「 手を繋いで帰ろう 貴方が深く眠れるように 」
「 夢焦がれ夜空に沈み月を見る 誰が為の影は向後の月虹 」
「 双眸へ空へと描く陽の色 吹き抜ける風の音は祝福に 」
『 瞳の奥に光が降り注ぐ。きっと、そういうものが一番美しいと知っていた 』
「 どうか笑っていてね 」
『 リグレット。君の剣を手放して 』
『 ――何度失っても、自分でいたい 』
「 どうか穏やかに 」
「 ――僕を、ちゃんと見て 」
「 心ひとつ、夜の静寂に溶けてゆく 」
(心ひとつ、夜の静寂に溶けてゆく。夜の色に背中を預けて音のない時間そのものに身体も溶けてゆく。陸を目指して泳ぐ魚のように夜空へ向かって言の葉たちがひらりひらりと舞い散る様子を眺めて飽きた頃、瞼をゆっくりと下ろしてしまおう。朝の光が降り注がなくても、あのメロディが聞こえなくなっても、僕は再び目覚めると信じて。)
『 意固地だね、リグレット 』