せんせい、あのね。(〆)

なぁ、そんなこと言わずにさー。
頼れるのお前だけなんだってー。

( 理性も見た目もガードを固くした様子の彼女の、まさに盾となっているその両手をなーなーと声を掛けながら人差し指でつんつんとつつき。用事があって準備室まで来る生徒こそいるが、こうしてつい私用を頼んでしまうのは今のところ彼女だけで。側から見れば自分勝手だと言われそうなのだが、その実こうして甘えてしまうのは無意識に彼女を信頼しているからであって。珍しく切れ味の鋭い彼女のツッコミに口角をひく、と動かしては「……おいこら、嘘くさいはやめなさい。30手前のおっさんは傷つきやすいんだぞ。」と、真顔に戻っては頬杖つきながら世の同世代を代表するかのように呟いて。 )


( ／ こちらではお久しぶりです背後でございます。
いつも楽しくお話させて頂いて本当に……感謝感謝しかありませぬ…！
みきちゃんがあまりにも可愛すぎて正直もう背後はとっくにオチてしまっておりますので、ここまで教師と生徒という壁を高く感じたことは今までに無いくらいです……！くそぅ…！

ただそのせいで、少しばかり矢印を向けるには急ぎすぎたか……？と心配になってしまったのも事実でして、差し支えなければこの先の展開をご相談できればなと思って顔を出した次第でございます…。
何かイベント事を絡ませるも良し、主様のご希望があればそれをお伺いもしてみたいなと…！
うるせえ！背後邪魔だ！とお思いでしたら蹴ってくださって大丈夫です、それはそれで喜んで受け入れますので()

突然にくわえて長々と失礼しました！ )

……しかたないなぁ。
特別だよ、？

( まるで天の岩戸の開扉を求めるが如く、固く閉ざした両手には彼の人差し指の感触がつんつんと。お前だけ。そんな言葉を言われてしまえば何ともちょろくあさましく嬉しくなってしまうのが恋心で、そろそろと閉ざした両手から瞳を覗かせながらあくまで特別だからお手伝いをしてあげるのだと改めて釘をさして。先生だから手伝うんだからね。そう言いたげな瞳で彼を見つめてはこてりと首を傾げてわかった？と問いかけて。どうやら演技はやめたらしい彼からスン、と表情が抜け落ちて此方に抗議したのに思わず笑ってしまえば「 ほんとのことだもーん。せんせーがにこにこしてるときは大体意地悪なときかなにか企んでる時。 」と人差し指を立ててひらりと揺らしながら過去の経験から来る経験談なのだと答え。 )



( ／ 私もそろそろ次の展開についてご相談しようかと思っていたところでした…！！！タイミングがピッタリすぎて助かります…デスティニー…！？！？
こちらこそ鳴海先生があまりに理想で素敵で「なんで高校時代こんな素敵な先生居なかったんだ…？恋だが…？」とふと我に返っては落ち込むことが多いです！(？)

矢印については加減が絶妙すぎて「もう早く卒業せい！！！」と心の中で某お笑い芸人が騒いでおりました…手は出さないけど気持ちだけ小出しにしていくの、とても良きです…！！！
そしてこの後の展開ですが、会話でも出てきたテスト後の云々だったりお祭りでなにかわちゃわちゃがあっても良いな、と……！！またプライベートでばったり！も普段とは違う印象があって楽しそうだと思います…！！！

背後様が積極的にお話を進めようとしてくださってるのがとても有難くて咽び泣いております…ありがてぇですおよよ……… )

分かった分かった、
御影が優しいおかげでほんと助かるよ。

( どうやらアメノウズメは呼ばずして済んだようで。そろりと顔を見せてくれた彼女の瞳からは＂特別＂という言葉を後押しするような意思を感じ、追撃の問いかけにこくこくと頷きながら了として。無事お許しをもらえたことで安堵の溜息をひとつ吐いては、眉を下げて柔らかい笑みを浮かべ。いつの間にやら彼女に経験を積ませてしまっていたようで、その的確な判断に脱帽。「……そんな事ねーよ。俺はいつだって純粋な笑顔でお前ら生徒と向き合ってるし。」見抜かれてしまっている事を認めない台詞とは裏腹にしらーっと視線を逸らし。そのまま誤魔化すように、まだ僅かに残っていた紅茶を一気に呷ってはそのまま飲み干して。 )


( ／ なんて運命的……！きっと主様と私の赤い糸は全部の指に繋がれていますね…！(？)
ヒェ………そそそんなお褒め頂けるなんて光栄すぎて……！私たちの分までみきちゃんに青春してもらいましょうね！……あれ、なぜだろう目から汗が()

ｱｯｱｯ……分かります…！ぜひ主様と相席したうえで「ちょっと待てぃ！」ならぬ「はよ卒業せぃ！」ボタンを連打したいです…。手を出したくてしょうがない背後を先生が抑えてる状態なんですけどね実は……。…くそ……法の目が怖い……！
気付いてくださって良かった…さすがです！会話の中でイベントとして出せそうなものはぜひピックアップしていきたいなと。現実的には疑問が出そうなものでもご都合主義といいますか…我ら神の手で何とかしましょう…！(？)
プライベート！！！意図せず出会うの最高of最高ですよね……実は私もひっそりと計画を練っておりました……。

いやもうこちらこそ返信にムラがあるのにも関わらずこうしてお付き合い頂けるのがありがたさ極まれりですよォ……！
日々をゆっくり紡いでいくのももちろん楽しいのでこれをデフォとしてその合間に、イベント事まである程度一気に進めたりしちゃうような形でも大丈夫でしょうか？ )

……にへへ。そうでしょ。

( 彼の柔らかな微笑みに釣られるように己もにぱ、と柔らかく笑っては彼の言葉に同意して。でもきっと、結局彼に頼まれてしまえば何やかんや言いながらもなにだって手伝ってしまうのは恋をした弱みというもので。みきはふろすけたちの方へひらりと手を振ればこれからもお手伝いしてあげるからね、と言ったようににこにこ笑いかけて。どうやら自分の指摘は的確だったようで、此方から静かに目線を逸らした様子にまたふふ！と笑顔を零してしまえば「 せんせーったら分かりやすくて可愛い。 」と彼の言葉の返事にこそなってはいないもののそれは紛れもない本心であり、授業中にしか彼と関わることの無い生徒たちはこんな顔もあるのは知らないんだろうなと小さな独占欲は満たされて。 )


( ／操り人形スタイルの相思相愛、斬新かつ最新鋭でカッケーですね…！！！私たちが時代の最先端ってワケ…(？)
青春を取り戻すなんてなんぼ遅なってもええですからね…！！！あと現実ではね！禁断の恋はやっちゃいけないことなんで！この2人に今までのフラストレーション(？)を発散していただく勢いです！！！


ペロッと手を出しちゃう少女漫画よりも慎重派なの、生徒を大事にしている先生って感じでとても最強なのでぜひこのまま…！！続けていきたい所存…！！！とは言いつつもぺろっと手を出しちゃうのも気持ちが押えきれない感じで美味しいですもぐもぐ、、
このトピでは私たちが法であり神ですからね、現実のルールなんか無視して独裁政権でいきましょう…！！！私たちがエモを感じ取れればそれで世はこともなし、です(？)
プライベートやっっっぱりアリですよね！？！？！？普段みきがポニテとかアップスタイルなのでそこらへんで差分をみせてゆきたいな、と思いまして…！！！！脳内共有してて良かった！

もちろんです！！日常時々イベント、て感じて必要に応じて時を加速させましょう……！！！
ぜひぜひこのあともよろしくお願い致します……！！！！／蹴可 )

ほんと御影サマサマだよ、これからも頼むな？

( 言葉こそ通じるわけではないのだが、ふろすけもふぐ太郎も心なしか彼女が居てくれるだけで喜んでいるようにも見えて。生き物に優しく接するその態度はとても好感がよく、たかだかカエルやメダカだと言われればそうなのだがそんな小さな生き物にも楽しそうに接する彼女のことは心から尊敬していて。その柔らかな笑みに、これからも来てくれと少し調子の良いようなことを言ってみて。一回り近く離れた相手に可愛いなどと言われてしまえば大人としてはどうにもむず痒く、何とも複雑そうに「お前揶揄ってんだろ…。」と苦い顔でじとり、と彼女を見て。他の生徒の前でも別に猫を被ったりしているつもりもないが、やはりこうして毒を吐いたりと素を見せてしまうのはどうしても彼女の前になってしまいがちで。 )

はーい。
ふろすけとふぐ太郎と、それからせんせーの為に働きまぁす。

( 彼の言葉にきらきらとした笑顔と、それから敬礼をひとつ返せばそのお願いも快諾し。最も、頼まれなくても彼に会いたいのでこの部屋には絶対に来る予定が毎日のスケジュールに当たり前に組み込まれているのは内緒。好きな人に会えるイベントはしっかり回収するしっかり者なので。苦い彼の顔にまた楽しげに頬を緩めれば「 ふふ。だってほんとのことだもん。せんせーはかわいい。 」と年上の彼にきっと相応しい表現では無いのかもしれないけれど、やっぱり想い人の一挙手一投足はどうしても全てが愛おしく可愛く見えてしまうものらしく夕陽色の瞳は愛おしげに彼を映して。他の生徒の前ではあまり見せない顔がこの準備室の中では幾つも見ることが出来て、その唯一さもみきの気持ちをふわふわと暖かくさせる要因のひとつらしく。 )

お、良い心がけ。
そんじゃテスト明けたらさっそく水槽掃除するからよろしく。

( 気持ちの良い返事を貰えればにっ、と笑顔を見せて。とはいえなんやかんやと毎日来てる彼女の予定をわざわざ押さえる必要が果たしてあるのか疑問ではあるのだが。御影のテストが終わるまで我慢な。と水槽の中の彼らに目配せしてみると、意図が通じたのかは分からないがぷいとそっぽを向かれてしまって。この歳になってしまえば親からでも言われない言葉をまさか生徒からこんなにも浴びせられるとは。「～～～っ……はー…勘弁して。」何を言っても可愛い可愛いと言われてしまうならもう何も言えない。言われ慣れていない言葉を立て続けに聞かされては顔にじんわりと熱を感じ、反論を諦めて机に突っ伏すようにして白旗を。 )

テスト明け！
おうち綺麗になるの嬉しいね～。

( テスト明け。予定ではテストで60点以上を取ってそれから彼に〝故意でなくうっかり〟ハグをしたあと。みきはにこにこと機嫌良さそうに笑っては待っててね、と彼が水槽へ目配せをしたのを見て自分も水槽の彼らへと話しかけながらひらひらと手を振り。そっぽを向いてた彼らはタイミングがよく此方を向いて目が合ったような気がし、みきは通じ合ってる！と嬉しそうにまたにこにこと頬を緩めて。ちょっと我慢させちゃうから、今度カエルとメダカが好きな餌を買ってきてあげよう、とすっかり飼い主の気持ちで考えては満足気に頷き。恋する乙女の猛攻にとうとう白旗をあげてしまい机に突っ伏した彼の表情こそ見えないものの、髪の間から覗く形の良い耳がじんわりと赤く染っているを見るとやはりきゅんきゅんと胸が高鳴り。「 ふふ。やーだ。 」と滅多に見ることの出来ない彼の照れている様子を堪能しようと無敵な女子高生はにこにこと彼を見つめて。 )

あ、そうだ。
分かってるとは思うけど、テスト期間中はここ立ち入り禁止だからな？俺も職員室の方にいるし。

( そのセンスには審議が入りそうな名付け親の方がいいのかお前ら。と心の中で軽く毒づくも、嬉しそうにメダカとカエルを見ている彼女を見れば釣られて頬が緩み。いつものことながら期間中の生徒の立ち入りは、職員室はもちろん基本的には原則禁止だとふと思い出しては一応口頭で伝えておこうと。更にはさすがに準備室に引きこもってる訳にはいかず、主に職員室の方にいるためどちらにせよこの部屋に居ることの方が少なくなるためそちらも追加で。いくら躱そうとしてもまったく引くことのない様子に突っ伏した状態からちらりと顔を覗かせては、「お前なぁ……、あーもう。見るな見るな。」と彼女の視線を遮るように手を伸ばして。こうなるといくら口で言っても無駄だろう、行動に出た方が早いとの判断で。 )

！
そうだった…2人っきりでお勉強できると思ったのに…。

( 彼の言葉にはっ、と思い出したかのように瞳をまるくしてはがっくりと肩を落としながら顔をむぎゅ…と嫌そうに顰めて。テスト期間というものは良くも悪くも教師と生徒は分断されてしまうもので、下手に自分が彼に近付きすぎてしまうと彼が教師として怒られてしまうのだ。わかりやすくしょぼしょぼと表情を変えながら唇を尖らせては少しだけ勉強へのモチベーションがさがってしまったのは彼には内緒。彼の大きな手に視線を遮られてはぱちぱちと夕日色を瞬きさせたあとに「 わ。へへ。見えないよぉ 」とにぱにぱ笑いながらもその手をどかそうとはしないのはみきなりの教師と生徒の境界線のつもりで。本当はもっと触れたいし近付きたいけれどそれをしてしまったら危うくなってしまうのは彼の立場なので。 )

こらこら、テスト始まる前までならいくらでも付き合えるんだからやる気出せー。

( あからさまな言葉を口に出してはいないが、みるみるうちに萎んでいく彼女に乾いた笑みを向けながら今できる最大限の鼓舞を。自分でも大人気ないと後に自己嫌悪はしたが、彼女のテスト勉強のパートナー権を得たからにはギリギリまで付き合うつもりだ。正直ご褒美の判断を誤ったような気がしなくもないが男に二言は無し、生物のテストで目標点数に達するようにこちらはやる気十分で。遮られたものの楽しそうに笑うばかりで特に何もしようとしない彼女に反撃、そのまま下に手をずらしては柔らかな両頬をむに、と片手で(優しく)掴み。「……ふ、変な顔。」彼女が何をされたかを理解する前にお得意の意地悪な笑顔を見せて。 )

うー…。
でもテスト期間中は職員室も入っちゃいけないしせんせーと会えない…。しおれちゃう…。

( 彼の可愛らしい嫉妬によって阻止された同じクラスの秀才とのテスト勉強の代わりに得られた勉強会の時間、それはやはりテスト期間中には得られるものではなく尚且つテスト期間中というのは職員室も入室禁止の為それならせめて初日に生物があれば良いのに…となんとも我儘に考えて。凡そ3日ほど続くテスト期間は別名せんせーと会えない期間に早変わりしみきはまだ先のテスト期間へいつもとは別ベクトルの萎えを見せて。かわいい、とにこにこ彼を眺めていたのもつかの間。むに、と両頬を柔らかく掴まれた感触と彼の意地悪な笑顔がいつの間にかこちらを向いていれば、ぱちぱちと長い睫毛に囲まれた瞳を何度も瞬きさせてローディング中。数秒後、ようやく自身の置かれた状況を理解したのか一気に顔が赤くなれば可愛くない顔を好きな人の前で晒したくない気持ちと滅多に触れ合うことの出来ない彼からの貴重な触れ合いをやめて欲しくない気持ちが拮抗し｢ んん、ん！(見ちゃダメ！) ｣ と彼の視線から逃れるようにｷﾞｭ!と目を瞑って。 )

たった数日なんだから我慢しなさい。
…ったく、そんなんじゃ60点届かねーぞ。

( 言葉通りすっかり萎れてしまった彼女に掛けられる言葉はたかが知れており、これではやる気を出させるのは難しそうだとは思いながらもやはり例の約束を持ち出す他無く。あとは実際にテスト勉強を始めた後に期待、しかし変わらずならばやはり何か一石を投じなければと考えていて。しばし固まる彼女を楽しげに見つめ、ようやく理解を終えた途端にぶわわと赤くなったその様子にさらに楽しそうに。「ははは、真っ赤。……なに、キス待ち？」頬を掴んでいるのは自分なので、唇が突き出てしまっているのは彼女にとっては不可抗力。しかしその状態で目を瞑られればそれは少し特殊なキス待ち顔に見えなくもないため、彼女の方にそんなつもりは無いのだろうが意地悪くわざと聞いてみて。 )

ぅー…。
60点とったらご褒美………。がんばる！

( 呟きと言うよりは自分に言い聞かせているようにテストへの唯一のやる気と表すに相応しい事柄をぼそりと零して。彼もこうして協力してくれている事だし、60点以下という選択肢はもうみきの中には存在していないらしくあくまでやらなきゃいけないけれど憂鬱な出来事への起爆剤として自己利用しているようで。みはぺち、と軽く自身頬に気付けをすればぐい、と背伸びをして気分を一新し。目を閉じているため彼の表情こそは見られないものの、その声色から楽しそうに意地悪な笑顔を浮かべているのはいつもの彼の様子からは分かっている。けれど聞き逃せない単語に思わずぱち！と瞳を開いてしまえば羞恥で潤んだ瞳で彼のその笑顔を捉え｢ んー！ ｣と否定とも肯定とも取れるような返事をすれば、けれどまた意識的では無い待顔を見られてしまうのは恥ずかしいのでふい、と目線だけ逸らして。 )

そうそう、お前はやれば出来るんだから頑張れ。

( 彼女のやる気スイッチは何とか押せたようで胸を撫で下ろし、例えその芯にあるものが多少不純でもまあ結果さえ良ければいいだろう。ここまで頑張ろうとしているのであれば、目標達成の要求が多少難しいものでも目を瞑ってやらないと、なんて思ってしまう。慌てて開かれたうるうるとした瞳、それと瞬間目が合えば自分の中の変な嗜虐心が刺激されそうに。可愛いものほどいじめたくなってしまうというその気持ちが少し理解できたものの、良からぬ考えは頭の隅に追いやって。「どんな顔でも可愛いんだから安心しろって。」と彼女の内心を知ってか知らずか雑なフォローを入れながら、片手に収まってしまうその小さな両頬からぱっと手を離し。 )

その代わり、せんせーも覚悟してよね。
みきほんとに60点以上とっちゃうんだから。

( に、と自身ありげに口角を上げては予め彼にはご褒美の線引きの確認はしたし残るは彼に心の準備をしておいてもらうのみ。有言実行の女はもう既に60点以上とってご褒美をもらうつもりのようで、みきはぴし、と彼の方に指先を向けて。勿論法に触れる……もとい彼が職を失うようなことはしないつもりなのだが。そこら辺は我慢の子になるとして。彼の言葉にまたぴく、と表情が動けばたまに爆弾を落とす目の前のずるい男に視線を戻してはきゅ、と眉を下げながらまた潤んだ瞳で見つめ。さっきまで彼の手の温もりがあった頬はその温もりが離れたしまったせいかすこしだけひんやりと感じて、｢ ……や。 ｣とその手を追いかけるように思わず両手でその手を捕まえて。 )

そういう台詞は終わってから言ってほしいもんだけどな。
ま、期待してるよ。

( 彼女から溢れ出る自信は60点どころか満点をとったかにさえ思えてくるほどで。強気なその指先に対して反抗的に薄く笑みを返しては、すでに終わったことのような口調で話す彼女にやれやれと溜息をひとつ吐いて。期待している──それは紛れもない本音なのだが、その対象は彼女の頑張りかはたまたその先のご褒美なのか。離した手をまさか引き止められるとは思わず、なんの抵抗も無く捕まった己の手とそれに重なる彼女の手の温かさに素直に驚いて。「っ、！………え、何…？」予想だにしていなかった事が起こると人間というものは固まってしまうもので。きょとんとした顔で、潤んだままの瞳と手を交互に見つめてはぽつりと疑問を零し。 )

みきはやるって決めたら大抵クリアできちゃう子だもん。
任せといてよね。

( 〝大抵〟という枕詞こそ付けたものの今までの17年間という人生でやると決めたものをクリアできなかったことが無いため、その瞳は自身に満ち溢れてきらきらと。まだ挫折を味わったことの無い17歳の思春期少女は想い人に期待してると言われただけで頑張ろうとまたやる気を固め。自分でも自分の行動に驚いているのかぱち……と瞬きをしてはまだ赤みの引かない顔で｢ ぁ、ちが、えと、……その、離れて、欲しくなくて……？ ｣とたどたどしく自分でもこの行動理由を噛み砕きながら彼の問いに答え。離さなきゃ、というのは頭では理解しているのだがどうしても体が言うことを聞いてくれなくて互いの暖かい体温がだんだんと混じりつつある手にきゅ、と力を込めて。 )

おー、頼もしいな。
それじゃあ御影の結果に貢献しないとだし、教える側もそれなりに気合い入れてスパルタでいってみようか？

( 若さと希望に満ち溢れた無敵の女子高生というものはそれはもう眩しくて。適度に諦めや挫折を経験してきたのも大人ならではと言えばそうかもしれないが、やはりきらきらと輝いて見える彼女が少しだけ羨ましく感じてしまうのは歳のせいだろう。そんな彼女の助けにならなければと、こちらも相応の気合いを入れることを宣言してはにっこりと笑って。疑問形になっているということは彼女自身も咄嗟に動いてしまったということで頭がついていけてないのだろうか。言葉通りに力の込められた小さな手に愛おしさが湧き上がり、驚きのために硬直していた体も解けては「………何で？」と更に意地の悪い疑問を返し。柔らかな両手に包まれている自分の手を器用にもぞりと動かしては、ただ握られているだけは違うとばかりに彼女の細い指にするすると自らの指を絡みつかせてみて。 )

みきはスパルタよりも甘々の方が結果が出るタイプだから……。


( 彼の言葉にわかりやすくぎゅ…と眉を顰めればスパルタでは伸びませんと言いたげに静かに首を横に振って。最も、彼に甘く教えられたら勉強どころではなくなってしまうのでそれはそれで困るかも…でも少女漫画とかでよく見る教師と生徒のやつだとお勉強って甘々に教えてるな…だとかを静かに彼からのスパルタを断った頭でぼんやりと考えたものの、自分の中の冷静な自分が彼が甘々で教えるわけが無いでしょうと悲しいけれど現実を囁いてきたので霊性になり。するり、と自分よりも大きな彼の手が、指が此方の手を捕まえるように絡まれば｢ っひゃ、 ｣とぞわりとした甘い刺激に小さく声を漏らして。何で、なんで？なんでだろう？とぐるぐると混乱した頭で彼の質問が何度も巡れば｢ す、……好き、だから…？ ｣とおずおずと彼の瞳を潤んだ瞳で見つめながらいつも伝えているはずの気持ちをなぜだか不安げな疑問形で答えて。 )