ttv 也

…へえ。深窓から俗世を下品だと見下してそうな君が、態々自分から此処まで降りてくるなんて。
自信が無くなった？そうなら慰めてあげようか。その為に赴いたからさ。

あながち間違いでも無いけどね、それも。君には芸術的な美しさを感じられないみたいだし、もう既に審美眼は次の対象を捜している。でも良いんだよ。ガラクタはどこまで行ってもガラクタだけど、使える部品を僕が選別してあげるから。まだ切り捨てはしない。新たなアイデアに行き詰まってインスピレーションが枯渇しているのはそうだが、慰め？まさか。何を？

使える部品が僕の中に見つかるかな。お坊ちゃん育ちが塵芥の山に手を触れられるの？もしかして引きずり込まれたい？良いかもね。十二分に汚れてくれたら、温室に帰すよ。だから、僕が、君を。…落ち込むインスピレーションがあるか、なんて言ってるんじゃ、飲んだくれにでもなってるのかなと思ったけど。そんなに思い悩んでなかった？介抱してあげるつもりだったよ。

馬鹿にしないで、君程度が僕の深奥に触れられると思うなよ。それに、僕には確立された信条がある。金や権力の前で簡単に辞宜を許す凡俗と違って意思が根強いんだよ。そう、正しく君みたいな。…まあ、発想こそは次々浮かぶけど、本当にしっくり来てくれるモノはそう降りて来ない。だからと言って酒とか…、ああいう嗜好品をバカみたいに浴びる事はしない。お気遣いどうも。