*.* 2024-03-30 06:53:37 |
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僕も、沖縄そばは食べておかないとと思っていました。
( にこりと笑んでは立ち上がり、彼女が立ち上がる支えになればと片手を差し出して )
カフェは、また明日、行ってみませんか?
( 微笑を浮かべたまま提案して )
うん 、ありがとう 。明日の楽しみがひとつ増えたのも 、食べたいものが悠之丞さんと同じだったのも 、どっちも嬉しい 。─ じゃあおそば 、食べに行こ( 差し出された手を握って立ち上がりながら、溶けるように目元を綻ばせ / 手はしっかりと繋いだまま、来た道を車のもとへと歩き出して )
───沖縄そばのお店なんですが、あっさり系とこってり系があるみたいなんです。胡桃さんは、どちらが好みですか?
( 手を繋ぎながら歩き、事前に調べていた情報を伝えて。 自分はどちらも捨てがたく悩ましかったため、彼女の意見も参考にしたく。 車まで着くと助手席のドアを開けて )
わたしは 、あっさりしている方が好きかな 。── ありがとう( ゆっくりと波の音が遠ざかっていくなか、2つの種類を思い浮かべては、あまり迷うことなく好みを伝え / 真っ直ぐに彼を見上げドアのお礼を言ってから、この海の思い出と、幸せな気持ちと、美味しいおそばへのときめきとに、心をいっぱいに満たされながらシートに腰を下ろして )
──では、あっさり系のお店へ向かいましょう。
( 自分も運転席に乗り込むとナビに目的地を入れて。 名残惜しくもあったが、車を発進させ、幸せな気持ちになれた海岸を後にして )
悠之丞さん 、今から行くのって 、このお店 ?( 目的地に設定された店名に見覚えが / 車が赤字号で止まったタイミングで、彼にスマホの画面を見せてみて / 澄んだスープと麺の上の具材がとっても美味しそうな沖縄そばの写真が載ったウェブサイト / 行ってみたいと思っていたお店のため、内心どきどきわくわく )
──えぇ。きっとそのお店です。
( 停車中に示された画面を見て微笑みながら答え )
とても美味しそうですよね。
( 微笑んだまま話し、信号が変わるとまた走り出し )
…写真を見たら、もっとお腹が空いてきました。
( 運転中のため、視線は前方へ向けたまま苦笑気味にはにかんで )
わわ 、ごめんね 、グミなら今持ってるよ 。食べる ?( 嬉しくって、胸が弾むほどに喜んでいたのも束の間、彼の言葉と表情にあわてて眉を下げ / 腿に乗せた鞄の中を探り、黄色いパッケージの小さな袋を取り出して )
胡桃さんが謝ることではないですが。──グミ、頂いてもいいんですか?
( 謝る彼女に困ったように笑みを漏らしてから、ハンドルを握ったまま、横目で見るようにして尋ね )
うん 、もちろん 。レモン味でよかったら 、どうぞ( 「 だってわたしが写真を見せちゃったから 」と、視線を落とし袋の口を開けながら、ぽつんと小さく呟いて / ハートの形をしたグミを1つ指先でつまめば、にっこりと表情に笑みを戻し / 運転の邪魔にならないように気をつけながら、彼の口元に甘くて少しすっぱいそれを差し出して )
ありがとうございます。 、──美味しいですね。
( 彼女が差し出してくれたグミへ一瞬視線を向けてから、パクッと食べて、また視線は前方へ。 甘酸っぱさが口内に広がると、微笑んで )
お口に合ってよかった( なんだか自分自身が褒められたみたいで、嬉しそうに肩をすくめて、はにかんで / グミの袋をしまい終えると、シートに預けていた背を離し、助手席の窓から沖縄の街並みを、いつまでも新鮮な思いで眺め続けて )
あ。…あのお店みたいですね。
( 目当ての店が見えてきて、彼女に話し掛けつつお店の駐車場へ。 少し狭いスペースに丁寧に駐車して )
───到着です。
( シートベルトを外しながら彼女へ笑顔を向け )
ありがとう 。こんなに狭い所に駐められるなんて 、悠之丞さんって 、本当に本当に運転が上手( 駐車に集中している端正な横顔も、ハンドルを握る形の良い手も、他にも挙げたらきりがないくらいに彼の全てが胸を甘くくすぐって / ゆるゆると眉が下がり、こっそりと頬を赤くさせ / ひと呼吸彼に遅れてシートベルトを外し、運転へのお礼を言ってから、心の底から尊敬するように言葉を続け )
そんなことないですよ。 この車のアシスト機能が優秀なんです。
( 彼女から多分なる褒め言葉を貰い、眉尻を下げて困ったような笑みを溢してから、車を降りて )
───入ってみましょうか。
( 助手席側に回り、そのドアを開けて。 店に行列は出来ておらず、タイミングが良かったことに安堵して )
うん 、ちょうど空いてるみたい( 「 そうなの ?」と、腑に落ちたとは言えない声音で答えながら、車から降りる彼を見送って / ドアのお礼を言いつつも、まだどうしても納得がいかなくて、どこか上の空 / けれど今日まで何度もスマホの画面や雑誌の紙面で眺めていたお店が現実の視界に入ってくると、途端に表情を明るくし、彼の言葉にこくこくと頷いて )
( お店に入るとおかみさんに出迎えられ、二人であることを告げて席に案内されて。 店内は広くはなく、窓際の二人用のテーブル席を示され、そこに座り )
───どれにしますか?
( メニュー表を彼女に見えるようにしつつ、自分も視線はメニュー表へ落として尋ね )
わたしはこれにする 。悠之丞さんは ?( あたたかなお出迎えと、店内の落ち着いた雰囲気に心が柔らかくなって / いくつか種類がある中の、一番シンプルな沖縄そばを指差して / メニューから顔を上げ、そっと彼に視線を注ぎながら尋ね )
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