女子生徒 2024-04-30 23:32:52 |
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、せんせー、ピアス空いてたの…。
( だんだんと、とは言ってもまだいつもよりはぽやぽやと頭が回らない様子だが少し落ち着いてきた様子でとん、と指された彼の耳朶を見つめてみるもたしかにまじまじと見たらピアス穴の跡が。意外そうにぱち、と瞳を丸くしながらぽそりと言葉を零したものの、また自身の耳に伸びてきた彼の手にぎゅ!と目を瞑って。今度は両手が空いたので先程よりもしっかりと口を抑えることができるのか、くぐもった小さな声で「 擽ったくないもん、 」と答えては、少しだけ慣れてきたのか先程よりも少しだけスムーズに……とはいえゆっくり1つずつ数字を数えていけば、あっという間に30まで数え終わり。残り半分、と少し色のついた悩ましげな息を吐けば、『 ほら耐えられた! 』とちらりと彼を見上げて。 )
若気の至りだよ、
もう完全に塞がってる。
( 生活していて出来てしまう傷は跡も残らず綺麗に治ってしまうのにピアスの穴は不思議と開けた箇所が分かってしまうもので。まあ小さいとはいえ体に穴を開けるのだからそれなりの傷なのは間違いないのだが。友達の多い彼女がノリに流されたりせず、彼女らしく生きていってくれればいいなと考えては優しく微笑み。何の引っかかりもない綺麗な耳朶をつついていると気付けば30カウント。自信満々、というよりは少しだけ疲弊と艶やかさを孕んだ様子でこちらを見上げてくる夕陽色の瞳と目が合えば「おー…意外に我慢強いよな御影って。」とにこり笑い。本当は触れる箇所も耳だけにしておくつもりだったのだが、もう少し彼女の反応が見たいという欲望が顔を覗かせて。耳よりもきっと擽ったさは強いであろう首の方へつつ、と指を這わせ。 )
っひゃ、!?
( あともう半分だけ、あと30秒耳以外の他の所に神経を集中させれば良いだけ。そう思って完全に油断してしまっていたということもあり完全にノーマークだった首筋に彼のしなやかな指が滑れば小さな悲鳴を上げて。耳よりも余程過敏に彼の手の感触伝わる首元は腰元からぞわぞわと何か駆け上がるような感覚に陥り、思わず抑えていた口元から離れてしまった両手はそのまま助けを求めるように彼の服をきゅ、と掴んで。「 く、首ずるい!くすぐったい、ぞわぞわする。 」と嫌がっていると言うよりは未知の感覚に驚いているような様子でそのままふるふる首を振って。 )
っ、……ずるくない、別に耳だけとは言ってないし。
( 不意打ちなのもあってかこれまでで一番の反応を示す彼女に、最初こそ面白がっていたもののその所作にどうしても唆られるものがあり。離れるでも逃げるでもなく咄嗟に助けを求めるように服を掴まれたことに、何だかこちらの心まで掴まれたような気すらしてしまいそうで。彼女を追い詰めているのは紛れもなく自分なのだが、本音を言えばその様子が愛しくて仕方がない。擽ったさと同時に彼女を襲う別の感覚、それに驚きつつも耐えようとしているその姿を見ていると胸の奥にぞくりとしてしまうものがあり。そもそも"くすぐったい"と言葉が出た時点で終わりのはずなのだが、「ほら、あと30秒ちゃんと数えてくださーい。」と頑なに手を止める気配無く。 )
ん、ッ……
( 彼の指が首筋を弄ぶ度にもうすっかり火照ってしまった体はびくりと揺れて、助けを乞うように彼の服を掴む手を強めて。擽ったいとほぼ白旗同然の言葉を零したにも関わらずカウントを再開するようにと彼に告げられれば、それに抗うような意識すら浮かんでこない頭で「 さ、さんじゅ、いち。…ひッ、さんじゅに、… 」とたどたどしくゆっくり数字を重ねていくも、50まで来たところで立っている限界がきたのかそのままぽす、と目の前の彼の体に体を預けるように体を傾けて。─── あとたった10カウントなのに、負けちゃう。あれ?そもそも何で勝負してたんだっけ。とぐるぐると熱っぽい頭で考えを巡らせてるもそんな状態で答えにたどり着く訳もなく「 ……ッ、せんせぇ、も、むりぃ……。 」と涙の膜で潤んだ扇情的な熱っぽい瞳で白旗を改めて掲げ。 )
───ん、お疲れ~。俺の勝ち。
( ゆっくりゆっくりと律儀に進められたカウントは惜しくも50で終了、しかしその実5分近くは経っているかもしれないのだが。彼女の首からするりと手を離し、自分の中でむずむずとした気持ちが芽生えかけていたのを誤魔化すかのように爽やかな笑顔で勝利宣言を。そもそもいつから勝負になっていたのか、自分でも勢いのまま始めたことだったのもあって首を傾げそうにはなるが、それを口に出してしまえば彼女の頑張りが報われないと言葉を飲み込み。「…っ、……あー、思ったよりは耐えたな御影……うん、やっぱり我慢強いわお前。」くたりと自分にもたれ掛かる体を受け止めては、さすがに少しだけ理性が戻ってきたのか彼女がこちらに向ける熱をもった視線から目を逸らし。いくら人通りが無いとはいえ、大人が子供(ましてや教師と生徒)を涙目にしてしまっているのは側から見れば非常によろしくない状況なのだが、現状この空間は完全に2人の世界になっていて。 )
─── っはぁ、…お、終わった……。
( 肩で息をしながら彼の勝利宣言を頭の片隅で聞き届けては、甘い暴力に程近いこの時間が終わったことにまた小さく息を吐いて。さっきまで寒いくらいに涼しいコンビニに居たのに、今ではもうすっかり体がぽかぽかドキドキと火照り暑いくらいに体温が上がっているのがわかる。首元や耳にはまだ彼の手の感覚が残っており思い出すだけでそわりと過敏に体が反応してしまう程だけれど、やはり触れられていないとちょっぴり寂しくなってしまうのは乙女心の面倒なところ。「 ……でも、首はみんなくすぐったいもん、いじわる…。 」とまだ上手く足には力が入らず彼に体を預けたままながら口だけは元気になってきたのかぽそぽそと文句を。それに何だかちょっと自分では無いような声が勝手に出てしまうしそれを彼に聞かれてしまったのもみきとしては誠に遺憾らしく、恥ずかしそうに頬をふくらませながらなぜだか視線の合わない彼をじっと見上げて。 )
う……、んー…まあ……さすがにちょっとやりすぎたかな、とは思ってる…悪い……。
( 口調だけはいつもの調子に戻ってきた彼女だが、まだ体で息をしているせいか漏れる吐息はまだほんのりと色めいていて。それに加えて自然と出ていたであろう可愛らしい声がどうしても耳に残ってしまい、こちらを見上げてくる視線は感じるものの何だかどぎまぎとしてしまいそちらを見る事が出来ず。酒のせいだと言い訳を述べるのは簡単だがつい調子に乗りすぎてしまったような気もするわけで、未だ体を預けたままの彼女を気遣うようにその背中を優しくとん、とんと叩きながらぽつりぽつりと言葉を発し。ここまで彼女を疲弊させてしまった事に少し申し訳なさを覚えると共に、先程までの少し官能的な──普段とは違った様子の彼女を思い返すと今度は独占欲のようなものがじわりと心の奥から顔を覗かせそうだ。そんな煩悩を振り払うかのようにぶん、と軽く頭を振って。 )
……やだ。許してあげない、
( 優しく背中を叩く手はいつもの彼そのものだけれど、何故だかずっと合わない視線と小さく零される謝罪に〝……照れてる…?〟と妙な所で鋭い乙女の勘が働けば若さゆえに回復の早いもうスッカリ1人で立てるようになった足で背伸びをしては彼の耳元に唇を寄せ、少し熱の残る声色でぽそりと囁いて。そうして彼からゆっくりと離れれば、んべ。といつもの彼の真似らしく小さな赤い舌を出して悪戯っぽく笑い。まだ頬には薄らと朱が散っているものの、先程ぜぇはぁとやられっぱなしだった影は今ではなりを潜めており普段見ることの無いような彼の反応を見て楽しんでいるような節すらもあり「 なんちゃって。 」と付け足せばまたんふふ、と楽しげにニコニコ笑って。 )
…!、……お前なぁ…。
( まだ彼女の内に熱が篭っているのを示唆するように耳に掛かった吐息は熱く、それだけで子供だと思っていた彼女がどこか大人びているように感じてしまう。しかしその内容にぎくりと少しだけ肩が跳ねれば、自らの平和(?)な教員生活が一瞬走馬灯のように浮かんでしまい。反射的に彼女へ視線を向ければ、そこには舌を出して悪戯っ子のように笑う姿。一拍思考を挟んだ後"やられた"という気持ちがじわじわと湧いてきては、最終的にはこうして彼女に軍配が上がる結果になったことに呆れたような安堵したような溜息を。試合に勝って勝負に負けたというところだろうか、とはいえその試合も制限時間を大幅に過ぎているはずなので反則勝ちではあるのだが。「……家もうすぐなんだろ?公園の出口まで送る。」きっと姉のことを待ち侘びているであろう弟くんに心の中で軽く謝罪を述べ、少しばかり酔いが覚めてきた様子でスタスタと歩き始め。 )
あ!
もー、ごめんってばぁ。
( どうやらほろ酔いも冷めてしてしまっていつも通りに戻った彼はスタスタと公園の出口の方まで歩いていってしまい、みきはへにゃへにゃと笑いながらパタパタ忙しなくその背を追いかけて。今日は珍しく彼からの許可が出ている彼の手をきゅ、と当たり前のように握っては、きっともうコンビニで買ったアイスたちはでろでろに溶けてしまっているのだろうけれど冷凍庫に入れたらどうせ復活するのだから今はお姉ちゃんの恋路を応援してほしいと家で待つ弟へと想いを馳せて。夜道デートもあと少しで終わり、そう思うとやっぱりもっとお家が遠かったらなだとかそんなことを考えてしまい出口まで進む足取りも心做しか重くなる。ちら、と隣を歩く彼の方を見上げれば「 ……次会えるのは明後日かぁ。 」とぽそりと彼に言う訳でもなく言葉を零して。2日間会えないのなんて毎週のことなのに、こうやって偶然会えてしまうと離れがたくなってしまうものらしくきゅ……と柔く手に力を込めて。 )
なーんか大袈裟だなその言い方。
明後日から5日間は嫌でも毎日会えるだろ?
( 歩き出してすぐさま後ろから追いかけてくる足音が聞こえたかと思えば、残り少ない距離にも拘らず先程までと同じように握られた手。そういうちょっとした行動ですら愛らしいと思ってしまう自分も大概重症だなと考えるも、繋がれた手に心地良さを感じ。しかし不意に隣から寂しげに聞こえた言葉はまるで数ヶ月は会えないかのようなニュアンスだが、偶然とはいえこうして今日出会った事で実質まったく会えないのは明日1日だけ。少しだけ力の込もった手に答えるように優しく握り返しつつ明後日から再び始まる1週間、どうせまた準備室に通うであろう彼女の姿を思い描いては可笑しそうに笑みを零し。 )
だって、金曜日は毎週来るから心の準備が出来るけど今日はたまたま会えただけだからバイバイの準備が出来てないんだもん。
( ぷく、と幼い子どものように頬を膨らませるものの、自分の気持ちに応えるように握り返された優しくて大きな手の温もりに少しだけ気持ちが軽くなったような気がして。偶然の出会いが喜ばしいものであればあるほど別れ難くなってしまうものだなんて齢17歳にして知るには早すぎたかもしれないし、さらに言えば油断したほぼ部屋着のような格好を彼に見せてしまったのはものすごく恥ずかしいのだけれど、それでもやっぱり隣を歩く彼とはもう少し一緒にいたいなと思うのもまた事実。このまま連れて帰ってくれたらいいのに、なんて彼の立場を考えたら絶対に口には出せないけれど「 ……ばいばいしたくなぁい。 」といつもよりも少しわがままになってしまうのは、今ここが生徒の声がいつだって聞こえる準備室ではなく静かな夜の公園のせいで。 )
準備って……、ははっ!
お前、そんな心持ちで金曜日いつも過ごしてんの?
( すっかり拗ねてしまった様子の彼女だがその発言は想像の斜め上で、そんな大層な心構えをして週末を過ごしていた事など知る由も無かったのでつい吹き出してしまい。学生からすれば待ち遠しいであろう休日は、どうやら彼女にとっては気合いを入れて迎えるものらしい。可笑しそうに破顔したまま膨らまされた彼女の頬をつんとつつき。普段は何だかんだと聞き分けの良い彼女だが今はわがままモード、別れを惜しむこのやり取りは側から見ればまるで恋人同士だろう。「残念。子供は家に帰る時間でーす。……あんまりワガママ言ってると連れて帰るぞ?」いつになく拗ねている彼女を帰路に着かせたくて呟いた言葉は、果たして吉と出るか凶と出るか。とはいえどちらにしても生徒を家に連れ込むつもりはさらさら無いのだが。 )
だって。
……好きな人には毎日会いたいんだもん。
( 此方の言葉に楽しげに吹き出しつつも膨らませた頬を指先でつついてくる彼にちらりと拗ねたような視線を投げかけてはちょっぴり恥ずかしそうにまた視線を逸らして。いつもは我慢している我儘がひとつぽろりと零れ落ちてはまたひとつ、もうひとつとぽろぽろと落ちてくるもので、いつもの良い女の仮面はどこへやら今はどこからどう見ても年相応の幼い駄々っ子。だが自分が密かに望んでいた言葉が彼から小さく呟かれては、「 !連れて帰ってくれるの? 」とぱぁ、と分かりやすく瞳を輝かせて。果たしてその意味を深く理解しているのか居ないのかは定かではないけれど、きっと彼が今誘えばハーメルンの笛吹き男について行った子どもたちのようにあっさりとついて行くだろう。 )
────……ったく。
御影、いま携帯持ってるか?
( 今日は珍しく押しても引いても動かないほど我儘になってしまっている彼女。出口に向かって歩みは進めているものの依然として膨れっ面のその横顔に根負け、眉を下げて溜息混じりの笑みを零すと今の子たちならば肌身離さず持っているであろう携帯を出してもらおうと伺いを立てて。正直この返事がくるような気はしていたが、一切の迷いが無くキラキラとした瞳で期待を持たれると逆に心配になってしまう。「…冗談に決まってるだろ。付き合っても無い男の家に簡単に上がろうとするもんじゃありません。俺はお前をそんな風に育てた覚えは無いぞー。」彼女と対照的にすん、と真顔になっては危なっかしい彼女に説教に似た苦言を。これが知らない相手であればと思うと考えるだけで肝が冷えそうだが、さすがにその辺はしっかりしているだろう。とはいえ相手が自分で良かったのか悪かったのか悶々と思考を巡らせることにはなりそうだが。 )
???
持ってる……。
( 彼からの問いにきょとん、と先程まで拗ねていた瞳を真ん丸にして首を傾げればパーカーのポケットから透明のケースに友達とのプリクラの挟まったシンプルながら女子高生らしいスマホを取り出して。なんでスマホ…?と彼の指示真意が分からずにわがままモードも忘れてぱちぱちと瞬きを繰り返しては特に見られて困るものもないのでそのままスマホを差し出し。どうやら折角期待した一言は案の定冗談だったようで、またむん!と唇を尖らせては「 せんせーに育てられた覚えはありませーん。それにせんせーこそ、自分のこと好きな女の子を弄ぶようなことするの良くないと思います!好きな人のお家にはついて行きたくなるものなの! 」とびし!と人差し指を立てて最もらしい言葉を吐いて。だがしかしこれで本当に連れて帰るような男の方が本当はロクでもない男だと知るのはまだまだ歳を重ねてからのお話なのだが、どちらにしても彼以外の男に着いていくことはまず無いのは確かで。 )
さすがに毎日会うのは難しいからな……、
───話し相手くらいにならなれるけど、どうする?
( 彼女が取り出したのを確認してから自らのスマホも取り出してトントンと操作を。少ししてから彼女の方へ自分のスマホの画面を向けると、そこにはL◯NEの友達登録ページ。普段は(たまに頑固だが)どちらかと言えば聞き分けの良い彼女が見せた珍しい我儘なので少しくらいならこちらが譲歩してもいいだろうと思い、会えない代わりといってはなんだがトークアプリにて繋がる事を小首を傾げながら提案して。部活の顧問を担っている先生方は実際生徒とやり取りをすることもあるし、別に悪いことではないはずだと自分に言い聞かせてるような気がしなくもないのだがそれは内緒。勢いに乗って捲し立てるような彼女は先程までとは違う意味で拗ねたように見えて。「お、反抗期か?つーか弄ぶとか人聞きの悪いこと言わないでくださーい。気持ちは分からんでもないけど、お前はもっと自分を大事にするべきだ。」くすくすと可笑しそうに笑いながら反論、彼女の言いたい事だけは理解できるが実際に行動に移すとなるとそれはもう大問題なので。いつかの未来、自分の部屋を訪れる相手が目の前の彼女かどうかは今はまだ神のみぞ知るところで。 )
これ、っ……!
いいの!?!?
( 彼から差し出されたスマホ画面をなになに?とひょっこり覗き込めば画面にはトークアプリの友達追加画面。担任の先生は欠席連絡だとかHRで伝え忘れたことをグループで連絡をする為に既に交換しているけれど( 注:背後の高校時代は、の話 / 今はやっていないかもしれない )、彼はクラスを受け持っていないし何かの部活の顧問という訳でもないので、恐らくこの学校で彼の連絡先を知っている生徒は居ないだろう。いいの?とは言いつつも女子高生の手馴れた動作でちやっかり素早く彼の連絡先を読み取っては友達追加。新しい友達、の欄に彼の名前がある事が嬉しくて早速『だいすき!』とオレンジ色の子犬がハートを飛ばしているスタンプを送れば嬉しそうにニコニコと表情を綻ばせ。彼の言葉に不思議そうに首を傾げれば自分を大事に、の意味が分かっていないのか「 大事にしてるもん……。 」と、みきにとっては自分を大事にしているからこそ大好きな人について行くの思考らしくむきゅ…と眉を寄せながらどゆこと?と言いたげに彼を見つめて。 )
まー別に担任とか顧問以外はダメとか言われてないし、
こうでもしなきゃ今日帰らなさそうだしお前。
( こちらの意図を理解した瞬間、夕陽色を輝かせながら素早い動きで操作を済ませた彼女のおかげで無事こちらの連絡先は彼女の元へ。わがままモードは何処へやら、すっかり機嫌を良くした様子の彼女に釣られて微笑んでいると早速ぴこんと通知音。画面を見ると真っ白なトーク画面にスタートの合図を切ってきたのは何とも彼女らしい可愛いスタンプで。ふ、と薄く笑ってはお返しに、犬だかクマだかよく分からないキャラクターがべーと舌を出しているスタンプを送り。家族や友達、仕事関係以外で久しぶりに新しく増えた連絡先が自分に好意を向けてくれている教え子なのは少し複雑な気もするが、彼女の喜んでいる顔が目に入ればマァいいか、なんて思ってしまう自分はやはり彼女に甘いなと改めて実感して。何とも無垢な赤ずきん…もとい、猫耳ずきんちゃんは狼の怖さを知らないらしい。「そのうち分かるよ、たぶん。」と言葉を濁したのは、大人になった彼女にいつか彼氏でも出来たときにと考えたものの何となく胸の奥がモヤっとしたせい。彼女の視線を浴びては誤魔化すようににっこりと笑って。 )
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