女子生徒 2024-04-30 23:32:52 |
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サービスが悪いと思います……。
( 想像通りの返答にしょぼしょぼと眉を下げては申し訳程度にブーイングを。普段こうして線引きをきっちりとしている彼だからこそ不意の彼からの接触にすこぶる弱くなってしまうだけで、普段から?☆先生くらい簡単に頭をポンポンしてくれればいちいち照れることもないのに……と半ば八つ当たりに近い呟きを心の中に零せば不満げに唇を尖らせて。にこにことめだかのご飯タイムを見守っていればどうやら彼も帰る時間のようで、送ってくれるとの言葉にぱぁあ!と瞳を輝かせては「 やったー!……あ゙。もう公園で遊ばないからね! 」と先日彼と帰宅中に近所の公演で散々弄ばれたことを思い出せば両耳を守るようにそっと手で庇えば真剣な表情で首を横に振って。─── 一方のクラス打ち上げ会場では、案の定いつまで経っても打ち上げ会場に現れないみきに『 これは今日来ないなぁ 』なんて全てを知っている女友達たちがコッソリと幹事役のクラスメイトにみきの欠席を伝えるナイスアシストが行われているのだが、みきがそれを知ることになるのはもう少しだけ先の話で。 )
むしろお前には特にサービスしてるつもりだけど?
( 先程までの得意げな態度はどこへやら。しゅんと萎みながらも文句を述べる彼女に、机の上を片す際にまとめられたアイスのゴミにちらりと目をやってはふふんとしてやったり顔。他の生徒にも基本は分け隔てなく接しているつもりだが、実質ここまでサービスしてしまうのは相手が彼女だからということに他ならない。こうして特別枠のような形にしてしまうのは過度な期待を持たせてしまうと分かっていても、どうにも彼女にはそこの所の自制心が上手く働かないと自嘲気味に肩を竦めて。だいぶ根に持っている様子で首を振る彼女に一瞬きょとんとしたものの、心当たりを思い出せば目を細めて含みのある笑みを浮かべ「遊び………、ああ。…御影が期待してるところ申し訳ないけど、怪我人相手に遊んだりしないから安心しろ。」と、あくまで"御影の期待に応えられなくて"と態とらしくアピールして。こうして彼女の優しい嘘が嘘じゃ無くなってしまったことで、昼間に彼女との距離を縮めることが出来なかった件の山田くんが打ち上げこそは頑張ろうとしているその目論見を知らずに潰してしまったわけなのだが。 )
ゔ、……それは、…確かに……。
( ぎく、と彼の言葉と視線のみで示したアイスのゴミたちに肩を強ばらせては何にも言い返すことが出来ずにぐぬぬと悔しそうに肯定を。彼が平等に生徒を愛してくれているのは普段から充分過ぎるほどに見ているつもりだし理解もしているけれど、他の生徒と連絡先を交換したりこうしてご褒美をあげているところはみきが見ている限り目撃したことがない。ちょっぴり期待や邪推をしてしまいそうになるけれどもしそれが勘違いだとしたらショックなので、心の中でそれは必死に押しとどめて。てっきり呆れたようにハイハイと流されるとばかり思っていた彼の反応は全く想像とは違うもので、どこか含みのある笑顔とまるで此方がそれを求めていたかのような言葉にぱっと頬に朱を散らせば「 み、っみき期待なんてしてないもん!むしろ安心してるんだから! 」と、正直に言ってしまえば心の奥底で確かに期待をしていたことも否めないので恥ずかしそうに眉を下げながら、不意に思い出してしまった首と耳に彼の指が優しく這う感触を拭うようにぶんぶんともう一度首を振り。 )
だろ?
むしろありがたく思ってほしいくらいだよなー。
( アイスという"物"で特別を仄めかすのは大人らしく少しずるい気がしなくもないが、正面から一応綺麗に論破できれば満足げに鼻を鳴らし。さらに調子に乗った一言を付け加えれば、悔しそうな彼女を正面から見つめてにんまりと微笑み。しかしここまであからさまに生徒にお菓子を与えているのが見つかれば怒られるのはこちらも同様なので、アイスのゴミは出来るだけゴミ箱の底の方に見えないように押し込む辺りは何だか格好がつかないのだが。一気に頬が赤く染まったのを見ればくすりと可笑しそうに笑みを浮かべ、「はいはい。じゃあ安心したところで帰るぞー。俺ここの鍵返してくるから、先に玄関………いや、門まで行っといて。」戸締りやらを確認すれば部屋の鍵をチャラチャラと鳴らしながら待ち合わせ場所に玄関を指定。…しようとしたのだが、何もやましい事が無いとはいえこんな時間まで生徒が1人残っていた挙句に2人で帰るところが万が一他の先生に見つかってしまえばそれは少しばかり面倒くさいことになりそうなので、職員室からは見えにくい校門を指定し直して。 )
うぐぐ、……
あんまり意地悪すると明日の朝お手伝いしてあげないんだから……!
( なんにも言い返せないことが悔しくて(とは言っても事実なので当たり前)、むうううと分かりやすく眉を寄せたあとに悔し紛れの一言を申し訳程度に言い返して。これに彼が別に良い、と言っても寂しいので多分手伝いはしなくとも会いには来るのだろうけれど。施錠確認やらが済んだらしい彼に待ち合わせ場所を指定されては何故門…?と首を捻りつつも「 はぁい。…ふろすけ、ふぐ太郎、また明日ね!だいすきだよー。 」としっかり頷けば小さな友人たちに別れの挨拶と愛情表現を。ばいばい、と水槽の中の彼らに手を振っては先に行ってるねー!と元気よく準備室を出たはいいけれど生徒のいないガランとした廊下は何だかちょっぴり怖くて、足が痛くない程度の早足でそそくさと昇降口の方へと向かい。 )
はは、それは困るから俺の負けだなー。
( けらけらと笑いながら、苦し紛れの切り札を出してきた彼女に対してあっさりと負けを認め。言い負かされても退こうとしない彼女が面白く、結果的に試合に負けて勝負に勝ったというような形での決着にはしたが未だ可笑しそうに笑みを浮かべて。先に部屋を出る彼女にはいはいと返事を返し、水槽の中からこちらを見る生物たちに「じゃあまた明日な。おやすみ。」といつも帰るときにするよう声を掛けて。職員室に鍵を返してまだ残っている先生方にも挨拶を済ませれば、人気の無い校内を歩いて職員用玄関から外へ。まだ明るさは保っているとはいえ太陽自体はすでに沈んでおり、昼間のむわりとした暑さがだいぶ取れてきた外気を感じながら少し離れた門へと向かい。 )
─── ふんふん~、
( 校門で待ち合わせ、なんてまるで高校生のカップルみたいで。いつも手を繋いで下校しているカップルたちを羨ましく眺めていた身からしたら夢のような待ち時間で、みきは傍から見ても嬉しそうな様子で小さな声で鼻歌を歌いつつ待ち。怪我はただ立っているだけならば全く痛くも痒くも無くなったけれど、きっとこの怪我と夏とはいえ夕焼けの終わった今の時間の2つが重なって出来た彼との下校デート( 誰がなんと言おうとデートなのである ) は怪我の功名と言っても遜色ない気がする。コンパクトミラーで髪型を確認したり、スポ大用にクラスメイトにちょっぴり施してもらったメイクがよれてないかなとか、乙女の確認を終えてはまた鼻歌を歌いながら彼を待って。 )
…───悪い、お待たせ。
( 身嗜みを整えて上機嫌に誰かを待つその姿は誰がどう見ても好きな相手を待っているようにしか見えなくて。あからさまなその態度が功を奏してか、ちらちらと彼女を気にする素振りの通行人(主に男性)も声を掛けるまでには至らなかったようで。まさかその後に登場する待ち人が教師だとは誰も思わないのだろうが。──通勤用にしている肩掛けカバンを斜め掛けに少し急足で門に近づけば、小さく聞こえてくる鼻歌の主に声を掛けて。彼女のそんな様子には"何か機嫌が良さそうだな"くらいにしか思っておらず、ましてや下校デートなどとポジティブに考えられていることなど知る由も無いので「じゃあ帰るか。」と歩き始めて。もちろん彼女の足の怪我があるので普段よりゆっくりとしたペースで。 )
!
んーん、待ってない。
( 下校デート、とは言ったけれどあまりに彼の言葉がデートの待ち合わせの常套句でみきは思わずきょとんと瞳を丸くした後に直ぐにへにゃりと微笑んで。彼の言葉にうん!と頷けばいつもよりもどこかゆっくりとしたペースで歩いてくれる彼に思わず頬がふにゃりと緩んでしまえば、自分よりも自分の怪我に繊細に気を使ってくれる彼にきゅんきゅんと胸は高鳴って。優しい、だいすき。と今日何回思ったか分からない呟きをまた心の中で零せば「 みきね、ずうっとこうやって好きな人と下校してみたかったの。だからうれしい。 」と下校デートと言ってしまったらきっと呆れられてしまうだろうから、ただただ自分の嬉しい感情を彼に伝えたくてにこにこ幸せそうで上機嫌な笑顔で隣の彼を見上げて。 )
大袈裟だなぁ……って、
そういやお前は難しいか……。
( 意識した訳ではないとはいえデートの待ち合わせ定番のようなやり取りに、果たして側から見れば教師が生徒を送っていく図に見えているかは定かでは無く。にこにこと自分の夢見ていたことだと語る彼女がいつもよりも上機嫌な理由はそれかと理解すれば、特段難しくなさそうなその願いに笑いを零しかけたところではたと気付き。中学時代はさすがに知らないが、高校生になってからは確かに彼女がそのささやかな願いを叶えるには難しいどころかほぼ無理と言っても過言ではないだろう。好きになった相手がたまたま教師だっただけで彼女の青春には制限が多くなってしまうのは仕方ないとはいえやはりどこか申し訳無い気持ちが湧き上がっては気まずそうに視線逸らし。 )
ふふ、難しいからいーの。
みんなが当たり前のことでもすっごく嬉しいなー幸せだなーって思えるのって、それってすごい幸せなことじゃない?
( 不意に視線を逸らしてしまった彼に不思議そうに瞳を丸くしたけれど、目にゴミでも入ったのかなぁと自身を納得させてはにこにことした笑顔のまま言葉を続けて。確かに我慢しなければならないことも多いし周りの高校生カップルが羨ましくなることもあるけれど、その分周りからしたらほんの些細なことでも何倍にも幸せに感じられることができるのだと恥ずかしげもなくきらきら笑って。2人っきりでお出かけは出来ないけれど、だからこそうして色んな偶然が重なって2人並んで帰り道を歩けることがすごくすごく幸せで。みきは視線を逸らしてしまった彼を覗き込むようにそっと柔らかな夕陽で見上げては、「 だからね、せんせーのこと好きでよかった! 」となかなか他の人では味わえない青春をこうして送るキッカケになった彼に改めて愛情表現を。 )
…っ、……はは、達観してるなー。
でもその考え方は俺も好きかも。
( 人間どうしても出来るだけ大きな幸せを求めてしまいがちだと思っているのだが、こうして普通ならば見向きもしないような小さな幸せを大切に掬い上げて何倍にも喜べる彼女の感性は本当に素敵なところで、不意に胸が跳ねてしまったのを誤魔化すかのように目を細めて優しく笑い。相手が教師だからという言い訳を掲げることも出来るだろうに、きらきらと輝く笑顔は純粋そのもので建前でも何でもなく心からそう思っているのがよく分かる。10年近く先に人生を歩んできた大人にはその笑顔が少し眩しくも見え、素敵な考えだと素直に口にする影にはそんな彼女に対する憧れも含まれており。覗き込まれて視界に彼女が入ったことで反射的に視線がそちらへ動けば、聞いてるこっちが恥ずかしくなるほどに真っ直ぐ放たれたいつもの愛情表現。「!…、分かった分かった。お前がそう思うならそれでいいと思うよ俺も。」聞き慣れているはずの彼女からの"好き"がいつにも増して攻撃力が高い気がして、自然と顔に集まる熱をパタパタと手で仰ぎながら今が夏で良かったと少しだけ暑さに助けられた気持ちになり。 )
んへへ。
いつか考え方だけじゃなくてみき自身も好きになってね。
( 達観の意味はあとで辞書で調べておくとして、此方を見つめる彼の視線がとても優しいものなのでおそらく褒められたのだろうなとアタリをつけてはちゃっかりとした一言を付け足しながら悪戯っぽく笑い。これだけ他の生徒よりも甘やかされておきながら自分への好意にはすこぶる鈍感なみきはやはり彼は自分のことをただの一生徒としか見ていないと思っている為、彼の気持ちなど知る由もなくこれからもガンガンとアピールしちゃおうと密かに決意して。決して此方の好きを否定したり子供の好きだからと言って馬鹿にしてこない彼の真摯なところもみきが好きなところのひとつで、パタパタ手で顔を仰いでる彼に「 照れてる? 」とにこにこにやにや頬を弛めながらどこか嬉しそうに問いかけて。この夏の気温のせいと言うのもあるかもしれないけど、もし彼が自分の言葉で照れていたなら嬉しいななんて期待を淡く持ちながら。 )
はいはい、"いつか"な。
………はー、エスパーはどこへやら。
( しれっと自分を売り込むことも忘れないちゃっかり者の一言は抑揚のないトーンでいつものように流すも、その後に蚊の鳴くような声でぼつりと呟いた言葉は呆れたような溜息と共に。どうやら彼女の先生限定エスパーの力とやらは上手く働かない時もあるようで、鋭いんだか鈍いんだかよく分からない彼女の悪戯めいた笑顔に釣られるように眉を下げて微笑み。とはいえ実際に発揮されれば少し困る事にもなっていたかもしれないわけで、自分の事に関しては果てしなく鈍感な彼女にある意味助けられたような気がしない事もないと溜息をもうひとつ。未だこちらを見上げる夕陽色はニンマリとしたものに変わり、投げかけられた言葉は大正解なのだがそれを素直に肯定するには少しだけ恥ずかしく。「照れてない。暑い。」と単語で返せば再び視線を逸らして。実際夏というのも相まって暑いのもあるが、スポーツでの汗も早く流したい。「あー、早く風呂入りたい……って、お前は風呂やばそうだな今日……。」帰ってからの予定を呟けば、彼女の膝にて今はだいぶ大人しくなったであろう痛みはきっと汗を流す時にまたその存在感を主張するのだろうなと眉を顰めて。 )
??
せんせー、何か言った?
( ちょうどみきがこれからの事を決意している時だったのかふと呟かれた彼の言葉を聞き取ることができず、なになに?と小さな子どものような真ん丸な瞳で彼を見上げて首をかしげ。最後のため息だけは分かったのだけれど、また呆れられちゃったのかなぁと大体彼に好意を伝えたあとは呆れられるか流されるかどちらかという経験上特に落ち込むことも無く人も疎らな帰り道を2人で歩いて。照れていないと言い張る彼にまたまた、とみきの頬は勝手に緩んでしまうのだけれどその後に付け足されたこの後のお風呂を思い出させる彼の言葉にみきのふにゃふにゃ緩んでいた頬はピシリと固まって。ぎぎぎ、と現実から目を逸らすがごとく視線を逸らしては「 ひ、ひみつ道具で傷口濡らさないようにして入るもん…! 」と、決してお家に青いネコ型ロボットはいないしそんなひみつ道具も存在しないのだけれど、少しでも現実逃避がしたくて苦々しくぽつりと呟いて。 )
んー、御影にはやっぱり実力でテスト頑張ってもらわなきゃなって話かな。
( 小さな子のように純粋な夕陽色の瞳はとても綺麗で、他人の恋愛事情には敏感な女子高生も自分の事になるとここまで見えないものなのかと逆に感心を覚えてしまいそうだ。──残念ながらこれは自分にもしっかり当て嵌まっているのだがそれに気付いていないのもまた同じで──。てくてくと歩みを進めながら、上手く働かないエスパーではテストの内容を知る事は出来ないなとにやり意地悪な笑みを見せて。彼女の柔らかい雰囲気が音を立てて固まったのを感じれば、何ともまあ分かりやすい現実逃避。「22世紀になればそんなひみつ道具もあるかもなー。…ま、痛いのなんて数日だから頑張れ。」と、彼女の細やかな逃避に容赦なくストップをかけては態とらしく憐憫の眼差しと笑顔を見せて。 )
な、なんで急にテストなの…。
みきカンニングとか出来ないよ…。
( なんの脈略もなく当然テストの話が舞い込んでくればびくりと警戒するように眉を寄せて。カンニング〝しない〟ではなく〝できない〟なのは嘘が苦手なみきらしい言い方ではあるが、どちらにせよ彼がこの意地悪な笑顔( みきは彼のこの顔が大好きだけれど )をしている時は大体いじわるをしようとしてる時なので先程のにこにこ笑顔はどこへやら、むむむと警戒を露わにして。折角の現実逃避に無慈悲に急ブレーキをかけさせながらも隣の彼からは見ずとも憐れみの視線がビシビシと突き刺さってくるようで「 たった数日でと痛いのやだもん…。せんせー何か道具出してよぉ! 」と青狸に泣きつくようにわぁん!と彼に助けを求めて。傷の存在を思い出せばじくじくと痛みが再発してくるのもよくあることで、やだやだと首を横に振れば前回とは違った意味で家に帰りたくなくなってきてしまい。 )
何でもなーい。
つーか出来なくていいんだよ、されたら困る。
( 素直に"出来ない"という言葉を選ぶ彼女の真っ直ぐさは信頼に至る一面だが、テストという高校生の大敵となる単語が出たせいで(というよりは自分の笑顔のせいで)警戒心を剥き出しにする彼女に今度は可笑しそうな笑みを浮かべて。…とはいえここまで素直な彼女の性格上、仮にエスパーが働いたとしてもテストでそれを良かれと思うことはないんだろうなとは思っていて。それに加えてもしもこちらの心の内が読めるのならば、きっとすぐにでも真っ赤になって"心が読めました"とその顔が語ることだろう。まるで国民的アニメのメガネの子のように泣きついてくるその様に、道具を求められるこちらはまさにどこぞのネコ型ロボットの気分。「残念だけど俺四次元ポケット持ってないからなぁ。……ま、頑張れ。」ふー、と静かに息を吐けば胡散臭いほど爽やかな笑みを顔に貼り付けて、彼女の肩に手を置きながら一言の応援だけで済ますという一連の流れは余りにも残酷で。 )
んへへ、確かに。
そもそもみきはカンニングなんてしなくても生物62点とったもんね。
( 彼の言葉に教師としてはそうだろうと同意をしては、その証拠にカンニングなんてしなくても自分はしっかりと点数を取れたのだと自慢げにピースを。最もその62点は彼からご褒美が貰えるという下心ありきで頑張ったものではあるけれど、それでもカンニングだったりという姑息な手を使わずに良い点数をとれたのだとその表情はとても自慢げで。…そもそも、彼が傷付くようなことはそもそもしたくないからカンニングなんてやろうとも思ったこともないけれど。にっこりと爽やかな笑顔を浮かべる彼にぽむ、と肩に手を置かれればなんともアッサリかつ端的な応援の一言に「 ひ、他人事だと思って…!!可愛い生徒が痛くて泣いちゃうかもしんないんだよ!? 」とムキャ!と眉を顰めて。間違いなく彼にとっては他人事なのだけれど、不満気なみきの夕陽色の瞳は裏切り者!と言いたげに彼を見つめて。 )
目の前にご褒美ぶら下げられてやっとだけどな。
( くすくすと意地悪く笑いながら彼女が無事テストで最高得点を取れた原動力を指摘するも、もちろん頑張りがあってこその結果なので決して否定する訳ではなく。やれば出来る子だと前から思っていたのは本当だし、下心をまったく隠さないのはこの際置いておいて、きちんと結果を出した彼女はひとりの人間として尊敬していて。意地悪な言葉と笑顔ではあるが、彼女を見つめるダークブラウンの瞳には"良くやった"と優しさが宿っており。眉間に皺を寄せるようにして不満を漏らす彼女に「他人事だしなー。はは、もしほんとに泣いたんなら明日慰めてやるよ。」と微笑んで。他人事といえばそうなのだが、彼女がこうなるほどに頑張ってしまった元を辿れば自分の一言なのでやはり気にしないわけにもいかず。泣いたか泣いてないかなど実際に見るわけではないのでもちろん分かるはずもないのだが、さて明日はどうやって甘やかそうかとすでに頭を巡らせているその顔はどこか楽しそうで。 )
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