せんせい、あのね。(〆)

せんせい、あのね。(〆)

女子生徒  2024-04-30 23:32:52 
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  • No.684 by 御影 みき  2024-08-18 20:08:49 






……ふふ。せんせーかわいい、だいすき。


( ここで照れ隠しに〝ご褒美になんてなんてない〟と悪態をつくことの無い優しい所がみきが彼に惹かれてしまう理由のひとつであり、みきは嬉しそうに瞳を細めればこのままぎゅっと抱き着きたい気持ちをグッと抑えて手を繋ぐように彼の服の裾を掴むだけに収まり。本当は手を繋ぎたかったけれど今日は(強調)上手い言い訳が思い浮かばないので。ムムムと不満げに彼を見つめていた瞳は、にやりとしたり顔で首を傾げる彼の言葉に大きく驚きに見開かれ。真っ白な肌はみるみるうちに赤くなっていき、「 なッ、…! 」と先程までワクワクと1人盛り上がっていた単語をピタリと当てられてしまえば思わずなんにも言えなくなってしまい。 )


  • No.685 by 鳴海 司  2024-08-18 21:32:08 




うっせ。
ったく……お前くらいだぞ、俺に可愛い可愛い言ってくるの。

( 裾を掴まれたことに少しだけ反応は示したものの、振り解くほどの事では無いのでそのままに。これがするりと手を繋ぐ形に移行できるようになるのは数年後になるのだがそれはまだ見ぬ未来の話。いい歳をした成人男性が"可愛い"と言われるのは正直むず痒いが、彼女からに関してはそろそろ言われ慣れてきたような気もする。咎めることもなくやれやれと溜息をひとつ吐いて。あっという間に真っ赤に染まった顔に、やはり予想は当たったようでしてやったり顔。「お、当たり?やっぱりお前のことだからどーせそんな風に考えてんだろうなと思ったよ。」どこまでも乙女な彼女が、(自分で言うのも何だが)こんな絶好の機会を楽しまない訳がないと踏んでいたのは大正解。にぃ、と悪戯っ子のような笑みを浮かべながら固まったままの彼女を見つめて。 )


  • No.686 by 御影 みき  2024-08-18 22:46:33 




だってほんとのことだもん。
せんせーはカッコイイけど可愛い。

( くすくすと悪びれもなく笑いながら自分の想い人は可愛いもかっこいいも兼ね備えているハイブリットだなぁとつくづく感心してしまえば、拒否されない手はもちろん離すつもりもなくそのままで。いつかこれが恋人繋ぎになったらいいなぁ、なんて願ってしまうけれどそればかりは自分だけではどうしようも無いのであくまでなったらいいなの形なのだが。当たり?の言葉にスッカリ彼の罠にハマってしまったのだと気が付けば漸く驚きに振っていた思考が戻ってきて。「 ず、ずるい…!だって好きな人と帰るのは下校デートだもん、みきだけじゃなくてみんなそう思っちゃうに決まってるんだからぁ…! 」 と大人のずるさに文句を言いつつも結局は開き直ってしまえば頬を赤らめたままに実に子どもらしい言い訳を丁寧に展開していき、ぷい!と拗ねるようにそっぽを向いて。 )



  • No.687 by 鳴海 司  2024-08-19 04:46:52 




………お前は俺に対して過大評価しすぎ。
☆先生なら分かる気するけどさ。

( 視線は歩く方向へ向けたまま、何ともこそばゆい評価を受けては何処となく照れ臭そうな気まずそうな表情を浮かべて。別に彼女のイメージを崩さないようにと気を遣って生活しているわけでは無いのだが、自分の一挙手一投足に何かしらのハードルが備え付けられたような気分になっては小さく溜息をひとつ。そもそもそういったプラスな評価が良く似合うのは例に挙げた人物ならば納得なのだが。やっと動き始めたかと思えば、わなわなと文句を連ねてくるその様子に再び可笑しそうに笑っては「何がずるいか分かんねーけど、別に否定しようとしてるわけじゃないからそんな拗ねるなって。」と、そっぽを向いた彼女を宥めるように声を掛けて。…ただし笑いながらではあるが。 )


  • No.688 by 御影 みき  2024-08-19 10:47:11 




だって好きな人だよ?世界でいちばんかっこよくて可愛く見えるものだもん。


( どこか所在無さげに見えるとなりを歩く彼の横顔をきょとん、と見つめればそのあとにすぐににっこりと笑ってなんの恥ずかしげもなく言葉をつらつらと紡いでいき。確かに女子生徒人気NO.1の☆先生もイケメンだなぁとは思うけれど彼に感じるようなときめきだったり庇護欲はなにひとつ感じないため残念ながら彼の言葉には同意ができず。むしろ彼は自分のことを過小評価し過ぎだと思うけどなぁ、と色眼鏡を抜いたとしても彼は充分に魅力的な人なのでみきとしてはもっと自信を持ってほしいところではあるのだが。言葉こそ宥めるようなものではあるけれど、彼限定のエスパーであるみきにとって絶対に彼が可笑しそうに笑っていることは火を見るよりも明らかで、じと…と不満げに彼の方を振り返れば「 ……否定しないの? 」と、てっきり彼のことだから〝ただの下校〟とデート部分を否定されると思っていたので取り敢えず取り急ぎその部分だけは不満げながらも確認をして。 )



  • No.689 by 鳴海 司  2024-08-19 16:52:33 




それにしても可愛いはなぁ……、
おっさんからすれば複雑というか恥ずかしいというか…。

( 彼女の言い分は分からなくもないが、やはり相手が歳の離れた大人(というか自分)なのでどうにも素直に受け取るには引っかかってしまうようで。ちらりと隣の彼女を見れば、こちらの気持ちも知らずにいつも通りの可愛らしい笑顔。申し訳程度にぶつぶつと反論を呟いてはみても、その笑顔には勝てる気がせずに最終的にはこちらが折れる形にはなるのだが。こういう時ばかりはエスパーがしっかり働くのもまた可笑しいが、正直今の自分はエスパー関係なく誰が見ても楽しそうに笑っているように見えるだろう。だが不満げにとはいえ、彼女にとってきっと一番気になる箇所の確認を取ってくるところはやはりちゃっかりしているなと思い。「ま、どう思うかはお前の自由だから。……って言っても寄り道とかはできないから普通に帰るだけになるけどそこは勘弁な。」じとりと伺うような視線を受ければ、こちらに彼女の考えを否定する気は無いと改めて伝えて。しかし残念ながらあからさまな"デート"の形は立場上取ることができないため、比較的楽しみの少ないだろう帰路になるのは仕方のないことで。 )


  • No.690 by 御影 みき  2024-08-19 19:10:22 



せんせーはみきにそう思われるの、嫌?


( にっこりとした笑顔はそのままにふとそんな事を問いかけてみれば、彼の返事を伺うように段々と暗い夜のカーテンに包まれてきた街灯に照らされている夕陽色の瞳はじっと彼を見つめていて。最も、質問に特段深い意味はなく彼が嫌なら〝言うのは〟やめよう、と思って。別に思うだけならばタダなので。自分の発言や行動に真剣に悩んだり呆れた笑ったりと色んな表情を見せてくれる彼は過大評価でも何でもなくかわゆいと思ってしまうもので。彼からハッキリとデートを否定しない旨を伝えられればじとりと不満げに細められていた瞳はあっという間にぱぁ!と輝き、「 いいの、好きな人とと一緒に歩けるだけでみきにとってはデートだから。 」と、普段ハグやら彼にとって難易度の高いものを強請っている人物と同一人物とは思えないほど些細な幸せを噛み締めているようで。 )



  • No.691 by 鳴海 司  2024-08-19 23:03:26 




べ、つに…嫌ってわけじゃ無いけど……。

( 夕闇を背にこちらに向けられた夕陽色の瞳には何だか不思議な圧を感じる気がするが、それは決して悪いものでは無く。男として、ましてや遥か年下に可愛いと言われるのはもちろん複雑なのだが、目くじらを立ててまで絶対嫌だと言うほどの事でも無いのは事実。ぐぬ…と押し負けるように言葉を飲み込めばもはやそれ以上は何も言えなくなり。こちらが否定しないと分かるやいなや、瞳に輝きを戻して今度はしっかり"デート"の単語を使ってくる現金な彼女に呆れたように笑い。「散歩だけで済むデートって俺は嫌いじゃないけど、夏の昼間は却下な。」ハグの時ほど周りを気にしなくていい今は、学校から離れたことで少し心に余裕が出来ているのかもしれない。こんなので喜ぶなら…と絆されそうになるが口には出さず脳内に留めるだけで終わり。 )


  • No.692 by 御影 みき  2024-08-20 01:34:16 



ふふ!
なら問題ないね、困ってるせんせーも可愛いくてすき!


( 複雑そうな表情ながらもこちらの言い分を渋々飲み込んだ様子の彼に満足そうににこ!と満面の笑顔を浮かべてしまえば、手を繋ぐ代わりにみきの手が掴んでいる彼の服の裾を軽くゆらゆらと揺らしいつものアピール。別に彼を異性として意識してない訳では決してのない(むしろ最近めちゃめちゃ異性を感じすぎてしまい困っている)のだけれど、好きの次くらいにサラリと言いやすいので多用してしまうのだ。気まずそうな彼にはちょっぴり申し訳ないけれど。デートを否定しないどころか、まるで次のデートがあるような彼の言葉に漸く治まってきた顔の火照りはまた復活し。「 な、夏の昼間以外ならまたデートしてくれるの……? 」と、いつもよりも数段甘い彼の対応に頭がついていかずに彼へ問い掛けながらもどこか自分自身に言い聞かせるかのようにゆっくりと彼の言葉を確認して。 )





  • No.693 by 鳴海 司  2024-08-20 08:43:15 




困らせられてる張本人に言われるのもなー……あ。
…まあでも、困る姿が可愛く見えるのは分からなくもないかも。

( 逆らう事なく裾ごと揺らされる腕をそのままに呆れたように返せば、前回別れた公園が少し先に見えてきて。酒のせいと言い訳を述べた上で、厳密に言えば困っていた訳ではないにしても確かにあの時の彼女は可愛らしかった。それを思い出せばまたにやりと意地の悪い笑みを浮かべ、隣を歩く彼女をちらりと見やり。大切な言質を取るためだろうゆっくりと、しかしどこか希望も込められたような問いにくす、と微笑めば「……さあね。ま、たまにならこうして送ってやってもいいかもな。時間が合えばだけど。」と、きっと彼女が思い描いたものではないかもしれないが一緒に帰路に着くというくらいであればとの判断で。もちろん仕事があるため基本的には難しいからあくまで時間が合えば、なのだが。休日に待ち合わせて、なんてちゃんとしたデートが出来るような関係になるのは今はまだ無理なので、先生という立場上譲歩できる"デート"の形は今の所これが精一杯で。 )


  • No.694 by 御影 みき  2024-08-20 11:34:02 



え゙!?
せんせーに可愛いと思われてる子が居るってこと…!?だ、だれ!?ずるい!


( 彼の服の裾を掴んでるんるんと歩いている先に見えるのは例の公園。もう下校デートも終わりかぁ、と幸せな時ほど短く感じてしまう体感時間にしょんぼりする思いと同時にふと脳裏に過ぎったのは隣の彼に耳やら首やらを散々弄ばれた思い出 ─── あたりまで思考が届く寸前になにやら隣から聞き捨てならない言葉が聞こえれば驚愕に満ちたまん丸の夕陽色をバッ!と彼に向けて。ズルい…と羨ましそうに眉を顰める表情はまさか彼が自分に対してそう言っているとは微塵たりとも思っていないという顔なのだけれど、その顔が真っ赤になったり困ったように眉を下げたりとコロコロと変わるのはすぐ先の未来の話で。足を怪我しているから、時間が遅くなったから、その2つが重なったからこそ実現した奇跡の下校デートはどうやら今回限定のことではなくなりそうで、きゅう、と心臓が締め付けられるようにときめく感覚に襲われてしまえば「 っ~……せんせーぎゅってしていい…? 」とやりようのないトキメキを発散すべくほんのりと色付いた頬を隠すように両手で顔を隠しながらいつものようにダメ元で問いかけ。もしかしたら彼もこうして一緒に帰るのを悪くないと思ってくれているのかも、なんてふわふわと調子に乗って勘違いしてしまいそうになる乙女の心はいつまでもどきどきと心臓が早鐘を打っており。 )



  • No.695 by 鳴海 司  2024-08-20 16:56:50 




…………、
御影もよーく知ってる奴で、何だったらすぐ紹介できるけど?

( てっきり顔を赤らめて例の怖くない威嚇をしてくると思っていたのだがその予想は大外れ。彼女の余りにも素っ頓狂な考えにこちらも別の今で瞳をまん丸にしてしばらくきょとんとした後、その面白さがじわじわと滲んでくれば自然と上がりそうになる口角を誤魔化すようにこほんと咳払いをひとつ。驚きと羨望と少しの嫉妬が覗く彼女の夕陽色を正面からじっと見据えれば、にっこり笑って件の相手を教えようかと問いかけて。もう何度もNOを突きつけているお馴染みの質問が飛んでくれば「いいわけないのでダメでーす。」と、こちらもお馴染みの答えをちろりと出した舌と共に返し。いくら学校から離れていて人も疎らとはいえ、往来で抱き合うのはさすがに憚られるものがあるので。仮に彼女が実力行使に出たとしても歩みを止めるつもりは無いので、ズルズルと引き摺って側から見れば戯れているようにしか見えない状態になるのだろうが。足の怪我が治れば一緒に帰る理由としては"時間が遅くなったから"一択になりそうだが、日頃から放課後の度に準備室にやってくるのであればきっとこれからも何回かは彼女曰くの下校デートを開催することになりそうだなと薄く微笑んで。 )


  • No.696 by 御影 みき  2024-08-20 19:12:14 



!!!
知りた、……いや、ううん、ちょっと待って…!でも知りたい…うーん…み、みきの心を傷付けない感じで教えて…。


( 紹介できる、なんて言われてしまえば当たり前に知りたくなってしまうもの。真っ直ぐにこちらを見つめる彼の瞳に即答しかけたものの、自分がよく知っている人物で尚且つ直ぐに紹介できる人ということは彼と自分の共通の知り合いな訳でみきはグッと言葉を詰まらせて知りたいの言葉は途中で留まり。彼に片思いをしている身でありながら本人からそんなことを直接告げられたら果たして自分のメンタルは耐えられるのかと、誰もいない公園に足を踏み入れたあたりでその場にピタリと立ち止まってしまえば自分自身の葛藤と戦っているのか固く目を閉じたまま量の手のひらを彼に向けて御手柔らかにのポーズ。怖いけれど我慢出来ずに足を踏み入れようとするその姿は、ホラー番組を見ておとうとの布団に潜り込む様子と全く同じで。いつも通りの、もうすっかり聞き馴染んでしまった彼の返事に項垂れてはこのどこに発散もできないトキメキを抱えたまま「 今日甘々だからイケると思ったのに… 」とぼそりと呟いて。とはいえここで彼にOKされてしまったらそれはそれで予想外なので顔を真っ赤にして慌てふためくのは目に見えているので、この絶妙な甘さ加減がみきのよわよわな心臓にはピッタリなのかもしれないけれど。 )



  • No.697 by 鳴海 司  2024-08-21 06:43:09 




はは、そこに関してはたぶん大丈夫だと思うけど。
じゃあまあ……とりあえず遠慮なく。

( 目の前で繰り広げられる葛藤の末、僅かに勝利を掴んだのは欲望の方らしい。恐々、といった感じではあるが腹を括ったように戦いを終えた彼女の一連の流れに堪え切ることができず少しだけ笑いが漏れて。辺りがだいぶ暗くなってきたとはいえ一応きょろ、と周りを見渡して人がいない事を確認すれば、何だか悪いことをしているような気分が少しだけ湧いてきてしまう(相手が生徒というのは正直グレーゾーンではあるが)。誰とも知れない人物を頭の中に思い描いているのか目を瞑ったのをこれ幸いとこちらに伸ばされた両手を避けるようにするりと彼女の頬に手を伸ばしては、下ろされたままの艶やかな黒髪に少しだけ指先が分け入ればその下に隠された小さな耳に軽く触れて。何度突き返されてもめげない彼女に自然と口角が上がれば「お前はほんと諦めが悪いよな、尊敬するよある意味。」と可笑しそうな声色で返し。といえ、彼女曰くどんなに甘々であっても自分の中の線引きを越えないようにこちらも実は耐えていたりするのだが、それを敢えて教える必要は無いので脳内でぼやくに留まり。 )


  • No.698 by 御影 みき  2024-08-21 08:10:14 



!……っひゃあ!?

( 誰の名前が飛んできても嫌な顔せずに笑う!なんて決心を心に決めながら彼から果たして誰の名前が出てくるのかと瞳を瞑ったまま待っていれば、ふと頬や耳に彼の手が感触が伝わり思わず小さな悲鳴をあげては慌てて両手で口元を抑え。瞳を瞑り更には彼の言葉を拾おうと耳に意識を集中させていたせいかいつもよりも数段増しに過敏に感じる気がする彼の手の感触に咄嗟に開いた目は困惑の色に満ちており、眉を下げながら彼の行動の意図が読めずに真っ赤な顔で彼を見つめて。可笑しそうに口角を上げながらどうやら此方を褒めてくれている(?)彼に釣られるようにみきもへらりと笑えば「 そう、みき諦めが悪いの。だからせんせーが折れてくれるまでずうっとこんな感じの予定。 」とどこか脅しにも程近い返事を返して。彼が折れて此方に応えてくれない限り─── もしくは彼が本心から迷惑だと思わない限り ─── はずっとこうしてぐいぐいとアピールをしていくのだと、彼がどんな感情を抱えているかもなんにも気にせずへらりと笑って。大体古今東西どこの少女漫画も、諦めずに突き進むヒロインが最後は成就するのだからみきもそれを見習っているらしく。 )



  • No.699 by 鳴海 司  2024-08-21 09:30:08 




ほら可愛い。

( 驚いて開かれた目には明らかに疑問符が散りばめられており、今はもう暗くなってしまったが少し前まで染まっていた空以上に真っ赤になった顔で真っ直ぐ見つめられれば、返す言葉と笑顔は愛しさの中に少し意地悪さも混ざったもので。紹介するとは言ったけれど名前を出すとは言ってないし、そもそも今現在眉を下げて困ったような顔になっているのは目の前にいる彼女だけ。いくら自分自身に関しては鈍感な彼女といえど察するのではないだろうか。しかしさすがに前回ほど弄ぶ…もとい触れ続けるのは素面なのもあって理性の方がだいぶ優勢なので、すぐに手を退けば両手を顔の横に挙げてこれ以上は何もしませんのポーズを。へらへらと笑う彼女に溜息混じりの呆れた笑いを向ければ「お、ストーカーの宣言か?先生を脅迫するなんて怖い生徒だよお前は。」と冗談で返しつつも決して"辞めろ"とは言わずに。彼女の猪突猛進さに見習っている手本があることなどもちろん知らないのだが、正直少しは元来の性格も作用しているとは思っていて。…とはいえ、こうしてグイグイと攻められることで本当にこちらが折れてむしろ攻め返すようになれば、いったい彼女はどんな反応をするのかが気になるのは隠された本音ではあるが。 )


  • No.700 by 御影 みき  2024-08-21 19:29:03 





っ、─── !?


( 彼の言葉に不思議そうな色を宿していた瞳は驚きに揺れて、鈍いみきでもさすがにこう真正面から告げられてしまえばその意味を理解するのも簡単で。彼に真っ直ぐに可愛いと告げられた事実と、そう思われていた事実と、先程触れられたばかりのどきどき、そしてなんと言っても彼の言葉に含まれた誤魔化しようがないくらいの自分に向けての気持ちが混ざっている気がして、そんな全て噛み合わさってみきは今にも顔から湯気が出てしまいそうなほどで。うそ、と言葉にならない言葉を零しながらへなへなとその場に座り込んでしまいそうな上手く力の入らない足で1歩だけ後ずされば、艶々と涙の膜で輝く瞳で彼を見つめることしか出来ず。ストーカー、だなんてからかわれてしまえば人聞きの悪い!と呆れてしまったけれど、その奥で決してそれを拒否したり辞めさせようとしない彼がいることに気が付けばがお!と狼のポーズをしながら「 今更そんなこと気づいたってもうみきはせんせーのこと大好きだから、諦めてね。 」とくすくす楽しそうに笑い。もう後戻りができないくらいに彼に心のぜんぶを奪われてしまったみきは、残念ながら彼が怖がるポーズをしたってこの気持ちはやめてあげられそうにないからもう諦めて愛され続けろといわんばかりにその瞳は真っ直ぐに自信ありげに彼を見つめ続けて。 )



  • No.701 by 鳴海 司  2024-08-22 08:24:13 




ほんと、お前が言うように困ってる顔は可愛らしいな?

( こてりと首を傾げながらくすくすと揶揄うように笑いを零すも、うるうると輝く彼女の瞳を見つめる目は優しいもので。何度でも言うが、生徒は確かにみんな可愛い。けれど笑顔はもちろんこうして困った顔や照れて真っ赤になった顔、むすりと不満げな顔ですら特別に可愛く思えてしまうのは相手が彼女だからに他ならないだろう。本音を言えばこっちだって薄らと惹かれている気持ちがある事には少しだけ自覚はあるが、だからと言って関係性を縮めるわけにはいかないので今はまだ様々な想いはぐっと飲み込んで。堂々とした彼女の態度と言葉に眉を下げて溜息を吐けば「はいはい。別にもう抗う気も起きねーよ。」と呆れたように笑い。正直未だになぜここまで懐かれてしまったのかが自分では良く分かっておらず、何かキッカケのようなものがあっただろうかと考えたりした事もあるがやはりこれといったものは思い浮かばなくて。とはいえこうして1年以上も隠す気のない片想いを向けられていると、キッカケなんて些細なことを気にする事もなくなってくるわけで。自信に満ちた夕陽色の瞳がまさに彼女の想いの強さのようなものを物語っているようで、何もしませんのポーズから少しだけ手を持ち上げてはお手上げのポーズに変更を。 )


  • No.702 by 御影 みき  2024-08-22 11:55:15 



や、やだ……今変なお顔してるから見ないで…


( 此方を見つめる彼のダークブラウンはからかい混じりの言葉とは裏腹にやさしい色が満ちており、このままそれを見つめてしまったら彼が少しでも自分と同じ気持ちを抱えているのではと勘違いしてしまいそうになるとみきはそれから逃げるようにパッと彼に背を向けて。ばくばくと痛いくらいに存在感を主張してくる心臓がこのままだと彼に聞こえてしまいそうで、いつものようにからかわれているだけ、この後に生徒はみんなという言葉が付け足されるはずだと自分自身を落ち着かせようと言い聞かせても顔の赤みもうるさい心臓も全く大人しくはなってくれずに先程まであれほどグイグイと攻めていた様子は一気になりを潜めてしまい。彼のお手上げのポーズに思わずくすくすと笑ってしまえば、もうすっかり諦めているらしい彼に満足気にみきも瞳を細めて。入学当初はちゃんと丁寧に断ってくれていた彼もいつの間にかこうして諦めて受け入れる(もとい受け流す)ようになり、最近ではたまにちょっと仕返しをするように此方に悪戯に触れてくるようになったのをしみじみと思い返せば「 …せんせー流されやすいからちょっと心配…。 」と、押しの強い自分に諦めがちな彼に思わずぽそりと呟いてしまい。 )



  • No.703 by 鳴海 司  2024-08-22 15:19:40 




別に変じゃねーだろ、
いつもみたいに真っ赤なだけで。

( 残念ながら今日は顔を隠せるテスト用紙やらが無いので背を向けるしかできなかった彼女の後ろ姿に楽しげな声色で声を掛けて。つい先程まではむしろこちらを揶揄うように可愛い可愛いと楽しんでいた相手が、ほんの少しの反撃でこうもしおらしくなるとは。これは前途多難だな、と聞こえないくらいの声量でぽつりと呟けば、彼女の予想に反してお決まりの台詞は付け足さずに動かなくなってしまったその背中をさてどうしたものかととりあえず見守ってみて。微笑みながら思い出を振り返っていたらしい彼女から突然心配されれば「な、何だよ急に……、俺そんな流されやすくない……と思うけど…。」と、まったく心当たりが無いという訳ではないのかどこかたじたじと最後は尻すぼみに返し。 )


  • No.704 by 御影 みき  2024-08-22 16:26:42 



だって!
……せんせーが、…可愛いって言うから。


( いつまで経ってもいつものお決まりの台詞は付け足されることがなくて、嬉しい気持ちと困惑の気持ちがごちゃ混ぜになった頭の中は今にも泣いてしまうかのような震えた小さな声で彼に返事をすることが精一杯で。ちらり、と彼の方を振り返っては本当に?と言いたげにきゅうと眉毛を下げて瞳だけで問いかけて。普段あしらわれている分、こうして彼からちょっと突っつかれてしまえばその威力は何倍にもなってみきにときめきとして降り掛かってしまうので正直今は足の怪我なんかは頭の片隅どころか公園の入口に落としてきてしまった程に忘れているほどで。言葉とは裏腹にどうやら心当たりのある分かりやすい反応を表してくれた彼にやっぱり…と言いたげに「 せんせー、自分が面倒じゃないなって思ったことなら大体押し流されちゃうイメージあるんだもん。現に今みきに流されてるし…。 」と、普段とは立場がぐるりと入れ替わりなぜかみきが彼に危機感を指摘し始めて。たまたまみきは悪い知識も作戦もなんにもないまま彼にくっついているけれど、もしみきが悪い子だったらきっと大変なことになっていたんだろうなとちょっぴり心配そうにちらりと彼を見やって。 )



  • No.705 by 鳴海 司  2024-08-22 17:36:56 




お前だってさっき散々言ってきたろ、
お返し。

( 言うなと言っても辞めない彼女は良くて自分が言うのはダメな道理は無いだろうと、腕を組んで小首を傾げれば目を細めてくすりと悪戯に微笑み。お返しとは言っても揶揄っているつもりは無いので"嘘"や"冗談"といった言葉はもちろん出てこず、それ故に夕陽色の瞳からの声無き問いかけには答えとして充分だろう。彼女だって可愛い生徒のうちの1人であることに違いはないのだが、向ける親愛に少しばかりの差があることを彼女が明確に理解するのはもう少し先になるかもしれない。…但し期待するだけならタダなのでそこに関しては自分も敢えて何かを言うつもりは無いのだが。見事にど真ん中の正論で返されれば更にぐぬ…と言葉に詰まるも、「…先生は生徒に優しくあるべきだからいいんだよ、流されてんじゃなくて俺の意思。」と逃げるように少し早口でつらつらと言葉を並べれば、反論がきて確実に負ける前にパッと公園の出口を指差し「ほらもう帰るぞ。」と再び歩みを進めて。 )


  • No.706 by 御影 みき  2024-08-22 18:44:41 



ゔ、……。

( お返し、だなんて言われてしまえば先程さんざん彼にかわいいかわいいと言っていた自分を思い出して何も言えなくなってしまい。渋々、と言ったように彼の方を振り返ればふと〝お返し〟とは言ったけれど、これが他の生徒を含むだとか冗談だとかそんな言葉は彼が1度も言っていないことに気付いてしまいまたみきの熱は上がって。もう充分というほどに好きなのに、これ以上好きにさせて心を掻き回すのは勘弁して欲しいとむむむ、とみきは唇を尖らせ。つらつらと流れるような反論に口を開きかけたものの、言おうとしていた言葉はそれを遮るような形で告げられた帰宅を促す彼の台詞によって声になることはなく。ずるい大人だ…だなんて思いながらも彼も今日はたくさん動いて疲れただろうから帰りたくないの我儘は今日はお預けしようと「 はぁい。…せんせー、送ってくれてありがとね。今日かっこよかった、だいすき! 」 と数歩公園の出口にととと、と歩いたあとに彼の方を振り返りながら本日の彼の活躍を最後にもう一度褒めて、それからいつもの台詞で締めくくり。本当はまだお話していたいし連れて帰って欲しいなの気持ちもあるのだけれど、それは卒業した後にもう一度チャレンジしてみようかな、なんてこっそりと決意しつつ。 )




( /いつも大変!大変お世話になっております…!お陰様で毎日にこにこしておりみきは勿論何故か背後までキュンキュンときめいております!!年の差っていいな…!(にっこり)と言った感じです。

この後についてのご相談なのですが、以前お話していた夏休みだったりトークアプリ上のメッセージだったりがいいかなぁと思っているのですが背後様のご希望(どちらがやりたい、他にこんな感じなのしたい等)はございますでしょうか…!?
ちなみに背後はせっかく連絡先交換したし、両親が旅行・弟は部活の遠征、という家でひとりぼっちの日に限って学校に家鍵を忘れてしまい…!みたいな少女漫画あるあるみたいなやつを…やりたいななんて思っておりまして…!ただこれは全然夏休み後でもいつでも出来るやつですし、先生的にもちょっとライン越えすぎるなと思いますのでやるやらないはお任せ致します…! )

  • No.707 by 鳴海 司  2024-08-22 22:23:12 




はいはいありがとな。
御影もお疲れー。

( どうやら反論できない彼女の唇が悔しそうに尖るのを見れば勝ったとでもいうようにふふんと口角が上がり。しかし素直に帰路に着いた彼女からお馴染みの台詞にプラスして本日の頑張りに対して再びお褒めの言葉を頂けば、少しだけ照れ臭そうに礼を述べて。彼女にもちゃんと労いの言葉を掛けては去っていく背中が見えなくなるまで見送ってから自らも帰路に着いて。───自宅であるアパートに近付けば、近くの植え込みに茶トラ模様の野良猫を発見。ふと思い立てば逃げられないよう少し離れた位置から写真を撮ってそのままトークアプリを開き、彼女のトーク画面を開いてはシュポ、と撮ったばかりの写真を送って。続け様に『猫いた』と何の飾り気もないシンプルな一言を添えれば、「じゃーな。」とモデルをしてくれた野良猫に挨拶を。何とも肝の据わった野良猫のようで、害がないと分かれば呑気に欠伸をしているその姿に笑いかけた後家に入り。 )



( / それはむしろ私の台詞でございます!返信の頻度や時間帯にムラがあって非常に申し訳ないのですが、いつも楽しくお話をさせて頂けて…主様への大感謝祭を連日開催しております……本当にありがとうございます…!
こちらこそいつもみきちゃんの可愛さに悶えさせられて、先生と背後の戦いが続く毎日を送っておりますよォ…。

こうして相談し合える時間すらも楽しくて仕方ないのですが何もないのは寂しいかなと、とりあえずメッセージでのやり取りで軽く場を持たせつつご相談できればと勝手に始めた次第ですが……もしもしっかりとトークアプリ編(?)をご所望であれば適当に流してくださっても大丈夫ですので!

そうですね……、奇跡的に展開内容とリアルでの季節感がマッチした状態が続いておりますので、もし宜しければこのまま先に夏休みや夏祭りを楽しめたら…いいナ……などと思ってたりしちゃってます…!
そして主様のご提案が素晴らしすぎて背後の鼻息が荒くなってしまってますよ……最高ですか!!めちゃくちゃやりたいです!!!(クソデカボイス)
お忘れですか主様……。ここでは我らが神なのですよ…?(ニチャア)
…とはいえやはりラインが気になるようであれば、いっそのこと"未来の話"として楽しんでしまう手もアリかなとは思います。ただその場合、すでにお付き合いを始めているかどうかでまた先生側の対応が変わってくる可能性もありますが…! )


  • No.708 by 御影 みき  2024-08-23 00:22:07 






ねこちゃん…。


( お家について、シャワーを浴びて、そろそろご飯。の前にそういえば結局行かなかったクラス打ち上げについて何か来てるかな…と自室のベッドにごろんと寝転がってトークアプリを開けば彼からのメッセージ。珍しい…!とちょっぴりそわそわしながらトーク画面を開けば添付されてある写真には可愛らしい茶トラ模様の猫が映り込んでおり、メッセージはシンプルな猫がいた報告。みきはきょとん、と瞳を丸くしたあとにすぐにふにゃふにゃと表情を和らげては『 ねこちゃんかわいい! 』『 せんせーは猫ちゃん派? 』と絵文字も織りまぜた女子高生らしいメッセージをポン、ポン、と連続で2つ送り。 )



( /とんでもないです!私も返信頻度にムラがありますので、そこらへんはお互いリアルと体調第一優先で健康に楽しんでいけたらハッピーでございます…!!

メッセージのやり取りで全然大丈夫ですありがとうございます!!私も背後様とのやり取りだけでも充分楽しくてにこにこですがせっかくならね!少しでも2人の距離をこう……グイッとさせたいので…!!(?)

そうしましょう!個人的にも丁度今の季節とマッチしていて「こう暑いとスポーツやってらんないよな…」と先生の方に肩入れしながら楽しんでおりましたので、現実とリンクしててロルも回しやすいと思う夏休み・夏祭りを先にやっちゃいましょう!秋がやってくる前に…!!

ア゙ー!!!!そうだったこの中では私たちが法律であり絶対神だった……!!ほなライン超えじゃないか!!()
えへえへでは私たちが神ですので、お言葉に甘えてなんにも気にせずに夏休みイベ終わりあたりにやらせていただきますね…!先生×生徒の少女漫画あるある、何かしらをこの2人にやってもらいたかったのではちゃめちゃに今嬉しいです…!歯茎むき出しスマイルしてます!ニンッ! )


  • No.709 by 鳴海 司  2024-08-23 08:23:34 




…ふー……、あ。

( 帰宅後すぐにシャワーを浴びて汗を流せばようやくすっきり、だがソファに腰掛けるともう立ちたくなくなるほど一気に疲れが襲ってきて脱力し。しかし携帯の存在を思い出せば猫の写真を見た相手の反応が気になり、普段ならば動き始めるのに少し時間を要するような状況だがすぐに立ち上がって机の上の携帯に手を伸ばし。返ってきたメッセージを見れば脳内で彼女が読み上げている気がして何だか可笑しくなってしまう。『こいつ可愛いだけじゃなくてふてぶてしかったぞ』『猫好きだけど犬も好き』と同じように2つ返信するもこちらはやはり絵文字や顔文字の無いシンプルなもので。 )



( / ヒョエ………ありがたいお言葉に頭が上がりません……優しさの権化……。どうぞ主様もご無理のないように、これからもお付き合い頂ければ幸いでございます…!

わあ良かったです!メッセージのやり取りだと少し気軽な感じもしますし、良ければこれからもちょこちょこ挟めたりしたらいいかなーと思っております。グイッとさせたい分かります…!むしろグイどころかガッといってギュッとさせちゃいましょう!(?)

季節感が合っていると感情移入しやすいですよね…、外の日差しに目を細めながらスポ大編は楽しませていただきました本当にありがとうございました!!
では次の転換ではもう夏休みに入っちゃった感じで大丈夫でしょうか?すぐに夏祭りに入るかどうかは、こちら特に希望は無いので主様にお任せできればと…。

良いんです良いんです、【生徒に手を出さない】という最終ラインさえ先生が越えなければそれ以外なんて些細なものですから!()
リアルで不足しがちなキュンキュン成分をここで摂取できるなんてすこぶる体と心が健康になります……少女漫画あるある、他にも探してぜひともやってみたいですね…!素敵なスマイルありがとうございます!私がやればまんま馬の変顔になりますがこちらからもお返ししますね!ニンッ!! )


  • No.710 by 御影 みき  2024-08-23 09:49:08 




( LINEの返事は直ぐにしちゃダメだってお友達が言っていたけれど、それでも好きな人からのLINEは直ぐに見たいし返事をしたくなってしまうのが恋する乙女の厄介なところ。だがしかしそんなに直ぐに返事をしてしまったら彼が困ってしまうかな、と少々上の空で夕食を終わらせれば(ちなみに献立はハンバーグだった)、自分の分の食器とついでに弟の分も洗ってあげて、リビングのソファに深く腰かけながら漸くスマホを手に取れば彼の返信を確認してふふふ!と笑ってしまい。ふてぶてしい猫、を想像してはツンケンちゃんだったんだなぁと思わず頬を弛めては『 猫ちゃんはそれが可愛いんじゃん~! 』『 みきもどっちも好き!お揃いで嬉しい! 』 と彼とはやはり対照的に可愛らしい絵文字が使われた文章を返して。 )


( / 是非…!こちらこそ末永くよろしくお願いします…!!!

次の展開相談させていただく時とかね…!はちゃめちゃに便利ですから…!!助かっております…!!!ギュッてね!ギュッてさせましょう……!なぜなら我々が神なので……!!!!!


もちろんです!程よくなったらこちらの方から転換させていただきますね…!!早くしないと夏も終わってしまいそうなので、先に夏祭りからさせていただければと思います!

そこらへんの解釈が合うの、本当にいつも助かっております……!いのちたすかる…!
イヤ本当に…ここで健康を維持しております…いずれガンにも効くようになるはず…!ちょっと漫喫などに行って少女漫画読み漁ってきますね!激スマイルたすかります~~~!!!!!!お互い笑顔で!楽しみましょう!(?)

ではでは次の展開のご相談もできたことですし背後はこちらで一旦失礼しようと思います!また何かございましたらお気軽にお呼び立てください~! /蹴可)



  • No.711 by 鳴海 司  2024-08-23 10:59:15 




( 帰りの道中寄ったスーパーで買った割引シールの貼られた弁当を温め直したものが本日の夕食。いつも通り普通に美味しいのだが、今日は少しだけ物足りなく感じてしまうのはやはり昼間に彼女お手製の弁当を堪能したからで。冷めてもあれだけ美味しいのならば出来立ては尚のこと美味しいのだろうなと考えていれば、とりあえず付けたテレビから流れるバラエティ番組など右から左へ流れていってしまい。──食後の一服にと煙草に火を付けたところで、食事中に鳴った携帯を手に取りメッセージを確認。その内容に微笑みながら心の中で同意しては『でも犬は実家にいるからせっかくなら猫飼ってみたい』と返信し、何となく彼女が猫を抱いている様子を想像しては再び微笑んで。 )



( / 夏祭りスタート了解です~!むしろいつも場面転換お任せしちゃってすみません…感謝の極み……!

お言葉に甘えて色々と蹴っちゃいましたが、改めてよろしくお願いしますー!
では私も失礼しまして…我ら神々は再び傍観席へと移動致しましょう!ね!!()
こちらも同じく、何かあればいつでもお気軽にお声掛けくださいませ!/蹴り可 )


  • No.712 by 御影 みき  2024-08-23 20:38:23 






「 あら、さっきまで散々お風呂が傷に染みたって騒いでたのに何だかご機嫌ねぇ。 」
んへへ。もう機嫌直った!

( 別に母には彼のことが好きな事を隠してはいないけれど、なんとなく彼とこうしてやり取りしていることは自分の中だけの楽しみとして消化したいのかそれは内緒で。猫を飼ってみたい、との彼のメッセージに自由気ままな猫に翻弄されながらも何やかんや猫に甘い彼の様子があまりにも簡単に想像できてしまい、何故だか自分が同じ部屋でそれを眺めているようなアングルだったことは完全無意識で。『 一人暮らしだと猫ちゃん寂しいと思うから、みきがたくさん遊びに行ってあげる! 』と彼に遠慮されるとは微塵たりとも思っていないようななんとも前向きなメッセージを返せば、ふともう間も無く11時だと気が付けば彼もきっと明日早いだろうと『 どんな猫ちゃん飼いたいかまた明日教えてね 』とハートマークのついた文を追加で送れば、そのまま『おやすみなさい!』 とデフォルメされた猫がすやすや眠っているスタンプを送り。 )
※蹴可





わ、人多いねぇ!
お祭りーって感じ!

( 時は重なり夏休み。ガヤガヤと賑やかな人混みに感心するようにほわぁと息を吐けば友人たちと共に絶賛夏祭り開催中の神社に足を踏み入れて。大きなオレンジ色の向日葵や小花が散りばめられたクリーム色の浴衣は、会えるか分からない想い人のために新調したもの。髪型は友人がクラゲヘアなるものを施してくれて更にはかすみ草がワンポイントとして飾られており。メイクもして、からんころんと下駄の音を響かせては立派な夏祭り満喫コーデの完成。男女3:3でぶらぶらと屋台を楽しんでいれば『 私かき氷買ってくる! 』 『 あ、じゃあ俺焼きそば! 』と言ったように各々腹拵えしようと提案が上がり、じゃんけんの結果みき1人が灯篭の下で買い出し組を待つお留守番係を任され。「 いってらっしゃあい 」とみんなを快く送り出したはいいけれどわいわいがやがやと楽しそうな人混みの中ぽつんと1人なのも寂しいもので、せっかくだしせんせーに会いたいな…と綺麗なオレンジ色のペディキュアが施された足元を見下ろしながら溜息を吐いて。 )



  • No.713 by 鳴海 司  2024-08-23 21:21:57 




( そこかしこから美味しそうな匂いを立ち昇らせている屋台、視界いっぱいに広がる見た目にカラフルな人の群れ。それぞれが家族友人恋人と楽しんでいる夏祭りの最中、動き易い服ということで何のお祭りっぽさも無い普段着に学校名の入ったネームタグを首から下げて見回りをしている自分はどこか場違いな気もして。羽目を外しすぎていたり揉め事を起こす生徒がいないかを、本日駆り出された男性教師数人が各々バラけて見回るのもある意味夏の風物詩ではあるのかもしれない。とはいえ生活指導の先生や熱血体育教師がいれば、自分や☆先生の出番は基本的には無いだろう。これだけ人がいればもちろん生徒たちにも会うわけで(実際☆先生は早々に女子生徒に捕まっていった)、学年性別問わず絡まれながら歩き回っていれば、行き交う人々の群れから少し外れた所にある灯篭の下でいちばん見覚えのある顔が1人動かずにいるのが見えて。髪型や雰囲気こそいつもとは違うものの、相手を見間違えるわけはないと確固たる自信が自分の中にあるためこっそり近付いては「そこのお嬢さん、1人で何してんの?」と彼女の視界の外から声を掛けて。 )


  • No.714 by 御影 みき  2024-08-23 22:04:20 






─── わッ、『 私、彼氏待ってるので 』!

( ふと、自信にかけられた聞き馴染みがあるようなないような声に多少棒読みではあるものの目線を上げずに直ぐに告げたのはお留守番を任された時、友人から口酸っぱく言われたこの言葉。誰がなんて言ってこようと、例え道に迷ったと言っていたとしても、とにかく一言目にこれを言いなよ!と10回は言われた。しかしまぁ、まさか自分に限って声をかけられるとは思っていなかったけれど、流石に本当に声を掛けられるとちょっぴり緊張するものなのかどんな人が声をかけてきたのだろうと緊張と警戒の混じった夕陽をそろりそろりと上げて声の主を見ればそこに居たのは自分がついさっき会いたいと零していた想い人。幻覚?夢?とあまりにタイミングも都合も良すぎる彼の登場に大きく丸めた目をゴシゴシ擦り─── かけたところで今日はキラキラのアイシャドウを乗せていたりマスカラをつけてもらったことを思い出せばその手は自身の頬をふに、と摘むに落ち着き。痛い、夢でも幻覚でもない!とわかれば「 ほ、本物のせんせーだあ…!! 」 と先程の警戒心と緊張はどこへやら、ふわふわきらきら嬉しそうな声と表情に早変わりして。 )



  • No.715 by 鳴海 司  2024-08-23 23:33:24 




へー、いつの間にか彼氏できてたんだ?
じゃあお邪魔だったかな俺。

( 何ともまあ明らかに先んじて用意していましたと分かる文言が飛び出せば、こちらの存在を認識して固まっている彼女に対しにやにやと揶揄うような笑みを浮かべながら首を傾げて。こういうナンパ避けの入れ知恵はたぶん友達からだろうな、という所までは完璧に推測できたが、いかんせん演技力には難ありのようで真実味を帯びるにはあともう一歩足りないといったところだろう。──自分の演技力には敢えて言及しないが──。何故か彼女が自分の頬を摘んでいることに疑問符を浮かべていれば、何に納得したのか突然きらきらと輝き始めた瞳はあっという間にいつもの彼女で。「え、何……俺の偽物いるの?」と、謎の確認をとる彼女をどこか訝しげな目で見て。 )


  • No.716 by 御影 みき  2024-08-24 06:02:28 



ち、ちがッ……!!
だってあきちゃんが男の日の声掛けたらこれ言いなさいって言ったから…!!


( にやにやと意地悪く口角を上げながは此方を揶揄う彼の言葉に、慌てたように屋台の白んだ灯りに照らされている顔に朱を散らせば慌てて彼を引き止めるように服の裾をぎゅ、と掴みながらぶんぶんと勢いよく首を振って。既に何人かに声をかけられているけれど、これを言う度に彼のことを想像しながら答えていたし、既に浴衣を知る段階から彼のことばかり考えていたほどなのだからそんな彼がお邪魔なわけがない。信じてよぅ…、と言いたげに眉をきゅっと下げては不安そうな瞳で彼を見つめて。これが現実なのを確認しているのをどこか訝しげな視線で見つめる彼に眉を下げて笑えば、「 違うちがう!あのね、ちょうどせんせーに会いたいなぁって思った瞬間にせんせーが来てくれたから夢なのかなって思って。 」とゆるりと首を振りながら答えれば、決してここが神社だからといって狐に化かされたわけではないと。 )




  • No.717 by 鳴海 司  2024-08-24 08:43:35 




出たな"年の差のプロ"。
…まぁ誰彼構わず声をかけてくるような奴には正解かもな。

( 赤くなった顔で必死に否定の意を述べる彼女が可笑しくて笑っていれば、その口から出たのはやはり彼女の友達(の中でも恋愛玄人らしき人物)の名前で。そんな事だろうと思ったと言わんばかりに呆れたような笑顔と共に小さく溜息を吐きつつも、ナンパ対策としては間違っていないだろうと頷いて。そもそも簡単に報われる事は無いと知りながら諦めも退くこともせず未だ好意を向け続けてくれている彼女が、そんなにあっさり彼氏をつくるような人間では無いのは自分がいちばんよく知っているわけで。掴まれた服の裾から彼女の不安が伝わってくる気がしては、大丈夫だと安心させるように真っ直ぐその瞳を見つめて薄く微笑み。どうやら自分が現れたタイミングが絶妙すぎた事が原因だと知れば、先程の驚きようと台詞にも納得。「あー夢だったらいいよなー。暑くて人多い中ずっと見回ってなきゃいけないっていう悪夢だけど。」仕事なので仕方ないのだが自分の置かれている立場と、純粋に楽しんでいる彼女やその他大勢との対比にどこかげんなりと肩を落とし。 )


  • No.718 by 御影 みき  2024-08-24 10:23:44 



あのね、ちゃんとこの方法他の男の人にも効いたんだよ !
─── じゃなくて、それより!ね、ね、浴衣どう?可愛い?せんせーが言ってた黄色にしてみたの!

( 大丈夫、と安心させるように優しく笑う彼のダークブラウンにほっと息を吐いては、にどや!と自慢げに胸を張って自分一人でもしっかり出来ているのだぞとアピールをしたものの、そんな話はそこそこにそういえば彼に見てもらうためにお洒落したんだった!と思い返せば浴衣の柄を見せるように両手を広げたりくるりと一回転をして見せればにこにこきらきら笑顔を浮かべながら問いかけて。夏祭りを満喫している此方とは対照的にげんなりと肩を落とす彼に大人って大変だなあ…と苦笑してしまえば、「 でも、どうせ体育の先生と生活指導の先生も来てるんでしょ?ちょっとくらい休憩してもバレないよ! 」といたずらっ子の笑顔を浮かべながら唇の前に人差し指をたてては、変装に使えるのでは?と浴衣の帯のところに付けていたハローキ〇ィのお面(テンションの上がった友人が買ったけれどやっぱ邪魔だと押し付けられた)を手に取ってこてりと首をかしげ。 )




  • No.719 by 鳴海 司  2024-08-24 14:52:54 




…そりゃ良かったな。
──え、あー…うん。良いんじゃねーの、似合ってる。

( 自慢げに胸を張るのは良いとしてすでに声を掛けられた後だったということの方が気になれば、これからの見回りに対する意識が自分の中で少しだけ変わったような気がして。しかし浴衣に咲いた向日葵と同じような満面の笑顔で本日の装いをアピールしてくる彼女にもやりとした思考を遮られては、俺が言ったんだっけ…?と今度は記憶の扉を開くのに意識を持っていかれて。そういえばだいぶ前に好きな色を聞かれたような気がするが、あの時は好きな色というより彼女を見ていてふと頭に浮かんだ言葉がポロリと出たのが本音なのだが。しかし花のような笑顔に元気印のビタミンカラーは実際良く似合っているのでその問いかけにはこくりと頷き。まさか生徒側からサボればいい(要約)と言われる日がくるとは…と頭を抱えそうになるが、広い範囲をほんの数名でウロウロしているだけなので確かに少しくらい休憩してもバレることはないだろう。「まあ☆先生なんかはすでに捕まっていったし……って、いくら顔を隠すったってソレは遠慮するからな俺。」自分が着けるには余りにも可愛すぎるお面をじとりと見やれば両の手でバツを作り。 )


  • No.720 by 御影 みき  2024-08-24 17:49:09 



んふふ!
せんせーの為に選んだもん!


( 何かを思い出している様な様子もあれど、真っ直ぐに褒められればその表情は嬉しそうにさらにきらきら輝き。彼がビタミンカラーが好きだと知らなかったので意外性こそあれど自分もこういう色が好きなので好きな色一緒なのが嬉しい!と勘違いには気が付かないままみきも呑気なもので。サボることに対しては見事受け入れて貰えたけれど、可愛らしいお面にNOを突きつけられてはしょぼ…と唇を尖らせつつ「 似合うと思うのに…。あ!じゃあみきが着ける!? 」とそのまま自分の顔にかぽりと嵌めてはそのキャラクターの真似のつもりなのか可愛らしく両手を振って見せて。一応みきにも教師と生徒が2人っきりで歩いているとまずいのではという感覚があるのか、それならば自分が顔を隠せば!というみきなりの配慮で。 )



  • No.721 by 鳴海 司  2024-08-24 20:10:59 




俺の……っていや待て待て待て。
まさかお前これ…新調した……?

( 浴衣の値段なんてピンキリあるとはいえ、決して安くないであろうことだけはそういった事に疎い自分でもさすがに分かる。特に深く考えずに零した一言で新しく買ったのであれば、さすがに親御さんに対する申し訳なさが湧き上がり冷や汗が頬を伝い。メルヘンの代表といっても過言ではない可愛らしいキャラクターのお面が似合うと言われるのは喜んでいいやら少し複雑だが、彼女の変な気遣い方にはつい笑いが零れ。「ばーか。せっかく可愛らしくしてんのに隠したら勿体無いだろ。…ていうかすでにもう生徒たちには絡まれてるし、別にお前1人に捕まってても何も思われねーから気にすんな。」これも着けてるし、と首から下げたネームタグを摘んでゆらゆらとその存在感をアピール。彼女の装いに気合いが入っているのが分かるからこそ、自分のせいでそれを隠さざるを得ないようなことになるのは違うだろうと溜息吐いて。 )


  • No.722 by 御影 みき  2024-08-24 21:00:53 



え、うん。新しい浴衣欲しかったし、……あ゙!
ちゃんと自分のお小遣いで買ったよ!


( なぜだか驚いた様子の彼に今度はこちらがきょとん…と不思議そうに瞳を丸めれば、こいつ高校生にもなって親に買って貰ってるのかと呆れられたのかと盛大な勘違いに行き着き慌ててこの浴衣は自分のお小遣いで買ったものだと。御影家は自分が担当では無い日に家事をすれば報酬としてお小遣いが貰える仕組みなのでバイトをせずともきちんとした労働の結果のお小遣いがあるらしく、ぶんぶんと首を振りながら断じて親のスネは齧っていない事をアピールして。先程似合っているとは言ってもらったけれど、改めて可愛らしくしているだなんて言われてしまえばお面の向こうの頬をじわりと赤く染めて。「 ……じゃあ、浴衣デートしよ。 」とそっとお面を外しながら嬉しそうにはにかめば、彼の奥に丁度友人(あきちゃん/年の差のプロ)が見え声を掛けようとするもシィ!と唇の前に人差し指を立てられ、そのまま〝どっか行っておいで〟と言ったようなジェスチャー。どうやら他の友人たちには上手く言っておいてくれるようで、みきはぱぁ!と表情を明るくすればこれで心置き無く彼と歩けるとダメ元で彼に手を差し出してみて。だって☆先生はよく2人の女子生徒にそれぞれ腕を組まれているしどうせ今日もそんな感じだろうから、あくまでダメ元だもん。なんて言い訳を心の中で並べつつ。 )




  • No.723 by 鳴海 司  2024-08-25 08:18:47 




お小遣い……、
バイトしてないのに偉いな御影。

( 微妙な勘違いはあれどなんとか会話の歯車は噛み合っており、その結果彼女がしっかり者だという再認識に感心の溜息をひとつ。話ぶりから元から新調する予定だったように聞こえるとはいえ、やはり決して安い物とはいえない浴衣を買わせてしまったのではとどこか拭いきれないものがあるのも事実なのだが。薄らと赤い頬でこちらに差し出された手に首を傾げては「じゃあって何だ。…ていうかお前友達と来てんじゃねーの?」と辺りをキョロリ。彼女にナンパ撃退の文言を教えたということはきっと合流する予定があるのではとの推測で、見回りで動く自分に着いてきてはダメだろうと。──彼女の表情が一瞬明るくなったのには気付いたがそれが友人からのジェスチャーによるものだとはもちろん知らず、今更周りを見渡したところで例の"年の差のプロ"はすでに姿を消していて。 )


  • No.724 by 御影 みき  2024-08-25 11:12:17 





えへへ。せんせーに見て欲しくて頑張った!
あ。それにね、夏休みの間はちゃんとバイトするからだいじょーぶだよ!

( さほど苦労したとは思っていない顔でにこにこ軽い調子で答えれば、もう一度頑張った成果の浴衣を見せびらかすように両手を広げて。浴衣を買うことで使いすぎてしまったお小遣いは長期休みの間だけ知り合いのお店でバイトをするのでなんら問題は無いとピースサインを。それになんと言っても好きな人に似合ってると言って貰えただけで頑張った甲斐が有るどころかお釣りが来るほど嬉しいのでモーマンタイなのだ。残念ながら差し出した手は不思議そうな彼の様子によって空回り、辺りをキョロキョロと探し出す彼になんて言い訳をしよう……と嘘が苦手ながらも考えを巡らせては「 来てたんだけど…ええと、……あの、みんなね、別行動になったの!それぞれ好きな人と行こうって! 」と苦し紛れだけれど、『好きな人と行く』はあきちゃんからの指示なのであながち間違ってはいない回答を。それに夏祭りで好きな人同士でこっそりはぐれさせるのはよくあることだし、変では無いはずだと。 )



  • No.725 by 鳴海 司  2024-08-25 14:01:05 




お、御影もついに働くのかー。…まあ夏休みの間だけっていっても普段やらない事だと疲れも出やすいからあんまり無理するなよ。
………ちなみにだけど何やんの?

( 彼女の努力の結晶だともいえる浴衣は実に良く似合っていて何度見ても愛らしく感じ、それを広げるどこか得意げな様子にはいはいと笑いながら返事を返し。次いで彼女の口から出た言葉に目を丸くしては、態とらしくしみじみとしながらも応援する気持ちと、しかしやはり少しだけ心配するような言葉を続けて。どんな所で働くのだろうと、少し間を置いてから興味深そうに問いかけ。言葉に詰まりながら話す姿は正直怪しさMAXに見えなくもないが、こうしてしばらく待っていても一向に帰ってくる気配のない彼女の友人たちのおかげでその理由は信憑性を増しており。「ふーん……。で、別行動ってなったはいいけどお前は相手が居なくて1人でこんなとこに突っ立ってたんだ?」と意地悪な口ぶりで揶揄うもその内心では、仮に今の発言が本当だった場合に危うくナンパが取っ替え引っ替えやってきそうな状況に何故かこちらが危機感を覚えていて。 )


  • No.726 by 御影 みき  2024-08-25 15:23:49 





駅前の居酒屋さん!
昼間は定食屋さんでね、すっごく美味しいんだよ~!

( 教師らしい年上然とした彼の言葉にはぁい、とお行儀よく返事をしながら楽しそうにバイト先の情報をぺらぺらと話していき。補習や学校に彼に会いに行く用事がない日は昼間も働くけれど、基本的にはやはり夕方からの方が店としても人手が欲しいらしく主な勤務は定食屋よりも居酒屋としての勤務が多いのだと。本来の人懐っこさや器用さから特に不安や緊張は無いのか心配そうな彼とは裏腹ににこにこと楽しそうに初出勤を待っている様子で。まるで警察の取調べのように深いとこに突っ込んでくる彼にぎく、と分かりやすく体を強ばらせては「 だ、だってみきが好きなのせんせーだけだし…待ってたら会えるかなって……思って……。 」と、視線を泳がせながら小さな声でごにょごにょと彼の追撃に耐えて。彼に会えるかなとソワソワしていたのは本当だし、彼だけが好きなのも本当なので嘘では無いのだ。嘘では。 )


  • No.727 by 鳴海 司  2024-08-25 21:35:24 




居酒屋……って、夜も働くのか?

( コンビニやカフェのような所だと勝手に思い込んでいたのでまさかの居酒屋という選択に再び目を丸くして(昼間は定食屋というのも理解はしているが)。駅前ならば人通りが多いし明るいので帰りが遅くなってもそこは比較的安心なのかもしれないが、その分酔っ払いが量産されるという懸念もあるわけで。そんな自分と正反対に楽しみだという感情が分かりやすく漏れている彼女に、頼もしさのような危なっかしさのようなものを感じ。誤魔化すような小さな声が夏祭りの喧騒の中でもしっかり耳に届くのは彼女の声だからだろうか。あちらこちらへと泳ぐ視線にやれやれと溜息を吐いては、「お前なぁ……約束すらしてない相手を…って俺だけど、待つのはさすがに無謀だろ…。───ったく。とりあえず今から出店の方見回りに行くけど?」と、"どうする?"ではなく"行くんだろ?"という目線を彼女に送り。とはいえさすがに手を繋ぐ訳にはいかないので、差し出されたままの手には自分の服の裾を掴む形に収まってもらうわけだが。 )


  • No.728 by 御影 みき  2024-08-25 22:46:52 




?うん、夜の10時までだけど…。
あ!店長さんの写真見る?お父さんの幼馴染なの!


( 他にも居酒屋で働いている生徒は何人が居るはずだし、校則で禁止もされていない。彼もそれを知っているはずなのにダークブラウンの瞳を丸くする彼に不思議そうに首を傾げれば、やはり彼の心情を察することは出来ずにマイペースに店長の写真を見せて。にこにこ笑顔のみきと共に映っているのは傭兵帰りと言われても遜色ないガタイの良いスキンヘッドで強面の男性で、恐らくみきの両親もこの風貌の店長のいる店ならば悪さをする酔っぱらいも居ないだろうとの判断らしく。当たり前のように自分が着いていくことをわかってくれる彼に先程までキョドキョドしていた視線はぱぁ!と輝きいつもの様に彼の服の裾をチョン、と指先で掴んで。「 んへへ、今日は夏祭りデートだ。 」 とにこにこるんるん呟けば、きっと仕事でもなければこんなに人混みが暑苦しい場所には来ないであろう彼とこうして夏祭りを歩けなかったと考えれば普段ならば厭わしいと感じる教師陣の巡回も悪くは無いなと隣の彼をちらりと見上げて。 )



  • No.729 by 鳴海 司  2024-08-26 07:40:37 




へー、知り合いの店なん──こっ…!、…………つ、強そうな人だな…。

( 親御さんの幼馴染と聞けば心持ちが少し軽くなったような気がして。ほ、と小さく安堵の息を吐いて出された写真に目をやれば、余りにも想像の斜め上の見た目につい"怖っ!"と出そうになったがぐっと言葉を飲み込んで。一拍置いて何とか当たり障りの無い感想を返すに留まれたが、やはりその風貌は物珍しいのかまじまじと写真を見続けて。さすがにこの人混みの中を歩くのにどこかしら繋がっていないとこちらが不安になるので、裾を掴んでくれたのを確認してからゆっくり歩き出し。「見回りだから何の色気も無いけどな。」と、彼女ならばそう言うだろうと思っていた単語がやはり出ればへらりと口角を上げ、しかしデートと呼ぶには色々と足りない現状に乾いた笑いを零して。こちらを見上げる夕陽色の瞳にふと気付くと視線を絡ませては「なに。」と首を傾げつつ返し。 )


  • No.730 by 御影 みき  2024-08-26 09:49:23 



でしょお。実際すっごく強いってお父さんが言ってた!
でもね、かわいいぬいぐるみとかあげると喜ぶんだよ~。好きな物はいちごタルトなんだって!


( みきは充分に懐いているのか、彼の心を知る由もなくへらへらと笑いながら意外と少女趣味な強面店長のことを説明していき。この店長の強さを自分の父親が知っている不思議についてはそもそも気付いていないのか、みき自身もこれなら怖い人に絡まれても安心だ~ぐらいにしか思っていないらしくいつも通りのほほんとマイペースで。彼の言うとおり本来の仕事は見回りなので浮かれているのは自分ただひとりなのだけれど、それでも浴衣で彼と夏祭り会場を歩く夢は叶っているので「 みきは楽しいからいーの。 」とるんるん答えて。さっきまでずうっと羨ましそうな視線出おっていた手を繋いで夏祭りを楽しんでいるカップル達も自分が満たされた今は不思議と目に入らないもので、じっと彼の横顔を盗み見していたことに気づかれてしまえば「 んーん、好きだなぁって見てただけ! 」と恥ずかしがることもなくさらりと答えて。それと同時に彼の服の裾を掴んだ指先に緩く力を込めては、こうして2人きりにしてくれた友人たちに心の中で多大なる感謝と今度お菓子買ってあげようと小さな決意を。 )



  • No.731 by 鳴海 司  2024-08-26 14:01:40 




そういうギャップは漫画でしか見たこと無いんだけど…。
……まあ何か、うん、色々と安心したわ。

( 見た目もさることながらその中身まで非常に濃いキャラをお持ちのようだが、これ程までに屈強という言葉が似合う人の元ならば変なことに巻き込まれることはないだろう。そんな知り合いを持つ彼女の父親が自分の中で少しミステリー枠に寄ったこと以外は特に気にすることも無さそうだと二度目の安堵の溜息を。デートとは到底呼べないただの見回り(の付き添い)ですら喜んでくれる彼女はやはり愛しくて、憂鬱でしかなかった仕事に対する気持ちも少し上向きになる気がして。こうしてさらりと告白じみた台詞を聞くのは何度目になるかもう数えてすらいないが、「はいはいありがと。ほんっとブレないなお前は。」と流せるくらいにはこちらも慣れてしまったもので。行き交う人々はそれぞれ自分たちのお喋りやお祭りの雰囲気に夢中で、教師と生徒が一緒に行動しているうえに好きだなんだと会話をしていても誰も気付かないまま夏祭りの楽しげな喧騒に混ざり合って消えていき。 )


  • No.732 by 御影 みき  2024-08-26 16:09:21 



ね、ね、せんせーも今度来てくれる?
まりあちゃんたちは女の先生たちで来てくれるんだって!


( 昼間ならばともかく、居酒屋というにはなかなか高校生は入れない場所なので他のバイト先よりも友達を呼べないのが難点。早速仲良しの女性教師たちは来てくれる(酒豪の集まりらしい)が、本命は彼なのできらきらとした瞳で誘いかけ。この間飲み会してたしお酒もそこそこ好きなはず!とあたりを付けてのお誘いなので〝来てくれる?〟というよりは〝来てね?〟というおねだりに近いそれは、意外と自分もバイトくらいできるんだからという大人アピールの為と先日のほろ酔いの彼が可愛かったのでまた見れたらラッキーだなの下心も含まれており。何十回何百回と言われたらさすがの彼も慣れているようでハイハイといつもの様に受け流してくれ、入学当初は丁寧に断ってくれてたなぁと少々懐かしさを感じつつも今の距離感の方が自分としても気が楽なのでそれは特に気にしておらず。「 今年で2年目だもーん、…あ!屋台増えてきたよ、せんせー何が好き? 」 と様々な種類の食べ物屋台を指さしながら首を傾げ。去年生徒から押し付けられたのであろうキャラクターわたあめを片手に巡回している☆先生を見かけたし、禁止ではないのだろうと思いつつ(推奨もされてないだろうが)折角ならば彼の好きな物が食べたくてふわりとこちらまで様々な食べ物の良い香りが漂ってくる屋台たちにまた視線を向けて。 )





  • No.733 by 鳴海 司  2024-08-26 20:55:49 




ちゃっかり営業してんのかお前は。
気が向いたらなー。

( 働くと決まった矢先にこうしてすでに客を引っ張っている彼女の商売人な一面に可笑しそうな笑いを零せば、お伺いというよりお願いのようなその言い方にわざと曖昧な返事を。しかしすぐに、この夏休み中に友達に声掛けてみるかと頭の中でメンバーをピックアップしているのは内緒。彼女の下心にはもちろん気付く事もなく、それよりも先に声を掛けられているらしい酒豪の女子会と日程が被らないことを祈らなければいけなくて。今年で2年目。しれっとした口調ではあるが想いの強さはその一言すべて詰まっている気がして、諦めと呆れの混ざったような笑みを浮かべ。「飽きずによくもまあ2年も……──あ、俺イカ焼き好き。つーか醤油とかソースの焼ける匂いは総じて反則だろ美味いの確定だし。」指差されたその先に視線を向ければぞろりと立ち並ぶ屋台の数々。音と匂いで客を惹きつけるのは屋台ならではの魅力で、好きな物を聞かれれば同時に鼻腔を擽ってくるイカ焼きや焼きもろこし等の香ばしい香りに言葉が出たのはもはや反射のようなもので。 )


  • No.734 by 御影 みき  2024-08-26 23:59:40 



えへ。
待ってるね、店長にもみきの好きな人来るって言っとくから!


( 気が向いたら、だなんて言うけれどこういう時の彼はだいたいみきのおねがい事を叶えてくれることはよく知っている。敢えてそれには言及はせずにただ彼の来店を待っているとだけ返せばいつ来てくれるのかなぁとそわそわわくわく心が踊り。…バイト先をわざわざ酔っ払いに絡まれるリスクのある居酒屋にしたのは、彼にまた料理を作ってあげたい一心で少しでも店長からお酒のアテや料理の作り方を習いたったから、というのは言わなくても良いのでこれも内緒。イカ焼き、と聞けばお酒を飲む男の人らしいチョイスに思わずぷは!と吹き出してしまい、お酒飲みたくならないのかなぁなんて未成年にはまだ分からない大人の葛藤を一応心配してあげたりなんかして。くい、と彼の服の裾を緩く引っ張っては「 じゃあみきイカ焼き食べるから半分こしよ。生徒から1口あげる、は☆先生もよくされてるからいいでしょ? 」 と首を傾げ。去年とか☆先生プリキュ〇のわたあめ持ってたし…と思い出せば今年は果たしてどんな貰い物…もとい貢ぎ物を得ているのかは少し気になるところで。 )



  • No.735 by 鳴海 司  2024-08-27 00:47:54 




はいは──…いや待って、
それは言わなくていいから。

( せっかく暈した言い回しにしても彼女には真意が伝わっているようで、機嫌良さげに来店を待つ気満々の様子に眉を下げて微笑みながら返事を。…しかけた所で気付いた。バイト先の店長に好きな人が来ると伝えれば、必然的に彼女の父親の耳にも入るのではないだろうかと。娘の恋のお相手が学校の教師だなんて父親の心境としては複雑極まりないはずだと慌ててストップをかけて。彼女の口から思いもよらぬ提案が飛び出せば、先程の質問の意図に遅ればせながら気付き。「ばーか、そんなとこで気遣わなくていいよ。それにイカ焼きなんか食べて万が一浴衣が汚れたら困るし、もっと食べやすくて…ちゃんとお前の好きな物選んできなさい。」ふ、と笑いかけながら彼女の優しい心遣いにはそっと遠慮の意を。実際タレまみれのイカ焼きが浴衣を汚してしまえば困るのは(心境的に)こちらも同じなので。もちろん彼女も食べたいというのであれば別だが、甘い物が好きならば綿飴やりんご飴などの方が良いのではないかとそれらの屋台の方を指差して。 )


  • No.736 by 御影 みき  2024-08-27 09:09:26 



へ、?
……???なんで…??店長恋バナ好きだよ…?


( 突然かけられたストップに思わず瞳を丸くしては、特に必要のない店長のプチプロフィールをもう一つだけ披露しながら不思議そうに彼を見つめて。こんなにかっこいい人に片思いしてるんです!と店長に自慢するつもりだったので、彼のストップ理由がどんなに考えても分からずにやっぱり大人の考えることは難しい…と首を傾げ。あっさりと大人の気遣いによって避けられたイカ焼きは、確かに前方にいる浴衣にタレを零して嘆いている女の子を見て確かに自分もやりそうだと妙にその子に親近感が湧いてしまう。それならば、と彼の言葉に甘えて「 じゃありんご飴たべる! 」 と屋台の中でもいちばん大好きなりんご飴を指さして。昨今のフルーツ飴ブームによって別にお祭りじゃなくてもりんご飴を食べられる機会は少なくないけれど、やっぱり浴衣でお祭りで食べるりんご飴はまた格別なのでにこにことみきの表情も嬉しそうで。 )




  • No.737 by 鳴海 司  2024-08-27 10:38:16 




そういう事じゃ……ってどんだけ出てくるんだよ店長のギャップ。
…とにかく紹介するにしても普通に"学校の先生です"でいいだろ?

( 追加で放り込まれた新たなギャップにもう腹一杯だとツッコミは忘れずに、その追加要素が恋バナ好きなら尚更よろしくないのではと逡巡。こほん、と一拍置けば当たり障りの無い無難な紹介文を提案して。女性陣も行くのであれば自分が行ったところで同じく仲の良い教師の枠に入るだろう。娘を持つ父親の気持ちはまだ分からないが、こちらの心境の面でも彼女の父親に外部から伝わってしまうような事は出来るだけ避けておきたくて。ちょうどよく(その子にとっては良くないが)浴衣を汚してしまった子がいた事ですんなりと考えを変えてくれた彼女に内心安堵し、指された先にあるりんご飴の屋台を見て頷き。「ん、そうしといてくれたら俺も安心する。───すいません、りんご飴ひとつ。」スタスタと屋台の方へ足を向ければポケットからシンプルな小銭入れを取り出し色とりどりのフルーツ飴を並べている若いお兄さんに声をかけて。 )


  • No.738 by 御影 みき  2024-08-27 11:51:31 






えー。
好きな人なのにぃ。


( むぅ、と不満げに唇を尖らせたものの、でも彼がそう言うならば仕方が無いと渋々彼の提案を承諾し。彼にとっては『学校の教師であり、好きな人』の認識なのだろうけれどみきにとっては『好きな人であり、学校の教師』 なのでどちらかと言えば好きな人が先なので。それならば彼だということは内緒で店長と恋バナしよう、と結局恋バナをすることには変わりないらしくその瞳は不満の色は残るもののあっさりとしていて。すたすたとりんご飴の屋台へ導かれたのも束の間、みきが口を開く前にりんご飴を注文した彼に「 !み、みき自分で買えるよ? 」 と慌てて可愛らしい白色の三つ折財布を取り出せばちゃんとお金もってる、と表すようにそれを彼に見せて。だがしかし屋台の若いお兄さんは『 あいよ、600円ねー。一個好きなの取ってくださいねー。 』とへらりと少々やる気のない営業スマイルを浮かべつつ彼の方にのみお金を受け取るべく手を差し伸べ。 )

  • No.739 by 鳴海 司  2024-08-27 16:18:21 




じゃあちょうどで。
───ん。見回りに付き添わせるから給料代わり。

( 不満げながら何とか了承してもらえればホッと一息。しかし恋バナが好きな店主が相手に対する従業員の様子に何かを察するのはそう遠くない話なのだが今はまだ知らずに。威勢の良い…とはお世辞にも言えない屋台のお兄さんに言われるがまま600円ちょうどを手渡し、そのままキラキラと並ぶフルーツ飴の中からりんご飴を1本手に取れば彼女に差し出して。せっかく取り出してもらった財布には、いいから、というようにひらひらと手を振って仕舞うように指示を。特に何をする訳でもないのにただ見回りに着いてきてもらうだけなのが心苦しいのも本音だが、少しだけでも彼女曰くのデートらしい気分だけでも味わってもらえればという気持ちもあったりなかったり。とはいえりんご飴1個で果たしてデートらしくなるかと言えばそれには疑問が残るところではあるが。 )


  • No.740 by 御影 みき  2024-08-27 19:56:14 






……えへへ、ありがとう。


( 給料代わりだと手渡されたりんご飴は、毎年欠かさずにお祭りの日に食べているりんご飴と同じもののはずなのにどこかきらきらと輝いて見える。幼い頃は美味しそうだからと言って毒りんごを食べてしまった白雪姫のことをずっと不思議に思っていたけれど、確かにこんなにきらきら輝いていたのならば何の警戒もあなく一口くらいは齧ってしまうかもしれない。みきはほんのりと頬に朱を散らしつつ花が綻ぶように微笑んではこんなにひとがおおいなかで離れないようにとまた彼の服の裾をきゅ、と当たり前のように掴んで。カリ、と1口齧れば口いっぱいに飴の甘みが広がりきらきらと瞳を輝かしては「 おいし…!せんせーも一口食べて。 」と自分が齧ったところと反対側を差し出して。 )



  • No.741 by 鳴海 司  2024-08-28 00:51:32 




っ、だからお前そういう──……はぁ、
…ん。

( 離れていた手が再び裾を掴むのをこちらも当たり前のように受け入れては(むしろ逸れられる方が困るので)、りんご飴に負けず劣らずのきらきらと輝く瞳でその甘さを堪能する彼女を優しい眼差しで見つめていて。しかしふと差し出された齧りかけのりんご飴にぱちりと目を丸め。何だか似たような事が前にもあった気がするがそれを覚えているのかいないのか、未だに無防備な彼女を咎めようとするが続くはずだった言葉を止めて。いっそのこと一度だけでも誘いを受ければ少しは彼女も気にするだろうか。そんな考えがふと頭を過れば、まさに白雪姫の毒りんごと化した目の前の真っ赤なりんご飴に顔を近づけて。…とはいえりんごを齧ることはせず上部、申し訳程度に平らに伸びた飴の部分をカリ、と齧り「…甘っ。」と一言だけ零して。 )


  • No.742 by 御影 みき  2024-08-28 07:50:02 



んふふ。
飴のとこだけ齧ったらそりゃ甘いよ。


( なぜだかりんご部分ではなく飴部分のみを齧った彼にくすくすと可笑しそうに笑ってしまえばりんごの気分じゃなかったのかなぁなんて彼の心情など知る由もなく自分が齧った方をもう一口。だがしかし齧ったあとでふとこれは関節キスになってしまうのでは、と今更ながらようやく気が付けばみきの歩みはひたりと止まり、りんご飴と同じように顔を真っ赤に染めて。「 っ、……。 」と周りの人達の喧騒も耳に入らないほどにぐるぐると混乱し、どうしよう、の考えが頭の中を支配していき。否、嬉しいしラッキーではあるのだけれど、心の準備がそもそもできていなかったので。ばくばくと煩く鳴り始めた心臓をそのままに、ちらりと彼の唇の方に視線を向けてしまえばまた耳まで紅くして視線を逸らし。 )



  • No.743 by 鳴海 司  2024-08-28 08:53:28 




…りんご齧ったら困るのはたぶんそっちだけどな。

( ひどく甘い誘惑に悩んだうえでの気遣いを可笑しそうに笑われてしまえば、小さく溜息を吐きながら更に小さな声でぽつりと零し。やっぱり何も考えてなかったのか……と彼女の無防備さに改めて頭を抱えるも、突如として隣の下駄の音がぴたりと止めばそちらを振り返り。すでに視線を逸らされた後だが、漸く察した様子で真っ赤に顔を染まった彼女の顔を態と覗き込めば「どうした?」と、問い掛けの言葉はその答えを確信しているようにいつもの意地悪な笑みを携えて。行き交う人々はそれぞれが自分の楽しみに夢中なうえにこうしてひとつの食べ物を分け合う男女や友達同士などそこら中にいるわけで、敢えて他人の様子を意識するような時と場所では無いことが唯一の救いだろう。 )


  • No.744 by 御影 みき  2024-08-28 10:29:29 



っ、……せんせ、わかってたでしょ…。


( どうした、なんて問いかけるような言葉を吐きつつもこちらを覗き込む彼の表情は意地悪な笑顔を携えていて、ぐぬぬ…と悔しそうに眉を顰めればきっとこれを見越していたのだろう彼へと恥ずかしそうな夕陽色を向けて。片思い中の少女にとっては効果抜群の甘美な毒林檎は未だにきらきらと輝いており、今すぐにでも自分を食べろと言わんばかり。これの何が問題かといえば決して嫌では無いのが問題なのだ、ちょっぴり(うそ、だいぶ)恥ずかしいだけで。周りの人の視線がないのが唯一の幸いだけれど。みきはしばらく悔しそうに彼を見つめたあとに意を決したようにカリ。と軽やかな音を立てて彼が口をつけた場所と同じところを齧っては〝どうだ!間接キスなんて気にする子供じゃないぞ!〟と言いたげな真っ赤な顔で彼を見上げて。 )



  • No.745 by 鳴海 司  2024-08-28 15:07:37 




何のことやら。

( 羞恥と悔しさの滲んだふたつの瞳に加えて確信犯を指摘する一言に、悪びれるどころか首を傾げながら肩を竦めて。さっきまでの彼女が何も考えずに差し出してきたのが悪いんだぞと、前回のココアの件もあって少しは気にするようになってくれればいいのだが。そんなことを考えながら彼女の次の一手を見守っていれば、自身が先に一口食べたところではなくわざわざこちらが口を付けた所を齧るという意外にも挑戦的な行動にきょとんと目を丸くさせて。彼女のことだから、てっきり何処から食べ進めていいやらと狼狽えるのではと思っていたのだが予想は外れてしまい。しかしやってやったと言わんばかりにこちらに視線を向ける彼女の顔は残念ながら正直で、「……っふふ。お前…林檎と変わんねーくらい真っ赤…!」とつい我慢できずに肩を震わせて。 )


  • No.746 by 御影 みき  2024-08-28 19:09:33 



っ、……真っ赤じゃないもん!

( 彼からの指摘にバッ!と頬に手を当てれば確かにじんわりと熱を持っていることは明らかで。自分でも無理があることは充分にわかっているのだけれど、ふるふると肩を震わせて可笑しそうに笑っている彼の大人びた様子(紛れもなく大人なのだけれど)に比べて間接キスくらいで顔を赤らめる子供っぽい自分が浮き彫りになるようで思わずいつもの流れで照れたあとの威嚇を。だって好きな人と間接キスだもん、誰だって照れるもん、と心の中で開き直りながらむす!と唇を尖らせては拗ねた様子を表すようにまた1口りんご飴を齧って。がやがやと賑やかな屋台の中心地では此方の様子を気にする人など誰もいないので、りんご飴で口元を隠しながら「 ……だって好きな人との間接ちゅうだもん。 」と小さな声で先程心の中で呟いた開き直りを小さな声でボソリと呟いて。 )




  • No.747 by 鳴海 司  2024-08-29 02:25:40 




前に1回ちゃんと言ってやったのに…、
もう少し警戒心を持ってくれないと心配ですよ先生は。

( 肩を竦めてやれやれといったようにどこか他人事のような言い回しをしているが、たかが間接キスとは言うもののされど間接キス。相手が相手のため自分だってまったく意識してなかったかと問われれば多少なりとも口籠る事になるだろうが、それを分かりやすく表に出さないのは大人としてのチンケな矜持で。未だに真っ赤な顔のまま威嚇されるも、つんと尖らせた唇もりんご飴を食べているせいか紅を差したように見える気がして。周りが賑やかなうえに口元を隠された為彼女の呟きを聞き取ることが出来ず。しかし何か言葉を発した事だけは分かったので「何て?悪い聞こえなかった。」と、改めて口にするには恥ずかしいのではないだろうかという先の台詞を再び聞くべく無遠慮に顔を近付けて。 )


  • No.748 by 御影 みき  2024-08-29 10:22:35 




……他の人にはやってないもん…。せんせーだからやったの。


( ぷく、と未だ桃色の頬を膨らませては言い訳半分にぽそぽそ言葉を紡いでいき。実際、例えもう飲まないからと言っても自分の口をつけたものは男の子に譲らなくなったし『美味そう、1口ちょうだい』と言われてもちゃんとお断りするようになったので。警戒心、とは言いつつも彼は結局此方がどんなに押そうとも揺らいではくれないのでこれくらいは良いだろう、だなんて思っているのは内緒だけれど、みきはちら…と彼を見上げては自分の言葉を念押するようにわかってる?と見つめて。どうやら人混みの喧騒に紛れてしまったらしい言葉を聞き返すためにふと此方に顔を近付けた彼にさらに顔を赤らめては、一定の距離がないと心臓が持たない!と言いたげに1歩だけ後退りをして「 っ、……なんでもない! 」とぶんぶんと首を横に振り。好き、だなんて日常会話レベルで彼に伝えているけれど、こんなに近い距離で心がよわよわな状況では恥ずかしすぎると誤魔化すようにまた一口りんご飴を齧って。 )




  • No.749 by 鳴海 司  2024-08-29 15:34:45 




!…、ふーん。
それならまあ、今回は目を瞑ってやるよ。

( 前に話している時に意図せずこの話題が出た際は、誰が相手でも友達だからオールオッケー!(好意を持っているであろう男子たちにはある意味酷かもしれないが)といった彼女の無警戒さが気になっていたものだが。彼女自身がそういった事を気にするようになったうえで自分にだけ変わらずの対応というのは本音を言えば悪い気がしなくて、何だか気恥ずかしさを感じてはこちらを見上げてくる夕陽色から逃れるようにふいと視線を遠くへ向けて。こちらが近付いた分退いて更に顔を染める彼女に疑問符を浮かべるも、それは聞き取れなかった言葉に対してのもので彼女の真っ赤な顔を見れば恥ずかしがっているのは一目瞭然。無意識とはいえ相手から煽ってきた間接キスでこの状態ならば、間接的でないものはどうなるのかと少し興味が湧き上がりそうになるがそれはいつかの未来のお楽しみで。 )


  • No.750 by 御影 みき  2024-08-29 18:31:18 



…………今回だけ?


( 今回は、ということは次回は無いのだろうか。もし次おんなじことをしたら怒られるのだろうか。何故だか逸らされてしまった彼のダークブラウンに首を傾げては素直な疑問を口にして。だって美味しい物食べた時に一番に浮かぶのは彼の顔だし、一緒に食べたいなぁって思うのに。怒られるのも困らせてしまうのも嫌だなぁなんてしょぼ…と眉を下げては、答えを強請るように服の裾を掴んだ手に緩く力を込めて〝なんで?〟 を瞳だけで訴えて。まもなく花火の時間なのか先程まで多かった人の波も疎らになってきて、さっきよりもずっとずっとお互いの声が聞き取りやすくなった状況でぱっちりと開かれた夕陽はその答えを待っているのかずっと彼を見つめており。 )



  • No.751 by 鳴海 司  2024-08-29 23:23:32 




っ………、お前ほんと──…

( 無意識にしてしまった事で彼女も恥ずかしい思いをしたのではとのこちらの気遣いを、あっさりと無いものにしてしまう彼女の一言に反射的に視線を戻すも目を丸くさせてどう言葉を続けていいやらで口籠って。タチが悪いのは自覚無く仕掛けられることで、そんな誘惑に対して自分を制するのにもいつか限界がきてしまうのではと思ってしまうのが実のところ本音。しかしこちらの心情を知る由のない彼女は無垢な瞳を向け続けており、ましてや眉を下げたどこか寂しげにも見える表情にはこちらとて弱いのだ。さてどうするかと必死で頭を回転させながら何となく人混みが流れる方へ視線を向けていれば、隣を抜けていく誰かの「 花火見る場所空いてるかなぁ? 」といった一言が耳に入り。これ幸いとばかりに「…御影、花火見に行くか。」と、彼女の手を取れば皆の足が向かう方向へ(この空気感から逃げる為でもあるが)歩みを進めようと。 )


  • No.752 by 御影 みき  2024-08-30 00:44:54 



へ、?


( いつまで経っても続きのない彼の言葉に痺れを切らして口を開こうとしたところ、唐突な提案とあっさりと握られてしまった手に思わず開いたままの口から間抜けな一言が漏れてはようやく収まってきたはずの顔の赤みがまた戻ってきて。自分から彼にくっつくのは良いけれど、彼からの接触にすこぶる弱いみきにとって突然自分の手を包んだ大好きな大きな手に思考は全て持っていかれてしまう。無邪気な残酷さを孕んだ空気感は一気に散ったので、ある意味彼の作戦は大成功なのはみきは知る由もなく。〝見回りのお手伝い〟という名目で彼の隣を今歩いているのに、これでは本当に夏祭りデートになってしまう。けれどそれを指摘してあっさりと手を離されてしまうなんてことは絶対に嫌で、彼が気付いているのか無意識なのかは分からないけれど繋がれた手に柔く力を込めては「 ば、…場所。場所あるかな。 」とぐるぐると混乱している頭でなんとか質問を捻り出したものの、どうしても隣の彼を見れなくて浴衣とおんなじ黄色のペディキュアが施された足元を見て。 )




  • No.753 by 鳴海 司  2024-08-30 09:56:55 




どうだろうなー、空いてたらいいけどなー。

( 咄嗟に繋いだようなものの振り解かれる事もなく、手を引くままに彼女がすんなりと着いてくれば何とか誤魔化せたようで内心安堵していて。そんな心持ちなので彼女の質問には何処か上の空に近いような返しにはなってしまったが、彼女の心情も加えれば質問含めてこのやり取りはお互いに取り繕うためのものだったと言っても過言ではないだろう。やはりメインイベントだけあって人の波は進めば進むほど混雑していき、こうして手を繋いでいても人混みに紛れてさえしまえば上手いこと目立たなくなるもので。こう言うのも何だが、花火なんてわざわざ人の多い所に行かなくても遠目にだって見えるわけで。逃げ道に困っての行動とはいえ今までの自分ならこうして人の群れにわざわざ参加していくような事はしなかったように思う。やはり彼女といると自分の思うようにはいかないなと自嘲気味な考えが浮かぶもそれを嫌だと思うようなことはなくて。「──…あ、とりあえずあそこでいいか。」進んだ先にある広場では花火が良く見えるためすでに場所取りは終了しており、花火を見るのに視界に入って気になるかもしれない木々が立ち並ぶ辺りは場所取りに敗れた人達がちらほらといるくらいで。絶好の場所とはいかないが、空いている場所を見つけてはとりあえずそちらへと足を向けて。 )


  • No.754 by 御影 みき  2024-08-30 12:23:22 




─── っ、…。


( 繋いだ手がひどく熱くて、まるでそこだけ熱があるような錯覚すら覚える。普段あんなに人混みを嫌っているし以前仕事でなければ夏祭りなんて来ないタイプとすら言っていたのに、言葉通り祭りの花である花火を見に彼と手を繋いで人混みの多い観覧スポットに向かっているというこの現実がまるで夢のようで。夢見心地のまま到着した広場はやはり見晴らしが良いだけありもうその場は満員だけれど、ふとどこが良い場所が見つかったらしい彼の言葉と手を引かれて向かったのは人が疎らな木々の立ち上る場所。木々が立ち並んでいるせいか他人から隠れるようなその場所はどこかカップルたちが寄り添っている率が高いような気がして、みきはそれらから目や意識を逸らすように「 は、花火もうすぐかな!楽しみだね! 」とまだじんわりと頬を赤らめたままへにゃへにゃと笑って。 )



  • No.755 by 鳴海 司  2024-08-30 13:01:38 




……、はー…歩き疲れた……ちょっと休憩…。

( 出店で賑わう神社の境内からここまで正直さほど離れているわけではないのだが、人の多さ+暑さという夏祭りならではの雰囲気の中を歩いていれば普段が出不精気味で耐性の無い大人にはそこそこのダメージになるもので。浴衣に下駄という、自分より何倍も動き難いはずの格好をした彼女が隣でケロッとしているのは若さ故かと考えると少し悲しくなる気がするのでそんな思考にはストップを掛け、しっかりと根を張って立つ木を背凭れにしてほんの少しの休息を。「ん。…こうやってちゃんと花火見るのとか何年振りだっけなー……。」繋いだままの手は何となく離すタイミングが掴めず、彼女が何かから意識を逸らすような話し方をするのはそれのせいだろうと。周りの様子を気にする事なく、花火が打ち上がるのを待っているかのようにまだ暗いままの空を見上げて。 )


  • No.756 by 御影 みき  2024-08-30 13:41:17 






みきも花火をちゃんと見るのは久しぶりかも。
……ちっちゃい頃は大きな音が雷みたいで怖くて苦手だったなぁ。


( 深いため息とともに木に寄りかかった彼に思わずくすくすと笑ってしまいながらも大丈夫?とぱたぱたと手で緩く風を送って。彼の言葉に確かに考えてみたら去年お祭りに来た時もその前もただお友達と屋台とかに夢中で花火はちらっと遠目に見えたらいいなぁくらいの認識だったと思い出せば、こうして久しぶりに見る花火が大好きな彼が隣にいる状態だということが何だかすごく幸せで思わず頬が緩んでしまい。幼い頃は大きな音ときらきらと光る火の粉が雷とどこか似ているような気がして苦手だった花火もいつの間にか平気になったのだけれど、繋いだままの手にきゅ、と力を込めれば「 でもね、おっきな音はまだちょっと怖いからもうちょっとこうしててもいい? 」と隣の彼にへらりと眉を下げて笑いかければ甘ったるい嘘をついてもう少しだけこのままでいたいと強請って。 )


  • No.757 by 鳴海 司  2024-08-30 15:31:50 




はは、俺も学生の頃は尚更まともに見た記憶ねーわ。
花火見ててもすぐ飽きて、やっぱり屋台で食って騒いでする方が楽しかったんだよなー。

( そよそよと肌に当たる少しぬるい風が案外心地良く、彼女の話に頷きながら過去の自分を思い返しては笑みを零し。付き合っている相手がいればまた違っていたが、気の合う友達同士で集まればまさに花より団子状態だった当時を今となっては少し呆れ口調で語って。そうして自分が楽しんでいた頃かもしくはもう少し前、まだ幼かった彼女はどうやら花火が怖かったらしいと知れば意外そうに目を丸くして。むしろ雷でさえテンションの上がっていた男子とはやはり違うのだろうと笑っていれば、繋いだ手に力が込められるのを感じ。「!……ま、怖いなら仕方ないか。それにしても御影は怖いもの多いなぁ。」彼女の言葉が嘘かどうかなんてこの際どうでもよくて、ただその可愛らしさに胸の奥が少しだけきゅっとしたのは内緒。返す言葉と共に繋いだ手の方にも返事をするかのようにゆるりと力を込めては、保護者とも恋人とも取れるような優しい眼差しで微笑みながら柔らかに笑う彼女を見つめて。 )


  • No.758 by 御影 みき  2024-08-30 17:41:24 



ふふ。高校生の時のせんせー、やんちゃだ。かわいい。


( どうやら高校生時代の彼はやんちゃにお祭りを楽しんでいたようで、どこか懐かしむような穏やかな笑顔の彼をそっと見つめてはそんな彼と青春を送ってみたかったななんて気持ちを心の中に押し止めて今の彼からはちょっぴり想像できるようなできないような、そんな過去の彼へ思いを馳せてみて。こちらの嘘を全て包み込んでしまうように少しだけ力の込められた手と、愛おしい者を見つめる時のようなそんな瞳で此方を見つめる彼にまたきゅう、と痛くなるほどにときめいてしまえば「 おばけと雷だけだもん。……でもそれもせんせーが居てくれたら平気。 」と繋いだ手を見せるようにひょい、と持ち上げてはにこにこと頬を弛め。彼が一緒にいたら怖いのどきどきよりもときめきの方が勝ってしまうから、なんて理由は恥ずかしいから内緒だけれど。 )




  • No.759 by 鳴海 司  2024-08-31 08:57:08 




う………やんちゃって…、
ふ、普通だろ…たぶん……。

( 言葉を向けられているのが過去の自分とはいえ、今の自分より年下でありしかも生徒にやんちゃなどと言われてしまえば、垣間見える彼女の姉気質に何となく居た堪れなさも感じてしまい。もしも彼女が共に青春時代を過ごす同世代だったとしても、こうしてたまにお姉さん風を吹かされてはタジタジになってしまうのだろう。"だけ"とは言いつつも前に少しだけ(?)驚かした時を思い出せばその怖がりようは相当なものだったと肩を震わせて。しかし突如引っ張り上げられて繋いだ手を目線上に晒されれば、「じゃあ雷が鳴るたびに御影のとこに駆けつけなきゃだな俺。」と、口角をじんわり上げて冗談めいた口調で。お化けに関しては除霊できるような力がもちろんある訳ないのでノーコメントだが。 )


  • No.760 by 御影 みき  2024-08-31 09:52:01 





どうかなぁ~?
せんせーピアス穴開いてるし、意外と髪とか染めてたりして?


( 案外当たらずしも遠からずな彼の反応に思わず頬を弛めてしまえば自分とおんなじ彼の黒髪を見たあとに視線を彼の瞳に戻しては首を傾げて。ヤンチャの度合いはそれこそ年度や性別で違うものだけれど、もしかしたら今でこそしっかりとした教師という職に就いている彼も意外と本当にヤンチャだったら面白いとすっかりいつも通りの楽しげな色に戻った夕陽は楽しげにどうなの?と真っ直ぐに彼を見つめて。冗談めいた彼の言葉にふふ、とこちらも思わず笑ってしまえば「 そう、せんせーがいなかったら1人で震えちゃうしもしかしたら泣いちゃうかも。 」とおんなじように冗談めかした口調で(あながち冗談ではないのは本人は気付いていないのだが)答えて。冗談だとしても雷がなる度に駆け付けてくれる彼を想像してはぽやぽやと心が穏やかになり、少なくともみきの中ではいちばんに頼るべき相手だと彼を認識していることは確かで。 )



  • No.761 by 鳴海 司  2024-08-31 10:54:56 




あーあー、どっちも昔の話すぎてもう忘れましたー。
つーかピアスはもう閉じてるって。

( 的確に的を得てくる彼女の指摘に否定する事ができず、言葉を被せるように声を発し。自分本来の色に戻っている髪の、耳に掛かっている部分を掻き上げては過去にピアスが開いていたが今ではもうすっかり閉じた痕をほら、とこちらを伺う夕陽色に見せてみて。むしろ彼女の年頃でそういった事をしていないのが珍しい気もするが、今のままで充分に可愛らしいと思っているのが本音なのでそこに関しては何も言うまい。笑いながら冗談のように話す彼女に「それは困るなぁ。俺が忙しいときは弟くんに任せるかー。」と普段はその役を担ってくれているであろう彼女の頼れる弟くんを思い描いては、怖がる彼女にくっつかれている様が容易に頭に浮かんでまた可笑しそうに笑い。──そうして他愛のない話をしていれば、ドン、と一発。大きい音と共に辺りがパッと明るくなって。 )


  • No.762 by 御影 みき  2024-08-31 12:19:16 



んふふ。
でもまだピアス穴の痕あるよぉ。


( 彼の言葉にくすくすと笑ってしまえばこちらに見せられるように露出された無防備な彼の耳朶をちょん、と指先でつつけばなぜだかなかなか無くならない(らしい)ピアス穴の痕について悪戯っぽく言及し。彼はいつも断じてヤンチャではなかったと言うけれど、多分そこそこやんちゃだったのではないかというのかただの乙女の勘で、ただそんな彼も見てみたいのでもし彼のお姉様とお知り合いになれたら根掘り葉掘り聞いちゃおうと決意したのもつい最近の話なのだけれど。彼が忙しい時は弟に任せる、との彼の言葉に不満げに唇を尖らせてやんややんやといつもの準備室のように─── 正確には今は手を繋いでいるのでいつもとはちょっと違うけれど ─── 話を続けていれば、不意にお腹に響くようなどしんとした低音と共に辺りがぱっと昼間のように華やげばみきはびく!と肩を跳ねさせてそのまま彼の腕に抱きついて。ドッドッド、と早い鼓動もそのままに「 は、花火……びっくりした……。 」と呆然と、だがしかしキラキラとしたひとみで花火を見上げて。 )



  • No.763 by 鳴海 司  2024-08-31 13:36:46 




っ……おー…!
一発目からでっかいなぁ、俺もちょっとビックリした。

( 穴のあった箇所をつつかれれば少し擽ったそうにぴくりと反応しては、はい終わりと髪を押さえていた手を下ろして。やんちゃといっても悪い事をした事なんてもちろん無ければ憧れたりしていた訳でもなく、ただ毎日を友達と騒がしく楽しんでいたくらい。というより見た目はどうあれ反抗期のようなものはあまり記憶に無いのが本音で(そもそも姉には逆らえないので)。彼女の計画などもちろん知る由もなく、『 なーんか格好だけ気にしちゃってさ~。見た目だけよ見た目だけ! 』とけらけら笑いながら弟の昔を面白そうに語る姉と彼女がいつ出会うかなんて尚更神のみぞ知ることで。突然打ち上がった花火に周りの人々が歓喜の声をあげる中反射的に抱きついてきた彼女にくすくすと笑いながらも、お互いがお互いを見ながら話に花を咲かせていたので驚くのはまあ仕方のないことだろうと。「たーまやー……って言いたくなるよな、何か。」と、同じく花火を見上げる瞳はその光を反射してキラキラと輝いており。 )


  • No.764 by 御影 みき  2024-08-31 15:25:21 



あはは、広場の方では言ってる人いるかも。
、……きれい。


( まだ胸のドキドキは収まらないけれど、ぱっと夜空に咲いては散っていく美しい火の粉たちに魅入られるように夜空を見つめればふと隣の彼にそっと視線を移して小さく呟き。いつだったか、準備室で彼に直接告げたみきがだいすきな彼の瞳は花火に照らされてきらきらぴかぴかと輝くようで、花火よりもずっと美しく見える其れに吸い込まれるように少しだけ近づ ─── こうとしたところで、花火のぱらぱらと散っていく音に我に返り。なにやってんだろ、と自分に呆れてしまいながらもまた視線を花火のほうへと戻しては「 あ、すごいすごい。ハート型の花火だ! 」と夜空に咲く大きなハートの花火に意識は一瞬で持っていかれてしまい。 )



  • No.765 by 鳴海 司  2024-08-31 17:52:56 




花火で形作るのってどうやるんだろうな──…お、
今度は星型。

( きゃっきゃとハートの花火に喜ぶ彼女を素直に可愛らしいと思いながら、その他にも様々な色や形で打ち上がる花火に自分の想像なんかでは遠く及ばない職人の技に感嘆の意を示して。───と、気付かない振りをしたが先程の彼女の小さな呟きは実のところしっかりと耳に届いていて。自分なんかよりも、柔らかくて暖かみのある彼女の夕陽色の瞳。花火の光を映し、キラキラと輝いて綺麗なのは遥かに彼女の方だと思うも軽々しく口には出せずに。花火というものはただでさえロマンチックの代名詞に使われがちなのに、そこにハートの形なんて周りの恋人同士が盛り上がらないわけがなく。そんな中に教師と生徒の組み合わせは普通ならば異質なものだろうが、離すタイミングを失った結果繋がれたままの手のおかげか上手く紛れ込んでいるようにも思えて。 )


  • No.766 by 御影 みき  2024-08-31 19:33:39 



たしかに…。筒の形を変えるのかなぁ。
あ!……ふふ、なんだろう今の。うさぎ?


( 次々に夜空を照らす花火たち。変わり種の動物やハート、星などの形の花火は上下逆さまになればなんの形か認識するのも難しくなり、みきはくすくすと笑いながら打ち上がった花火はなんの形かを真剣に見上げていて。すっかり花火に染まった思考からは繋がれた手のことはすっぽりと抜けており、周りにいるカップルたちに自分たちが浮いているどころかしっかりと馴染んでしまっていることには当然のように気が付かず。「 ね、せんせー。一緒に花火見れて良かったね。また来年も見ようね。 」とふと彼の方を向けばにこにこきらきらと表情から嬉しさと幸せが滲み出ているような笑顔を浮かべれば、教師と生徒という間柄指切りとしてちゃんとした約束は彼を追い詰めてしまうのでしないけれどゆるい口約束を投げ掛けて。 )



  • No.767 by 鳴海 司  2024-09-01 06:53:19 




え?どこがうさぎ……あ、逆さまかアレ。

( まるでクイズをやっているかのように楽しく笑ったりもしながら花火を満喫していれば時間はあっという間に過ぎ去り、そろそろフィナーレといったところだろうか。最後の盛り上がりというように大小様々な花火が連続して打ち上がっているのに見入っているとふいに声を掛けられ、そちらを見れば柔らかないつもの笑顔…ではなく、今にも感情が溢れてしまいそうなほどきらきらとした表情の彼女が。「まさかお前と一緒に見ることになるとは思わなかったよ。来年かー…そしたらまた見回り要員にならなきゃだな。」数年ぶりの花火をこうして隣で見る相手が彼女なのは偶然か必然か。しかし楽しかったと思う気持ちは嘘ではないので、来年もどうせ避けられないだろう仕事もこんなご褒美があるならばさほど嫌とも思わなくなって。 )


  • No.768 by 御影 みき  2024-09-01 09:58:37 




んふふ、来年も一緒に見回りがんばろ。


( 決して嫌とは言わない彼の優しさに思わずまた心がぽかぽかと暖かくなれば、繋いだまんまの手に柔く力を込めて彼の瞳を真っ直ぐに見つめ。願わくばその先も、が本来の願いなのだけれどそれを口にするには野暮だというもので、みきは木々も立ち並んでいるし周りはカップルだらけだしと心の中で言い訳を並べては一度だけこてりと彼の肩に頭を預けて悪戯っぽく笑い。「 ─── 終わっちゃうね、花火。 」とフィナーレと言わんばかりに今迄とは比べ物にならない大きな花火たちが空に咲き誇るのを見つめながら小さく呟いて。花火が終わってしまえば夏祭りももう店仕舞い、みきも帰らなければならないだろう。帰りたくないなぁ、と言葉の節々に滲んでいるのを裏付けるように、無意識にりんご飴と同じ色の唇をつん、と突き出して。 )


  • No.769 by 鳴海 司  2024-09-01 13:45:28 




まあ間違い無く駆り出されるだろうし…
来年も見回り助手頼むわ。

( 異動でも無い限りはこの見回り業務から逃れることはできないだろうと溜息吐けば、にやりとした笑みを携えて来年の彼女をしれっと予約。…もちろん友達とお祭りを楽しむのであればそちらを優先してほしいので無理にとは言わないが。肩にかかる頭の重みに心地良さを感じ、押し退けることは簡単なのだがそれをしないのは周りの雰囲気に飲まれているのが少しあるかもしれない。辺りを照らす明かりは花火が咲くその瞬間のみで、いつもより警戒心が低い気がするのもそのせいだろう。残念ながらどれだけ拗ねても願っても終わりは等しくやってくるもので、最後を締め括るのにふさわしい尺玉が打ち上がれば夜空一杯を覆うような大きい花が開いて。暗くなって一瞬の静寂の後、周りからぱちぱちと拍手があがれば釣られるように手を叩き。「凄かったな最後──…ははっ、そんな拗ねた顔すんなって。帰りたくない気持ちも分かるけどさ。」隣の彼女に目をやれば突き出された可愛らしい唇につい笑いが零れては、学生の頃に感じる夏祭りの楽しさは異常だよなと頷いて。 )


  • No.770 by 御影 みき  2024-09-01 20:16:13 



!……うん!任せて!


( 自分から勝手に未来を約束するのはいつもの事だけれど、彼からこうして改めて頼まれてしまえばもっと胸が高鳴って。また来年も一緒にお祭りに来られるかも、とじんわりと湧いた実感にぱぁあ、と表情を輝かせては喜んで見回り助手の役を受け入れて頷き。彼の肩に乗せた頭は決して離されることがなくて、みきは思わず頬を弛めてしまえばそのままもうすぐに終わるだろう大輪の花たちを眺めて。最後の花が大きく空に咲いた後にはシン、と痛いほどに静まり返ったあとに夜空を様々な花で彩った花火師たちへの拍手が周りから聞こえてくればみきも同じようにぱちぱちと拍手を送り、どうやら無意識に顔に出ていたらしい帰りたくないの気持ちを指摘されてしまい「 だってお祭り終わったらせんせーともばいばいだし…。 」と楽しいお祭りが終わるのももちろん寂しいけれどそれ以上に彼とのお祭りデートが終わるのが寂しいのだともそもそ答えて。なんだか最近いつも彼と別れる時にわがままを言ってしまっている気がして、このままだと面倒くさいと思われてしまうのではという危機感もあるのだけれどこればっかりはどうしようもない。好きな人とはずっと一緒に居たいと思ってしまうのが厄介な恋心で。 )




  • No.771 by 鳴海 司  2024-09-01 22:44:38 




まあ…それはそうだけど…。
せめて帰る前くらいは友達と合流しとけよ、
俺はこれから他の先生と合流だから。

( 来年の事を言えば鬼が笑うというが、自分の周りでは鬼では無く未来の事を話せば必ずと言っていいほど笑顔を見せるのは彼女で。確約は取れないにしても花火に負けず劣らず輝く顔を目にすれば来年の夏、またこうして隣に並んで夜空を見上げる姿が自然と脳裏に浮かんでは薄く微笑み。最近の自分が彼女に殊更甘くなってしまっている自覚はあり、準備室以外でもこうして彼女と過ごす時間が増え始めているのがその証拠だろう。その度にぽつりと我儘を零す彼女はどこか申し訳なさそうに見える時もあるが、こちらとしては可愛らしいなくらいにしか思っていないのが実のところで。とはいえ今日は他の先生方と合流せずに帰ってはさすがに怒られるし、彼女だって夏祭りを共にした相手はほぼ自分。別行動になったとはいえ元は友達と来ていたはずだし、そろそろそちらも合流させておいた方がいいのではと一言添えて。 )


  • No.772 by 御影 みき  2024-09-01 23:33:06 



……んー。


( 眉をぎゅ、と寄せていやいやながらも返事をしては、花火を見終わってそのまま手を繋いで一緒に帰路につく周りのカップルたちがひどく羨ましく見えてしまいみきはそんなもやもやした思考を振り払うようにぶんぶんと首を振って、それから自分が離れがたくなってしまう理由の一つである先程からずうっと繋いでいた手をするりと離して。さっきまで手にあった温もりが無くなった途端になんだかすごく寂しくなったような気がする片手には気が付かないふりをして、こんな我儘じゃ子どもだって思われちゃう、と自分の甘えたな心に喝を入れては「 あきちゃんにメッセージ送っとく! 」とぐだぐだと彼から離れられなくなる前に先程気を使ってくれた友人へと合流の旨のメッセージを送れば流石現代っ子で直ぐに了解の意のスタンプが。これで今日は本当に彼と別れなければならない実感がふつふつと湧いてくればぎゅ、と痛くなった胸を無視して「 鳥居のとこで待ち合わせだって! 」とちゃんと合流を取り付けられた報告をして、平気な顔でへらりと笑って見せて。 )



  • No.773 by 鳴海 司  2024-09-02 08:28:12 




お、偉い偉い。

( 誰が見ても分かりやすく渋々、といった表情ながらきちんと行動に移した彼女に笑いかけて。何だかんだで繋いだままだった手もついに離れ、先程まで感じていた温もりの代わりに夏の夜の空気が手の平に触れては体感よりひんやりと感じる気がする。すぐさまスマホを取り出した彼女を見守っていれば、向こうも彼女の連絡を待っていたのかどうやら返事はすぐにきたようで。「早っ。…じゃあ鳥居まで戻るかー。」と、今時ならではのレスポンスの早さにそのままの一言が飛び出すも、花火を見終わって帰りの方向へと足を向ける人混みの中彼女だけに行かせるのは色んな意味で心配なので。元より彼女が友達と合流するまで見届けようとは思っていたので、一緒に行くぞと視線で促して。 )


  • No.774 by 御影 みき  2024-09-02 16:23:37 



、鳥居まで行ってくれるの?


( てっきりここでお別れだとばかり思っていたため、どうや鳥居まで一緒に向かってくれるらしい彼にぱち!と大きく瞳を丸くして。嬉しい、まだ一緒に居られるんだ。とぽやぽやご機嫌に頬を弛めては人混みの流れに紛れてまた彼も2人で鳥居の方角へと歩を進めていき。それならまだ手を離さなければよかった、なんて早々に後悔の念に駆られてしまうけれどずうっと手を繋いでいたらもっと離れがたくなってしまうのでそれはそれで英断だったのもまた事実。やはり花火終わりということもあり殆どの人達が駅の方へ向かう為人混みの中でも彼からはぐれないように手は繋げないながらもいつものように彼の服の裾を掴もうとするも、さすがにこの人混みの中で掴んでいたら服が伸びてしまいそうなのでそれはちょっぴり自重して。「 デート延長みたいでうれしい。 」と人混みに紛れてしまうような声、だがしかし彼に聞こえるように嬉しそうににこにこ呟けば、そのまま機嫌良く彼の隣を歩いて。 )




  • No.775 by 鳴海 司  2024-09-02 18:26:36 




…これだけ人が多いのに、ここまで付き合ってくれた生徒を1人で帰らせるほどの面倒くさがりはさすがに極めてねーよ。

( つい先程まで花火に向けてキラキラと輝いていた夕陽色の瞳は、意外とでもいうようにまん丸くなってこちらに向けられており。眉を下げてはお返しに乾いた笑いを彼女に向けた後人の流れる方へ視線を戻せば足を進めて。ガヤガヤと色んな声が周りに蔓延る中、彼女の嬉しそうな呟きが耳に届けばその素直な気持ちに頬を緩ませ。「帰るまでが遠足…じゃなくてデートだからな───…ん、はぐれるぞ。」冗談めいてへらりと笑いを零してはちらりと彼女に視線を向け、服の裾を掴んどけといわんばかりに腕を上げて。ただでさえ歩き難いであろう格好をしているのにこの人混みの中では尚更流れに飲まれやすいだろう。…もしも変な輩が近付いてきても牽制くらいにはなるだろうという考えもあるがそれは口にしなくてもいいことなので。 )


  • No.776 by 御影 みき  2024-09-02 20:00:29 




……そっか、ふふ。うん。デートだもんね。


( 彼の言葉にぱちぱちと瞬きをした後に、そっと彼の服の裾を掴んではじんわりとその言葉が胸の中に暖かく溶けていくのと同じように表情を綻ばせて。お友達ときゃいきゃいはしゃぎながらまわるお祭りもすごく楽しいけれど、彼とこうして2人っきりでお祭りデートをするというのは別格に幸せで。優しいなぁ、好きだなぁ、と今日だけでも何回更新されたか分からない彼への恋心を加速させながらも待ち合わせ場所にはあっという間に着いてしまい。もう既に友人たちは鳥居の下で待っており、さすがに友人たちの前では(いくら自分が彼に恋をしていると周囲にバレていようとも)彼の服の裾を掴んでいたらまずいかもという自覚はあるのかするりと掴んでいた手を離してはそのままブンブンと友人たちに手を振って。「 おまたせ!…あ、山田くんたちも来てたの? 」といつの間にか数人増えているクラスメイトたちにころころと笑いかけては、友人も『 あれ、鳴海先生もいるじゃん 』『 ☆先生会えなかったんだけど!来てないの? 』『 みき祭り来てまでパシリしてんの?笑 』『 先生おなかすいたぁ焼きそば奢って! 』ともう慣れたものなのか特に2人で現れたことには言及されずに彼へやいのやいの思い思い言葉をなげかけて )



  • No.777 by 鳴海 司  2024-09-02 22:54:34 




お前らいっぺんに喋るなって、
何言ってるか分かんねーよ。

( 彼女がこれをデートと呼ぶのであれば別にそれを咎める事はしないし、そういった関係になれないならばせめて気分だけ味わうというのであればむしろ肯定してもいいだろう。ましてやその単語をオウム返ししただけでこれほどまでに喜んでくれるのであれば悪い気もしなくて。鳥居の下でおーいとこちらに手を振る生徒たちはそれぞれ夏祭り仕様の装い。そんな光景に青春を感じたのも束の間、待ち合わせの人物と共に現れた自分に対して聖徳太子でも聞き取るのが難しいのではと思うほど口々に絡まれて。「☆先生なら早々に連れてかれたからどこに居るか俺も知らない。残念だけど今日は小銭くらいしか持ってきてないからお前らに奢れるほど持ち合わせてねーんだよなぁ。」と、何とか聞き取れた事に対しては律儀に返事を。ちらりと視線を向けた先にいる別グループとして来ていた山田たち男子グループは、どうやらその恋心を知っている応援隊のようで。「 山田ぁ、良かったな。 」「 御影めっちゃ浴衣いいじゃん。 」と背中を押された山田本人も少し顔を赤らめて彼女の装いに見惚れているように見えて。 )


  • No.778 by 御影 みき  2024-09-03 06:04:44 



『 えっ小銭しかないの、逆に俺ら焼きそば買ってあげよっか 』『 てかみき、突然用事出来たとか言ってたけど大丈夫だった、─── むぐぐ。 』
わー!あはは、浴衣可愛いでしょ!自分でもお気に入りなの!


( うっかり彼へついた嘘が女友達にバラされそうになってしまえば(もうバレているのかもしれないけれど)、慌ててその子の口を覆いながら浴衣に対しての賛辞ににこにこ答えて。好きな人の好きな色なんだよ、と言う言葉はなんとか胸の奥にしまい込んで、さっきの嘘バレてないかな…とこっそり彼の方へと視線を向けつつもなんやかんやで友人たちとは楽しそうに会話しており。『 てか先生居るってことは生徒指導もいるじゃん 』『 まだ21時なのに帰れとか言われるやつだこれ 』『 でも駅混んでるよね、ゲーセンとかでちょっと暇潰す? 』と見回りの教師がいるのならばいつまでも神社にはいられないだろうとわいわい作戦会議を始めて。 )





  • No.779 by 鳴海 司  2024-09-03 08:35:16 




まあ俺は遊びに来たわけじゃないし……って、可哀想な目で見んな施そうとすんな。

( 小銭しか持っていないのは買っても飲み物くらい(彼女のりんご飴は別)とのことで、何故か生徒の方から気を遣われれば遠慮の意を述べて。そうしてわちゃわちゃと絡まれれば彼女と友達のやり取りなどさすがに耳には届かず、自分の知らないところで彼女の小さな嘘はつき通すことに成功したらしい。突如として口を塞がれた友達は疑問符を浮かべているようにも見えるが。見回りの目を掻い潜ってまだまだ遊びたい様子の生徒たちだが、その作戦会議は今まさに見回り教師の前で行われているわけで。「お前ら忘れてるかもだけど俺も一応見回ってんだからな?…ったく、まだじゃなくてもう21時だし充分遊んだろ。さっさと帰れよー。」良く言えばフランクな関係、悪く言えばナメられてるといっても過言ではない生徒たちの無警戒さに溜息を吐きながら、いかにも先生らしい台詞を口にして。自分も彼らと同じくらいの時は夜でも遊びたい気持ちはあったし、それが分かるからこそ教師となった今では注意することにも意義を感じており。…とはいえやはり性格上、生徒指導には向いていないなと改めて認識もするわけだが。 )


  • No.780 by 御影 みき  2024-09-03 09:47:35 



『 はぁーい。 』『 じゃ大人しく帰るかぁ~…。 』『 かいさーん。 』『 御影、俺送ってこうか? 』『 お、抜け駆け山田だ。 』
ありがとー!でもななちゃんの方がおうち遠くなかったっけ、1人で平気?山田くん送ってくれるって!


( 教師然とした彼の言葉に渋々といったように生徒たちも帰る雰囲気になりつつあれば、それと同時に夏祭りを一緒に回れなかった男子たちがそれぞれ好いた女子たちにこっそりと声をかけるという青春のワンシーンも存在したりはたまたあっさりと破れたりと様々。みきの気遣いは完全に間違った方向へと走ってしまっているのだけれどそれは本人の気付かぬところで。生徒たちがわらわらと束になってそれぞれの家の方角へと足を向ければ『 じゃー先生また補習で! 』『 夏休み明けねー! 』『 ばいばーい! 』と彼の方へと声をかけて。「 せんせ、ばいばい!お仕事頑張ってね、デート楽しかった。 」とわざわざ彼の元へと歩み寄って挨拶をすれば後半部分はこっそりと彼にだけ聴こえる声量で囁き、ばいばいと小さく手を振って集団へとまた戻っていき。 )



  • No.781 by 鳴海 司  2024-09-03 11:52:38 




はいはい、気をつけてな。
お前らまっすぐ帰れよー!

( 傍から見ていても分かる山田の好意的なアタックは華麗に…というより本気で気付いていない様子の彼女にスルーされ、逆に声を掛けられたななちゃんという子の方が戸惑っているようにすら見える。自分に向けられた好意には鉄壁の鈍感を誇る彼女に(自分も人の事は言えないのだが)、果敢に挑んでは負け続けている山田に少し憐れみを覚えそうだ。そんな男子と教師の心持ちをまったく知らない彼女が歩み寄ってきた際に掛けられた言葉で更に山田への罪悪感に似た気持ちが少しだけ募るも、「こっちこそ良いもん見れたしお互い様だな。お前も気をつけて帰れよ?」と秘密の会話に薄く微笑み。"良いもん"が花火を指すのか彼女の浴衣姿を指すのか、あるいはそのどちらもかもしれないが答えは彼女の想像に任せるに留めて。ひらひらと手を振り返しながら可愛い生徒たちの後ろ姿をしばらく見守った後、報告も兼ねて他の先生方と合流するべくそちらへ足を向けて。 )



( / とっっっ…ても素敵な青春の1ページをありがとうございました……!おかげさまで背後の青春時代も報われた気がします…!(拝)
そしてこの数日、みきちゃんの浴衣姿を思い描いてはにまにまする毎日でした…あっ、通報はどうかご遠慮くださいね()

この後の展開についてなのですが、夏休みはまだ継続という形でよろしいでしょうか?
主様のご提示くださった案を夏休みの間にやってしまうか、仰ったように夏休み外にまわすかはお任せ致しますので…! )


  • No.782 by 御影 みき  2024-09-03 17:55:17 




【 せんせー! 】
【 おうちの鍵学校に忘れちゃって帰れなくなっちゃった… 】
【 今家の近くの公園にいるの、 】
【 たすけ 】


( 夏休み終盤の、もうそろそろ夕陽も沈む時間。確か今夜から台風が来るとかなんとかで、今にも雷雨がやってきそうなどんよりした空の下。昨日から両親は結婚記念日の旅行で弟は部活の合宿でおうちには自分一人なのだけれど、学校の補習からお友達とちょっぴり寄り道なんかしちゃったりしてルンルンで帰宅をしようとすれば何回探してもスクールバッグの中から家の鍵が出てこない。そういえば学校でポーチの中身全部零したんだった!と恐らくその時に鍵を紛失したのだろうと気がついて慌てて時間を確認すれば学校はもうとっくに施錠された時間。更には充電が残り3%という泣きっ面に蜂な状況に咄嗟にメッセージを送ったのは先程学校で会っていた彼。現代っ子の力を駆使してメッセージを送るも最後の文字は充電切れで打てず、これで彼に助けて貰えなかったらどうしよう……と自分に呆れてしまいながら今の心を表すようなどんよりとした空をベンチから見上げて。 )





【 /こちらこそ、まさか8月が終わると同時にこちらの夏祭りも終わるとは思わずなんてタイミングの良い2人なんだ…!!!と妙に関心してしまいました。素晴らしすぎる…!!!
アッ私も最寄りにあるりんご飴屋さんを通り掛かる度にウヒヒ……みたいな感じでにまにま笑っていたのでお互い様ですね!(?)


わッ!もちろんです!夏休み継続させましょう!
丁度台風シーズンですし(?)、夏休みの間にやってしまいましょうか…!その方が学校の施錠も早いでしょうし友人とかも旅行とか行って頼れる人いない!ってなりそうですし……!!一先ずこんな感じで開始文を書いてみましたが、やり辛かったらいつでも仰ってください……!!! 】



  • No.783 by 鳴海 司  2024-09-03 19:40:05 




( 長かった夏休みも終わりに近付けば、生徒でなくともやはり少し憂鬱な気持ちが湧いてくる。補習で学校に出勤することはあったものの毎日という頻度では無いし、後はたまに準備室にいる生き物たちの世話に通うくらいで。それ以外には特に予定も無ければ自分的にはゆっくりと休みを満喫できたと思う。あと唯一用事があるとすれば夏休みの最終週、約束通り彼女がバイトしているところに友人達を伴って行くのみ。──本日も数名の補習を終えて無事終了。ちょうど家に着いてとりあえず風呂でもと思っていたところにぴこんぴこんとメッセージの連続受信という、比較的自分の携帯には珍しい現象が起こればさすがに気にならないはずが無くアプリを開いて。そこに示されたメッセージ、ましてや最後の一文は少し不穏ものさえ感じて「……………は?」と一瞬思考が止まるも、すぐさま慌てて家を飛び出して件の公園へと走り。馴染みのコンビニを挟んで反対方向にある公園に息を切らせて辿り着けば、汗を流し肩を上下させて呼吸をする自分とは対照的にベンチで大人しく座っている彼女の姿を見つけ。 )

──…っは、…みかげ、はぁ………お前…、!



( / もはや季節すらこの2人がまわしているのではと錯覚してしまいますね!(?)
アッ、さすが主様お仲間思考で非常に助かります(満面の笑み)

開始文ありがとうございますー!やり辛いどころかむしろ導入として理想的で大変動きやすく…感謝の極みでございます…!
現実では決して言えないのですが、ここに関しては台風万歳ですね!!!主様の計画性に脱帽です…!

あとすみません……、夏休み続けます?とか聞いた手前で言うのもなんですが、みきちゃんのバイトというものすごく美味しいイベントを私めの鳥頭が忘れてすっぽかそうとしてまして……。少し無理矢理感が否めないですがそちらも参加したいナ……と勝手に予定に追加してしまいましたが、もしも主様的にあれでしたら脳内補完で楽しみますので仰ってください…(血涙) )


  • No.784 by 御影 みき  2024-09-03 21:41:45 





あ!せんせ、……そ、そんなに急いで来てくれたの!?大丈夫…!?


( 最悪は野宿…とまで考えていたところに息を切らした彼が現れれば、彼に助けを求めたのは確かに自分なのだけれどまさかこんなに急いで来てくれるとは思わず大きな瞳を丸くしてぱたぱたと駆け寄り。だがしかし自分が助けを求めた時にこんなにも駆け付けてきてくれる彼にみきの心臓はきゅう、と痛いほどにときめいては「 ごめんね、お仕事終わった後だったよね。…頼れるの、せんせーしか思い浮かばなくて。来てくれてありがとう。 」とカバンからハンカチを取り出してはそのまま彼の汗をそっと拭って。お仕事が終わったあと、つまりは業務時間外にも関わらずこうして自分のせいで振り回させてしまったことにそっと眉を下げてはさっきまで胸を支配していた不安は彼が来た途端に綺麗さっぱり無くなったのか、安心したように頬を弛めて。 )



( / 世界が……この2人中心に回ってる……!?!?(?)
ヘヘッ、2人なら通報されても寂しくないですからね!!お仲間がいて嬉しい限りです!!!!

台風でね、色んな人の色んな予定が狂ったと思うのでそちらの鬱憤をここで晴らしまくりたいと思います…!!!そうすれば台風のこともちょっと許せるので、ここでくらいは働いてもらおうかと…!(ニチャ)
あ゛ー!!!!背後が鳥頭故にすっかり綺麗に忘れていたアルバイトの件まで拾って下さりありがとうございます絶対にやりましょう……!!!やっぱね、学校とアルバイト先では顔も違うでしょうしほろ酔いもまた見れる(重要)でしょうから……!ありがとうございます…!!!!! )



  • No.785 by 鳴海 司  2024-09-03 23:13:20 




、はっ……お、お前が…変なとこで、メッセージ切ってるから……、っはぁ……。

( 辿り着いた時にはすでに陽は沈んでいるうえ、すぐ近くまで接近しているであろう台風の影響もあって空はどんよりと時間以上に暗く。風もそれなりに強まってきている現在、もういつ雨が降り始めてもおかしくはない空模様をちらりと見上げ。こんな中で1人外に放り出されているなんて心細いことこの上ないだろうし、生徒が危険に晒されてしまうとなれば急ぐのは当然のことで。彼女が汗を拭ってくれている間に少しずつ息を整えて。「…はぁ……、それは別に気にしなくていいけど……、鍵は学校にあるんだよな?…っと、もうこの時間じゃ入れないか……。ネカフェ…も何かあれだしそもそも財布家に置いてきたな………うーん……。」握りしめたままの携帯の画面で時間を確認すれば既に学校には戻れない時間だし、とりあえず泊まれる所に彼女を送ろうにも正直不安だしお金を出そうにも携帯と家の鍵しか持ってきていない状況に今更気付き。そうして解決策を模索しているうちに空は更に暗さを増し、少し遠くに見える山は白んでいるためすでに雨も降り始めているのだろう。「──…仕方ない。とりあえずうち行くか…。」と、ここでうだうだ考えていてもどうにもならないので財布を取りに一旦彼女を連れて自らの家に行く選択を示して。 )



( / それならば我々背後組も共に回りましょう…!!(?)
一連托生ですからね!主様と一緒なら捕まるのも怖くないです!!!

あーーー皆々様の鬱憤まで消化して差し上げようという主様の寛大なお心に日本中が感激の涙で沈みますねこれは……!()
いやもうそのイベントは何をおいてでも必ず拾わなければいけないレベルですから…!!もしもスルーしてしまっていたらこれから一生後悔するところでしたよ背後が!!!!ふふふ……こちらとしてもまた酒要素が組み込めて嬉しい限りです…むしろアルバイトをしてくれるみきちゃんに大感謝ですよ……こちらこそありがとうございます…!

では改めて、今回のお家訪問(お泊まりかな?かな??)の後はみきちゃんアルバイト編ということで…!
色々提案してくださるのがありがたく、おかげさまでまだまだ楽しみが尽きなくてもう背後は主様にメロメロです本当にありがとうございます……!!!/蹴り可です! )


  • No.786 by 御影 みき  2024-09-04 00:27:04 



送ってる途中でスマホの電池切れちゃって…。

( 彼の言葉に困ったように笑えば、真っ暗な画面のままうんともすんとも言わない自身のスマホを取り出して彼に見せて。スマホの充電スポットはそもそも電子決済、学校に補習に行くだけの女子高生の財布にはそもそも1000円くらいしか入っていない(なおかつ買い食いで800円くらい使ってしまった)のでそもそも充電器を買うことも出来ず。鍵は学校にある、との彼からの確認にこくんと頷いたあとに彼の口から零れた言葉は予想だにしていないもので、「 い、いいの…? 」と彼に迷惑をかけてしまう申し訳なさと遠くからごろごろという不穏な音が聞こえてきた不安、両方いっぱいの顔で彼を見上げては、だがしかし今の自分では本当にどうしようもないのでいいの?とは言いつつも実際彼に甘える他にもう間もなく降るであろう雷雨を凌げる方法は思い浮かばずに。もしかしたら彼の家に向かってる途中で降ってきてしまうかもしれないようなどんどんと近づく雨雲は留まることを知らず、先程まで遠くに見えた暗雲はどんどんとこちらの方に勢力を増しているようで。 )





  • No.787 by 鳴海 司  2024-09-04 04:36:46 




…ま、紛らわしい……!
充電くらいちゃんとしとけよ…ったく……。

( しーんと黙りこくったスマホにがくっと肩を落とし、改めて安堵と諸々が混ざった大きい溜息をゆっくりと吐いて。代わりに彼女の友達に連絡しようにも、そんなに何人も生徒の連絡先など知るはずもなく(というより彼女しか知らない)。財布を持ってきていない自分と、動けない状況からきっと彼女もお金を持っていないものと予想しては、何をするにもとりあえずここから動かないことには始まらないわけで。「とりあえず俺の財布取りに行って、それから考えよう。」と今できる最大限の形としてむしろそれしかない選択肢を選ぶしかなく、もちろん彼女をここで待たせる訳にもいかないので連れて行くのも大前提。少し不安げに真っ黒い雲を見上げてはまだ降ってくれるなよと願うも、思い虚しく家に辿り着く頃には言葉通り滝のような雨になってしまうのだが。 )


  • No.788 by 御影 みき  2024-09-04 09:17:54 



ぅ……ありがとうせんせー…ごめんね…。


( 顔をしわしわと顰めながらもしっかり彼にお礼は伝え、何かしらでこの恩は必ず返さねば…とみきの妙なところで几帳面な部分が心の中で見え隠れしながらもその奥底では彼のお家に行けるちょっぴり浮ついた気持ちもあったりなかったり。だが今回は望まれ招かれた訳では無いので一旦それは自重するとして、よろしくお願いしますと頭を下げた途端に頭のてっぺんにぽつりと降り注いだのは1粒の雨。「 ぁ。 」と思わず空を見上げればまた頬にぽつりと雨粒が。予定ならば夜から降るはずだったのに、天気予報がずれ込んだのだろうかいつの間にか遠くにあったはずの曇天は頭上に届いており、いくつもの雨粒を降らせてきて。 )




  • No.789 by 鳴海 司  2024-09-04 10:34:11 




…、夜からの予報だったのに早いなくそ…!

( あっさりと願いを足蹴にするように降ってきた雨に苦々しく呟けば、雨粒を避けたい心理で頭上に手を翳し、走るぞ!と今しがた急いで来た道を再び急いで帰る事に。すれ違う人達も予測を超えてやってきた台風に公共交通機関がストップしては困ると慌てて帰路に着いている様子で、その点は自分の足で充分な距離に家があるのは強みかもしれない。────……自身のアパートに辿り着いたと同時にいよいよ雨風は本気を出してきたようで、本降りからはギリ避けられたとはいえ雨の中を走ってきたお互いの服はとっくにびしょ濡れで。「…はぁ……はぁ…っ、ちょ、タンマ………しぬ…全力疾走往復はしぬ……!」と膝に両手をついて肩どころか体全部で息をして。出来るだけ早く息を整えて、軒先とはいえいつまでも外にいるわけにもいかないので鍵を開けて中に入るよう彼女に促して。「悪いな、すぐ片付けるからとりあえず上がって。」と、散らかっている物(と言っても物は少ない方なので脱ぎっぱなしにしてた服を数着拾うだけ)を手早く片しては洗面所からタオルを2枚持ってきて片方彼女に手渡し。 )


  • No.790 by 御影 みき  2024-09-04 11:36:43 



っびっくりしたぁ…。せんせー大丈夫…??


( ポツポツと降り始めた雨は段々と勢いを増していき、彼の家らしいアパートに着いた時にはもうすっかり本降り。走ってここまで来たとはいえワイシャツがピッタリと肌にまとわりついてなんとも言い難い気持ち悪さである。アパートまで一緒に全力疾走したとはいえ、自分に比べて彼は往復どちらも走ってくれてる訳なので、先程とは比べ物にならないほどぜえはぁと呼吸を繰り返す彼を少し呼吸が乱れている程度のケロッとした顔で心配そうに覗き込んで。漸く呼吸がある程度整った彼に促されるがままお邪魔します、と部屋に上がり込んでは人生で初めて入る大人の男の人のおうちに思わずきょろきょろと視線が泳いでしまい。彼からタオルを手渡されれば「 ぁっ、…ありがとう…ございます…? 」と緊張ゆえに妙にキョドキョドとしながらそれを受け取り、先ずはいつまでもぽたぽたと水滴を垂らす髪を拭かねばと頭からタオルを被ればふわりと彼の香りが鼻腔を掠めてただでさえどきどきと緊張が高まってしまい。 )



  • No.791 by 鳴海 司  2024-09-04 14:27:36 




何とかな……、
家がもうちょっと遠かったらだいじょばなかったけど。

( 乱れた息も落ち着けば自らもタオルで頭をガシガシと拭き、体力面を彼女から心配されればいつぞやに聞いたことのある言い回しを使っては肩を竦めて。珍しく…といっても状況的に当たり前かもしれないが、緊張した様子の彼女に視線を向ければその体に張り付いたシャツは何となく目のやり場に困ってしまう。ましてやタオルである程度の水分は取れても、濡れた服のままでは風邪をひいてしまうだろう。財布だけ取ってホテルなりに彼女を送り届けようと思っていたのだが、外の雨足はこの短時間で更に勢いを増し風も相まって完全に横殴りの大雨。これでは外に出ること自体が危険だとしばらく考え込んでは、「………御影、服脱いで。」と全力失踪後のせいか頭がまだ回っておらず、重要な部分を説明することなく場合によっては通報待った無しの一言を零して。 )


  • No.792 by 御影 みき  2024-09-04 16:04:03 



へッ!?


( 彼の匂いがいっぱいのおうちは居るだけで何だかドキドキして、今日このままお泊まり出来たらいいのに、なんてまさか彼が許可するわけが無いであろうことを夢みては恋する乙女の胸はドキドキとときめいて。─── 外が今どんなに横殴りの雨か、なんて好きな人のお部屋が目の前にある今はそれどころではないので気が付かず。そんなことを考えながらぽけ、としていればふと耳に届いた彼の言葉にぶわ、と顔を赤らめては思わず手で胸元を隠して驚愕の声をポロリ。「 ま、まだちゅうもしてないのに…!?……で、でも、せんせーがそう言うなら、あの、みき頑張る?から…。 」とさすがのみきでも男女二人きりの部屋で服を脱げなんて言われてしまえばその後に待ち構えている展開はひとつしか思い浮かばずにいつかのりんご飴とおんなじ色に頬を染めながら恋する乙女はフルスロットルで勘違いをもじもじ加速させていき。 )



  • No.793 by 鳴海 司  2024-09-04 16:53:37 




は?……………あ゛、いや違う違うッ!
ほら、そのままだと風邪ひくから、とりあえず今着てる服は乾燥機に入れて乾くまで俺の服しか無くて悪いけど…って……!

( 真っ赤に顔を染めた彼女の反応に怪訝な顔をしては、その意味を理解すると共に思い返せば自分の言葉足らず過ぎた台詞に慌ててブンブンと手を振って。サーッと血の気が引く感覚はあるのに、勘違いを起こさせてしまった内容にぶわりと顔に熱を感じながら急いで先程の台詞の補完を。世の独身男性が皆そうだとは言わないが、律儀に洗濯物を干すなんて…と、自分は少しでも楽がしたいため乾燥機能付きの洗濯機を使用していて。「…あー…つまり、そういう事だから!……──つーかお前も素直に従おうとしてんじゃねーよ……はー…焦った……。」と、少し落ち着きを取り戻せば元凶が自分なのは棚上げに、意外にも彼女の発言が前向きだったことに苦言を呈しつつも少し気まずく顔を逸らして。 )


  • No.794 by 御影 みき  2024-09-04 17:29:06 



な、なんだぁ…。
びっくりした……。


( ドッドッドッド、と煩いほどに早くなった鼓動を抑えるように胸元に手を当てながら彼の先程の言葉の真の意味を説明されればまだ顔を赤らめた状態でほっと安堵の息を吐いて。2人っきりの部屋でお互い顔を赤らめているこの今の状況も見る人が見れば誤解されるような状態だが、今はそんなことにまで気を配っている心の余裕は残念ながらない。視線を逸らしながら先程の彼の言葉を驚きつつも受け入れてしまった此方に苦言を呈す彼にぷく、と頬をふくらませては「 だって好きなんだもん…。そもそも!せんせーが突然脱げだなんて言ったから……。 」と唇を尖らせながらそもそもの発端はそちらだと言いたげにじと…とした夕陽色の瞳で彼を見つめて。だがしかしそんな拗ねた様子も長くは続かず、外からごろごろと雷神のうめき声が聞こえればびく!と肩を跳ねさせてそのまま彼の傍に先程の緊張感はどこへやらぴったりとくっついて。 )



  • No.795 by 鳴海 司  2024-09-04 18:10:51 




俺だってびっくりした……。

( 同じように安堵の息を吐いてはいるが、こちらに関しては完全に自業自得だといえるだろう。何とも言えない空気が流れている中、形のいい唇をつんと尖らせいつもの拗ね顔を披露する彼女は自分の文句じみた言葉にしっかりと反論を。こちらからは反論しようの無い正論にぐぬ…と言葉に詰まっては「う……いやだから…まあ……それは俺が悪かったけどさあ……、──!…あー…、そういやお前雷苦手だっけか…。」と、突然光った窓の外と大きな雷鼓に驚いた彼女がくっついてきた事に今度はこちらが少しだけ肩を跳ねさせて。今年の夏祭りでそんな話をしたばかりだなとつい最近の思い出を掘り起こせば、お互い濡れた服のままで寄り添っていることに罪悪感にも似たざわざわとした気持ちが湧いてきて。「…~~~っ、御影……とりあえず服貸すから…早いとこ着替えてくんないかな……。」何だか隣の彼女を直視できず、視線どころか顔ごと逸らしながらぽつりと呟いて。 )


  • No.796 by 御影 みき  2024-09-04 18:58:18 





雷、きらい……。


( どうやら此方が雷が苦手なことを思い出してくれたらしい彼にこく、と深く頷けば、次にいつ鳴るか分からない雷に眉を顰めて警戒を顕にしながらも神妙な顔付きで外の方を見つめて。だがしかし頭の上から聞こえた彼の声色にはっ、と我に返れば「 ぁ。お洋服びちゃびちゃで気持ち悪いもんね。 」と少しばかり本来の意味とは違った意味で彼の言葉を受け止めて。何故だか顔ごと逸らしている彼を不思議そうに見上げながらゆっくりと体を離しては洗面所借りるね、とぱたぱた洗面所の方へと駆けていき。洗面所でなんの躊躇もなくびっしょりと濡れたシャツやらスカートやらを脱いでいけば、下着姿になったところで漸く〝好きな人の家で2人きりで服を脱いでいる〟という今の状況に漸く気が付いて先程まで引いていたはずの顔の熱が一気に頬に戻ってきてはぴたりと動きが止まり。 )




  • No.797 by 鳴海 司  2024-09-04 19:30:56 




気持ち悪いというか何と言うか……。
とりあえず風邪ひかれたら困るからな…。

( 言葉の受け取り方に多少のズレはあるもののむしろそれが救いとなり、洗面所の扉が閉まる音で漸く顔を正面に戻せば小さく溜息を吐いて。外はすでに暗くなっていて様子は見えないが、紺色のカーテンがひかれた窓にバシバシと強く打ちつける雨音で荒れ模様はハッキリと分かる。不可抗力とはいえ教え子を招き入れることになった自宅で籠城しなければならない事を改めて認識しては、部屋のほぼ真ん中に位置するソファに腰掛けながらさてどうしたものかと思考を巡らせて。免許はあれど車は実家、徒歩で職場に通える距離に暮らしていることをまさか後悔する日がくるとは。そんな事を考えていれば、彼女がいるはずの洗面所が何だか静かな気がして。着替えを渡す事を忘れていたとソファから立ち上がれば、クローゼットから最近洗濯したばかり+2、3回くらいしかまだ袖を通していない比較的新しめのTシャツとジャージのズボンを取り出して。「…御影ー。ドアの前に着替え置いとくけど……乾燥機の使い方分かるよな?」と、聞こえやすいように少し声を大きめに扉に向かって話しかけ。 )


  • No.798 by 御影 みき  2024-09-04 20:39:35 





あ、ありがと!だいじょぶ、わかる!

( 悶々と様々な感情と戦っていれば、ふと扉の向こうから聞こえた彼の声にびく!と肩を跳ねさせて慌てて返事を。彼が部屋の方へ戻った足音を聞いてからそろそろと洗面所の扉を開けて着替えを拝借しては、選択したばかりなのだろうかいつもの彼と同じ香りが鼻腔を掠めてまたみきの心はときめいてしまい。これこそ彼ジャーなのでは、とふわふわはしゃいでしまう心をそのままに扉を閉めようとしたところで折角乾燥機を回すのならば彼の服も一緒に乾燥してしまった方が一石二鳥では?ということに気が付き、下着姿なので体は見せないように首元までを覗かせて「 せんせー、せんせーのお洋服も一緒に乾燥機に入れちゃう? 」とみきなりの気遣いを発揮して。普段家族の洋服も洗濯しているからこそたかが自分のワイシャツとスカート如きで乾燥機を動かすのは勿体ない、と所帯染みた理由ながら格好はさておきその瞳はただただ純粋に疑問を投げかける瞳で。 )


  • No.799 by 鳴海 司  2024-09-04 23:06:49 




え、あー……そうだな。ちょっと待ってて。

( 部屋に戻った所で背後から声を掛けられてふと考え。自分の服ならば洗濯してもいいがどうせ乾燥させている間は洗濯できないし…濡れたままで放置するのであれば乾燥させておいた方がいいだろう。彼女がたまに見せるこういった家庭的な一面に素直に感心しながらぺたぺたと肌にひっつく服を何とか脱いで、さすがに裸で行くわけにはいかないので適当なシャツに下も履き替えて。濡れた服を片手に洗面所へと再び足を向ければ、扉から器用に顔だけ覗かせている彼女が視界に入ってはぎょっとして。「、!?…おま……開けてるなら言えよ!……ったく、ここ置いとくから適当に放り込んどいて。」首から下は一切見えていないが、その状態からまだ服を着ていないであろうことは想像がつく。そちらを見ないように扉の側に服を置けば、そのまま振り返る事なく足早に部屋の方へ戻り。 )


  • No.800 by 御影 みき  2024-09-05 05:45:57 



えへへ。
はぁい、一緒にまわしときまーす。


( 濡れた服片手に戻ってきた彼に悪戯っぽくへらりと笑っては、此方を見ないようにしながら足早に去っていった彼に「(見えてないのになぁ…)」とその気遣いにちょっとくすぐったい様な照れくさいような気持ちになにかんで。そのまま彼の服を回収し、自分の服と一緒に乾燥機に放り込んではスイッチを押して乾燥開始。なんだか夫婦みたい…!と妙ににやけてしまう頬をそのままにいそいそと彼が用意してくれた彼の服を着てはまるで全身彼に包まれたような感覚がして声には出さずともきゃー!と内心はおおはしゃぎで。だがしかしやはり上下どちらもぶかぶかでズボンに至っては松の廊下のように引き摺ってしまうので何回か織り込んでようやく完成。「 せんせー、洗面所お借りしました!どう、似合う? 」とにこにこ笑顔を浮かべながら洗面所から出てくれば、完璧に彼氏のおうちでくつろぎスタイルになった全身を見せるようにくるりとその場で回って見せて。 )




  • No.801 by 鳴海 司  2024-09-05 10:38:24 




ん、
こっちこそありがとな。

( いくら隠しているとはいえ想像くらいなら容易にさせてしまいそうな彼女の無防備さに頭を抱えながらソファに座り込んで。しばらくして着替えを済ませて戻ってきた彼女がファッションショーのようにくるくると回り始めれば、「はは、やっぱりぶかぶかだな。似合う似合う。」とサイズの合っていない服の不恰好ささえ可愛らしく見えて可笑しそうに笑い。しかし改めて、今彼女が着ている服が上下共に自分の物だと考えてしまうと何だか背徳感のようなものが湧いてくる気がする。前に白衣やジャージやらを預けているうちに着られていたことはあるが、その時とは違って完全なプライベートで自分の普段着を纏う彼女の破壊力というものは想像以上だったようで、どこか見惚れるようにじーっと彼女を見つめて。 )


  • No.802 by 御影 みき  2024-09-05 14:29:01 



んふふ!
ズボン何回か折ってやっと調度良いサイズ、─── …せ、せんせ?


( 彼から真っ直ぐに褒められればてれてれはにかみつつ彼のスラリと長い足をいつも包んでいるのだろうズボンは自分にはやはり長かったことを説明しようとしたものの、じっとこちらを見つめる彼のダークブラウンの瞳がどこか熱を帯びているようでみきは思わずもじ、と恥ずかしそうに彼を呼んで。いつもの生徒たちのザワザワや水槽のフィルターのこぽこぽした音もない、外の雨が窓を打ちうける音と乾燥機の音だけが聞こえる2人きりだけのプライベートな空間。しかもこの空間は自分が好いている相手の生活している場所で、更にはその人の服まで着ているのだ。「 あ、あんまり見たら、……その、恥ずかしい…かも、…。 」と恥ずかしさを誤魔化すようにへらりと笑いながら淡く染まった両頬に手を当てて視線を逸らしてしまえば、こてりと首を傾げて。 )



  • No.803 by 鳴海 司  2024-09-05 15:49:40 




──っあ、悪い、何でもない。

( ベッド、テレビ、棚、そしてソファの前にはちょうど良い高さのローテーブル。何の面白味も無い無難な部屋に彼女が居るのは何だか異質で、いつも聞いている声でさえ普段より良く響くような気がする。声を掛けられればハッと我に返り、誤魔化し笑いをしてはいるがその頬が薄ら赤く染まっているのを見れば慌てて視線を逸らし。今まで女性と付き合った事が無い訳でもなければ、彼女には敢えて言う必要も無いが一応この部屋に今では元カノとなっている相手を招いた事もある。だがそんな過去より今の状況の方が、何故だか胸を締め付けられるような感覚がある気がして。しかし今はそれどころではないと頭をふるふると振ってその思考を頭の外へと追いやれば、「とりあえずお前のスマホ充電しなきゃな…。充電器、挿さるか試してみて。」と、5口の差し込み口と電源タップの付いたコンセントハブから伸びた長いコードの充電器を引っ張り上げて先を差し出し。それもこれも面倒くさがり故のアイテムなのだが。 )


  • No.804 by 御影 みき  2024-09-05 16:35:53 




うん、これ入るタイプ。だいじょぶ!


( 彼から差し出された充電器のタイプはいつも自分が使っているもので、こくんと頷けばお借りしますと一言ことわってから自身のスマホを充電開始。今はそもそも電源が落ちているのでまだ何も言わないけれど、暫く充電していればそのうち復活するだろう。みきは床にぺたんと女の子座りをしては充電器の繋がったスマホを見てこれで誰かに連絡をする手段はどうにかなった安心したように頬を弛め。だがしかし問題は─── …「 お外、…台風来ちゃったね。 」雨音はどんどんと激しさを増していくばかりで止む気配はもちろんなく、恐らくニュース通り今夜一晩はこの嵐だろう。先程も鳴った雷は今はなりを潜めているけれどまたいつ鳴りだすかも分からない状況なので、みき個人としては全く油断のならない状況で。お泊まり出来たらなぁなんて1人勝手に浮かれるのは自由だったけれど、いざ本当にこの家から出られなくなってしまった今は何だか彼への申し訳なさが勝ってしまいそれどころではない。自分は今ここにいても大丈夫なのだろうかと不安いっぱいの瞳で彼を見上げては、少しでも安心を得たいのか彼から借りた服の裾をきゅ、と無意識に指先で摘んで。 )





  • No.805 by 鳴海 司  2024-09-05 22:48:04 




相当強い台風だってテレビで散々言ってたからな…、
もう外は出ない方が……つーか出れないなこれ…。

( 完全に沈黙状態のスマホだが、充電器が無事合っていたようで安堵から頬を弛ませる彼女を確認すればとりあえずは一安心。復活さえすれば取り急ぎ彼女の親御さんに連絡を取ってもらって状況を説明して…と、頭の中で順序立てていけばじわじわと緊張するものがあるがこればかりは避けられない。しかし彼女の一言で現状に引き戻され言葉に釣られるように窓に目をやれば、外出なんて当たり前に許さないとばかりに雨風は更に酷くなる一方で。ふう、と溜息を吐けばこちらを見上げる視線に気付き、その夕陽色が怯えというよりはどこか申し訳なさげに見えて。普段であればきっと『せんせーのおうち!』と喜びを顕にしそうな展開だが、いざそういった状況に置かれると途端に不安そうな様子を見せる彼女が何だか愛しくて。「そんな顔すんなって。別に追い出したりしねーし、そもそもこんな嵐の中生徒を放っておくなんて先生として失格だろ。」と、ポンと軽く彼女の頭に手を置いて。 )


  • No.806 by 御影 みき  2024-09-05 23:58:32 



……ふぐ太郎たち、大丈夫かな…。


( 台風での停電はよくあること、もし水槽のフィルターが止まってしまったら。と考えると学校に残っている小さな友人たちのことが唯一の気がかりで。勿論こうして2人きりでひとつ屋根の下に想い人と共に居るのもとんでもない気がかりなのだけれど、それとこれとはまた種類の違う話。大きな音こそ鳴っていけれど、遠くで聴こえる雷の音にびく、とまた体を硬直させては静かに彼の方へと寄り添って不安げに窓の外を見つめて。ぽん、と頭の上に置かれた優しい手と彼の言葉にほっとわかりやすく安心したように表情を綻ばせれば「 …ごめんね、せんせー…。あの、家事とか…えっと、マッサージとか。何でもするから、何でも言ってね。 」と不可抗力とはいえ一晩お世話になる身、彼が望むことなら何でもしようとみきの生真面目な部分が見え隠れしては真剣な夕陽で彼をじっと見つめてはこくりと深く頷いて。 )



  • No.807 by 鳴海 司  2024-09-06 07:01:26 




確か学校は非常電源があったはずだから、
もし停電になってもたぶん大丈夫だと思うぞ。

( 真っ先に出る心配の言葉が準備室にいる小さな生き物たちに対してという彼女の優しさに薄く笑みが零れて。万が一の時に避難所として開放される学校にはそれなりの備えがあるからと彼女の不安を払拭できるような答えを。更に言えば彼らは元々野生の個体というのも強みで、数時間から1日くらいフィルターが止まってしまっても大した問題では無いだろう。遠くに聞こえる雷でさえ反射的に体が強張ってしまう彼女は、仮に家に帰れていたとしても今日は1人だって昼間言ってたはず…。と、そちらの意味でもこの状況は助けになっているんだなと擦り寄ってくる相手を見て眉を下げ。それにしても彼女のこういう変に律儀な部分は何なのだろう。余りにも真剣な瞳にぷっと吹き出してしまい、「ばーか。そういう変な気を遣わなくていいけど、とりあえず床じゃなくてこっち座りな。」いつまでも床に座り込んでいる彼女にぽんぽんとソファを軽く叩いて示せば、逆に自分は立ち上がって食べる物は何があったっけと確認のためキッチンへ。充電ケーブルは充分長いためソファに座ったままでも余裕で届くだろう。…しかし"何でもする"という台詞は少しばかり魅力的ではあるが、自分以外に使われるのを想像すると何だかもやりとしてしまう気がするがそれは内緒。 )


  • No.808 by 御影 みき  2024-09-06 15:19:47 




良かったぁ。台風通り過ぎたら元気か確認しに行かなくちゃ!…あと鍵もね!


( 彼の言葉にぱっと表情が和らげば安心したように息を吐き、台風が過ぎ去ったあと─── そもそも家の鍵を取りに行かなければならないので明日しかないのだけれど─── に小さな友人たちの様子を見に行こうと決意。カエルやメダカは雷が怖くないのかなぁ、なんて段々と近づいているようなゴロゴロ音にふといつも無機質な瞳をこちらに向けてはたまにひと鳴きする不思議な彼らのことを考えているうちにぽん、と叩かれたソファに瞳を向けてはそういえば確かに無意識に気を使っていたのかずっと床に座っていたことを思い出して。ぽす、とソファに座って改めて部屋を見回せば「 …えへへ。せんせーのお部屋だ。 」と漸くいつものようにへにゃりと笑顔を浮かべてぽそりと呟いて。だがしかしキッチンの方へ向かった彼の後を追うようにぺたぺたと自身もキッチンの方へと歩いてくれば「 お夕飯、みきが作ってもいい? 」とひと宿の恩に、ではないけれど折角ならば作りたいと強請るように彼の服をくい、と引っ張って。 )



  • No.809 by 鳴海 司  2024-09-06 19:39:48 




まあそれはそうだな。フィルターの確認とついでに餌もやって…──、
鍵……、たぶん台風が弱くなるのって早くても午後とかになりそうだけど大丈夫か?

( 鍵の事もあるだろうが、それよりも先に準備室にてこの嵐をいつも通りにやり過ごしている小さな生き物達の心配をするという、何とも彼女らしい優しさに薄く微笑み。明日学校へ赴いた際に確認しなければならないことを指折り数えていれば、そもそも台風が弱まらないと動けないんだよなと気付き。夕方にはならなくとも、間違いなく午前中は籠城継続中になるだろう。ソファへ移動する彼女を視線で追いかけながら、もしも午前中に帰らなければというのであれば何としてでも学校へ行く方法を、と思考を巡らせて。ほぼ入れ違いにキッチンへ向かえば、せっかく座ったというのに律儀に後を着いてきてはやはり気を遣っているのだろう一言を。引っ張られたことで反射的にそちらを見れば「え。……いやまあそれはむしろありがたいけど…、できるか?これ。」と、冷蔵庫を開けてその中を彼女に見せるように。台風に備えて買ったものといえばインスタントのものばかりで、冷蔵庫の中にはギリギリ期限内の卵やら元気控えめな野菜が申し訳程度に入っているのみ。米や調味料はあるが、むしろちゃんと使っているのか?というほどそちらは潤沢で。 )


  • No.810 by 御影 みき  2024-09-06 20:43:14 



うん、お父さんとお母さん帰ってくるの明後日だし…つばさ(弟)は来週にならなきゃ帰ってこないから午後でも平気!

( こく、と彼の言葉に頷いてはだがそれと同時に彼が拾ってくれなければ明日の午後までどうなっていたか分からなかったというもしもの世界を想像してはゾッと体温が下がり。こうして困った時に素直に手を伸ばせる相手がいる事とすくい上げてくれる相手がいるという事実に心から感謝と安堵をしては、彼にとって自分がそういう相手になれたらいいのになと恋する乙女の我儘がそれと同時にふんわりと芽を出して。しかし、午後まで籠城となればそれまでずっと彼と二人きりで居られるということ。どきどきとときめきと、それからそわそわと。そんな感情を抱えながらもやはり最後にあるのはこんな状況だけれど嬉しいという気持ちで。冷蔵庫の中身と米や調味料をちらりと確認してはふむ…と少し考え込むような仕草の後に「 うん、これだけあるなら3品くらい作れるよ! 」と満足気に頷いては三本の指を立てた手と一緒に自信ありげな笑顔を彼に向けて。その瞳はいつ彼に料理を披露する日が来ても良いように、と普段家で料理を作っているにプラスして最近始めた居酒屋バイトで店長から少しずつ料理を教わっていた甲斐があったと好きな人の胃袋を掴んじゃおう大作戦その2を決行する気満々で。 )




  • No.811 by 鳴海 司  2024-09-06 23:01:34 




そっか、じゃあ明日は様子見て学校に……、ってあぁそうだ。
スマホ復活したら親御さんに電話してくれるか?俺が直接話すから。

( 彼女の返答に頷けば、何より忘れてはいけないことを危うく伝え忘れそうだったと思い出して。非常事態とはいえ教師の、しかも男の家に外泊するとなっては、いくら旅行中で現状を知る機会が無いとはいえさすがに黙っているわけにはいかない。自分の口から直接経緯を話して彼女の両親に誠意を見せなければと、彼女がふわふわと嬉しさを感じていることなどつゆ知らずまるで結婚の挨拶にでも臨むかのように心の内で変な緊張感から拳を握り締めて。彼女が冷蔵庫の中身とにらめっこをしていたのはほんの僅かな時間で。自信に満ちた笑顔とその指が指し示す品数にぱちくりと目を丸くさせては「まじで?…え、これでそんなに作れんの?」と、申し訳程度の食材と自信満々な彼女を交互に見比べて。もちろんインスタントに頼らなくていい可能性があればそちらの方がありがたく、更に言えばスポ大の日に食べた弁当以来の彼女の手作りにわくわくとしてしまうのも事実で。 )


  • No.812 by 御影 みき  2024-09-07 00:42:40 



、…ふふ、はぁい。
みき、せんせーのそういうとこだいすき。


( ぱち、と驚いたように瞳を丸くした後にまたそれはゆるゆると愛おしそうに細められてはそれを快諾して更には素直に思ったことを吐露しながらぎゅっときつく握られた彼の拳を両手で優しく包んで。緊急事態だしそもそも自分が鍵を忘れたことが原因なのでわざわざ電話をしなければ両親にバレることもないし更には彼が直接電話をする必要は無いのに、彼はどこまでも〝良い大人、良い教師〟であり自分たち生徒のことを大切に思ってくれているというのが真っ直ぐに伝わってきてみきは彼のそんなところにまた恋に落ちてしまい。綺麗なダークブラウンの瞳をまん丸にして(とても可愛くてこの顔もみきは大好き)、此方と食材たちを交互に見つめる彼にくすくすと笑ってしまえば「 せんせーのお嫁さんになるために花嫁修業中ですから! 」と自慢げに胸を張って自身がこうして料理の腕を磨いている理由をさらり。お米や調味料が少なければ選択肢も狭まってしまっただろうけれどそこは幸い問題がなく、彼もたまに自炊とかするのかなと想像してはそれはそれでとても目の保養なのでいつか見れたらいいなぁなんて期待に胸を膨らませつつ。 )



  • No.813 by 鳴海 司  2024-09-07 08:10:01 




はいはいどーも。
大人として…っていうか、子供を預かる事になる身としてはそういう所ちゃんとしとかないと。親御さんに余計な心配かけるだろ。

( ふわりと包まれた拳はその温もりでじんわりと弛み、聞き馴染んだ台詞のおかげも相まって緊張はほろほろと解けていき。仮に自分も彼女と同い年ならば、バレる可能性の少ない無断外泊という状況はとてもワクワクするもので浮ついていただろう。大人に、ましてや教師になった今、教え子のことはもちろんその家族のことも考えるのは当たり前だと真っ直ぐ答えて。…しかしもしも電話越しに彼女の両親から少しでも不安そうなものを感じれば、彼女にはここに居てもらうにしても自分は近くのビジネスホテルなりで一晩を過ごす事もやぶさかではなく。ふふんと胸を張る彼女が可笑しくて笑みを零せば、「はは、それは頼もしいな。…んー、じゃあお言葉に甘えて、晩飯は御影シェフにお任せします。」ぺこりと頭を下げて彼女の厚意を受け入れて。インスタントや惣菜に飽き、尚且つ気分が乗らないと滅多に自炊しない人間としては、やはり温かい手料理はとてつもなく魅力的で。 )


  • No.814 by 御影 みき  2024-09-07 09:29:41 



………はやく、連絡しなくてもいいようになりたいなぁ。


( 子どもを預かる身、という言葉に少し、ほんの少しだけ瞳が翳っては彼に聞こえるか聞こえないか程度の小さな呟きをこぼして。きっと彼とおんなじように大人でだったらわざわざ親にこんな連絡をする必要はないんだろうなの彼の真っ直ぐで真摯な気持ちがどこか胸を貫くように痛くて。スマホを見ればもう画面は復活しておりこうして充電したままならば電話もできるだろうと、彼の視線から逃げるように手を離してはスマホを手に取り早速親に電話を。少しのコール音の後無事に出てくれた母に学校に鍵を忘れてしまったこと、学校の先生のお家に避難をしていることを順番に説明していけば「 せんせーが直接お話したいって言ってたから、変わるね。 」と彼に通話中の画面が表示されたスマホを手渡して。彼から晩ご飯のシェフに直々に任命されればにこ!と満面の笑顔を浮かべてそれを拝命し。いつもおうちでごはんを作る時はエプロンをつけているけれど、男の人のお家にエプロンって無さそうだな…と勝手なイメージを抱えつつも「 じゃあもう作っちゃうから、せんせーはソファで待っててね。…あ、それとね、せんせーのおうちエプロンある?せんせーの服汚れたら困るからもしあったら貸してほしいな。 」とそんなに油が飛び跳ねたりする料理をする予定では無いもののダメ元で聞いてみて。 )




  • No.815 by 鳴海 司  2024-09-07 12:41:48 




いやお前が卒業したとしても元生徒ってことには変わりないし、何かあれば俺はちゃんと親御さんには連絡するつもりだけど。

( 少し寂しげにも聞こえる呟きが小さく聞こえては、彼女がこの先大人になってもこういう時はご家族に連絡を入れるのが当たり前だろうと。…自然と出た台詞だが、それはつまり彼女が学校を卒業した後もこうして隣にいる未来を無意識に描いていることに本人はまだ気付いておらず。彼女が耳に当てている際に微かに聞こえる女性の声は担任でもない自分が聞く機会なんて今まで無かったわけで。再び変な緊張感が顔を出すも、自分が彼女親の立場なら非常事態とはいえやはり心配になるだろう。正直電話の向こうが父親でないことに少しだけ安心しつつ、差し出された電話を受け取って。「…あ、すみません。お電話代わりました鳴海と申します。みきさんからも説明があったと思うんですが──…、」出来るだけ分かりやすく繰り返しに近い経緯を説明しては、何よりも安心してもらおうと自分が別の場所に移動しての寝泊まりを考えている旨も伝えて。さっそく調理を始めようとする彼女に投げかけられた質問に「あー確かどっかにあr……いやごめん嘘無い。絶対無い。別に俺の服くらい汚れてもいいから気にすんな。」ふと思い出したエプロンの存在は元カノが置いていったもの。未練云々などでは決してなく、どうでも良いからこそすっかり忘れてそのままにしていたのだ。いくら自分が無頓着とはいえ、それを出されてはさすがに彼女もいい気がしないのは容易に想像がつく。首をぶんぶんと横に振りながら、言われた通りソファへと戻って。 )


  • No.816 by 御影 みき  2024-09-07 13:44:24 



『 あら!あらあらあら!貴方が鳴海先生!みきからいつもお話は伺っております~、みきの母です。もうごめんなさいね~、本当にご迷惑をおかけしますけれど、もし先生さえよろしければ今日一晩は一緒にいてあげてください。…ホラ、あの子雷が嫌いでしょう?私達も雷雨の中あの子をひとり留守番にさせるのが気がかりで…きっと鳴海先生と一緒なら大丈夫でしょうから。 』


( 電話口の母は実にからりと明るく、恐らく普段から家でみきから彼の話を聞いているのであろう彼の名前を聞いた途端にぱっと声色が華やぎ。彼の緊張とは裏腹に母は実にのんびりとマイペースで、むしろこの雨や雷の中1人で居させるより好きな人のところにいた方が安心だろうと言った口ぶり。母の向こうでは父親らしき声が『みきか!パパだぞ、大丈夫か?雷怖くないかー?』と騒いでいるのだけれども母親はそれを一切無視してほのぼの話を続けて。だが決してこの宿泊許可も何も考えていない訳ではなく、こんなにも正直に自分たちに全てを包み隠さず連絡をくれた彼への安心と信頼から来るもの。一方のみきは彼からの〝みきさん〟呼びや自然と卒業後も自分が彼と一緒にいる未来を思い描いてくれている彼に1人でどきどきと胸を高鳴らせておりそれどころではないのだけれど。なぜだか一瞬肯定しかけたのに直ぐにわざとらしい程に首をブンブンと横に振りながらエプロンが無いことを伝えてきた彼に不思議そうに首を傾げては「 ???それならいいんだけど…。 」と妙に腑に落ちないような声で答えながらもキッチンに向き直り早速食事の準備に取り掛かり。まずお米を2合ほど研いで炊飯器にセット、それから野菜を切ったり卵を茹でたりと手際よく花歌を歌いながら料理を進めていき。暫くすればふわりとカレーの香りが室内に漂い、小皿を持ったみきがぺたぺた彼の元へ歩み寄ってくれば「 せんせー、カレーの辛さどう?ちょっと辛めにしてみたの。 」とどうやら彼の分は辛さを変えてみたらしく味見をして欲しいのだと味見程度にカレーがよそってある小皿を差し出して。 )


  • No.817 by 鳴海 司  2024-09-07 21:49:27 




え、あ…まあその……お母様がそう仰ってくださるんでしたら…、えっと、じゃあ…お言葉に甘えさせて頂きます…。

( さすが御影母といったところで、娘同様にふんわりとした雰囲気はあるもののしっかりとした芯のある勢いも持ち合わせており。口ぶりからしてきっと彼女は家でその気持ちを隠す事なく話しているのだろうし、母親もそれをネガティブに受け止めているわけではないのだろう。後ろの方で聞こえる父親らしき声にどきりとするも、その内容は心から娘を心配するもので。…雷に対しては大丈夫だとしても、結果として男の家に泊まる事になっているのだがそちらの方は果たして大丈夫なのだろうかという気もするが。無事(?)許可を貰えたことに安堵して話をしている横で、別の事でどきどきと落ち着かない彼女には気付かないままで。少し…いやかなり怪しかったかもしれないが、彼女がキッチンに向き直るのを確認すればホッと一息。忘れていたとはいえまさか彼女相手に肝を冷やすことになるとは思わなかったようで、今度改めて部屋の掃除でもする時に要らないものは処分しようとひっそり決意して。──何となく手持ち無沙汰でテレビを付けて台風情報を流しているニュースをぼーっと見ていれば、鼻腔を擽るのはご飯の匂いとしては王道といってもいいカレーの香り。ふとキッチンの方へ視線を向ければちょうど彼女が味見を求めてきて。「ん…、美味っ!俺の好みの辛さだコレ。」一口食べればすぐに瞳が輝くほど好みの味に料理されたそれは、味見をした事で空腹を実感させてくるほど美味しくて。うちにカレー粉なんてあったっけ?という疑問は一瞬にして吹き飛んで。 )


  • No.818 by 御影 みき  2024-09-07 22:53:29 



『 それじゃあね、すみませんけれどお世話になります~。…あ。それとね、あの子寝惚けるとお布団に潜り込んできますけれど一線超えなければ母親としては構いませんから~。うふふ、では失礼します。 』


( ころころとみきとよく似た鈴が転がるような笑い声は最後に爆弾を落としてそのまま通話は一方的に終了。どうやらこの短い通話とみきから普段聞いている話からすっかり彼への信頼度は高くなったようで、普段弟の布団に潜り込んでいるみきのことはそのまま放っておいても構わないとの発言は本心からだろう。母親としてはこんなに真摯な人を好きになるなんてウチの子は見る目があるわ、と言った気持ちなので。みきは電話が終わったらしい様子に「 ?お母さんなんて? 」と恐らく悪い返事は貰っていないのだろうとは分かっているので実にマイペースな無垢な瞳で問いかけて。どうやら慣れない辛味のある味付けは成功したようで、瞳を輝かせた彼の様子に良かった!と笑顔を浮かべては「 じゃあ今日のメインはカレーね。あと15分くらいで出来るからもうちょっと待ってて? 」と本日のメインが無事に決定。またパタパタとキッチンに戻っていけば、先程同様に花歌を歌いながら料理を再開。冷蔵庫にあったしょんぼりしたキャベツ等の野菜も混ぜたポテトサラダと、それからお酒もあったからお酒のアテになるようにゆで卵にねぎ塩だれをかけたものを作っていけば本日の夕食は完成。「 せんせー、ごはんできたよ。 」とキッチンから声をかけてはなんか今の新婚さんみたい……!とみきの心はそわそわ騒いで。 )



  • No.819 by 鳴海 司  2024-09-07 23:53:46 




………え゛ッ!?
いやあの、ちょ…お母さ──!

( 最後に聞こえた物騒な台詞に思考は固まりしばしのローディングタイム。やっと声を出せたと思ったところでどうやら電話の相手は満足したのかあっさりと通話は終了されて。静かになった電話をゆっくりとした動作で彼女に差し出しながら「…あー……まあ、許可は貰えたから……。」と、"一線を超えなければ"なんて爆弾発言を言われたとはさすがに伝えられないためそれ以上は口を閉ざし。…といっても、そもそもベッドは元から彼女に譲るつもりだったし自分はソファで寝るようにしようと思っていたので、間違っても同じ布団に入る心配は無いはずだと自分の中で何度も頷いて。この1品だけでも充分なのに、笑顔で再びキッチンへと戻っていく彼女に再び目を丸くして。これだけでいいぞと言う暇も無いほどに手際良く調理を終えたようで、完成の声を掛けられれば自分もキッチンへ向かい。「何か…逆に悪いな、こんなに作ってくれて。皿とか出すよ。」と、美味しそうに並ぶ料理を見て感心と少しの申し訳なさが湧き上がりつつも、不揃いの取り皿やスプーン、あとは彼女用に割り箸を。出来上がった料理もリビングの方へと持っていけばローテーブルの上に諸々置いて。 )


  • No.820 by 御影 みき  2024-09-08 06:41:40 



???
そっか…。

( 許可は貰えた、との妙に歯切れの悪い彼の言葉や表情に不思議そうにこてりと首を傾げてはそのまま素直にスマホを受け取り。なんだか最後びっくりしていたような気もするけれど、お母さん何を話してたんだろうなと気になる話の内容はきっと彼も知らせてくれないだろうから明後日母に聞くとして。自身の声に連れられてキッチンに現れた彼の好意を「ほんと?今ちょうどお皿何使っていいか聞きたかったの。ありがとう。」とふわふわ嬉しそうに受け取れば2人で分担して料理をローテーブルへ運んでいき無事に調理終了。「 本日のご飯はカレーとお野菜のポテトサラダとゆで卵のネギ塩和えでーす。 」と1つずつ指さしながら説明していけば、ふと思い出したように冷蔵庫にパタパタ向かいそのまま中からお酒を取り出しては「 これに合うかなって作ったんだけど… 」と居酒屋バイト経験中らしき気遣いを発揮しつつ首を傾げて。 )



  • No.821 by 鳴海 司  2024-09-08 09:46:03 




何かこんなん言うのも変だけどさ、
うちこんなに食材あったんだな…。

( 会話の内容について深く追求されなくて一安心はしたが、さすがに来る明後日の彼女と母親の会話内容までは予想できないため知らないままなのがある意味救いになるだろう。自分の部屋に手料理がこうして並ぶのを見るのはいつぶりかもう忘れたが、やはり温かい料理というのは良いものだなとすでに目と鼻で感じており。それにしても冷蔵庫の中はお世辞にも潤沢とは言えないはずだったのだが、ここまで様々な食材が使われているのを見れば変に感心してしまい。配膳を終えた後に再び冷蔵庫に向かう背中に疑問符を浮かべていれば、戻ってきた彼女の手にはキンキンに冷えた缶ビール。休みだし台風で家出れないし…と前もって買っておいたのだが、こんな状況では飲めないなとそのままにしていたもの。バイトで培われた絶妙な気遣いと、おつまみとしても優秀なラインナップの誘惑は強く「……はー…居酒屋とかならまだしも、生徒とマンツーマンなのに飲むのはなぁ……、──せっかくだし貰うけど。わざわざありがとな。」と一応建前を口にはしたもののその決意はあっさりと揺らいだようで、にっと悪戯っぽい笑いを零せばその気遣いを甘んじて受け入れて。 )


  • No.822 by 御影 みき  2024-09-08 10:54:05 



……えへ。
実はね、今日おうちで1人だから帰り道にあるスーパーで晩御飯のお買い物も済ませてたの。だからせんせーのおうちの食材だけじゃなかったんだぁ。

( 彼の言葉に悪戯っぽく笑えば、決して彼の家の食材だけで完成できた夕飯では無いことをこそこそカミングアウトして。無論、全て買い物した食材を使った訳ではなく彼の家にあったもうすぐ食べられなくなりそうなしょんぼりお野菜たちを先に使わせていただいたのだけれど、少女漫画でよくある冷蔵庫の中のもの達でサッと夕飯を作る!という展開をやるには少々冷蔵庫の中が心許なかった為持ち込み食材を使った次第で。本当はバレずに遂行するつもりだったのだけれど、格好つかないなぁと眉を下げて笑ってしまえば缶ビールとグラスを片手にローテーブルの側へと戻ってきて。「 いーえ。せんせーのおうちだもん、お仕事終わったあとは好きなもの飲んで? 」と彼にグラスを手渡してはみきついであげる!と彼に気を遣うというよりはにこにこ楽しそうに新婚さん気分を堪能しており、頭から台風のことがすっかり抜けているため外ではじりじりと雷が近付いていることにも気が付かずに。 )




  • No.823 by 鳴海 司  2024-09-08 11:35:52 




あー、なるほどな。
……ってじゃあそれ元々お前の家の物じゃん。

( 正直彼女の言葉には簡単に納得してしまうほど、自分の家の冷蔵庫にはそれほどの信頼が無かったわけで。なるほどそれならこのラインナップも頷けるといったところで、それはつまり彼女のお金で買った本来は御影家に行くはずだった食材たち。ぱちりと目を見開いては、食べた後にでも代金を支払おうと。自分1人ならばわざわざ缶ビールをグラスに注ぎ直して飲むことはしないので、彼女の心の内などもちろん知る由なく少し戸惑いながらも受け取って。「バイトのおかげか何か小慣れてんなー。じゃ、お願いしまーす。」と、甲斐甲斐しい奥さんのような振る舞いの彼女に優しく微笑みかけてはありがたく注いでもらおうと。 )


  • No.824 by 御影 みき  2024-09-08 12:33:24 



でもほら、みきも食べるし!
……それに、ご飯って一人で食べるよりも誰かと食べた方が美味しく感じるから!

( 実にマイペースにからからと明るく笑えば、結局は自分の胃の中にも入るので対して変わらないことだと彼の丸い瞳を見てゆっくりと首を横に振って。しかも味見とはいえ好きな人が自分の手料理で瞳を輝かしてくれたところを見れたのだから、プラマイゼロどころかみきにとってはむしろプラスらしくその表情は実に嬉しそうで。カシュッ、と小気味よい音を立ててプルタブを開ければそのまま丁寧に丁寧にグラスの中へとビールを注いでいき。いくら居酒屋でバイトをしているとはいえ、客に対して直接お酒を注ぐということはしたことがないし父親を除けば初めて男の人にお酌をしているということも含めちょっぴり緊張もあったりなかったり。「 ん!完璧! 」と泡とビールの比率に自画自賛をしてはこれで食事の準備は完璧。やっぱり好きな人に自分の手料理を食べてもらう瞬間というのは2回目だとしても、味見がもう済んでいたとしても緊張してしまうもので、少しだけそわそわした気持ちを抱えながら彼の隣にちょこんと座り直しては両手を合わせて「 いただきます、召し上がれ! 」とにこにこ微笑んで。 )




  • No.825 by 鳴海 司  2024-09-08 14:32:05 




…じゃ、お前がそう言ってくれるならお言葉に甘えて。
つーかそれでありがたい思いしてんのはむしろ俺の方なんだけどな。

( 彼女の笑顔に絆されるように頷けば、続く言葉はむしろこちらの台詞だと柔らかく微笑んで。普段1人で食べているばかりなので、誰かと共に食べる嬉しさや暖かさを感じるのは自分の方が大きいだろう。特殊な状況とはいえ、こうして一緒にご飯を食べられることに素直に感謝して。グラスに入ったビールはシュワシュワと細かい泡が弾ける音が聞こえ、それだけですでに缶のまま飲むよりも美味しいであろうことが伺えて。彼女のお酌の腕がバイトによるものか父親に対するものなのかは自分には分からないが、完璧な黄金比率が出来上がればそれを自賛する彼女にくすりと可笑しそうに笑って。「ん、いただきます。……──まじで料理上手いな御影。全部美味いよ。…ビールにも合うし。」ごくりと一口、喉を潤してから出来立ての料理に箸を伸ばし。弁当を食べた時も思ったが、やはり彼女の腕前は確かでそれが出来立てとなれば尚更美味しくて。カレーは好みの味だし、ポテサラは本当に元気の無い野菜を使っているのかと思うほど美味しいうえ、ゆで卵に至っては言わずもがな酒のアテとして完璧で更にグラスを傾けて。 )


  • No.826 by 御影 みき  2024-09-08 16:23:27 




良かったぁ。せんせーに美味しいって言ってもらえるのがいちばん嬉しい!


( どうやら作った料理たちは彼の舌に気に入って貰えたようで、ぱぁあ!と分かりやすく表情を輝かせては安心したようにふにゃりと微笑み。まだ未成年でお酒を飲まない自分にとって、お酒に合うアテというものはどういった味が好まれるのかの傾向は調べることが出来ても実際に自分が飲食して研究していくことはできないのでこればっかりは周りにいる大人たちの知恵やアドバイスに感謝して。自分も同じようにスプーンでカレーを一口食べてみれば、彼のカレーよりも甘口に味付けにした為か辛さも自分が食べられるほどに丁度良く。「 これでいつでもせんせーのお嫁さんになれちゃうかも! 」と、彼のおうちの洗濯機の操作もわかるしキッチンだってある程度のものの場所は把握出来たし、胃袋だって掴めていたらいいなという希望の元いつものようににこにことご機嫌に笑いながら自分の将来の夢であるひとつをさらりと。緊急事態でなおかつ特殊な環境だけれど、なってしまったものは糧にして自分の望む未来に近付くしかないのだと実に前向きな様子でみきは隣の彼を見つめてにっこり微笑み。 )



  • No.827 by 鳴海 司  2024-09-08 17:21:34 




はは、そんなんで良いならいくらでも言えるよ。
よっ、御影シェフ。

( 心からの本音だろう真っ直ぐな言葉はこちらの心にも良く刺さるもので、その笑顔も手料理の理由も何もかもが今自分にだけ向けられていると改めて実感すれば不覚にも胸の奥がきゅんとして。誤魔化すように、だが美味しいのは本当なので、今回こうして腕を奮ってくれた彼女を讃えるように言葉を掛けて。いつか彼女の作るものを肴にして一緒に晩酌を──なんて未来が頭を過れば、案外悪くないかもなんて肯定的に考えてしまうのは酒のせいにしておこう。相変わらずポジティブに、しかもそれを隠す事なく堂々と言える彼女にやれやれと呆れたように笑い。「気が早いって。せめて卒業してから言ってくれないと頷かないよ俺は。」べ、と舌を出すも返す言葉は完全な否定では無く。今はまだお互いの立場上はいはいと受け流せてはいるが、もしも彼女が卒業後もその気持ちを持ち続けているのならばそのうち本当になりそうなのがこわい所ではあるが、決して悪い意味では無く。 )


  • No.828 by 御影 みき  2024-09-08 18:43:15 



えへへ、せんせー専属のシェフです。


( 彼からの賛辞にへにゃへにゃと照れたように頬を弛めながらも、そもそもこの料理の腕は彼のために磨いたものなので応援団長に引き続きシェフの肩書きも彼の専属なのだと悪戯っぽくそれにノり。いつか大人になったらもっともっとお酒に合うおつまみを作って彼とお酒が飲めたらいいな、なんて奇しくも彼とおんなじようなことを同じようなタイミングでふと考えてしまえば、いつものように彼にハートマークを飛ばした自分の言葉に舌をべ、と出しながら答えた彼の言葉にみきの頬は一気に桃色に染まり。と、いうことは卒業後にまた同じことを伝えたら頷いてくれる可能性があるということなのでは!?と恋する乙女の脳内は大混乱し、「 そ、卒業したあとに言ったら頷いてくれるってこと…!? 」と脳内で考えていたことをそっくりそのまま彼に問いかけて。卒業後もこの気持ちが変わらないことにはとてもとても自信があるのだけれど、それはそれとして確かに教師と生徒の枠組みが無くなった時の彼はどう此方に対応してくれるのかというのはまた気になるところで。 )



  • No.829 by 鳴海 司  2024-09-09 06:44:34 




お、それは光栄だな。
これだけ美味い飯が食えるならスポ大のひとつやふたつ頑張れそう………いや、やっぱふたつはちょっと嫌だな…。

( 二つ目の専属という称号を手に入れたらしい彼女に触発されて言ってみたものの、蘇る夏の暑さと数日後の筋肉痛にふるふると首を振ってすぐさま前言撤回。美味しいご飯は食べたいけれど、特別な事をしなくても毎日起きて仕事に行っているだけで充分なはずだと今度はうんうん頷き。食事の手がピタリと止まり、薄らと頬を染めた彼女の瞳は期待の色が混じっていて。「…さあね。あー美味い美味い。」くす、と笑みを零しながら肩を竦め、彼女の質問には一言で答えた後再びカレーを掬うスプーンを動かして。正直に言えば、卒業したからとてすぐに彼女を生徒からひとりの女性として見ることは無理だろう。だがいつまでも"生徒だから"という言い訳で向けられる想いから逃げ続けるわけにもいかないし、その時は真剣に向き合うつもりで。…と言ってもすでに彼女に対して悪いような感情は抱いていないのだが、それを今言ってしまうと確実に調子に乗るだろうということは容易に想像がつくので敢えて何も言わずに。 )


  • No.830 by 御影 みき  2024-09-09 09:02:58 



っふふ、あはは、なにそれぇ。
……でも、みきのご飯で良ければいつでも作ったげる。

( なんとも素早い前言撤回に思わずふは、と笑ってしまえば可笑しそうにクスクスと笑顔を浮かべながらも、確かにスポ大の後の彼はなんだか大変そうだったな…と筋肉痛と戦う彼を思い出してはそれほどまでに彼にとってスポ大とは大変なものなのだろうと妙に納得してしまい。だがしかし、自分の手料理の為ならばそんなにスポ大も頑張れてしまうだなんて言われてしまえばそれに喜ばない女は居ないだろう。みきも例外なくその瞳は嬉しそうに細められており、ついつい緩んでしまう頬をそのままに彼の為ならばいつでも振る舞うと言葉を付け足して。残念ながら大人お得意の曖昧な態度でのらりくらりと回答を躱されてしまえばム、と不満げに頬をふくらませた後に「 いいもん、みきは卒業したってせんせーのこと好きだから振り向いてくれるまでずっとアタックし続けちゃうんだから! 」と脅しなのか決意なのか、どっちとも付かない言葉を返しながら覚悟していろと言わんばかりに自信ありげな笑顔を向けてまた食事に戻り。初恋は実らない、なんて聞いた事があるけれど残念ながら諦めるつもりはサラサラないし、実らないなら実るまであがく根性はあるつもりなので。 )




  • No.831 by 鳴海 司  2024-09-09 11:20:23 




惣菜弁当ばっかりの俺にはそう言ってくれるだけで充分嬉しいよ。
また頼む…って言いたいけど、今回みたいに台風で家出れなくなるのは出来れば勘弁願いたいよな。

( 思い出すのは腕をぷるぷるさせながらその日1日黒板の半分から下にしか文字が書けなくて、生徒に見えないと散々揶揄われたこと。日頃から運動しなきゃなと思うのはその時だけで、今ではもう明日から本気出すという定型文すら出てこなくて。そんな自分を甘やかすかのように彼女がまた腕を奮ってくれるというのは純粋にありがたいが、やはりそう何度も生徒に食の世話を焼いてもらうのはいかがなものか。成り行きとはいえ不可抗力の状況を作った台風は今もなお勢力を増しているようで、雨風にガタガタと揺れる窓をカーテン越しにちらりと見遣っては溜息吐いて。打てど躱せど自分の言葉は彼女にはただの燃料にしかならないようで。未来の自分自身の気持ちにしっかりとした自信があるらしいその様子に一瞬目を丸くするも、すぐに可笑しそうに笑い。「…っはは!それは頼もしいんだか怖いんだか。──ふう、ご馳走様。ほんと美味かった。」最後の一口と共に残ったビールを呷れば、満足そうな息をひとつ吐いて礼を述べて。 )


  • No.832 by 御影 みき  2024-09-09 12:35:20 



んー、雷はやだけど、こうやってせんせーのお家にお泊まりできるならみきは台風も悪くないかも。


( 緊急事態で不可抗力、しかも彼に面倒をかけさせてしまっていることも重々承知の上でだけれどやはり好きな人のお家にお邪魔してしまっている上にお泊まりまでさせてもらえる今の状況はみきにとっては幸せなことで。悪戯っぽい笑顔と共にこてりと首を傾げて彼の方へ視線を向けては、これからきっと激しくなるであろう雷雨─── いちばん嫌いな雷がまだ一度しか鳴っていないから余裕なのかもしれないけれど ─── も悪くないのだと返して。最も、この後夜になるにかけて雷が激しくなり彼に泣きつくことになる未来はまだだ先の話なのだけれど。綺麗に完食してくれた彼に嬉しそうにはにかめば「 お粗末さまでした!綺麗に食べてくれて嬉しい、みきが食べ終わったらまとめて洗っちゃうからお皿そのままでいーよ。 」とあと数口で自分も食べ終わるので後のことは構わなくて良いと付けたして。自分で料理を作るのはいつもの事だし家族にもいつも完食してもらっているけれど、やっぱりそれが好きな人相手だとただ完食してもらうだけでもどきどきと嬉しいものでその瞳は嬉しそうに緩められており。 )



  • No.833 by 鳴海 司  2024-09-09 15:12:19 




ばか言え、こんな事そうそうあってたまるか。
悪いことしてる訳じゃ無いのに俺のメンタル削られまくりだよ。

( すでにこの状況をプラスに捉えて楽しんでいる様子の彼女に対し、こちらはじとりとした視線で乾いた笑いを浮かべながら。非常事態だ不可抗力だというのは正直体裁を保つ為の言い訳でもあって、誰かに見られる事なんて現状万に一つも無いとは分かっているのだがやはり本来取るべき教師と生徒の距離を考えると余りにも近すぎる。そんな少女漫画よろしくな状況にそわそわしてしまうのは彼女が自分の生徒である以上仕方のないことで。どこまでも家庭的な彼女の言葉に「いーよ。飯作ってもらったんだから片付けくらいは俺がやる。お前は急がなくていいからゆっくり食べてな。」と、さすがに全てを甘えて任せる訳にはいかないと空いた皿を重ねて持ってキッチンへ。彼女のことだから気にしての事なのだろうが、一宿の恩を返したいのならば抜群に美味しかった晩ご飯だけで充分。そうして先に持ってきた分から洗い始めて。 )


  • No.834 by 御影 みき  2024-09-09 16:51:59 



でもみき、せんせーが拾ってくれなかったらこの嵐の中公園でひとりぼっちだったし。人助けってことで!


( じとりと抗議的な彼の視線にも負けずにエヘ。と可愛らしく笑って見せれば少しでも彼のメンタルの削れを抑えようとにっこり微笑んで。だが自分がこうして彼の家に転がり込んだことによって命が助かったのは確かだし最近不審者が出るだとかも噂があるので精神的にも安心できたのもまた事実なので、ちょっぴり緊張やそわそわした気持ちはあれど大半は感謝の気持ちでいっぱいで。あとちょっと少女漫画みたいでわくわくもしているのは彼には内緒だけれど。あっさりと空のお皿をキッチンへと運び片付けを担ってくれるという彼に「(優しい…。)」とむぐむぐ咀嚼しながらキュンキュン胸を高鳴らせてはしっかりと飲み込んだ後に「 やさしい、すき!…あ間違えた。ありがとう! 」 と今度はちゃんと口に出してしまいつつもきちんとお礼も伝えて。それから少しして自分もしっかり完食して手を合わせれば、空のお皿を持ってキッチンの彼の方へとぺたぺたお皿を持っていき。 )




  • No.835 by 鳴海 司  2024-09-09 18:36:48 




今回はな。
だからって次もアテにするなよ?

( 彼女の言う通り、今回の騒動は人助けと言っても過言ではないだろう。そもそもあんな連絡をもらった時点で助けに行かないという選択肢は無いので、そこに関しては間に合って良かったし何ともなくて良かったと心から安堵したもので。しかしそう何度も女子生徒を家に招く事など、やましい気持ちは無くとも少し人の目が気になることも事実なので今回限りだぞと念を押して。(とは言っても、もしまた同じような事があればやはりなりふり構わずに保護する事になるのだろうが。)背中に掛けられた唐突な"好き"からの一連の流れに小さく吹き出しては「どんな間違いだよ。」と可笑しそうに笑い。食べ終わった皿を彼女が持ってくるのを確認すれば、洗いながらも少しだけシンクの中にスペースを空けて。「ん、ここ置いといて。テレビ見るなり適当にくつろいでくれてていいからな。」と、特に面白い物を置いていない自分の部屋の中、娯楽として勧められるのがそれしか無いのだが。 )


  • No.836 by 御影 みき  2024-09-09 19:26:48 




んふふ。はあーい。

( 次もアテにするな、なんて言いながらもこうして助けを求めたら彼は何があっても助けてくれることをみきは知っているので思わずにこにこと頬を弛めてしまいながらも素直に頷いて。だがしかし、きっとこれは自分だけの特別扱いでもなんでもなくて生徒が助けを求めれば彼は同じようになりふり構わずにその手を差し伸べてくれるのだろう。そんな彼のことが好きになったのだけれど、いつかはちょっとでも他の人よりも特別な存在になれたらいいなというのはみきの心の中での小さな願望で。彼が空けてくれたシンクのスペースに食べ終わったお皿を丁寧に置けば、「 じゃあせんせーのこと見ててもいい? 」と好きな人が家事をしている姿なんて嫌いな女の子はいないので(みき調べ)、それを見つめていたいのだとお強請りを。いつも自分の頭を撫でてくれる大好きな手がただ優しく繊細に皿を洗っていくというだけでもみきにとってはテレビよりもよほど楽しいので。 )


  • No.837 by 鳴海 司  2024-09-09 22:45:02 




…ったく。ほんとに分かってんだか。

( 甘やかすつもりは毛頭ないけれど、もしまた同じような状況になれば一応文句を零してもきっと(流されるという形にもなるかもしれないが)こうして招かざるを得なければならなくなったら自分はそうするのだろう。もちろん助けるという意味では、相手が例え彼女じゃなくても生徒ならば迷う事もなく。そんな自分の本質を、小気味良い返事とは正反対に頬を緩めている彼女には見抜かれているようで何だか悔しい気もするのだが。ただ皿を洗っているだけ。ただそれだけを見たいという彼女に怪訝な顔を向けつつ首を捻り。「えぇ…?いやまあ…お前がいいなら別にいいけど……。別に何も面白くないだろ…。」と、まったく想像だにしていないお強請りに少し戸惑いながらも、隣に立つ彼女をそのままに洗い物を進めて。 )


  • No.838 by 御影 みき  2024-09-10 00:56:39 




だって学校にいる先生はこれからもたくさん見られるけど、おうちにいるせんせーはあんまり見られないんだもん。
─── …それに、好きな人はたくさん見てたいの。何時間見たって飽きないよ。


( ただ隣で彼のことをずっと見つめているのもちょっぴり緊張させてしまうかな、と思えば彼が洗い終わったお皿の水滴を拭きながら上記をさらりと答えてはまたへにゃりと彼にしか見せないような気を許しきった笑顔を浮かべて。けれど学校にいる彼を見ることが出来るのも在学期間中だけなのでそれはそれでしっかりと堪能をしなければならないのだけれど、今のところレア度で言えば圧倒的にお家にいる彼の方がなかなか見ることが出来ないのでここぞとばかりにそれを堪能しなければならないらしくちらりと彼の方へと視線を向けてはにこにこと緩んでしまう頬をそのままにまるで新婚さんのようなこの空間をしっかりと楽しんで。彼は自分ほど感情がくるくると顔に出る訳では無いけれど、でもじっと見ていれば実はダークブラウンの瞳が意外と多弁だったりするのが可愛らしくて飽きないのだと口には出さずにその瞳をじっと見つめ。 )



  • No.839 by 鳴海 司  2024-09-10 08:47:43 




そりゃまあ休みの日に生徒を家に招くなんてしないしそんな機会も無いしな。
…あ、それなら俺もちょっと分かるかも。

( いつだかの会話でスーツ姿がレアだ何だと話したような記憶があるが、家着なんて完全オフの状態を生徒に見せる事なんてきっと後にも先にも今だけなのではないだろうか。見てるだけと言いながらちゃっかり隣で手伝いに入る彼女の柔らかい笑顔をちらりと見やっては、確かに彼女のようにコロコロと表情が変わっているのは面白くて何時間見ていても飽きなさそうだなと。そうしてこちらの思考を読み取るかのようにじっと見つめてくる夕陽色の瞳にぱちりと視線を絡ませながら「…手、止まってるぞ。」と次に洗い立てのお皿を差し出してはにやりと笑い。彼女の言葉通りなら"好きな人"だからこそ見ていられるという事になるのだが、果たして自分の同意はどちらなのかまでは明言せず。 )


  • No.840 by 御影 みき  2024-09-10 10:23:01 



、─── 。


( 今、間違いなく彼が見つめているのは自分で。というかそもそも自分と彼の2人しかこの部屋にはいなくて。果たして彼のちょっと分かるかも、は自分のどちらに反応をした言葉なのかが分からないけれど、此方を見つめてくるダークブラウンから視線を逸らすことが出来ずにぽわぽわと頬を赤らめたまんまるの瞳で固まってしまい。否、どちらの言葉に反応したかなんて彼の文脈や言葉のタイミングを読み取れば実に簡単なことなのだけれど、でもだってそうなると彼が自分のことを好きだということに── というところまで考えていれば、ふと彼から手元が止まっているとの指摘が入りびく!と肩を跳ねさせて我に返り。にやりと笑う意地悪な顔は、きっと此方が何を考え込んでいたのかまで完璧にバレている顔で、みきは赤い顔のまま彼から皿を受け取りつつ「 ……わ、分かるって、…なにが? 」とお皿を拭くことに集中しています、この質問に深い意味は無いです、と言わんばかりにお皿を拭いている手元の方に目線を下ろしながら(本当は彼の方を見たい)問いかけて。 )




  • No.841 by 鳴海 司  2024-09-10 11:23:52 




何がって……、
『何時間見てても飽きない』ってとこ。お前見てるとヘタなお笑い番組より面白いし?

( 未だ意地悪い笑みを浮かべたまま、顔を真っ赤にしてキュッキュと皿を拭く彼女に向けてこてりと小首を傾げて。その顔が真っ赤になった理由も分かっているし、何なら返ってきた質問も予想通りでつまりは確信犯。もちろん真偽はどうあれ自らの心の内を吐露することなど今はまだ出来ないので、さっきの言葉にだって特に深い意味は無いですと、お返しとばかりに喉を鳴らして笑い。実際今もこうして自分の言葉ひとつに薄らと期待と戸惑いを滲ませながら、平然としてるフリを装ってその意味を探ろうとする彼女は見ているだけで面白く可愛らしい。「心理戦とか弱そうだよな御影は……、はい。これで最後。」と、何事も無かったかのように洗い終わった最後の1枚を彼女に差し出して。 )


  • No.842 by 御影 みき  2024-09-10 13:06:04 



!!
ま、また弄ばれた!

( 彼の言葉といじわるく楽しそうな笑みにハッ!とみきの賢い部分が働けばムキャ!と顔をくしゃくしゃにして悔しそうに上記を零して。もしかしたらちょっとでもみきのこと好きになってくれたのかも、と勘違いしてしまった自分がひどく恥ずかしくて半ば八つ当たりのようにぷんぷんと頬をふくらませては最後の1枚を彼から受けとりながら「 みきは正直者なの! 」 と怒っていますの顔をしている割にお皿を拭く手付きは丁寧で最後の1枚まで丁寧にピカピカ拭きあげれば、ふとつまりは自分は彼にとって女の子としてどころか見てて飽きない珍獣かなにかだと思われているのでは……!?と彼にとっての自分の立ち位置に大きな不安を抱え始めてはわわ…と危機感を覚えて。 )




  • No.843 by 鳴海 司  2024-09-10 14:44:40 




またって何だよ人聞きの悪い。
俺がいつもお前を揶揄ってるみたいに言わないでくださーい。

( 言いがかりだといわんばかりに反論するが、その顔は楽しそうな笑みを浮かべたままで何の説得力も無く。──彼女を見ていて飽きないのは本当だし面白いと思っているのも本当。しかしだからと言って肝心の"好きな人だから"という部分を、言葉として肯定こそしてないものの別に否定もしていない事に彼女は気付かないんだろうなぁと考えると余計に面白くて。くすくすと笑いを抑えようともせず、濡れた手をしっかり拭いてから「はいはい、正直者で働き者の御影さん。手伝いありがとな。」とぷんすこ怒ったままの彼女の頭を軽く一撫でしてリビングへ。つけっぱなしだったテレビは台風情報を画面の端に追いやり、その内容はバラエティ番組へと切り替わっており。「とりあえず俺は風呂入ってくるからお前はゆっくりしてな。面白いものとか何もなくて悪いけど。」と、彼女を視線だけでソファへと促し自分はそのまま洗面所へと足を向けて。 )


  • No.844 by 御影 みき  2024-09-10 16:40:16 



い、いつもからかってるくせに……!!


( 自分は普段何にもしていません、といったしれっとした彼の言葉にむむむ…!とその頬は餅のように膨らんでいくものの、そんな彼に頭を撫でられてしまえば恋する乙女の心なんて簡単に浮き上がってしまうもの。だがしかしぷんすこと起こっている手前素直に喜ぶことはできなくて、怒っているのだか照れているのだか絶妙な表情のままにぺたぺたと彼の後を追ってリビングへ。先程まで様々な地方の台風情報やらヘルメットを被ったリポーターが豪雨の中必死にリポートをしていたTVの中はいつの間にか楽しげなバラエティ番組に変わっており、今回の台風はそんなにすごくないのかな…とすら認識してしまうほどだ。とは言っても、外は紛れも無い豪雨なのだけれど。ゆっくりしてろ、との彼の言葉に「 はぁい。 」とのんびり返事をしてはいくら好きな人とはいえ異性なのでお風呂にまでついていくことはなく。ソファにゆっくりと腰を下ろせばやはりやわらかさは自分の家のものとは違い、そのまま体を横に倒せば自分でも自認していなかった疲れがドッと襲ってきていつの間にかみきの瞳は閉ざされて。 )




  • No.845 by 鳴海 司  2024-09-10 22:39:52 




( わなわなと反論をしてくる彼女だが、移動を促せば親の後を追う子供のように大人しく着いてくるのが(何とも言えない表情ではあるが)また可愛らしくて。彼女をひとり部屋に置いてから風呂に入ってしばらく──…と言っても男の一人暮らしなんてシャワーで終わらせるのがほとんど。彼女を差し置いて自分だけ風呂に入る事が少しだけ申し訳ないような気もするが、元々ここで一晩を過ごすつもりなど無かったのだから仕方がない。比較的早い時間で浴室を出てはまだほんのりと濡れた髪のままリビングへと戻り。テレビの中ではタレント達が面白おかしく話をしているのだが、そんなガヤガヤとした音の中でもソファで寝てしまったらしい様子の彼女に目を丸くして。そっと近付いてはベッドに移動してもらう為に一旦起こそうと、少し遠慮気味にその肩を優しく叩いて。 )

───…ったく。
…御影、寝てもいいけど布団でな。風邪引くぞ。


  • No.846 by 御影 みき  2024-09-10 23:06:01 




─── …ん、…。


( 好きな人の香りに囲まれた部屋というものは、いくら初めて入る異性の部屋だとしてもとても心穏やかで落ち着くもの。わいわいと程よく賑やかなTVの音も相まってすやすやと寝息を立てていたものの優しく肩を叩かれればきゅ、と眉を寄せた後に薄らと夕陽色の瞳を開けて。ふわりと鼻腔を擽るシャンプーの香りとまだ髪が濡れたままだからなのかいつもよりも少しだけ幼い印象の彼がその瞳に映れば寝起きでぽやぽやとした頭のまま自身の肩を叩いた手を優しく捕まえてすり、と頬に手を添えて。「 ……んへへ。おふろあがりのせんせーだ。 」と彼の言葉に答えることなくふにゃふにゃしたひらがな喋りで思ったことをそのまま口に出せば、愛おしく蕩けた夕陽に彼を真っ直ぐに映してうふうふ笑い。おうちのせんせー、家事をしてるせんせー、お風呂上がりのせんせー、今日だけで初めて見る彼の色んな顔を見られちゃった。と、浅い睡眠明け特有のぼんやりとした頭で満足そうに考えて。 )



  • No.847 by 鳴海 司  2024-09-10 23:28:56 




っ──、
……あーもー、勝手に運ぶからな?

( 雷や竜巻の注意報が出ているほど外は激しく騒がしいのに、何だか今この部屋の中はとても穏やかな雰囲気さえして。きゅ、と柔らかく掴んでくる小さな手は眠気からか暖かく、そのまま頬擦りされれば庇護欲に近い感情が湧き上がってきそうで。しかし薄く目を開けてくれたかと思えば寝惚けているのか会話のキャッチボールは返ってこず、かと言ってこのまま彼女をソファで寝かせるのは忍びない。夢心地のように柔らかく笑う彼女を見て少し考えた後小さく溜息を吐いて、仕方ないとばかりに掴まれた手を優しく引き抜いては横抱き──何度目かのお姫様抱っこで彼女を運ぶべく、持ち上げようと体を近づけて。 )


  • No.848 by 御影 みき  2024-09-11 00:20:19 



、?
ぎゅー。


( 寝ぼけた頭では彼の事を考えるので頭がいっぱいで当の本人の言葉は右から左、そんな中突然彼が自分に近づいてくれば抱きしめてもらえるのかも!とぼんやり頭脳が勘違いをしたらしくそのまま彼の首元に腕を回してぎゅっと抱きしめ。まだ覚醒しきらず、なんなら瞳を閉じたら今すぐにでもまた夢の国への扉を開けてしまう程の意識の中、テストで良い点数を取って訳でもないし転んだ訳でもないのにぎゅーしてる、いい匂い、お風呂上がりだからあったかい、とぼんやりとした頭の中でも好きな人のことに関してはよく頭が回るのでそんなことを考えつつも上機嫌にふわふわ微笑んでは、まだ少し濡れたままの髪を指で梳きながら「 ぬれてる、ふふ。かわいい。だいすき。 」とよしよしと頭を撫でて。ちなみに濡れてる、可愛い、だいすきというのは髪が濡れていると幼く見えて可愛いね、そんなところもだいすき。の略であるのだけれどそれはさておき。風呂上がり特有の体を抱きしめていればだんだんと瞼が重くなり、次に彼の頭を撫でていた手も動きが緩慢になっていけば彼に抱きついたままころっとまた夢の中へと落ちてしまい。 )




  • No.849 by 鳴海 司  2024-09-11 08:51:35 




はいはい、掴まっ──、!?

( いくら寝惚けているとはいえ持ち上げる際に軽く掴まる程度だろうと思っていれば、思いの外しっかりと回された腕に柔くとも力を込められれば体はぴったりと密着して。一瞬固まるも、形としてはちゃんと掴まってくれているので持ち上げるにはこれ幸い。何とか体勢を整えてベッドへ運ぼうとしていると不意に髪を撫でられて少し肩が跳ねてしまい。「っ。…~~~み、御影…頼むから大人しく……!」と彼女の放つ単語には疑問符を浮かべつつ、何とも言えない擽ったさにぷるぷると体を震わせながらゆっくりとした動きで何とか布団に彼女を下ろし。この短い時間に様々な攻撃()を受けたことで、無防備かつ穏やかな寝顔ですでに再び夢の中へ旅立っている彼女とは正反対に、何処となく険しい顔のまま静かに溜息を吐いて。 )


  • No.850 by 御影 みき  2024-09-11 10:59:48 



……ん、…。


( 彼に体を寄せている間は幸せそうにふわふわにこにこ表情も綻んでいたものの、ベッドに下ろされ彼の体が離れていけばその眉はむむ、と顰められ離れていかないでと言わんばかりに無意識に彼の服の裾を掴み。ガタガタと窓を揺らすほどの風とどこかの地域では道路が冠水したらしいほどの大雨のなか、不思議とこの部屋だけが(みきにとっては)穏やかで安心感のあるもので。顰められた眉は少しすればふっと穏やかな寝顔にころりと変わり、「 …せん、せ……だいすき……。 」と無防備な唇から小さく零れ落ちた言葉はどうやら夢の中でも彼に求愛をしているらしいみきらしい言葉。ただこれが別の異性の家だったとしたならばこんなにも警戒心なしにころっと寝落ちしてしまうようなことは決してなく、しっかりとした大人、教師である彼を信頼 ─── もとい残念ながら自分の事をなんとも思っていないのだろうという日々の彼からの対応によるもので。 )





  • No.851 by 鳴海 司  2024-09-11 11:31:36 




ふう………、!っと、
あー…こいつはもう……!

( やっと寝かしつけた子供を起こさないように頑張る母親とはこんな気持ちなのだろうか。そろそろとその場を離れようとした所で寝ているはずの彼女の眉間には不満げに皺が寄せられ、服を掴まれればくん、と突っ張ってしまい危うく体勢を崩しかけて。何とか保てたもののそれ以上に離れることは出来ずに立ち尽くしていれば、こちらで起こっている静かな戦いなど知らない彼女はへらへらといつもの台詞を。夢でも現実でもやっている事が変わらない彼女が可笑しくてつい笑みが零れては、その穏やかな寝顔に掛かった髪を指先でさらりと除けながら「…警戒心無さすぎ。俺も一応男なんだけど。」と、ぽつり呟いて。もちろん彼女の(ひいてはご両親の)信頼を失うようなことは絶対にしないと言い切れるが、好きだ何だと日頃言う癖にここまで無防備だと少し複雑な気もするようで。とはいえ、彼女のそこ無警戒さを磨き上げてしまったのは紛れも無く自分なのだがそんな事にはこれっぽっちも気付かずに。 )


  • No.852 by 御影 みき  2024-09-11 12:32:20 





─── せんせ、…それは食べちゃダメ……それは、……ふぐ太郎の……ごはん……ふふ、……スゥ…。


( 親の心子知らず、とは言うけれどこの場合は教師の心生徒知らずといったところだろうか。一体どんな夢を見ているのか、彼の心中やら葛藤やらはなんにも気付くことなく寝言をむにゃむにゃと零せば楽しそうに頬を弛めて、だがしかし彼の服を掴む手はなかなか緩むことはなくしっかりと握ったまま。数分ほどその状況が続いたうち、だんだんとみきの眉がむむむ、と寄っていけば「 だめ、…食べちゃ、 …お腹壊しちゃッ─── ゆ、…夢か……。 」と恐らく夢の中の彼がとんでもない行動に出たのだろうか、ハッキリと拒否の言葉を零しながら飛び起きて。ぜぇはぁと深呼吸を繰り返した後にそうして隣の彼を見つけるなり彼の頬に両手を添えて「 せ、せんせー!大丈夫?お腹壊してない?痛くない? 」と夢か……。と先程自分で呟いたばかりなのだけれど若干寝ぼけているのか念の為なのか、不安そうな色の滲む夕陽色の瞳で真剣に彼の無事を問いかけて。 )



  • No.853 by 鳴海 司  2024-09-11 16:15:51 




────おい。
どんな夢見てんだこいつは…。

( こちらの心中を他所にさぞ楽しい夢を見ているのだろう、頬を弛ませる彼女を微笑ましそうに眺めていれば何とも聞き捨てならない寝言が飛び出て。つい反射的にツッコミを入れてしまえば、夢とはいえ彼女の中の自分像に一抹の不安を覚えてしまう。そのまま楽しそうにしていること数分、台詞と表情が段々と渋いものになっていったかと思えば慌てた様子で飛び起きた彼女に頬を両手で挟まれたままじとりとした視線を向けて。「おかげさまでな。さっき食った晩飯はちゃんと人間の食べ物で美味かったし。」と、夢と現実の狭間を未だうろうろとしている彼女に、先ほど食べた現実のご飯をわざわざピックアップしては口元だけにっこりと。 )


  • No.854 by 御影 みき  2024-09-11 17:06:51 



よ、良かったあ……やっぱ夢だった…。
びっくりしたよぉ、せんせーが突然ふぐ太郎の餌食べちゃうんだもん。

( 彼の無事を確認しては、はぁあ…と大袈裟にため息を吐いてはじとりとした彼の視線にも負けずに漸くじんわりと覚醒してきたのかその頬をふにふにと触りつつ夢の中の彼の行動をぽつりぽつりと話し始めて。あくまで夢の話なので現実の彼はお腹を壊すどころかどうやら自分の作った夕食に満足してくれているようでみきの表情は嬉しそうに緩められ。だがしかし、そういえばさっき寝たはずのソファよりも随分今自分が座っている場所が柔らかい気がする…と改めて下を見てみればそこは紛れも無いベッドで、みきは思わずピシャリとそのまんまの状態で固まって。今、私、好きな人のベッドに座ってる。と自覚してしまえばじわじわと顔に熱が集まってきて、外の大荒れの天気と同じくみきの心もワッと荒れ始め。「 み、みき、せんせーのベッドで、ね…寝ちゃった…! 」と、ちょっと考えてみればソファで寝ていた自分を彼がベッドに運んでくれたのだと分かるけれど混乱した頭ではそれどころではないのか、はわわ…!と赤くなったり大丈夫!?と焦ったりくるくる表情を変えながら自分の今の状況になぜだか目の前の彼に見れば分かることを報告して。 )




  • No.855 by 鳴海 司  2024-09-11 17:58:12 




お前は俺を何だと思ってんだ…。
例え飢えても魚の餌は食わねーよ、腹膨れないだろあれじゃ。

( 両手に挟まれた頬はされるがままに、漸く現実へとしっかり着地した様子の彼女へじとりとした視線を投げかけたまま。同じように大きめの溜息を吐くも返す言葉は何だかズレていて、聞きようによってはきちんと腹に溜まるようなものは食べるのではと思わざるを得ないだろう。しかし彼女自身が今いる場所を確認した途端に固まったかと思えば、次いで忙しなく変わる表情に可笑しくなって小さく笑みを浮かべて。「ソファよりは寝心地いいだろたぶん。ていうか今日はお前ここで寝ていいから気にしなくていーよ。……嫌じゃなければだけど。」元々今日は彼女にベッドを使ってもらうつもりだったので心配する言葉には大丈夫だと頷いて。とはいえ勝手に運んだのもそうだが、他人の布団で寝る事に抵抗があるならば話は別。そうなれば残りはソファしかない為、彼女が少しでも快適に寝られるように工夫しないといけないわけで。 )


  • No.856 by 御影 みき  2024-09-11 18:55:43 



お、お腹膨れなくても食べちゃダメだよ……。


( 頬に添えた手は特に外されることもなく、どうやら今日は人の目が確実にないせいかちょっぴり彼の警戒心が薄いような気がしてこれ幸いと柔らかな彼の頬をちいちゃな手でしっかりと堪能して。だがしかし想い人の言葉はちゃんと耳ざとく聞いているのか困ったように眉を下げて笑いながら例え腹が脹れたとしても食べないでほしいとやんわりと諭して。家主からの気遣いや優しさにキュ…とときめいてしまうけれど、それはそれとして突然押しかけた身でありながら堂々とベッドを独り占めできるほどの図太さはさすがに持ち合わせておらず「 だ、だめだよ。ソファで寝たら体痛くなっちゃうよ! ……それに、おっきいベッドで1人は寂しいもん。 」と彼の両頬からするりと手を下ろせば高校生にもなってこんなわがままを言うのも恥ずかしいのか小さな声で本心を付け足して。ついでにさらに追記するのならばいつ来るか分からない雷鳴に1人で怯えるのも怖いので彼にそばにいて欲しいのだ。それに好きな人のベッドで眠れるなんてイベントが嫌なわけがなく、ベッドで眠りたいのは山々なので。 )




  • No.857 by 鳴海 司  2024-09-12 07:19:22 




じゃあ俺が飢える前に御影にまた作ってもらわなきゃだな?

( 実家以外で食べる誰かの手料理というものは存外心に染みたようで、晩ご飯はしっかりと食べ終えたにも関わらず自分の舌はまた彼女の手料理を求めているらしい。こてりと小首を傾げてはにぃ、と口角上げて。まったく普段はどれだけ諫めようがぐいぐいとくるくせに、こういった所は変に律儀な彼女が余計に可愛らしく感じて。「別に1日くらい平気だよ。──…寂しいって言われても……うーん…、じゃあお前が寝るまでここにいるからそれでいいだろ?」窓の外では今か今かと雷が待ち構えている事など知らず、やれやれと溜息を吐いてはベッドの横に腰を下ろして。御影母の"一線を超えなければ"という台詞が妙に耳に残っていて、もちろんそれが無くとも同じ布団で寝るなんてそもそも考えてはいないのだが。 )


  • No.858 by 御影 みき  2024-09-12 09:07:42 




……えへへ。しょーがないなぁ。

( ぱち。と彼の言葉に大きな瞳を丸くしてはまるで雪が解けていくようにじんわりと頬を緩め、仕方ないだなんて言いつつもその声色は心の底から嬉しそうで愛おしそうで。もしかすると、でもなくどうやら自分は作戦通り好きな人の胃袋を掴むことが出来たようで作戦は大成功。普段からの家のお手伝いやバイト先で店長から料理を教わった甲斐があるというもので、彼が望むのであればいつだって手料理を作ってあげようと幸せにぽかぽか暖かい心でひっそりと決意をして。こんなに我儘を言っても何やかんや彼は甘やかしてくれ、ちょっと子供っぽすぎたかな…なんて小さく自分の狭量さに後悔しつつも決して同じ布団に入ろうとしない彼の気遣いはみきにとってはちょっぴり不満なのか小さく唇を尖らせながらも「 …… ん。 」と誰から見ても納得していなさそうな様子でこくりと頷き。それから渋々と言ったように布団に横になっては、少しでも彼と触れていたい乙女心で先程離したばかりの彼の手を取ってそのまま自分の頬にぴとりと添えさせて。 )




  • No.859 by 鳴海 司  2024-09-12 11:30:19 




そういやバイト先でも料理してんの?
てっきりホールだけだと思ってたんだけど。

( すでに結婚して家庭を持っている友人の奥さんは料理が上手だと、彼本人か嬉しそうに話しているのを飲みの席でよく聞かされることが多く。そんな友人から『お前なんか普段料理しないんだから、絶対に料理の上手い嫁さん見つけろよ!』なんて言われれば余計なお世話だと笑い飛ばす所までがお決まりの流れ。そんなことを思い出しながら、ふと先ほど作ってくれた料理にしっかりと酒のつまみに最適なものが入っていたことに改めて気付けばそのレシピの出所が気になったようで。こちらの心中など彼女には関係ないようで、一応は頷きながらもむすりと不満げな様子に眉を下げて小さく笑いを零し。そばに居るだけのつもりだったのだが、まさか手を取られたうえに頬に添えさせられる形になるとは。彼女の行動にぱち、と目を丸くしては「…寝にくくないか?」とくすくす笑いながら、手を退けることなくその様子を見守り。 )


  • No.860 by 御影 みき  2024-09-12 12:40:47 



んーん、ホールだよ~。
ちょっと早めに行って仕込みとかお手伝いしてる時に教えてもらうの。

( 彼の言葉にふるりと首を横に振っては業務時間外に習っているのだと答えて。お陰様でメニューにはない料理だったりお通しとして出しているようなちょっとしたアテの作り方まで教えて貰えるので個人的にはとても助かっているらしくその表情はどこか自慢げで。普通の料理ならばお母さんから教えて貰えるけれど、さすがにお酒のおつまみならばその道のプロに聞いた方が確実に胃袋を掴めるだろうという悪知恵が働いた結果らしく。彼の為、だなんて言うだけ野暮なのでそこは黙っておくけれどその瞳は真っ直ぐに彼を見つめているためそんな考えはきっと彼にはバレバレなのだろうけど。未だ不満げな表情のまま簡単に自分の顔を覆えてしまう彼の手に頬をすり、と擦り寄らせては「 だってぎゅってできないから…。 」と仕方なく手だけで我慢しているのだと言いたげな瞳で優しげな瞳でこちらを見下ろす彼を見上げ。だって少女漫画なら一緒のお布団で寝れるもん。なんて彼に恋してからというもの何故だかよく選ぶようになってしまった教師と生徒の恋物語たちを思い出してぷく。と頬を膨らませ。 )



  • No.861 by 鳴海 司  2024-09-12 17:12:24 




へえ、そういうとこ真面目だよな。
…じゃあ御影が作るおつまみは店長さん直伝ってことか、美味いわけだ。

( 動機はどうあれ、時間外に学ぼうとする姿勢は素直に尊敬できるので感心して。ましてや教えてくれる相手が本業なので信頼度は抜群、彼女の料理の腕も更に高まるのだろう。友人の言う"料理の上手い嫁さん"という立ち位置に彼女が収まるのかは神のみぞ知るところではあるが、もしもその腕を奮う相手が自分じゃなければ正直羨ましいという気持ちは持ってしまうかもしれないなと、顔を出した気持ちに対し彼女にバレないよう苦笑を零し。膨らんだ頬で何故だか譲歩していますとでも言わんばかりの彼女に、「だってって言われてもなぁ……つーかそもそも何で当たり前に一緒の布団で寝る前提なんだお前は。」と溜息を吐いては、誘導された手はそのまま彼女の柔らかい頬をむに、と痛くない程度に摘んで。 )


  • No.862 by 御影 みき  2024-09-12 18:27:24 






えへ。
店長直伝なのもあるけど、せんせーへの大好きの気持ちもいっぱい入れてますから。


( ふふん、と自慢げに口角を上げては隠し味の愛情も彼が美味しいと思ってくれる理由のひとつなのだとこっそり答えて。ただのプラシーボ効果かもしれないけれど、それでもやはり何も考えずに作った料理と誰かを想って作った料理では圧倒的に後者の方が美味しく上手に作れる気がするのもまた事実。そもそも料理の上達を求めた理由が彼のお嫁さんにいつなっても平気なように、なので当たり前かもしれないけれど彼に作る料理には等しく彼への愛情がこもっているようで。むに、と頬を柔く挟まれれば勿論それに抗う訳もなく自動的に唇を突き出しながら「 んむ。だって雷の日はいつもはつばさをぎゅってして寝てるし、少女漫画ではよくあるもん……。 」 と不満気な瞳でもそもそと答えて。これが冬だったらこう…寒いとか何とか理由を付けてぎゅってできるのだけれど、残念ながらまだまだ夏真っ盛りなので寒いどころかくっつくと弟には暑いと文句を言われてしまうようなレベルなのでなかなか思うようにはいかないらしく言い訳を重ねていき。 )



  • No.863 by 鳴海 司  2024-09-12 22:01:35 




はは!食べ過ぎたら胸焼けしそうだなそれ。

( 恥ずかしげも無く胸を張って堂々と隠し味を答える彼女が可笑しくも愛しくて、抑えきれず破顔してはくすくすと笑い。彼女がそこまで上達を目指す理由がまさか自分だとは思っておらず、きっと普段から料理が好きだからこそなのだろうと的外れの納得を。自分の舌に慣れ親しんだ実家の味とはまた違い、紛れも無く自分の為だけに作ってくれた料理は彼女からの愛情の味がする。そう考えれば何だかほわほわと心が暖かくなるようで、笑みを浮かべたまま優しい眼差しで彼女を見つめて。突き出された唇のまま器用に言い訳を述べる彼女に「漫画は漫画だし、お前が普段抱きついてんのは弟だろ?……ったく、こっちの気も知らないで…。」と、ひとつひとつ丁寧にその言い訳を潰していけば最後は小さく小さく呟いて。教師という枷のおかげで御影母の言う"一線"を超えることは無いだろうが、それでも一応はひとりの男。色々と我慢せざるを得ない状況を無邪気に押し付けようとしてくる彼女はやはりタチの悪い小悪魔だと眉を下げて。 )


  • No.864 by 御影 みき  2024-09-12 23:01:10 



む、胸焼けなんてしないもん!
いっぱい食べたらそれだけみきのこと好きになっちゃうの!

( 彼の笑顔にきゅん。とみきの心の柔らかい部分に改めて恋の矢が突き刺さってしまえば、薄らと染まった頬を膨らませながら照れ隠しに隠し味の効能を嘯いて。残念ながらみきは魔法使いでは無いので手料理にどれだけ愛情を込めてもそんな効能は無いのだけれど、あくまで彼が自分のことを好きになっちゃったらいいなの気持ちである。信じれば夢は叶うって夢の国も言ってるし、それが叶うにしろ叶わないにしろ願うだけならタダなので。丁寧に1つずつ此方の言い訳を潰していく彼にみきの不満気な眉間のシワは更に深まっていくものの全てが正論なのでなんにも言い返すことは出来ず、だがしかし最後の彼のつぶやきだけは上手く聞き取れなかったのか「 ?なあに、? 」その状態のままきょとん、と瞳を丸くすれば全くもって彼が今何と戦っているかもなんにも知らないような真っ直ぐな瞳で不思議そうに彼を見つめるだけで。 )



  • No.865 by 鳴海 司  2024-09-13 11:41:33 




何だそれこえーよ。
…ま、他に被害者を増やす訳にもいかないから俺は食べるけど。何ならもう食べちゃってるし。

( どうやら彼女の手料理には何とも恐ろしい魔法がかかっているらしく、その効能とあからさまな照れ隠しにけらけらと笑えば薄らと目元に滲んだ涙を拭って。少しして笑いは落ち着けど口元には笑みを携えたまま、そんな恐ろしい手料理を食すのは自分だけで充分だと肩を竦めて。とはいえ実際に彼女の手料理は美味しいため、食べたならば彼女に対して好意を抱く男子が増えることは容易に想像できて。それで言えば案外魔法も嘘じゃないかもな、なんて思えば尚更被害は自分だけで食い止めねばと微笑んで。不満げなまま、聞こえなくていい所をわざわざ聞き返してくる彼女に「何もなーい。ほら寝ろ。」と、こちらを見つめてくる夕陽色を隠すように掛け布団をその顔までぽふ、と掛けて。 )


  • No.866 by 御影 みき  2024-09-13 20:49:49 



!……独り占め?

( ぱぁあ!と彼の言葉に嬉しそうに瞳を輝かせては自然と緩んでしまう頬はそのままに、決して彼的にはそのつもりで発言したのではないと理解はしていながらもからかい混じりに問いかけて。万が一、億が一彼にその気持ちが少しでも存在したのならばこうして愛情を込めるのはせんせーだけにだよなんて言えるけれど、きっとその時はまた呆れられてしまうんだろうなと楽しげに微笑み。ぽふ、と掛け布団が顔まで覆ってしまえばもぞもぞと身じろぎをして瞳だけ覗かせては「 んふふ。せんせーの匂い。ドキドキして寝れないかも。 」とこうして今自分を包んでいる全てから大好きな人の香りがしてふにゃふにゃと笑ってしまい。……こうして頭からお布団を被ってたら彼の香りに包まれて雷も遠くなる気がするから、今日はこうやって眠ろうかなぁなんて苦手な雷の克服方法をこっそりと作戦立てながら。 )



  • No.867 by 鳴海 司  2024-09-13 23:50:43 




あー……、そうだな。
他の奴らには食わしてやんない。

( 分かりやすく輝いた瞳に少し考える素振りを見せては、ぱちりと視線を合わせては頷いて。揶揄うような彼女の発言にはお返しとばかりに独占欲をそのまま言葉にすれば悪戯っぽく口角を上げて。──いつかこの独占欲が本物になる日がくるのだろうか、なんて頭の片隅で薄らと考えてみて──。自分の布団からひょこっと顔を出す彼女、もとい生徒を見るのは何だか複雑な気がするのが本音だが。柔らかく笑う彼女に「嗅ぐなヘンタイ。」と笑いながら軽口を返していれば、漸く本日の雷を克服できそうなこのタイミングを見計らったかのようにカーテン越しに光る窓。あ、と声を出す暇もなくゴロゴロと雷鳴が唸れば、ドン、と一際大きい音が部屋全体を震わせて。「──っお、今のでかかったな…!近くに落ちたか…?」とさすがに驚いたのか目を丸くしながら未だ唸りの名残を小さく鳴らす窓の外へと視線を向けて。)


  • No.868 by 御影 みき  2024-09-14 05:12:06 





!!!!
ぅ、……く、食いしん坊だ……。

( たまには自分も彼のことを困らせてみたくて仕掛けた罠は何倍にもなって返ってくるもので、ぱち!と大きく開かれた瞳は彼のいたずらっぽい笑顔を見るなり恥ずかしそうに視線を彷徨わせては最終的に逸らされて。いくら冗談だとわかっていても好きな人から独占的な言葉が出てくるとときめいてしまうのは恋する乙女のしようがないところで、勿論当たり前のようにみきもそれは例外では無いのでしっかりと薄暗い室内でもわかるほどに頬は桃色に染まり。くすくすと楽しげに笑いあっていたのも束の間、ピカッと窓が昼間のように明るくなったかと思えばその瞬間にビリビリと鼓膜を揺さぶるような雷鳴?──もしかしたら近くに落ちたのかもしれない?──が轟き、「 っ、~! 」と声にならない悲鳴を上げながらみきがくるまっている布団は分かりやすく大きく跳ねて。これは無理、お布団だけでは耐えられない。そう確信するか否やご丁寧に布団からもそもそと抜け出しては小さく震える体でそのまま彼にぎゅっと抱きつき「 や、やっぱやだ。こわい。 」と涙をいっぱいに貯めた瞳で彼に助けを求めて。 )



  • No.869 by 鳴海 司  2024-09-14 08:38:04 




お前の飯限定だけどな。

( 逸らされた視線に勝ちを確信してはしてやったり顔でにやり。たまに不意を突いてくるのにはやられてしまう事もあるが、こうして反撃が上手く決まればやはり少しだけ気分も良くなって。そもそもそこまで大食漢では無い…どころかどちらかと言えば少食寄りなので、食いしん坊だなんて人生で初めて言われた事に可笑しそうに笑みを零しながら。薄暗くなってきている事に今更気付いては、机の上に置いている室内灯のリモコンを取ってスイッチオン。部屋の中が明るくなれば色のついた彼女の頬は更に分かりやすく、改めてそれを目にすれば心の中に愛しさがほんのりと湧き上がり。雷が存在感を示す窓の外に注意を引かれていると、ごそごそと衣擦れの音が聞こえた後に突如抱きつかれて瞬間体は固まり。普段であれば溜息のひとつでも吐きながらゆっくりと引き剥がすところだが、今の彼女からはいつもの明るさは消えて純粋に怯えている様子。そんな相手を引き剥がすなんて酷なことはさすがに出来ず、「…大丈夫大丈夫、停電にもなってないし近いだけで大した事無いと思うぞたぶん。」と、その背中を優しくぽんぽんと叩いて。 )


  • No.870 by 御影 みき  2024-09-14 09:49:49 



っ、…も、もうおわり!

( ただでさえときめきで大変なことになっているのに更に続けられた彼の言葉に両手で顔を隠してしまえばあっさりと白旗を上げてしまい。明るくなってしまった室内ではきっと赤くなってしまっているのであろう自分の表情が彼にバレバレなので(そもそも暗くてもバレていたであろうことはさておき)、ちらりと悔しそうな瞳だけを覗かせてはまたピャッ!と顔を隠して完全ガードを。まだ耳に低く残る雷鳴の音は安心させるような優しい声色の彼の声に上書きされていき、飛び出してしまうのではないかと思うほどにドキドキと煩く鳴っている心臓はぽんぽんと叩かれる背中に合わせてだんだんと落ち着いていくようで。だがしかし停電になっていないとはいえやはり外から聞こえるゴロゴロという雷の唸り声に一度張りつめた緊張や恐怖の糸はなかなか元には戻らないようで、「 せんせ、……今日だけ。今日だけ一緒に寝て、? 」とぎゅっと彼に抱きついたまま未だ怯えたような声色で小さく問いかけて。だって布団はこうして背中を叩いてくれることもなければ大丈夫だと囁いてくれることもない。音や光からは多少守ってくれるかもしれないけれどその後のアフターフォローはなんにもないのだから。 )




  • No.871 by 鳴海 司  2024-09-14 14:19:09 




…っ、……んー…、

( 彼女の様子を面白おかしく楽しんでいたもののその時間も長くは続かず、雷によって一気に恐怖に怯える彼女を今はどうやって宥めるかが最優先事項。不可抗力とはいえ生徒を家に入れたうえに泊める事になっただけでも自分の中では相当悩んだ結果なのだが、同じ布団で寝るというのはそれ以上のこと。どうしてもすぐに頷くことが出来ずにいたが、ここまで怯え切っている教え子を突き放せるほど冷たい人間にはなれないのは自分でも分かっていて。覚悟を決めたように小さい溜息をひとつ吐けば「──…ほんっとーに仕方なくだからな。」と、彼女の訴えに漸く腹を決めた様子で頷いて。…と言ってもとりあえず隣で横になって、彼女が眠りに落ちればそっと抜け出てソファに戻ろうという算段ではあるのだが。 )


  • No.872 by 御影 みき  2024-09-14 15:37:37 




……うん。ありがとう、だいすき。


( 彼が頷くだけでみきの瞳は誰が見ても安心したようにほっとした色を宿し、更にはふにゃふにゃと嬉しそうに花が綻ぶような笑顔を浮かべて。改めてぎゅう、と彼の胸に顔を埋めるようにして抱きしめては安心しきったふわふわした口調で今思っていることを隠すことなく伝えてそのままこてりと大人しくベッドに横になり。怖くなくなった!と胸を張って言えはしないけれど、彼の一言だけで先程まであんなに怖かったはずの雷はどこか遠くに行ってしまったかのような心地すらしてさっき自分の心を占めていた嫌なドキドキは心地の良いドキドキに早変わりして。「 ……ね、せんせ。他の人には仕方なくってしないでね。 」 ぽそり、と彼の腕の中で小さく小さく呟いた言葉は何とも自分勝手で自分と彼の関係では全くなんの拘束力もないただのお願いに過ぎないのだけれど、それでもどうしても自分以外の誰かに彼がこうしているのは嫌で。 )




  • No.873 by 鳴海 司  2024-09-14 20:14:51 




はいはい、どーいたしまして。

( 自分の言葉ひとつ、行動ひとつで先程まで怯え切っていた彼女の表情がここまで柔らかくなるのであれば正直悪い気はしない。真っ直ぐ伝えられる感謝と安堵は何だか照れ臭く、誤魔化すように彼女を直視しないまま同じようにベッドに横になり。せめて背中を向けようという試みは彼女のハグによって阻まれてしまい、抵抗するのも早々に諦めては抱き着くその背中を再び優しくぽんぽんと叩いて。寄り添っているおかげで腕の中から聞こえた小さな呟きに一瞬きょとんと目を丸くすれば、「…こういう面倒はお前だけで手一杯だからな。」と溜息をひとつ。しかしその声色は優しさを含み、少し遠回しではあるがはっきりと彼女のお願いを受け入れるように答えて。 )


  • No.874 by 御影 みき  2024-09-14 21:54:01 




……えへへ。
それならいーや。みきだけにしてね。

( 彼のお家で、彼のお布団で、彼に包まれて眠っている。間違いなく現実なのだけれど夢のようなこの状況だけでもみきにとっては充分に幸せだったのだけれど、ため息を零しながらもその言葉の音色には間違いなく優しさの籠った彼の返事に満足そうに笑えばまた甘えるようにすり、と彼に体を寄せて。大きな雷も先程の1回だけであとはゴロゴロと唸るだけなのが幸いし、更には彼の体温や香りにまたうとうとと心地よい微睡みが襲ってきてとろんと瞳が蕩けるようにまぶたが重くなり。けれどこんなに幸せな状況なのだからもう少しだけ堪能していたいのか「 ん、……。 」とゴシゴシと目を擦って何とかその眠気になんとか抗おうと。 )




  • No.875 by 鳴海 司  2024-09-15 10:42:16 




ばか。
生徒と一緒に寝るのなんか最初で最後だよ。

( 片肘を立てて手を枕にしながら甘えながら可愛らしい我儘を零す彼女に溜息を吐いて。そうして甘えてくる様子はやはり子供らしいとも思うのだが、抱き着いてくる彼女は確かに自分の服を着ているし布団だって自分のなのに、微かに鼻腔を擽る香りにくらくらと反応してしまいそうになるのは正直いただけない。背中に手を回してはいるが抱きしめている訳ではないのも少しばかりの抵抗の証で。あからさまに眠気と戦い始めた彼女に気付けば「…ほら、眠いんなら寝な。心配しなくても雷が鳴ってる間はここにいるから。」気を許してくれているとはいえ、やはり他人の家ということもあって緊張もあるしそもそも今日1日の疲れだってあるのだろう。くす、と笑みを零せば小さな子供をあやすように声を掛けて。 )


  • No.876 by 御影 みき  2024-09-15 14:33:05 




じゃあ、早く卒業しなくちゃ。


( 面倒ひとつは自分だけで十分、そして生徒とこうして共に寝るのは最初で最後だというのならば自分がさっさと卒業をしてしまえば次が来るということ。なんて上手に言葉の節々を自分の良いように解釈をしては少しだけ体を離して彼のダークブラウンと目線を合わせてにこにこと微笑んで。それから眠気と戦っていることが簡単に彼にバレてしまえば、またもそもそと彼の胸に顔を埋めるように抱きついて「 ずっとがいい、…。 」といやいやと首を振り。雷が鳴っている間だけじゃなくて、自分が眠ったあとも、それから起きるまでずっとこうしていたい。自分が眠ったらきっと彼は布団から出ていってしまうのだろうと乙女の勘は敏感に働き、それならば少しでも起きてこの時間を堪能したいのだと眠気に抗おうと頑張っているのだけれど子供あやすような彼の優しい声は水泳の授業の後の数学の授業みたいに蠱惑的に睡眠へと誘う魔法のようで。 )




  • No.877 by 鳴海 司  2024-09-15 19:54:34 




──…そうだなぁ、
卒業したらまたこうするのも考えてやらなくもないかもな。

( 上手いこと揚げ足を取られれば目を丸くすること一拍、こちらを見つめてくる夕陽色から目を逸らさずに可笑しそうに口角を上げて。確かに自分が懸念しているのは相手が"生徒"だからであって、その枠を外れてしまえば何ら問題は無いことも事実。…とはいえ卒業した後に"元生徒"である彼女のことを1人の女性としてすぐに見られるかどうかはまた別の問題なのだが。顔を埋められたことで少しもごもごと籠ったように聞こえる声で小さく我儘を呟く彼女に溜息混じりの笑いが零れ。「はいはい。じゃあいるから安心して寝ろって。」普段はどちらかといえばお姉さん気質な一面を見せがちな彼女がここまで甘えるようになるとは、それほどまでに雷が嫌いなのかと少しだけ驚きもあって。出た言葉はとりあえずこの場を安心させる為のものだったのだが、彼女が寝た後にこちらもそのまま寝落ちしてしまって結局同じ布団で一夜を明かしてしまうことになるのはほんの少しだけ先の話。 )


  • No.878 by 御影 みき  2024-09-15 21:18:14 



…ふふ。んふふ。
うん。卒業したら。


( 真っ直ぐ絡み合った視線は逸らされずに優しくじんわりと心を溶かし、でもやっぱりそうして真っ直ぐからかわれてしまうと照れてしまうのでえへえへと照れ隠しに淡く染められた頬で微笑んで。誰かの目もない2人っきりだけの空間だとやっぱりちょっと彼は甘々な気がして、いつも彼に振り向いて欲しくて色んな手を使ってアピールしているのだけれどいざ甘やかされてしまうとすぐにいっぱいいっぱいになってしまうのはどうにかしなければならないなぁとちょっぴり悔しい気持ちはあるのだけれど。彼の言葉に安心したように笑顔を零せば改めてぎゅう。と抱きつけば「 ん。……おやすみ、せんせー。だいすき。 」とぽそぽそと囁くような甘ったるい声でおやすみの挨拶と、それからいつもの台詞を零して。それから数十秒もしないうちに無防備な寝顔を晒して静かな寝息が聞こえてきたものの、彼の胸元の服をきゅうと掴んだ手は眠りに落ちたあとも決して離されることはなく甘えたままで。 )




  • No.879 by 鳴海 司  2024-09-16 14:53:02 




ん、おやすみ。

( 彼女の言葉に頷いただけなのにほんのりと染まる頬に、柔らかく笑うその仕草が照れ隠しだと分かれば釣られるように笑みを零し。自分でも今日はだいぶ彼女に甘いのは自覚しているのだが、少しだけ入った酒と自分の家という絶対に他者の介入の無い場所、さらに言えば外は台風で大荒れという状況では警戒心が緩んでしまうのも致し方無い事だろう(と、自分に言い聞かせているだけかもしれないが)。眠る前の挨拶を返してから少しして、規則的な寝息が聞こえてくればつい反射的にそちらに視線を向けて。普段から可愛らしいその顔は寝ていれば更にあどけなく、騒がしく準備室に走ってくるいつもの彼女とはまた違った顔を見ている気がして。その様子を微笑ましく見守っていれば、添い寝特有の温もりに加えて布団に寝転んでしまった社会人の弱さは遺憾無く発揮されることになり。段々と睡魔に襲われてしまえば微睡みに抵抗するも束の間、あっという間に意識を手放してしまい彼女がしっかり寝入ったのを確認してから布団から抜け出そうという自分の計画はあっさり破綻して。 )


  • No.880 by 御影 みき  2024-09-16 16:22:00 





─── ん、…。
!!!!


( とても幸せな夢を見た。ただただ自分と彼が2人で誰かのおうちで笑いあっている夢なのだけれど、自分を見る彼の瞳が愛おしい人を見つめるような其れでとても嬉しくて擽ったくて幸せだった。どんな話をしていたかなんては全く覚えてないけれど、ただ楽しくて幸せだったということはぼんやりと記憶の中に在って。─── 翌日。時刻で言えば6時。普段からの規則正しい生活や寝起きの良さが幸いしてパチリと瞳を開いては寝起き早々目の前に好きな人の寝顔があって思わずびく!と肩を跳ねさせて。だがしかし直ぐにそういえば昨晩彼の家に緊急避難させてもらったんだった…と思い出せば普段よりもどこか幼く見える可愛らしい寝顔をじっと見つめて。普段こんな風に見つめていたら文句を言われてしまうけれど、寝ている間なら見放題。そう、寝ている間なら。「 …せんせ、だいすき。 」規則正しい寝息を立てている彼を起こさないように小さな声でぽつりと呟けば、そのまま無防備に瞳を閉じている彼の唇─── ではなく頬に自身の柔らかな唇をちゅ、と押し付けて。唇はさすがにちょっと、自分も初めてだし寝込みを襲うようで申し訳なかったので。だがしかし、じわじわと自分の大胆な行動に羞恥心が沸いてくれば誤魔化すようにまた彼の胸元に顔を埋めて今の流れを噛み締めるようにぎゅっと瞳を閉じて。 )



  • No.881 by 鳴海 司  2024-09-16 20:41:05 




───…、んぁ、……?

( 仕事のある平日は何とか起きられるが、休みという認識があれば別。どちらかと言えば少し低血圧気味で朝には弱く、起きてもインドア派の自分にはもはや布団は恋人のような存在で。…悲しいことに、昼過ぎまで寝るというロングスリーパーではいられなくなってきている所に少し歳を感じてしまうのが否めないのだが。しかし寝ていても顔に何かが触れた感触には意外と敏感なもので、重々しくぱち…と薄ら目を開けてはぼんやりとした眼で自分の胸元に顔を埋めたままの彼女を見て。動きを止めたまま回らない頭でしばらくぼーっと何かを考えていれば(実際は寝惚けていて何も考えられていないが)、徐に手を回し抱き枕のように彼女を抱き締めては再び目を瞑って。もしも自分が彼女のように寝起きが良いタイプであれば、顔を埋められていてもその当人はすでに起きている事が分かったのだろうが。 )


  • No.882 by 御影 みき  2024-09-16 21:57:56 



!?!?


( どうしよう、勝手にちゅうしちゃった。せんせー起きてないかな、バレてないかな。未だドキドキの収まらない心臓はそのままに自分でもびっくりするほど大胆に行動してしまった数十秒前のことを反芻しては照れるを繰り返していれば突然自身の体がぎゅ、と抱き締められてびくりと大きく瞳を見開いて。起きたのかと耳を澄ませてみるものの聞こえてくるのは彼の穏やかな寝息だけで、寝惚けてるのかな…と先程のドキドキとはまた種類の違うときめきとドキドキを胸に抱えながらそろそろと自分も彼の背に手を回して抱き締め返しては「 …朝ですよー。 」と本当はこのまま抱きしめ合って眠っていたいのだけれどワンチャン寝起きのぽやぽやが見られるのでは…!?という堂々とした下心から小さく彼に声をかけながらうりうりとおでこを胸元に押し付けて。 )




  • No.883 by 鳴海 司  2024-09-16 23:08:41 




……んん…、あさ………?

( 抱き締める手には柔く力を込めたまま夢の世界へ──…旅立つ事は出来なかったようで。小さいとはいえ近くで聞こえる声に胸元のぐりぐりとされる感触、眠りを遮ってくるそれらに少し不満な様子で眉を顰めながら再びゆるゆると目を開けて。「んー……なんじ……、」先程よりは僅かに頭が回り始めたのか辿々しくはあるがぽつぽつと言葉を発しながら、時間を確認するために携帯を探そうとする動作は習慣なのでほぼ無意識に。片手で自分の頭ら辺やら彼女の背中側やらをごそごそと探し回りながらも、もう片手はしっかりと彼女を抱き締めたままで。 )


  • No.884 by 御影 みき  2024-09-16 23:52:39 



……かわいい。


( 下心満載の作戦はどうやら功を奏したようで、望み通りに辿たどしく言葉を零しながらもスマホを手探りする彼(しかも片方の手は未だに抱き締めてくれたまま)にみきの頬は思わずゆるゆると綻んでしまい思わず言葉をこぼして。でも恐らく昨日あのまま寝落ちてしまっただろうから彼の探し求めているものはこの周辺にはないのだろうけれど、眠たそうな顔でスマホを探す彼がかわゆくて愛おしくて彼が気が付くまでもうちょっと見ちゃおうと敢えてそこにはツッコまずに。現在の時刻を問いかける彼の言葉に自分が目を覚ましたということは大体朝6時前後なのだろう、と当たりをつけては彼の髪を整えるようににそっとよしよしと頭を撫でてたあとにまだ眠たそうな可愛いお顔に両手を添えては「 6時だよ、起きる時間じゃないの? 」とどこかお姉さんぶりながらもはちみつのように甘ったるい声色で現在の時刻を伝えて。まぁ今日はただの休日だし外もまだ雨や風も強いからもう一度寝てしまっても良いんだけど、と愛おしそうに優しい瞳で彼を見つめながら返事を待って。 )



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