アスティ 2024-06-05 12:58:40 |
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うん、そうしよう…おやすみなさい…
(今回の一件の黒幕も再起不能に追い込み、今度こそはゆっくりと休めそうだと、既に体力的に限界近かったため襲いくる眠気にすんなり身を委ねると、程なくして小さな寝息を立て始めて)
──次の日。
ふわぁ……もう太陽があんなに……流石にちょっと寝過ぎちゃった。……あれ、ロゼ?どこか出掛けてるのかな?
(窓からの陽光に顔が照らされ、その眩しさに手で目元を覆い隠すようにしながら身体をゆっくり起こし、太陽の位置からしてもう昼過ぎだろうということがわかり、いくら疲れていたとはいえこんなにゆっくり寝たのは久しぶりだなと欠伸しながらもぬけの殻の隣のベッドを見れば、相方は先に起きて、一人でお酒でも飲んでるか散策してるしてるのだろうかと考えつつ、ここまでなんだかんだで気の休まる時間はあまりなかったし、いくら旅の相方とはいえ互いに一人の時間だって大切だということは理解しているため、あまり深く気にすることなく、大人しく室内でのんびり窓際のテーブルに座って街並みを眺めていて)
***
という訳で、改めてお返事はこっちにお願いね!
(思いの外すっきり目覚めた翌日、まだ布団の中で寝息を立てている相方に声を掛けるのはやめ、のんびり散策に出かける。アスティが仕入れてきた情報のとおり街が蟹漁祭に関する話題で賑わっているのを感じて。ふと、自分たちのような他所者、しかもそれなりに腕が立ちそうな連中の立ち話に興味を惹かれて少しだけ聞き耳を立て…前夜祭…酒…。にやりと不適な笑みを浮かべ、そそくさとその場を後にして)
アスティ!いい知らせがあるぜっ、起きろって…あ、もう起きてたか、おはよ…昼だけど。
(のんびりとくつろぐ相方に声を掛け、先ほど仕入れてきたとっておきの情報を伝えて。蟹漁祭の前夜、参加者を労う目的で開かれる宴。なかなか盛大なイベントらしく、もちろんそこには大量の酒も振る舞われるとか…。少々お堅い雰囲気な可能性もあるが、参加者の半数は自分達と同じ冒険者。なかなか面白そうであり、やはり数多の酒に思いを馳せながらアスティの反応を伺って)
おかえりロゼ。…それで、良い知らせって!?……
(耳慣れた足音、部屋の前で止まりドアが開き中へと軽い足取りで入ってきた相方の方見れば、見るからに何か良いことがあったとわかる。かくして、その見立ては当たっていたようでグッドニュースを持ち帰ってきたという、相方の様子から掛け値なしに良い話なのだろうと期待に胸を膨らませつつその内容に興味を示して黙って耳を傾けて)
ふふっ、ロゼらしいね!せっかくだから参加してみてもいいんだけど…パーティ、なんだよね…?場合によってはドレスコードがあるかも?
(相方の話しに聞き入って、前夜祭と銘打っているが少し畏まった場である可能性を示唆され、それは即ちパーティなのでは?と、かつて王宮にいた頃に何度か参加したことのある、あの煌びやかな空間を思い浮かべて、もしもそうであるなら相応の服装、周りの人の気分を害さず雰囲気を壊さないための配慮が必要になるであろうことを自身と相方の服装を見つつ語って)
ドレスコード…なるほど、な。
(すっかりお酒のことばかり考えていたが、服装、しかもドレスコードの有無などまったく考えておらず、ぽかーんとしながらアスティの呟いた単語を鸚鵡のように繰り返して。いつもの服装で行く気満々だったため、ややたじろぎ)
これはこれで動き易くていいんだがなぁ。それじゃアスティ、各々ちょろっと衣装の準備でもするかね。
(きっとアスティはささっと卒なくいい感じに準備すると思うが、かつてモルドールの一件で必要に迫られて正装をした際、アレがダメ、コレがダメとルーシエンに悪戯気味に揶揄われた記憶がふと蘇り、ぐぬぬ…と一人表情を曇らせて)
うん、そうしよっか。ロゼ、楽しみにしてるね?
(普段の相方の姿から、失礼ながらフォーマルな衣装に身を包み、ビシッとキメた姿というのがイマイチ想像出来ないというのが本音で。しかし、自分の中の相方はキメる時はしっかりキメる男、きっと今回もカッコいいところを見せてくれるだろうと相方の内心の負の感情には気づかないまま、期待を込めてそう言い放ちウインクして)
えっと、用意を済ませたら会場に現地集合でいいかな?
(今から衣装を用意するとなると、もし時間が押せばパーティの開始時間ギリギリになるであろうことを考え、ここへ一度戻るよりは会場付近で落ち合う方が現実的だろうかと相方へと方針を確認して)
おう、りょーかいだ。それじゃ、陽が沈む頃にまた現地でな!
(そうと決まれば早速行動。落ち合う段取りをざっくり確認し合うと、散策の手荷物などを軽く整えて。ふと鏡に映った自分自身を見遣ると、少なくともこのだらしない無精髭は剃らないとなぁ…と苦笑しながら、所持金を懐に入れぼちぼち宿屋を後にして)
──夕暮れ時
アスティ、まだ来てないみてぇだな…。
(会場の入り口付近で落ち着かない面持ちであたりをキョロキョロ見渡して。無精髭を綺麗に落とし何年かぶりに眉を整え、短めの髪をナナメ後ろに流すように撫で付けると、やや色白の肌が相まって実年齢より少しだけ年下に見える自分自身に落ち着かず。漆黒のタキシードを着込み、首筋に異物感を齎すシャツの小さなカラーと蝶ネクタイを撫でると、リーフ模様があしらわれたアンティーク調のカフスボタンが光り。その装いに一際異彩を放つ穿ち焔。これだけは置いてくるわけにはいかぬと、まるで心の拠り所にするかのように腰のそれに触れ、相方の姿を探して)
…!ごめん、ロゼ。遅くなっちゃって…っ
(幸運なことに今日は前夜祭ということもあって、街中の服屋では商機を逃すまいと前夜祭参加者向けの衣装の用意から髪のセットまで請け負ってくれていて。王宮でのパーティではあまり着飾り自分を綺麗に見せることには無頓着、ドレスの選定なんかも付き人任せだったが今日はなんとなく相方に良いところを見せたいという気持ちがずっと頭の片隅にあり、ついついドレス選びにも熱が入ってしまって、気がつけば集合予定時間にギリギリ間に合うかどうかという時間になってしまい。待ち合わせ場所まで出来るだけ急ぎ駆けつけると、見慣れた背中の面影を背負ったタキシード姿の美丈夫が待ち人探すかのように辺りを見回しているのを見つけ、見目よい立ち姿には似つかわしくない物騒な腰の得物に相方である事を確信すると側まで駆け寄り、声をかけて)
っ………見違えちゃった…ロゼ素敵だよ、カッコいい!
(こちらを振り返る相方、トレードマークの無精髭が無いだけでだいぶ印象が変わり、より精悍さが際立って見えるその顔立ちに見惚れハッと息を呑み言葉を失ってしまう。普段とは違う、慣れない服装になんとなく本人は収まりが悪そうな顔をしているが、そんな事など気にならないぐらいに心の琴線に触れ、頬に微かな熱感を感じながらシンプルに飾らない言葉で、そう賛辞を送り)
えっと……私はどうかな……?ドレス自分で選んだのは初めてなんだ、変じゃないかな…?
(自身が選んだのはビスチェ風の、レースのついたスカートが広がったふんわりしたシルエットのドレス。色は悩んだが、ありのままの自分、相方が受け入れてくれた堕天使としての自分を象徴する黒色で。髪は高めの位置で一つに纏め、白い花飾りのついたヘッドドレス、胸元にも真っ白な花のコサージュがあしらわれていて。少し小走りでここまで来たため、服装に乱れや汚れがない事を改めて確認するよう視線下に落とし、再び顔を上げると相方と真っ直ぐに目を合わすのは気恥ずかしく少し目線横に流しつつ、こういう時自分から感想を聞きにいくのは無理矢理に褒め言葉を引き出すようであまりよろしくないとは思いつつ、気まずさに耐えかねてそう尋ねて)
…。おぉ、流石だな、凄く似合ってるよ。やっぱり、本物は違うなぁ。完全に王女と家来だぜこりゃ。…それじゃ、前夜祭とやらを楽しむとしようか。…どうか足元にお気をつけくださいませ。
(気恥ずかしそうな面持ちでも、やっぱり別格の雰囲気を醸し出すアスティ、その姿に改めて惚れ惚れし一瞬黙してしまうも、すぐに率直な感想を述べて。ようやく自分の格好にも慣れてきたところ、ふと片膝をついてアスティの手を取りちょっぴり気障ったらしく目配せすると、立ち上がってゆっくり彼女の手を引いて前夜祭の会場へと進んでいき)
へぇ、なかなか賑わってるなぁ。さて、酒はどこかな?
(国の関係者と思しき人々、そして翌日からの祭に参加するのであろう腕自慢達を眺めながらも、一番のお目当てである銘酒の類を探して)
この感じ…なんだか懐かしいなぁ……ご機嫌よう
(中までまるで本物の付き人のようにエスコートしてくれた相方、紳士的な振る舞いに戸惑いを感じたのも束の間、会場へ入るや否やお酒を求めてフラフラとその場を離れて、パーティ会場を彷徨う相方の姿を尻目に、苦笑浮かべつつもやはりこの方が相方らしいなと、変わらぬ内面に少し安心する部分もあって。人で賑わうパーティ会場を一人歩けば、王宮で行われたパーティの記憶が否応無しに思い起こされ、しみじみ呟き。様々な種族や人種の集まる会場とはいえ天使はやはり物珍しいようで男女問わず声をかけられ、普段とは違うパーティ会場に相応しい立ち振る舞いとよそ行きの笑顔で挨拶を交わして)
…!
(声をかけてくれた人々と談笑しつつ、勧められた酒の入ったグラス左手に、相方も今頃色んなお酒を楽しんでる頃だろうかと酔い潰れたりしないといいけどなんて心配をしていると、不意に背後に何やらヒヤリとした突き刺すような殺気にも似た異様な気配を感じハッとして振り返ると、スーツに身を包んだ髭面の男性が銀色の髪をした女性を傍に控えさせ佇み、こちらを見ていて)
『これは珍しい…天使の冒険者か』
(静かに落ち着き払った口調でこちらに声をかけてくる男性からは先程感じたような不穏な気配は感じられなくなっており、さっきのは自分の気のせいだったのだろうかと、感じた違和感の出所が分からず言い知れぬ不安を感じるが、こんな人が大勢いる中で何か仕掛けてくるはずも無いだろうと一旦心を落ち着けて他の会場にいる大勢と変わらぬ対応をして)
えぇっ、この25年ものもタダでもらっちゃっていいのか!?いや~なんだか悪いなぁ、くひひっ
(高価なものや珍しいもの、いろんなお酒をあれやこれや楽しみながら、グラスを勧めてくれるお姉さん達に愛想を振りまき。毎年来よう…としみじみ考えながら、ふと相方の存在を思い出して。なんだかんだで目立つ種族、それに加えて今日はいつにも増して別嬪さんな彼女に悪い虫でも付くやもしれぬと、その姿を探して)
よぉ、アスティ、楽しんでるか?ん、知り合いか?
(何となく気になる視線をアスティに投げる男を見やり、相方の傍に寄り言葉を挟んで。さっそく悪い虫…と思いきや、長い銀髪の女性を連れ落ち着いた振る舞い、そのような輩とはまた異なりそう。長身ゆえ見下ろすような視線、その佇まいにかなりのやり手だろうと想像して)
あ、ロゼ…ううん、初めて会った人
(2、3言葉を交わし、湧き上がる感情は怯えに似た何か。決して人相が特別悪いわけではない、立ち姿も整っていてガラが悪い輩とも違う、だというのに男の双眸にはどこか底知れぬ暗さが見える気がして、やはり先程背中に感じたような敵意や殺気は見えないが、今までに感じたことのないような得体の知れない不安を感じ、冷たい汗が背中を伝うような感覚覚えたその時、耳慣れた声が聞こえ振り返れば相方の姿があり、心底ホッとしたような表情で歩み寄るとそう答えて)
『連れが居たのか、これは失敬。…俺はこれで失礼する。行くぞソリス』
「はい、マスター」
(相方が来た途端にいきなりこちらへの関心を無くしたかのように男は踵を返し、そんな彼にソリスと呼ばれた人型はここで初めて口を開くと一切の異論も唱えずに頷きそのまま付き従い、こちらににこやかに手を振りそのまま二人揃って目の前から去っていき)
(普段と異なるアスティの様子と、掴みどころがない二人の振る舞い、それらを冷静に観察し、その後姿に一瞥をくれ)
…なんだか不気味な連中だな。それにしても、一人にしちまってすまんな。つい酒に目が眩んで…へへ、色々珍しいのを飲んできたぜっ。
(気を取り直して明るい口調で相方に声を掛け、これからは一緒に回ろうと手を取って。引き続き酒を飲んだり食べ物を摘んだりと、至れり尽くせりの豪華な宴を存分に楽しみ)
はぁ…限界まで飲んで食ったよ…。アスティ、明日起きられなかったら引っ叩いて起こしてくれ~…。
あっ、ちょっと…もう、ロゼったら…二日酔いで動けないんて言っても知らないよ?……──帰ろっか
(楽しい空間、美味しい料理や酒肴とくればお酒が進むのは必定、国を挙げての祭りの前夜祭だけあって数多くのお酒が集まっており、それを全制覇する勢いの相方の後について、こちらもそこそこに酒と料理を楽しんでいくと、やがて完全に出来上がってしまってフラフラと酩酊状態の相方を慌てて抱き止めて。パーティの雰囲気にあてられる気持ちはわかるが、明日もあるんだからお優しく咎めるように口にしながら、暫くそのままの体勢で背中に回す手にほんの少し力を込めて瞳を閉じて。それから少しして身体離し柔らかく微笑むと、足元覚束ない相方へと肩を貸し、身体支えながら二人でパーティ会場を後にして)
あぁ…また…飲み過ぎた……
(アスティに肩を借り、千鳥足でよろよろと月明かりに照らされた道を行く。正装してもこの体たらく、ちょっぴり身なりを整えたくらいでは、人間そう簡単に中身は変わらないなぁとぼんやり考えていると、ようやく宿の前について)
アスティ、何度目かもうわからんが、今日もありがとな…。
ところでな、その…。ん、綺麗だよ。本当に。
(本当は落ち合ったときに言いたかったが、小恥ずかしくて言い出せなかった言葉を、今日の最後、記憶を失う前に呟き。なんとか崩れ落ちる前に階段を上がりベッドに倒れ込むと、早々ぐーぐーいびきをかいて)
……もう、ズルいよ
(宿屋に戻って、それぞれが自分のベッドで横になって休もうかというタイミングで、ここにきて唐突に投下された相方の言葉による爆弾。しかし、それを口にした相方はと言えば、こちら側からそれについて何かを伝えたりリアクションをとる間も無くあっという間に深い眠りに落ちていて、その結果やり場を無くした感情が内心で渦巻く自分だけが取り残される形となり、ベッドひとつ分のスペースで隔てられた先にある隣のベッド上にてこちらの気も知らず呑気にも寝息立てる相方の寝顔を見てから、天井へと視線移して仰向けになり、一方的に言いたいこと言って寝た相方への意趣返しのように、こちらからもズルいよと一方的に悪態をついて呟けば、ドキドキと高鳴る胸、火照る頬の熱にもう暫く自分は眠れそうにないなとそんな風に考えているうちに夜は更けていって)
……んん、朝かぁ……ロゼ、起きて。早く起きて支度しないと船に乗り遅れるよ
(いつの間に眠ってしまったのだろう、日の登り始めぐらいの早朝の時間帯に目が開き。午前中には祭りの参加者を乗せた砂上船にて作戦地点まで向かうことになっており、余裕を持って支度するなら今からでも早過ぎるということはなく、ベッドから降りて相方のベッドの傍へ移動すればその身体をゆさゆさと優しく揺さぶって起こそうとして)
ん… へへ、アスティ、流石にこれ以上は飲めないぜ…
(夢の中、巨大なジョッキになみなみ溢れそうな酒を飲みながら、潜在意識に擦り込まれているのか踊り子アスティから追加のコップを手渡され思わず呟いて。なんだか優しい声が少しずつ意識を覚醒させ…)
ハッ…おう、おはよ。…そうか、いよいよ蟹漁祭だな!
(やや重い身体で目覚めるも、楽しみなイベントに声は明るく。残った酒気を吹き飛ばすように冷水で顔を洗い、もはや記憶もなく乱雑に脱ぎ捨てられた昨夜の衣装を軽く整理してから、馴染んだいつもの動きやすい服装にささっと着替えて)
ふふ、おはよう。お酒の影響は…大丈夫そうかな?ちゃんと動けそうで安心したよ!
(完全に熟睡してるように見えたが、こちらの呼びかけに抵抗なくすんなり目を覚ました相方、パッと見前日のお酒の影響を引きずっているようには見えず、せっかくの祭りを存分に楽しめないという事態は避けられそうで安堵し。いつものスタイルにこちらも着替えるとキャスケットを被ると相方の方を見やり出発しようかと視線で合図を送り)
砂上船ってどんな感じなんだろうね?船は前に乗ったけど砂の上を進む船なんて想像もつかないよ
(出発の為に正面ゲートを目指しながら、巨大な甲殻類というのも勿論気になるが、作戦地点への移動に使われるという砂上船にまず関心を示し、未だ見ぬそれについて相方に話しを振って)
砂の海を走る船…。確かに想像もつかねぇなぁ。案外、魔法を動力にして動くとか不思議なものかもしれんねぇ。いずれにせよ船酔いがないといいなっ
(ペガサスにも乗ったことのあるアスティでも想像がつかない乗り物、そういうものに出会う旅の醍醐味に心が踊るのを感じて。集合場所への道すがら、ちらほら参加者と思しき冒険者のような装いの連中を目にすればふと昨日の二人組をなんとなく思い出し。あの時感じた唯ならぬ雰囲気、外部から参加する腕利きの類だろうと考えて)
お、そろそろ集合場所の正面ゲートかな
(それとなく集まった連中の顔ぶれをチラ見するも、どうやら自分が見知った顔はないようで)
船酔いは…あれはちょっと勘弁してほしいなぁ……と、見るからにそれっぽい人たちが集まってるし間違いは無さそう!
(初めて乗った船で味わった嫌な感覚、相方の言葉で思い出し渋い顔をしながらそう言葉を交わしていれば、やがてたどり着いたのは一際人で賑わう場所で。そこに集まっているのは見るからに冒険者たちであるのがわかり、大小様々な得物を手にした、見るからに力自慢な者や片や魔術などの搦め手を得意としそうな者など千差万別で。これだけの人数が集まって撃退に注力するほどの獲物とは果たして…と、ますます興味が膨らんできて)
『勇気ある冒険者諸君!よくぞ集まってくれた!私こそがこの蟹漁祭の主催にして最高責任者のダグラスである!まず、出発の前に蟹漁祭について知らない者も中にはおるだろう、そこで!私が蟹漁祭について直々に説明してくれよう、心して聞くが良い』
(やがてゲートの手前、そこに用意されたお立ち台、そこに金色の鎧に身を包んだやたら偉そうで不遜な態度の男が立ち蟹漁祭の概要を話し始めて。ダグラスと名乗った男の話の内容を要約すると、数年に一度周期で砂漠の国を何故か襲撃してくる巨大な甲殻類を国内の腕利きの猛者と外部から招いた冒険者たち総出で追い払うのがこの蟹漁祭であり、『漁』と銘打ちながらなんとこれまでの歴史の中でその巨大甲殻類について国に被害が出ないよう進行方向を変えさせるのが精一杯で過去に一度たりとも討伐には至っていないという事実が告げられて、そんなとてつもなく大掛かりな小競り合いこそがこの祭りの真相であるようで。祭りの歴史についてのご高説の後、続けて冒険者を何班かに分けて役割分担をして事に当たることを話す。まずは魔法に長けた者たちによって編成される足止め部隊、砂上船の大筒や弩砲による兵器を用いる援護射撃部隊、そして前線で適宜攻撃、陽動を行う前線部隊の大きく分けて三つがあると説明があり、それぞれの部隊の中でもいくつかの班に別れて波状攻撃を仕掛けることになっているようで)
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