治安悪めな少女 2024-04-14 18:47:18 |
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(ブー、というスマホの着信音と共に聞こえた彼女の声。暇な時にでも来れば?と言われて送られてきたのは彼女のバイト先のホームページらしきもの。その貼られたリンク先へと飛ぶとその画面には可愛い服や、自分好みの服の写真がたくさん載っていて。「うん!じゃあ今度行ってみるね!」と元気よく言えば、「 よろしくね 」という文字が添えられた可愛らしいうさぎのスタンプを彼女へと送信して。スマホ画面から彼女へと目を移し、下記を桜の花弁が舞う中満面の笑みで言い。)
改めて、これからよろしくね!麗ちゃん!
……ん。
(よろしくね、と笑顔を向ける彼は送られてきたスタンプのうさぎのように愛らしくて思わず見とれてしまう。しかし、すぐに“写真撮ればよかった”と胸の中で後悔しつつ、「よろしく」と小さく返答した。そして、振動を感じてちらりとスマホの画面に目を向けると、タイミング悪くバイトの緊急要請らしきメッセージが。心底嫌そうな表情を浮かべると溜息を1つ吐いた。正直別れ難いのだが、写真を撮った時のように桜の花を拾って相手の頭にそっと乗せると、ひらりと手を振った。)
ごめん、バイト先から連絡来た…。
またね、薫。
そっか…
…バイト頑張ってね!
(彼女からよろしく、という言葉が帰ってくるとまたにこにこと笑って。彼女がスマホ画面を見て、凄く嫌そうな表情をするのを見るとどうかしたのだろうか、と少し心配を。バイト先が連絡が来た、と聞けばそっか、と返す。たった三文字の言葉だが、その「そっか」という言葉には、もっと一緒にいれたら、離れたくない、という思いが詰まっていて。一人悲しげな笑顔を浮かべると桜の花びらを頭へ乗せられる。ハッと相手のほうを見て、バイトを頑張ってね、と一言言い、手をふり返し。)
(頑張ってね、の言葉には1つ頷いて、手を振り返してくれる相手の姿をちらっと見ると次には前を向いて歩き出して。道中、コンビニで買っていたチョコ菓子を開けて一粒口の中に放り込めば「…あま。」と呟いて。たった一言で…単純だなぁと我ながら思うが、いつもより軽い足取りでバイト先へと向かった。
──バイト先は普段着とは違って可愛らしく甘めな服装を取り扱う店で、女性物が多い中で男女兼用で使えるアイテムも置いてあった。私服ではなんだか気が引けて着用しないが、バイトとなれば着ない訳にも行かなくて、長い黒髪をツインテールに結うと、他の店員よりは大人しめだが可愛らしいワンピースに着替える。…というのも、バイトを口実に普段は恥ずかしくて着れないかわいい服を着ているに過ぎないのだが。)
……ぁ、はーい…。
(彼に暇な時に来たらと言ったはいいものの、こんな格好を見られると思うとやっぱ言わなきゃ良かったか…なんて考えて頭を抱える。すると、店頭にいた先輩に準備を急かされ、なんとも無愛想に返事をしてしぶしぶ接客へ。
今度はいつ会おう、こっちから誘った方がいいのかな…でもな、なんてそんな事を考えながらあっという間に時間が過ぎていくようだった。)
(自分の言葉に彼女は一つ頷いて去ってしまった。彼女の背中が見えなくなるまでじぃっと彼女を見つめていると、一つため息をつき、いちごみるくを一口飲み干して。甘く、まろやかな味のいちごみるくはいつもおいしい。ベンチから腰を上げ、自宅のアパートへと帰ることに。
──アパートへとつくと、ベットへそのままダイブして、ふぅ、と息を吐く。麗ちゃんは今何してるかなー、と考えていると、薫は無意識にスマホの「 麗ちゃん 」と書かれたメール画面を眺めていて。「あっ、ヤバッ」とスマホをおき、体を起こす。無意識にメール画面眺めてるとかキモいか、と思い返す。)
……はぁー…今すぐ会いたい………あ、あー、これ、
相当重症だなぁ
――――――
ここ、だよね?
(スマホの画面に書いてある住所を確認し、「うん。ここだ。」と頷きながら。現在、花井 薫は昨日会ったばかりの彼女のバイト先へと足を運んでいる。暇な時にでも来れば?といわれたので来てみたが、いくら何でも早すぎか?そう思いつつ、店の前へと立ち、扉を開け、、ようとした。いやこれはさすがに来るの早すぎだし、彼女にはサプライズしたいから、なんて馬鹿な理由で来ること伝えてないし、なんなら今日彼女がバイトの日なのかもわかっていないんだ。どうしよう、と悩みながら薫は扉の前を行ったり来たりとオドオドして。)
(平日は特にやることも無いしバイト三昧。好きな可愛い服を眺めてられるのはいいのだがやはり接客するのは億劫で、毎日のように愛想を良くしろだの笑顔を作れだの先輩方からのお叱りを受けてばかり。できるならとっくにやってるっつーの、と心の中で毒づきながら、緩くパーマを巻いた髪の毛が可笑しくないか、店内で服を畳むついでにちらりと鏡を見てチェックする。
今週はセールを開催していて店員の服装にも気合いを入れなければいけなくて、バイト中はツインにしている髪を巻いたり、白のシアートップスに花柄のベストを着て、レースがあしらわれたロングスカートを履いたりしている。…服単体を見れば可愛らしくて大いに満足なのだが、自分が着ているのは違和感しか感じなくて、髪の毛をチェックし終わるとさっと鏡から視線を外す。
セール中だけあって多くのお客さんが訪れており、中にはカップルらしき人達の姿も。いいなぁ、なんて柄にも無いことを考えていると、客引きのために店頭へ出ようとしていた先輩が「あ、どうぞどうぞー」と甘ったるい接客ボイスで店前にいたらしい客を中へ促す声が聞こえ顔を上げる。
いらっしゃいませ、と声を出そうとしたその時、店に入ってきたのは見覚えのある顔で、思わず、え、と声が漏れた。)
…か、薫……。
あ、…麗ちゃん……
(どうぞー、と言われ強制的に入ってしまった店の中。自分の名前を呼ばれた方向を見ると、そこにはとても可愛らしい服を着た姿の彼女がいて。えっ?なんでそんなに可愛いのさ!反則じゃない??と思いながらもゆっくりと口を開き、彼女の名前をこぼす。いきなりバイト先来て何してんだよ、と心の中で突っ込みを入れつつ、両手を顔の横で開くと下記をごめんね、と言いたげに言って。)
あ、あははー、来ちゃったー
な、なんでッ…、…いや、確かに、暇なら来たらって言ったけど…!私、バイト中こんな格好なのすっかり忘れてて…。
(思わず大きな声を出しそうになって咄嗟に口を塞ぎ、ずんずんと相手の方へ寄っていくとコソコソと上記を告げる。来てくれたのは単純に嬉しいのだが、似合わない格好をしている所を見られて恥ずかしいらしい。その証拠に、ほとんど表情は変わってないもののその目は泳ぎまくってしまっていて)
ほんっとにごめんね!連絡くらい入れとくべきだった…
(こちらへ向かってきた相手を申し訳なさそうに見つめながら上記をコソコソと真似をしながら言って。本当に一言「 今日麗ちゃんのバイト先行ってもいい? 」くらい連絡しておくべきだった。それなら彼女をここまで驚かせる必要はなかっただろうに。心の中でこれでもかと言うほど反省すると、今着ている服装が恥ずかしいのか目を泳がせている彼女がいて。なぜ恥ずかしいのか、と疑問に思い、こてん、と首を傾げながら下記を彼女へと言って。)
えっ?なんで?麗ちゃんすっごくその服似合ってるよ??
昨日の、普段っぽい麗ちゃんも可愛いけど、今日は一段と可愛いし、セットアップも麗ちゃんに合ってる。
…いや、その、別に気にはしてないし!
(申し訳なさそうに謝ってくる相手には、人差し指に髪の毛先を絡め取りながらそう言って。驚きはしたが自分が言い出したことだし、事前に来ると知っていたら照れ隠しで“やっぱり来んな”と言っちゃいそうだし。実際、来てくれて嬉しいことに変わりはない。服装を褒められるとぽっと頬をピンクに染めて、しかし、照れていることを悟られたくないのか眉間には皺が寄ったままで、往生際悪く強がってしまう。)
……あ、っそ。まぁ、別に似合ってなくてもいいんだけど。
ほんとー?良かったぁ…
(突然来た自分に対して彼女の別に気にしてはない、という言葉にホッと腕を撫で降ろして。彼女がそう言うのなら、もう謝らなくても大丈夫であろう。そして、今度何か彼女の元へ行くときにはきちんと連絡を入れよう、と思う薫であった。すると頬を桃色に染め、強がっているつもりなのか、別に似合ってなくてもいいんだけど、という彼女にいや可愛いかよ、と心の中で少しツッコミを入れると同時にあ、この子一生守っていきたい、という謎の思考が現れて。下記をいつものスマイルで言うと、改めて店の中をぐるりと見渡す。可愛い系の洋服、カッコいい、大人っぽい洋服、その店にある服はどれも惹かれる者ばかりで。)
へー、そう。でも、僕はその服、世界一今君に似合っていると思うよ。
(さらっと口説き文句のような褒め方をしてくる相手に、一瞬驚いたように瞬きをすると、ありがとう、とまるで独り言を呟くように小さく返す。そして、まだ恥ずかしいが、折角来てくれたんだしオススメの服でも見せようか、と口を開きかけた時『えー、もしかして黒田さんの、お友達ー?』と小柄で華奢な可愛らしい女性店員が横からすっとやって来て。)
『黒田さんにこんな可愛くて優しそうなお友達がいるなんてちょー意外ー!あ、ここって色んな種類の服がありますけど、可愛らしい服が大半でイチオシなんですー!
お客様にもぴったりなものがたくさんあって、よければ私が案内しましょうか?あ、ちなみにこのシャツも小柄な人の可愛さを引き立ててくれると言うかー』
(話に割り込んできた先輩は此方なんて気にもせず、 しまいには自分の着ているシャツを示しながらニコニコと相手に勢いそのまま話しかけている。いつも自分のことを毛嫌いしてる先輩なので、おそらく私がこの服で褒められているのが気に入らないんだろうな、とは想像がつく。まぁいつもの事なのだが…彼の前でこんなことされるのはなんだか悔しくて、折角褒めて貰えたのに着替えてしまいたい気分になる。)
(ありがとう、と返されるとうん!とにこやかに。彼女に何かおススメがあるかと聞こうとすると、横側からふわふわとした口調で話す小柄の女性が顔を見せて。麗ちゃんのお友達だろうか。どなたですか、と聞こうと思うが、その思考はその女性の次の発言で閉ざされて。少し彼女を貶すような言葉。こういうグイグイ来る人は少し苦手だ。にこりと笑い話しかけてくる女性店員さんにうーん、と考えるような仕草をする。麗ちゃんのほうをちらりと見ると少し顔が曇っているように見えて。すると「んー、貴女が今着ているその服も可愛くていいとは思いますが――」と、麗ちゃんの肩を自分の方へと引き寄せ、見せつけるような形で下記をいつもとは違う、ハキハキとした口調で、少し悪い笑顔で言い。)
僕の好みを分かってくれているのはこの子なので。案内も彼女にしてもらいます。ですから、貴女の案内は必要ありません。どうぞ、お仕事にお戻りください。
(いつもの様に先輩に一言言い返したいが、彼の前だとそうもいかず気まずそうに目を逸らしていた。すると、突然肩を引き寄せられて、とん、と彼の体と自身の肩が優しくぶつかった。
彼の言葉を聞いた先輩は呆気に取られたような顔をした後、バツが悪そうに視線を泳がすと『そうですかぁ?…まぁ、友達と話した方が気楽ですもんねぇ!…ごゆっくりどうぞー』とそそくさと去っていってしまった。その姿に、ざまぁみろ、と小さく舌を出すがすぐさま隣へ視線を戻し、同じように悪い笑顔を向けた。)
やるじゃん薫、おかげでスカッとした。
カッコイイとこあるじゃん。
!…カッコいいとか、久しぶりに言われたかもぉ…
(自分と同じような悪い笑みを浮かべて、やるじゃん、と言われると、満足気にでしょ?と、…言おうとした。何故言えなかったのか、それは彼女の「カッコイイとこあるじゃん」という言葉が原因だ。カッコイイなんて、自分に似合わない言葉、そんなもの言われたのは数年ぶりだろうか。頬をほんのり紅色に染めつつ、茶髪のふわっとした髪を手先でいじいじとしながら上記を言って。)
……、ふふ、薫はカッコイイよ。
(頬を染めていじらしく恥ずかしがる様子を見て、なんだか微笑ましくてついつい笑ってもう一度言葉にしてみる。自分が可愛いと言われ慣れていないように、彼はかっこいいという言葉に慣れていないようで、正反対に見えてどことなく自分たちは似ているんだと感じる。髪の毛先を弄る彼の頭にポンポンと手を置いてやると、やはり好きだなぁ、と思ってしまう。
それから、「あ、」と案内のことを思い出すと、店の奥の方を指さして)
あっちに、薫に似合いそうな服あるんだ。
試着室も今誰もいないし、気に入ったのあったら着てみなよ。
(/上げて頂いてありがとうございます…!おまたせしました!)
っ、……むっ!麗ちゃんズルいぞー!
(また相手からカッコイイ、と言われると、一瞬油断していたためか、不意打ちにドキリとなって。また顔を赤らめ、文字通りむっ、とした表情で、怒るポーズをとり、ズルい、と一言。頭に手を置かれると、やはり彼女はズルい。…まあ自分もさっき同じようなこともしたので共犯か。あっ、と声を出した相手にきょとん、と首を傾げると、どうやら自分に似合いそうな服があるようで。「麗ちゃんのおススメ?!着たい!!」と、まるで子供かと思うほどの無邪気な笑顔で言い。)
(/いえいえ!のんびりとやっていきましょう。)
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