とある館の支配人 2024-05-09 01:22:12 |
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>>(ダイニングホール/ソフィア/○○宛て)
お安い御用よ。拭くだけなんて言わないで全部任せなさい。頑張ってきたなら休むことも大事よ。
(まさか考えていた通りだったなんて。ここの住人は彼女を何だと思っているんだと呆れながらに長く息を吐き出した後、パッと切り替えてお安い御用と柔らかな笑みを向けてみせる。自分よりも幼いであろう彼女が頑張り屋さんなのはよく分かったのだが、きっと手が傷だらけになろうとも一生懸命に周りに尽くしてきたのだろうと容易に想像がつく。だから今日は片付けも洗い物も自分に任せて休みなさいと、声は優しく柔らかに促しつつも断らせないようにと強い意思を持った瞳で彼女を見つめていたのだが。「は?…待ちなさい!!」食事を終わらせた後そのまま立ち去ろうとしている住人が居るとの指摘の声に意識を取られ、そちらの方角を見れば何ともふざけた言い訳に思わず間抜けな声を出して固まってしまい。暫し固まった後椅子から立ち上がり、怒りを含んだ声色で待つように叫ぶもののその声は届いていないのか姿は見えなくなり。「ちょっと、何なのよアイツ。して貰うのが当たり前って訳?…今度会ったらガツンと言ってやらないと」明らかな不満の声を上げつつ、次に会ったら思い切り叱ってやらねばと右手に拳を握ってはフンスッと荒く鼻息を吐き出して。「頑張ってくれてるソフィアに対して感謝の言葉も言えないなんて、ロクな奴じゃないわ。…アイツの代わりにアタシから伝えとく。ソフィア、いつもありがとう」ロクな奴じゃないとまで言い放ち、それから短く息を吐き出し一旦気待ちを落ち着かせて。自分は今日来たばかりだが、既に彼女から素晴らしいもてなしを受けている。喜ばしいことだと目を細め微笑みお礼を伝え、先程まで拳を握りしめていた手をそっと持ち上げれば彼女の頭の上に置き、繰り返し優しく撫でてやって。
暫く撫でて満足すれば椅子に座り直し、促されるままデザートを食べれば真面目な表情で感想を述べた後魔法のようだと微笑みを向ける。返ってきたのは輝かしい笑顔と、うきうきした表情。何て可愛らしい子だろうかとこちらも自然に笑みを深め慈しみの眼差しで見つめ)
そっかぁ。そりゃ美味しい筈よねぇ、こんなに可愛い子がおまじないしてくれてるんだから。お返しにとびきり可愛いの、何か作ってあげなきゃね。まあ、とりあえず材料探しからになるけど…
(そのおまじないは本当によく効いていると軽く頷いてみせ、魔法のお返しは手作りの何かでなんて提案するものの、今の自分は逃げてきた身で道具こそあれど材料はない為に苦笑いを浮かべ)
(/おお、そうですか!なら良かったです!
やったぁ!…さて、桃髪の彼は以前絡ませてみたい意見の一致した彼でしょうか。…何ともまあ濃い第一印象になりましたな…笑)
>(ダイニングホール/リディ宛て)
あの、其れはわたくしが落ち着かないので、やるなら一緒に、でお願いしますぅ。其れと…各々役割を担っている中、手伝って下さる方も居るので、ご安心して下さい。
(此処で共に暮らしている住人達の数は多く、とてもじゃないがいきなり全部は大変な事だろう。其れに手持ち無沙汰な居た堪れなさに慣れておらず。此方がもじもじと申し入れるように。何も住人総てが当たり前の環境だと傲慢には思っておらず、感謝をしたり偶に手伝いをする者が居ない事もない。此の館の全てをソフィアに任せている訳でもないようで。其れでも家事等の大半はソフィアの任せ切りな実態になっている。ソフィア自身、尽くせる事は歓びで愛されると思えるらしい。例外の彼が彼女の言う通り碌な奴じゃないのは、強ち間違ってないのだが。其れを聞いていた住人達は彼の人柄を知っている為、苦笑しつつ気まずそうに目を逸らすのみ。彼に突っ掛かり関わってしまえば、碌な末路じゃない。矯正しようとするのは骨が折れるし、疲弊してしまう。ソフィアはお礼と撫でられて嬉しそうにしていたが、住人の1人が「あまり彼とは関わらない方が良いかと、」と忠告だけに留まらせた。
デザートを食べてくれた彼女に、評価とそんなにも迄ばかりの価値を見い出された。「アンティークドール達にとびきり可愛いのを…っ、有難う御座います!でも…此処には十分な材料が見当たらないだろうから、買いに行くにしても館の外は危ないですし。」何か作ってくれようとしてくれるのは嬉しい。まぁ、此の館には辛うじて布の切れ端くらいしか無いのだが。十分な材料を入手するには街に出てみないと。然し恐ろしく危険だ。契約をしていない彼女らのような魔女は人外の誰かをお供にするべき。其の為にも先ずはわたくし達が何者なのか伝えなければ。其の前に、洗い物を済ませようと手を合わせ。)
ご馳走様でした。さて、説明する必要がある事を伝えなきゃなんですけれど、先にリディ様洗い物を済ませましょっ。
(/最悪な第一印象ですよね…。苦笑)
>>(ダイニングホール/ソフィア宛て)
そう?…確かに、下手に動いて邪魔しちゃ悪いし、一緒にやりましょ。なら良かった。どこの場所にも、人に任せてばっかの馬鹿は居るからね。
(やるなら一緒にと言われ一瞬不満げに眉を寄せたものの直ぐに戻し、そういえば子供達が手伝うと頑張ってくれた時も自分も落ち着かなかったと思い出しては、一緒に洗い物することに同意して柔らかな微笑みを向ける。彼女一人に全てを任せず手伝う人も居ると聞き良かったと安心しつつも、どこにでも同じ類の馬鹿は存在すると先程桃髪をした住人が去っていった方角を見ながら若干の怒りを含ませつつ呆れたように話し、長く息を吐き出して。それから彼女に顔を向け直し感謝を伝えながら優しく頭を撫でていれば、他の住人から忠告を受け今度はそちらに顔を向ける。「忠告ありがとう。そうしたいのは山々なんだけど、アタシの性格上無理だと思う。その時もし何かあったとしてもそれは自己責任だから、放っておいていいからね」桃髪の奴と関わって碌な目に合わない。それは今話している相手以外の反応を見れば明らかなこと。こうして忠告してくれるだけ相手はまだ優しさを持っているのだろう。お礼と共に、自分はどうしてもああゆうタイプは放っておけない、だから関わりに行くと真っ直ぐに伝え。その優しさ故にもし何かあった時に手を差し伸べようとしてくれることがあれば、見ないフリをしてくれていいと突き放す為にあえて淡々とした口調で告げて。
デザートの素直な感想と共にお返しにとびきり可愛い何かを作ることを提案してみる。「うん?別にお人形さんだけじゃなくて、ソフィアにも作ってあげるわよ。…やっぱりそうよねぇ」提案に対して嬉しそうな反応を貰えればこちらも嬉しく思い、苦笑いから笑顔へと変わっていき。そんな中ドール達だけでなく材料があれば、目の前の愛らしい彼女の服を作ることも可能だとさらりと追加で話したものの。材料がない上に買い出しは行けないと聞き、仕方ないことだと短く息を吐き出せば少しだけ顔を俯かせる。ご馳走様でしたと聞いてパッと顔を上げれば、洗い物が待っていると途中まで食べていたメイン料理とデザートを味わいつつも平らげ、手を合わせて自分もご馳走様を済ませ彼女に対してまた食べさせて欲しいと微笑みを向ける。椅子から立ち上がりとりあえず自分の分と、持てるだけ他の住人の食器を重ねれば持ち上げてキッチンの方角へと向かい始め)
ご馳走様でした。本当に美味しかったから、またぜひ食べさせて。そうね、パパッと済ませちゃいましょ?
(/はい、本当に…苦笑 リディは言いたいことは言っちゃうタイプなので何処かで再会した時にトラブルが起きそうです、が、それも楽しそうじゃないですか?笑)
>(ダイニングホール/キッチンルーム/リディ宛て)
邪魔にはなりませんのよ。ばっ…何処にでも居るのはそうかもしれないですね。
(ソフィアからしたら全く以て邪魔にはなりませんけど。馬鹿と云う単語を聞いて、苦笑しつつ致し方ないとは思いたくないが、彼はオレ様気質なのでどうしようもあるまい。飽きっぽく続かないところもある。「…自己責任、其れはそう。」彼女の性格上と云う事なら、踏み入れはせず静かな声で言うだけ。敢えての言動に実際目撃すればどうするかは其の時になってみないと分からないが、コクリと小さく頷き了承する。
「えぇっ、ソフィーには此れで十分なのですが、そう云う事でしたら嬉しいですっ!『えぇ~、ソフィアさんだけ狡~い!アタシにもリディさん、作ってぇ?』とソフィアが自身のスカートを軽く摘んでみせていれば、突然グラシアが意識を引くように彼女の腕を掴んで、少しだけ落ち込ませているのを構わずおねだり。「あ、買いに行ける手立てもあるかもしれないのでっ。」と言添えておき。彼女の申し入れに満面の笑みをみせ、快諾する。机上にある残りの食器類を持ち、彼女の後を追い。流しへ運び終わり、洗い始め。)
勿論です!レパートリーは豊富なので、リクエストも承りますっ。そうですねぇ~。
(/トラブル起こしても楽しそうです。唯、飽きっぽいところもあるので言い合いとかどうなるかな…苦笑)
>>(ダイニングホール/キッチンルーム/ソフィア/グラシア宛て)
そんなこと言って、お互い肩とかぶつかるかもよ?そう。ホント、どこにでも居るわ。
(邪魔にならない。それならいいと思いつつも、揶揄うように笑いながら冗談半分に可能性の話をして。馬鹿はどこにでも居ると再度伝えては軽く肩をすくめてみせる。「でしょう?だからいいのよ」小さく頷き了承した相手に、分かって貰えて良かったと念を押してはほんの少し口角を上げ微笑んでみせて。
「うん?…いいわよ。ソフィアは可愛い系で、グラシアは綺麗系…逆でもいいわね。まあ、楽しみにしてなさいよ」服を作ると提案し、愛らしい反応に目を細めつつも材料がないのかとほんの少し落ち込んでいたのだが。腕を掴まれそちらに顔を向けてみれば自分にも作って欲しいと強請られ、何とも可愛いお願いじゃないかと軽く頷き快諾して。脳内に浮かぶイメージに対し、材料はまだないがこんな風なものはどうだろうかと言葉にして。楽しみに待っていてと伝えるその表情は、自信有り気に口角を上げていた。「行けなきゃ困るわね。…無理ならまあ、手段がないこともないけど」困ると断言した後、手に入らないならその時は誰かの要らない物を拝借してでもなんて考えつつ悪戯な笑みを見せる。「ソフィアと一緒に洗い物してくるから、また後でね」腕を掴む彼女に対して顔を向ければ、柔らかな笑みと共に優しく頭を撫で腕を離すように促して。離して貰えれば「いい子」ともう一度頭を撫でてから、持てるだけの食器を手に待ちキッチンへと向かい。運び終われば道具の場所を問いかけ、同じように洗い始め)
ホントに?…とはいっても、あんまり知らないのよねぇ。だからソフィアの得意料理とかでいいかなぁ。
(/ですよねー!おっと、飽きっぽい…そうでしたなぁ~。かわされたらムカついて更に噛み付くのか、一度諦めるのか…リディだと前者っぽい気がします笑)
>(キッチンルーム/ダイニングホール/リディ宛て)
其れも、手伝って貰える人の醍醐味ですね。
(肩を並べる以上、手伝ってくれる人が居るからこその弊害はあっても良さそうに返答。住人達は遣り取りを聞き受けた後、食事を作ってくれた事に感謝しつつ、各々の時間へと立ち上がり散って行く。
『っ…!ユア嬉しい。楽しみにしてる。』目を瞠り照れ臭そうに頬を淡く染め緩ませ。頭を撫でられ腕を放すよう促されれば、掴んでいた手を離し見届けた。洗い物の最中、話し掛けて貰いまだ正体を明らかにしていない為、匿った"人間"用の食事とは言わずに日替わりで適当な喜んで貰えるようにする感じと伝え。大人数の食器類をスポンジで細かく隅々まで油を落とし、洗剤でキュキュッと音が鳴るよう濯ぎ、漸く洗い終わり。キッチンから連れて来れば、ソファーに座り説明しようと口を開く、)
そうなんですねぇ、では得意料理と云うより貴方様用に順繰りに用意する感じになりますねっ。
其れでね、怯えないで聴いて欲しいのですけれどね─…。
(/またその話すんの?いい加減にしなよ、面倒いな。とか言いそう…。)
>>(キッチンルーム/ダイニングホール/ソフィア/グラシア宛て)
…そうね。…勢い良過ぎて倒さないよう、気をつけとくわ
(手伝って貰える醍醐味。ふと、孤児院に居た頃子供達が手伝うと張り切って隣に並び頑張ってくれている姿を思い出して僅かに眉が下がる。ふっと笑って実際あったことを並べては、今はただあの子達の無事を祈ることしか出来ないと思いつつ気をつけると軽く肩を竦め。
「うん。グラシアによく似合うの作るから、楽しみにしてなさい」頬を淡く染め緩ませた様子に、可愛らしいわねぇと笑みを深め、手に入る物次第にはなるが必ず似合うものをと意気込み。優しく頭を撫でながら離して貰うよう促せば素直に離して貰えた為にいい子ともう一度撫でてから洗い物を待ちキッチンへと向かい。肩を並べ手を動かしながら話しかけてみれば、自分用に順繰りに用意すると聞いて暫し固まり。本当にいいのかと驚きと共に喜びの感情が溢れ満面の笑みで素直に表現し。二人して掛かれば大人数の洗い物でも早く終わったと機嫌良く後をついて歩き、彼女の隣へと腰掛けばじっと見つめながら軽く首を傾げ)
え、……いいの?ありがとうっ!楽しみにしてるっ!
うん?なぁに?
(/アンタがちゃんと話を聞くまではやめない!って、グイグイいきますよ笑)
>(ダイニングホール/リディ宛て)
(彼女の驚きと喜びが混在する姿で彼女用に作りあげてみたいスイーツが沢山ある為、スイーツ中心になるかなぁ、等と考えながら満面の笑みを見届けた。
ダイニングホールに来て二人して腰掛ければ、下手したら正体を明かす事で此れ迄好い気持ちで居たのも、怖がられるかもしれないと少し緊張の滲む面持ちで、話を促す彼女に其の先を紡ぐ。みるみるうちに羊モチーフの大きな角と耳が露わに、瞳孔がヤギ目となり其の目元は赤い鮮烈な線が二本走る、鋭い牙が剥き出し、おまけに尖った赤色の爪先を猫の手のように彼女の目前へ差し向け。)
実は、わたくし達此処の住人…人外なんですと言ったら分かりやすいかな。
(/其れもまた面白いです。
一旦、背後の方引っ込みますね。)
>>(ダイニングホール/ソフィア宛て)
(ソファに座る彼女の隣に腰掛け、見つめながらに話の先を促してみれば緊張した面持ちで続きが紡がれる。目の前に居る彼女の姿が変わっていき人外だと伝えられて、頭が追いつかず茫然としながら暫し固まっており)
………人外、ねぇ。だから何?そりゃ驚きはしたけど。ソフィアであることに変わりないなら、それでいいわ。
(固まっていた目線がゆっくりと動き始めれば、彼女の姿が変わった場所全てを確かめて。確かに見た目は変わってしまったが、性格や言動までもが変化した訳ではないらしい。目前へと差し出された尖った赤い爪先を指先でツンと軽く突き、だから何だと断じてみせ。まだ会ってそう時間は経っていないが、誰かへの優しさを忘れない子であろうことは何となく分かる気がして。そんな子が自分に対して危害を加えることはないだろう。だから貴方のままならそれでいいと、口元に弧を描きながら柔らかな眼差しを向けてみせる。…本当はほんの少しだけ怖いけれどそれを彼女に見せる訳にいかないと、軽く突いた後微かに震える手を誤魔化すように振って身体の横に戻し)
(/ですよねっ笑
分かりました、ではこちらも引っ込みますねー!)
>(ダイニングホール/リディ宛て)
─!…嬉しい、有難う御座います。?─
(恐る恐る紡いでみたものの、変わりないならと言われれば、パァッと顔色を明るくさせゆる、ゆる…と雪解けのように口元を綻ばせ。危害を加える事はないと思っているだろうところ悪いが、此の子の食欲を思うとそうもいかないかもしれない。我慢はするだろうが。ほんの少しの怖さに誤魔化すかのような仕草を一瞬不思議に思いつつ。主食について言ったところで、顔を彼女の首筋へ近寄らせクンクンと匂いを嗅ぎ、グラシアが姿を現すと『ソフィアさん抜け駆け狡~い!』と声を上げ。全体を通して支配人の話になると、少し言葉を詰まらせ支配人の事は分からないとしても自分達の事は詳細に説明していき。)
わたくし達はウィアード且つフォークで一度死んでしまった身なんです。なので、年齢も推定年齢なんですよ。生き返らせて下さいました支配人の事はよく分からないのですが…、わたくし達の恩人でもあるんですよ。主食はケーキである貴方達です。館を出る時は人外なわたくし達のうち誰かをお供にして貰います。
>>(ダイニングホール/ソフィア/グラシア宛て)
別に…普通のことでしょ。
(ほんの少しの怖さを誤魔化しながら伝えた言葉。それに対し彼女は顔色を明るくし、緩く口元を綻ばせ喜んでいるようで。今は見慣れない姿をしているがやはり彼女の根本は変わらないと安心して、怖さなんて気のせいだと。普通のことと軽く笑ってみせれば戻した手で軽く自分の太腿をぺちんと叩き。その後説明を受ければ、ウィアードだのフォークだの、難しいことは分からないがとにかく目の前の彼女が一度死んだ身であり、生き返らせたのはこの館の主人、というのは何となく理解出来た。どうにか情報を整理したところで、主食の単語が聞こえハッと顔を上げる。首筋へと近寄る顔に思わず肩がビクッと跳ね上がり身体に緊張が走ったのだが…匂いを嗅ぐだけで、噛みついたりはしないのかと息を吐きながら力を抜いていく)
鼻息、くすぐったい。…何、グラシアも嗅ぎたいの?別にいいけどあんまりやり過ぎないこと。
…ごめん、やらなきゃいけないことが出来た。アタシの部屋とかあったりする?ないなら適当に、一人になれる場所でいいわ。
(不要な力が完全に抜けたところで、首筋に掛かる息がくすぐったいと笑いながらに告げ。声のする方に顔を向ければ彼女も異形の姿を持つだろうかと一瞬頭を過ぎるのだが、館の住人殆がそうなら、これから関わる上で些細なことだろうとそんな思考は投げ捨ててしまい。やり過ぎないなら構わないと一応釘を刺しつつ、やり易いように髪を持ち上げて…気付く。髪の長さがバラバラで、炎により焼け落ちていると。
館を出るなら誰かをお供に。その前に、子供達が綺麗だと褒めてくれていた髪を、長さだけでも何とか整えねば。その為には一度一人になって切る必要がある。直ぐにでも実行したいと思えばすっと真顔になり、考えたことをそのまま口に出して問いかけ)
>(ダイニングホール→客室/リディ宛て)
決して其の様な事は…、
(正体を明かした事で何でもない事の様に振る舞ってくれる彼女だが、上に立とうとする者、すっかり怯え切って仕舞わせる事もある訳で。匂いを嗅ぐだけだったものの、食事をする際はウィアード達は噛み付いたり何なり、各々好きな食事方法を摂るだろう。グラシアが近付き、首筋を嗅ごうとする前に制止が入り、よくよく見ると焼け落ちているが、他の者は気にしていなかったようだ。
なんせ広い館。空室は幾つかある。其の一部を彼女へ割り当てる事に。席を立ち、彼女を一室の前に連れて来れば、扉を開き中はアンティーク調で、今彼女が必要であろう鏡も用意してあり。案内を終えれば、ぺこりと頭を下げ一人になれる場所と言っていたので退散して行き。)
えぇ、人間様用の部屋も有りますよ。ご案内致しましょう。─さぁ、此処です。どうぞお入り下さい。是非ごゆっくりして下さいね。
>>(ダイニングホール→客室/ソフィア宛て)
そう?
(自分にとっては、少し怖いけれど彼女であることに変わりないわけで。他の人が考えることは分からないと軽く首を傾げており。グラシアには悪いのだが、今の髪を切った後で改めて嗅がせてあげればいいだろうと断りを入れ、案内してくれるソフィアの後を追い歩き始める。
開かれた扉の中を見ればアンティーク調の部屋で、鏡もある。いい部屋と笑みを浮かべれば中へと足を進め振り向き、お礼を伝え軽く手を振れば背中を見送り扉を閉めて)
ん、よろしくね。…案内してくれてありがとう。…うん、ゆっくりするわ。また後でね?
(見送った後直ぐに、鏡の前へと向かう。椅子に腰掛け落ち着いて見てみれば変に短くなっている箇所がいくつもあり、焼け焦げたようなくすみもある。子供達が綺麗だと、羨ましいと褒めてくれていたのに。こんな状態じゃあ、いつもみたいに鼻を鳴らして自慢気に笑う事なんて出来やしない。…とりあえず適当な長さに切るべきかと右太腿のガーターベルトに装着しているナイフを取り出し、左手である程度の髪の束を持ち上げ握りしめそのまま勢いよくナイフで切る。うん、いけた。左手に握る髪の束と、少し軽くなった頭。本当に切ってしまったと軽く笑うと同時に胸が痛む。その痛みはどんどん全体に広がり、痛みに耐え切れなくなった頃双眸から涙が溢れ出てきて止められなくなる。…子供達が毎日綺麗だと褒めてくれた、自慢の髪。切り落とすことであの子達との繋がりまで切るような感覚が襲ったのだ。そんな筈ないのに、涙が止まらない。…髪ならまた伸ばせる。今は会えなくても、いつか必ず、あの炎から生き延びた子達と再会出来る筈だから。そう自分に言い聞かせながら、先程と同じく左手で髪を握り右手のナイフで切り落とすを繰り返して。ある程度の長さまで全体的に切り落とせただろうと鏡を見ようとしたのだが、涙のせいで視界が滲んでよく見えない。らしくない、いつまで泣いているんだと目元をゴシゴシと強めに腕で拭って、鏡を見る。…うわ、酷い顔。久しぶりに泣いたせいか目は真っ赤だし、長さを切っただけで全然綺麗じゃない。寧ろ悪化してる気がするんだけど。最悪…長く息を吐き出して、とりあえずナイフはもう必要ないかと、右太腿のガーターベルトに装着し直す。裁ち鋏ならもう少しマトモな仕上がりに出来るかと、今度は左太腿を探って裁縫セットを取り出し鏡台へと置いて。中から裁ち鋏を出し手に待てば、このくらいだろうかと大体の目安で切っていくのだが…後ろの髪は無理だと、両サイドを切ってから気付く。そうゆう髪型もないことはないが中途半端は好みじゃないしどうしよう。暫く悩んで、ふと、ソフィアの顔が思い浮かぶ。あの子なら綺麗にしてくれるかも?そう思えば直ぐに椅子から立ち上がり、扉の方へと向かいそっと開けて)
ソフィア~…居る…?
(大声で呼びかけたいところだが、まだ見知らぬ住人に今の姿は見せたくない。だからなるべく声は抑えて、それでもよく聞こえて欲しいと思いを込めながら彼女の名前を呼び掛けてみて)
>(客室/リディ宛て)
はぁ~い、居ますよ。呼びましたか?あら、髪整えて差し上げましょうね。
(近くには居るようにしていたのか、程なくして姿を現し。呼び掛けたそんな彼女を見ると、散髪していたようで。どうして目元が赤くなっているのかも気になるところだが。其れは後で慰めよう。手先は器用だ、任せて欲しい。さぁさぁ、是非髪整えさせて下さいと踵を返すよう促して。鏡の前に来させ椅子に座らせれば、何処からともなく梳き鋏やらを取り出し、丁寧にサラサラ…サクサクと切って整えていく。丁度良くなると彼女の肩に手を置き、前のめりに鏡を覗き込むようにして窺い。)
出来ました、如何でしょうか?
>>(客室/ソフィア宛て)
良かった……うん、お願い。
(扉を開き呼び掛けて数秒もしない内に声が聞こえ、彼女の姿が見える。近くに居てくれたのかと安心し息を吐き出して、良かったと肩の力を抜き。髪の酷い現状を見れば彼女の方から整えてくれると申し出をされ、軽く頷いては微笑みを向けお願いし。それから直ぐに踵を返せば促されるまま鏡台の前へ向かい椅子へと腰掛ける。…あんなに酷かった髪が彼女の手によって綺麗に整えられていく様子を鏡越しにじっと眺めながら、やっぱりお願いして良かったと仕上がっていく髪に対して頬を緩め。肩に手が置かれ鏡越しに目を合わせつつ、問いかけには嬉しそうな声色で応え)
ん、凄く気に入ったわ。ソフィアにお願いして良かった。ありがとう。今出来るお返しっていったら…ハグとかくらい?
(肩までつかないくらいの長さなんて、一体いつ以来だろうか。髪と一緒にほんの少しだけ心も軽くなった気がするなんて思いつつ、彼女に対して柔らかな笑顔と共に心からのお礼を伝えて。何か返したいと考えればそのまま言葉にしており、物は無理だから行動で示そうかと椅子に腰掛けたまま両腕を少し上げて軽く首を傾げ)
>(客室/リディ宛て)
んふふ、また何かあれば何でもお申し付け下さいっ。えっ、宜しいんですか?…では、失礼して。
(調整と手入れが終わり、鏡越しに視線が合いつつ問い掛ければ、問題なくお気に召したように返された。貴方の為なら尚更労力を惜しまない。そう内心で決意して。思わぬ報酬の提案をされ、彼女が両腕を上げたのを見れば、更に近寄り覆い被さるような体勢を取り、むふふとあまりの幸福さで頬を緩める。少しして身を離すと、真っ直ぐに彼女を見詰め、布を調達するならば、館を出て商店街を見てみないといけない、と危険は伴うが繰り出さない事には始まらない訳で、どうするか彼女へ本当に出掛けたいか訊ねて。)
─さぁ、館を出てみますか?
>>(客室/ソフィア宛て)
遠慮なくそうさせて貰うわ。ん……いい子、いい子。
(これだけ髪を綺麗に仕上げてくれた彼女のことだ、きっと何を頼んでも器用にこなしてくれるだろう。だから遠慮なく頼ると伝えては微笑みを向け。ハグの提案に対し一瞬驚きながらも更に近寄り、被さるような体勢に。そんな彼女の背中にそっと腕を回してはぽんぽんと優しく叩きながら、孤児院の子達にしてやったように、柔らかな声色でいい子と繰り返し褒めてやり。本当に可愛い子ねぇなんて頬を緩め軽く頭を撫でた後そっと身体が離され、真っ直ぐにこちらを見つめる彼女と目が合う。真剣な眼差しに吸い込まれるように見つめていれば、館を出てみるかと問いかけられ。…答えは決まっている。ふっと口角を上げ笑ってみせ、少し勢いをつけなから椅子から立ち上がり)
うん、出るわ。裁縫以外でじっとしてるの苦手だし。ソフィアと一緒なら大丈夫。…でしょ?
(迷うことなくハッキリと、出ると告げる。彼女と一緒なら安心してもいいんだろうと、信頼に近い眼差しを向けながら軽く首を傾げ)
>(客室/リディ宛て)
お供で守ってみせます。
(背を撫でてくれただけでなく、頭まで撫でられ其れもまた嬉しさが込み上がった。彼女からも見詰められ、立ち上がった彼女から問い掛けに賛同される。裁縫以外ではじっとしてられない性分だとも彼女は言ったが、身を委ねてくれるのだから、死守しなければ。信頼のようなものである証を向けられる眼差しを確りと受け止め。手持ちは多少ある、此の儘外へ向かおうと片手を差し向け。)
では、外へ向かいましょうか。
>>(客室/ソフィア宛て)
ん。守れなきゃこっちから手が出ちゃうかもね?
(一緒なら安心出来る筈だと、信頼に近い眼差しを向けてみれば確りと答えが返って来た。誰かから守られるなんて慣れないことを何だかほんの少しむず痒く感じたらしく、子供達が悪いことをした際にお見舞いしていた(お尻ぺんぺん若しくは頬にビンタの)仕草として思い切り右腕を振っては悪戯っぽく笑って見せて。差し出された片手に自分の右掌を重ね、軽い力で握りながら真っ直ぐに彼女を見つめつつよろしくと返し)
そうね。よろしく。
>(客室→館外→鬱蒼な森/リディ宛て)
(冗談かは判らないが、ふふ、と右腕を振ってみせる様を受け止めた。差し向けた片手に、握られればよろしくを伝えられ、真摯な眼差しで応え軽く頭を下げ。繋ぐ手を引いて館を出ると日暮れにはまだ遠い明るく、微かな木漏れ日の下に出た。先導して歩き、一先ず時折彼女の安否を窺いつつ深い森を抜け、そろそろとした足取りで立ち入り禁止札のところ迄やって来る。くる、と振り返れば真剣みが帯びた眼差しで見遣り、声を掛けて。)
此処から更に警戒して参りましょう。
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