ぬっしっし。 2024-01-16 19:21:05 |
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いい…アイツら待たせてるから…その内治る…
(裾を引っ張る武良井の手を解こうとするが、彼に体制を立て直す力は残っておらずバランスを崩して両手を床についてしまう)
はぁ…、はぁ…っ
(そのまま床に蹲り、荒い息づかいを繰り返して)
『 そう、ですか。 無理強いしてすみませんでしたっ。 』
少し悲しそうに俯くと速足で下駄箱に向かった。昔のことを思い出して表情が
暗くなる。雨が降っているが傘の存在も忘れ濡れたまま家まで走っていった。
っ、くそ……もう忘れるって、決めた、だろ……っ
(雨の中走り去って行く武良井を目で追いつつ、治らない呼吸音に苛立ちを覚えて自身の膝を叩き。人目も憚らず大声で叫ぶと、起き上がって走り出し、校舎を出て)
……やっぱ、あやまら、ねぇとな……
(濡れた制服を洗濯機にぶち込み、身体を拭きながらぼーっとした頭で呟き。ぐっすり眠ると心身共に幾分かすっきりしたようで、友人のツテを辿って武良井を探し)
『 もうっ、無理…。 』
少しずつ呼吸が乱れてきて道路で跪いてしまった。目の前が何も見えなくなって
過呼吸を起こしてしまった。雨も降っているしこのままだと風邪をひいてしまう。
空が暗くなって昔の光景と重なり、倒れこんでしまった。帰らなきゃ、そんなこと
を考えながら目が閉じた。
この辺…だよな…ほんとに合ってんのか?
(土砂降りの中、友人をひとり連れて歩く。これは自分の体調を危惧しての事だったが、やっぱり出掛けるべきでは無かったと今更ながら後悔して。少々揉めながら人影を探していると、道に倒れている武良井を発見し)
っおい、おい!しっかりしろ!!…っ、ここからならあそこの病院が近い、か…連れてくぞ!!
『 ん 、 病院 … 。 なんでっ 。 』
目を開けると見慣れた天井が目に映る。親が働いていた病院だった。土砂降りの中で
走っていたところまでしか覚えていない。周りを見渡すと椅子に座って寝ている大男
が二人。この人たちが運んでくれたのか。私の掛布団をふたりの大男に駆けると中庭
に出た。
ん……あ?……あいつどこ行った?……って、ベッドもカラじゃねぇか!!ったく、世話の焼ける……
(目覚めると、友人の姿は無く、ベッドの人影も消えていた。自分が何の為に病院に運んできたのかと少し呆れた様子で立ち上がり、武良井を探し始める)
……言われなくても解ってるっつーの!……解った、心配いらねぇよ。自分で何とかする
(道中着信があり取ると、かの友人からだった。自分の事を心配してあれこれと話す友人に少し雑に返事をすると通話を切り、再び武良井を探して歩き始め)
『 やっぱり 、 中庭が 一番落ち着く 。 』
思い出が詰まった中庭で寝っ転がって空気を吸う。人があまり通らない場所のため静かだ。
昔のことを思い出して目を閉じたらすぐに眠りについてしまった。少しすると誰かの足音
が聞こえて目が覚めた。目をこすって体を起こすと父の友人がいた。怖い。震えが止まら
ない。誰か来て、と願ってから少しして体に力が入らなくなってきた。父の友人が言った。
「 あの出来事は忘れなさい 。 誰も悪くないんだ 。 もちろん ≪ キミ ≫ もね 。 」
…あんな所に…一緒にいんのは知り合い、なのか?
(歩き回ってやっと武良井の姿を見つけたが、誰かと話しているのに気付き少し気まずくなり2人の様子を伺い)
…おい、ソイツから離れろ
(少しして何となく武良井が話し相手に対して恐怖を抱いている様に感じ、考える前に身体が動いていた。2人の間に割って入ると相手をギッと睨み)
『 あっ 、 えっと 、 青井さん ? 私は大丈夫ですから その人から離れて下さいっ ! 』
我を忘れていると男が一人、私をかばうように出た。相手は望のためなら手段を択ばないやつだ。
心配が心配を超え声に出た。慌てて腕を引いた。睨む目を見て怖くなり手を放す。その場にいられ
なくなり走って病院外に出る。
…っおい待て!!…ちっ、後で話付けっからな!
(走り出した武良井を追いたい気持ちと相手を放っては行けない葛藤の末、捨て台詞を吐いて武良井を追いかけていく)
っ、スンマセン……どこ行ったあいつ…そんなに遠くには言ってねぇよな…
(院内は走らない様に、とすれ違った看護師に言われ速度を落とす。またしても見失ってしまった対象にほんの少しうんざりして膝に手を付いて肩で息をして)
『 はぁっ 、 ここ … どこ …っ 。 』
勢いで外に出たものの何処だかわからず迷ってしまう。走ってきたため息切れもすごく
知らない公園のブランコに腰を下ろす。猫が寄ってきたりして心安らいでいた。さっき
のことを思い出して青井さんはどうなったのだろうかと考えてブランコで揺れていた。
や、っっと見つけた……
(病院を出るにも色々手続きが必要で、面倒な作業に苛立ちながらも終わらせて武良井を探す為に走り回ってやっと見つけた頃には、もう空気が変わりつつあった)
今度は、逃げんなよ
(まるで自分に言い聞かせる様に呟くと、静かに武良井に近付いて行き)
(遅くなりすみません!)
『 あっ 、 青井さん 。 さっき 勝手に 走っていって御免なさい …。 』
静かに近づいてくる人の気配を感じると振り向いて勢い良く頭を何度も下げる。焦って
説明しようと口を開くが考えがまとまらず下を向いて俯く。
/ 平気ですよ !!!
謝罪は求めてねぇ。俺は……事情が知りたいだけだ
(ゆっくりと近付くと隣のブランコに腰を下ろし)
れ、礼儀の上で名前を聞くときは先ずは自分から、と言うからな。……昨日の事……俺は、女性が苦手なんだ
(長めに息をついて呼吸を整えつつ、話し始め)
小さい時、誘拐されかけてな……助けてくれたのがとある女性だったんだが……そいつが主犯だったんだ。……つまり俺が植え付けられた恐怖は、全てその女の自作自演……全く、ひでぇ話だろ……もう、忘れたはずだったのにな……
(前屈みになり、項垂れるとまたため息をついて)
『 っ …。 私 、 馴れ馴れしく … 御免なさい 。 私は 、 えっと 。 』
静かに泣きながら言葉を発する。自分の過去はというと話そうとせず、暗い表情をして下を向いて
俯いてしまう。女子が苦手な相手に関する態度の反省と自分の過去とを比べて再度泣き顔を見せる。
見せまいと立ち上がり立ち去ろうとする。すると雨が降ってき、だんだん土砂降りになる。目の前
が見えづらくなりフラフラしてそのまま歩いていく。
っ、待てって!!最後まで聞けよ!!
(去っていく相手の手を掴んで引き留めて、大きな声で呼びとめ)
お前なら平気なんだ!!だから、~っ、なんで伝わらねぇかなぁ……!!側にいろって!!それで、もっとお前のこと教えろ!!
(ガシガシと頭をかいて、拙い言葉を並べる。一緒にいて欲しいとただ言いたいだけなのに、それが上手く伝わらないもどかしさで苛立ちながら)
(すみません遅くなりました!)
『 傍に ? でも私 … 。 』
少し吃驚したような表情をして戸惑う。掴まれた手を見て「お前なら平気」という言葉
に確信を持つ。自分も心を許してしまって良いのか、と心内で自分と葛藤する。相手の
表情を伺って「此の人なら」と少し頬を緩めてみる。この人は他の人とは違うのかもし
れない、と自然と相手に身を任せていた。
そうだ!お前の過去に、どんな事があったかは知らない。けど、俺はお前と一緒にいたい。お前の声が、歌が、どうしようもなく……離れねぇっ……
(ぐ、と掴んだ手に力を込めて言葉を発する。呼吸が荒くなり、文末は雨の音にかき消されそうになるが必死に伝え)
だから、な?もう、勝手に何処にも行くな……
(掴んだ腕を引き寄せて、自分の胸に抱き寄せる)
『 ごめん 、 なさい 。 』
意味深な謝罪をし泣き顔を隠すように胸に顔を埋める。
とりあえず雨宿りをしようと近くのカフェを指さす。
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