匿名さん 2024-01-18 21:20:33 |
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鮫島旭
「………クソが……すみません、目黒駅前の………までお願いします。」
(会話が通じている気配のない先輩に苛立ちの限界を迎えたのか─一瞬だが、地を這うように低いキレ声が出る。それに若干驚いた様子を浮かべた運転手には普段生徒たちに向ける笑顔で謝罪し、自宅のある住所を告げた。─本心としてはこのまま道端に放置して帰りたいところだが、それで何かあったらあったで面倒極まりない。どうせ自分は明日非番だし、朝起きたらさっさと帰らせれば良いだろう─そんなことを思っている内にタクシーは自宅の入っているマンションの前で止まり、代金を払った後先輩を引き摺るようにしてタクシーから降りた。もう夜も遅くなってきたからか、エレベーターに乗り込んでも他の住人の姿は見られない。自宅のある階に到着し、鍵を開けて─先輩をソファへ雑に放り投げ、冷蔵庫から水を出して渡し。)
「……はい、水ですよ。飲めますか?」
五条悟
「ありがとー、助かったよ。」
(宥められた家入は一瞬だけじとり、と据わった眼差しで彼女を見つめたものの、何やら不明瞭な了承の声を上げながら五条の肩を素直に解放した。その後は五条の口元に近付けていたグラスを一気に飲み干し、眠くなったのか─机にぺたんと突っ伏してすやすやと呑気な寝息を立て始める。その自由極まりない光景を大人しく見守った後、彼女に笑い掛けて礼を述べて。)
五条悟
「…ありがとー」
(鮫島の様子を気にすること無く返事をするだけしてはまた目を閉じ眠りについて。どのくらい眠っていたか分からないが、引っ捕まれ引き摺られる感覚にうっすら目を覚ます。しかし特に何かする余裕も無くされるがままであり。何処かふわふわとした所に放り投げられては声を掛けられたのに気付く。うっすら目を開けば水を渡されている様子に受け取ればキャップを開けて水を飲む。冷たい水が熱くなった喉を通るのは心地好い。満足しては折角の鮫島の家だというのに再度目を閉じ眠りについて。)
胡桃沢彩莉菜
「ううん、大丈夫。…皆出来上がってきたしそろそろお開きかな。」
(家入を宥めるとじとりとした眼差しを向けられたが素直に彼を解放し、酒を飲み干すと机に突っ伏し眠り始めた。その様を見詰め困ったような笑みを浮かべていては彼からお礼を言われる。彼の方に向けば笑みを浮かべ返事をする。周りに目を向ければ家入ほどではないが出来上がっている人が多く見られ。壁にある時計を見てもそろそろ良い時刻であり、呟いていてはちょうど伊地知からお開きにするという声掛けが掛かり。)
鮫島旭
「………やっと寝たか。」
(暫くの間ぐずっていたが、漸く眠った先輩に長く深い溜息が漏れる。そのついでに出そうになる欠伸を噛み殺しながら自分もさっとシャワーを浴び、部屋着─中学時代のジャージにスウェットを着ただけの服装に着替え、ソファで呑気に眠る先輩は無視してベッドに向かう─前に、風邪を引かれても困るのでブランケットだけは掛けてやった。そのまま自分のベッドに潜り込み、布団を被って眠りに落ちる。─寝る前のトレーニングをサボったことが一瞬脳裏にちらつくが、酒の回っている頭では─ベッドから起き上がる気も起きなかった。─そして翌朝。大欠伸と共に起き上がり、若干寝癖の付いた髪を手櫛で雑に整えながら─ソファで寝ている先輩に声を掛けて。)
「……起きてください、『五条先輩』。遅刻しますよ。」
五条悟
「だねー…ね、彩莉菜。楽しかった?」
(見事なまでに酔い潰れた硝子を─補助監督達が苦労しつつ運んでいく姿を見つめ、お開きの合図で次々に全員が店を後にしていく。─ふと、隣に居る彼女にそう尋ねてみた。自分自身もかなりはしゃいだ自覚はあるが、彼女の反応を見るのが何故か怖くて─いつもよりも心做しか落ち着いた雰囲気の声が出る。そのまま首を傾げながら彼女の返答を待って。)
五条悟
「んー…あと少し…って、何で旭が居るの?」
(一度眠れば起きることも無く朝まで眠って。頭上から声が聞こえては反射的に寝返りを打ちブランケットを被る。しかし段々と覚醒してきて、ブランケットから顔を出せば振り向き目隠しを少し上げちらりと声の主である鮫島に声を掛けて。此処は僕の部屋では…。周りを眺めては見覚えのない部屋で。何処だっけ、此処…。昨日の記憶を思い出す。確かウーロン茶を飲んでそれにアルコールが入っていた所までは覚えている。)
胡桃沢彩莉菜
「…うん、楽しかったよ。五条くんも楽しめた…?」
(家入を運んで行く様子に困ったような笑みを浮かべつつ、周りが店を出て行く様子を眺めていては彼から訊ねられる。勿論楽しかった。こんなに沢山の人に歓迎してもらえて私は呪術界に居ても良いのだと思えて嬉しかった。…先程の男性教師の事には頭を抱えてしまったが。彼に目を向けては笑みを浮かべ頷く。彼も楽しめただろうか?気になれば訊ねて。)
鮫島旭
「………ウーロンハイ飲んで酔い潰れた五条先輩をわざわざ俺の家まで運んできて、水飲ませてあげたんですけど。…こんな健気な『後輩』に、お礼の一つくらいあっても良いんじゃないですか?」
(先程から手櫛で梳いているのに中々直らない襟足の、ぴょこんと小さく跳ねた寝癖を指先に絡め引っ張って伸ばしつつ、何処か寝惚けたような声を上げる先輩を冷たく見下ろす。寝起き特有の低く掠れた声で嫌味と欠伸を吐き出しながら─レンジの上に置いてあった8枚切りの食パンを取り、ベーコンとスクランブルエッグを挟んでトースターへ突っ込んだ。そのついでにインスタントコーヒーを沸かし、ブラックのまま一口啜る。底に若干粉が沈殿している気がするが、まあ良いだろう─パンが焼き上がるのを待ちながらダイニングテーブルに腰を下ろし、スウェットの尻ポケットから出した携帯を触りつつ─もう一度、先輩のことを冷たく見下ろして。)
「……俺は今日非番なんで関係無いですけど、五条先輩は仕事でしょ?さっさと行かないと遅刻しますよ。」
五条悟
「勿論!…硝子に絡まれた時はどーなるかと思ったけどね。」
(彼女の言葉に元気良く、いつものように明るい声色で返事を返した後─先程の目がガンギマリだった家入を思い出してやれやれ、と言わんばかりに肩を竦める。確か三徹明けで酒飲むためだけに歓迎会に来た、と補助監督達から聞いた覚えがあり、同級生ながら大いに健康面が心配になったのを覚えていた。視界の端で動く七海は酔い潰れた奴の後始末をしているようで、時々その金髪が店内の光を反射するので眩しく感じられて。)
五条悟
「あー…成程、そうだったんだぁ。ごめーん、ありがとー。」
(寝起きの旭可愛い!寝癖付いてる!冷たく見下ろされているのにも関わらず特に気にすること無く脳内ではレアだと喜んでいて。どうやら此処は鮫島の家らしい。此処まで運んでくれたらしい。我ながらナイス!と心の中でガッツポーズを取るも表面ではうんうんと話を聞き、反省も感謝も見られない様子で語尾には星なんかつきそうな様子で手を合わせ告げる。鮫島は朝食を作っているようでそれを目で追っていては腰を下ろした鮫島に早く高専に行くように言われる。しかしこの機会を逃すべきでは無い。そう思えば鮫島の向かいに勝手に腰を下ろしニコニコと笑い。)
「ちょっとくらい遅れたって大丈夫だよ。僕がいなくても何とかなるって。…てことで!僕にも朝ご飯お願い♪」
胡桃沢彩莉菜
「それなら良かった。硝子飲みっ放しだったし相当酔ってたもんね。」
(楽しんだ様子の彼にほっと安堵する。家入はお酒に強いがあんなになるまで飲むなんて心配である。彼の言葉に困ったような笑みを浮かべながら答える。各々話しながら出て行く端で七海が酔いつぶれた人の後始末をしている。彼に相談すべきか、七海に相談すべきか未だに悩んでいた。思わずじっと見詰めていては七海が此方を向いて目が合った。此方に近付いてきた七海は「…胡桃沢さん何か用ですか?」と訊ねてきた。その言葉に慌てて「な、何でもないよ。大変そうだなって。」と答えるも、七海は何か察しているのか「本当にそれだけですか?」と訊ねてきた。)
鮫島旭
「嫌です、さっさと仕事行ってください。」
(携帯から目線を態々上げることもなく、先輩の言葉を食い気味に一刀両断する。苛立ちを誤魔化すように勢い良く啜ったコーヒーの─やはり底に沈殿していた粉が気管に入って思わず噎せそうになるが堪え、焼き上がったパンを適当な皿に乗せてダイニングテーブルに置いた。─目前で腹の立つ笑顔を浮かべている─嫌いな先輩は居ないものとして認識しつつ、焼いたパンを齧りながら片手で携帯を触る。メッセージアプリを開くと、生徒達の連絡に紛れて中学時代に付き合っていた元カノから今度会わないか、との連絡が来ていた。─面倒極まりないそのメッセージに溜息が漏れ、アプリを開いたままであることも忘れ─先輩を居ないものと認識していたのが災いしてか、そのまま携帯をテーブルに放り出して。)
五条悟
「……」
(彼女と七海の会話を何処かむすっ、とした表情を浮かべながら面白く無さそうに見守っていたが、店の外でまだ飲み足りないらしい硝子の騒ぐ声が聞こえてきたので─仕方無しにその場を離れ、硝子の相手をしに向かった。硝子は補助監督に両腕を羽交い締めにされ、真っ赤な顔で何やらブツブツ呟いていて。)
五条悟
「いいじゃん、少しくらいさー」
(朝ご飯と要求するも食い気味に一刀両断された。それでもへこたれる事無くニコニコとした表情のまま粘る。しかし僕に応じる気は無いらしい。此方に一切目を向けない。そっちがその気なら僕だって勝手にさせてもらう。残っているインスタントコーヒーを拝借し、カップに注げば砂糖をドボドボと大量に入れ牛乳も入れて腰を下ろし飲む。鮫島は何やら携帯を弄っているが溜息を漏らしたと思えばテーブルに携帯を放った。何に溜息をついていたんだろう。気になり画面が明るいままの液晶をちらと見る。女の子から会わないかとメッセージが来ている。コーヒーをテーブルに置けば頬杖をつき表情は笑っているが嫉妬を内に秘め携帯を指差し問う。)
「ねぇ…この子誰?」
胡桃沢彩莉菜
「…相談したい事があって。」
(七海に見透かされていては話すしかなくて。ちらと周りを見ては彼も居なくなり誰も居ない。今なら言える。そう思い勇気を出して相談する。話を聞いた七海は「…大体事情は分かりました。でも、私じゃなくても良いでしょう。五条さんにでも頼めば。」と言われる。確かに1番彼が今の私の中では傍に居る存在でお願いしても可笑しくは無い。しかし、意識してしまいそうで。あの頃の気持ちを思い出してしまいそうな気がする。だがそんな事七海には言えないため「五条くんはなんていうか…カッコ良すぎて信じて貰えないかなって。」と誤魔化し告げて。七海は疑いの目を向けていたが溜め息をつき「…分かりました、引き受けます。」と述べた。_それから何かあった時のために七海と連絡先を交換しては七海と共に店の外に出て。)
鮫島旭
「……プライベートです、五条先輩には関係無いでしょう。…というより…そんな甘ったるそうなの良く飲めますね、中身ほとんど砂糖とミルクじゃないですか。」
(先輩から掛けられた声で、漸く自分がメッセージアプリを開いたまま携帯を放り出していたことに気付く。先輩に見られたところでイジられはするだろうが─別にそれ以外の弊害は無いだろうから殊更慌てる必要も無い。ので携帯を悠々と回収し、画面を閉じて尻ポケットへ戻しながら─目前に置かれたカップの中の、最早コーヒーの面影すら無い薄い茶色をした液体を見遣った。カップの表面張力でギリギリ耐えているようなレベルのそれは酷く甘ったるそうで、見ているだけで胃もたれしそうになる。そうこうしている内に皿の上のパンを全て胃袋へ収納し、キッチンでその皿を洗ってから─ジャージを脱いで黒のTシャツとスウェットの姿に着替え、筋トレ前のストレッチを始めた。─動く度にTシャツの生地が張り、筋肉の形が浮き出る。そろそろ大きめのサイズに変えた方が良いだろうか、と思いながらもストレッチをしていて。)
五条悟
「もー、分かったってば硝子。」
(適当にあしらって戻ろうとしても、硝子は自分の腕をがっしり掴んだまま「早く彩莉菜に告白しろ、鬱陶しい」だの「丸分かりなんだよ」だのと呂律の回らない口調でブツブツ呟いている。申し訳無さそうにする補助監督に大丈夫、と知らせるために手を振ってみせ、掴まれていない方の手で硝子を自分から引き剥がした。引き剥がされた硝子は相変わらず何か呟いていたが、少しして─かくん、と力が抜けたように項垂れてはまたすやすやと眠り始めて。)
五条悟
「これなら何杯でも飲めるよー。」
(関係ない訳が無い。大有りだ。好きな人の恋愛事情は気になるものだし。そう思うもそんな事言える訳もなく、「けちー」などとブーブー文句を垂れる。携帯をしまった鮫島は僕の飲んでいるコーヒーを指摘してきた。いつも当たり前にこのくらい甘くしているため僕にとってはこれくらいが丁度良い。逆にブラックなど飲める鮫島の方がどうかしていると思うくらいだ。話していては食べ終わったようで今度は服を着替えストレッチを始めた。Tシャツから筋肉の形が見えて凄く良い。じっと眺めていては触りたくなってきて近寄れば「手伝おうかー?」とニコニコしながら鮫島の顔を覗き込んで。)
胡桃沢彩莉菜
「あ…五条くん、大丈夫?」
(七海と店の外に出ては彼と家入と補助監督がいるのを見付けて。其方に近寄れば声を掛ける。七海はタクシーを呼んだようで「家入さんはこのタクシーで送り届けます。」と告げては補助監督と共に家入をタクシーに乗せて。補助監督と共にそのタクシーに乗れば七海は彼に目を向け「五条さんは胡桃沢さんをお願いします。」と告げてはタクシーは動き出して。その様子を手を振り見送って。)
鮫島旭
「………逆に聞きますが、俺が五条先輩にそんなこと頼むと思いますか?」
(先輩の文句は気にしても仕方無いので─最早風変わりなBGMだと思い込むことにして、肩の筋肉を緩やかに解す。先輩からの下らない申し出にはギロリと睨む眼差しだけ返し、床に肘をついてプランクの体勢を取った。血管が浮き出る程腕に力を込めて身体をぐ、と持ち上げ、今度は力を抜いて身体をどすん、と落とす。何十回かそれを繰り返すうち、首筋にうっすらとだが汗の玉が浮かび始めた。─一向に高専へ向かう様子の無い先輩を横目に早く仕事に向かえ、と無言の圧を掛けつつも─洗面所へハンドタオルを取りに向かい、首筋からつう、と垂れてTシャツの中へと伝う汗を拭おうとして。)
五条悟
「ん?あー、大丈夫大丈夫!…僕らも帰ろっか。」
(彼女の声に振り向き、軽い声でそう答えてはぐっ、と親指を立ててみせる。補助監督と七海によってタクシーの中へと連れて行かれる─相変わらず寝たままの硝子を見送り、少しした後に彼女にそう話を振ってみた。それほど遅い時間では無いからか、幸いなことに─タクシーは大量に道を行き交っているため、呼び止めるのは簡単に思えて。)
五条悟
「頼まないだろうねー。折角の先輩からの申し出なのにさ、断るなんて勿体ないよね。」
(つい触りたくなり手伝うなどと言えば、ギロりと睨まれた。しかし特に気にすることも無く問い掛けに答える。何故断るのか、別に悪いようにはしないのに。勿体ないという言葉を強調させながらやれやれと肩を竦めて。そうしている間にも鍛えている鮫島の身体に汗の玉が浮かんできた。じっと見ていては無言の圧に気付くもまだ楽しみたく行く気は無い。ハンドタオルを取りに向かったのに気付けば瞬間移動して先回りしてはハンドタオルを手に鮫島の前にニコニコとして立ちはだかり。)
「旭ー、僕が拭いてあげるよ。さあ、脱いで脱いで?」
胡桃沢彩莉菜
「うん、そうだね。」
(家入達を乗せたタクシーを手を振り見送り。見えなくなった頃、彼から帰ろうかと言われる。笑みを浮かべこくりと頷き賛成をする。彼はきっと前のようにタクシーを呼んでくれ見送ってくれるのだろう。お別れなのは少し寂しく思ってしまう。こんな気持ちは閉じ込めておかなきゃ。そう言い聞かせ笑みを浮かべお別れの言葉を告げる。)
「歓迎会楽しかった。また飲み会出来ると良いね。」
鮫島旭
「………流石に気持ち悪いですよ、五条先輩。汗くらい自分で拭くので結構です。」
(洗面所に置いてあるハンドタオルに手を伸ばしたが─わざわざ瞬間移動してきたらしい先輩に、手が触れる直前でそれを奪い取られる。─こんなことに無下限呪術を使うな、とは若干思ったものの。それだけならまだ苛立ち程度で許せたのだが、その上ストリップまで要求されては─流石に苛立ちの許容範囲を超えた。我ながらそこら辺のゴミでも見るような眼差しで先輩を冷たく見下したものの─先輩に構っていてはTシャツの中にまで汗が垂れて身体が冷えてしまう。諦めと溜息混じりにその場に屈み込んでは、足元の戸棚から別のハンドタオルと黒いヘアゴムを取り出す。首筋に掛かる襟足の長い部分をヘアゴムで束ね、項辺りの汗と─Tシャツの首元を引っ張って伸ばし、隙間から手を差し入れては背中の上部をタオルで拭って。)
五条悟
「…そー、だね。」
(彼女の発した別れの言葉に、一瞬─無性にその腕を掴んで、帰らないで、もっと一緒に居て、と─この場に引き留めたくなった。だが今の自分は、そんなことが軽率に出来ない程─大人になって"しまった"のだ。彼女の腕へ伸ばしかけた手を途中で止め、偶然通り掛かったタクシーを呼び止める。開いたドアに彼女を押し込むようにして座らせ、離せなくなりそうな手を無理矢理離して─開きかけた口を閉じ、手を振って彼女を見送り。)
「……─また、高専でね。」
五条悟
「流石に脱いでっていうのは冗談だけど、届かない所は拭いてあげるよ?例えば背中とかさー」
(大好きな旭の為に好意として、まぁ…少し下心もあったけど、汗を拭いてあげると言ったのに気持ち悪いと言われた。流石に付き合っていないのにそこまでするのは引かれるか。冷たい目で見られては表面上はいつも通りへらへらしているが内心は攻め過ぎたかと反省。旭は足元の戸棚から別のハンドタオルを取り出し拭いている。またその拭いている様を見ていては触れてみたいという衝動に駆られる。ここは親切心という事にして背中が拭きにくいだろうと思い提案する。)
胡桃沢彩莉菜
「うん、また高専で…。」
(別れの言葉を告げると返事をした彼は、タクシーを呼び止めドアを開け私を座らせた。手を振る彼が少し名残惜しそうに見えるのは気の所為だろうか。そう思うも何も言えず手を振り挨拶をして。住所を告げるとタクシーは動き出して。_それから次の日。二日酔いになってしまった硝子の手伝いで書類作成をしており。しんどそうな硝子に書類を作成しながら「大丈夫?」と訊ねる。_一方、七海は高専で任務の報告をした帰りに共有スペースに居た五条に「…五条さん、お疲れ様です。少しお時間宜しいですか。胡桃沢さんの事で話があります。」と声を掛けて。)
鮫島旭
「…………あんまりベタベタ触らないでくださいね、投げ飛ばしますよ。」
(先輩のことを完全に信用した訳では無いが、確かに背中は自分だと手が届きづらい。長い沈黙を挟んだ後─溜息と共に、先程より多少はマシになったものの、まだゴミを見るような眼差しのまま先輩を見つめながらTシャツを首元辺りまで捲り、汗の玉が薄く光る─くっきりと筋肉の形が浮き上がっている背筋を露出した。その間も自分が手に持っているハンドタオルで腕や首、それに額の汗を拭い、洗面所で顔を洗う。顔を洗ったついでに鬱陶しい前髪を掻き上げ、水でオールバックに撫で付けた。顔を拭いた後は棚の上に乗せてある10kgのダンベルを手に取り、負荷を掛けるようにしてゆっくりと上下に動かすが─もう片方の手ではなんとも涼しい顔のまま携帯を触っていて。)
五条悟
「んー?…珍しいね、どしたの七海。」
(共有スペースでいつもの如く足を大股に広げ、背凭れに腕を投げ出した姿勢のまま一人でソファを独占していると─目隠しから僅かに見える視界の端に金髪が動くのが見える。ひょい、と目隠しを軽く外してその姿をよく見れば、それは七海─普段は自分のことを毛嫌いしている筈の後輩だった。彼女のことで話がある、と言われると─我ながらぴくり、と表情筋が動くのが分かる。七海の返事を聞く前に自分の隣へ座らせ、肩に手を回して。)
五条悟
「大丈夫、触らないよ。」
(また断られるかと思ったが、鮫島も手が届きづらいと納得したのか長い沈黙の後に許可が出た。背中を首元辺りまで捲り背筋を露出している。思わずベタベタ触ってしまいたくなるが触らないように言われたし、これ以上引かれても困るため、ぐっと堪えニコニコとしたまま拳を胸にポンとして任せろと言った様子で背中の汗をハンドタオルで拭ってやる。ハンドタオル越しなのが残念だなぁ。付き合えば触れるのに。ゆっくり拭いていたが拭き終わり「拭いたよー。」と告げて。10kgのダンベルを持ちながら余裕そうな鮫島に目を見張る。ふと携帯を触る様子に女の子に返信していないだろうかと背後からちらと盗み見て。)
胡桃沢彩莉菜
「あ…そうだ、あのね…」
(硝子は「おー、大丈夫」と気だるそうだが手をひらひらとさせている。その様子を見ながらも硝子に前の同僚の件を伝えておこうと思えば起こった出来事を伝えて。_七海は簡潔に話をしようと思っていたため座らされ肩に手を回されては眉を顰めるが溜め息をつき「…胡桃沢さんが前職の同僚から言い寄られているようです。断っても執拗いため恋人が居ると言ったところ直接見ないと信じないと言われたそうです。それで私に恋人のフリをしてくれと頼んできました。しかし、生憎予定が入ったので五条さん代わりに行って貰えませんか?」と簡潔に纏め告げた。)
鮫島旭
「……ああ、どうも。」
(自分が携帯を触っている間に背中を拭き終わったらしく、先輩の声が耳に入る。一応は軽い会釈付きの礼を述べ、ダンベルを棚の上に戻してから歯ブラシを手に取った。歯を磨きながらメッセージアプリをもう一度開き、元カノからの会わないか、というメッセージに─『会うだけならいいよ、どこで待ち合わせする?』と簡潔な返信を済ませて携帯をポケットへ戻す。口に溜まった歯磨き粉を吐き出し、口を濯いでリビングへ戻り─ソファに身を委ねてテレビを点けた。早朝のニュース番組は既に終わりかけていて、タレントが司会を務める─朝方のバラエティ番組が流れ始めている。それを真剣に見るでもなく流し見し、リビングの掛け時計に目を遣ると─出勤している日なら、もう授業が始まっている時間だった。いつまで居る気だ、と言わんばかりに先輩を見つめ、声を掛けて。)
「……もう大遅刻ですね。まさかとは思いますけど…学生の頃みたいにサボるんですか?」
五条悟
「ふーん…最初は七海に頼んだんだ。」
(─七海の話を聞いていると、なんだか無性に腹が立ってきた。なんで僕に頼まないの、だとか、どうして七海なら良いのか、だとか─どす黒い感情が湧き上がってくるのを抑えながら「ま、いいよ。」と返事をして七海を解放する。解放した後はまたソファを一人で独占し、共有スペースの天井を仰ぎながら─今しがた湧いてきた感情に首を傾げて。)
五条悟
「まさかぁ!もう30手前の大人だよ?流石にサボりはしないよ。そろそろ行くかなぁ…じゃあまたねー」
(特に此方を気にも留める様子はなく軽く礼を言われた。その様子にちらと携帯を見ていては女の子に返信しているようで。会う気のようだ。胸がモヤモヤとして文句を言ってしまいそうになるが関係ないと言われるのは目に見えているためムッとしながらも口を噤み何も告げず。その間に歯磨きを終えた旭はリビングのソファに腰を下ろした。僕ものんびりソファに向かおうとしていたところいつまで居る気だという様子で声を掛けられた。流石に学生とは違い、仕事である。サボる気は無い。掛け時計に目をやると授業が始まっており何時ものように遅刻かと特に気にも留めてはいない時刻だろう。そろそろ行かないと痺れを切らしかねないため残念だが行くことにする。旭にへらっと挨拶をしては瞬間移動をして姿を消し、教室に移動して。手をパンパンと叩いて生徒達に声を掛けて。)
「はーい、お待たせ♪授業始めるよー」
胡桃沢彩莉菜
「え…それは…その、意識しちゃいそうだから…。」
(硝子に経緯を話すと、「七海にね…何で五条に頼まなかったんだ?」と七海くんと同じような事を問われる。硝子になら言っても良いだろうか?おずおずと本音を吐露する。硝子は私の言葉に溜息をつき「…早くくっつけ。…まぁ、七海なら上手くやるか。」と何やらよく分からない事を呟いていた。_七海は了承され解放されては立ち上がり「…明日の10時に約束しているのでお願いします。」と告げては去って行く。「…世話の焼ける先輩達だ。」と溜息と共に呟けば高専を後にして。)
鮫島旭
「………大人、ね。どの口が言うんだか。」
(瞬間移動で消えた先輩を見送り、漸く静かになったリビングで一人─疲れ果てたような溜息を漏らした。─今まで流れていたバラエティ番組はいつの間にか終わっており、後の番組表を見たところで然程面白いものも無かったのでテレビを消す。本格的にしん、と静まり返った部屋で中断していたトレーニングを再開していたが、ふと─ピコン、と新着メッセージを受信した音が鳴った。『今日のお昼、駅前に新しく出来たカフェで会おうよ』と返信が来ており、『わかった』と簡潔な返事だけを送って会話を終わらせ─携帯をソファの端にぽい、と放り投げる。その後もトレーニングに明け暮れる内、掛け時計の時刻は昼を指していた。白のTシャツに黒いジャケット、ジーンズにスニーカーを履いた軽装に着替え、元カノと会う約束をしているカフェへと向かって。)
五条悟
「はーい。」
(暫くはそのままぼんやりと首を傾げていたが─共有スペースから立ち去っていく七海の言葉に手を挙げて笑い、その背中を見送った。手持ち無沙汰に目隠しを引っ張って思い切り伸ばし、結果は目に見えているが手を離すと─バチン、と重めの音が鳴って目元に衝撃が来る。少しの間そんな馬鹿げたことをして遊んだ後、ソファから立ち上がって。)
五条悟
「パンケーキ1つお願いしまーす。」
(教室に現れては生徒達に文句を言われたが、軽くあしらい授業を始めて。適当に終わらせては昼休憩になり、駅前に新しく出来たカフェのパンケーキが話題になっておりチェックするためカフェに向かう。カフェに到着し、席に座りすぐにお目当てのパンケーキを注文して。店員を見送り、ふと出入口付近の窓に目を向けては旭が居るのを見付けて。声を掛けようと思うが、甘い物が苦手な旭が態々1人でカフェに来ようと思うのか。これはもしかして女の子では?それならばと少し様子を見てみることにして。)
胡桃沢彩莉菜
「あ…そうだね、行ってくる。」
(首を傾げていると硝子は「自習させてるんだろう?こっちはもう私1人で大丈夫だからそろそろ見に行ってやったら?」と言われる。生徒達には自習としてプリントを渡し解いて貰っていた。時計を確認すればそろそろ授業も終わる時間のため教室に向かうことにした。問題の解答を書いたプリントを手に廊下を歩いていては丁度共有スペースから彼が出てきて鉢合わせる。一瞬目を瞬かせるも笑みを浮かべては「あ…五条くん。」と名前を呼び声を掛けて。)
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