動物系男子の集会所 (少人数/シェアハウス)

>>37／象谷

ただいま。ありがとう。
（フェスともなると決まって自身を推してくれているファン以外にも観に来ている訳だが、興を冷める事なく惹かせる事が出来ただろうか。其れはスマホのＳＮＳフォロワー通知バイブ音によって結果が何処となく知らされ。掛けてくれる労りに、予定を書いておくホワイトボードがあるにはあるが、如何やら把握していてくれたらしい。柔らかな雰囲気と声色で、此方もつられるようにしてふんわり綻ぶ。床で食べるのはお行儀悪いと知りながらも側迄来て、用意してくれた事に感謝しつつ頂こうと三角座りし手を合わせ。早速とばかりにあー、とギザ歯を覗かせ胃が空っぽな状態からだろうか、いきなり口にし嚥下する事はせずもっもっ、そんな呑気な効果音が聞こえてきそうな印象で咀嚼し、だし巻き卵の一つを食べてみせる。其れからコップに注がれていたお茶をクイッと呷り、濡れた口唇を手の甲で拭い。はぁ…と一息吐けたところで、漸く立ち上がり動き出す。先程から震えるスマホに、フォロワー数が上昇する数字をぼんやり眺め、音楽が好きなのであって、曲を聴いて貰えるのは良いが、人に対して其処迄開放的でも寛容でもなく、あ、此の曲好きだなと思って貰えれば其れで良いので、自身自体にファンが付く事に、厄介なファンが増えなければ良いけどな…と苦渋の面になる。彼に言うでもなく、此れについて反応をされるかは分からないが、何となしに呟き。）
─…フォロー迄しなくていいのにな。ま、曲情報を知って追うにはする必要もあるか。

（／はーい、分かりました！此方こそ何卒宜しくお願いしますっ。）