匿名さん 2024-05-25 00:10:07 ID:39ba6d435 |
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きゃ、……ふふ。
大丈夫、どこにも行かないわ。ウィルのそばにいる。
( 不意にくい、と腕を引かれればそのまま重力に従ってアメリアの体はベッドに逆戻り。どうやら自分が身動きをしたことで起きたらしい彼が、どこかに行くのかと勘違いをして引き戻したのだと分かれば思わずくすくすと笑いながら自分から離れかけた彼の手を途中で捕まえてそのままするりと指どうしを絡めて恋人繋ぎを。彼を安心させるようにどこにも行かないことを伝えながら朝日に柔らかく照らされたベッドでふわりと微笑めば、しょんぼりとした犬のような可愛らしい彼の表情を見てまた頬を弛めてしまい。 )
あぁ…わかってる
(貴女が自分から離れるなんて身勝手なことはしないと頭では分かっているが、身体が貴女と離れることを拒否していて。焦っていた心を落ち着かせるように息を吐いたあと、上記の言葉をつぶやくと貴女が指同士を絡ませて恋人繋ぎをしていることが分かれば耳を赤く染めて。だが貴女に触れることができるのは嬉しいことな為、振り払うことも出来ずただ時間が経つにつれて顔や耳を赤く染めるだけで。「…アメリア、得意な料理はなんだ?」と唐突にそんなことを聞き出して。自分は一人暮らしをしていたため、食べ物は特にこだわりはなくコンビニエンスストアで売っている弁当やパンなどを食べ続けていて。今日の買い物で貴女の得意な料理の材料もついでに買おうと考えて。)
得意な料理、……。
大体の料理は作れるけれど、ラタトゥイユとキッシュが得意よ。
( 彼からの質問にきょとん、と虹色の瞳を丸めた後に少し悩ましげに考えれば料理の中でも特に得意なものをふたつほど挙げて。ちらりと家を見た限りあまり生活感はなく、恐らく彼は自炊などもしないのだろう。食べ盛りの成人男性が偏った食事ばかり食べるのはいただけない、と折角買われたのであれば立場上自分の主人にあたる彼の健康を気にするのも自分の役目だと再認識し。「 ウィルが好きな食べ物はなあに?それも得意になりたいわ。 」とふわふわ笑って見せれば、彼が怪我をして手当をしていた時はスープやお粥などの優しい味の料理しか食べてもらっていないためそう問いかけて。 )
俺は…アメリアが作ってくれたスープが好きだ
(男女としての壁を立てる訳では無いが、やはり女性というものは料理ができるものなのだなと実感し。自分の好きな食べ物は何かと聞かれれば、得意な料理をこちらから聞いておいて悪いが、数年前に貴女が作ったスープやお粥が好きだと言って。貴女と再開するまで、作ってくれた料理の味が忘れられず、作り方も分からないため悶々もした日々のことも思い出して。この家には食材が一切ないため、貴女には少し苦しい思いをさせるかもしれないが朝食は街に出てから貴方の好きな食べ物があるレストランなどで食べようと考えていて。「腕引っ張って悪い。腹減ってんだろ、街行くぞ」と先程腕を引っ張ったことを謝ると身体を起こしてベッドから出るとそう言って。)
!
……覚えててくれたの?
( 唯一自分が彼に振舞ったことある手料理。てっきり彼は覚えていないものだと思っていたけれど、どうか彼が早く治るようにと願いを込めて作っていた料理たちは彼の心に届いていたようでアメリアは虹色の瞳を丸くして。ただ覚えていてくれただけでもうれしいのに、それが好きなものだと言われてしまえば作り手冥利に尽きるというもの。ほろほろと花がほころぶように嬉しそうな笑顔を浮かべれば、彼に続いてゆっくりとベッドから起き上がりながら「 いいえ。今度からは勝手にひとりで起きないようにするわ、ウィルが寂しがるもの。 」 ときらきらと美しいホワイトブロンドを朝日に輝かせながら笑って。彼から借りているTシャツは相変わらず短いけれど、それも今日まで彼が辛抱してくれれば良いと本人はあまり気にしていないのか彼の後ろにぺたぺたとついて行き。 )
当たり前だろ
(あの時作ってくれた料理は何か特別な成分が入っているのでは無いのかと思い、どの高級レストランよりも美味しかった。そして、自分があの時作ってくれた料理を覚えていたことが嬉しかったのか笑顔を浮かべているのを見ればさも当然だとでも言うように上記のように返して。「…あぁ、そうしろ。お前が居なくなったらどうなるか分からない」本当は今すぐにでも抱き締めて鼻腔いっぱいに貴女の香りを満足するまで吸い込みたいが、朝にそんなことをしては今日1日合わせる顔がなく、まだ再開して日も浅いためそれはやめておき。いつかそんなことを気にせずにできる日が来ることを願いながら、貴女が離れたら自分は寂しがるというのを学んだのか綺麗な髪を靡かせながら言う貴女に頷いて。いつまでもついて来る貴女に違和感を感じたのか、後ろを振り返り。)
いつまで着いてくる気だ。アメリアはここで着替えていろ。俺はほかの場所まで着替える
、……ふふっ。
( 〝お前が居なくなったらどうなるかわからない〟なんてとんでもない殺し文句に面食らったのも束の間、昨日の彼が吐露した自分への気持ちが本当なのだと実感がじわじわ湧いてくればアメリアはくす、と柔らかな笑顔を零して。彼の手当をしていた時のことも詳細に覚えていてくれているあたり、本当にきっと彼はずっと自分を想っていてくれていたのだろうとふわふわと暖かくなる心をそのままに、ここで着替えろという彼にぱち、と1つ瞬きをしたあとにそれはそうだと納得し。はぁい、とのんびり返事しながらくるりと踵を返しては彼が部屋を出ていったのを確認してそのまま着替えと軽く髪型を整えるように髪を梳いて。化粧は元よりあまりしない人間だったし化粧道具なども無論持ってきていないのでマァいいかと妥協。5分も掛からずに全ての準備が終わってしまえば彼はもう終わったかしらと首を傾げ。 )
アメリア、入っていいか?
(自分の言った言葉に笑っている貴女が不思議で、なぜ笑っているのかと問いかけようと思ったが昨日だけでも貴女が恐れ知らずでそう言う人物だということは分かっているため聞かないでおいて。別室に行き、何を着ればいいのかと悩みながら、いつもはスーツのため私服の数は少なく。どうしようかと悩んだ末、やはりスーツの方がいいなと思い白のワイシャツに黒色の長ズボンと上着は羽織らずに。ポケットに財布と携帯を仕舞い、手に持つ物は何もなく。着替え終わると、貴女のいる自分の部屋の前に立ちまだ着替え中だったら悪いと思い2回ほどノックをして上記の言葉を問いかけて。)
はぁい。
( あまりに自分の準備が早すぎたのか、少し彼が来るまで手持ち無沙汰になったのでアメリアは髪を結ぶことにして。サイドを編み込んで、緩く結んだハーフアップに花のようなかたちでそれを回し込む簡単なヘアアレンジではあるがただ手櫛で梳かしただけの髪よりはよほど見目華やかに。部屋のノックと彼の声にのんびりと返事をしてはぱたぱたと扉の方に駆け寄ってゆっくりと扉を開けて。扉の先の彼はオークション会場の時とは違いジャケットは羽織らず幾分かラフな格好、スタイルが良いとシンプルな格好でもキマるというのは本当なのだな…なんて目の前の彼で実感しては「 行きましょ、 」となんの躊躇いもなく彼に片手を差し出しながらにこにこ微笑んで。 )
…その髪、似合ってる
(自室の扉から顔を覗かせた貴女は、昨日のように髪をただ下ろしているだけでも可愛らしいのに今の貴女は男の自分にはあまり知らない名前の髪型だが、可愛いということだけがわかって。2秒ほどその髪型の貴女をじっくりとみて堪能した後、女性は確か髪型やメイクを褒められると嬉しがる、なんて情報を聞いたことがあるため髪型が似合っていることを伝えて。貴女に片手を差し出され、行こうと声を掛けられれば自分がリードしなければいけないのに…なんて不貞腐れながらも差し出された手はしっかりと握り、屋敷の外まで出て。「あぁ、また昨日みたいに抱きながら歩いてやろうか?お姫様」と口角を上げて揶揄う気満々の表情でそう言って。)
!……ほんとう?うふふ、嬉しいわ。
( 少しだけ彼に見つめられれば、変だったかしら…と不安になったのも一瞬で彼からの褒め言葉にアメリアはふわりと花のように笑い。こんな片手間に施した髪型でも褒めてくれるのならば、次はもっときちんとお洒落をしようと乙女心を疼かせては素直に手を取ってくれた彼にさらに機嫌を良くして。屋敷の外あたりまで歩いた際に此方をからかうように告げられた彼の言葉にぱっ、と頬に朱を散らせば「 もう、私だってひとりで歩けるのよ。昨日はウィルが降ろしてくれなかったんじゃない。 」と恥ずかしそうなに反論を。だがしかしお姫様扱いをされるというのはどうしても嫌いでは無い自分もいるため、そこまで真剣に怒っていると言うよりは呆れているにほど近い声色で。 )
ん~?よく聞こえねぇなぁ
(自分が相手の髪型を褒めると、花のように笑う姿が可愛らしくて思わず頭を撫でたくなってしまうが、今はせっかく髪型をアレンジしてくれているため崩す訳には行かないと思い辞めておき。からかうように告げた言葉にぽっと頬を赤く染めながら反論してくる声が下から聞こえると、再びからかうようにニヤニヤと笑いながらその声はよく聞こえないと告げて。ふわふわとしているのにからかったときの反応は初心でもっといじめたくなるような貴女に、よく今まで男に攫われたりしなかったなと感心しながら、もしかしたら過去に付き合っていた男がいるかもしれないが、今は貴女のことを独占できているのでいいやと思い。)
もう!あんまり意地悪言っちゃだめ。
( にやにやと悪戯っぽく笑いながら此方にもう一度聞き返して来る仕草はどう見ても確信犯。諌めるように繋いだ手を1度だけ軽く大きく降ればむす、と艶やかな唇を尖らせて怒っているよの顔を見せて。だがしかしその怒った顔もすぐにいつもの柔らかな笑顔に変われば「 そんな意地悪言う人にはスープは作ってあげないわ。 」と彼の鼻先を白魚のような指でツン、と軽く押せば今度は逆にこちらがいたずらっぽい笑顔を浮かべて。 )
っ、それは、なしだろ…
(自分の所望したスープを作ってあげない、と言われれば歩いていた足をピタッと止めて貴女の手を少しだけ強く握ると捨てられた犬のように寂しそうな表情でそんなことを言わないで欲しいと言って。たしかに自分からからかったというのはあるが、長い間食べたいと思っていた味が今晩食べられると楽しみにしていたのに、それが無くなるのはどうしても嫌で。「悪かった、謝るからそんなこと言うなよ」と繋いでいた手を離すと貴女の体に腕を絡みつけ、ぎゅっと抱き締め、許しを乞うように貴女の首筋に頭を埋め、ぐりぐりと押し付けていて。)
きゃ、ふふ。くすぐったいわ、ウィル。
( まるで捨てられた子犬のような瞳で見られてはきゅん、と乙女心が疼いてしまうのは仕方の無いこと。彼の瞳に免じて冗談だとネタバラシをしてあげようと口を開いたのもつかの間、するりと手を離されたと思えば今度はまるで大きな子供のようにすっぽりと此方を抱きしめながら首筋にぐりぐりと頭を押し付ける彼に思わずくすくすと笑ってしまい。なんて可愛いの、と彼の頭をよしよしと優しく撫でては「 嘘よ、ちゃんとスープは作ってあげるから。ね? 」と慈愛に溢れた柔らかな口調で応え。彼の可愛らしい一面に思わず緩んでしまう頬はそのままに、そんなに食べたがって貰えていたことに対しても嬉しそうに瞳を細め。 )
知らねぇ、俺をからかった罰だ
(くすくすと笑いながらくすぐったいと感想を零す貴女に軽くむすっとした表情を浮かべながらも頭を撫でられると悪い気はせず、むしろもっと撫でて欲しいと思い撫でられている頭を手に押し当てて撫でろとでも言うようにしていて。嘘だとネタバラシをされれば「当たり前だ、作らなかったら俺はそれ以外の料理を食べないからな」と一見大袈裟にも聞こえてしまうような発言だが昨日今日の言動を見ていれば、貴女への愛は執着にも似ているため本当にそのつもりなんだろうというのがいやでも伝わってしまう程だろう。名残惜しいがこれ以上のじゃれあいは家でしようと思い貴女から離れると再び手を繋ぎ街の方まで歩き。)
、……ふふ。
それじゃあウィルがほかのご飯もちゃんと食べられるように、スープを作って差し上げないとね。
( まるでもっと撫でてと強請るような彼の仕草にまた母性のようなものがくすぐられれば、彼の髪をもう一度優しく撫でて。大袈裟のような彼の言葉が全く誇張表現ではないことはその声の真剣さからしっかりと伝わってくるし、昨日今日の彼の様子からそれは本心なのだろう。アメリアはくす、と柔らかな笑顔を浮かべながら彼ご所望のスープを作ることを改めて伝えては、また手を繋いで歩き出したのに釣られて自身もゆっくり徒歩を進め。がやがやとした街の喧騒は今まで何も気にしなかったのに、突然誘拐されたという経験のある身では少し恐ろしいものなのかそっと彼と繋いだ手の力を強めて。 )
あぁ、そうしろ
(髪をもう一度優しく撫でられれば満足したのか貴女から身体を離し、スープを作るということを伝えられ小さな笑みを浮かべると自分が暴れない内にそうした方がいいなと自分でも思い。町は相変わらず人で賑わっており、それなりに騒々しさもあるがこれでこそ街だと言う雰囲気で。だが昨日こんな街を歩いていた時にさらわれてしまったので貴女にとっては恐怖でしかないものだろうと思い、それが少し強く握られた手から感じ、「大丈夫だ、俺がいんだろ」と握っている手で貴女のことをこちらへ引き寄せると安心させるかのような言葉をかけて。)
!
…ありがとう、ウィル。
( 無意識に怯えてしまっていた自分に気がついたのか、彼の方へと握った手を引き寄せられれば少し驚いたように虹色の瞳を丸くした後にふわりと微笑み。彼のこうした温かい優しさが冷たい気持ちをほろほろと溶かしていってくれるような気がして、また彼への愛情に似たやわらかな感情がひとつ深まっていくようで。「 ─── …そばにいてね。 」ぽそり、と甘えるようにちいさくちいさく零した言葉は彼に伝える訳でもなくしずかに街の喧騒に溶けて、アメリアは彼が手を引いたことによって距離が近くなったこのを利用して彼の肩にこつん、と自身の頭を1度だけ預けて。 )
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