動物系男子の集会所 (少人数/シェアハウス)

>>85／象谷

偶には息抜きしたっていいだろ。潰れちまうより気付けるような人がいても一つ屋根の下で暮らしてんだしィ？
そいつぁ其の親御さん、概ね社畜なんじゃねェの。無縁過ぎるからよく分かんねェけどさ
アンタは正しい事をしたんじゃねぇのか。オレが保証する。
（泥棒などの類いではなく安堵を覚えたとは知る由もなく、暫くの間一服する。漸く口を開いた彼は話す事を選んだ。無理に笑わず隠すように喫煙していた事、見せてしまったと思ってるらしい事に対し返しを。我慢する方が体に障る筈。一つ屋根の下で暮らしてるのだから気付く人がいても可笑しくない。こんな夜更けに起きて灰皿常置のベランダへ足を運んでいる自身だから確率が高いだけの事。重苦しくならない為に重く捉えず調和するよう敢えて軽い口調で。そんな素振りを感じさせない尖った歯の見えるニマニマとした口元。隣で話す象谷の俯く横顔を見詰めていると雰囲気に引っ張られてしまいそうになる。其れを持ち堪え。話されるお父さん、に「父子家庭か？」と言いつつ人物像を思い描き。己はセルフプロデュース(セルフブランディング)で巧く軌道に乗り生計を立てていけてるから良いものの。手摺り壁から離れ仄かな甘酸っぱい香りを漂わせながら彼、灰皿の元へ近寄り腰に片手当て、トントンと灰を落とし。彼は遅れて来たお父さんに対し、叱り付けたのだろうか。だとしたら如何接するか、家庭に迄兎や角言うのは悩みどころ、躊躇われるが他人から見た優しさと其の人の為になる優しさなら同情の優しさではない方を自身も選ぶ。不意に半ば強引に彼の事を肯定し、言葉を掛け。）

（／此方も一週間程寝かせてたので言える立場ではないのでね…。其方こそお気になさらずです。）