霊感少女 2024-02-16 20:16:15 |
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っ、情けないなぁ、女の子の前で…
(男子トイレの鏡の前で、長めのため息をついて。顔を上げるとその目にはうっすらと涙が滲んでいて)
やっぱり、あの時の記憶も感触も、抜けないな…バカみたい…
(話す事が好きだった筈なのに、話しているうちに自分の中には何も無いと嫌でも気付かされてしまい、鬱々とした気分になり。最悪の気分から立ち直れなくなり手洗い場に突っ伏して)
はぁ…あ、……もう帰らなきゃ
(イズミさんが出ていった化学室の扉を見つめて。ふと窓の外を見るともう日が沈んでいて。荷物を持ち、イズミさんと片付けた文化祭用の資料をまとめると、【ごめんなさい。イズミさん】と近くにあった紙へ書き化学室を後にして。)
おもっ…
(化学室を後にし、職員室前まで着くが、思えばこんな時間まで学校にはいてはいけないじゃないか。内緒でいるのだから。まあうちの学校はセキュリティーが甘く、監視カメラも少ないから気づかれてはいないと思うが。職員室の前に音を立てないよう資料をおくと、足音を立てないよう靴箱のほうへ向かい。)
…思えば、質問をした私が悪いのよね。明日、謝らないと…って、私、イズミさんにあわせる顔がないわ…
あーぁ…寧々ちゃん帰っちゃったのかぁ…あれ、なんだろう
(誰もいなくなった化学室に戻れば、ふとメモ書きを見つけ。『ごめんなさい』の文字を見ると何故か笑みが溢れて)
っふふ、やっぱり可愛いな…明日、会えたら謝らないと。…ちゃんと振り返らないで帰れたかな。…明日も会いに来てくれるかな
(寧々の明るい笑顔を思い浮かべると、自分も勝手にいなくなってしまった事を謝らなくてはと思い直し。ぽつり、と呟くと窓辺に頬杖をついて溜息を吐き)
―――
……もう放課後、かぁ…
(イズミさんに「さよなら」と言わずに帰ってしまったのはもう昨日のこと。今日は学校へは行かずに家で過ごし。理由はなんとなく行きたくなかったからだ。時計をふと見るともう時は放課後で。少し化学室へと行くかどうか迷う。)
…うん。行ってみましょう。
(意を決して化学室へ向かう。学校へ向かう道が何だかいつもよりも重く。私服で、スクールバック片手に数分かけ、化学室へ到着。こっそりと顔を覗かせ下記をか弱く呟き。)
え、えーと…こんにちはー…なんて……
はぁ…暇だなぁ…つまんなーい…
(例の如く見えないのを良い事に好き放題しており。なんと言えばいいのか、どう顔を合わせればいいのか考えている内によく解らなくなってしまい。どーん、と机の上に寝そべり大声でぼやいて)
寧々ちゃん、来てくれなくなっちゃう、のかなぁ…
(ふと寂しさが押し寄せて来て、じわ、と涙が滲んで。何処からか声が聞こえると、慌てて涙を拭い)
っ、ねね、ちゃん…
イズミさん…
(見慣れた教室の中を覗くと彼の姿が目に入り。少しうつむくが、もうここまで来たら引き下がれまい、と意を決し頭を深々と下げ声を張り上げて下記を言い。)
ごめんなさいっ!私、簡単な気持ちで質問しただけなの。悪気はないの!本当よ…?
寧々ちゃん…解ってるよ、キミがイジワルであんな質問をした訳じゃない事くらい。…僕も悪かったね、1人にしてしまって
(謝罪をされると、静かに返して。決まり悪そうに俯くとこちらも謝罪をして)
演じる事は本当に好きだったからさ、この世から消えてなくなる直前までその事を考えていられたのは、僕にとっちゃ幸せな事だった。…だから、思い出させてくれて、感謝もしてるんだよ?
ほ、本当……?
(静かにそう返されれば少し弱々しく上記を言って。一度頭を上げ、イズミさんからも謝罪をされると「いいえ!…いいのよ。」とどこか寂しそうに微笑んで言って。)
……。
(感謝している、という言葉になんて返せば相手が傷つかないかを考えてしまい、黙ってしまう。)
あぁ、別に深い意味は無いよ?…本当に、ほら、冥土の土産っていうだろ?それが僕には、演劇の事だったんだよ。…ちょっと違うかもしれないけど、そのお陰でほら、今になっても、好きだった事をよく憶えてる
(黙ってしまった相手を見て、こちらは少し口を濁して。よくわからない事を言いながら、そっと頭を撫でて)
…ねぇ、今日は何か持って来てないの?学校は…お休みしたのかな
(撫でながら寧々の服装などを見て)
そ、そうね……?
(彼から発された言葉によくわからないながらもはてなを浮かべつつ上記を言って。)
あ、……そうなの。
(学校は休んだのかな、と言う相手に彼には何でもお見通しだなと思ってしまい。数秒黙った後、うんと小さく頷いて。)
そうだろ?こうして今でも考えていられるのは、寧ろ幸せな事さ
(寧々から同意を貰い、へへっ、と笑って)
そうなんだね。いる気配がしないなとは思ってたけど。ま、そんな日もあるよね。…で?今日は何かする?
(少しの沈黙の後自分の問いかけを肯定した彼女を庇って軽めに流し。話題を変えようと声を明るくして問い)
!…もうすぐ文化祭だから、出来るだけ登校して、皆を手伝えるよう頑張らないとだけどね。
(自分が重く受け止めてしまったことを、自分をかばうように軽く流してくれるところを見て、やはり彼は優しいと実感し。最後にはいつものようににこりと微笑んで。)
んー、そうねぇ…。今日は何も持ってきてなからなぁ……あ!じゃあ屋上にでも行ってみる?今なら夕陽が沈む時間だから、キレイかも!
(何かする?という問いにうーん、と考えるようなポーズをとって。ふと窓の外を見れば視界に映ったのは今にも沈みそうな夕陽で。パチンと手を叩けばどう?と提案をしてみて。)
夕陽、かぁ…たまには良いかもね。…行こうか!
(夕陽を見にいこうと提案する寧々を見て、少し考えると微笑んで同意し)
屋上、鍵開いてるかなぁ…
(ワクワクした様子で化学室を出ていこうとし)
ええ!
(同意されれば元気よく。)
そうねぇ…微妙かも。あ、こっそり職員室から屋上の鍵奪い取ってくる?
(イズミさんの後を追うように化学室を出ようとすると、とんでもないことを言い出して。)
え…あ、いやいや、僕のためにそんな危ない事はさせられないよ…うーん…あ!ねぇ、知ってた?この学校さ、屋上に行ける隠し階段があって、そこ…偶に鍵がかかってないんだよね。先生方も管理が緩いっぽいからさ…そこから屋上、行ってみない?
(とんでもない事を言い出した寧々を見て少し冷静になって考えると、ぽん、と何かを思い出した様で話をし。いたずらっ子の様な笑みを浮かべて言って)
へ~!そんな場所があったのね。イズミさんって本当何でも知ってるわよね。
(改めてイズミさんは学校のことに詳しいよなぁ、と思って。)
行ってみましょ!なんか隠し階段、って秘密の道みたいでワクワクするわ~!
(イズミさんのような悪戯を企むような笑顔で言って。)
そうだろう?僕はね、ここの事を知り尽くしてる。なんたってここにもう…何年だっけ、わからなくなるくらいいるし、暇を持て余していたからね!
(寧々に合わせて階段を上がりながら隠し扉をさがして。一瞬考える素振りを見せるが、最早どうでも良いといった風に肩を落とし)
…さぁ、ここだよ。…開けてみるね
(暫く歩き回ると扉を見つけて、意気揚々と手をかけ。ゆっくりと回すと開いていたので、パッと笑顔になり寧々の腕を掴んで)
やった!行くよ行くよ、ほら!
…そっか!
(イズミさんは、何年もの間ここに一人でいるのか、そう思うと少し苦しくなるが、今ここで二人で楽しくいれているのだからそれはそれでいいではないか、と思うことにし。)
わぁ…本当に隠し扉って感じね。
(扉の前まで来ると、ここの学校に紛れ込んでいるような色、形で少し驚き。前まで此処を通ったりしたことはあるが、こんなものがあるとは知らなかったなぁ。少しそう考えるが、イズミさんがドアを開ければその思考も吹っ飛んで。腕をつかまれれば下記を言い。)
!…えぇ!
…そっか!
(イズミさんは、何年もの間ここに一人でいるのか、そう思うと少し苦しくなるが、今ここで二人で楽しくいれているのだからそれはそれでいいではないか、と思うことにし。)
わぁ…本当に隠し扉って感じね。
(扉の前まで来ると、ここの学校に紛れ込んでいるような色、形で少し驚き。前まで此処を通ったりしたことはあるが、こんなものがあるとは知らなかったなぁ。少しそう考えるが、イズミさんがドアを開ければその思考も吹っ飛んで。腕をつかまれれば下記を言い。)
!…えぇ!
よ、っと…!ぅわ、ホコリ飛んできた!寧々ちゃん大丈夫?
(重いドアを開けるとふわ、とホコリが舞い。咄嗟に手で避けると後ろを振り返り)
久しぶりに出たなぁ…あ、そろそろ沈み始めるね。間に合って良かったぁ…
(久しぶりの屋上からの景色に見惚れつつ、沈み始める日を見つけて胸を撫で下ろし。寧々の腕はまだ掴んだままで)
…ぅふっ……え、えぇ。大丈夫よ!
(ホコリが舞ってくれば一瞬くしゃみがでそうになるが、それを抑え、大丈夫だと振り返ったイズミさんを見て言い)
あ、ホント……
(沈み始めた夕陽を眺めていれば、いつまでもこんな日々が続けばいいな、と思ってみたりして。いつまでも、イズミさんが私の目に見える限り。)
キレイだね…あ、寧々ちゃん
(沈みゆく夕日を隣に並んで見ながら、この時が続けばいいのに、と叶い難い希望を抱いて。ふと寧々の髪を触り)
ホコリ、付いちゃってるね。取ってあげるから動かないで
…ん……?
(名前を呼ばれれば、イズミさんのほうへと顔を向け。ホコリがついている、と言われ髪に触れられれば少し頬を赤らめつつ「…うん」と頷いて)
はい、取れたよ
(ホコリを取る代わりに、自分が付けていたピン留めを寧々の髪に付けて。自分から離れたそれは淡く光っていて、今にも消えてしまいそうで。ゆらゆらと揺れるそれを眺めながら、感嘆を吐いて)
やっぱり、似合うと思っていたんだ
あ、ありがとう…
(ホコリが取れたと聞けば、イズミさんの方を見て控えめにお礼を。すると、イズミさんから自分にピンをつけられ、似合うと思っていた、なんて言われれば、さらに頬に色がつき。だが、彼には夕陽の光でバレていないかも。)
それ、暫く経つと無くなっちゃうから、そのまま付けといてよ。…寧々ちゃんに、付けておいて欲しかったんだ
(礼を言われると少し悲しそうに笑って。少し相手の顔が赤くなったのが解り、自分も少し照れくさくなって)
亡くなってからね、僕の手元から離れたものは暫く経つと消えてしまうんだ。…靴、元々履いてたんだけどね。それを知らないで脱ぎっぱなしにしてたら、いつの間にか消えてたんだ。実体験からは情報吸収しないと損だからね!
(静かにまた自分の事情を話すと、俯き。「実体験は、活かさないとね!」と明るく言ってはいるが、どこか切ない顔で。だが、寧々に付けておいてもらえるなら本望だと、もう一度寧々の顔を見て)
無くなっちゃう…?
(イズミさんのその言葉に首を傾げて。彼へ向かってそれって、どういう意味?と言いたげに)
え、……そうなの…私が付けていればこれはなくならないのかしら。
(それは死んでしまった罪か何かなのだろうか。自分の手元にあったものこそ自分の形見ともいえるのに。自分が付けていればこのピンはなくならないか、とそのピンに優しく触れ、言い)
うん、手放したら、すーっとね…あの靴、気に入ってたんだけどなぁ…
(寧々の言葉を肯定すると、少し寂しそうな顔をして。何でもっとちゃんと用心しておかなかったんだろう、と呟き)
残念ながら例外なく、僕の手元から離れたら消えちゃうんだ。…だから、それまで付けててよ。…思ってた通り、よく似合ってるから
(もう一度さらっと寧々の髪を撫でると、上記を言って。するとその言葉通り、寧々の髪に付けたヘアピンは少し揺らめくと消えていき)
……
(気に入っていたものが自分の手から離れ、一生この目で見れなくなると言うのは悲しいほかないものだ。まあこんなことを考えたところで、その靴が返って来るでも無し、イズミさんの気持ちを自分が理解することもないのだが)
…ふふ、やっぱり、褒められるって言うのは嬉しいものね
(にっ、と笑みを浮かべ、そう言えば、ヘアピンが付けられていた感触がなくなって。そこへ触れてみれば、ヘアピンは跡形もなく消えており)
え……?
…まぁこれも、1つの死んだ事への償い、かな…でも自分で好きで死んだ訳じゃ無いのに、償えっていうのも、よく考えるとおかしな話だけどね
(また空気が重くなってしまった、と少しギャグっぽいのをかましたつもりで寧々を見て。ヘアピンが無くなった事に対して驚いている寧々を見て、クスリと笑い)
ほら、ね。言った通りだったでしょう?あのピンも、寧々ちゃんに最後に付けてもらって、嬉しかったと思うよ
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