霊感少女 2024-02-16 20:16:15 |
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…ほんとにね。…あー…いつからだったかはもう憶えてないなぁ…20年目までは数えてたんだけどね
(ぼーっと天井を見上げ、ひいふうみい、と指を動かして答えて。思い返すと長いねぇと独り言を言って)
僕さ、何で自分がここにずっと縛られてるのか正直解らないんだよねー…こうやってさ、死んだ事ももう受け入れてんのに
(言い終わると唇を尖らせ、ずっと長い間変わらない状況に苛立っている事をあらわにして。思わず舌打ちもしそうになったがグッと堪えるとまた笑顔に戻り、片手を上げて)
…っ!じゃあ次は僕ね。寧々ちゃんの好きな食べ物は?
あっ、そう、、
(何か聞いてはいけない事を聞いてしまったような気がして少し下を向く。何十年も一人でいたのかと思うと何だかかわいそうになってくる。幽霊さんが質問してくれたことで空気は変えれた。好きな食べ物は?と聞かれたので「私はいちごとか甘いものとかかな」と返す。)
じゃあ次ね!幽霊さんの他にもこの学校に幽霊とかっているの?
ま、まぁ、それももう慣れたものさ。甘いもの、ね!いいね、僕も生きてた頃は好きだったな……食べ過ぎだって止められるくらい
(同情されるのは嫌いではないが、余計な心配をさせてしまったと少し落ち込み。自分の質問に対する寧々ちゃんの答えに昔の記憶を呼び起こし、あの頃は楽しかったな、と笑い)
そうね…もし僕以外の幽霊がここに居るとしたら、もう紹介してるよ。僕、自慢じゃ無いけど友達作るの得意だからね……あぁ、猫とか…い、犬はよく来るよ。…うん…僕は嫌いだけど。…何故か生前からめちゃくちゃ吠えられるんだよね
(自分の他に誰かいるのかと聞かれれば、残念そうに首を横に振りながら答え。代わりに動物ならよく来ると答えたその表情は、先程より更に曇り。不快な気持ちを振り払う様にして咳払いをし)
ね、寧々ちゃん家はここから近いの?
へぇ、私と一緒なのね
(甘いものが好きと聞いてなんだか可愛いなと思ってしまう。食べ過ぎで止められるぐらい食べていたのかと想像すると面白くてついふっと笑ってしまう)
そう…犬、嫌いなの?私は好きよ。可愛いし。吠えられる…あなたのことが好きなのかもね。
(学校にはほかの幽霊はいないと聞くと少し、ちゃんとはわかっていないけれど自分と似ているなと思う。学校には自分の味方なんていなくて、友達も誰もいない中ずっと孤独で、、考えるのはやめよう。悲しくなってきてしまう。犬が嫌いだと言いさらに顔が曇り始めたのを見て犬が嫌いなのか…と思う。めちゃくちゃ吠えられると聞き幽霊さんが好きなんじゃない?と聞き)
ええ、まあ近いほうかしらね。学校の真後ろなのよ。
(家は近いのかと聞かれまあ近いほうだと言う。次の質問をしようと「じゃあ次ね!」とまた片手をあげ)
幽霊さんってす、好きな人とかっていたりするの?い、嫌だったらいいんだけど
(幽霊さんに好きな人がいるのかと聞く。相手が嫌かもしれないじゃないかと思い、嫌だったらいいけどと付け足して)
犬が僕のことを好き?…それは無いね、アイツら絶対俺の事見下してんだ。あっち行けって…キミが犬好きならこれ以上は言わないでおく
(好きなのかも、と言われて首を一瞬傾げると早口で続けて)
家近いんだね、良いなぁ…僕はここから電車で少し行った所にあるから遠いんだ。初めてここの前を通りがかった時、校舎が綺麗でさぁ…絶対ここに通う、遠いからやめろ!って両親とは揉めたなぁ
(寧々の家がここから近いと聞いて、少し羨ましそうにしながらまた過去の事を少し語り。でもやっぱりここにして良かったって思ってるよ、と付け足してまた寧々の方を見て)
好きな人、かぁ…考えた事なかったな生きてた時も、今も。縁が無いとかじゃ無くてさ、単純に毎日が楽し過ぎて?必要無かったんだよ、今まで
(好きな人はいるのかと聞かれると少し考えて本当に興味無さそうに苦笑まじりに返して。異性に興味が無い訳ではなかったが、大人数でわちゃわちゃするのが好きだった彼にとっては男子も女子もさほど気にする事は無い事情だったらしい)
あはは、、でも私は動物は好きよ
(自分が好きなんじゃないかと言ったとたんに早口になった幽霊さんを見てよっぽど犬が嫌いなんだなと思い、あはは、と苦笑いで)
そう、、電車で通っていたのね。
(電車で通っていたとなると随分遠いところに家があるんだ、来るのが大変だったんだろうなと通学している姿を想像して)
私も好きな人ってできたことないなー、あっでも一回あったっけ
(今まで好きな人が必要なかったと聞きそれくらい楽しかったのか、と思う。自分も好きな人はできたことないなーと今までの記憶をたどっていくと一度だけあったことを思い出し)
ま、他の動物は好きだよ。実家ではハムスター2匹飼ってたしね。身体が白いのと黒いのだったから、ミルクとアズキって名前だった。可愛かったなぁ…
(犬は嫌いだが他の動物は好きだと話すイズミの表情は柔らかく、可愛かったと話しながら動かすその他はハムスターを優しく撫でている様で)
ふーん、好きな人いたんだね。どんな人?
(自分の事を語って少し疲れたのか、座っていた教壇にだらんと寝転がり頬杖をついて寧々を見つめ)
ハムスター!可愛いわよね!
(ハムスターを飼っていたと聞き可愛いよねとパッと顔を明るくし。ハムスターを優しく撫でるように動かすその手を見て余程可愛がっていたんだなあと思い)
う~ん。顔がよくて、勉強ができて、優しくて、顔がよくて、、
(どんな人かを聞かれ彼のことを思い出しながらう~ん、と顎に手を当てながら。「でもまあ、告白する勇気なんてなくてね。ほかの人に取られちゃったのよ。」と少し悲しげに笑い)
そっかぁ……でもまぁ、高嶺の花っていい響きの言葉がこの世には……この世界にはあるからね。僕の生きてた頃にも、可愛い子がいたなぁ……
(寧々の話を聞きながら、自分の過去の事を思い返して)
そうそう、丁度キミみたいな髪の長さでね、茶髪で、目の色は黒だったけど形は似てて……綺麗なコだったな……
(過去に思いを馳せると、じっと寧々を見つめふふ、と笑って世迷言を考えて、首を静かに横に振って)
……まぁ、そんな事ある訳ないか
どの時代にもイケメンと美女はつきものなのね…
(自分のことをほかの人に話したのは初めてだったため少しドキドキして。幽霊さんの時代にも可愛い子がいたと聞いてどの時代にもイケメンと美女はいるのね、とつぶやき)
私と似ていたの…でも私は綺麗なんかじゃないからなー、
(幽霊さんの言う子は私と似ていて、綺麗だったそう。でも自分は綺麗じゃないからなーと、言うう。自分も美人になりたい、なんて思いながら)
ん?
(静かに首を横に振り、何かを呟いた幽霊さんを見つめながら。するとピコンッとスマホがなり画面を見ると母親からメールが。内容は{ご飯が出来たからそろそろ帰って来なさい}と言うものだった。幽霊さんと別れるのは嫌な為少し悲しい顔をして「お母さんから帰って来てってメールが来てて、だからもう帰らなくちゃ」と言う)
そうだねー…いつの時代にも…って、その言い方じゃまるでオレがおじいちゃんみたいじゃ無いか
(しみじみと言った後でノリツッコミをかまし。自分は綺麗じゃ無い等と言う寧々を見ていて自分の魅力に気づかないとは勿体無いなと思いつつケラケラと笑い)
そう…もうそんな時間か…あ、もしキミが良ければさ、明日キミのお気に入りのお菓子とジュースを持ってきてよ。僕は食べられないけどさ、キミと僕が会った記念にちょっとパーティーみたいな事したいな…みたいな?……変かな…
(もう帰らなきゃ、と言う寧々を見て自分も少し寂しくなり突飛な提案をして。無理だったら無視してくれて構わないからね、と付け足して早々に見送ろうとし)
ナイス、ノリツッコミ!
(ノリツッコミを聞いて笑いながら言う。おじいちゃんみたいじゃんという幽霊さんに「まぁ実際そうよね。」と自分と比べたらだいぶおじいちゃんと言い)
全然変なんかじゃないよ?寧ろ提案してくれて嬉しい!じゃあ私、明日持ってくるね。
(二人が会えた記念にパーティーをやりたいと言う幽霊さんの提案に嬉しそうに答える。家えと走り出そうとすると幽霊さんの顔がもう一度見たくなり後ろを振り向き「じゃぁ、また明日ね!幽霊さん!」と笑顔で言い)
っふふ、じゃあまた明日待ってるよ。…もう振り返っちゃダメだからね!
(自分の提案を受け入れてくれてとても嬉しくなり、さらっとおじいちゃん呼ばわりされた事には気付いていない。振り返って笑顔を見せる寧々を微笑ましく見送りながら、昨日の事を念押しする様に呼びかけて)
うん!
(また明日待ってると言われうん!と元気よく言って微笑んで。もう振り返っちゃだめと言われあ、そっかと思い出し目をつぶって「じゃあまたね」と前を見ながら言う。そのあと全速力で家まで走り出して)
ふふ、オレがおじいちゃん、か……
(またひとりぼっちになってしまい、寂しさを噛み締める様に乾笑いをして)
明日は何話そうかなぁー
はぁー……なんて暇なんだ……良いなぁ、みんな楽しそう……
(校庭で部活に勤しむ生徒達を化学室の窓から眺めながら、大きめのため息を付いて)
ってうわ、生徒いんじゃん……幽霊であるボクを驚かすとは……中々の強者だな……
(聞こえていないのをいい事にぶつぶつと喋りながら生徒をジロジロと観察して)
ふぅ、
(今日はちょっと勉強をしようと思い教科書とノートを持って化学室へと向かう。それと、いじめっ子たちに押し付けられた委員会の仕事もかたずけようと思い大荷物をもち、ふらふらとなりながら幽霊さんのいる化学室の前まで付き)
あれ、人もいる、、
(化学室へ入ると他の生徒がいた。忘れ物を取りに来ただとか言っていた。その生徒が出ていくと幽霊さんが窓から外を眺めているのが見え、「幽霊さん!来たよ~」と手を振り。しかし、手を挙げたことで両手で持っていた教科書やノート、大量の委員会の仕事(押し付けられた)の紙を全部落としてしまい)
はぁい……って、うわ!大丈夫?
(観察対象が教室を出て行ってしまいまたぼーっと窓の外を見ていると自分を呼びかける声と共にドサドサという音が聞こえて振り返ると多量の書類に足元が埋まっている寧々の姿が目に映る)
おやおや、勉強道具にしちゃ……少し多い様にも見えるけれど……これはキミの仕事なの?
(床に散らばったものを順に見ながら、ふとそんな事を言って)
うん。だ、大丈夫…
(幽霊さんに大丈夫かと聞かれ、怪我してないし大丈夫だよね、と思い大丈夫と言う)
え、ええ。半分は私の仕事。…もう半分は、…と、友達が忙しいからって、だから頼まれたやつ…
(これは自分の仕事なのか、なんてことを聞かれ、少し戸惑った様子で。幽霊さんに心配はかけまいとっさに考え付いた嘘が{友達に頼まれた}だった。)
怪我してないなら良かった。…あ、手伝うよ。一度でも見える人が触ってるものはね、僕も触れるんだ
(寧々が怪我していない事を確認して安堵すると、床に散らばっている紙を集め始めて)
すごいだろ~?食べたり飲んだりは出来ないのが本当に残念だけどね
(集めたものを机に上げていき、全て回収し終えるとそのまま机の上に腰掛けて。少し寧々の返答に違和感を感じたが、その対象が何なのか解らないのでちょっと探ってみようと首を傾げて寧々を見て)
キミって、もしかしてさ…
へぇ、凄いわね。
(自分が落としたものを幽霊さんが運ぶのを見て凄いなと本音を呟き、手伝ってくれた幽霊さんに「ありがとう」と優しく笑みを浮かべて)
な、なに?
(もしかして、と聞かれた時、何か言ってしまったのだろうか、可愛そうな子だとでも思われた?なんて言葉が頭の中をグルグルと周って)
もしかして、学級委員気質だったりする?ほら、よくいるじゃん自分がちゃんとしなきゃ、頑張らなきゃって直接は色々な仕事とか雑用とかまで全部引き受ける人。そういう人に限って、無理して壊れちゃったりするんだよ。…大丈夫?無理してない?
(ペラペラと熱く語った後、寧々の頭を撫でて。にっこり笑うと「出来る事があったら僕も手伝うよ。ペンとか借りても良い?」と手を差し出して)
あ、無理はしてないわよ?私は大丈夫
(こんな自分のことを素直に心配してくれる幽霊さんに優しく笑いかける。頭を撫でられ、少し頬が赤くなる。手伝ってくれると言う幽霊さんに)
ありがとう。はい、これ使って
(ペンケースから苺の模様が描かれたペンを取り出して幽霊さんに渡し)
……そう?なら、いいけど……
(ちょっと揶揄ってみたつもりが、思っていたより優しい雰囲気が漂ったので少し戸惑い)
あ、あぁ、ありがとう……可愛いね
(寧々から差し出されたペンを受け取り、まじまじと眺め。「もしかしてオレ、女の子にペンを借りるなんてレアイベントあっさりしちゃってるんじゃね?」と興奮した気持ちを隠す様にありきたりな感想を述べ、書類に目を通し始める)
うん。心配してくれてありがとうね。
(そう?と言われうんと答える。本音を言うと全然大丈夫ではない。学校に来たら虐められるし、家族にはなぜか言えなくて。でも寧々は幽霊さんに心配してくれたことがたまらなく嬉しい。)
それ可愛いでしょ?私のお気に入りなの!お母さんからもらったやつなんだけど…
(自分のペンを見て可愛いねと言う幽霊さんにそうでしょ?と嬉しそうに。「あっ、私昨日言ってたお菓子とかジュース持ってきたわよ!」と袋の中からオレンジジュースとよく行くケーキ屋さんのチョコとバニラ味のクッキーを取り出し)
ふふ、惚れても良いんだよ優しい僕に、ね
(やっぱりおかしいなと思ったが、今寧々が大丈夫なら見守りつつそっとしておこうと思い、雰囲気を変えようとカッコつけて)
そう、優しいお母さんなんだね
(お母さんからもらった、と言う寧々に対して微笑ましく返して。お菓子を持って来たと言ってジュース等を出す寧々を見て「美味しそう……」とよだれをじゅるりと拭い)
惚れ、、や、やぁね!私はもっとイケメンがタイプなんだから!!
(惚れてもいいんだよと優しく言う幽霊さんに戸惑いを隠せずについ早口で。幽霊さんなんかタイプじゃないから!と赤く染まる頬を腕で隠しながら)
でしょう?でも幽霊さんは食べれないんだっけ。私だけ食べるっていうのもなんか・・・
(美味しそう、とよだれをたらしながら自分が持ってきたお菓子などを見る幽霊さんを見て、そういえば幽霊さんはお菓子などを食べれないと言っていたことを今思い出した。自分だけが食べるというのもなんだか申し訳ない気持ちもあって)
赤くなってる。かわいい
(照れている様子の寧々を余裕の表情で見つめ、語尾にハートがつく雰囲気で言って)
あぁ、僕のことは気にしないで。……人が美味しそうに食べてるのを見るのも、好きなんだ。キミさえ良ければ、遠慮せず食べてよ
(自分の事を気にしてくれている事を嬉しく思いながら、気にする事は無いと上記を述べて。机に頬杖を付くと「ほらほら、どうぞ」とお菓子を手で示して)
赤くなってなんかないし!!幽霊さんの見間違え!!
(可愛いなんて余裕で言う幽霊さんに赤くなってなんかないし、と少し裏返った声で。)
そう、、じゃあ遠慮なく!
(遠慮せず食べてよと言う幽霊さんにそういうなら遠慮なくとお菓子の袋を開け、バニラクッキーを口へと運ぶ。よくこのクッキーは食べるが、相変わらずいつも美味しい。「美味し~」と頬に手を当てて)
思った通り、いい顔するね
(本当に美味しそうにお菓子を食べる寧々を見て、優しく笑い)
はぁ……何で生きてる時にキミに会わなかったのかなぁ……なーんてね。それさぁ、どんな味がするの?オレ、物は掴めるし音とかは生きてた時と変わらず聞こえるんだけど、匂いと味がさ、幽霊になってからは分からなくて……ほんと、つまんないよ
(寧々が食べているお菓子に更に興味を示すと、やれやれと肩を落として)
ん?
(いい顔するねと言って優しく笑った幽霊さんにん?と言いながら二枚目のチョコクッキーを口へと運び)
そうね。生きているときの幽霊さんに会ってみたいな~。これ?甘くて、サクサクしてて、もうとにかく美味しいの。
(自分が持っているお菓子はどんな味がするのかと聞かれ、思ったことを伝わりにくいかもしれないが、言ってみる。味や匂いが分からなくてつまらない、という幽霊さんに何かかけて上げれる言葉はないかと頭の中でずっと考えた後、寧々が発した言葉は、)
…私に匂いや味を分からせられる力はないし、幽霊さんの役に立てるのは少ないかもしれないけど…でも私は幽霊さんがつまらない思いをしないまでに一緒に遊んだり、やりたいこととかには付き合うことはできるわよ!
ふふ、そうやってとぼけるところもあの子に似てるなぁ
(口にクッキーを運ぶ寧々を見ながら見惚れる様に溜息をついて)
本当にそのお菓子が好きなんだね。匂いや味が分からずとも、美味しさが伝わってくるよ……僕のしたい事?そうだなぁ……相手がいなきゃ出来ない事……あ、映画観たいな……後はカラオケ、ネットゲームもいいな……この中ならどれがいい?
(美味しさを言葉で伝えてくれた寧々にまた笑いかけると、したい事、というワードについて少し考えて。徐々に目が輝いていくと、幾つか候補を挙げてまた問いかけ)
あの子って前に私に似てるって言っていた人?
(あの子に似てると言われ前に自分に似ている子がいたと言っていたことを思い出して。)
全部よ!全部!映画もカラオケもネットゲームも。他にも幽霊さんが見える私にしかできないこととか。私でいいならいつまでも付き合ってあげるから!
(幽霊さんがしたいことの候補を出すとどれがいいと聞かれれば胸に手を当ててなんでも全部と言って。私でいいのならいつまでも付き合うからと幽霊さんの手をつかもうとする。だが相手は幽霊。つかめることもなくそのまま自分の手だけがするりと抜けて)
そうさ、あの子もね可愛いって言うとそうやってとぼけてたんだ。懐かしい……今生きていたら、おばあちゃんだけどね
(寧々の質問に答えると、また自虐気味に笑って)
全部出来るのか……嬉しいな。でも先ずは……僕のこと、そろそろ名前で呼んでくれてもいいんだよ?ねぇ、寧々ちゃん?ずっと幽霊さんって呼ばれて気になってたんだ。その後で、何をするか決めようじゃ無いか!
(出来心が芽生え、寧々をからかう様に言って。寧々の手が自分の手をすり抜けてしまうと、やっぱり切ないねと寂しそうに笑い)
(遅くなりましたすみません!)
おばあちゃん……もしかして、いや違うわよね。
(おばあちゃんだけどね、と言われふと思い出したことがある。自分のおばあちゃんのことだ。何年か前に癌で若くして亡くなってしまい今はもう生きていない。そのおばあちゃんが生きていた時、高校の時初恋の相手がいたこと、もう亡くなってしまったことを教えてもらったのだ。そしてその人の写真も。思い出すとその人は彼によく似ている。でもそんな偶然ないか、と違うわよねと小声で)
わ、わかったわ。ふぅ、イ、イズミさん、?
(自分の名前を呼んでもいいんだよ?と揶揄われるように言われると幽霊さんの願いならばと少し恥ずかしがりながらもふぅ、と息を吐いてから彼の名前を呼んで)
(/全然大丈夫ですよ!)
何が違うんだい?…ほら早く、名前を呼びたまえ!!
(聞き返すも、聞き違いかとすぐに雰囲気を変える様に言って)
イズミさん、ね。まぁ中身はじじいだから仕方ないか。それで、何からする?映画?ゲーム?
(ワクワクしながら待っていたが、さん付けで呼ばれてちょっと不満そうな顔をして言って。またしたい事を思い浮かべると指折り数えて)
イズミさんじゃダメなの?そうね…まだ外も明るいし、家から映画でも持ってくる?
(さん付けに不満そうに答える様子を見てダメなの?と首を傾げて。何からする?と言われここには映画もゲームもないため、一旦家に帰ってから映画等を持って来ようかと聞く。何系の映画やゲームがいいのかも問うて。)
何系がいいかしら。
そーね……今はこんなナリになっちゃったけど、元々ホラー系は好きだったな。こう……びっくり系じゃなくてさ、じわじわと迫ってくる様なの。後は……恋愛映画は観た事あるけど、あんまりハマらなかったからなー……やっぱり、女の子はリアルじゃなきゃねー?
(何系が良いかと問われれば自分の体を指差しながらペラペラと答えて。恋愛映画くだりになると、特に深い意味は無いといった風を装いながら寧々をじっと見つめて、にやりと笑い)
て訳で、ホラー映画はどう?
ホラー系、かあ…お父さんが持ってたかなぁ?
(家はお父さんが映画をたくさん持っているため、きっとお父さんならホラー映画も持っているだろう。寧々はどちらかというとビビりなほうなので、ホラー系の映画では凄くいい反応をする役だ。イズミさんに叫んで怖がっているところを見られたらどうしよう、なんて少し内心悩んでいて)
いいわね。私はそこまでホラーは好きじゃないけど…イズミさんがみたいのならば!急いで取って来るわね!
(あまりホラーは好きじゃないが、イズミさんがみたいのならば!と一度イズミさんのほうをみて行ってきますと言いながら猛ダッシュで家へと駆けだしていき)
ふふ、全く素直だよなー……気をつけるんだよーっと
(ダッシュで駆けていく後ろ姿に声を投げると、ふぅ、と一息ついて。また1人になってしまった教室内を見渡せば、初めの頃より少しだけ明るくなっている事に気がつく。あの子と話したせいだろうか、と嬉しくなれば聞こえないのを良い事に鼻歌を歌い始め)
早く戻ってこないかなぁ~
ふぅ、なんとか怪しまれずに持ってこられたわ…
(お父さんにホラー系の映画を貸してくれというとこんな時間に誰とみるんだ?それに寧々はホラー苦手だろ?と言われたがまあ無事に持ってこられた。そして学校に着くと2階の化学室へと足を運んでいく)
イズミさん!ホラー系の映画と人生ゲームとか、トランプとか簡単なゲーム持ってきたわよ!
(化学室へと着くと彼の名前を呼び、持ってきた手さげにいれた映画やゲームを相手に見せるようにしてみせて。ゲームもあったほうが楽しいだろうと家にある簡単なゲームも一応持ってきた。)
っわ、思ったより早かったね。おかえり
(ぼーっとしていたので思っていたより早く寧々が戻って来た事に少し驚いて。想像していたより大荷物で戻って来た寧々を見て自分の事を思って色々と持って来てくれたのかと嬉しくなり思わず笑ってしまい)
先ずは何から観ようか……お、オレこれ観たいなと思ってたんだよね……このタイトル懐かしいな……いつの間にDVDになってたんだね……
(寧々が持って来た映画のDVDのケースを眺めて、1つを手に取ると寂しそうに口角を少し上げ)
ただいま!イズミさん!
(イズミさんが、おかえりと言ってくれたことがなぜかとても嬉しくて、ただいま!と元気に言って)
これ?結構前のやつね…じゃあこれ見ましょうか。
(懐かしそうに一つのdvdを手に取るイズミさんを見て微笑ましいなと思って。そのdvdを見ると結構昔のものだった。まあイズミさんが生きていた時のものなので昔のものなのは当たり前なのだが。)
本当?嬉しいな!じゃあ、隣の視聴覚室に行こうか。テレビとデッキがあったよね、確か
(これにしようと言われてウキウキしながら化学室を出ようとし、自分の記憶が曖昧になり、寧々に問いかけ)
他の荷物は置いていく?持っていくなら手伝うよ
可愛いわね。イズミさん。
(ウキウキしながら化学室を出ようとするイズミさんの後ろを歩きながらふと可愛いと思ってしまってつい言葉に出してしまう。テレビとデッキがあったよねと問いかけられると「ええ、あったわね。」と言う。持っていくなら手伝うよ、とイズミさんに言われ、折角ならと「じゃあ持ってもらっていいかしら?」と言って)
ふふっ、すごく今更だけど私バレないように家から学校まで来て、無断で放課後化学室に入って、お菓子やジュース、映画やゲームまで持ってきちゃってるのね。
(視聴覚室について、テレビに映画のdvdを入れると今していることが今更だが可笑しく思えてきて。)
可愛い?僕が?ご冗談でしょう!……そんなにはしゃいでた?
(持ってもらっていい?と言われてお安い御用!と答えると荷物を抱えて、可愛いわねと言われると照れ隠しに笑いながら上記を言うもふと我に返って冷静になり、問い)
そ、そうだね。こんな時間に残ってる生徒がいるのは珍しい事だけど……ま、バレてないから大丈夫じゃ無いかな。いざとなったら僕が脅かして寄せ付けない様にするよ!
(恥ずかしさに饒舌になると最後は少し胸を張って言い)
いや、私がちょっと可愛いなって思っちゃっただけよ。イズミさんにはちゃんとカッコいいところもあるものね!
(笑っていたイズミさんが急に冷静になってはしゃいでた?と聞かれると自分が可愛いなと思っただけだと言う。彼と私は出会ってから日は少ないが、イズミさんのカッコいいところはちゃんと知っている。カッコいいところもあるものね!と優しい笑顔で。)
いつかバレそうな気もするけど…イズミさんが脅かしてくれるのなら大丈夫ね!
(少し胸を張って言った彼にそれなら大丈夫ね!と安心した様子で。椅子をテレビの前に2つ持ってきてイズミさんにはどうぞ、座って、と言わんばかりに手招きをして、自分はもう一つの椅子に座る。dvdを再生すると最初から怖いことがわかるようなBGMが流れてきて。)
わっ、始まりからもう怖いわね…
だろう?僕はカッコいいんだよ!
(ちゃんとカッコいいところもある、と寧々に言われると嬉しくなって胸を張り。椅子を用意してくれた事に「ありがとう」とお礼を言うと椅子の上にあぐらをかき、前のめりになってテレビをみる)
あぁそう、こんな感じの始まり方、CMで見たなぁ……あ、この人ね、主人公なんだ
(BGMが流れ始めると懐かしそうに笑って言い、始まって画面が変わると映った男を指差して)
そう…この人が主人公なのね…この映画、ゾンビが出てくるやつよね…男女グループでその中の誰かがゾンビ化して、この主人公がその人を殺す。そして主人公はその主人公の隣にいる女の子とイイ感じになって言って…みたいな流れかしら…
(この寧々の言葉を聞いたらわかるように寧々は父同様結構な映画オタク。最初の場面から大体の見通しをぺらぺらと考察していって)
わわわ!そっち行っちゃだめでしょ!!??
(考察するのは得意だが怖いものは苦手。これからの展開を考えると主人公たちが行く方向にはゾンビがいる。これからゾンビが出てくるのを想像していくと怖くなってきて無意識にイズミさんの傍に行き後ろに隠れるような仕草をして。ゾンビが出てくると余程怖かったのか「きゃっ」と小さな悲鳴を上げて。)
っはは、面白いなぁ、寧々ちゃんは
(イズミは自分でホラーを観るのは好きだが、他人が怖がっているのを見るのも好きで、生前はその理由でよく友達を誘って映画鑑賞をしていた。面白がっていないで助けてと言われた事も少なく無いがテレビの奥に映るのは所詮作り物で、それに驚ける事が寧ろ凄いなと思う様な人間だったので今回も飄々として)
自ら危険に飛び込んでいく精神、嫌いじゃ無いね
(自分の後ろに隠れた寧々の頭をぽん、と撫でるとまるで勇者をたしなめる魔王の様な台詞を言って)
(すみません遅くなりました!)
お、面白い?
(面白いなぁと言って笑うイズミさんを見てそう?と首を傾げて。寧々もこれが作り物、ということはわかっている。しかしそれがあまりにもリアルすぎて怖いと感じてしまうのだ。)
…っ!
(イズミさんに頭を撫でられるとイズミさんの後ろに隠れていたことに自覚がついて。イズミさんに撫でられて絵顔の体温が上がっていくのが自分でもわかる。)
(/ぜんっぜん大丈夫です!のんびり行きましょう!それでちょっとした提案なのですが、これからのイベント的な物をしようと思っておりまして…文化祭や体育祭などはどうでしょうか?(ありきたりですが…)文化祭で忙しくなって中々イズミさんに会う時間が無くなっていく。二人で文化祭の屋台をまわったり…という妄想が膨らんでしまいまして…どうでしょう?それと背後様がこんなのをやりたい的なものがありましたらお教えください!長文失礼いたしました。)
あぁ、気に障ったならごめんよ。可愛いと同義だと思って受け流して
(聞き返された事でもしやまずい事を言ってしまったのではと前言を訂正する様に言って)
お、そろそろ山場だね。ゾンビ達に追い詰められて、果たしてこの人たちはどうするのか……
(最早映画鑑賞というよりは探偵の様な台詞を吐くと余裕そうに背もたれにもたれて)
(イベント良いですね!どちらかというと文化祭の方がストーリーが進みそうな気がするので、此方は文化祭シチュ希望です。他人からは見えない彼だからこそ、寧々ちゃんと一緒に出来る事があると思うので!流れはそちらにお任せしますので、よろしくお願い致します)
わ!!急に出てこないでよぉぉ
(イズミさんの探偵のようなセリフを聞き、また画面へと視線を向けるとその瞬間突然ゾンビが出てきて、少し涙目で急に出てこないでと言って。そのゾンビが主人公のグループの仲間の女の子にかみついたときには「え、」と絶望したような表情で)
ふぅ、見ているだけで疲れた…最後の主人公がゾンビになった女の子に告白したときは頭がおかしくなったのかと思っちゃったわね……
(映画を見終わるとふぅ、と一息ついて改めてイズミさんの方を見る。改めて振り返ると自分だけがキャーキャー叫んでいた気がしてイズミさんに「ねぇ、イズミさん、映画楽しかった?」と少し不安げに言う。そしてそうえいばと今度学校で文化祭があることを思い出す。寧々は普段学校には行かないが、文化祭だけは行こうと思っているので、イズミさんにいおうと思って)
そうだイズミさん!そういえば今度学校で文化祭があるのよ。
(/ではこれから文化祭編を始めて行きたいと思います!なにかまたやりたいシチュがございましたらお伝えください。この文化祭編が終わり次第、また新しいイベントを開催しようと思っていますので!では背後は失礼いたします。)
あーぁ、終わっちゃった。なんか、思ったより怖くなかったなぁ。ハッピーエンドだったんだね……楽しかったかって?そりゃもちろん、友達と観る映画は格別さ。付き合ってくれてありがとね
(映画が終わってしまい、端的に感想を言うと楽しかったかと聞かれ、知った事をという風に返し。また寧々の頭に自分の手を置けば、ひと撫でし)
へぇ、文化祭かぁ……懐かしいなぁ、もうそんな時期なんだね
(文化祭、と聞いて少し表情が子どもっぽくなって懐かしみ。自分が生きていた頃とは随分違ってきてしまった生徒達の活動を思い浮かべてにっこりと笑い)
寧々ちゃんは何かするの?
そうね…ちょっと変わったハッピーエンドではあったけど…イズミさんが楽しかったのなら良かったわ。
(イズミさんに楽しかったと言われ、頭を撫でられるとそれは良かったとイズミさんに向かってにこっ、と微笑んで)
私は、…ちょっと劇を、ね。
(何をするのかを聞かれれば少し複雑そうな顔でイズミさんから目をそらして)
そう、劇ねぇ…演じるのにはオレも憧れがあったなぁ。俳優とか声優の仕事には興味があってね、本を買って読んだりもしたんだ。教室もすすめられて申し込んだんだよ!…まぁ、その前に死んじゃったんだけどね
(劇、と聞いてまた自分の事を語り。寧々が目を逸らしたのでそれ以上は話さず少し遠い目をして)
そう、…私はまだ知らないことばかりね。イズミさんのこと
(劇、と聞いて自分のことを語るイズミさんを横目に少し俯いて。イズミさんとはあまり会ってから日は少ないが、こんなにも仲良くなったのだ。なのに自分は何も知らないのだと少し悲しそうな笑顔でイズミさんを見つめながらまだ知らないことばかりね、と言って)
…じゃあ、イズミさん。文化祭…一緒にまわらない?
(少し遠い目をしてその前に死んじゃった、と悲しそうに言う彼を見て少しでもイズミさんが楽しめるように、と一緒に文化祭をまわらないかと黒いさらさらとした髪を靡かせながら聞いて)
そんなの当然さ!それは僕も一緒だしね
(まだ知らない事ばかりだと悲しそうに笑う寧々を見て、その場を茶化す様に少し大きい声で言って)
文化祭……いいね!是非一緒にまわろう!ここ数年見える人もいなくてさ、暇してたんだよ。みんな楽しそうなのにさ、その輪に入っていけないのが切ないしさぁ……それで、本番はいつなの?
(一緒にまわろうと言ってくれた事がとても嬉しく、ワクワクしながら言って)
そ、うね…じゃあこれからもっと知って行かなきゃね!
(少ししんみりとした空気を変えようと大きめな声で和ませてくれたイズミさんに心の中で少し感謝しつつ、お互いまだ何も知らないことばかりだと思い、もっと知って行かなきゃね、と前向きに。明るく言って)
じゃあ決まりね!あぁ、一か月後とかプリントには書いてあったわね。結構時間はあるけどまぁ準備もあるから…
(一緒にまわろうとワクワクしながら言ってくれるイズミさんに自分も嬉しそうに微笑んで。本番はいつかと聞かれれば一か月ほどだったと思い出しながら言う。)
そうさ、答えられることなら何でも話すよ、聞いて
(寧々が明るく返してくれた事に安堵して優しく言い)
1ヶ月後かぁ……今から待ち遠しいな~あ、また準備とか作業とか手伝える事あったら言ってね。俺に出来る事なら、さ
(1ヶ月後と聞いて長いな、と噛み締める様に言って。また寧々がひとりで抱え込まない様、どん、と胸をたたいて言い)
そうね、ゆっくり知って行きたいから…質問を用意しておくわ。
(優しくそう言われるとニパッと笑いもっと長く一緒にいたいから、という意味をこめ、質問を用意しておくわと言って)
一か月なんてすぐに過ぎて来るわよ。…ふふっ、イズミさんが手伝ってくれるのは頼もしいわね!
(一か月は長いなと聞けば一か月なんてすぐに過ぎるよ、とどこか悲しそうな顔で言って。準備や作業で手伝えることがあれば言ってとイズミさんに気を使われたのか、そう言われると頼もしいわね!と元気に)
(/遅れてしまい申し訳ありません!これから私生活の色々で返信が遅くなると思いますがきちんと返しますので気長にお待ちいただけると幸いでございます。申し訳ありません…)
じゃあ僕も、心構えをしておこうかな。
(質問を用意しておく、と寧々に言われて自分も心構えをしておくと笑って言い)
そうだね、長い様で短いのが行事の準備期間だよね!…今日はもう遅いから帰った方が良いかもね。映画、付き合ってくれてありがとう。荷物はまとめたから、また明日放課後、待ってるね。
(1ヶ月なんてすぐ、と悲しそうに言う寧々に対して違う意味で捉えてわくわくしながら言い。外の様子を見るとまとめた荷物を手渡して家に帰そうとし)
(全然大丈夫です!1日毎気が向いた時間にこちらの方で上げていくので、時間ができた時に顔を出してくれると嬉しいです。今後も気長にお待ちしております~)
もうこんな時間かぁ。ううん。とっても楽しかったわ。こちらこそありがとう。イズミさん。
(外を見るともうあたりは真っ暗。時がたつのは早い、そう改めて感じていると映画に付き合ってくれてありがとう、とお礼を言われ、こちらこそ、と自分からもお礼を言って)
あぁ、まとめてくれたのね。ありがとう。イズミさんは本当に気が利くわぁ。…えぇ、じゃあまた明日、放課後でね。
(荷物をまとめてくれ、それを受け取るとイズミさんはいつも気が利くわ、と親戚のおばあさんの様な台詞を言う。また明日、と言われれば自分もとっておきの笑顔でまた明日、放課後でと返して)
うん、振り返らないで帰るんだよ
(自分から言ったにも関わらずさよならの時間が来てしまった事に寂しさを感じて静かに言い。暗くなった教室で少しだけ自分の姿が揺らいだのを堪える様に一瞬表情を歪めると、何事も無かった様にまた笑って)
また明日、放課後でね
(/すみません遅くなりました!)
(振り返らないで帰るんだよ、と静かに言われると、シン、とおさまった空気の中「ええ」とだけ残して、イズミさんの笑顔をちらりと見、振り返らずに猛スピードで学校を出てゆく)
――――
__ふぅ、やっぱり文化祭の準備って大変ねぇ
(イズミさんとまた明日、と約束してから一日。今日は強制的に文化祭の準備へと出され、仲良くもない、見たこともない同学年の人達と看板、チラシ作りをしている。これは相当時間がかかる。ふっぅ、と額に滴る汗を拭うとふとイズミさんの顔を思い出しポツンと誰にも聞こえないような小さな声で呟く)
今日化学室に行く時間、あるかしら…
(/全然大丈夫ですよ!私も遅れちゃってましたし…)
はぁ…お、みんな忙しそうにしてるな!懐かしいというか何というか…ん、ここのクラスはお化け屋敷か…っふふ、こんな仕掛け、僕に比べたらまだまだだね!
(ふわふわと移動しながら準備の様子を観察してべらべらと独り言を言って。途中お化け屋敷の準備をしているクラスの様子を見れば、思わず笑いが込み上げてきてドヤ顔をして胸を張り)
あっ!イズミさん!!
(教室から空き教室へと荷物を運んでいると何故かドヤ顔をしているイズミさんが目に入る。先ほどまでずっとイズミさんのことを考えていたからだろうか、会えた嬉しさがつま先から頭の上までこみ上げてきて、つい大きな声でイズミさんの名前を呼んでしまう。あっ、と口を手でふさぎ、そそくさとイズミさんのほうへとよれば、小声で誰にも聞こえないようにイズミさんへ下記を言って)
こんなところで何しているの?
あぁ寧々ちゃん。僕が見てたのはこれさぁ。こんな仕掛け、僕に比べたらまだまだだろう?創作の域を出ていないね
(準備中だろう寧々の姿を見つけると、ふふ、とまた笑って耳元に口を寄せて。こほん、とひとつ咳払いをすればにこ、と笑って寧々を見て)
寧々ちゃんは何していたの?
お化け屋敷かぁ、結構リアルではあるけれど、そうね。イズミさんに比べたらまだまだって感じね。でもみんなは本物、幽霊さん・・・というよりお化けをが見えないから・・・
(これさぁ、と言ってイズミさんの目の前を見るとそこには結構高校生が作ったものにしては上手い方なお化け屋敷の看板と実態のお化け?のようなものがあった。自分に比べたらまだまだだろうと自信満々に言う彼にクスリと笑ってからそうねと返し、みんなは見えないから仕方がないかと言って)
私はうちのクラスの劇の準備を・・・って、早くこれを運ばなきゃ!
(何をしていたのかを聞かれれば、早く衣装の入ったこのダンボール箱を空き教室に運ばなければということを思い出し、あわてて空き教室の方向に足を向けて)
ほんとにねー、見えないなんてさ、つまらないよね。…僕はこんなに近くに寄ってるのに
(ぶつくさと文句を言った後に生徒の1人に近付き、耳元で話して見せて。話しかけられた生徒が風でも吹いた?と首を傾げているのを見て、ケラケラと笑って)
あぁ、作業の邪魔してごめんよ。気をつけてね!
(仕事を思い出した様子の寧々が急いで教室に向かおうとするのを見て、ごめんよ、と言うと手を振って)
ちょっと、ダメでしょ!
(一人の生徒に近寄って面白がっているイズミさんをお母さんのようにダメでしょと軽く叱ると首を傾げている生徒に「あ、えっと……ごめんねー?悪気はないのよ?きっと…」と、その生徒をもっと困らせるような意味不明の言葉を発して)
あ!ありがとう!じゃあまたね、イズミさん!
(ごめんと誤られ、気をつけてねと手をふるイズミさんにありがとう、と笑いながら。またね。と言うと荷物を持ち直し、その空き教室へと走りだす。途中『廊下を走るな!』と知らない先生に言われ、「はい…」と小さく返事をしてゆっくりと歩き出す。先ほどイズミさんとの会話を聞いていたものたちに陰で何かを言われていることにも気付かずに)
ふ、はは!お母さんみたいな事言うね、寧々ちゃんは
(ダメでしょ、と叱られれば笑いながらも少し懐かしむ様に言い)
はぁ……その人にはその人の世界があるって、いつになったら理解が広まるんだろうね。その点に関しては、僕が生きていた時代から、全く変わっちゃいないな
(寧々には聞こえるか聞こえないかぐらいの声で何やら話し、クスクスと笑っている生徒たちの姿を見てまたぼやき。見えないのを良い事に至近距離であっかんべー、と舌を出して見せれば、またケラケラと笑って)
はぁ…次は?…えーと、………
(空き教室に衣装の入った箱を運び終えると、自販機で水を買い、校庭の隅にあるベンチへと座って。次の仕事は、と計画表をジャージの胸ポケットから取り出して。計画表に目をやるとそこに書いてあったのは【チラシ運び】の文字。これはまた教室に戻り、そしてまたここの空き教室に来なければならないということだ。寧々はペットボトルの水をグビッと飲むと、はぁ、とため息をついて)
文化祭の準備って…ちょっとハード過ぎない?
みんな忙しそうだな~…お、ここのテーマは喫茶店かな。良いなぁ、美味しそう…
(忙しなく動き回っている生徒や先生を目で追いながら校内を散策して。模擬店のメニューを見れば、美味しそうと呟いて)
ふ、わぁ……ちょっと寝よ
(動き回って少し疲れたのか、欠伸をして。ポケットからアイマスクを取り出すと、かわりにピン留めを外してポケットに丁寧にしまい、廊下の床に寝転び)
あら、イズミ、さん……
(休憩が終わり、また教室へと戻っていると廊下の床へと寝転んでいるイズミさんがいて。他の生徒たちには勿論イズミさんは見えていないため、床で寝ているイズミさんが、廊下を通っている生徒たちに踏まれているというい画が、目の前にある。)
ちょっと、なんでこんなところで「八重咲さーん」
(イズミさんを起こそうと彼のほうへ近づくが、ふいに背後から誰かに呼ばれ、『ちょっと来てー』といわれたので、イズミさんのほうを振り返りながらも名前を呼ばれたほう__彼のほうへと向かって。最初「えーっと、誰だっけ」なんて言う声も聞こえたような気がするが、自分の彼の名前を全く知らないため、聞かなかったことにしておこう。)
んん…見えてないとは言え、やっぱり人に踏まれるというのは些か良い気分では無いな…さて、と…化学室戻るか
(暫く寝ていたが、目を覚ますと自分の上を何人もの足が通り過ぎて行くのを間近で見ることになり、大きく伸びをするとため息を吐き。ゆっくりと立ち上がれば自分の本拠地に戻るために歩き出し。途中でまだ教室で作業をしている寧々を見つければ、ブツブツと独り言を言って)
あれ、寧々ちゃんじゃん。まだ活動頑張ってるんだな……何だか笑顔がぎこちない様に見えるけど…やっぱりあんまりクラスメイトとかと仲良くないのかな?まぁ…こっちから突っ込むのは野暮だけど…
あっ、あー、これ居残り確定ね……はぁ、終わったぁー
(寧々は男の子にちょっと来てー、と呼ばれ、やってくれない?といわれた仕事(ほぼ強制的に押し付けられた)を絶賛やっている最中だ。そして、会計表がどうしても合わなく、頭を抱えている。ほかの生徒は一人一人次々に下校していく。すると彼女はただ一人の教室内でポツリと下記を呟いて)
今日はもう、イズミさんに、会えないのかなぁ……
やぁ、呼んだ?呼ばれて飛び出てイズミさんだよ~
(夕方になり、次々と帰って行く生徒を見ながら少し寂しさを感じつつ、ぽつんと1人教室に残っている寧々を見つけると、スーッと入り口から入り、ぱっと近くに寄って笑顔を見せて)
仕事が立て込んでるなら手伝うよ。僕に任せて!
っうわぁ!!!…イ、イズミさんか、……
(はぁ、とため息をついているとどこからともなくイズミさんが現れ、うわぁ!とよほど驚いた様子で。仕事を手伝ってあげる、とイズミさんに言われればパアッと笑顔になり、「じゃあ…これ、やってもらってもいい?」と文化祭についての数枚の資料をイズミさんへと渡して)
あぁ、勿論……ってこれ、明らかに一人分の仕事量じゃ無いよね?これ全部キミが任されたのかい?
(渡された資料を受け取れば、ひと通り目を通した後に思わず突っ込んで。驚いた様子で何度もペラペラと資料をめくって)
寧々ちゃんはやっぱり凄いね。…ねぇ、折角だからさ、お菓子とか食べながらやらない?その方がきっと捗るよ!
(2人で作業を進めるには静かさを感じ過ぎてしまう教室をぐるりと見渡し、「そうだ!」と手を叩けば上記の提案をして。「僕は食べられないけど」と笑って付け足せば、「僕が見張ってるから、何か買ってくる?それとも家から持ってくる?」と尋ね)
あ………うん…と、友達に、ね!
(全部任されたのかと聞かれるとうん、と一瞬うなずくが、出来るだけ心配をかけないようにと友達が忙しそうだったから任せてもらっただけ、と言いたげな顔で友達に、と言って。)
お菓子!ナイス提案ね!
(お菓子でも食べながらやらない?というイズミさんの提案にのり、「じゃあ自販機で買ってこようかな。」と言って、イズミさんに「ちょっと行ってくるわね!」と笑って自販機のほうへと駆け出していって。)
っふふ、元気になって良かった。行ってらっしゃい
(ナイス提案ね!と笑って、駆けていく背中に声をかけ。本当に可愛いなと口には出さないがニヤけてしまうのを堪え)
はぁ…にしても誰がこんなに寧々ちゃんに仕事を押し付けたのやら…名前と顔さえわかれば容赦しないのに
(現状をどうにかしたいという気持ちはありつつも自分ではどうしようもできないのをもどかしく思いありきたりな事を呟いて)
何買おうかなー
(自販機の前でどれにしようかと悩んだ末、よし!とスナック菓子のボタンをポチっと押して)
早くイズミさんのところに戻って仕事片付けなきゃ!
(スナック菓子を片手に持ち、教室へと戻ろうとすると、誰かの声がして。その声を耳を澄まして聞くと『なんでアイツ来たんだよ』や『全然来ないから死んでたのかと思ってたー』のようなものだった。あれは前にわたしをいじめていた人たちだ。私の名前を出していなくとも、私のことだということがいやというほどわかる。その会話を聞いた寧々は、それ以上は聞かず、教室まで全力で走り、今にも泣きだしそうな顔で教室の扉を開けて)
ただいま……イズミさん…
あぁ、おかえ……っええ!?どうしたの寧々ちゃん!!大丈夫!?どこか痛い!?何かあった!?
(どんなお菓子を買ってくるのかなとワクワクしながら待っていた矢先に泣き出しそうな顔をして帰って来た寧々を見てわかりやすく取り乱し)
こ、こっちにおいで、撫でてあげるよ!ね?ほら…おいで~?
(まるで小さな子どもをあやす様にそう言えば、全力で手を広げて手招きして)
うっううん……なっなんでも、ないの………心配しないで…?
(分かりやすく取り乱したイズミさんに心配しないでと今自分にできる精いっぱいの笑顔で)
っ!……
(おいで―といって両手を広げるイズミさんの胸の中へポスっと飛び込んで。もし泣いてしまった時、自分の泣き顔が見えないように下を向いた状態で。)
だ、大丈夫だよ~よしよし~
(勢いに乗って言ったは良いもののいざ飛び込んで来られると背中を撫でるのは少しぎこちなくなってしまい。優しく声を掛ければ、また、きゅっと抱き締めて)
嫌な事があったんだね、辛かったね
…う、うぅ………な、んで………
(きゅっと彼に抱きしめられると、自分もイズミさんを抱き返して。彼の優しい声を聞くと、余計涙が溢れてきてしまう。なんでこんな自分に優しくしてくれるのだろうかと疑問を抱きつつも、イズミさんの優しさに存分に甘えて。)
ありがとう、イズミさん。…もう大丈夫よ!
(あのまま数分間ギュッと抱きしめたままにしていたが、これ以上は申し訳ないと、イズミさんから離れて。そして先ほどの寂しい笑顔ではなく、いつもの寧々らしい笑顔でイズミさんにお礼を言い。)
大丈夫、君は可愛いし優しいから、大丈夫だよ
(泣いている寧々の頭をそっと撫で続け、「頑張っている」とか「立派だ」とか余計に気を張る様な言葉をかけない様にと容姿や内面を褒めて)
…あ、元の寧々ちゃんに戻ったね。良かった!
(しばらくそうしていたがパッと離れた寧々はもういつもの笑顔に戻っていて。少しでも助けになれたなら良かった、とこちらも笑って返し)
っ、……
(なぜこんな私を褒めてくれるのか、と聞こうとしたが、やめ、素直に甘えて。)
ごめんなさいね、イズミさん。
(笑ってよかった、と言われれば色々含めてごめんなさいね、と謝って。今、イズミさんが私のそばにいなかったら私は今頃ただ一人、ひたすら泣いていただろう。改めて自分はイズミさんを見える体でよかったな、と思い返す。)
謝る必要なんて無いさ、僕は僕にできる事をしたまでだからね。…まぁ、迷惑なら突き放してくれても良かったんだけど、そうじゃなくてよかった
(謝る寧々にそれを否定する言葉をかければ、またにこりと笑い。自分も人を慰める経験などぶっちゃけ生前ぶりだったので相手が笑顔になって心底ほっとしている。それ故に少し自虐的な事を口走れば、寧々が買って来たお菓子の方に興味を示して)
あ、ねぇ、結局何を買って来たの?見せてよ
そう…本当にありがとう。
(イズミさんへ謝りの言葉をかけるとそれを否定し、にこ、と笑ってくれるイズミさんがいて。今ここにいてくれることに感謝しきれないが、それでも今、精いっぱいのありがとうを彼に伝えて。少し自虐的な言葉を言ったと思えば「迷惑だなんて!むしろ感謝しているのだから!」と慌てて言い返して。)
あ、あぁそうね。――えっと、スナック菓子を一袋と、いちご牛乳を一つ、、
(何を買ってきたのか、と聞かれるとそういえば、とイズミさんに抱きしめられていた時に手放したお菓子の方を見て。スナック菓子と、いちご牛乳を買ってきたことを明かせば、また席につき、資料を手に取りながらスナック菓子の袋を開けて。)
いちご牛乳かぁ……可愛いね
(寧々が話したお菓子の内容よりも寧々の目を見て言い)
良いなぁ…一緒に食べたかった。…じゃ、お仕事再開しよっか!
か、かわっ??
(自分の目を見て可愛い、と言われればわかりやすく動揺して。いっしょに食べたかった、というイズミさんはどこか悲しそうに見えて。パクリと一口スナック菓子を口にほおばると「このお菓子、初めて食べたけれど、美味しいわ…」と頬に手を当てて。お仕事再開しよっか、と言われると「えぇ!早く終わらせましょう!」とシャープペンシルを片手に持ち、会計の計算をし始める。)
…ねぇこれ、ここに書き込めばいいの?
(しばらく書類をめくって眺め、空欄の箇所を指差せば寧々の顔を覗き込み)
もう日が沈みかけてるね…ちょっと調子出て来たから、もしかしたらお仕事早く終わるかも!
(窓の外を見て、寧々が帰らなくてはいけない時間が近付いている事を残念に思いつつ、ぱっと顔が輝くと俄然やる気を出した様子で意気込んで)
あー、これはここに__
(空欄を指差されればこれはここに、と指を指しながら丁寧に教えて)
本当に時間が立つのは早いわね…
(外を見ると、もう日が沈みかけている時。調子が出てきたから早く終わるかも、とやる気を出した様子のイズミさんが見えると自分もなんだかやる気が出てきて「そうね!」とにっと笑って言い。)
オッケー、…僕の方はもうこれで終わりだよ。そっちはどう?
(指された所に必要事項を書き込めば、ぱっと顔を上げて)
まだ終わってないなら手伝うよ。キミはゆっくりお菓子でも食べてて
(手で「来い来い」と仕草をすればにこ、と笑って)
イズミさん、仕事が早いわね…
(これで終わりだ、という言葉を聞けば、やけに早いなぁ、と少し驚いて。)
え、…あぁ、じゃああと数枚くらい、資料のほうを……
(まだ終わっていない資料を申し訳なさそうに差し出すと、元々は自分の仕事(まあ押しつけられたものも入ってはいるが…)なわけだから、やっぱり自分で…、と資料をじっと見つめて。)
へへん、凄いだろ?学生の時もこれで良く褒められたんだ
(仕事が早い、と言われてまたドヤ顔をし。「あ、今もまだ学生か」と笑って付け足せば、資料を受け取って)
いいからいいから、ね?ほら、食べてて
(じっと見つめてくる寧々に笑い返すと、資料を置くために空けられていた机の上のスペースにイチゴ牛乳とスナック菓子を置き直して。自分が買って来た訳でもないのに、「遠慮せずどうぞ」と勧めて)
ふふっ、
(ドヤ顔で凄いだろ?と言うイズミさんを見て、微笑ましくて思わず笑ってしまい)
…そう、ありがとう。
(遠慮せずどうぞ、と勧められるとイチゴ牛乳を一口飲み込んで。相変わらずこのメーカーの商品はどれも美味しい。美味しいわ…と呟くとイズミさんの方を特に意味もなくちらりと見てみて。)
美味しいねぇ、良かったねぇ
(美味しい、と寧々の呟きを聞いて手を動かしながら言って)
…ん?どうかした?
(ふと自分の方を見た寧々と目が合い、手を止めてこてん、と首を傾げて)
…ふふっ、イズミさんこそお母さんみたいじゃない。
(美味しかったねぇ、とお母さんのように言われると、突然今日イズミさんにお母さんみたい、といわれたことを思い出し、イズミさんこそ、と可笑しく笑って。)
…あ、別に意味はなくてね?…
(イズミさんと目が合うと意味はなくて…、と無意識に彼のことを見ていたと言い、手のひらを横に振って。)
…よし、おーわり、っと。抜けが無いか確認してくれる?
(ペンを置くとパラパラと書類をめくりトントン、と整えて寧々に手渡す様にし)
じーっと見られたら気になるよ~…僕も見ちゃおうかなー?
(深い意味は無い、と誤魔化す寧々の事をじーっと見返して)
…もう少しで帰らなきゃいけない時間だけど、今日は何かする?
(>136/大丈夫ですよー)
ありがとう!
(書類を渡されると、一先ずお礼を言い、抜けがないかを確認していって。どうやら大丈夫そうなので、「大丈夫そう。手伝ってくれて助かったわ。イズミさん。」とニコッと笑って。)
や、やめて…見つめられるのは弱いのよ……
(じぃっとイズミさんに見返されると手を前へ出し、そっぽを向いて。今日は何かする?と言われると「うーん、トランプでゲームでもする?」とスクールバックからイズミさんと一緒に出来るかもだから、とこっそりと持ってきていたトランプを取り出して。)
(/ありがとうございます!)
トランプかぁ!良いね!
(伸びをしながら待っていて、書類が大丈夫だった様でほっとしてトランプ、という提案に賛成して椅子に座り直し)
何する?ババ抜き?ポーカー?
(寧々が照れている様子なのを敢えて気にしない様にし、ゲームの内容の提案をして。ふと自分トランプ出来たっけ?と昔の記憶すぎて不安になるも、やれば思い出すだろうと特に深くは考えず)
やっぱり定番のババ抜きかしら?…あー…でも、二人じゃ面白くないか……
(トランプのゲーム内容を提案され、ババ抜きにしようかと思うも、二人では面白くないか、とあきらめて。あっ、とこの前ネットで見かけた「真実か挑戦か」というトランプゲームを思い出す。きっとイズミさんは知らないだろうが、やっていけばわかるだろう、と提案してみることにして。)
あっ!じゃあ「真実か挑戦か」ゲームなんてどう?
なにそれ、そんなゲーム初めて聞いたな…
(寧々からゲームを提案されれば、初めて聞いた、と素直に言い)
どんなの?早くやってみたい!
(待ちきれないといった様子で言えば、期待の眼差しで寧々を見つめて)
まあ私も最近知ったゲームなのよ。
(初めて聞いたな、と言われるとまあ自分も最近ネットで見かけたゲームだし、とカードを箱から出し、パラパラと机へ円状に並べて行って。)
ふふ。ゲームの仕方はやりながら説明するわね。
(キラキラとした瞳で見つめてくるイズミさんにやりながらゲームの説明をすると、ふんわり笑って上記を言い。下記を相手へ言いながら一枚カードをめくり、円状に並べたトランプの真ん中に今めくったカードをおく。そのカードの数字はスペードの5。相手へどうぞ、と言わんばかりに手を動かすと、にこりと微笑み。)
まず、これは十回勝負。好きなカードを選んで、そのカード数字の大きいほうが勝ちよ。
…まあ勝ったほうにはできることがあるのだけれど…それはイズミさんがカードを引いてから話すわ……
ふ~ん?変わった形にカードを並べるんだね…
(寧々がカードを用意する様子を不思議そうに眺め。寧々が引いたカードはスペードの5だった為、それより大きければ良いという事を把握すれば早速パッと1枚カードを手に取り。その数字とマークを見るとニヤ、と笑い寧々が置いたカードの上に重ね)
僕が引いたのはハートの10だね。これ…僕が勝ちで良いのかな?
うっ、そうね…イズミさんの勝ちよ……
(自分のカードの上に置かれた相手のカードの数字は10。自分よりも数字が大きい。そうね、と悔しがるような仕草で言うと、次のルール説明を始めて)
…勝った人は、負けた人に「真実か挑戦か」って聞くの。それで…まあ、まず言ってみて頂戴。
あれぇ、残念そうだね?っふふ、じゃあ言うよ。「真実か挑戦か」!
(残念そうな顔をする寧々を見てまたニヤリと笑うと、これから何が起こるのかとワクワクしてたまらない様子で言われた通りの言葉を叫び)
むっ、…それを言われたら負けた人は真実か、挑戦かのどちらかを選ぶの。…まあ初めだから「真実」にしておくわね。
(ニヤリと笑ったイズミさんを見るとむっ、としたような表情で。「真実」と発すると、次のルールを説明し。)
相手が「真実」と答えたら、勝った人はその人に質問ができる。でも、負けた人がその時、答えたくない質問が来たのなら、負けた人は「挑戦」を選べるの。ただし、負けた人が「挑戦」を選べば、勝った人が負けた人に一つ、命令ができるようになってしまう。そうなったら負けた人はその命令を絶対に聞かないといけなくなってしまうのだけれど…まあいいわ。質問して頂戴。イズミさん。
うーん…そうだなぁ…じゃあ…うん。キミはどうしていつもここに来てくれるの?
(質問をして良い、と言われ色々と思うところはあるが一先ず今の状況に対して相手に尋ね。悩んだ割にはありきたりな言葉しか出ず、ふふ、と笑って)
…え?…
(自分はどんな質問が来ると思っていたのだろうか。イズミさんのことだから、どんな質問が来てもいいように、心の準備をしておくと、イズミさんから出てきた言葉はどうしていつもここに来てくれるのか、ということで。え?と驚いた表情を一瞬するが、すぐにこ、と笑顔で言い。)
うーん、そうね。…考えたこと、なかったなぁ……。理由は沢山あるけれど、一番は、…イズミさんに会いたいからかなぁ!
(上記を言うと「じゃあ次ね」と言い、もう一度ぺらりと好きなカードを選んで、真ん中に置く。今度はクローバーの9だ。)
そう?…だったら嬉しいな。僕も君が来てくれるのが嬉しいよ
(イズミさんに会いたいから、と言われればにこ、と笑って。それが予想通りだったのか否か、静かに上記を言って)
ん、じゃあ僕も次を出すね。…次は何かなぁ…
(考えながら溜めて引いたカードはスペードの5だった。悔しそうな顔をしながらも負けは負けだと寧々を見つめて)
あ、ありがとう…?
(自分が来てくれることが嬉しい、と言われれば、どう反応していいかわからず、首を傾けながらありがとう?と疑問形に。)
よし!…え、えーと……
(イズミさんのカードの数字が、自分が引いたカードの数字よりも小さい数なことに喜ぶも、肝心の質問を考えていなかったため、少し考え。これは聞いてもいい質問なのか正直微妙だが、じゃあ、と下記に続けて。)
イズミさんが生きてた頃…一番楽しかった、一番鮮明に覚えている記憶ってなに?
そ、そう、だねぇ…もう遠い記憶過ぎて曖昧だけれど、やっぱり高校生の頃のイベントはどれも楽しかったなぁ…その時に1番友達が多かったって言うのもあるけれどね。…あぁ、そう言えばここの文化祭って、最終日に付き合えば一生続くとかなんとか…聞いた事ある?そういう噂
(1番楽しかった思い出、と聞かれてまた少し語って。そう言えば、と手を打つと昔そういうジンクスがあった様な、と思い出して)
へー…そう……
(友達が多かった、と言う話を聞けば、少し俯き、そう、と言い。自分が質問を吹っ掛けたにもかかわらず、なんて返事の仕方をしたんだ、とは思うが、許してくれ。彼は私と違って、人気者だったんだろうな、と想像するほど胸が痛くなる。噂の話を挙げられれば聞いたことがある、と声色を変え、人差し指をピンとたて下記を言い。)
知っているわ!女子たちがみんな騒いでたわ~。そのせいで自分の仕事、丸々サボっていたけれどね。
あぁまぁ…その時の友達とはもう会えないけれどね…なんてったって死んでるから!
(寧々の元気が無くなったのを察してまた自虐ネタで笑わそうとし。へへん、と笑うと自分の話し出した内容に戻り)
やっぱりね。この時期の子たちは毎年本当にイキイキとしてるからなぁ…でもそれの為に自分の仕事をサボるのは感心しないな。仕事を全うしてからのプライベート、だろう?
(なんだか教師の様な事を語ると「じゃあ次行こうか!」とカードをめくる様言って)
あ…そうよね。…
(こんな時、自分は彼に何か励ましの言葉を挙げてあげればいいのだろうが、そううまく思いつかなく、そうよね、と小さく一言。)
そっ、そうよねぇ!幾ら話すことがこれでもないほど楽しくても、それが仕事をサボっていい理由にはならないし?というか、今やっている仕事は貴方達が進んでやりたいと立候補したものだというのに、サボるのはなしじゃない??
(寧々にとっては励まされるような言葉をかけられると、なんだか嬉しく、つい愚痴のような言葉を発し。私はイズミさんのこういう所が好きだ。カードをめくる様言われると、その通りにまたカードをめくれば次はハートのA。…これ、負け確定だ。)
まぁねぇ…恋は盲目とはよく言ったもので、本当に盲目になっちゃ意味が無いよねぇ…自分が立候補したなら尚更?本当にさぁ、
(寧々に同意する様に言いながらカードをめくると、描かれていたのはダイヤのジャック。これ見よがしに寧々に見せつけると、「そうだなぁ…」と呟いて、どうだ!というニュアンスで)
じゃあ、僕の好きなところを5個、答えて貰います!…質問じゃないけど
ホントホント。イズミさんの言うとうりよもう。
(相手のカードを見るとダイヤのジャックで。はぁ、とため息を吐くも、すぐイズミさんの質問に耳を傾ける。そして出てきた言葉は「僕の好きなところを5個答えて」というものだった。「えっ、?」と一瞬声を漏らすが、すぐ我に返る。好きなところ…と考え込むポーズをしながら、うーん、と悩み。一つや二つは思いつく。だが5つだ。難しい。それにこれを相手に言うのはクソ恥ずかしい。よし、と覚悟を決め、ついにあの言葉を。)
…「挑戦」……で、どうかしら。
ふふ、やっぱりそう来たね。そうだなぁ…何をして貰おうかなぁ…
(計算ずくか否か、ニヤリと笑うと少し考えて)
…じゃ、僕と手を繋いでよ。最近人肌恋しくてさぁ
(寧々ちゃんなら出来るよね?と少し切なそうに手を出して)
手?て…手??
(彼からの「挑戦」は、手をつないでよ、というもので。うっ、と一瞬戸惑うが、これは「挑戦」な為、断ることはできない。差し出しされた手をさっ、と取ると、片手を差し出し、ぎゅっと握り。)
これでいいの…?
そう、手。触れられないと触れない、なんて理不尽にも程があると思わない?
(自分の身の上を愚痴ると、握られた手をじっと見つめて)
ありがとう、
(思わずその手にキスをしそうになるが、流石に出過ぎた真似だと自分を咎め、首を横に振ると寧々の手をそっと撫でて。照れ隠しでパッと手を離すと、笑顔で)
じゃあ次、行こっか!
…本当。皆、たとえ幽霊だとしても、平等にしてほしいわ。
(理不尽にもほどがあると思わない?その言葉に本当、と返す。皆平等に、それが叶うことはあるのだろうか。まあ、こんなことを言ったところで、私にできることはないのだが。)
ん?どう、いたしまして?
(首を横に振りありがとう、と相手に言われるが、どうしてお礼を言うのだろう、と疑問形に。次行こうか、と言われるとええ、と一言いい、カードをめくる。すると、そこに書かれていたのはスペードの8。…微妙だ。)
ま、でも、本当にみんな平等になったら、共存が大変だと思うけれどねぇ
(自分が幽霊だという立場からものを言わせてもらったが、よくよく考えると本当に皆平等になってしまったら共存が大変だと真顔で発言して)
ふふ、君は本当に素直だよね
(何やら意味深な言葉を呟くと、次のカードをめくり。描かれていたのはハートの7で、「…これは…ラッキーじゃ無いね」と相手を悔しそうにに見つめ)
あ、確かに…
(共存が大変だと思うと言うイズミさんに確かにと共感し。素直だと言われれば「そうかしら?」と首を傾げて。)
ふふん!今度は私の勝ちね!どうしよっかなー…
(悔し気に言うイズミさんの手元には自分よりも小さい数のカードが。自慢げに喜ぶと、下記を少し声色を変え言い。)
そうねぇ……前、イズミさんが私に似ている女の子がいたって話、していたでしょう?その子のお話…もう少し話してはくれないかしら。…あ!無理だったらいいのよ!というかこれ、質問じゃないし??
あぁ…あの子の事かい?…勿論いいさ。随分と昔の話になっちゃったけどね、話す相手もいなかったから…えぇと、どこまで話したかな?確か、容姿と可愛いって言うととぼける所が寧々ちゃんに似てるっていうのは話したよね。後は、そうだなぁ…あの子はね、声がとても綺麗だったんだ。彼女が学校の何処にいても居場所が分かるくらい、透き通った良い声で、歌も上手くてね。よく教室で1人で歌っているのを覗き見しては、怒られたなぁ…怒った顔も可愛くてね、頬を赤くして腰に手を当てるんだ。こんな風に
(「あの子」の事を聞かれると少し懐かしむ顔をして語り。こんな風に、と言うと当時の彼女の怒り方を真似して見せて。クスクス笑うとまた続きを話し始め)
本当にね、可愛い子だった。いつか僕もこんな子と結ばれたら良いな、って思いつつ結局思いは伝えられなかったけれど、ね。あんな可愛くて優しい子と仲が良かったのがせめてもの冥土の土産、かな。…名前はもう、忘れちゃった
(「あの子」の顔を思い浮かべて少しうっとりとし、名前を覚えていない事を後悔して。切なく少し笑うと、「そろそろ次、良いかな?」と寧々にカードをめくる様要求し)
…ねえイズミさん。その子の名前ってもしかして、いっ
(懐かしむように語るイズミさんをじっと見つめて。きっと、イズミさんは彼女のことが好きだったんだろう。私の祖母を。「井上香織」、その名前を出そうとするとイズミさんの言葉でそれはかき消され。深く突っ込まなくともいいか。と、次良いかな?という言葉にうん、と頷いてカードをめくる。)
クローバーの4……――
(めくったカードを片手にその数字を読み上げて。少し高さができた円になったカードの真ん中にまた一枚とカードをおく。)
はい、次。イズミさんどうぞ……!
(/背後が突然失礼いたします!まず、ご返信が遅れてしまい申し訳ございません。これからは早めに返せるよう頑張ります!本題なのですが、今回、寧々のおばあちゃんであり、イズミさんの昔の同級生。「井上香織(いのうえ かおり)」ちゃんをださせてみました!苗字は旧姓が井上。そして婚約してからは八重咲になっています。勝手に名前を考えてしまいすみません…!Pf等は、後々必要となってきましたら書こうと思っております。その際にはご相談させていただこうと思いますので!この件について、特になにかありませんでしたら、この会話は蹴っていただいて構いません。改めて、これからもどうぞよろしくお願いします!)
おっ、次はクローバーの4だね…さて、僕のカードは何かなぁ
(少しセンチメンタルになっていた所へ相手が引いたカードはクローバーの4で。どちらの可能性もあるなと思いながらカードをめくると、そこに描かれていたのはスペードの2だった。それを確認すると残念そうな顔をしながら寧々を見つめて)
(/井上香織さん、とても素敵な名前ですね。これからイズミが思い出せるのかどうかは解りませんが、ひとまず把握いたしました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します)
二回連続私の勝ち、ね…!
(残念そうに自分を見つめるイズミさんにどうだと言わんばかりに自慢げに言い。)
じゃぁ…イズミさんの好きなこと、ものとかってなぁに?
(一度考えるような仕草をすると、すぐ質問をして。ここに来てこんなに普通の質問はどうなのか。)
(/背後が考えた名前にお褒めの言葉をありがとうございます。イズミさんには思い出してほしいような、ほしくないような…。はい!宜しくお願い致します!)
僕の好きなこと、かぁ…そうだね。前話した通りだけれど、ホラー映画を観る事と演じる事は好きかな。好きなものはね、ご存知の通り甘いものだよ。チョコでも飴でも、甘いものはみ~んな好き。っ、自分でも流石に無いなと思ったのは毎月のお小遣いが3分の2お菓子に消えていく事!っはは、笑っちゃうよね。好きにも程がある
(ここに来てなんて普通の質問だ、と至極失礼な事を思ったのは表に出さないでいて質問に答え。生きていた頃を思い出して笑うと、「ほんと、バカだよなぁ」と付け足して)
でもね、それら全て友達の影響なんだ。ホラーの魅力とか、お菓子の事とかいっぱい話してくれる友達がいてね。それでハマったんだ。…要するに、自分で何かきっかけに好きになった物とかは特に無かった。流されるままの人生を楽しんでいたよ
(ちょっと切ない顔になりながら続きを話せば、「気楽で良かったな」と噛み締める様に言い)
演じる事はね、僕の父さんが好きだったんだ。…今はどうか分からないけど、当時はしょっちゅう僕を誘って、劇団の練習に参加してたな。初めは僕は観ているだけだったんだけれど、次第にのめり込んでいってね。…放課後に毎日練習に参加する様になったんだ。それでね、…あの日、練習に遅刻しそうになった僕は、赤信号になりかけてる横断歩道を、無理に渡ろうとして…
(当時の事を語ると、フラッシュバッくクして来た映像に思わず目を伏せて。「ちょっとごめん、待ってて」と言うと化学室を後にして)
へぇ~やっぱり甘いものが好きなのね!私も大好きよ!甘いもの。――あー、でも、イズミさんほどではないかも…本当凄いわね。
(答えを聞くと、自分なりに言葉を返し。そう語るイズミさんを見ていると、一度だけでも、イズミさんの生きている、この学校の敷地内から出て生き生きとしている姿を見てみたいなぁなんて思ったり。)
…一緒にいて、楽しいと思えるような「友達」が、貴方にはいたのね。羨ましいわ。
(友達との思い出を聞けば、どこか寂しい笑顔で上記を言う。イズミさんまで切なそうな顔になると、空気を切り替えようとぱっ、と笑顔になり下記を言い。)
きっとその、…イズミさんのお友達もイズミさんと出会えて、遊んで、とても楽しかったのでしょうね!だって、こんなにもイズミさんが…イズミさんが………
そう…演じること…
(イズミさんの話を真剣に聞いていると、演じることが好きだというイズミさんに、「じゃあ、今度その演技、見せてはくれない?」と言おうとする。が、その後のイズミさんの言葉でそれはなくなり。)
あ、え、えっと…
(イズミさんの無理やり渡ろうとして、という言葉に自分は戸惑うことしかできなくて。イズミさんが化学室から出ようとしていくのを見ると、待って、と声を出そうとするが、今はダメだと出すのをやめて。イズミさんが出ていくと、下記をぽつりと、誰もいない化学室で呟いて。)
やっぱり私、イズミさんのこと、なーんにも知らないのね。
っ、情けないなぁ、女の子の前で…
(男子トイレの鏡の前で、長めのため息をついて。顔を上げるとその目にはうっすらと涙が滲んでいて)
やっぱり、あの時の記憶も感触も、抜けないな…バカみたい…
(話す事が好きだった筈なのに、話しているうちに自分の中には何も無いと嫌でも気付かされてしまい、鬱々とした気分になり。最悪の気分から立ち直れなくなり手洗い場に突っ伏して)
はぁ…あ、……もう帰らなきゃ
(イズミさんが出ていった化学室の扉を見つめて。ふと窓の外を見るともう日が沈んでいて。荷物を持ち、イズミさんと片付けた文化祭用の資料をまとめると、【ごめんなさい。イズミさん】と近くにあった紙へ書き化学室を後にして。)
おもっ…
(化学室を後にし、職員室前まで着くが、思えばこんな時間まで学校にはいてはいけないじゃないか。内緒でいるのだから。まあうちの学校はセキュリティーが甘く、監視カメラも少ないから気づかれてはいないと思うが。職員室の前に音を立てないよう資料をおくと、足音を立てないよう靴箱のほうへ向かい。)
…思えば、質問をした私が悪いのよね。明日、謝らないと…って、私、イズミさんにあわせる顔がないわ…
あーぁ…寧々ちゃん帰っちゃったのかぁ…あれ、なんだろう
(誰もいなくなった化学室に戻れば、ふとメモ書きを見つけ。『ごめんなさい』の文字を見ると何故か笑みが溢れて)
っふふ、やっぱり可愛いな…明日、会えたら謝らないと。…ちゃんと振り返らないで帰れたかな。…明日も会いに来てくれるかな
(寧々の明るい笑顔を思い浮かべると、自分も勝手にいなくなってしまった事を謝らなくてはと思い直し。ぽつり、と呟くと窓辺に頬杖をついて溜息を吐き)
―――
……もう放課後、かぁ…
(イズミさんに「さよなら」と言わずに帰ってしまったのはもう昨日のこと。今日は学校へは行かずに家で過ごし。理由はなんとなく行きたくなかったからだ。時計をふと見るともう時は放課後で。少し化学室へと行くかどうか迷う。)
…うん。行ってみましょう。
(意を決して化学室へ向かう。学校へ向かう道が何だかいつもよりも重く。私服で、スクールバック片手に数分かけ、化学室へ到着。こっそりと顔を覗かせ下記をか弱く呟き。)
え、えーと…こんにちはー…なんて……
はぁ…暇だなぁ…つまんなーい…
(例の如く見えないのを良い事に好き放題しており。なんと言えばいいのか、どう顔を合わせればいいのか考えている内によく解らなくなってしまい。どーん、と机の上に寝そべり大声でぼやいて)
寧々ちゃん、来てくれなくなっちゃう、のかなぁ…
(ふと寂しさが押し寄せて来て、じわ、と涙が滲んで。何処からか声が聞こえると、慌てて涙を拭い)
っ、ねね、ちゃん…
イズミさん…
(見慣れた教室の中を覗くと彼の姿が目に入り。少しうつむくが、もうここまで来たら引き下がれまい、と意を決し頭を深々と下げ声を張り上げて下記を言い。)
ごめんなさいっ!私、簡単な気持ちで質問しただけなの。悪気はないの!本当よ…?
寧々ちゃん…解ってるよ、キミがイジワルであんな質問をした訳じゃない事くらい。…僕も悪かったね、1人にしてしまって
(謝罪をされると、静かに返して。決まり悪そうに俯くとこちらも謝罪をして)
演じる事は本当に好きだったからさ、この世から消えてなくなる直前までその事を考えていられたのは、僕にとっちゃ幸せな事だった。…だから、思い出させてくれて、感謝もしてるんだよ?
ほ、本当……?
(静かにそう返されれば少し弱々しく上記を言って。一度頭を上げ、イズミさんからも謝罪をされると「いいえ!…いいのよ。」とどこか寂しそうに微笑んで言って。)
……。
(感謝している、という言葉になんて返せば相手が傷つかないかを考えてしまい、黙ってしまう。)
あぁ、別に深い意味は無いよ?…本当に、ほら、冥土の土産っていうだろ?それが僕には、演劇の事だったんだよ。…ちょっと違うかもしれないけど、そのお陰でほら、今になっても、好きだった事をよく憶えてる
(黙ってしまった相手を見て、こちらは少し口を濁して。よくわからない事を言いながら、そっと頭を撫でて)
…ねぇ、今日は何か持って来てないの?学校は…お休みしたのかな
(撫でながら寧々の服装などを見て)
そ、そうね……?
(彼から発された言葉によくわからないながらもはてなを浮かべつつ上記を言って。)
あ、……そうなの。
(学校は休んだのかな、と言う相手に彼には何でもお見通しだなと思ってしまい。数秒黙った後、うんと小さく頷いて。)
そうだろ?こうして今でも考えていられるのは、寧ろ幸せな事さ
(寧々から同意を貰い、へへっ、と笑って)
そうなんだね。いる気配がしないなとは思ってたけど。ま、そんな日もあるよね。…で?今日は何かする?
(少しの沈黙の後自分の問いかけを肯定した彼女を庇って軽めに流し。話題を変えようと声を明るくして問い)
!…もうすぐ文化祭だから、出来るだけ登校して、皆を手伝えるよう頑張らないとだけどね。
(自分が重く受け止めてしまったことを、自分をかばうように軽く流してくれるところを見て、やはり彼は優しいと実感し。最後にはいつものようににこりと微笑んで。)
んー、そうねぇ…。今日は何も持ってきてなからなぁ……あ!じゃあ屋上にでも行ってみる?今なら夕陽が沈む時間だから、キレイかも!
(何かする?という問いにうーん、と考えるようなポーズをとって。ふと窓の外を見れば視界に映ったのは今にも沈みそうな夕陽で。パチンと手を叩けばどう?と提案をしてみて。)
夕陽、かぁ…たまには良いかもね。…行こうか!
(夕陽を見にいこうと提案する寧々を見て、少し考えると微笑んで同意し)
屋上、鍵開いてるかなぁ…
(ワクワクした様子で化学室を出ていこうとし)
ええ!
(同意されれば元気よく。)
そうねぇ…微妙かも。あ、こっそり職員室から屋上の鍵奪い取ってくる?
(イズミさんの後を追うように化学室を出ようとすると、とんでもないことを言い出して。)
え…あ、いやいや、僕のためにそんな危ない事はさせられないよ…うーん…あ!ねぇ、知ってた?この学校さ、屋上に行ける隠し階段があって、そこ…偶に鍵がかかってないんだよね。先生方も管理が緩いっぽいからさ…そこから屋上、行ってみない?
(とんでもない事を言い出した寧々を見て少し冷静になって考えると、ぽん、と何かを思い出した様で話をし。いたずらっ子の様な笑みを浮かべて言って)
へ~!そんな場所があったのね。イズミさんって本当何でも知ってるわよね。
(改めてイズミさんは学校のことに詳しいよなぁ、と思って。)
行ってみましょ!なんか隠し階段、って秘密の道みたいでワクワクするわ~!
(イズミさんのような悪戯を企むような笑顔で言って。)
そうだろう?僕はね、ここの事を知り尽くしてる。なんたってここにもう…何年だっけ、わからなくなるくらいいるし、暇を持て余していたからね!
(寧々に合わせて階段を上がりながら隠し扉をさがして。一瞬考える素振りを見せるが、最早どうでも良いといった風に肩を落とし)
…さぁ、ここだよ。…開けてみるね
(暫く歩き回ると扉を見つけて、意気揚々と手をかけ。ゆっくりと回すと開いていたので、パッと笑顔になり寧々の腕を掴んで)
やった!行くよ行くよ、ほら!
…そっか!
(イズミさんは、何年もの間ここに一人でいるのか、そう思うと少し苦しくなるが、今ここで二人で楽しくいれているのだからそれはそれでいいではないか、と思うことにし。)
わぁ…本当に隠し扉って感じね。
(扉の前まで来ると、ここの学校に紛れ込んでいるような色、形で少し驚き。前まで此処を通ったりしたことはあるが、こんなものがあるとは知らなかったなぁ。少しそう考えるが、イズミさんがドアを開ければその思考も吹っ飛んで。腕をつかまれれば下記を言い。)
!…えぇ!
…そっか!
(イズミさんは、何年もの間ここに一人でいるのか、そう思うと少し苦しくなるが、今ここで二人で楽しくいれているのだからそれはそれでいいではないか、と思うことにし。)
わぁ…本当に隠し扉って感じね。
(扉の前まで来ると、ここの学校に紛れ込んでいるような色、形で少し驚き。前まで此処を通ったりしたことはあるが、こんなものがあるとは知らなかったなぁ。少しそう考えるが、イズミさんがドアを開ければその思考も吹っ飛んで。腕をつかまれれば下記を言い。)
!…えぇ!
よ、っと…!ぅわ、ホコリ飛んできた!寧々ちゃん大丈夫?
(重いドアを開けるとふわ、とホコリが舞い。咄嗟に手で避けると後ろを振り返り)
久しぶりに出たなぁ…あ、そろそろ沈み始めるね。間に合って良かったぁ…
(久しぶりの屋上からの景色に見惚れつつ、沈み始める日を見つけて胸を撫で下ろし。寧々の腕はまだ掴んだままで)
…ぅふっ……え、えぇ。大丈夫よ!
(ホコリが舞ってくれば一瞬くしゃみがでそうになるが、それを抑え、大丈夫だと振り返ったイズミさんを見て言い)
あ、ホント……
(沈み始めた夕陽を眺めていれば、いつまでもこんな日々が続けばいいな、と思ってみたりして。いつまでも、イズミさんが私の目に見える限り。)
キレイだね…あ、寧々ちゃん
(沈みゆく夕日を隣に並んで見ながら、この時が続けばいいのに、と叶い難い希望を抱いて。ふと寧々の髪を触り)
ホコリ、付いちゃってるね。取ってあげるから動かないで
…ん……?
(名前を呼ばれれば、イズミさんのほうへと顔を向け。ホコリがついている、と言われ髪に触れられれば少し頬を赤らめつつ「…うん」と頷いて)
はい、取れたよ
(ホコリを取る代わりに、自分が付けていたピン留めを寧々の髪に付けて。自分から離れたそれは淡く光っていて、今にも消えてしまいそうで。ゆらゆらと揺れるそれを眺めながら、感嘆を吐いて)
やっぱり、似合うと思っていたんだ
あ、ありがとう…
(ホコリが取れたと聞けば、イズミさんの方を見て控えめにお礼を。すると、イズミさんから自分にピンをつけられ、似合うと思っていた、なんて言われれば、さらに頬に色がつき。だが、彼には夕陽の光でバレていないかも。)
それ、暫く経つと無くなっちゃうから、そのまま付けといてよ。…寧々ちゃんに、付けておいて欲しかったんだ
(礼を言われると少し悲しそうに笑って。少し相手の顔が赤くなったのが解り、自分も少し照れくさくなって)
亡くなってからね、僕の手元から離れたものは暫く経つと消えてしまうんだ。…靴、元々履いてたんだけどね。それを知らないで脱ぎっぱなしにしてたら、いつの間にか消えてたんだ。実体験からは情報吸収しないと損だからね!
(静かにまた自分の事情を話すと、俯き。「実体験は、活かさないとね!」と明るく言ってはいるが、どこか切ない顔で。だが、寧々に付けておいてもらえるなら本望だと、もう一度寧々の顔を見て)
無くなっちゃう…?
(イズミさんのその言葉に首を傾げて。彼へ向かってそれって、どういう意味?と言いたげに)
え、……そうなの…私が付けていればこれはなくならないのかしら。
(それは死んでしまった罪か何かなのだろうか。自分の手元にあったものこそ自分の形見ともいえるのに。自分が付けていればこのピンはなくならないか、とそのピンに優しく触れ、言い)
うん、手放したら、すーっとね…あの靴、気に入ってたんだけどなぁ…
(寧々の言葉を肯定すると、少し寂しそうな顔をして。何でもっとちゃんと用心しておかなかったんだろう、と呟き)
残念ながら例外なく、僕の手元から離れたら消えちゃうんだ。…だから、それまで付けててよ。…思ってた通り、よく似合ってるから
(もう一度さらっと寧々の髪を撫でると、上記を言って。するとその言葉通り、寧々の髪に付けたヘアピンは少し揺らめくと消えていき)
……
(気に入っていたものが自分の手から離れ、一生この目で見れなくなると言うのは悲しいほかないものだ。まあこんなことを考えたところで、その靴が返って来るでも無し、イズミさんの気持ちを自分が理解することもないのだが)
…ふふ、やっぱり、褒められるって言うのは嬉しいものね
(にっ、と笑みを浮かべ、そう言えば、ヘアピンが付けられていた感触がなくなって。そこへ触れてみれば、ヘアピンは跡形もなく消えており)
え……?
…まぁこれも、1つの死んだ事への償い、かな…でも自分で好きで死んだ訳じゃ無いのに、償えっていうのも、よく考えるとおかしな話だけどね
(また空気が重くなってしまった、と少しギャグっぽいのをかましたつもりで寧々を見て。ヘアピンが無くなった事に対して驚いている寧々を見て、クスリと笑い)
ほら、ね。言った通りだったでしょう?あのピンも、寧々ちゃんに最後に付けてもらって、嬉しかったと思うよ
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