霊感少女 2024-02-16 20:16:15 |
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―――
……もう放課後、かぁ…
(イズミさんに「さよなら」と言わずに帰ってしまったのはもう昨日のこと。今日は学校へは行かずに家で過ごし。理由はなんとなく行きたくなかったからだ。時計をふと見るともう時は放課後で。少し化学室へと行くかどうか迷う。)
…うん。行ってみましょう。
(意を決して化学室へ向かう。学校へ向かう道が何だかいつもよりも重く。私服で、スクールバック片手に数分かけ、化学室へ到着。こっそりと顔を覗かせ下記をか弱く呟き。)
え、えーと…こんにちはー…なんて……
はぁ…暇だなぁ…つまんなーい…
(例の如く見えないのを良い事に好き放題しており。なんと言えばいいのか、どう顔を合わせればいいのか考えている内によく解らなくなってしまい。どーん、と机の上に寝そべり大声でぼやいて)
寧々ちゃん、来てくれなくなっちゃう、のかなぁ…
(ふと寂しさが押し寄せて来て、じわ、と涙が滲んで。何処からか声が聞こえると、慌てて涙を拭い)
っ、ねね、ちゃん…
イズミさん…
(見慣れた教室の中を覗くと彼の姿が目に入り。少しうつむくが、もうここまで来たら引き下がれまい、と意を決し頭を深々と下げ声を張り上げて下記を言い。)
ごめんなさいっ!私、簡単な気持ちで質問しただけなの。悪気はないの!本当よ…?
寧々ちゃん…解ってるよ、キミがイジワルであんな質問をした訳じゃない事くらい。…僕も悪かったね、1人にしてしまって
(謝罪をされると、静かに返して。決まり悪そうに俯くとこちらも謝罪をして)
演じる事は本当に好きだったからさ、この世から消えてなくなる直前までその事を考えていられたのは、僕にとっちゃ幸せな事だった。…だから、思い出させてくれて、感謝もしてるんだよ?
ほ、本当……?
(静かにそう返されれば少し弱々しく上記を言って。一度頭を上げ、イズミさんからも謝罪をされると「いいえ!…いいのよ。」とどこか寂しそうに微笑んで言って。)
……。
(感謝している、という言葉になんて返せば相手が傷つかないかを考えてしまい、黙ってしまう。)
あぁ、別に深い意味は無いよ?…本当に、ほら、冥土の土産っていうだろ?それが僕には、演劇の事だったんだよ。…ちょっと違うかもしれないけど、そのお陰でほら、今になっても、好きだった事をよく憶えてる
(黙ってしまった相手を見て、こちらは少し口を濁して。よくわからない事を言いながら、そっと頭を撫でて)
…ねぇ、今日は何か持って来てないの?学校は…お休みしたのかな
(撫でながら寧々の服装などを見て)
そ、そうね……?
(彼から発された言葉によくわからないながらもはてなを浮かべつつ上記を言って。)
あ、……そうなの。
(学校は休んだのかな、と言う相手に彼には何でもお見通しだなと思ってしまい。数秒黙った後、うんと小さく頷いて。)
そうだろ?こうして今でも考えていられるのは、寧ろ幸せな事さ
(寧々から同意を貰い、へへっ、と笑って)
そうなんだね。いる気配がしないなとは思ってたけど。ま、そんな日もあるよね。…で?今日は何かする?
(少しの沈黙の後自分の問いかけを肯定した彼女を庇って軽めに流し。話題を変えようと声を明るくして問い)
!…もうすぐ文化祭だから、出来るだけ登校して、皆を手伝えるよう頑張らないとだけどね。
(自分が重く受け止めてしまったことを、自分をかばうように軽く流してくれるところを見て、やはり彼は優しいと実感し。最後にはいつものようににこりと微笑んで。)
んー、そうねぇ…。今日は何も持ってきてなからなぁ……あ!じゃあ屋上にでも行ってみる?今なら夕陽が沈む時間だから、キレイかも!
(何かする?という問いにうーん、と考えるようなポーズをとって。ふと窓の外を見れば視界に映ったのは今にも沈みそうな夕陽で。パチンと手を叩けばどう?と提案をしてみて。)
夕陽、かぁ…たまには良いかもね。…行こうか!
(夕陽を見にいこうと提案する寧々を見て、少し考えると微笑んで同意し)
屋上、鍵開いてるかなぁ…
(ワクワクした様子で化学室を出ていこうとし)
ええ!
(同意されれば元気よく。)
そうねぇ…微妙かも。あ、こっそり職員室から屋上の鍵奪い取ってくる?
(イズミさんの後を追うように化学室を出ようとすると、とんでもないことを言い出して。)
え…あ、いやいや、僕のためにそんな危ない事はさせられないよ…うーん…あ!ねぇ、知ってた?この学校さ、屋上に行ける隠し階段があって、そこ…偶に鍵がかかってないんだよね。先生方も管理が緩いっぽいからさ…そこから屋上、行ってみない?
(とんでもない事を言い出した寧々を見て少し冷静になって考えると、ぽん、と何かを思い出した様で話をし。いたずらっ子の様な笑みを浮かべて言って)
へ~!そんな場所があったのね。イズミさんって本当何でも知ってるわよね。
(改めてイズミさんは学校のことに詳しいよなぁ、と思って。)
行ってみましょ!なんか隠し階段、って秘密の道みたいでワクワクするわ~!
(イズミさんのような悪戯を企むような笑顔で言って。)
そうだろう?僕はね、ここの事を知り尽くしてる。なんたってここにもう…何年だっけ、わからなくなるくらいいるし、暇を持て余していたからね!
(寧々に合わせて階段を上がりながら隠し扉をさがして。一瞬考える素振りを見せるが、最早どうでも良いといった風に肩を落とし)
…さぁ、ここだよ。…開けてみるね
(暫く歩き回ると扉を見つけて、意気揚々と手をかけ。ゆっくりと回すと開いていたので、パッと笑顔になり寧々の腕を掴んで)
やった!行くよ行くよ、ほら!
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