匿名さん 2024-01-18 21:20:33 |
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鮫島旭
「……う゛、」
(─普段と雰囲気が違う。酔いで上手く回らない頭でも何となくそれが感じ取れて、伸ばした手を反射的に途中で引っ込めた。ぼすん、と音を立てて身体がベッドの上に放り投げられる。柔らかな毛布とマットレスがほとんどの衝撃は吸収してくれたが、酔っていて受け身が取れず─背中に走る小さな衝撃に、思わず低く呻き声を上げた。背中を擦りながら眉を顰め、五条先輩の顔をじっと見上げる。「……あんた…どうしたん、だよ…きゅうに…」相変わらずぼやけた発音ではあったが、眼の前の五条先輩を威嚇するように─ジロリ、と睨んで声を上げ。)
五条悟
「ありがとー、待ってるねー。」
(キッチンへ向かう彼女の背中を見送り、またアルバムを手に取って捲る。先程のページから、自分が映っている─それも、どれもカメラ目線では無いもの。誰が撮ったのか、と少々不思議に思いながらも、口にはせずにぼんやりと眺めていて。)
五条悟
「こんな時でもそんな顔するんだ。…そんなに僕が嫌い?七海の方が良い?」
(ベッドに乱暴に旭を降ろすと僕を睨むように威嚇してくる。時間が経っても尚、頭から七海が旭にキスをしている光景が離れない。何で七海や硝子にはそんな顔しないのに僕にはするの?嫉妬と怒りでどうにかなってしまいそうなくらい旭の事が好きなのに。そう思えば目隠しを降ろし素顔を見せればベッドに乗り押し倒すように旭に覆い被さる。そして耳の前に手を付き旭を見詰めながら切なさと嫉妬が入り交じったような声色で思っていることをぽろぽろと吐露して。)
胡桃沢彩莉菜
「今焼いてるからもう少し待っててね。」
(彼に見送られキッチンに向かうと材料を用意して作り始める。彼は甘いほうが良いと思いチョコレートはミルクのチョコレートにした。材料を混ぜ合わせオーブンに入れ焼き始める。彼の元に戻るとアルバムを見ていた。声を掛けながら隣に座る。彼ばかりが目立つページを見ている。こんなに隠し撮りしているなんてあの頃から彼の事が好きだったと彼に伝えているようなものだなと内心恥ずかしく思い。しかし何も言わない彼に気付いていないのかなと考え何も言わず一緒にアルバムを眺める。)
鮫島旭
「……」
(酔って力の入らない手足ではろくに抵抗も出来ないまま、ベッドの上へ押し倒される。普段ならば、全部見透かすように透き通った光を放つ─五条先輩の六眼が、今にも溢れそうな程に潤んで─じっと自分を見つめていた。次いで、何処か切実な響きを持った声が耳に飛び込んでくる。その表情を見ていると、何故か─眼の前のこの存在が、酷く"可哀想なもの"に思えてきた。途端、「…あ、」あんたなんか嫌いだ、と真正面から言ってやるつもりだった言葉は喉の奥につっかえてしまう。ガシガシと乱暴に頭を掻き毟り、眼の前にある─真っ白な髪を半ば掴むようにしてわしわしと撫でた。─自分でも、何故そんなことをしたのか─未だに分からない。気付いたときには五条先輩の身体を抱き寄せ、子供でも宥めるように頭をポンポンと叩いていて。)
「………わるかった、よ。……ないても、いいけど…ふく、よごしたら…なぐるからな。」
五条悟
「うん。…そういえば僕さあ、こんなに写真撮られてたっけ?覚えてないんだけど。」
(再び戻ってきてくれた彼女に機嫌を良くしたものの、やはり写真のことは気になる。─ぼんやり覚えているものもあるが、中には全く身に覚えの無い─組手中に撮られたようなものもあった。彼女にそう問い掛けながら首を傾げて。)
五条悟
「…っ…別に…泣かないし…そもそも僕は怒ってんの…。無防備に…七海に…頭預けて…キスしてくれって…言ってるようなものじゃん…。」
(何で僕のことそんなに嫌うの?気付けば思いがぽろぽろと溢れていた。旭は僕の事が嫌いだと言うと思った。だけど、髪を撫でられた。そして身体を抱き寄せ頭をポンポンと叩かれ悪かったと言う旭。その優しさに何故だか涙が溢れてきた。しかし、先程のことに物申したくて止まらない涙を流し、途切れ途切れに思っていることを吐露し、怒っているのだと言いたげに旭の胸を軽く拳で叩く。)
胡桃沢彩莉菜
「え…あ、えっと…それは…私がこっそり撮ってたの。」
(隣に座りアルバムを覗き込んでいると、彼から写真のことを指摘された。ここまで多いと流石に気付かれるか。本当のことを言うべきか誤魔化すべきか悩んで狼狽えてしまうが、流石に本当のことを言うしかないかと思いおずおずとこっそり彼の写真を撮っていた事を打ち明ける。そして続けて「勝手にごめんね。」と謝る。引かれたりしないだろうかと不安げに彼の反応を窺う。)
鮫島旭
「……いてえ、っての。…はいはい、わかったわかった。…ごめんって。」
(ポカポカと音を立てそうな程の力で胸を殴られる。なんだか、急に─五条先輩が、思い通りに行かなくて駄々を捏ねる小さな子供に見えてきた。口では泣いていないと言う癖に、自分のデニムジャケットの肩口が─五条先輩の目から零れる水分を吸い込んで重くなっている。拗ねている理由は良く理解できないが、何やらキスがどうの─と言っていた。酔いと眠気で回らぬ頭を回転させて考えた末に、してやればいいのか、と結論を出し、あまり力の入らない頭を何とか持ち上げて─目前の、桜色をした柔らかな唇が動くのを自分のもので軽く塞ぎ。)
五条悟
「…あ、そうだったんだ。」
(彼女の言葉で、何となく合点が行った。─学生時代、妙に視線を感じることがあったが─あれは彼女だったのか。それならば、あの頃から両想いだったという事になる。ごめんね、と謝る彼女に首を横に振り、ニコニコと微笑んで思い切り彼女を抱きしめて。)
「別にいいよ。むしろ嬉しいから大丈夫!」
五条悟
「!…ん……旭…僕、旭の事が好き…。」
(ポカポカと叩いて涙を溢しながら思いを吐露していると唇を重ねられた。突然のことに涙が止まり目を見開く。ゆっくりと唇が離れるとされたことを理解してじわじわと身体が熱くなり頬が赤くなる。何これ。本気で好きな人にキスされたらこんなになるの?戸惑いを隠し切れないが、今なら旭が僕の想いに応えてくれるのではないかと思った。酔っている時に言うなんて卑怯な気もするが、こんな時じゃないと旭は信じてくれない。じっと熱を帯びた六眼で旭を見詰め想いを告げる。)
胡桃沢彩莉菜
「わ、…それなら良かった。引かれるんじゃないかってドキドキしてたから安心した。」
(彼に謝り反応を窺うと何処か納得した様子の彼は首を横に振り嬉しいからと抱き締められた。突然の抱擁にドキッとしながらもそっと彼の背中に手を回し抱き締め返す。そして、心配していたことを吐露し、目の前にある彼の胸に顔を埋めて。こっそり撮っている写真も良いが、彼と一緒に写っている写真の方が良いなと思った。余り枚数は少ないがどれも楽しそうに笑っている。そう思い胸に埋めていた顔を上げると笑みを浮かべ告げる。)
「でもやっぱり2人で写ってるのが良いね。どれも楽しそうに笑ってる。」
鮫島旭
「……そーかよ。…そりゃどうも。」
(自分のメッシュと良く似た、透き通る水色の中に─同じ色の炎が静かに燃えているような様子で揺らめく六眼をまじまじと見ていると、ふと─綺麗だな、などと場違いな感想が浮かぶ。─男同士など論外だと思っていたが、ここまで想われて悪い気はしなかった。ふ、と鼻から息を吐き出して、脱力した手を何とか伸ばし─泣いた所為で赤くなっている目尻に、親指で軽く触れて微笑む。今思えば、あれは─五条先輩に向けるものとしては、最上級に穏やかで優しい笑顔だった。そんなことをしているうちにいよいよ眠気が限界を迎え、「……ねむ…」と小さく呟いた後、瞳を閉じて。)
五条悟
「だね。」
(彼女の言葉に頷き、改めて写真に目を落とす。─彼女の言う通り、写真に映る自分はとても楽しそうに笑っていた。笑う彼女の顔が酷く愛おしく思えて、思わず─ぎゅ、と抱き締める力を強くして。)
五条悟
「…起きて覚えてないとか言わないでよ。」
(僕が想いを告げると、旭は僕の目尻に軽く触れると微笑んだ。こんな穏やかで優しい笑顔初めてだった。以前、酔っ払って七海と間違えていた時も優しい表情ではあったが、今回はちゃんと僕に向けて笑ってくれた。これは僕の想いを受け入れてくれたということなのだろうか。訊ねようと思うも、眠気が限界を迎えたのか旭は瞳を閉じた。酔っ払っている時に告げたため覚えてないと言われればそれまでだ。覚えていなかったらきっとまた前と変わらない冷たい目を向けられる。それは流石の僕も辛いものがある。ぽつりと願うように呟けば旭の髪を撫でて、旭を抱き締めるようにして瞳を閉じた。)
胡桃沢彩莉菜
「五条くん……悟…大好き…。」
(写真に写る彼と私は楽しそうで、この頃から両想いだったんだと気付いた。だからきっと私を遠ざけたのも夏油くんのように私を失わないようにそうしたのかもしれない。彼はそう話してくれてはいないがそうなのだろうなと思った。そう思うと愛しさが増してきて、私は居なくならないからという思いを込めて彼が抱き締める力を強めたのに応えるようにぎゅっと抱き締め返し下の名前で呼んで想いを告げた。そして恥ずかしくなってつい彼の胸に顔を埋める。)
鮫島旭
「……ん゛…」
(─何か、とても穏やかな夢を見ていた気がするが─痛む頭では何も思い出せない。眉間に皺を寄せたまま頭を振り、ゆっくりと瞳を開けるとそこには─自分に抱き着いて寝ている五条先輩の姿があった。普段ならば問答無用で殴り飛ばすか蹴っているところだが─何故か今日はそうする気になれなくて、背中をバシバシと叩いて声を掛ける。「…起きてください、五条先輩…重いです。」掛ける声は少し─ほんの少しだけ普段よりも柔らかくて、自分の表情が緩んでいるのが何となく分かった。昨日、自分が何を言ったかくらいは覚えていたので─早く起きろ、という意味も込め、呑気に寝ている五条先輩の頭を引っ叩いて。)
「…10秒以内に起きないと、昨日の返事しませんよ。はい、1、2…」
五条悟
「…ん、僕も。」
(抱き締め返してくれた彼女の髪に顔を埋め、心底─一緒に居てほしい、と乞うように返事を返した。口に出して大好きだ、とは言わなかったが、恐らく伝わっているだろう。オーブンの加熱が終わった音が、何処か遠くで聞こえたような気がして。)
五条悟
「ん…もう少し…」
(昨日は旭に想いを伝えられ拒否されることも無く一緒に眠れたからか途中で目が覚めることなくぐっすりと眠れた。バシバシと背中を叩かれ声を掛け起こされる。まだ眠っていたくてぎゅっと旭に抱きつき擦り寄ってぼそぼそと引き伸ばす言葉を告げる。なんか旭の声も今までより心做しか優しくて甘えてしまう。この気持ち良い心地の中もう一眠り出来そうだとまたうとうととしていては頭を引っ叩かれた。それに加え昨日の返事という言葉に反応しては「!…はいはい、おきまーす!」とぱっと目を開き慌てて起き上がる。覚えてくれていたことを嬉しく思い六眼はきらきらと輝きながらじっと旭を見詰め「起きたから返事してくれるよね?」と訊ねて。)
胡桃沢彩莉菜
「!…出来たみたいだから見てくるね。」
(想いを込めて抱き締め返し告げ彼の胸に顔を埋める。すると彼も私の髪に顔を埋め僕もだと返事をしてくれた。短い一言だったが何処か一緒にいて欲しいと乞うような様子で私の気持ちに同じ気持ちだと答えてくれなみたいだとうれしく思った。どのくらいの時間か分からないが長いかもしれないし短いかもしれないが、そのまま彼の胸に顔を埋めていてはオーブンの音が聞こえた。はっと顔を上げると上記のように告げて彼から手を離すとキッチンに向かって。オーブンを開けると上手く焼けており取り出す。型から外しグラニュー糖をまぶせば切り分けて皿に乗せる。「出来たよ。」と声を掛けながらダイニングテーブルに並べて。)
鮫島旭
「……ま、好きにすれば良いんじゃないですか?」
(─8、まで数えたところで五条先輩が起きた。無駄に純真な光を放つ瞳で─自分のことをじっ、と見つめてくる。その眼差しに気圧され、一瞬だけ目を逸らしたが─直ぐに普段通りの冷えた声でそう返答した。そう嘯く自分の口元にはふ、と少し嫌味っぽい笑みが浮かんでいて─「…反応してやるかどうかは俺の機嫌次第ですけどね。」と続けた後、鼻を鳴らしながら踵を返し、我が物顔でキッチンへと歩いていく。別に朝はパン、だとかの拘りは無いが─今日は食パンが見当たらなかったもので、パックご飯をレンジに叩き込んでいる間─適当に和食を作って。)
五条悟
「ありがと。…凄いね。」
(出来た、と声を掛けてくる彼女に釣られてソファを立ち上がり、ダイニングテーブルに向かう。皿に乗っているガトーショコラを見た途端、思わず感嘆の声が漏れた。食べても良いのか、と伺うように彼女の顔をじっと見つめて。)
五条悟
「それじゃあ好きにさせて貰うよ♪旭本人に許可貰えたんだから僕遠慮しないよ?」
(じっと見詰め返答を待っていては目を逸らされる。そしてすぐに普段通りに戻り好きにすれば良いと言われた。続けて反応するかどうかは機嫌次第だと言う。そんなの今までの扱いに比べたら全然良い。反応をくれる可能性があるだけ良い。本人から許可を貰えたんだからどんどん攻めていくしかない。そんな事を考えながらニコニコとして返事をする。キッチンに向かった旭の様子にそのまま旭について行く。和食を作り始めた様子に背後から抱きついて「僕のも作って~」と強請って。)
胡桃沢彩莉菜
「そんな…簡単に出来るものだから大した事ないよ。…それじゃあ食べようか。」
(ダイニングテーブルにガトーショコラを並べ声を掛ける。ダイニングテーブルに来た彼は感嘆の声を上げた。その様子に首を横に振り大したものでは無いと告げて。レシピはそんなに難しくないため凄いと言われるほどではないと思い。彼からじっと見詰められては食べても良いかと言うことかと察しては笑みを浮かべ食べるように促して。味は大丈夫だろうかと心配で彼が食べる様子を見ていて。)
鮫島旭
「……お好きにどうぞ。」
(好きにしろ、と言った途端に抱き着いてくる五条先輩に─思わず溜息が漏れる。─だがまあ、自分が言ったことをやっぱり無し、と引っ込めるのも癪だ。仕方無しにそう言い放ち、作れと言われることを見越して─2つ突っ込んでいたパックご飯をレンジから取り出す。味噌汁と焼き魚、後は─卵焼きか。甘い卵焼きはあまり好きではないのだが、文句を垂れられるのも嫌なので─甘い卵焼きを作ってやった。リビングのテーブルに和食を並べ、箸を手に取って料理を口に運び。)
五条悟
「ん、いただきます。」
(彼女の顔を見つめていると、食べよう、と許可が出たので─一切れ切り分けて口に運ぶ。美味しさに頬が緩み、上機嫌に食べ進めていたが─感想を述べるのを忘れていたことを思い出し、「美味しいよ、ありがと。」と微笑んで。)
五条悟
「いただきまーす!…美味しい♪卵焼き甘いのにしてくれたんだ。」
(どうやら作れと言われると思っていたようで2人分のパックご飯を取り出していた。流石旭!僕が言いそうな事をよく分かっているようだ。そのままご機嫌でずっと旭に抱きついたままでいてはいつの間にやら朝食が出来上がっていた。旭の向かいに座り礼儀正しく手を合わせ挨拶をすると綺麗な所作で朝食に手を付ける。卵焼きを1口食べると甘さが口の中で広がった。僕に合わせて甘くしてくれたのかと嬉しく思いご機嫌に告げて。)
胡桃沢彩莉菜
「気に入って貰えて良かった。」
(彼が食べる様子を眺め味は大丈夫だろうかと反応を窺う。頬を緩ませ上機嫌な様子で食べている。口に合っている様子に安堵していると、言葉でも美味しいと言ってくれた。嬉しくて笑みを浮かべ答える。それから他愛無い話をしながら食べ進めていれば完食した。まだ何切れか余っているが1つは硝子に、あとは取り敢えず高専に持って行って食べたい人に食べてもらおうかなと思案して。)
鮫島旭
「……文句言われても嫌なんで。」
(案の定─卵焼きに反応した五条先輩の嬉しそうな声に眉を顰め、自分の分の飯に手を付ける。味噌汁に映る自分の顔は心做しか普段より穏やかで─それを見ていると、小さな笑みが漏れた。今日は確か、自分も五条先輩も非番だったはずで、自分の機嫌も然程悪くない─ならば"あれ"に連れて行ってやっても良いか、と思い、五条先輩を見据えて口を開き。)
「…五条先輩。今日、暇ですよね?俺はツーリングに行くんですが…大人しくするって約束できるなら、俺のバイクの後ろに乗って良いですよ。」
五条悟
「ご馳走様ー!」
(あまりの美味しさに黙々と食べ進めていたが、彼女から振られる話にはニコニコと笑顔を向けて答える。─そうこうしている内に─先程まで皿の上にあった筈のガトーショコラは全て自分の胃の中に消えており、手を合わせて声を上げた。ふとテーブルに目を遣ると、まだ何切れか残っているのが分かる。「まだ残ってるけど…それ、どうするの?」と彼女に問い掛けて。)
五条悟
「行く行く!大人しくします!」
(文句を言われたら嫌だからと卵焼きを甘くしてくれたらしい。旭の手作りなら文句なんて言わないのに。そんな事を考えながらご機嫌に食べ進めていると、ツーリングに誘われた。旭から誘ってくれるなんて、嬉し過ぎる。こんなのデートじゃん!しかも旭のバイクの後ろに乗れる。くっ付けるじゃん!浮き足立つのを感じながらも、今日は目隠しもサングラスも掛けていないため嬉しげに輝く六眼を惜しみなく見せながら綺麗に真っ直ぐ手を挙げ了承する。)
胡桃沢彩莉菜
「あ、これね。1つは硝子に。残りは高専に持って行って食べたい人に食べてもらおうかなって。」
(残ったガトーショコラをどうするか思案し決めた所で彼が丁度食べ終わったようで手を合わせて声を上げた。その様子に笑みを浮かべ「お粗末さまでした。」と告げる。そうしていると彼から残りのガトーショコラをどうするのかと訊ねられた。先程丁度決めていたため、考えたことをそのまま告げる。生徒達に渡すのも良いし、伊地知や学長や七海に渡すのも良いかもしれないなと考えていて。)
鮫島旭
「……」
(目に見えてはしゃぐ様子に子供か、と思いつつ─バイク取ってきます、と言い残して一旦五条先輩の家を出る。面倒ながら電車を乗り継ぎ、漸く自宅に辿り着いて─駐車場に停めてある自分のバイクを見つけた。中学時代に改造した黒い車体には─自分の名前と同じ、サメと朝日の絵が描いてある。高専に勤務するようになってから分かったことだが─この、自身の愛車は─呪術師の心臓をエンジンに内蔵する1級呪物だったらしい。道理で中学時代、このバイクで呪霊を撥ねて祓えた訳だ─と思いつつ、黒のレザージャケットに袖を通し、フルフェイスのヘルメットを被る。グリップを握り込めば、確かに─心臓の鼓動にも似ているような、エンジンの駆動音が響いた。そのまま五条先輩の家へ再び戻り、降りてくるようメッセージを送って。)
五条悟
「へー、そうなんだ…」
(彼女の言葉を聞き、あまり気の無い生返事を返した。─自分以外が彼女の手作りを食べるのは少々不満だが、仕方無い。彼女には気付かれないよう、少しばかりの恨みを込めた眼差しでガトーショコラをじっと見つめて。)
五条悟
「行ってらっしゃーい♪」
(旭から誘ってくれるなんてとうきうき上機嫌になっていてはバイクを取ってくると出て行く旭。手をヒラヒラと振り見送る。旭が戻って来る前に服など着替えて身支度しておくかと考え、洗面所に向かう。歯を磨き、顔を洗う。その後、寝室に向かい広い大きなクローゼットを開く。バイクに乗るならレザージャケットにしようかな。確かあったはず。沢山掛けてある服の中から高級なレザージャケットを取り出す。羽織りサングラスを掛けた所で携帯に通知が来た。すぐ降りるとメッセージを送れば部屋を出てエレベーターを降りエントランスを抜ける。旭が居るのを見つければにこにこと上機嫌に「お待たせ~」と近寄り。)
胡桃沢彩莉菜
「良かったら何切れか持って帰る?」
(恨みを込めた眼差しだったのは分からなかったが、彼がじっとガトーショコラを見詰めているのに気付いた。まだ食べたいと思ってくれているのかな?そんなに気に入ってくれたのだろうか。特にあげたい人は硝子くらいしか決まっていないし彼がもし食べたいと言うのならあげようかなと思い。今はお腹いっぱいで食べられないだろうし持って帰れるように包もうかなと考え提案してみる。)
鮫島旭
「……早く乗ってください、置いていきますよ。」
(近寄って来た五条先輩の姿を見て、ヘルメットのシールドを持ち上げる。軽く目を伏せて、バイクから降り─ハンドル部分に右肘を置いた。停まっていても、僅かに脈動しているような気がする愛車のシートを撫でつつ─五条先輩に声を掛ける。五条先輩の返答を待つこと無くヘルメットのシールドを降ろしてヒョイ、と身軽にシートへ跨り、グリップを握り込んでエンジンを吹かした。エンジンが低く唸るような駆動音を立て、真っ白な排気ガスに混じって─呪力が放出されるのをうっすらと感じる。もう一つのヘルメットを五条先輩に向けて放り投げ─早く乗れ、と言わんばかりに急かして。)
五条悟
「ホント?ありがとー。」
(じっとガトーショコラを見つめていると、彼女も察してくれたようで─持って帰るか、と提案してくれた。ニコニコと微笑みながらその提案を受け入れて。)
五条悟
「はいはーい、乗るよー」
(旭を見つけ近寄るとシートを撫で早く乗るように言われる。返答しようと思っていたらそれよりも早くシートへ跨った旭。バイクに乗る旭はカッコ良い。やっぱり絵になるな。うんうんと1人頷いて見蕩れていると、早く乗れと言わんばかりの様子でヘルメットを放り投げられた。受け取り、そんなに急かさなくても良いのに。と思いつつ返事を返すとヘルメットを被りバイクに跨り旭に抱き着く。)
胡桃沢彩莉菜
「ううん、私も気に入って貰えて嬉しいから。包むね。」
(彼にガトーショコラを持って帰るかと提案すると、微笑み提案を受け入れてくれた。お礼を言われるが、首を横に振る。自分の作ったものを気に入って貰えるのは嬉しい事であるためお礼などは此方の言うべきことだと思い返答する。そしてキッチンに向かうと紙袋を手に取りダイニングに戻る。その紙袋にガトーショコラを何切れか入れると封をして「どうぞ。」と彼に渡して。)
鮫島旭
「……じゃ、出しますよ。」
(ヘルメットを被った五条先輩が後ろのシートに跨り、自分に抱き着いてきたことを目視で確認した後─グリップを握り込む。海か山か、とぼんやり考えつつバイクを走らせ、高速道路に乗った。吹き抜ける風が心地良く、ヘルメットの下で目を細めながら─暫くの間バイクを走らせ、少し疲れてきた所でサービスエリアに停め、その後にバイクを降りて─ヘルメットを外した。外した拍子に髪が揺れ、一瞬だけ─絵になる光景が広がって。)
五条悟
「ん、ありがと。」
(先程とは相変わらずの笑顔で─彼女から手渡された紙袋を受け取り、ふと時計に目を遣った。そろそろ帰った方が良さそうな時間だったので─「僕、そろそろ帰るよ。じゃあね。」と声を掛け、その場から立ち去ろうとして。)
五条悟
「準備バッチリ、いつでもいいよ~!」
(後ろのシートに跨り旭に抱き着く。出しますよと言う旭の声にグッと親指を立てていつもの調子で答える。するとバイクが動き始める。風が心地好い。それに何より旭にずっとくっ付いてられるなんて幸せ過ぎる。暫くじっと旭にくっ付いたまま大人しく乗っていれば休むようでサービスエリアに停まった。バイクから降りヘルメットを外した旭の姿が絵になり綺麗で思わずぼーっと見蕩れていて。)
胡桃沢彩莉菜
「あ…ご、ごめん…なんでもない。気を付けて帰ってね。」
(ガトーショコラの入った紙袋を渡すと笑顔で受け取った彼は帰るよと立ち去ろうとする。もうそんな時間なのか。寂しいな、まだもう少し一緒に居たい。そんな事を考えていては彼の服の袖を摘み引き留めていた。自分がした行動に気付きハッとしては慌てて手を離す。我儘は言えない。名残惜しいけど仕方ない。謝ると上手く笑えているか分からないが笑みを浮かべ手を振って。)
鮫島旭
「……ジロジロ見ないでもらって良いですか?」
(ヘルメットに押し込められていた所為で、若干癖の付いた髪を手櫛で整えていたが─ふと、五条先輩からの視線に気が付いた。─他人からまじまじと見られるのは、どうにも気分が良くない。無愛想な声でそう投げ掛けつつ、外したヘルメットを一旦シートに置いてから─缶コーヒーを買いに自動販売機へと向かった。ブラックを一缶購入してバイクの側に戻った後、プルタブを引いて缶を開け─中身を喉に流し込んで。)
五条悟
「……やっぱ…もうちょっとだけ居よっかな。」
(立ち去ろうと彼女に背中を向けた瞬間、服の裾が軽く引かれる感覚がした。もしかして─と思いつつ、ちらりと横目で振り向けば─自分の服の裾を掴んでいる彼女が居る。手はすぐに離されてしまったが、下手くそな笑顔で見送ろうとする彼女を見ていると、何だか愛おしくなって─わざと聞こえるようにそう呟きながら彼女の方へと戻って。)
五条悟
「ごめんごめん!なんか絵になるなぁって思ってさ。」
(旭に見蕩れていると気付かれたようで無愛想に見ないでくれと言われた。旭はそういうじろじろ見られたりするのは好きじゃないか。まぁ、別に悪い意味で見てたんじゃないけど。そう思い謝りながら見ていた理由を告げて。そして僕もヘルメットを外して旭に続いて自動販売機に向かいココアを買い旭の元に戻り。缶を開けると飲みながら「ねぇ、こうしていつも誰か乗せてツーリングしてるの?」と訊ねてみて。)
胡桃沢彩莉菜
「!…うん、ゆっくりしてって。」
(寂しさを感じるも我儘は言えないと手を振り見送ろうとしていると、もうちょっとだけ居ようかなと戻ってきた。その言葉にまだ居てくれると思うと嬉しくなり微笑みながらこくりと頷く。そして、キッチンの方に向かうと冷蔵庫から飲み物を取り出して。飲み物を手に戻ってくると空になったコップに飲み物を注いで。)
鮫島旭
「……は?いえ、別に。」
(絵になる、などと口にする五条先輩をふん、と鼻で笑った。ココアを飲んでいる五条先輩から、丁度自分が中身を飲み切る寸前でそんなことを問い掛けられ、危うくコーヒーが気道に入りかけたが─ギリギリで堪え、何とか飲み切ってから─表情だけは普段通りにそう答える。「…中学の頃に、詩織─まあ、当時の彼女を乗せて走ってただけですよ。それ以外は家入先輩だとか、健人を時々乗せるくらいで…ほとんど一人ですけど。…それが何か?」答えた後、何故そんなことを聞くのか、と言う意味を込めて眉を顰め。)
五条悟
「……可愛いなあ。」
(もう少し居る、と自分が言った途端に、表情を明るくして─目に見えて嬉しそうになる彼女の様子を見ていると、あまりの愛おしさにそんな言葉が口から溢れた。先程のソファに戻って彼女が飲み物を注いでくれたコップを手に取り、中身を一口啜って。)
五条悟
「気になっただけだよ。…でも…へぇー、それならこれからはさ僕だけにしてよ。乗せるの。」
(きっと僕だけでは無いんだろうけど、そうならいいなあと一抹の願いを込めて問い掛けてみた。しかし想像していた通りの答えだ。それにしても彼女や七海は分かるが硝子も乗せていたのか。嫉妬を燃やし不機嫌になるも旭から問い掛けられては理由を答えた。そして、独占欲が働き僕だけにと言ってみる。想いは伝えているんだしこのくらいの我儘は許して欲しい。今まで我慢してきたし。)
胡桃沢彩莉菜
「……可愛いって…?」
(彼がまだここに居てくれるそう思うと嬉しくて沈んでいた気持ちが明るくなりパッと表情を明るくし、彼に飲み物を注いだ。私のコップにも飲み物を注いでいると彼から可愛いと溢しているのが聞こえてきた。流れ的に私のことだろうか?でも我儘言ったようなものなのに可愛いだろうかと思い。飲み物を注ぎ終えテーブルに飲み物を置き彼の隣に座り首を傾げ訊ねて。)
鮫島旭
「…………まあ、善処はしますよ。」
(五条先輩の言葉に首を傾げつつ、空になったコーヒーの缶をポイ、とゴミ箱に捨てた。シートに置いていたヘルメットを被り直し、シールドを目深に降ろす。シートに跨り、行く場所についてぼんやりと考える。─今日は天気が良い。山にでも行こうか─と考えた後、五条先輩が自分に抱き着いたことを確認し、バイクのエンジンを吹かして。)
五条悟
「んー?彩莉菜のことだよ。」
(声が聞こえたのか、尋ねてきた彼女の顔を見つめて頷く。何処かきょとんとしたような表情の彼女に思わず笑みを漏らしつつ、その頭に手を伸ばして撫でた。少し中身の減ったコップに再び口を付け、中身を啜って。)
五条悟
「約束だよ~?」
(旭は首を傾げていたが善処はすると言った。絶対にそうして欲しいのだが、そんな事を言えば逆にそれなら約束は出来ないと言われては困るため言わなかった。それに今までに比べたら進歩だ。今までなら確実に断られていた。うんうんと進歩を喜びながらココアを飲み干し、缶をゴミ箱に捨てる。旭が動かす準備をしているのを見れば後ろのシートに跨りヘルメットを被って旭に抱き着いて。)
胡桃沢彩莉菜
「え、私…?我儘なことしたのに…?」
(彼に可愛いとはどういうことか訊ねると私の事だと言われた。きょとんとした顔をしていると笑われた。可愛いって私の事だったんだ。そんな事したつもりは無い。寧ろ我儘な事をしたのに。目を瞬かせながら飲み物を飲む彼に目を向け首を傾げ訊ねてみて。)
鮫島旭
「………チッ、」
(思わず、小さな舌打ちが口から漏れる。─背中に抱き着いてきた五条先輩にでは無い。自分が今走る道の前に居る呪霊に、だ。「……ちゃんと掴まっててくださいよ、五条先輩。」と声を掛けつつグリップを握り込み、今までより更にエンジンを吹かすと─エンジンの脈動が激しくなり、排気ガスと共に放出される呪力が濃くなるのが分かった。その勢いのまま、眼の前の呪霊に勢いよく突っ込めば─呪霊は跡形も無く消し飛ぶ。その後はスピードを落とし、一応の目的地にしておいた山へとバイクを走らせて。)
五条悟
「そういうところが可愛いの。」
(自分の言葉が良く理解できていないらしい彼女の顔を─ニコニコと上機嫌に微笑みながら見つめ、「彩莉菜さあ、昔は全然我儘言ってくれなかったじゃん?だから、なんか嬉しくて。」と言葉を続けて笑ってみせて。)
五条悟
「さっすが旭!あそこで突っ込むとはね~」
(旭に抱き着いていると舌打ちをする旭にまさか僕かと一瞬目を瞬かせたが前方を見れば呪霊が居た。成程そういう事か。納得していては旭から掴まっているように言われぎゅっと抱き着いていると勢いよく呪霊に突っ込んだ。すると呪霊は跡形もなく消えた。このバイク呪力が混じっていて面白いなと思っていたが、こういう使い方をするとは。流石旭だ。スピードを落とし走っているのを横目にケラケラと笑いながら告げる。)
胡桃沢彩莉菜
「…確かに、我慢してたかも。」
(我儘なことをしたのにと告げるとそこが可愛いと言われた。よく分からず首を傾げていると昔は我儘を言わなかったから嬉しいと彼は言った。確かに、サングラスの件のこともそうだが胸に彼への想いを閉じ込めていた気がする。だからすれ違い別の道を歩むことになったのだろう。今はこうして恋人同士だし、すれ違いを経験してちゃんと想いは伝えないとと思う。そう考えては隣の彼の肩に頭を預け寄り添い、「…我儘とか、思ってることとかちゃんと言うね。」と告げて。)
鮫島旭
「……中学の頃からこんな祓い方でしたけど。」
(今しがた消し飛ばした呪霊の腕が地面に落ち、不規則に脈動するのを横目で冷たく見下ろしつつ─それを、軽く呪力を込めた爪先で踏んで潰す。何やら楽しげに笑う五条先輩をミラー越しに見据え、「…いつまで力込めてるんですか、痛いんですけど。」と文句を垂れた。少し無茶をさせたからか、呪術師の心臓を内蔵したエンジンは─全力疾走した後のように激しく鼓動を打っている。その鼓動を落ち着かせる為にゆっくりと走っていたが、やがて目的地の山へと到着した。山頂にバイクを停め、小さなベンチに腰を下ろしながら風景を眺めていて。)
五条悟
「うん、何でも言ってよ。」
(自分の肩に頭を預けてくれて、我儘やら思っていることを言う、と約束してくれた彼女の頭を撫でる。─大好きな彼女の我儘なら何でも聞けてしまう気がして、我ながら恐ろしかった。彼女とのんびりしている内、いつの間にか飲み物は空になっていて。)
五条悟
「あぁ、ごめんごめん!それだけ怖かったんだよ~」
(どうやら中学の頃からこのバイクで祓っていたようだ。呪術師は頭のネジが飛んでいる奴ばかりだが旭もその1人。流石旭だ。旭野言葉に更にケラケラと笑っていては、無意識だったがまだ強く抱き着いていたようで文句を言われた。怖かったというより面白かったのだが、旭に抱き着く口実のため怖かったと告げて。)
胡桃沢彩莉菜
「うん、ありがとう。そんな事言うと沢山言うかもよ…?」
(何でも言ってよと頭を撫でてくれた彼。嬉しくて笑みを浮かべお礼を告げた。撫でられると心地好くそのまま大人しく撫でられる。そしてのんびりしていると飲み物は空になっていた。そろそろ帰るだろうか?でもまだ居て欲しい気持ちもあり「飲み物つごうか?」と訊ねて。)
鮫島旭
「……良く言いますよ、五条先輩に怖いものなんてないでしょう。」
(─何せ"最強"らしいですからね、と馬鹿にするような響きを込めて笑った後ベンチから立ち上がって、随分鼓動の落ち着いてきたバイクの車体を撫でる。─1級呪物、"神風"。それがこのバイクに付けられた名称だった。労るように撫でれば、愛車"神風"は心地良さそうに─と言っても、一応心臓が埋め込まれているエンジン部分以外の大半は機械なので、感情など禄に分かったものではないが─低く唸るような駆動音を発する。その様子に一安心し、再びベンチへ戻って腰を下ろし。)
五条悟
「何でもいいよ。だって僕、最強だし!」
(沢山我儘を言うかもしれない、と笑う彼女に釣られて微笑み、いつもの決まり文句と共に親指を立てながら得意気に笑ってみせた。─本当に、彼女の為なら─何でも出来る気がする。と、そんなことを思っていると─飲み物を注いでくれるらしい。空になったコップを手渡し、「ありがと、彩莉菜。」と微笑んで礼を言い。)
五条悟
「まぁね、最強の僕にしてみれば他愛ないことだよ。」
(旭にはお見通しか。何処か馬鹿にするような様子で笑って告げられる。今までこんな巫山戯たこと言えばもう少し睨むなり嫌そうな雰囲気を醸し出していたが、そんな様子はない。馬鹿にしたような様子ではあったが今までより良くなった対応に機嫌を良くしながらふんすと胸を張りカッコつけて述べる。)
胡桃沢彩莉菜
「ふふ…そうだったね。ほんとに何でも叶えてくれそう。」
(沢山我儘を言うかもと告げるとドンと来いと言う様子でいつもの決まり文句を告げ得意げに笑った彼。本当に彼なら何でも我儘に応えてくれそうだと思えばクスッと笑みを浮かべ告げて。飲み物を勧めるとまだ飲むようでコップを手渡された。まだ傍に居てもらえると思えば嬉しく思い笑みを浮かべコップを受け取ると飲み物を注ぎ「はい、どうぞ。」と手渡して。)
鮫島旭
「………褒めてないんですけどね。」
(何故か得意気な五条先輩を冷たい横目で見つめ、目線の下に広がる景色に目を細める。ふと─少しずつ動いて自分に近寄ってくる"神風"に気付き、「…景色、見たいのか?」と何気なく問い掛ければ、そうだと言わんばかりに"神風"は自分の座っているベンチの隣でぴたり、と停止した。愛車と共に景色を眺め、暫しの穏やかな時間を楽しんでいて。)
五条悟
「当たり前じゃん。」
(彼女の言葉に頷き、手渡された飲み物をニコニコと微笑みながら受け取る。そのまま暫くゆったりとした時間を過ごしていたが─本当に帰った方が良い時間帯になってきた。「…んー…そろそろ帰んないと。」と呟き、ソファから立ち上がろうとして。)
五条悟
「最強って褒め言葉でしょ。」
(褒めてないと冷たい横目で見られては今までばっさり言われてきた身としては良い方であるため、褒め言葉だと答えて。旭が景色を眺める様子に僕も景色を見る。そうしているとどうやらバイクが近付いてきたようで声を掛けている。そしてバイクと共に景色を眺めている。その穏やかな表情に、このままずっとこうしていられたら良いのになと思い笑みを浮かべ眺めていて。)
胡桃沢彩莉菜
「寂しいけど…仕方ないよね…。」
(彼の頼もしい言葉に笑みを浮かべる。そうしてゆっくりと時間を過ごしていては彼は帰らないとと呟き立ち上がろうとするそれに思わず彼の手を握り思っていることを言うと約束したため思っていることを零す。そして、名残惜しげに手を離しながら「…一緒に住めたら寂しくないのにね。」と何気なく呟く。)
鮫島旭
「………お目出度い頭だな、ホント。」
(ぼそり、と聞こえないように低く呟き─心地好い脈動が伝わってくる"神風"のシートに手を置きながら景色を眺める。時折吹き抜ける涼しい風に目を細め、暫くの間そうしていたが─ふと腕時計に目を遣れば、そろそろ昼時だ。ベンチから立ち上がり、五条先輩に声を掛けて。)
「……昼。どうしますか?」
五条悟
「…ならさ、一緒に住んじゃう?」
(自分の手を掴んで寂しい、と呟く彼女の方を申し訳無さそうに見つめていたが─一緒に住めたら寂しくないのに、と何気ない調子で続けられた言葉に思わず声を掛けてしまった。出来るだけ冗談っぽい声を心掛けたが、普段通りに出来ていたか分からない。)
五条悟
「もうそんな時間かー。…何処か食べに行く?」
(心地好い雰囲気ににこにことしながらそのままでいたが、旭から昼はどうするかと訊ねられた。もうそんな時間になるのかとスマホを確認すると確かに昼の時間をさしていた。どうするかと思案した後、食べに行くかと訊ねる。僕は甘い物の店くらいしか詳しくないため、場所は旭に任せて良いとは思うが一応「甘い物でも良いならオススメ教えようか?」と訊ねる。)
胡桃沢彩莉菜
「え…一緒に…?そう出来たら嬉しいね。」
(一緒に住めたら寂しくないなど無理な事だろうなと思いながらも思った事を呟いた。すると一緒に住んじゃう?と言われた。これはノリで言っているのか、それとも本気なのか測りかね目を瞬かせ首を傾げる。しかし一緒に住めれば長く一緒に居られるし寂しくもないためそれが叶うなら嬉しい。そう思い笑みを浮かべそのことを告げる。)
鮫島旭
「…………前に俺、甘いもの好きじゃないって言いましたよね?…聞いてなかったんですか?」
(五条先輩の言葉を聞き、これ見よがしに溜息を吐き出した後─自分の携帯を確認する。山の中なので案の定と言うべきか、近くにある店は1軒か2軒ほどだ。適当な店に目星を付け、ヘルメットを被り直して"神風"に跨る。走り出す前の競走馬のように─静かながらもしっかりとした鼓動が、グリップとレザーグローブ越しに伝わってきた。乗れ、と言わんばかりに五条先輩にちらりと目線を向けて。)
五条悟
「…んー…僕、結構本気だよ?」
(微笑む彼女の表情を見ていると、冗談で済ませるのが惜しい気がしてきた。彼女の手を緩く握り、ニコニコと微笑んだままこてんと首を傾げる。先程とは違って冗談めかした声ではなく、普段よりも少し真剣な声でそう問い掛けてみて。)
五条悟
「聞いてたって~。一応言ってみただけ。」
(これ見よがしに溜息をついた旭はやはり旭が探すようで携帯を確認している。それを眺めながら何時もの調子でテキトーに答える。どうやら目星を付けたようで旭はヘルメットを被りバイクに跨った。そして乗れといった様子で目線を向けてきた。それに答えるようにヘルメットを被り後ろのシートに跨ると背中に抱きついて。)
胡桃沢彩莉菜
「本気…?でも大変じゃない?」
(叶ったら嬉しいというくらいで言ったのだが、彼は手を緩く握り本気だといつもより真剣な声色で述べている。しかし家を探したり引っ越したりと大変であるし、実現はなかなか難しいのではと思い訊ねる。1番はどちらかの家に一緒に住むというのが手っ取り早いが一人暮らし用の家なら探さないと難しいだろうなと思い。)
鮫島旭
「………雑魚の癖に…鬱陶しいな。」
(山道を走っていると、"山"と言う場所柄なのか─3級やら4級やらの悍ましい見た目をした低級呪霊が次々に行く手を阻むように湧いてきた。舌打ちと共にそれらを"神風"で撥ね飛ばし、目星を付けた店に向かって突き進んでいく。背中に抱き着く五条先輩の、子供のように高い体温がレザージャケット越しに伝わってきて、少しずつ暑苦しくなってきた。店に到着してバイクを降り、レザージャケットを脱いで。)
五条悟
「…本気だよ。」
(大変ではないか、と問い掛けてくる彼女に首を横に振り、安心させるように微笑んでみせた。かと言って─自分の家においでよ、と言えるほどの度胸は無い。何処か困ったように眉を下げながら「…でも、急に言われても困るよね。ごめん。」と謝ってから手を離して。)
五条悟
「僕が抱き着いてて暑くなっちゃった?」
(旭が目星をつけた店に向かうまでの道中、低級呪霊が湧いてきた。旭はバイクで撥ね飛ばしながら進んで行く。それがスリルがあり面白く楽しみながら乗っていては店に到着した。バイクを降りていると旭がレザージャケットを脱いでいる。抱き着いていて暑くなったのだろうか?僕の熱烈なハグに体温が上がったかなと嬉しく思いニコニコと訊ねる。)
胡桃沢彩莉菜
「ううん、私も一緒に住みたい。良かったらだけど…五条くんの家に一緒に住んでも良い…?私の家は狭いから2人で住むのは難しそうだなって。」
(色々準備が必要だと考え訊ねたが、大丈夫だという様子で首を横に振り本気だと言ってくれた。しかし、急に言われても困るかと彼は眉を下げ手を離した。その様子に思わず手を取り握り首を横に振る。本気だと言ってくれた彼に嬉しく思い、1番負担も少ない提案をしてみた。彼は御三家で羽振りも良いからか彼の家は広そうなイメージが何となくある。)
鮫島旭
「……五条先輩が無駄に体温高いだけでしょう。」
(何故か楽しそうに笑っている五条先輩を横目に、脱いだジャケットを小脇に抱え─白いカッターシャツの袖を捲って腕を露出する。そのまま店のドアを片手で引き開け、中へと入った。内装はごくシンプルで飾り気が無く、少々寂れた定食屋といった風体で─カウンターではなくテーブル席の方へ腰を下ろす。コップの水垢が残る木目を指先でなぞりつつメニューを手に取り、適当に目に付いた商品を注文して。)
五条悟
「…ホント?勿論いいけど…」
(帰ろうとして踵を返せば、彼女が慌てたように自分の手を握ってきた。柔らかい感触に一瞬驚いたものの、続けられた言葉に思わず振り向いてしまう。─彼女は、今自身が口にした言葉の意味を本当に分かっているのだろうか。一応は了承の言葉を口にするが、まだ少し戸惑っていて。)
五条悟
「それは~…旭にドキドキしてるからじゃない?」
(旭は僕の体温が高いからだと言う。体温が高いと言うならそれは旭にドキドキしているからだろう。僕的にはドキドキとかそういう意識はないけど、好きな相手に抱き着いているんだし無意識のうちにドキドキしているのかもしれない。しかし、そんなの引かれそうな気がして冗談を言う調子で告げる。店に入ると、寂れた雰囲気で呪霊でも出てきそうな感じもする。メニューを見るも特に食べたいと思うものもなく旭に続いて適当に注文した。)
胡桃沢彩莉菜
「うん、ホントだよ。……迷惑なら言って…?」
(彼と少しでも長く一緒に過ごしたくて勢いのままに言ってしまった。彼と住みたいと言うのは本当であるが、大胆な事を言ってしまった気がする。この提案は後悔してないが、段々と気持ちがしぼんできた。彼は了承をしてくれたが戸惑っている。女性からこんな事言うなんて引かれただろうか?彼を困らせたくは無い。彼の手を離すと少し俯き告げる。)
鮫島旭
「……はいはい、そうですか。」
(下らない発言を聞き流し、古びたテーブルの上に頬杖をついて─生徒たちからのメッセージが入っている携帯を触る。どうやら今日は彼らも休日らしく─1年生達で一緒に出かけているらしい写真付きで、メッセージが送られてきていた。楽しそうな彼らを見ていると、自然と表情が緩む─のと同時に、どうして自分は五条先輩と二人でツーリングなどしているのだろうか、と思考して。)
五条悟
「…迷惑じゃないよ。」
(困惑した声を上げた途端に自分の手を離し、俯いてしまった彼女の手をもう一度握り直して─その手の甲に軽くキスをした。ニコニコと微笑み、彼女を抱き締めてそう告げ。)
五条悟
「なに頬緩めて~。まさか女じゃないよね?」
(旭に冗談っぽく告げると軽くあしらわれ流されてしまった。何あれ~、もっと何か言ってくれても良いのに。そんな事を考えつつ注文したものが届くのを待っていると旭が携帯を片手に頬を緩めている。その様子に女だったらいけないとすかさず訊ねる。)
胡桃沢彩莉菜
「良かった…。引かれたかと思った…。」
(気持ちが萎み、不安になって俯いていると手を握られ手の甲にキスをされた。ドキッとして顔を上げると抱き締められ迷惑じゃないと言う彼。その言葉にほっと安堵すると思っていたことを素直に告げ彼の背中に手を回すとぎゅっと抱き締め返す。)
鮫島旭
「……虎杖くん達ですよ。」
(目敏く見つけてくる五条先輩に─鬱陶しい、と若干思いつつ、生徒達から来ているメッセージを見せた。少し無愛想な表情を浮かべている伏黒、キャラクターもののカチューシャを付けて満面の笑みを見せている虎杖。そして、楽しそうな表情を浮かべて何かを頬張っている釘崎─何枚かのそんな写真と共に、「今日遊園地来てるんすけど、暇なら鮫島先生も来ませんか」そんなメッセージと、ご丁寧に遊園地の場所までもが添えられていて。)
五条悟
「…引くわけないじゃん。」
(だって彩莉菜が言ってくれたんだよ、と付け加えながら彼女の肩に顔を埋め、抱き締め返してくれる腕の感触に目を細める。抱き締める力を少し強くし、少しの間その時間を楽しんで。)
五条悟
「あ~悠仁達かー。仲良いみたいで何よりだよ。…旭、誘われてるけど行くの?」
(旭に目敏く声を掛けると、メッセージを見せてくれた。悠仁達が遊園地を満喫している写真が送られてきている。仲良さそうに楽しんでいる様子に担任としては嬉しい事であり満足気にうんうんと頷く。そしてその後に続いているメッセージを見ては、訊ねて。)
胡桃沢彩莉菜
「ありがとう。それなら嬉しい…。」
(引くわけないとはっきり言ってくれて安堵する。私の肩に顔を埋め抱き締める力を強めた彼。それに嬉しく思い笑みを浮かべるとキュッと抱き締め返す。そうして少しの間いたが、ゆっくりと離れる。)
鮫島旭
「………そうですね、五条先輩をここに放置していって構わないなら行きますけど。」
(五条先輩の言葉に唇の端を吊り上げ、嫌味っぽく笑いながら─メッセージ画面を閉じる。そうこうしている内に頼んでいた商品が運ばれ、テーブルの上に置かれた。一旦携帯をテーブルの上に置いたまま箸を取り、食事に手を付けて。)
五条悟
「…じゃあ、今日は一旦帰るね。」
(もう少し抱き締めていたかったが、彼女が離れてしまったので─仕方無しに引き下がる。長い間座った所為で自分の尻の跡が付いたソファから立ち上がり、彼女に向けて微笑みながら手を振り─くるり、と踵を返して。)
五条悟
「え~、放置って酷くない?別に一緒に連れてってくれたら良いじゃん。」
(旭に行くのかと訊ねると、放置して良いのなら行くと言う。酷いこと言うなぁ。頬を膨らませながら告げる。届いた料理に手を付けながら別に一緒に行けば僕も悲しくないし朝日もすぐに生徒達に会えて良いだろうと思いそう提案する。)
胡桃沢彩莉菜
「うん、また明日ね。」
(流石にこんなに引き留める訳にはいかない。名残惜しく思いながらも彼と離れる。離れると彼は立ち上がり帰るねと手を振りカカトを返す。それにこくりと頷き寂しく思いながらも玄関まで見送る。少し寂しそうに笑みを浮かべ手を振り挨拶をして。)
鮫島旭
「……面倒臭い…」
(静かかつ礼儀正しい手付きで食事に手を付けていたが、子供のように頬を膨らませる五条先輩の顔を見ていると─思わず口から愚痴が飛び出した。一旦食事を止め、テーブルに放り出していた携帯を手に取る。虎杖達からのメッセージに「誘ってくれてありがとう、五条先輩と一緒だけど…迷惑にならないならお邪魔させてもらおうかな。」と返信すれば─あまり間を開けず、「迷惑じゃないっす!むしろ来てください!」と─恐らく虎杖からだと思われる返信が返ってきた。画面越しの表情が想像できた気がして─ふ、と少しだけ口元を緩めながら携帯を置き。)
「………分かりました。……連れて行きますけど、無駄に騒がないでくださいね。」
五条悟
「…そんな寂しそうな表情しないでよ。」
(寂しそうに笑う彼女の笑顔に心が締め付けられるような気がして、眉を下げながら困ったように微笑んでみせる。去り際に軽く彼女の頭を撫で、自宅へと帰っていって。)
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