せんせい、あのね。(〆)

せんせい、あのね。(〆)

女子生徒  2024-04-30 23:32:52 
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  • No.582 by 御影 みき  2024-08-03 23:39:45 



だ、……だいじょばない…。
足じくじくする…。


( どの怪我も、擦り傷というのは大体怪我をこさえた時よりも治療の時や風呂に入る時の方が痛いもの。生理的にじわりと滲んできた血をぽろりと一粒零しながら、今ここには自分と彼しかいないか素直に弱音を吐いて。ゔー…、と小動物の唸り声を上げながらそのまま彼の手にぐりぐりと額を押し付けて未だジンジンと響くような痛みをなんとか耐え忍んで。多少大袈裟な気もするけれど膝という可動の多い部分故簡単には取れないような大判な絆創膏の貼ってある膝は、他の部位が傷一つないつるりと白い足のせいでどこか余計痛々しく見えてしまう。少しずつ痛みにも慣れて来たのか、「 せんせーがよしよししてくれたら痛くなくなるかも…。 」といつもの軽口を叩く元気が出てきたようで、さすがに優勝ができなかった身にハグは求めず若干(当社比)ハードルを下げたおねだりをぽそりと零して。 )



  • No.583 by 鳴海 司  2024-08-04 08:02:06 




まあそりゃそーか…あれだけ盛大に擦ればなぁ……。

( 怪我をした直後に周りに笑顔を振り撒いていたのはやはり心配をかけまいとしていたようで、今になって痛みに白旗を上げながら小さく唸る彼女に苦笑を零し。サポーター無しであんな飛び込み方をすれば摩擦でやられるのは目に見えていただろうに、そこまでして優勝を狙いにいった背景にある自分の一言がどうしても罪悪感としてずしりとのしかかってくる。そんなこちらの心情を知ってか知らずか、普段と変わらない軽口を零した彼女に目を丸くしては「……調子に乗るな。」とこちらもいつもと変わらない返しを。しかしその言葉とは正反対に彼女の頭に手を添えると優しく自身の方へ引き寄せれば頭を撫でて。もしも彼女がこのまま手を回せば形としてはハグになるかもしれないが、自分としては腰元に抱きつかれただけで決して甘やかしているわけでは無いともはや言い訳に近い考えを内心巡らせて。 )


  • No.584 by 御影 みき  2024-08-04 11:19:27 




……えへへ。せんせーだいすき。


( いつもの言葉と裏腹に、彼の手が頭に乗せられたと認識した途端その手に引き寄せられそのままぽすりと彼の腰元に頭を預けるような形になり。みきはぱち!と大きく目を丸くした後におずおずと彼の腰元に手を回せば、そのままぎゅっと彼に抱き着いて。すり、と甘えるように頬をつけながらなんやなんやと自分に甘く接してくれる彼に当たり前にときめいてしまえば、此方もいつもの台詞を零しながらトクトクと心地よく高鳴る心臓にいつの間にか傷口のズキズキとした嫌な痛みはかき消され。「 優勝してないのにぎゅーしちゃった。ふふ。 」なんてふにゃふにゃと幼い子供のように笑えば、もっと撫でて!とここぞとばかりに自分の頭を撫でてくれる大好きな手に甘えて。 )



  • No.585 by 鳴海 司  2024-08-04 12:10:02 




はいはい、
とりあえず元気になったようで何よりだよ。

( 甘えるように擦り寄る体はいつもよりほんの少しだけ熱く感じる気がして、それが運動後のせいなのか現状のせいなのかは自分には分からない。が、この夏の暑さの中でも決して嫌だと思わないのは彼女の熱だからこそなのかもしれない。小さな唸り声は止み、柔らかな声でお決まりの台詞を言う彼女に対して安心したように微笑み。「優勝したら俺からハグする条件だったろ?今はお前が勝手に抱きついてるだけだから───…って、やっぱ甘いのかな俺…。」なんてつらつらと言葉を並べていくも、途中で大きな溜息と共に空いてる方の手で自分の頭を抱えるようにしてはぽつりと呟き。彼女の頭を撫でる手を止めてこそいないが、その実ほぼ置いているだけともいえるようなペースでさらりとした髪の感触を手のひらに感じ。 )


  • No.586 by 御影 みき  2024-08-04 17:11:37 



え~?
みきはもっともーっと甘々でも良いと思いまーす。


( 彼の言葉にへらへらと笑ってしまえば、甘やかされている自覚こそ充分にあるけれどもっと甘々にしてくれても構わないと悪戯っぽく返して。彼が生徒と教師の枠を越えてしまうような接し方を軽々としてしまうような人ではないということは分かっているけれど、それでも高望みをしてしまうのがまた恋する乙女の厄介なところ。…だがしかし実際のところこれ以上甘くされたら一気にキャパオーバーになってしまうのだけれど、それはこの際一旦置いておくとして。「 今はみきが勝手にせんせーにぎゅってしてるだけ、なんでしょ? 」と彼に抱きついたままの手は決して緩めることなく、柔らかく細められた夕陽で彼を見上げてはやはりクラスの女子と戯れでハグをする時とは全く骨格や感覚の違う彼にドキドキと胸を高鳴らせながらもにこりといつものように微笑んで。 )




  • No.587 by 鳴海 司  2024-08-04 17:59:52 




これ以上お前を甘やかしたら絶対ろくな事にならないだろうから却下。

( 十二分に甘やかされているのが分かっているだろう言い草と態度にやれやれと小さく頭を振れば彼女の願望をピシャリと跳ね返して。とはいえ今まで何だかんだと彼女に諸々を許してしまっている自分の甘さをいちばんよく分かっているのは自分自身で。もちろん本気でNOと言うのであれば今すぐにでも突っぱねることはできるのだが、それをしない(できない)辺りきっとこれからも彼女に振り回されて流されるのだろう。しかしそれを嫌だと思わない自分はとことん毒されているのかもしれないと、良い意味で諦めたような微笑みを浮かべて。「そうそう。俺はお前に襲われてるから今必死に抵抗してるって事。」と、こちらを見上げながら柔らかく微笑む夕陽色に対し抑揚の無い言い方と共に視線を絡ませては、今まで避けていた彼女の頭のお団子を軽くぽふぽふと弄ぶことで一応"抵抗"の意味合いを醸し出しているらしく。 )


  • No.588 by 御影 みき  2024-08-04 19:36:54 



ちぇー。
せんせーの可愛い生徒が喜ぶのにー。

( むす、とスポーツ大会仕様なのか艶やかなリップの塗られたさくらんぼ色の唇を不満そうに尖らせて。だがしかし今すぐにみきを突っぱねないあたり、やっぱり彼が自分に甘いことをつくづく実感してしまえばみきの不満気な表情もすぐに上機嫌なにこにこ顔に早変わり。可愛い生徒、だなんて自称しておいていつでもその枠からはみ出そうとあの手この手を使ってアピールをしている訳だけれど、やはり彼が困ることはしたくないのもまた本音としてあるのでなかなか難しいなぁと彼の腰にぎゅ、と抱きつきながら考えて。必死の抵抗、というには些か無理のあるお団子への戯れにみきは思わずふふ!と笑ってしまえば、「 がおー! 」と鋭い爪をアピールするように両手の指を曲げてはオオカミのようにちいさくひと鳴きして改めて彼の腰元にばふ!と抱きついて。うりうりと額を押し付けながら彼を襲うこわ~いオオカミはどうせなら擽っちゃお、とそのまま爪先でかりかりと彼の腹部を軽く引っ掻き始め。 )



  • No.589 by 鳴海 司  2024-08-04 20:21:58 




自分で言うな自分で──っ、!?

( 艶々とした愛らしい唇は不満げとはいえ突き出されることで血色の良さも相まって美味しそうに見える。普段の無邪気な愛嬌の中に垣間見えるこうした色っぽさに、いったい何人の男子が目を惹かれているだろうか。そんな事などつゆ知らず、不満げな表情から一転にこにこと機嫌を良くして未だに抱きついたままの彼女はやはり無自覚な小悪魔だとひとり納得したように何度目かの溜息を吐いて。いきなり始まったこわくないオオカミの戯れに付き合っていれば、突如として襲ってきたぞわりとした擽ったさにすっかり油断していた体はびくりと反応して。「ちょ、……!…っあは、や…めろ……って…──!」身を捩らせるも抱きつかれたままでは抜け出しにくく、慌てて腰に回された手を掴んで引き剥がそうとすればソファに足が引っ掛かりそのまま体勢を崩して彼女を押し倒すような形に。 )


  • No.590 by 御影 みき  2024-08-04 21:17:01 




っ、きゃ ─── …!!

( 彼を擽っていた手が剥がされた、と思った途端にそのまま彼が体勢を崩せば怪我をした足で踏ん張れるわけもなくぐるりと回る視界。突然の衝撃にぎゅ、と咄嗟に瞑ってしまった目をそろそろと開ければそこには保健室の天井と、それから今にも鼻先がついてしまうのではないかというほど近い彼の顔。ふわりと香る大好きな彼の香りが先程抱き着いていた時よりもずっとずっと強く鼻腔をくすぐればぞわりと腰元に粟肌が立つ。─── あ、今。せんせーに押し倒されてる。そう認識するが早いか顔に熱が集まるのを感じては、少しの時間自分を見下ろす彼のダークブラウンにぽやぽやと見惚れたあとにハッと我に返り赤くなった首筋を無防備に晒しながらふと顔を逸らし「 ご、ごめん、…… 」とよわよわ小さな声で謝罪をこぼして。 )



  • No.591 by 鳴海 司  2024-08-04 21:51:14 




────……っ、

( 成人男性として大きくも小さくもなく標準サイズだろう自分の手でさえ掴めば余裕が出来てしまうほど、彼女の白い手首は細くて今にも折れそうで。幸い倒れる際に彼女を押し潰すような事は無かったものの完全に組み敷いてしまっている状況に頭は考える事を放棄してしまい。いち早く思考を取り戻した彼女は咄嗟に顔を逸らしたが、それによって無防備になった首筋に自分の中の何かがぐらぐらと揺れてしまいそうになる。時間にしては一瞬からほんの数秒、しかし体感では何分もと錯覚するこの状況を破ったのは「 キャーーーーッッ!!! 」という女子生徒の黄色い悲鳴。その声の矛先はソフトボールで満を辞して登場した☆先生に向けてのものだが、フリーズしていた思考を再び動かすには強すぎる点火剤になり。反射的にビクッと飛び跳ねるように彼女の上から退いては、「──っ、わるい…!……え、と……怪我したとこ、当たってない、か…?」と彼女を引き起こすために手を差し伸べながら謝罪と共に痛みの心配を。 )


  • No.592 by 御影 みき  2024-08-04 22:25:33 



あ、当たってない……だいじょぶ……。


( 保健室にまで響いてくる女子生徒の黄色い悲鳴は校庭から。悲鳴とそれから今の状況と二重の意味で心臓がどきどきとうるさい程に早鐘を打てば、まだまだ熱の引かない顔で大丈夫だと答えつつゆっくりと上体を上げながら差し伸べられた彼の手になんの躊躇も無く小さな手を載せて。だがしかしその瞬間、先程の彼の大きな手に手首を掴まれた感覚を思い出せば思わずぴく、と小さく手を固まらせた後に彼の手をギュ、と握っては「 ……うそ、大丈夫じゃない。どきどきして心臓いたいもん…。 」と真っ赤になった顔をふるふると首を横に振って本当は何一つ大丈夫ではないことを吐露して。普段教師として引くべき一線を越えない彼は、普段はそんな風に見えないのに本当はすっぽりと自分を覆ってしまうほどにしっかりと異性なのだということを痛感してしまった今さっきの出来事は初恋真っ盛りの女子高生にはあまりにも刺激が強かったのか今にも雫が零れそうなほどに膜の張った潤んだ瞳で彼を見上げて。 )



  • No.593 by 鳴海 司  2024-08-04 23:03:44 




…、あー……っと………心臓、はさすがに治せねーわ…。

( 自分に理性を取り戻させてくれた大きな悲鳴はこちらの心臓にも大ダメージを与えてきて。よろけてしまっただけとはいえ、側から見れば勘違い待った無しの状況だった事を思い出せば冷や汗が止まらない。ばくばくと痛い程に脈を打つ自らの心臓を落ち着かせようと深呼吸しては、カキンッという小気味良いバットの音とそれに再び続く黄色い悲鳴。目にしてなくても校庭の様子が分かるうえ女子たちの歓声が聞こえるたび、やっと落ち着いてきた頭は心臓に痛みを与えたその悲鳴にほんの少し理不尽な怒りが湧いて。引き起こした彼女の手に柔く力が込められた為そちらを見ればうるうるとした夕陽色がこちらを見つめており、更には同じように心臓の痛みを訴えてきて。ヴッ……と言葉に詰まっては逃げるように視線を逸らし、学校の保健室程度では到底治せないそれに白旗を上げて。──そもそも治せるのなら是非ともおっさんの心臓を優先してほしいところなのだが。 )


  • No.594 by 御影 みき  2024-08-05 00:16:53 




……、せんせーは?
せんせーは、どきどきしてる?


( 蝉の声と校庭から聞こえるソフトボールの音や歓声はどこか遠くの、テレビの中の出来事のように別世界のものに感じる。まるでこの2人だけの保健室が世界から分離してしまったような、世界に2人だけ取り残されたような。そんな不思議な感覚すらする。先程まで目の前に在ったダークブラウンの瞳は今は逸らされており、心臓の痛みは治せないと白旗をあげる彼にふとそんなことを問いかけては早く彼をソフトボールに向かわせなければならないとは思いつつも重ねたままの手に柔く力を込めて。普通なら事故とは言え異性に押し倒されるという恐怖感を感じてもおかしくない先程の経験は、どきどきと心臓が高鳴ることはあれど一切不快感や恐怖感がなかったのもきっと相手が彼だったからだろう。みきは足を庇いながらゆっくりと立ち上がれば、「 さっきの声じゃなくて、みきにどきどきした? 」と不安そうに眉を下げながら、きっと彼が答えに困ってしまうということも分かっていながら小さな声で問いかけて。 )



  • No.595 by 鳴海 司  2024-08-05 00:58:11 




え………そりゃまあ……、
俺の教師生命が終わるんじゃないかと思ったらそれはもうドキドキのバクバクだよ…。

( 彼女が口を開けば周りの音が一気に遠くなる感覚がしては、外から入ってくる喧騒より彼女の小さな声の方がはっきりと自分の耳に届いて。投げかけられた質問の、根本的に問いたい部分では無いことを理解しながら少し戯けて聞こえるような答えを出してしまうのは逃げなのかもしれない。──とはいえこれも決して間違いではなく、自分の本音の答えではあるのだが。彼女が立ち上がる際に庇っている足に負担が掛かってはいけないと支えるように繋がれた手に優しく力を込めていれば、先ほど出した答えの逃げ道を塞ぐかのような追撃を受けて。しかしここで素直に頷くのには大人のプライドが邪魔をする。恋愛事に初心な年頃の少年じゃあるまいし、一回り近くも歳の離れた相手にドキドキさせられたなんて羞恥に憚られて言えず。「……っ、…してない。」サラッと言い放つつもりが彼女の不安そうな顔が瞬間でも視界に入ると途端に言い淀み、視線だけで無く顔ごとふいと逸らしたことでほんのりと赤みを帯びた耳は彼女に見えてしまう事となり。 )


  • No.596 by 御影 みき  2024-08-05 10:22:18 



そういう意味じゃないもん。

( 彼からの言葉に半分予想はしていたけれど、いざ本当にそう答えられてしまえば拗ねたように頬を膨らませて。そりゃあ確かに言ってしまえば未成年淫行(最近覚えたらしい)と勘違いされても仕方ない状況だったし、此方が騒いだらあっという間に彼の教師人生は終わりを迎えてしまう状況だったけれど。それでも聞きたいのは〝そういうドキドキ感〟ではないのだとみきの夕陽色はじとりと不満げに彼を見上げて。だがしかしもうひとつの追撃が幸をそうしたのか、してない、と言いつつも逸らした彼の耳は赤く彼が今一体どんな感情を抱いているかなんて彼限定のエスパーにはまるっとお見通し。みきはそれに気付くなりゆるゆると先程まで不満そうに尖らせていた唇を釣り上げては、そのまま彼にぎゅ、と抱き着いて「 うそつき、…せんせーだいすき。 」とニコニコ機嫌良さそうに呟いて。…今のは抱き着いているんじゃなくて、怪我をした足に上手く力が入らなくてよろけちゃったの、なんて言い訳を言う準備も完璧で。 )


  • No.597 by 鳴海 司  2024-08-05 11:21:06 




…はいは──、!
……お、前なぁ…っ。

( 危うく職を失いかけない出来事に未だ冷や汗は止まらないものの、犯罪者として後ろ指を指されることにならないのは相手が彼女だからであって。ずっと流れている何とも言えない空気からは逃げ出したい気持ちに駆られているが、運が良いのか悪いのか結果として自分に好意を抱いてくれている相手に助けられたような形になるのは不幸中の幸いとも言えるだろうか。それにしても彼女の限定的なエスパーは厄介で(とはいえ赤くなった耳を見れば簡単な事なのかもしれないが)、こちらが隠そうとしている事を"うそつき"と簡単な一言で跳ね除けてしまえば再び彼女の体温を感じて。先程の事もあって警戒心が高くなっている状態での抱擁にびくりと肩を跳ねさせては、彼女の行動は逆に警戒心の無さが際立つようで。しかしここで暴れて先の二の舞になる事だけは避けなければと動けず、彼女からのハグを受け入れざるを得ない状況になっては「………そろそろ、外行かないとさすがに誰か様子見にくるかもな…。」とぽつり呟いて。 )


  • No.598 by 御影 みき  2024-08-05 13:08:27 





( ごろにゃんと喉を鳴らす子猫の如く彼へ体を預けていたのもつかの間、誰かが様子を見に来るかも、という呟きにバッと彼から素早く離れれば確かにいつ誰が来るかも分からない保健室で、尚且つ彼は自分の担当競技を放棄してまで此処に居てくれてるのに、と自分の行動にひやりと肝を冷やしては、本当に誰にも見られていないかとどこか彼よりも不安そうな瞳で周囲をキョロキョロと見渡した後に誰もいないことに安堵の息を吐いて。ちらり、と叱られることに怯える子犬のようなしょんぼりとした瞳で彼を見上げてはくい、とジャージの裾を掴みながら「 ……せんせー、ごめんね?ずっとここに居て欲しくなっちゃったの。 」とぽそぽそ小さな声で好き放題ワガママをしてしまった謝罪を。保健室で2人で休憩、なんて昼食時に言っていた言葉が半分現実になったのはとても幸せで嬉しいことだけれど、やはりこれでソフトボールに彼が出なければ他の教職員たちのどこかにしわ寄せがいってしまうのだろう。寂しいけれど送り出さなければとしょぼしょぼ眉を下げながら気持ちを切り替えれば、するりと掴んだ裾から手を離して。 )



  • No.599 by 鳴海 司  2024-08-05 15:19:23 




いや……まあ………、
俺もできれば居たいけどな……。

( ぽつりと零した一言に過敏に反応した彼女が自分以上に周囲を警戒し始めれば、その切り替えに驚きつつも甘えたい気持ちを押し殺して行動に移せる彼女は少しだけ頼もしくも思える。ホッと安堵して一拍、どこか悲しそうにこちらを見上げて小さく呟かれた謝罪を受ければ少し決まりが悪そうに頬を掻いて。今年は避けられなかったスポーツ大会への参加も、当日に追加された分とはいえすでに一種目頑張った後。それだけで自分的にはすでに充分なので、本音を言えばこのまま"怪我をした生徒に付き添い"という形で外競技を逃れられればベストなのだが。とはいえ一応参加の意を出してしまっている以上、やはりこの夢のような時間は終わらせなければいけない。だがしかし名残惜しそうに離れる手に居た堪れなくなっては、「…はぁ……御影、今日終わった後いつもみたいに準備室に寄れるか?」と寂しげな夕陽色を覗き込んで。 )


  • No.600 by 御影 みき  2024-08-05 16:59:44 



???
行くつもりだった…。

( ☆先生がこれでもかってくらいに活躍してみんなの視線がそっち行けばいいのになぁ、なんてなんとも自分勝手に独占欲の花を咲かせていればふと気が付けばいつの間にか彼が此方を覗き込んでおり、きょと…と夕陽を丸くすればさも当然のようにその言葉に頷いて。そもそも、職員会議や彼が何か用事のある日以外はだいたい準備室に必ず顔を出している(もしくは彼がいるか覗き込んでる)ので本日もそれは例外ではないらしく。だがしかし彼から改めてそんなことを言われるのがなんだか初めてのような気がして、こてりと首を傾げて理由を探ってみるも脳内に当て嵌る様な事項がなく。ふろすけたちの水槽はこの間掃除したもんなぁ、と悩みながら「 どして、? 」と問いかける瞳にはまだ寂しいの色が滲みつつも疑問が大半を占めており。 )


  • No.601 by 鳴海 司  2024-08-05 19:26:48 




来たら分かるよ。

( スポーツ大会に限らず体育祭や文化祭等、イベント事のあとの高校生はだいたい打ち上げと称して皆で集まるものだろうと考えていた為、当たり前のように頷く彼女にどこかホッとして。とはいえ長い時間拘束するつもりではないので、仮にクラスで打ち上げがあったとしても充分間に合うだろう。それにしても事故とはいえ自分を押し倒した相手の誘いに二つ返事で頷く彼女には少し心配なところが無きにしも非ずではあるのだが。これで少しは考える方に意識が働くかなと微笑めばまだほんのりと残って見える寂しい色を掻き消すように、先程とは違い少しお団子の形が崩れてしまうくらいにぼふぼふと二、三度柔らかく弄び。「……よし、行ってくる。お前は──…まあ、無理されても気になるしここで休んでてもいいかもな。」あれだけ応援に熱を入れてた彼女だが、処置済みとはいえやはり怪我をした足ではこちらも気が気でない。それでも応援にというなら別に止めることはしないがその判断は彼女に委ねて。 )


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