爛れて甘くなる/〆

ふふっ、どういたしまして

（自分では褒めて欲しいと誰が見てもわかるような表情をしていたのは分からず、相手から感謝の言葉をかけられるとぱぁっと表情を明るくさせて、やっぱり自分には相手しかいないなぁと思い知って。自分が相手の腕に抱きつけば、それを解くことなく逆にリードするように玄関からリビングまで移動し、先に風呂に入りたいと言われれば、わかったと言いながら頷いて。アルバイト先からこの家までに帰ってくる間に当てられた冬の夜風で冷えきった手のひらを自身の温かい頬に当てられると、ピクっと驚いたように身体を跳ねさせ、どれだけ外が寒かったんだと心配して。風邪をひいたら大変だとでも言うように相手の背中を押し、「風邪引いたら辛いよ、早くお風呂入ってきて」と言葉をかけるとそのまま風呂場のドアの前まで連れていき。）


（／紗波の呼び方について把握致しました！

そうでしたか！良かったです。では、これにて背後は失礼致します、これから何かありましたらなんでも言ってください…！）

その時はさっちゃんが看病してくれるから大丈夫。

（冷え切った手のひらに思わず体を震わす相手がいてもたってもと言った様子でこちらを風呂場まで連れて行くと、その心配そうな言葉にそれはそれで相手から看病してもらえるから悪くはないと本音なのか冗談なのかわからないことを面白おかしそうに述べて。そうして連れてこられた風呂場に着けば「じゃあ、なるべくぱっぱと入るから待ってて。」と、そこで一旦相手と別れれば服を脱いで浴場に入り、テキパキと頭と体を洗えばざばぁ、と湯船に浸かり「ふぅー…。」と今日1日の疲れを吐き出すかのように長いため息をついて。）

（/わかりました！また何かありましたら連絡させていただきますね。こちらも失礼します。）

（/あげてみます。）