記憶喪失の少女 2024-04-15 02:05:12 |
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……なに、うるさ…っ
(自身の過去の手がかりになるものを探すためにこの廃墟の街に訪れたはいいものの特に目ぼしいもの見つからず、好きでもない無機質な栄養補給用のゼリーを飲んで…そして、埃だらけで至る所から隙間風が吹いてくるという劣悪な環境で壁にもたれかかって眠りにつく。それが昨日のことだ。何度も経験しているためにさすがに慣れてはきたが、やはり良い心地はしない。そのような状況で、睡眠時でさえ気が休まる時もないと言うのに、耳をつんざく不愉快な大声と、金具がぶつかるようなかちゃかちゃとした音と騒がしい足音が強制的に自分を目覚めさせる。これまでの経験から反射的に拳銃とコンバットナイフを構えつつ、物陰から声のしてきた方を見てみると、何やら慌ただしい様子で何者かを追いかける軍の関係者らしき人物たちが。何処となく不穏な気配を感じ取ったので、すぐに荷物をまとめて追跡する。そうして辿り着いた路地裏にて、先ほどから追いかけられていたであろう少年が窮地に陥っている様子を見た瞬間。体は反射的に動いており、コンバットナイフを持って少年を襲う二人のうちの一人に背後から飛びかかる。抵抗する間も与えずに喉元を掻っ切ると、それを見て動揺しつつも襲いかかってきたもう一人と取っ組み合い、その際に頬の辺りを切られつつも同じように喉を裂いてから、腹部を深く刺して思い切り蹴飛ばす。二人が起き上がってこない様子を見ると、他に敵がいないか辺りを見渡してから頬の傷口から流れる血を指で拭いながら少年に声をかけようと近づいていき。「(怖がらせちゃうかもな…)」と思いはしたが声をかけないわけにもいかず、一度咳払いをしてから話しかけて。)
……大丈夫?
(/申し訳ございません、返信が遅くなってしまいました…絡み文、ありがとうございます!文体ですが、こちらとしましては全く問題ございません!むしろ、私の方が長い上にごちゃごちゃとしたロルになってしまいました、申し訳ないです…!読みにくい等あれば言ってくださればもう少し簡潔にまとめられるように致しますので…!)
っ…!
(瞼に遮られ、視界から光を無くしたとしてもその他の五感を遮断できるはずもなく、想定通りのタイミングで肉が裂けるような音が鼓膜に届いて。しかし、音は響いても己の体に痛みは感じず、その事を不思議に感じながらおそるおそる目を開くと、そこには一人の少女とその少女に始末されたであろう二人の追手が視界に入り、あまりの突飛な状況に「あっ…ぁ。」と間抜けな声を零れさせながら腰を抜かしたようにその場にペタリと座り込んで。「僕は助かったのか。」「目の前にいる女の人は誰なのか。」と次々に出てくる疑問を口に出そうとしてもパニックになった己の頭の中ではその言葉たちは喉の手前でつっかえるばかりで、そうやってモタモタしていると少女から近づいてくれば、びくりと体を震わせながら恐怖の目でまっすぐと相手を見据えて。助かったといっても、目の前の少女が敵ではない証拠はない。そうやって警戒だけは解かずにいると、やがてこちらに対して発せられた声はこの惨状を起こした人物とは思えないほど優しい声色で。たったそれだけのことで警戒心が少し解け、「え、あ、は、はい…。助けてくれてありがとうございます…。」と少しだけ整理のついた頭でやっとのことでそうやってお礼を言って。その時、拭われた相手の頬の傷からまた血の雫が一筋流れれば「あ、血が…。」とそのことを指摘するようにポツリと呟いて。)
(/いえいえ、こちらも開幕の文は世界観を掴むために長くなりやすいので大丈夫です。むしろ長い方が物語に厚みが出るのでいいと思います!こちらも、ロルの長さは波があるのでご了承ください…!)
(少年を怖がらせてしまうのではないかと思っていたが、彼を襲った二人の人間を自分が始末したと知ったことで相手は完全に怯え切っている様子。それもそうだろう、もし自分が少年の立場になったとしたら、自分だって一言も言葉を交わさずにすぐ逃げようとするだろうから。ただ、今回は声をかけたことが良い方向に働いたのか、少年は少しだけ警戒を解いているように見える。本当ならば続け様に「なぜ追われていたのか」「この二人は何者なのか」と問い詰めたいと思っていたのだが、自分があまりコミュニケーションを得意とする人物でないことは分かっているので、こちらも彼に対して「どういたしまして。」とだけ答えておく。…そう言えば、先ほど刺したコンバットナイフをまだ回収していない。それに気づいて先ほど蹴飛ばした人間の方へ向かおうとすると、少年が何やら自分に呟いたような気がして立ち止まる。すると先ほどの傷口からまた血が流れ出してきたので「(ああ…これのことか)」と再び指でそれを拭い。)
よくあることでしょ。放っておけば治る、気にしないで。
(/おはようございます!そう言っていただけるとありがたいです…!これからのロルでも、何処か気になるところなどがありましたら是非言ってください。しっかりと治していきますので…!)
(目の前の少女が己を助けてくれたとしても、その服装からして穏やかではない人物ではないことを、直感で感じ、実際、似たような系統の服装の人間から追われたこともあり、それゆえに完全には警戒を解かずにいて。しかし、その相手が自身の顔の傷に気づいても、ただ血を拭って済ませてようと、自分自身を顧みない姿にどこか思うところがあったのか、抜けた腰を奮い立たせてなんとか立ち上がり相手に歩み寄り、「少し、じっとしててください。」と覚悟半分、恐怖半分といった声色でそう声をかけ。なにをするつもりか、相手の頬の傷に手をかざして「っ…。」と力を込めると、己の真紅の右目が光始め、続けてかざした手からもほんのりと光が瞬き始めればみるみるうちに相手の頬の傷が塞がっていき、ついには傷跡もきれいさっぱり無くなって。「…うん、綺麗になって…、っ!」治療の後を確認して納得するように頷くも、その瞬間ぷつりと糸が切れたように膝から崩れ落ち、「はぁ…っ!はっ…!」と先ほどの息切れよりも苦しそうに肩を上下させ。)
(/おそらく大丈夫かと思われます。当方、雑食ですので…!ですが、なにかありましたらまた連絡します!それでは本体は隠れておきますね。/蹴り可)
(先ほどから腰を抜かして怯え切っていたくせに、突然自分に近寄ってくる少年。いかにも弱々しい一般人という印象だったのだが、突然打って変わって緊張したような声色で自分に指示してくるので、こちらまで身構えてしまいそうになる。とはいえ、自分に害をなせるような人物なら先ほどの二人にも良いようにはされないはず。大したことはないだろうと考えて言う通り大人しくしていると、先ほどから度々血の溢れてくる頬の傷に手をかざしてくる。そんなに傷が気になるのかと思ったが、相手の様子がなんだかおかしい。あまりいい心地がしなかったので「何をするつもりなの?」と声を出そうとしたのだが、そうしているうちにも少年の右目と手が光りだす。思わず拳銃を構えようとするが、少ししてみれば彼の手から出ている淡い光と共に頬の傷が塞がっていくではないか。身体強化などの魔法は腐るほど見てきたし使ってきたつもりだが、治癒魔法などというものは一度も見たことがない。「(この力はなに…?)」ほんの少し前まで傷のあった場所を指でなぞりながらそう考えていると、目の前の少年がいきなり崩れ落ちるのだ。聞きたいことは増えていく一方だが、今の相手に聞こうとするのは無茶だろう。せっかく助けた相手がこの様で、こんな場所に放置していくというのも良い気もしないので、「はぁ…」と小さくため息を吐いてから相手に背中を見せるようにしゃがみ込んで。)
乗って。隠れられそうな場所に運んであげる…落ち着いたら、私の質問に答えて。それでいい?
…ぁぁっっ…!
(相手がいまだ正体不明の存在とはいえ、助けてもらったことは事実。であれば、その傷を治して貸し借りは無しにしようとしたのだが、己の命そのものと相手の一筋の切り傷ではどう考えても釣り合っていなく、肩を上下させるほどの疲労困憊の頭ではそんなことを考える余裕もなくて。まるで全力疾走をしたあとのような疲労感と体の内側からせりあがってくる気持ちの悪さ、そして右目に走る激痛に耐えていると、目の前の少女がおんぶの体制で背中を向けながら乗るよう指示されて。知らない人間に身を任せるということと、少女に運ばれるとということを考えるとやはり少しばかり躊躇はあるらしく「いや、だいじょう…っ。」と問題ないことを証明しようと空元気で立ち上がるが、当然問題ないはずもなく立ち眩みが襲って来てはそのまま相手の背中に倒れこむ形になり相手の要求通りおんぶされる形になってしまい。)
(/すいません、隠れると言っておきながら早速相談事があって、ハルは実験体であったことや出自などは話したほうがいいでしょうか?個人的にはまだハルはアスタ様を信頼しきってはいないイメージでして、なんでもかんでも話してもいいものかと悩んでいまして…。)
…悪いね。ほら、行くよ。
(しつこくいろいろなことを考えてみたが、正直なところ、今の行動は自己満足でしかない。かつて傭兵の真似事をしていたとき、元依頼人と死体の状態で再開することが頻繁にあった。中途半端に人と関わると、その後に後悔するのは自分なのだ。言葉足らずではあるが、今のうちに自身に付き合わせてしまうことを相手に謝っておく。相手の気持ちはよく分かる、分かってあげられるつもりだ。自分も、少し前までは周りの人間全員が敵にしか見えなかったから。歩みを進めながら、背中にのしかかる重みがやたらと軽いことに気づく。自身が他の人間に比べて高い身体能力を有しているのも一つの理由ではあるだろうが、それにしても、と思わざるを得ない。彼は自分よりも上背はあるのだが…どうやら、自分と負けず劣らずのかなり過酷な日々を送ってきたらしい。もう少し手こずるかと思ったが、これならあっという間に昨夜自分が隠れていた場所まで着けそうだ。)
あ。ナイフ……後でいいか…
(/現状であれば嘘の経歴を教えるくらいでもいいのではないかと…!まだお互いの人物も何も分かっていませんし、アスタ自身もハルくんに同情はしていますが、まだ自分のことを話すつもりは無いと考えている感じなので…!)
…すい、ません。
(用意された相手の背中に倒れこみ、そのまま背負われる形になると身長は自分のほうがあるはずなのに、男なのに、と先ほどまでの躊躇は羞恥になりかわり、ズクズクと疼くような右目の痛みの余韻に耐えながら情けない姿をさらすことに謝罪して。己の体重が軽すぎるという自覚がないのか、自分より高い身長の男を背負っているはずなのに、体の芯をブレさせずに悠々と歩を進める頼もしさを感じ、相手の背中に甘えてそのままおぶられていると、服越しに伝わる人の体温に、どこか安心感を覚えれば先ほどよりも力を抜いて身を任せることが出来て。そうして少女の背中に揺られて連れてこられたのは、自身が拠点としていた隠れ家よりも人目に付きにくそうな廃墟の一室で、そこにはゼリー飲料の空パックが無造作に散らばっており。)
(/把握いたしました!確かに、アスタ様もいきなり素性をさらすようなことはしなさそうですものね…!)
…埃っぽいし隙間風も酷いけど、あそこで倒れてるよりはマシでしょ?しばらく休んでなよ。
(当然のことなのだが、相も変わらず酷い場所だ。隠れ家には最適かもしれないが、こんなところに住もうものなら数日で何らかの病にかかるだろう。とはいえ、今となってはそんなことも言っていられない。汚染区域であったり変異した動物であったり、そんなものに囲まれて逃げ惑うよりは生存確率が上がることは間違いない。相手を壁にもたれさせるように背中から下ろすと、ポーチから未開封のゼリーパックを相手の前に置いて「全然美味しくないけど栄養はある、飲んでいいよ。余ってるしね。」という風に淡々と語る。普段ならば装備の点検などを始めるのだが、それをしてしまうと目の前の相手が自分への警戒を強めてしまう気がしたので、今回は少年の正面に座って、いつでも話が聞けるように向かい合う。素直に答えてくれるとも思えないので、今は相手の反応を待つばかりなのだが。)
(/そもそも答えられるほど自分のことを知らないというのもあるのですが、一旦は自分が記憶を無くしていることも伏せたままにしているかな、と…!他に気になる点などはございますでしょうか…?)
…いいんですか?
(疲労感から相手の背中にぐったりと身を預け、なされるがままといった様子で隠れ家の壁にもたれかけさせられるとそこでもやはりぐったりと手足を投げ出す姿勢になって少しでも体を休めて。相手の言うとおり、劣悪な環境とはいえ、この崩れた世界では雨風を凌げるだけ住めば都であり、実際に追手に見つかるまでに拠点としていた己の隠れ家もここと似たり寄ったりな環境であったので文句などないと、相手の言うことに同意するよう頷いて。そうやって楽な姿勢で息を整えていると、少女がポーチから無機質なパッケージの物体を取り出してこちらに差し出してくればなんだろうかと首を傾げて。「美味しくない」「栄養はある」という相手の説明を聞く限り、どうやら食糧らしい。まるで女神を見るかのような視線をしながら上記のように問いかけるが、ここ数日まともな食事にありつくことができなかった己の胃袋は我慢することができず、相手の同意を待つこともなくそのパックに手を伸ばして口に運んで。相手は美味しくないとはいうが、わずかに調味されているだけでも自分にとっては御馳走で、ごくり、ごくりと勢いよく口にして、ゼリーということもあって喉に詰まらせることもなく、弱った胃袋に優しく届いて。ものの数秒で完食し、一息ついたところで落ち着けば「ありがとうございます…えっと…。」と感謝をするが、そういえば相手の名前も知らないままここに運ばれてきたため、どう呼ぶべきかと次の言葉が喉に詰まって。)
(/了解しました!
ほかには、今はお互い見知らぬ相手ということもあって敬語になっていますが、タメ口になったり、「アスタ姉ちゃん」と呼ぶようになるタイミングはどうするべきかな…。と悩んでおります…!)
(渡したゼリーは食べるだろうか。それについて説明はしてみたが、正直なところ、このゼリーは比較的メジャーな食料の一つだとは思っている。小麦などもほとんど取れない環境下で少ない資源をどれだけ有効的に使うか、それだけを考えて作られた一般的な食料…少なくとも、自分が持つ知識ではそういう存在だ。嫌な顔をして飲むだろうと思っていたが、どうやら少し戸惑いを覚えている様子。先ほどから相手は特殊な境遇の人間なのではと考えていたのだが、もしかするとその予想は当たっているのかもしれない。少ししてから勢いよくそれを口にしだしたので、「(よくそんな勢いで飲めるな…)」と感心しながら頬杖をついて相手の様子を見ていると、あっという間にそれを飲み干してしまう。相当飢えていたのだろうが、よく今まで逃げてこれたものだ。そう思いながらじいっと相手を見つめていると彼から感謝の言葉を告げられたので、「ん。」と今度は会釈だけで済ませるが、何やら言葉を詰まらせている。そう言えばまだ名乗っていたかったか。それに気づくと、相手に向かって一言「アスタ。それが私の名前だよ。」とだけ伝えて)
(/今はまだハルくんからしても助けてもらった恩が大きい状態ですし、タメ口に関してはまだもう少し先の話になりそうだと思っております…!「姉ちゃん」呼びに関しても、まだもう少し警戒心が解けないと難しそうですよね…?)
アスタさん…ですね。アスタさん。
(どう言葉をつづけたものかと喉を詰まらせていると、相手はその様子を察してくれたのか、自ら自己紹介をし始めてくれて。一緒に逃げる仲間もいなくなり、誰かとこうやって穏やかに話すというのは久しぶりのことなので、告げられた相手の名前を大事に覚えるように反芻して。「僕はハルです。よろしくお願いします。」と、自己紹介されたのだからこちらも、仲間からつけてもらった、己のお気に入りの大事な名前を相手に自己紹介しては小さく頭を下げて。倦怠感や右目の疼きも治まり、少しだけ腹が満たされたことでいくらか落ち着いた様子になっていくと「それでアスタさん…さっき質問に答えろって…。」と、先ほど相手に背負われる前に言われたことを落ち着いた頭で思い出しながらそのことについて問いかけようとして。しかしその瞬間、腹に食糧が入ったことで胃袋が目覚めたのか、隙間風の音が鳴るこの一室でもはっきりと聞こえるようにぐぅ、と腹の虫が暴れだし、その素っ頓狂な音にいたたまれない感情が押し寄せて固まってしまい。)
(/そうですね…それこそ、助けてもらった恩があるのでまだ姉ちゃん呼びはもう少し先かなと思っております!もしくは、アスタ様とのふれあい、交流で研究施設時代のことを思い出して、姉ちゃんと慕っていた人物を思い出してそう呼ぶように…と言った感じでしょうか。)
アスタさん…ですね。アスタさん。
(どう言葉をつづけたものかと喉を詰まらせていると、相手はその様子を察してくれたのか、自ら自己紹介をし始めてくれて。一緒に逃げる仲間もいなくなり、誰かとこうやって穏やかに話すというのは久しぶりのことなので、告げられた相手の名前を大事に覚えるように反芻して。「僕はハルです。よろしくお願いします。これ、ありがとうございます。」と、自己紹介されたのだからこちらも、仲間からつけてもらった、己のお気に入りの大事な名前を相手に自己紹介してはゼリーのお礼と共に小さく頭を下げて。倦怠感や右目の疼きも治まり、少しだけ腹が満たされたことでいくらか落ち着いた様子になっていくと「それでアスタさん…さっき質問に答えろって…。」と、先ほど相手に背負われる前に言われたことを落ち着いた頭で思い出しながらそのことについて問いかけようとして。しかしその瞬間、腹に食糧が入ったことで胃袋が目覚めたのか、隙間風の音が鳴るこの一室でもはっきりと聞こえるようにぐぅ、と腹の虫が暴れだし、その素っ頓狂な音にいたたまれない感情が押し寄せて固まってしまい。)
(/すいません、少し書き直しました。)
よろしく、ハル。
(相手の自己紹介、そして「よろしく」という言葉を聞いて、一応は挨拶を返しておく。こんな世界にいる限り短い付き合いとなることは分かりきっているのだから、そのような挨拶をするだけ無駄だと思ってしまう。ただ、今は相手のことについて聞き出すために警戒心を少しでも解く必要がある。その手段としてならと考えたのだ。そのこともあり、ゼリーに関しても「余ってるって言ったでしょ、別にいいって。」とぶっきらぼうに言い放って。かなり回復したように見えるし、そろそろ質問をしてもいいころだろうか。そう考えていると、相手もどうやらそのことが気になってきたらしい。ようやくこの時間が来たか、という風に手についた埃をぱんぱんと叩いて少年に話しかけようとすると、あまりにも気の抜けた音がするものだから思わず固まってしまう。よもやここまで腹を空かせていたとは、どうしたものか。再びポーチからゼリーのパックを取り出して「…まだあるけど。」と手渡そうとするが、そこで一つ考えが浮かんでくる。彼を追いかけていた二人なら、もしかすると別の食糧も持っているのではないだろうか。コンバットナイフも置いたままだし、取りに行くついでに探すというのも悪くないかもしれない。それに、ここならそうそう見つかることもないだろう。)
欲しいなら勝手に飲んでて。私はさっきのやつからナイフを回収してくるから。
(/成る程、とても良いと思います…!アスタからしても自分をそこまで慕ってくれる人とは初めての出逢いになるでしょうし、それならば不自然でもないですよね…!
書き直し、お疲れ様です…!)
…あ、ありがとうございます…。
(少しずつ相手のことを警戒しなくてもいい、気を許してもいい人物だと思い始めた矢先、腹の気まで緩んでしまったようで、改めてといった空気になりかけていたのにその気まずさに固まっていると、その様子を見かねたようにおかわりのゼリーをぶっきらぼうに渡してくれば、その気遣いに感謝しながら相手を見送って。置いていかれたゼリーを数個ほど平らげると、いつぶりかの満腹感に、忘れていた腹が満たされるという幸せを思い出して思わず涙ぐみ。相手を待っている間、食糧を恵んでくれた彼女のために何か出来ることはないだろうかと考えていると相手の私物であろうものが散らばったこの部屋。見たところここをしばらくの拠点にしているわけではないだろうが、せめてもと思い、その私物を整理し、また散らばったゼリーの空も纏めながら相手を待って。)
(/返信が遅れてしまい申し訳ありません…!
そう言っていただけでよかったです!なるべく早めに姉ちゃん呼びにしたいと思っていますのでそれまでどうかお待ちください…!)
…よし、回収完了。さて、何かないかな……ふふ、なんだ。いいもの持ってるね。
(少年を襲った人間の仲間が来ないか警戒し、拳銃を構えて先ほどの場所まで向かっていたが、どうやら杞憂だったか、誰とも遭遇することなく先ほどの場所まで来ることができて。コンバットナイフを腹部から引き抜くと、彼らの服で血を拭き取ってからナイフケースにそれを収納する。続いて慣れた手つきで物色していると、ポケットからかさりという音と感触が。ポケットから出してみると、それはこのご時世では滅多にお目にかかれないチョコレートバーであり。どうやら一人一つずつ持っていたらしく、貴重な甘味が一気に二つも手に入ったことに思わず笑みが溢れてしまい。一つは少年に渡して、もう一つは取っておくとしよう。そうしてチョコレートバーをポーチにしまうと、辺りを見渡してから人気がないことを確認すると、やや小走りで隠れ家まで戻っていき。移動中に改めて考えてみれば、自分は先ほどから少年がいる前提で自然と思考を進めていた。だが、体力が回復したのなら既にどこかに逃げてしまったのではないか?わざわざこんなことをしている自分も、少し他人に甘くなりすぎたのかもしれない。そう考えているうちにも到着し、恐る恐る部屋を覗いてみれば、少年は確かにそこにいて、しかも部屋まで片付けてくれていた様子。助けた挙げ句隠れ家を提供した自分が言うのもおかしな話ではあるのだが、今のうちに逃げてしまおうとは思わなかったのだろうか。)
どうせ二度と来ることなんて無いんだし、そのまま散らかしておけば良かったのに。まあいいけど……良いものが貰えたの、あなたにもあげる。
(やけに片付いてしまった部屋を見ながら少し困惑したような声でそう呟けば律儀に自分のことを待っていた少年の方へと歩いて行く。ポーチから先ほどのチョコレートバーを取り出して少年に差し出す。きっと喜ぶだろうと思って渡そうとしているのだが、よく考えてみれば、この少年はゼリーの存在すら知らなかった様子。どんな環境で育ってきたのかは知らないが、もしかするとチョコレートのことも知らないのでは無いだろうか。そう感じ、一応「これも食べ物だから。少なくともそこのゼリーよりは美味しいと思うけど。」と補足しておいて。)
(/申し訳ございません!気付くのが遅れて返信が遅くなってしまいました…!今回は少し読みにくくなってしまったかもしれません、重ねてお詫びいたします…!
はい、楽しみにしております…!)
…っ!
(あらかた…とはいっても、物資が枯渇したこの世界では相手の荷物の量も知れたもので、散らばった荷物を寄せたり、ゼリーの空を寄せたりしただけで掃除は終わってしまい、やることがなくなってしまえばまた、ここに来た時のように壁に体を預けて少女を待つことにして。待っていると気づいたのだが、この静かな建物では音がよく響くらしく、相手のものらしい足音がカツンカツンと聞こえてきて。しかし、これは本当に相手の足音なのだろうか。もしくは、追手のものなのではないか。そう考えた途端に心臓が嫌な高鳴りをし始め、背中に冷や汗が滲み。足音の主に警戒する体勢をしながら部屋の入り口に注意を向け、足音が近づくにつれて鼓動が高まっていって。そうして、入り口から顔を出したのは先ほどの少女であり、追手ではないことを確認するとほっと胸を撫で下ろしながら一気に緊張が解けて。「あ、えっと…何かできることはないかな…って。」と、どうせ出ていくのだからと困惑したような声で近づいてくる相手に、お礼にもならないけどせめてなにかできることをと考えたがこんなことしかできなかったと伝えて。歩み寄ってきた相手がなにやらポーチから取り出して、一つの棒を渡してくると、説明を受ければどうやら食糧らしい。先ほどもご馳走になってしまったのに、これ以上施しを受けるのはと、遠慮と申し訳なさが押し寄せるも、聞いたこともない食べ物への好奇心が勝ってしまい「い、いただきます…。」とおずおずとそのちょこれーととやらを受け取って。外装を外し、おそるおそるその茶色い棒に齧り付けば、口の中に広がる優しい甘さに思わず目を見開いて、目を輝かせ始め。初めての食べ物の感動を相手に伝えようと、「アスタさん…!これ…!」とその輝く目を相手に向けながら何かを言おうとするが、口の中の甘さと感動にうまく言葉が整理できずにいるようで。)
(/大丈夫ですよ!ロルが長い方が物語が面白いので私は好きですので!)
…っ!
(あらかた…とはいっても、物資が枯渇したこの世界では相手の荷物の量も知れたもので、散らばった荷物を寄せたり、ゼリーの空を寄せたりしただけで掃除は終わってしまい、やることがなくなってしまえばまた、ここに来た時のように壁に体を預けて少女を待つことにして。待っていると気づいたのだが、この静かな建物では音がよく響くらしく、相手のものらしい足音がカツンカツンと聞こえてきて。しかし、これは本当に相手の足音なのだろうか。もしくは、追手のものなのではないか。そう考えた途端に心臓が嫌な高鳴りをし始め、背中に冷や汗が滲み。足音の主に警戒する体勢をしながら部屋の入り口に注意を向け、足音が近づくにつれて鼓動が高まっていって。そうして、入り口から顔を出したのは先ほどの少女であり、追手ではないことを確認するとほっと胸を撫で下ろしながら一気に緊張が解けて。「あ、えっと…何かできることはないかな…って。」と、どうせ出ていくのだからと困惑したような声で近づいてくる相手に、お礼にもならないけどせめてなにかできることをと考えたがこんなことしかできなかったと伝えて。歩み寄ってきた相手がなにやらポーチから取り出して、一つの棒を渡してくると、説明を受ければどうやら食糧らしい。先ほどもご馳走になってしまったのに、これ以上施しを受けるのはと、遠慮と申し訳なさが押し寄せるも、聞いたこともない食べ物への好奇心が勝ってしまい「い、いただきます…。」とおずおずとそのちょこれーととやらを受け取って。外装を外し、おそるおそるその茶色い棒に齧り付けば、口の中に広がる優しい甘さに思わず目を見開いて、目を輝かせ始め。初めての食べ物の感動を相手に伝えようと、「アスタさん…!これ…!」とその輝く目を相手に向けながら何かを言おうとするが、口の中の甘さと感動にうまく言葉が整理できずにいるようで。)
(/大丈夫ですよ!ロルが長い方が物語が面白いので私は好きですので!)
……美味しい?いいよ、全部食べて。滅多に手に入らないから、よく味わって食べた方がいいと思う。
(相手の反応からして、ゼリーと同じくチョコレートのことも知らなかったらしい。一体どのような生活を送ればそようなことになるのか、ここまで来るとますます相手の経歴が気になってくると言うものだ。相手と遭遇した時の状況からして追われる身であることは間違い無いのだろうが、単に物を盗んだと言ったような事ならわざわざチョコレートまで持たせるようなこともないはず。そうなると、考えられる理由は一つ。先ほど相手が自分に使った、あの魔法のような力に何か重大なことが関わっているのだろう。場合によっては早いところ安全な場所に送り届けて手を引きたいのだが、どうしたものか。そう考え込んでいるうちにもどうやら相手がそれを口にしたらしく、予想通りにいい反応を見せるので、こちらもつい少しだけ表情を綻ばせてしまう。傭兵の真似事をしていた時にも子供と関わる機会はあったが、大半の場合は厳しい環境に置かれたことで性格が擦れてしまっていた。そんなこともあり、彼のように純粋な子供は久しぶりに見る。それに合わせるように声色も少しだけ柔らかくなれば、気が抜けてしまったのかその場にぺたりと座り込んでしまい。)
はぁ、ようやく休める……
(/そう言っていただけるとありがたいです…!
私としては、この後にハルくんの経歴について聞こうと考えているのですが、それでもよろしいでしょうか…?)
そう、なんですね…。…っ、けほ、ごほっ…!
(相手の言うとおり、これだけ、いわゆるほっぺたがおちそうになるほど甘く美味しいものなのだから滅多に食べれないものだろうということはすぐに理解するが、相手から味わってと指摘されては舌の上で転がすようにしてゆっくり溶かしていき。しかし、先ほど食べたゼリーとは違って固形物と言うこともあってか、弱った口内ではうまく飲み込めなかったらしく咳き込んでしまい。相手の中で一息ついたらしく、いままで張り詰めていた糸を緩めるようにその場に座り込んで休息を取り始める相手に「あ、アスタさん…これ、僕だけ食べるのも…。」と、食べているバーの半分ほどに差し掛かろうとした時、それほどまでに食べれないものであればそれを自分1人で食べるわけにもいかないと、バーをパキリと折って己が口をつけてない方を相手に差し出して。)
(/返信が遅れてしまい申し訳ありません…!
はい、大丈夫ですよ。その場合、研究所出身ということははぐらかした方がいいでしょうか?カースス出身と偽ろうかと思っているのですが…。)
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