(座敷童子の後をついて行くと恐らく座敷童子に供えられたのだろう玩具や人形が置かれているのを目にして。自分ではなく何者かの力にあやかろうとする人間の愚かさをこの子も知っているのだろうか、と少し複雑な気持ちになり。そのまま後をついて行くと立派な神棚の中には綺麗なガラス玉が置かれていて、座敷童子からの説明を聞くと、その玉を手にとって日の光にかざして見て。くれる、と相手は言っているが守り神の類が憑いている気配も感じたので、少し申し訳ない気持ちになり)
これ…本当に貰っていいの?ここを守っている、大事なモノなんじゃ…それに、金平糖のお礼にしちゃ、ちょっと釣り合わないよ…
(/いえいえ~)
大丈夫!お兄ちゃんが持っててくれた方が、お守りも嬉しいと思うの。
( 日の光にガラス玉をかざしている相手の様子をにこやかに眺めながら、遠慮がちな声に対して安心させるように笑顔を向けたまま上記を述べる。旦那様の大事だったものに変わりないが、持ち主が居なくなり、ましてや人間そのものが居なくなったこの家にずっと仕舞われているのを気にかけていたようで。かといって自分が持ち出す訳にもいかず、良い機会だと本人は満足そうで。
しかし、金平糖のお礼と釣り合わない、と言われると、うーん、と腕を組んで首を傾げる。自分としては全くもって気にならないのだが、相手にばかり気遣われるのも申し訳ないようで。
すると、少し考えてから「そうだ!」とぱっと顔を上げ、お守りをあげる代わりといってはなんだが1つお願い事を告げる。)
じゃあ、また遊びに来てよ。
お兄ちゃんとお話するの、すっごく嬉しいから。
うぅん…そこまで言うなら…貰おうか。友達から貰ったものだと思って、大事にするよ。ありがとう
(相手の言葉からは善意と、自分に持っていて欲しいという優しくも強い気持ちを感じて。普段から押しに弱い性分がここで発揮されてしまい、結局礼を述べるとポケットからハンカチを取り出してガラス玉を大切にくるみ。後でビン等に入れて持ち運べる様にしようかと考えながらカバンに仕舞い込むとまた相手を見て)
…え、また来ても良いのかい?嬉しいな…少し時間が開いてしまうかも知らないけれど、またきっと、ここに来るよ
(ガラス玉と金平糖では余りにも釣り合わないと思っていたが、またこうして遊びに来る事で少しはその足しになるだろうかと相手の言葉に同意して。相手との時間を楽しむ為に今度はきちんと酔い止めを飲み、仕事も余裕を持って片付けよう、と密かに心に決めて上記を言って)
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