継 2024-04-18 08:43:30 |
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【とある夏の日】
初夏のことだったと思います。
曽祖母のお世話をしていた方が亡くなり、当家とも縁のある人でお葬式もつつがなく終わった頃、私はいつものように家事をしていました。
洗濯も外に家族分粗方干したのだけれど、まだタオル類が残ったカゴが洗面所の方に残っていたことを思い出しました。夏休み中の小学校低学年の次女が通りすがるのがふと目に入り、私は、
「メイちゃん、お洗濯済んだものまだあるから取ってきて」
と素早くお願いしました。
次女は嫌そうな顔をしましたが渋々、といった感じで取りに行ってくれました。
夏の暑さがじわじわと肌を焼くのを感じながら少し待っていると廊下をドタドタと走る音が迫ってきます。
そんなに急がなくてもいいのに、と思いながら私は振り返りました。
そうすると、次女は何だか興奮した面持ちで、
「ねえいた!いたよ!」
と言いました。何のことだろうと私は首を傾げました。
「おばあちゃんとこの!たえさんが!いたの!青かったけど!」
──吃驚しました。
それは先日死んだお世話役の方の名前でした。…次女とは仲が良かったから会いにきたんでしょうか。
次女曰く、よく出てくる三角の布を頭につけた白装束姿のお世話役の方がいらっしゃったそうで。
とても穏やかに笑っていたそうでした。
何故だか私はその場で泣き崩れてしまいました。何故かは今は思い出せませんが。
次女がこうした霊体験を語ったのは後にも先にもそれ一度きりで、その日のことを夏が近くなるとふと思い返してしまうのです。
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